JP5399270B2 - エチレンジアミンの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、触媒を用いたアミノアセトニトリルの水素化によるエチレンジアミンの製造方法に関する。
アミノアセトニトリル(AAN)の水素化により、とりわけ洗剤、または洗浄添加剤として使用される錯形成剤、または漂白活性剤の合成のための出発物質である、エチレンジアミン(EDA)を製造することができる。
ニトリルを触媒の存在下で相応するアミンに水素化できることは、一般的に公知である。選択される反応パラメータ次第で、公知の方法は所望の生成物、例えば主生成物として第一級アミンと、副生成物として第二級アミン、および第三級アミンをもたらす。この際にしばしば問題となるのは、所望の生成物が低い選択性で、および/または低い収率で生じることであり、これに伴いしばしば、使用される触媒が急速に不活性化してしまう。
従来技術には、α−アミノニトリルであるアミノアセトニトリル(AAN)、およびイミノジアセトニトリル(IDAN)の水素化、またはβ−アミノニトリルの水素化のための多数の方法が記載されている。これにより、β−アミノニトリルの水素化が一般的に問題なく進行することは公知だが、その一方でα−アミノニトリルの水素化は多数の欠点、例えばC−CN結合の、またはR2NC結合の水素添加による分解と結びついている。"Handbook of Heterogeneous Catalytic Hydrogenation for Organic Synthesis,213〜215p"は、β−アミノニトリルと比較して、α−アルキルアミノニトリルまたは環状のα−アミノニトリルを用いたα−アミノニトリルの水素化の問題点を指摘している。α−アミノニトリルの公知の安定性の問題はおそらく、なぜ今日までα−アミノニトリルのAANまたはIDANをEDA(エチレンジアミン)もしくはDETA(ジエチレントリアミン)に水素化することのみが、より正確に記載されているのかという主な理由である。しかしながら、より高級のα−アミノニトリルに対しては、相応する水素化が知られていない。
またAANの安定性はさらに、例えば動的示差走査熱量測定により示すことができるIDANの安定性とは明らかに異なる。IDANの場合は分解の発現が220℃である一方、AANの場合はすでに150℃の温度で分解が観察される。
ニトリルの水素化によるアミンの製造方法についてはさらに、一定量のアンモニアが第一級アミンへの水素化の選択性を向上させ、かつ第二級、および第三級アミンの形成を抑制することが公知である。ただし、アンモニア存在下での水素化は、生成物流からの分離、後処理、および場合によりアンモニアの返送と結びついている、付加的な技術的コストの原因となる。これに加えて、水素化の際には比較的高い圧力が必要となることがある。と言うのも、アンモニアの分圧を考慮しなければならないからである。
DE−A3003729には、脂肪族のニトリル、アルキレンオキシニトリル、およびアルキレンアミノニトリルを、溶媒系の存在下でコバルト触媒またはルテニウム触媒を用いて第一級アミンへと水素化するための方法が記載されている。使用される溶媒系は、水とアンモニアのほかに好適には4〜6の炭素原子を有し、かつ炭素対酸素の比が2:1〜5:1であるエーテルまたはポリエーテル、例えばジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレングリコールジメチルエーテル、またはジエチレングリコールジメチルエーテルを含み、この際環状のエーテル、例えばジオキサンとテトラヒドロフランが特に好ましい。ニトリル成分としては、ジニトリルが特に好ましい。これに対してDE−A3003729は、シアノ基もアミノ基も有する化合物、例えばAANをこの方法において使用できることは開示していない。
EP−A0382508は、非環式脂肪族のポリニトリルを液相中でラネーコバルト触媒を用いて、好適には無水アンモニアの存在下で水素化することによる、非環式脂肪族ポリアミンのバッチ式の製造方法を記載している。この際、基本的に酸素不含の雰囲気中にラネーコバルト触媒を含む反応帯域に、ポリニトリル溶液を供給する。全反応時間の間に、ポリニトリルが反応帯域で水素と反応する最大速度以下の速度で、ポリニトリル溶液を供給する。さらに、体積量供給速度の測定に適した、反応パラメータKは公知である。記載されたこの方法は、ポリニトリル、例えばイミノジアセトニトリル(IDAN)、ニトリロトリアセトニトリル、または2以上のシアノ基を有する化合物からの、ポリアミンの製造に限定される。しかしながら、シアノ基を1つ有する化合物の反応、例えばAANからEDAへの反応は、記載されていない。
