JP5410826B2 - ズボンプレス装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えばクリーニングを終えたズボン(なお、クリーニング対象物としてズボンの用語を使用するが、同等の形態を有する各種衣類も含み、また例えばパンツ等も同義語である。)に仕上げプレスを施すズボンプレス装置に関する。
例えばズボンのクリーニング工程では、洗浄工程や部分アイロン工程等の所定の工程を経た後に、仕上げ用のズボンプレス装置により仕上げプレスが施される。ズボンプレス装置は、一般にプレス面上にズボンを位置決め載置する下コテと、この下コテに対して接離動作する上コテとを備え、仕上げ仕様に応じて例えばズボンにシロセット加工液や防水加工液等を噴霧した状態で上コテを下コテに対して圧接させて加熱、加圧することにより仕上げプレスを施す(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3を参照)。
ズボンプレス装置は、上コテや下コテが、例えば金属メッシュ材や繊維メッシュ材とフェルト材等を積層してなる基台部と、この基台部のプレス面側に積層されたウレタン材やスポンジ材等の弾性シート体からなるプレスパッドと、全体を包み込む布カバー等により構成される。ズボンプレス装置には、例えば上コテ側にプレス空間部に吹き込む蒸気供給部や加熱部が設けられる。ズボンプレス装置は、下コテのプレス面上にズボンを位置決め載置した状態で、上コテを動作させてズボンを加熱、加圧する。ズボンプレス装置は、その際に上コテや下コテのプレスパッドが適宜弾性変形してズボンを保持する。
特開昭60−114298号公報 特開2001−104699公報 特開平6−254300号公報
ところで、ズボン100は、図9に示すように中央部のサイド縫い目部位101が縫い目102に沿って縫い代部103A、103Bを両側の見頃部位104に重ね合わせて縫製されている。ズボン100は、片側毎に互いのサイド縫い目部位101を合わせ、さらにそれぞれのサイド縫い目部位101を合わせて両足部分が重ね合わされてズボンプレス装置の下コテ上に位置決め載置される。したがって、ズボン100は、生地が4枚分となるサイド縫い目部位101が地の見頃部位104に対して厚みが大きくなっており、この状態で仕上げプレスが行われることになる。
ズボンプレス装置は、上述した形態のズボン100に対して仕上げプレスを施す際に、厚みを異にするサイド縫い目部位101と見頃部位104に対して異なるプレス力を作用させる。ズボンプレス装置は、上コテのプレス面がサイド縫い目部位101に突き当たると上コテ及び下コテのプレスパッドにおいて当該サイド縫い目部位101に次第に弾性変形が生じ、上コテが動作するにしたがって各プレスパッドが見頃部位104に突き当たって次第に弾性変形して所定のプレス力をズボンに作用させる。
ズボンプレス装置においては、上述したようにサイド縫い目部位101と見頃部位104に対して異なるタイミングと異なる大きさのプレス力を作用させることからズボン100に歪みを生じさせて、例えばサイド縫い目部位101の周囲の見頃部位104に皺を発生させてしまうことがあった。このため、ズボン100のプレス工程においては、プレス装置による仕上げブレスを施した後に、発生した皺を無くす面倒かつ非効率な手作業のプレス作業が必要であった。
したがって、本発明は、上述した従来のズボンプレス装置の問題を解決し、厚手となるサイド縫い目部位の周囲に皺よりが生じることなく良好な仕上げプレスを効率的に施すことを可能とするズボンプレス装置を提供することを目的に提案されたものである。
