JP5402479B2 - 樹脂組成物の硬化成形体の製造方法 - Google Patents

樹脂組成物の硬化成形体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、形状因子により成形が難しい成形物、構造上成形方法に制約を受ける成形物等において、外観及び/もしくは機能上割れや変色等が好まれない成形体において、硬化性樹脂を含む樹脂組成物の硬化成形体を製造する方法を提供するものである。さらに詳細には、本発明は、光や熱等のエネルギーを使用する、硬化性樹脂を含む樹脂組成物の硬化成形体の製造方法を提供するものである。
従来から、UV等のエネルギー線によって硬化し得る硬化性樹脂が様々な分野・用途に使用されているが、かかる硬化性樹脂は通常一定量以上のエネルギー線が照射された部位が硬化するという特徴を有している。また、UV等のエネルギー線は、硬化性樹脂を透過する過程で樹脂に吸収されるなどして減衰しやすいために、硬化性樹脂の深部まで到達しにくい特徴を有している。それ故、UV等のエネルギー線による硬化性樹脂の硬化において、エネルギー線が到達し得る硬化性樹脂の表層部の数μm〜数mm程度しか硬化せず、硬化性樹脂の深部は未硬化のため、厚肉の硬化性樹脂への適用が困難か又は不可能という問題点があった。また、UV等のエネルギー線の透過障害となるフィラー等を含有する硬化性樹脂の場合には、エネルギー線の透過障害が容易に発生して硬化不能になるという問題点があった。
かかる問題点の解決策として、特許文献1において、エネルギー線の遮蔽性が極めて高い物質、例えばカーボン、炭素繊維(CF)、金属、その他無機フィラー等を包含する樹脂系、例えば炭素繊維強化複合材(CFRP)、カーボン/金属物/無機物含有樹脂等においても、エネルギー線硬化を可能にする樹脂硬化方法を提供すること、また、例えば炭素繊維強化複合材(CFRP)のようなエネルギー線の遮蔽性が高い樹脂組成物に特定の2元系以上からなる光重合開始剤(反応触媒系)を存在させることによりUVやEB等エネルギー線を照射するだけで陰部や深部まで該樹脂組成物を完全に硬化させることを目的として、エネルギーを樹脂組成物に付与した際にエネルギー源からのエネルギーとは別のエネルギーを樹脂内部に自己発生させてかかるエネルギー若しくはかかるエネルギーとエネルギー源からのエネルギーにより樹脂組成物を硬化させることを特徴とする樹脂硬化方法、および、エネルギーを樹脂組成物に付与した際にエネルギー源からのエネルギーとは別のエネルギーを樹脂内部に自己発生させて更に発生したエネルギーにより連続的にかかるエネルギーを発生させてかかるエネルギー若しくはかかるエネルギーとエネルギー源からのエネルギーにより樹脂組成物を硬化させることを特徴とする樹脂硬化方法、および、エネルギー線を樹脂組成物に照射した際にエネルギー線源からのエネルギーとは別のエネルギーを樹脂内部に自己発生させてかかるエネルギー若しくはかかるエネルギーとエネルギー線源からのエネルギーにより樹脂組成物を硬化させることを特徴とする樹脂硬化方法、さらには、エネルギー線を樹脂組成物に照射した際にエネルギー線源からのエネルギーとは別のエネルギーを樹脂内部に自己発生させて更に発生したエネルギーにより連続的にかかるエネルギーを発生させてかかるエネルギー若しくはかかるエネルギーとエネルギー線源からのエネルギーにより樹脂組成物を硬化させることを特徴とする樹脂硬化方法が提案されている。
しかしながら、そこでの樹脂硬化方法によっては、硬化性樹脂組成物を深部まで完全に硬化させることが可能になっても、硬化された樹脂組成物の成形体において割れや変色などの不具合を生じたりすることがあるという問題点がり、さらなる解決策の提供が望まれていた。
特開平11−193322号公報
本発明は、上記のような従来の問題点に鑑みてなされたものであり、特に、割れや変色といった不具合の生じない、硬化性樹脂を含む樹脂組成物の硬化成形体のさらに改良された製造方法を提供しようとするものである。