US−A3,972,940は、ニトリルを相応するアミンに接触水素化する際に使用されるラネーニッケル触媒またはラネーコバルト触媒の懸濁液の発泡防止方法に関する。この方法では、相応するニトリルも、触媒懸濁液も、反応体域に連続的に供給される。反応帯域において、使用されるニトリルが相応するアミンに水素化され、未反応のニトリル、触媒、およびアミン、とりわけヘキサメチレンジアミンは、反応帯域から除去される。触媒懸濁液を反応体域に導入する前に、触媒懸濁液に反応帯域から排出されたアミン(生成物)の部分量を供給することによって、触媒懸濁液の発泡が抑制される。しかしながらUS−A3,972,940には、どのような速度または量で、使用するニトリルを反応帯域に供給するかについての記載はない。さらには、AANもEDAもこの文献にははっきりと記載されていない。
US−A2519803には、部分的に精製される水性反応混合物の水素化による、エチレンジアミンの製造方法が記載されており、該混合物はホルムアルデヒドシアンヒドリンのアミノ化から得られ、かつ中間生成物としてアミノアセトニトリルを含む。部分的に精製される水性反応混合物は、水素化に供給する前に、最大30分間にわたって約5℃に冷却する。好適にはこの水素化を、NH3の存在下で行う。
DE−A1154121は、原料である青酸、ホルムアルデヒド、アンモニア、および水素を、触媒の存在下でいわゆるワンポット法(Eintopf−Verfahren)で反応させるエチレンジアミンの製造方法を記載している。アンモニアも水素も、等モル量で存在するさらなる原料である青酸とホルムアルデヒドに対してモル過剰量で使用する。従ってこの方法では、その場で形成されるAANを単離せず、直接水素とさらに反応させる。この方法の欠点は、所望の生成物(EDA)が相対的に非選択的に、少量で生じることである。
US−A3,255,248は、好適にはニトロ基、N−ニトロソ基、イソニトロソ基、シアノ基、または芳香族で置換されたアミノ基を有する窒素−炭素の有機化合物を、コバルトまたはニッケルからなる焼結された触媒を用いて液相で相応するアミンへと水素化する方法を記載している。この際、原料を単独でまたは溶媒、例えば水、テトラヒドロフラン、メタノール、アンモニア、または形成される反応生成物の存在下、水素とともに触媒上を下方に細流させる。窒素原子に対して不飽和の化合物、例えばシアノ基を水素化する場合、反応の際にアンモニアが存在することが推奨される。これはこの特許の実施例1で説明されており、アミノアセトニトリルを水溶液の形態で液体状のアンモニアとともに、ただしその他の溶媒なしで焼結された触媒上を細流させる。しかしながらUS−A3,255,248は、どれくらいの速度で原料を計量添加するかについての記載を含まない。
EP−A1209146は、その都度ニトリルを、懸濁させ、活性化させた、アルミニウムからなる合金ベースのラネー触媒を用いて液相中で使用し、そしてアンモニア、および塩基性のアルカリ金属化合物またはアルカリ土類金属化合物の不存在下で反応させる、ニトリルから第一級アミンへの連続水素化のためのさらなる方法に関する。ニトリルとしては、他の多くのものに加えてAAN、ならびにIDANも相応するエチルアミンに反応させることができる。水素化すべきニトリルは場合により、有機溶媒に溶解されて存在していてもよく、この際好適にはアルコール、アミン、アミド、とりわけN−メチルピロリドン(NMP)、およびジメチルホルムアミド(DMF)、ならびにエーテルまたはエステルを使用する。しかしながらEP−A1209146には、どれくらいの速度で相応するニトリルを反応槽(反応器)に計量添加するかについての記載はない。
従って本発明の課題は、アミノアセトニトリルの水素化による、エチレンジアミンの容易かつ低コストの可変的な製造方法を提供することであり、この方法によりエチレンジアミンが高反応率、および/または高い選択性で得られる。
この課題は、触媒を用いたアミノアセトニトリルの水素化による、エチレンジアミンの製造方法により解決され、この方法の特徴は、アミノアセトニトリル、0〜60質量%の割合の水(アミノニトリル−水混合物に対して)、および溶媒を含む溶液中で水素化を行い、この際溶液中に含まれるアミノアセトニトリルを、アミノアセトニトリルが水素化の際に水素と反応する速度以下の速度で反応槽に供給することである。