上述した目的を達成する本発明にかかるズボンプレス装置は、スタンド部と、このスタンド部に組み合わされた下コテと、この下コテと対向して前記スタンド部に組み合わされ駆動機構により前記下コテに対して昇降動作或いは回動動作される上コテと、前記下コテとの間において第1のプレス空間部を構成するとともに前記上コテとの間に第2のプレス空間部を構成して前記スタンド部に組み合わされ駆動機構により前記下コテに対して昇降動作或いは回動動作される中間コテとを備える。ズボンプレス装置は、前記第1のプレス空間部と前記第2のプレス空間部にそれぞれ位置決め載置したズボンに仕上げプレスを施す。ズボンプレス装置は、前記中間コテが、弾性シート材からなるプレスパッドをカバーで包み込んでなり、ズボンのサイド縫い目部位に押し当てられて当該サイド縫い目部位にプレスを施す長さ方向の縫い目プレス部と、この縫い目プレス部とプレス面において同一面を構成しそれぞれのズボンのサイド縫い目部位を挟んで構成する両側の見頃部位にプレスを施す地プレス部とから構成され、前記縫い目プレス部が、前記地プレス部に対して硬度が小さい柔らかい部位として形成される。
以上のように構成されたズボンプレス装置は、下コテと中間コテ或いは中間コテと上コテとの間に構成された第1のプレス空間部及び第2のプレス空間部にそれぞれズボンを位置決め載置して同時に仕上げプレスを施すことが可能である。ズボンプレス装置は、下コテと中間コテとの間の第1のプレス空間部に位置決め載置する下層ズボンと、中間コテと上コテとの間の第2のプレス空間部に位置決め載置する上層ズボンのそれぞれの縫い目プレス部位を相対して位置合わせした状態に保持する。ズボンプレス装置は、プレス動作を開始して下コテに対して中間コテと上コテとを動作させる。ズボンプレス装置は、下層ズボンと上層ズボンがそれぞれのサイドの縫い目に沿って縫い代部が両側の見頃部位に重ね合わされることにより部分的に厚みが大きくなっているが、ズボンのサイド縫い目部位に押し当てられる中間コテの柔らかな縫い目部位が地プレス部よりも大きく弾性変形することにより、サイド縫い目部位と見頃部位との厚み差を吸収してズボンを均一な力で押圧してプレスする。ズボンプレス装置は、これによりサイド縫い目部分に皺よりを生じさせることなく2枚のズボンに対して良好な仕上げプレスを施す。また、ズボンプレス装置は、硬い地プレス部で見頃部位をプレスすることにより、はっきりとした折り目を形成する。
以上のように構成された本発明によれば、下コテ或いは上コテとの間に構成した第1のプレス空間部及び第2のプレス空間部にそれぞれズボンを位置決め載置して同時に仕上げプレスを施すことが可能な中間コテを有し、この中間コテのズボンが押し当てられて仕上げプレスを施すプレス部位を、ズボンのサイド縫い目部位に押し当てられて当該サイド縫い目部位にプレスを施す長さ方向の縫い目プレス部と、ズボンの縫い目プレス部を挟んで構成する両側の見頃部位にプレスを施す地プレス部とから構成するとともに、縫い目プレス部を地プレス部に対して硬度が小さな柔らかい部位として形成する。本発明によれば、中間コテが、ズボンのサイド縫い目部位に押し当てられた柔らかな縫い目プレス部において地プレス部よりも大きく弾性変形してサイド縫い目部位と見頃部位との厚み差を吸収してズボンを均一な力で押圧してプレスすることにより、厚手となるサイド縫い目部分に皺よりを生じさせることなく2枚のズボンに対して同時に良好な仕上げプレスを施すことを可能とする。また、本発明によれば、固い地プレス部が見頃部位をプレスしてしっかりと折り目を形成する。さらに、本発明によれば、下コテ側のバキューム(外気吸引)によって行う型付けについても、プレス部を硬柔の異なる材質の部位で形成したことにより、ズボンに皺を生じさせることなく折り目をしっかりとさせる効果顕著なものである。
標準型ズボンプレス装置の要部斜視図である。 同標準型ズボンプレス装置に備える下コテの平面図である。 下コテを構成するプレスパッドの要部断面図である。 同プレスパッド上にズボンを位置決め載置した状態の要部断面図である。 ズボンに仕上げプレスを施している状態の要部断面図である。 サンドイッチ型ズボンプレス装置の要部斜視図である。 同サンドイッチ型ズボンプレス装置に備える中間コテの平面図である。 中間コテの要部断面図である。 ズボンの説明図である。