そこで本発明者らは、上記した従来のエネルギー線による硬化性樹脂の硬化における欠点に鑑み、硬化性樹脂の硬化反応における反応の進行速度が過剰に大きくなり過ぎることによる悪影響を考慮して、硬化反応の進行速度を適度に保つことについて鋭意研究した結果、驚くべきことには、硬化反応工程および硬化反応停止工程における成形樹脂組成物の温度を適度に保つことで、硬化反応の進行速度をそれほど低下させること無く、割れや変色といった不具合のない硬化成形体が得られることを見出し、本発明に到達したものである。
本発明の第1の態様である硬化成形体の製造方法は、請求項1に記載のように、少なくとも一種の硬化性樹脂を含む樹脂組成物の硬化成形体の製造方法であって、該樹脂組成物を所定の形に成形する成形工程、エネルギー源からのエネルギーを該成形樹脂組成物に付与して、該硬化性樹脂の硬化反応を開始させ、反応熱を発生させる硬化反応開始工程、該反応熱によって該硬化反応を進行させて生じる反応熱によって該硬化反応を連鎖的に進行させる硬化反応工程、および該硬化反応を停止させる硬化反応停止工程を含み、該硬化反応工程および硬化反応停止工程における該成形樹脂組成物の温度が130℃以上、230℃以下に調整されており、且つ前記硬化反応工程における前記反応熱が前記成形樹脂組成物の重量基準で240mJ/mg以上、1100mJ/mg以下に調整されていることを特徴とするものである。
なお、本願では、該硬化反応工程および硬化反応停止工程における該成形樹脂組成物の温度が130℃未満に調整されている、または前記硬化反応工程における前記反応熱が前記成形樹脂組成物の重量基準で240mJ/mg未満に調整されている態様も、参考例として記載されている。
かかる第1の態様では、硬化反応の進行速度をそれほど低下させること無く、割れや変色といった不具合の生じない、硬化性樹脂を含む樹脂組成物の硬化成形体の改良された製造方法を提供することが可能である。即ち、硬化反応工程および硬化反応停止工程における成形樹脂組成物の温度が230℃を超えると、硬化反応停止工程後に得られる硬化成形体において割れや変色といった不具合が生じやすくなり好ましくない。
第1の態様における形態として、前記硬化反応工程における前記反応熱が、前記成形樹脂組成物の重量基準で1100mJ/mg以下に調整されている、硬化成形体の製造方法が挙げられる。かかる形態によれば、硬化反応の進行速度をそれほど低下させること無く、硬化性樹脂を含む樹脂組成物の硬化成形体における割れや変色といった不具合をより確実に防止することが可能である。即ち、硬化性樹脂の硬化反応工程における反応熱が、成形樹脂組成物の重量基準で1100mJ/mgを超えると、硬化反応停止工程後に得られる硬化成形体において割れや変色といった不具合が生じやすくなり好ましくない。
なお、本明細書における以下の「請求項3」〜「請求項7」は、それぞれ「請求項2」〜「請求項6」と読み替える。
第1の態様のもう一つの好ましい形態として、前記硬化成形体の少なくとも一部の厚みが10mm以上である、硬化成形体の製造方法が挙げられる(請求項3参照)。かかる形態において、硬化成形体の少なくとも一部の厚みが10mm以上である場合に、従来の硬化方法では得られなかった本発明の効果がより確実に発揮され得る。
第1の態様のもう一つの好ましい形態として、前記少なくとも一種の硬化性樹脂における少なくとも一種の硬化性樹脂が、該硬化反応に関与するエーテル環を有するものである、硬化成形体の製造方法が挙げられる(請求項4参照)。かかる形態によれば、硬化反応工程において、連鎖的に進む硬化反応の進行が良好であり、目的とする成形物の形態を得ることが可能である。
第1の態様のもう一つの好ましい形態として、前記エーテル環がエポキシ環である、硬化成形体の製造方法が挙げられる(請求項5参照)。かかる形態によれば、硬化反応工程において、連鎖的に進む硬化反応の進行がさらに良好であり、目的とする成形物の形態を得ることが可能である。