本発明による方法は、エチレンジアミンを高い反応率、および/または高い選択性で製造できるという利点を有する。好適には使用する原料(AAN)を、完全に、またはほぼ完全に反応させる。これはとりわけ、大規模工業的な方法において重要である。と言うのも、未反応の原料は通常、製造循環に返送するか、もしくは処理しなければならないからである。比較的大量のAANが反応しない方法は、AANの高い非安定性が原因で非常に不利である。一方ではAANは比較的高い温度で分解する傾向があり、その結果分解生成物を循環に返送することができず、他方この分解は爆発的な激しさをも伴って進行しうる。本発明による方法では、AANを完全に反応させることができるため、製造サイクルへの返送に関して苦労する必要が無い。
本発明による方法のさらなる利点は、使用する触媒がより長い耐用期間(より少ない触媒消費量)を有し、かつさらには触媒負荷量が比較可能な方法よりも高くなることにある。より高い触媒負荷量が原因で、生成物(EDA)のより高い空時収率が得られる。
本発明による方法は、原料であるアミノアセトニトリル(AAN)から出発し、この際一般的にあらゆる種類のAANを使用することができる。好適には、蒸留されたAANを使用する。本発明による方法をAAN合成の直後に引き続き行うことも考えられ、この際AANを好適にはホルムアルデヒドシアンヒドリン(FACH)とアンモニアとの反応により公知の方法で製造する。好適には、「FACHをほとんど含まない(FACH不含の)」AANを使用する。本発明においてほとんどFACH不含とは、使用するAAN中に最大1mol%(AANの量に対して)のFACHが存在することであり、好適にはAANは完全にFACHを含まない。AAN中で相応に低いFACH含分は例えば、原料の滞留時間が充分に長いこと、および/またはNH3とFACHとの反応の際に反応温度が低すぎないことにより得ることができる。AANは溶媒と、場合により水と混合し、そしてこの際得られる溶液を本発明による方法で使用する。AANの安定化が達成され、かつ本発明を実施するための装置への供給が所望の速度で容易に可能になるため、溶媒の使用が有利であると実証されている。溶媒の使用によりさらに、使用する触媒に対する洗浄効果を得ることができ、このことによりその持続時間が向上し(より長い触媒耐用期間)、かつ触媒負荷量が改善される。
1つまたは複数の成分を含むことができる適切な溶媒は、以下の特性を有するのが望ましい:
(a)溶媒はAANに対して安定的に作用するのが望ましく、とりわけAANの分解を存在する温度下で抑制する;
(b)溶媒は、良好な水素溶解性を示すのが望ましい。
(c)溶媒は、反応条件において不活性かつ一相であるのが望ましい。
(d)水素化に引き続いた、生成物流からの生成物の留去が好ましいという観点から、溶媒は生成物と共沸混合物を形成しないのが望ましい。
(e)溶媒は、相応する低沸点を有するのが望ましい。
可能な溶媒は、有機溶媒、例えばアミド、例えばN−メチルピロリドン(NMP)、およびジメチルホルムアミド(DMF)、芳香族の、および脂肪族の炭化水素、例えばベンゼンとキシレン、アルコール、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、第二級ブタノール、および第三級ブタノール、アミン、例えばエチレンアミン、アルキルアミン、エステル、例えば酢酸メチルエステル、または酢酸エチルエステル、およびエーテル、例えばジイソプロピルエーテル、ジイソブチルエーテル、グリコールジメチルエーテル、ジグリコールジメチルエーテル、ジオキサン、およびテトラヒドロフラン(THF)である。好ましくは本発明による方法においてエーテルを使用し、より好ましくは環状エーテルを、および特に好ましくはテトラヒドロフランを使用する。さらに好ましい実施態様においては、アルコール、とりわけメタノールを有機溶媒として使用する。
溶媒は、使用するアミノニトリル混合物に対して0.1:1〜15:1の質量比で使用する。水素化を行う溶液中のアミノニトリル混合物の濃度は、適切な供給速度もしくは滞留時間を調整できるように選択するのが望ましい。好ましくは、アミノアセトニトリルを10〜90質量%で溶媒と混合する。特に好ましい溶媒に関しては、例えばメタノールもしくはテトラヒドロフランが有利であり、アミノニトリル混合物を溶媒に対して20〜50質量%使用する。