以下、本発明の前提となるズボンプレス装置1及びこのズボンプレス装置1に用いられるプレスパッド2について図面を参照して詳細に説明する。図1に示したズボンプレス装置1は、プレスパッド2を有する下コテ3と上コテ4とを備え、下コテ3のプレス面3P上にズボン100を位置決め載置するとともに上コテ4を駆動することによりズボン100に対して仕上げプレスを施すいわゆる標準型のズボンプレス装置である。
ズボンプレス装置1は、基本的な構成を従来のズボンプレス装置と同様とし、スタンド部5に詳細を後述する下コテ3を組み合わすとともに、上コテ4を図示しない駆動支持機構を介して昇降或いは回動させることにより下コテ3に対して接離自在に組み合わされてなる。ズボンプレス装置1は、下コテ3と上コテ4が、ズボン100を左右折り畳んだ状態で載置することが可能な大きさを有しており、相対する主面がズボン100をプレスするプレス面3P、4Pを構成する。
ズボンプレス装置1は、下コテ3がスタンド部5に対して水平状態に固定されるとともに、上コテ4が駆動支持機構を介して下コテ3のプレス面3Pを開放した状態とプレス面4Pをプレス面3Pに圧接させる状態とに駆動される。ズボンプレス装置1は、上コテ4を開いた状態で洗浄工程や部分アイロン工程等の所定の工程を経たズボン100を下コテ3のプレス面3P上に位置決め載置し、駆動支持機構を介して上コテ4を下コテ3側へと駆動して相対するプレス面3P、4P間でズボン100をプレスする。
ズボンプレス装置1は、上コテ4が従来のズボンプレス装置に備えられる上コテと同様に構成される。上コテ4は、詳細を省略するが、メッシュ部とフェルト材部を積層してなる基台部と、この基台部のプレス面側に積層されたウレタン材やスポンジ材等の弾性シート体からなるプレスパッドと、全体を包み込む布カバー等により構成される。上コテ4には、図示を省略するが蒸気供給部や加熱部が設けられる。なお、ズボンプレス装置1は、上コテ4のプレスパッドが、後述する下コテ3と同様に構成したものを用いるようにしてもよい。
ズボンプレス装置1は、下コテ3も、従来のズボンプレス装置に備えられる下コテと基本的な構成を同様とし、図2に示すようにズボン100を載置することが可能な略横長矩形の平面形状を有している。下コテ3は、図3に示すようにメッシュ部7とフェルト材部8を積層してなる基台部6と、この基台部6のプレス面側に積層された詳細を後述するプレスパッド2と、全体を包み込む布カバー9により構成される。
下コテ3は、メッシュ部7が、繊維メッシュ、金網や多孔金属板等を素材とし下コテ3の外形を保持する剛体部として機能する。メッシュ部7には、図示を省略するがスタンド部との組付部位が形成されるとともに、多孔構造により放熱或いは除湿作用も奏する。下コテ3は、フェルト材部8が所定の厚みとある程度の弾性を有しており、上コテ4側から加えられるプレス圧力を全体に亘って分散させるとともに受け部位として作用する。なお、フェルト材部8は、プレスパッド2と共同してパッド作用を奏する部材でもある。
下コテ3は、布カバー9が、従来のズボンプレス装置の布カバーと同等であり、ズボンの生地とのなじみがよく、プレス時に皺の発生が無く、比較的丈夫な綿等を素材とした布地により形成される。布カバー9は、基台部6とプレスパッド2の積層体を包み込むに足る大きさであり、外周部に沿って締め付け用の紐を収納した袋縫い部が形成される。布カバー9は、プレスパッド2の表面を覆うようにして積層体を包み込んで締付け紐を絞り込むことにより、全体で下コテ3を構成する。布カバー9は、締付け紐を緩めることにより基台部6とプレスパッド2の積層体から取り外される。
下コテ3は、プレスパッド2が、例えばウレタン材やスポンジ材等の弾性シート体により、所定の厚みを有しフェルト材部8とほぼ同一の大きさを以って一体に形成される。プレスパッド2は、ズボン100のサイド縫い目部位101に押し当てられて当該サイド縫い目部位101にプレスを施す長さ方向の縫い目プレス部10と、この縫い目プレス部10を囲んでズボン100の見頃部位104にプレスを施す地部位である地プレス部11とから構成される。