第1の態様のもう一つの好ましい形態として、前記樹脂組成物がカチオン系の光重合開始剤および/または熱重合開始剤を更に含む、硬化成形体の製造方法が挙げられる(請求項6参照)。かかる形態によれば、光もしくは熱エネルギーを与えることにより、硬化反応が連鎖的に進行し、目的とする成形物を容易に得ることが可能である。
第1の態様のもう一つの好ましい形態として、前記エネルギー源からのエネルギーが光エネルギーおよび/または熱エネルギーである、硬化成形体の製造方法が挙げられる(請求項7参照)。かかる形態によれば、光もしくは熱エネルギーを与えることにより、硬化反応がより確実に連鎖的に進行し、目的とする成形物を容易に得ることが可能である。
本発明の樹脂組成物の硬化反応開始工程から硬化反応停止工程までの成形樹脂組成物の温度の経時変化を示す概念図である。
本発明における樹脂組成物に含まれる少なくとも一種の組成物は、硬化反応に関与するエーテル環を有するものである。その具体例としては、脂環式エポキシ樹脂類、ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂類、エポキシ変性シリコーン化合物類等が挙げられる。
そのような硬化反応に関与するエーテル環を有する硬化性樹脂としては、そのエーテル環がエポキシ環である硬化性樹脂がより好ましく、その具体例としては、脂環式エポキシ樹脂類、ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂類、エポキシ変性シリコーン化合物類等が挙げられ、中でも脂環式エポキシ樹脂類、ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂類がより好ましい。
かかる少なくとも一種の硬化性樹脂の上記以外の例としては、オキセタン類、テトラヒドロフラン類、テトラヒドロピラン類等が挙げられ、中でもオキセタン類等が好適である。
かかる脂環式エポキシ樹脂類の具体例としては、セキロイド2021P(ダイセル化学工業株式会社製)、セロキサイド2000Z(ダイセル化学工業株式会社製)、セロキサイド3000(ダイセル化学工業株式会社製)等が挙げられ、中でもセキロイド2021Pが好適である。
オキセタン類の具体例としては、キシリレンビスオキセタンであるアロンオキセタンOXT−121(東亜合成株式会社製)、OXT−221(東亞合成株式会社製)等が挙げられ、中でもアロンオキセタンOXT−121が好適である。
ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂類の具体例としては、エピコート828(ジャパンエポキシレジン株式会社製)、エピコート834(ジャパンエポキシレジン株式会社製)等が挙げられ、中でもエピコート828が好適である。
本発明における少なくとも一種の硬化性樹脂を含む樹脂組成物には、上記のごとき硬化性樹脂の他に、硬化性樹脂の硬化反応を開始させるための反応開始剤、樹脂に強度特性等を与えるためのフィラー類等がさらに含まれる。
かかる重合開始剤としては、光重合開始剤、熱重合開始剤等が挙げられる。その光重合開始剤としては、カチオン系光重合開始剤CPI−100P(サンアプロ株式会社)、CPI−101A(サンアプロ株式会社)等が挙げられ、熱重合開始剤としては、カチオン系熱重合開始剤サンエイドSI−60L(三新化学工業株式会社)、アデカオプトマーCP−77(株式会社ADEKA)等が挙げられる。それらの中でも、反応性進行の点で、カチオン系光重合開始剤とカチオン系熱重合開始剤がより好ましく、アデカオプトマーCP−77(株式会社ADEKA)が特に好ましい。それらは、二種以上を共に用いても良い。
また、フィラー類としては、金属粉、その他の無機フィラー類、カーボン、炭素繊維(短繊維、長繊維、連続繊維、カーボンクロス等)等の有機フィラー類等が挙げられ、中でも、成型性、反応連鎖性の点で、無機フィラー類が好ましい。その無機フィラー類としては、タルク類、炭酸カルシウム等が挙げられ、中でもタルク類等がより好ましく、その具体例として、汎用タルクSW(日本タルク株式会社製)等が挙げられる。尚、そのフィラーのサイズとしては、特に制限されるものではなく、成形し易さ、目的物である硬化成形体の用途等によって適宜選択され得るが、例えば通常平均粒子系が1〜20μmであり、好ましくは5〜15μmである。