アミノニトリル混合物の水素化によるエチレンアミンの製造のために使用する溶媒は、アミノニトリル混合物と場合により溶媒の他に、水含分を含むこともできる。水が存在する場合、溶液中の水の質量部は、0〜70%の範囲、好適には10〜50%の範囲である。この際、水の量の表示はアミノニトリル−水混合物に対するものである。水素化が行われる溶液には場合により、付加的な添加剤が含まれていてよい。
添加剤としては基本的に、水酸化物、例えばアルカリ金属水酸化物、アルコラート、アミド、または、アンモニアが考慮される。さらにまた、酸性の添加剤、例えばケイ酸塩が、溶液中に付加的に含まれていてよい。これらの物質は、純物質として、または溶媒中に溶解させて添加することができる。好適には、本発明による方法は添加剤を加えずに行う。
本発明の好ましい実施態様においては、水素化を行う溶液には、アンモニアを添加しない。アンモニアがなお原料中に、もしくは場合により使用される水溶液に溶解されている、もしくは副生成物として水素化の際に放出される場合、これは妨げとはならない。場合により存在するアンモニアは、当業者に公知の方法、例えば蒸留により除去することができる。
ニトリル官能基のアミンへの水素化のための触媒として、活性種として周期表の第8副族(Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt)の1つ以上の元素、好ましくはFe、Co、Ni、RuまたはRh、特に好ましくはCoまたはNiを含む触媒を使用することができる。その中に含まれているのは、いわゆる骨格触媒(Raney(登録商標)型とも呼ばれる:以降ラネー触媒)であり、これらは水素化活性金属およびさらなる成分(好ましくはAl)から成る合金の溶出(活性化)によって得られる。該触媒は、付加的に1つ以上の助触媒を含んでいてよい。好ましい実施態様においては、本発明による方法でラネー触媒を使用し、好ましいのはラネーコバルト触媒またはラネーニッケル触媒であり、および特に好ましいのは少なくとも1のCr、Ni、またはFe元素でドープしたラネーコバルト触媒、またはMo、Cr、またはFe元素でドープしたラネーニッケル触媒である。
該触媒は、完全触媒または担持触媒として使用することができる。担体として、好ましくは金属酸化物、例えばAl23、SiO2、ZrO2、TiO2、金属酸化物の混合物または炭素(活性炭、カーボンブラック、グラファイト)が用いられる。
該酸化物触媒は、使用前に反応器の外または反応器中で、水素を含むガス流中での金属酸化物の還元によって、高められた温度で活性化させる。触媒を反応器の外で還元させる場合、その後、酸素を含むガス流による不動態化または不活性材料中への埋め込みを行ってよく、こうして空気による制御不能な酸化が回避され、かつ安全な操作が可能となる。不活性材料としては、有機溶媒、例えばアルコール、およびまた水、または1つのアミン、好ましくは反応生成物を使用することができる。活性化の際の例外は骨格触媒であり、該触媒は例えばEP−A1209146に記載されているような水性塩基による溶出によって活性化することができる。
実施方法(懸濁水素化、流動床法、固定床水素化)に従って、該触媒を粉末、破片状または成形体(好ましくは押出成形体、またはタブレット)として使用する。
特に好ましい固定床触媒は、EP−A1742045に開示されている、Mn、Pおよびアルカリ金属(Li、Na、K、Rb、Cs)でドープされたコバルト完全触媒である。これらの触媒の触媒活性組成物は、水素による還元前に、それぞれ酸化物として計算して、コバルト55〜98質量%、とりわけ75〜95質量%、リン0.2〜15質量%、マンガン0.2〜15質量%、およびアルカリ金属、とりわけナトリウム0.05〜5質量%から成る。
さらなる適切な触媒は、EP−A963975に開示されている触媒であり、該触媒の触媒活性組成物は水素による処理前に、ZrO222〜40質量%、CuOとして計算された銅の酸素含有化合物1〜30質量%、NiOとして計算されたニッケルの酸素含有化合物15〜50質量%(この際、Ni:Cuのモル比は1より大きい)、CoOとして計算されたコバルトの酸素含有化合物15〜50質量%、Al23もしくはMnO2として計算されたアルミニウムおよび/またはマンガンの酸素含有化合物0〜10質量%を含み、かつモリブデンの酸素含有化合物を含まない触媒、例えば、この文献中で開示される、ZrO2として計算されたZr33質量%、NiOとして計算されたNi28質量%、CuOとして計算されたCu11質量%およびCoOとして計算されたCo28質量%という組成を有する触媒Aである。