プレスパッド2は、地プレス部11が、従来のプレスパッドと同等の硬度、例えばゴム硬度値が90Hsのスポンジ材によりフェルト材部8とほぼ同等の大きさに成形された部位からなる。プレスパッド2は、縫い目プレス部10が、地プレス部11よりも小さな硬度、例えばゴム硬度値が65Hsの柔らかなスポンジ材により成形された部位からなる。なお、プレスパッド2は、縫い目プレス部10と地プレス部11を成形するスポンジ材が、上述した硬度のスポンジ素材に限定されるものでは無いこと勿論である。
プレスパッド2は、縫い目プレス部10が地プレス部11に対して、例えば20%〜40%の硬度差、好ましくは30%程度の硬度差の素材で成形される。プレスパッド2は、縫い目プレス部10と地プレス部11の硬度差が小さい場合には後述する縫い目プレス部10の作用が充分に奏されず、また縫い目プレス部10を硬度が小さな素材により成形して硬度差が大きな場合にはズボン100のサイド縫い目部位101に対する仕上げプレスが不十分となってしまう。
プレスパッド2は、縫い目プレス部10と地プレス部11が、図3に示すようにプレス面3Pにおいて同一面を構成し、上コテ4との間でズボン100をプレスする。プレスパッド2は、縫い目プレス部10が、図2に破線で示すように下コテ3の幅方向の中央部に位置し、長さ方向の全域に亘って所定の幅寸法を以って形成される。プレスパッド2は、縫い目プレス部10が、ズボン100の縫い目102に沿って両側の見頃部位104に重ね合わされる縫い代部103A、103Bの幅よりもやや大きな幅を有して形成される。
プレスパッド2は、縫い目プレス部10が、詳細には図3に示すように下コテ3のプレス面3P側において中央部を突出させてなる断面凸字状を呈して形成される。縫い目プレス部10は、プレス凸部10Aが、後述するようにズボン100のサイド縫い目部位101に当てられてプレスを施す部位であり、地プレス部11と一体化するための接合部を構成する。
プレスパッド2は、地プレス部11が、下コテ3のプレス面3P上にサイド縫い目部位101を縫い目プレス部10に合わせてズボン100を載置した状態で、見頃部位104を全体に亘って保持する。
プレスパッド2は、縫い目プレス部10のプレス凸部10Aの両側に地プレス部11の上面が同一面を構成するよう接合一体化する。
プレスパッド2は、この縫い目プレス部10の両側領域、すなわち、地プレス部が縫い目プレス部10よりも硬度が大きく構成する。
プレスパッド2は、後述するように縫い目プレス部10のプレス凸部10Aがズボン100の厚手部位であるサイド縫い目部位101に当ててプレスを施す。プレスパッド2は、縫い目プレス部10の両側領域が上述した硬度特性を以って形成されることにより、厚みを異にするサイド縫い目部位101と見頃部位104の境界部位においてプレス圧の緩衝作用が奏されてズボン100にプレスを施すようにする。
プレスパッド2は、縫い目プレス部10と地プレス部11とを、例えば上述したゴム硬度値を異にする2種類のスポンジ材を成形金型において一体化するいわゆる2色成形法等の成形法により一体に成形する。
プレスパッド2は、上述した2色成形法等に限定されず、適宜の形成方法により形成することも可能である。
プレスパッド2は、上述したようにメッシュ部7とフェルト材部8を積層してなる基台部6に対して一体に積層されるとともに、布カバー9により包み込まれて下コテ3を構成する。下コテ3は、図1に示すようにスタンド部5に水平状態に固定され、そのプレス面3Pと駆動支持機構を介して取り付けられた上コテ4のプレス面4Pとの間でズボン100に仕上げプレスを施すズボンプレス装置1を構成する。