本発明における、硬化性樹脂を含む樹脂組成物には、上記の成分に加えて、さらに必要に応じて、樹脂劣化防止のためのIrganox1010等の酸化防止剤等の添加剤が含まれても良い。
かかる成形体は、その少なくとも一部の厚みが10mm以上であることが好ましい。かかる部分の厚みは、より好ましくは15mm以上であり、また、通常100mm以下であり、特に好ましくは70mm以下である。但し、硬化反応による寸法の変化が無視できない程大きい場合には、その寸法変化を考慮して、後述の硬化成形体の寸法を基準に、この成形工程において成形される成形体の形状を決めることが望ましい。
本発明におけるエネルギー源からのエネルギーとしては、UV(紫外線)、EB(電子線)、赤外線、X線、可視光線、アルゴンやCO2 やエキシマ等のレーザー、太陽光線、放射や輻射等の熱線等のエネルギー線や伝導による熱エネルギー等が挙げられ、中でも、反応効率の点で、UV、可視光線、赤外線等のエネルギー線や伝導による熱エネルギー等が好ましく、特に伝導による熱エネルギー等が好ましい。
本発明における、エネルギー源からのエネルギーを成形樹脂組成物に付与する形式としては、上記の如く樹脂組成物を所定の形に成形する成形工程において成形された成形体に対して、エネルギー源としてのUV、可視光線、赤外線等のランプからのエネルギー線を非接触で当てることにより、またはヒーター等の熱源を成形体に接触させて伝導により熱源からの熱エネルギーを与えることが挙げられる。また、非接触および接触形式で、特に非接触形式では、成形体とエネルギー源の少なくとも一方の位置を移動させることによって、成形体により均一にエネルギーが付与されるようにすることが望ましい。
本発明は、硬化反応開始工程において、上記のようにしてエネルギー源からのエネルギーを成形樹脂組成物に付与し、硬化性樹脂の硬化反応を開始させて反応熱を発生させ、次いで、硬化反応工程において、硬化反応開始工程で発生した反応熱によって硬化性樹脂の硬化反応を進行させて、それによって生じた反応熱によって硬化性樹脂の硬化反応を連鎖的に進行させ、所定の硬化反応が進行し終わった時点での硬化反応停止工程において、硬化性樹脂の硬化反応を停止させるものである。
本発明は、かかる硬化反応工程および硬化反応停止工程における成形樹脂組成物の温度が230℃以下に調整されていることを特徴とするものであり、さらに好ましくは、硬化性樹脂の硬化反応によって発生した反応熱の合計が、成形樹脂組成物の重量基準で1100mJ/mg以下に調整されていることを特徴とするものである。
本発明において、硬化反応工程および硬化反応停止工程における成形樹脂組成物の温度は230℃以下に保つことによって、硬化反応の進行速度をそれほど低下させること無く、硬化性樹脂を含む樹脂組成物の硬化成形体における割れや変色といった不具合を防止することが可能になる。かかる成形樹脂組成物の温度は、硬化反応の進行速度の維持と、硬化成形体における割れや変色といった不具合の防止をより確実に両立させるために、210℃以下がより好ましく、200℃以下が特に好ましく、また硬化反応の進行速度の維持のための下限の温度については、130℃以上が好ましく、150℃以上がより好ましく、170℃以上が特に好ましい。
図1には、本発明の樹脂組成物の硬化反応開始工程から硬化反応停止工程までの成形樹脂組成物の温度の経時変化を、示す概念図である。図1には、例えば約0℃〜約80℃の範囲において樹脂組成物を所定の形に成形する成形工程、例えば約100℃〜150℃においてその成形樹脂組成物にエネルギー源からのエネルギーを付与して、硬化性樹脂の硬化反応を開始させ、反応熱を発生させる硬化反応開始工程、例えば約130℃〜230℃の範囲において硬化反応を進行させる硬化反応工程、および例えば230℃〜約25℃の範囲において硬化反応を停止させる硬化反応停止工程が、模式的に示されている。
また、本発明において、硬化性樹脂の硬化反応によって発生する反応熱の合計が、成形樹脂組成物の重量基準で1100mJ/mg以下に保つことによって、硬化反応の進行速度をそれほど低下させること無く、硬化性樹脂を含む樹脂組成物の硬化成形体における割れや変色といった不具合を防止することがより確実に可能になる。かかる成形樹脂組成物の重量基準での反応熱の合計は、硬化反応の進行速度の維持と、硬化成形体における割れや変色といった不具合の防止をより確実に両立させるために、1000mJ/mg以下がより好ましく、900mJ/mg以下が特に好ましく、また硬化反応の進行速度の維持のためのその下限については、200mJ/mg以上が好ましく、240mJ/mg以上が特に好ましい。
このように本発明では、硬化性樹脂の硬化反応によって発生する反応熱の合計が、成形樹脂組成物の重量基準で1100mJ/mg以下に調整されているが、その調整の具体的方法としては、例えば樹脂組成物を所定の形に成形する成形工程において、少なくとも一種の硬化性樹脂を含む樹脂組成物の組成、即ち、硬化反応で反応熱を発生する硬化性樹脂の樹脂組成物中の硬化性樹脂の濃度を調整することによって、成形樹脂組成物の重量基準で1100mJ/mg以下に調整することが挙げられる。
また、樹脂組成物を所定の形に成形する成形工程での少なくとも一種の硬化性樹脂を含む樹脂組成物におけるその他の成分の組成としては、その樹脂組成物の重量基準で、重合開始剤が、通常0.1〜4重量%であり、特に好ましくは0.5〜2.0重量%であり、さらに必要に応じて、上記の成分の含有量の範囲を満たす範囲内で、酸化防止剤等の添加剤を樹脂組成物に含ませても良い。
また、本発明では、硬化反応工程および硬化反応停止工程における成形樹脂組成物の温度は230℃以下に調整されているが、その成形樹脂組成物の温度の調整の具体的方法としては、例えば、上記のように硬化性樹脂の組成物の種類、比率を調整することにより、開始剤の量を調整することにより、そして樹脂中のフィラー量を調整することによって、一次的に発生する反応熱の全体の量を調整すると共に、硬化性樹脂の硬化反応の進行速度を調整することによって、反応熱の発生速度も調整することが挙げられる。その場合には、硬化性樹脂の硬化反応によって発生する反応熱量と、周囲へ放散される熱量の差に応じて、硬化される成形樹脂組成物の温度が上昇するが、その温度は230℃以下に維持され得る。また、さらに必要に応じて、硬化中の成形樹脂組成物の温度を、冷風との接触や、冷却媒体により冷却された熱交換器との接触等によって強制的に冷却して、成形樹脂組成物を所定の温度に調整することも挙げられる。
本発明では、得られる硬化成形体の少なくとも一部の厚みが10mm以上であるが、その硬化成形体は、その硬化成形体は、その少なくとも一部の厚みが、特に好ましくは15mm以上であり、また、通常100mm以下であり、特に好ましくは70mm以下である。
後述する実施例等に記載される硬化成形体の「割れ」とは、樹脂の表面に亀裂が入った状態を意味し、外観を目視にて観察し判定したものであって、「○」は、亀裂等が無い状態であることを表し、「×」は、亀裂が入った状態であることを表す。
また、後述する実施例等に記載される硬化成形体の「変色」とは、硬化後の樹脂表面が、硬化前の樹脂組成物と比べ明らかに色が変わっていたかどうかの状態を意味し、外観を目視にて観察し判定したものであって、「○」は、硬化後の樹脂表面で、硬化前の樹脂組成物と比べほとんど色の違いが見られなかったことを表し、「×」は、硬化後の樹脂表面で、硬化前の樹脂組成物と比べ明らかに色が変わっていたことを表す。
更に、後述する実施例等に記載される「系全体の発熱平均量」とは、硬化反応開始後、樹脂硬化反応によって発する発熱量を、フィラー等を含む樹脂全体重量で割った値を意味し、本発明における、成形樹脂組成物の重量基準での、硬化反応工程における反応熱[mJ/mg]と同等のものを言う。