ズボンプレス装置1には、図1に示すように上コテ4を開放した状態で、下コテ3のプレス面3P上にズボン100が載置される。ズボンプレス装置1は、ズボン100が、左右脚部のサイド縫い目部位101を重ね合わせて折り畳まれ、これらサイド縫い目部位101を縫い目プレス部10上に位置合わせしてプレス面3P上に載置する。ズボンプレス装置1は、駆動支持機構を介して上コテ4を下コテ3側へと駆動して相対するプレス面3P、4P間でズボン100をプレスする。
ズボンプレス装置1は、上コテ4が、加熱部により所定の温度に加熱されるとともに、駆動支持機構により下コテ3に対して所定のプレス圧力を以って突き当てられる。ズボンプレス装置1は、蒸気供給部からズボン100に対して蒸気を供給し、下コテ3に対して上コテ4を閉じて加熱・加圧状態を所定時間の間保持することによりズボン100に対する仕上げプレスを施す。ズボンプレス装置1は、所定時間の経過後に駆動支持機構を介して上コテ4を駆動して下コテ3を開放し、仕上げプレスを施したズボン100が取り出されるようにする。
ズボンプレス装置1においては、下コテ3のプレス面3P上に載置されたズボン100が、図4に示すように多層に重ね合わされて見頃部位104よりも厚みが大きなサイド縫い目部位101を全長に亘って縫い目プレス部10上に位置決めされる。ズボンプレス装置1においては、駆動された上コテ4によるズボン100を下コテ3に対して押圧するプレス動作を行って、サイド縫い目部位101を縫い目プレス部10上に圧接させるとともに見頃部位104を地プレス部11上に圧接させる。
ズボンプレス装置1においては、上コテ4によるズボン100のプレス動作が、厚みが大きなサイド縫い目部位101を縫い目プレス部10上に圧接させながら次第に見頃部位104を地プレス部11上に圧接させる動作である。ズボンプレス装置1においては、このプレス動作の初期状態では、上述したように小さな硬度の素材により成形された縫い目プレス部10が図5に示すようにサイド縫い目部位101との突き当て状態を保持しながら厚み方向に弾性変形する動作を行う。
ズボンプレス装置1においては、サイド縫い目部位101と見頃部位104との厚み差により、ズボン100に対してプレス圧が不均一に作用する。ズボンプレス装置1においては、厚みが大きなサイド縫い目部位101に対して大きなプレス圧を作用させるが、上述したように小さな硬度の素材により成形した縫い目プレス部10が図5に示すように地プレス部11よりも大きく弾性変形して過重なプレス圧を吸収する。
ズボンプレス装置1においては、上述した縫い目プレス部10の過重なプレス圧の吸収作用により、ズボン100に対して均一なプレス圧が作用させるようになる。ズボンプレス装置1においては、サイド縫い目部位101に対して部分的に過剰なプレス圧が作用されることを無くし、当該サイド縫い目部位101において皺よりを生じさせることなくズボン100に良好な仕上げプレスを施す。
ズボンプレス装置1においては、ズボン100の見頃部位104を従来のズボンプレス装置と同等の硬度を有する地プレス部11と上コテ4とによりプレスを施す。ズボンプレス装置1においては、プレス動作の最終状態ではサイド縫い目部位101に対しも所定のプレス圧を以ってプレスを施す。ズボンプレス装置1においては、これによりズボン100に対して良好な仕上げプレスを施す。
なお、ズボンプレス装置1においては、下コテ3を構成するプレスパッド2が、上述したように硬度の小さな縫い目プレス部10と硬度の大きな地プレス部11の2つの部位により構成したが、かかる構成に限定されないことは勿論である。ズボンプレス装置1においては、例えば上コテを構成するプレスパッドについても、同様に下コテ3側の縫い目プレス部10との対応部位を硬度の小さな部位とするとともに地プレス部11との対応部位を硬度の大きな部位により構成するようにしてもよい。ズボンプレス装置1は、この場合に、下コテ3側の縫い目プレス部10と上コテ4側の対応部位が、やや硬度の大きな素材により成形される。
図6に示したズボンプレス装置20は、下コテ21と上コテ22と中間コテ23を備えるいわゆるサンドイッチ型ズボンプレス装置である。ズボンプレス装置20は、下コテ21と中間コテ23との間でズボン100Aに仕上げプレスを施す第1のプレス空間部を構成するとともに、上コテ22と中間コテ23との間でズボン100Bに仕上げプレスを施す第2のプレス空間部を構成し、2枚のズボン100A、100Bに同時に仕上げプレスを施すことが可能である。
ズボンプレス装置20は、従来のサンドイッチ型ズボンプレス装置と基本的な構成を同様とし、下コテ21がスタンド部24に対して水平状態で固定設置され、上コテ22が図示しない駆動支持機構を介して下コテ21に対して昇降或いは回動動作されて接離自在に組み合わされてなる。ズボンプレス装置20は、中間コテ23が、下コテ21と上コテ22との間で図示しない駆動支持機構を介して下コテ21に対して昇降或いは回動動作されて接離自在に組み合わされてなる。
ズボンプレス装置20は、下コテ21と上コテ22が従来のサンドイッチ型ズボンプレス装置に備えられる下コテや上コテと基本的な構成を同様とし、ズボン100を左右折り畳んだ状態で載置することが可能な大きさを有している。ズボンプレス装置20は、下コテ21と上コテ22が、詳細を省略するが、それぞれメッシュ部とフェルト材部を積層してなる基台部と、この基台部のプレス面側に積層されたウレタン材やスポンジ材等の弾性シート体からなるプレスパッドと、全体を包み込む布カバー等により構成される。
ズボンプレス装置20は、中間コテ23が、図8に示すように中心層をメッシュ部25とし、このメッシュ部25の上下面に第1のフェルト材部26と第2のフェルト材部27を積層して基台部28を構成してなる。中間コテ23は、基台部28の下コテ21との対向面となる下面側に第1のプレスパッド29を積層するとともに、上コテ22との対向面となる上面側に第2のプレスパッド30を積層した構成に特徴がある。中間コテ23は、全体が着脱自在な布カバー31により被覆される。
中間コテ23は、基台部28を構成するメッシュ部25や第1のフェルト材部26及び第2のフェルト材部27が、上述したズボンプレス装置1の下コテ3に備えられる基台部6と同等の作用を奏する。中間コテ23は、第1のプレスパッド29と第2のプレスパッド30も、個々の構成及び作用を上述したズボンプレス装置1のプレスパッド2と同様とし、図7に示すようにそれぞれが第1の地プレス部33及び第2の地プレス部35の中央位置に第1の縫い目プレス部32及び第2の縫い目プレス部34を形成してなる。
ズボンプレス装置20は、第1のプレスパッド29と第2のプレスパッド30が上下対称の部材により構成され、またそれぞれが上述したズボンプレス装置1のプレスパッド2と同様に構成される。すなわち、第1のプレスパッド29は、硬度を異にするスポンジ材を素材として一体に形成された第1の縫い目プレス部32と第1の地プレス部33とから構成される。第2のプレスパッド30も、硬度を異にするスポンジ材を素材として一体に形成された第2の縫い目プレス部34と第2の地プレス部35とから構成される。
第1のプレスパッド29も、第1の縫い目プレス部32が、中間コテ23の幅方向の中央位置に長さ方向の全長に亘って形成された所定幅の部位であり、押し当てられたズボン100のサイド縫い目部位101にプレスを施す。第1のプレスパッド29は、第1の地プレス部33が、第1の縫い目プレス部32を囲んでズボン100の見頃部位104にプレスを施す地部位からなる。
第1のプレスパッド29は、下コテ21のプレス面上に位置決め載置したズボン100に対して中間コテ23を駆動して仕上げプレスする際に、上述したズボンプレス装置1のプレスパッド2と同様に第1の縫い目プレス部32において過重なプレス圧を吸収する作用を奏してズボン100に対して均一なプレス圧が作用させるようにする。第1のプレスパッド29は、サイド縫い目部位101に対して部分的に過剰なプレス圧が作用されることを無くし、当該サイド縫い目部位101において皺よりを生じさせることなくズボン100に良好な仕上げプレスを施すようにする。