以下に本願発明についての実施例を挙げて更に具体的に本願発明を説明するが、それらの実施例によって本願発明が何ら限定されるものではない。尚、以下の実施例および比較例における配合組成を表す各成分の量は、特に断らない限り「重量部」で表したものである。
実施例1〜6、比較例1,2
下記の表1に示される量で、セロキサイド2021P(ダイセル化学工業株式会社製)、アロンオキセタンOXT‐121(東亞合成株式会社製)、エピコート828(ジャパンエポキシレジン株式会社製)と、フィラーとしてタルクSW(日本タルク株式会社製)、および熱カチオン重合開始剤としてアデカオプトマーCP‐77(株式会社ADEKA製)をそれぞれ使用して、硬化性樹脂を含む樹脂組成物を調整して、幅が30mm、長さが50mm、厚みが15mmの直方体形状に成形して、成形樹脂組成物を得た。
各々の成形樹脂組成物に、ヒートガン(株式会社石崎電機製作所製、定格消費電力:100V−1000W、温風温度:約450℃)を成形樹脂組成物から30cmだけ離れた位置から、室温で60秒間処理して、硬化性樹脂の硬化反応を開始させて、反応熱を発生させた。
各々の成形樹脂組成物において、その反応熱によって硬化性樹脂の硬化反応が連鎖的に進行して、発生する反応熱と周囲雰囲気への放熱との差で成形樹脂組成物の温度が上昇し始めて、約30秒で下記の表1に記載される温度に到達した後、その温度で約1分間維持して、硬化反応を実施した後、全体が完全に硬化することによって硬化反応が停止して、得られた各々の硬化成形体の温度が低下し始めた。各々の成形樹脂組成物の温度の経時変化を図1に示す。
そのようにして得られた硬化成形体について、所定の方法で「割れ」と「変色」について評価した結果が、下記の表1に記載される。表1に示されるように、硬化反応工程および硬化反応停止工程における成形樹脂組成物の温度が230℃以下であった実施例1〜6では、得られた硬化成形体についての「割れ」と「変色」の両方が望ましいものであったのに対して、硬化反応工程および硬化反応停止工程における成形樹脂組成物の温度が230℃を超えた比較例1,2では、得られた硬化成形体についての「割れ」と「変色」の少なくとも一方が望ましいものではなかった。
Figure 0005402479

Claims (6)

  1. 少なくとも一種の硬化性樹脂を含む樹脂組成物の硬化成形体の製造方法であって、
    該樹脂組成物を所定の形に成形する成形工程、
    エネルギー源からのエネルギーを該成形樹脂組成物に付与して、該硬化性樹脂の硬化反応を開始させ、反応熱を発生させる硬化反応開始工程、
    該反応熱、および任意の該エネルギー源からのエネルギーによって該硬化反応を進行させる硬化反応工程、および
    該硬化反応を停止させる硬化反応停止工程
    を含み、該硬化反応工程および硬化反応停止工程における該成形樹脂組成物の温度が130℃以上、230℃以下に調整されており、且つ前記硬化反応工程における前記反応熱が前記成形樹脂組成物の重量基準で240mJ/mg以上、1100mJ/mg以下に調整されていることを特徴とする、硬化成形体の製造方法。
  2. 前記硬化成形体の少なくとも一部の厚みが10mm以上であることを特徴とする、請求項1に記載の硬化成形体の製造方法。
  3. 前記少なくとも一種の硬化性樹脂における少なくとも一種の硬化性樹脂が、該硬化反応に関与するエーテル環を有するものであることを特徴とする、請求項1または2に記載の硬化成形体の製造方法。
  4. 前記エーテル環がエポキシ環であることを特徴とする、請求項に記載の硬化成形体の製造方法。
  5. 前記樹脂組成物がカチオン系の光重合開始剤および/または熱重合開始剤を含むことを特徴とする、請求項1〜のいずれか一項に記載の硬化成形体の製造方法。
  6. 前記エネルギー源からのエネルギーが光エネルギーおよび/または熱エネルギーであることを特徴とする、請求項1〜のいずれか一項に記載の硬化成形体の製造方法。
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