第2のプレスパッド30も、第2の縫い目プレス部34が、中間コテ23の幅方向の中央位置に長さ方向の全長に亘って形成された所定幅の部位であり、押し当てられたズボン100のサイド縫い目部位101にプレスを施す。第2のプレスパッド30は、第2の地プレス部35が、第2の縫い目プレス部34を囲んでズボン100の見頃部位104にプレスを施す地部位からなる。
第2のプレスパッド30は、下コテ21のプレス面上に閉じた中間コテ23上に位置決め載置したズボン100に対して上コテ22を駆動して仕上げプレスを施す際に、上述したズボンプレス装置1のプレスパッド2と同様に、第2の縫い目プレス部34において過重なプレス圧を吸収する作用を奏してズボン100に対して均一なプレス圧が作用させるようにする。第2のプレスパッド30は、サイド縫い目部位101に対して部分的に過剰なプレス圧が作用されることを無くし、当該サイド縫い目部位101において皺よりを生じさせることなくズボン100に良好な仕上げプレスを施すようにする。
なお、第1のプレスパッド29及び第2のプレスパッド30は、上述した構成に限定されないことは勿論であり、ズボンプレス装置1のプレスパッド2と同様に適宜の構成に展開することが可能である。ズボンプレス装置20は、第1のプレスパッド29と第2のプレスパッド30を組み合わせて中間コテ23を構成したが、かかる構成に限定されないことは勿論である。ズボンプレス装置20は、第1のプレスパッド29と第2のプレスパッド30を例えば下コテ21と上コテ22側に設けるようにしてもよい。
なお、本発明は、図面を参照して説明した上述した各実施の形態に限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲及びその要旨を逸脱することなく、様々な変更、置換或いは同等に構成されることは当業者にとって明らかである。
1 ズボンプレス装置、2 プレスパッド、3 下コテ、4 上コテ、5 スタンド部、6 基台部、7 メッシュ部、8 フェルト材部、9 布カバー、10 縫い目プレス部、11 地プレス部、20 ズボンプレス装置、21 下コテ、22 上コテ、23 中間コテ、24 スタンド部、25 メッシュ部、26 第1のフェルト材部、27 第2のフェルト材部、28 基台部、29 第1のプレスパッド、30 第2のプレスパッド、31 布カバー、32 第1の縫い目プレス部、33 第1の地プレス部、34 第2の縫い目プレス部、35 第2の地プレス部、100 ズボン、101 サイド縫い目部位、102 縫い目、103 縫い代部、104 見頃部位

Claims (1)

  1. スタンド部と、このスタンド部に組み合わされた下コテと、この下コテと対向して前記スタンド部に組み合わされ駆動機構により前記下コテに対して昇降動作或いは回動動作される上コテと、前記下コテと前記上コテとの間において前記スタンド部に組み合わされ駆動機構により前記下コテに対して昇降動作或いは回動動作される中間コテとを備え、前記下コテと前記中間コテとの間において第1のプレス空間部を構成するとともに前記上コテと前記中間コテとの間において第2のプレス空間部を構成し、これらプレス空間部にそれぞれ位置決め載置したズボンに仕上げプレスを施すズボンプレス装置において、
    前記中間コテが、弾性シート材からなるプレスパッドをカバーで包み込んでなり、前記第1のプレス空間部及び前記第2のプレス空間部に位置決め載置したそれぞれのズボンのサイド縫い目部位に押し当てられて当該サイド縫い目部位にプレスを施す長さ方向の縫い目プレス部と、この縫い目プレス部とプレス面において同一面を構成しそれぞれのズボンのサイド縫い目部位を挟んで構成する両側の見頃部位にプレスを施す地プレス部とから構成され、前記縫い目プレス部が、前記地プレス部に対して硬度が小さい柔らかい部位として形成されることを特徴とするズボンプレス装置。
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