さらに適しているのは、EP−A696572の中で開示されている触媒であり、該触媒の触媒活性組成物は水素による還元前に、ZrO220〜85質量%、CuOとして計算された銅の酸素含有化合物1〜30質量%、NiOとして計算されたニッケルの酸素含有化合物30〜70質量%、MoO3として計算されたモリブデンの酸素含有化合物0.1〜5質量%、およびAl23もしくはMnO2として計算されたアルミニウムおよび/またはマンガンの酸素含有化合物0〜10質量%を含む。それは例えば、この文献中で具体的に開示される、ZrO231.5質量%、NiO50質量%、CuO17質量%およびMoO31.5質量%という組成を有する触媒である。同様に適しているのは、WO−A99/44984の中で記載されている、(a)鉄または、鉄をベースとする化合物、またはこれらの混合物、(b)Al、Si、Zr、Ti、Vの群から選択された2、3、4または5個の元素をベースとする助触媒を(a)に対して0.001〜0.3質量%、(c)アルカリ金属および/またはアルカリ土類金属をベースとする化合物を(a)に対して0〜0.3質量%、ならびに(d)マンガンを(a)に対して0.001〜1質量%、含む触媒である。
懸濁法に対しては、好ましくはラネー触媒を使用する。ラネー触媒の場合、活性触媒は二成分の合金(アルミニウムまたはケイ素を有するニッケル、鉄、コバルト)から酸またはアルカリを用いて一方のパートナーを溶出することにより「金属スポンジ」として製造される。当初の合金パートナーの残りがしばしば相乗作用する。
本発明による方法において使用するラネー触媒は、好ましくはコバルトまたはニッケルから成る、特に好ましくはコバルトと、アルカリに溶解性のさらなる合金成分とから成る合金から出発して製造される。この溶解性の合金成分において、好ましくはアルミニウムを使用するが、他の成分、たとえば亜鉛およびケイ素、またはこれらの成分から成る混合物を使用することもできる。
ラネー触媒の活性化のために、溶解性の合金成分を完全にまたは部分的にアルカリで抽出し、このために例えば水酸化ナトリウム水溶液を使用することができる。この触媒は、その後で例えば水または有機溶媒で洗浄することができる。
触媒中には、1つの、またはそれ以上のさらなる元素が助触媒として存在していてもよい。助触媒の例は、周期表の副族IB、VIBおよび/またはVIIIの金属、例えばクロム、鉄、モリブデン、ニッケル、銅などである。
溶解性の成分(一般にアルミニウム)の溶出による触媒の活性化は、反応器自体の中で行うか、または反応器に充填する前に行うことができる。事前に活性化された触媒は、空気敏感性および発火性であり、従って一般に媒体、例えば水、有機溶媒または本発明による反応の際に存在する材料(溶媒、出発材料、生成物)中で貯蔵され、取り扱われるか、または室温で固体の有機化合物中に埋め込まれる。
本発明によれば好ましくは、Co/Al合金からアルカリ金属水酸化物水溶液、例えば水酸化ナトリウム水溶液を用いて溶出し、かつ次に水を用いて洗浄することにより得られ、かつ好ましくは助触媒として元素Fe、Ni、Crの少なくとも1つを含むコバルト−骨格−触媒を使用する。
このような触媒は一般に、コバルトの他になお、
Al 1〜30質量%、特にAl 2〜12質量%、殊にAl 3〜6質量%、
Cr 0〜10質量%、特にCr 0.1〜7質量%、殊にCr、0.5〜5質量%、とりわけCr 1.5〜3.5質量%、
Fe 0〜10質量%、特にFe 0.1〜3質量%、特に好ましくはFe 0.2〜1質量%、および/または
Ni 0〜10質量%、特にNi 0.1〜7質量%、特に好ましくはNi 0.5〜5質量%、とりわけNi 1〜4質量%を含み、
この際、この質量表示はそれぞれ触媒総質量に対する。
本発明による方法における触媒として、例えば有利にはコバルト−骨格−触媒"Raney 2724"(W. R. Grace & Co.社)を使用することができる。この触媒は、以下の組成を有する:
Al:2〜6質量%、Co:≧86質量%、Fe:0〜1質量%、Ni:1〜4質量%、Cr:1.5〜3.5質量%。
同様に本発明に従って、Ni/Al合金からアルカリ金属水酸化物水溶液、例えば水酸化ナトリウム水溶液を用いて溶出し、かつ次に水を用いて洗浄することにより得られ、かつ好ましくは助触媒として元素Fe、Crの少なくとも一つを含むニッケル−骨格−触媒を使用する。
このような触媒は通常ニッケルの他になお、
Al 1〜30質量%、特にAl 2〜20質量%、殊にAl 5〜14質量%、
Cr 0〜10質量%、特にCr 0.1〜7質量%、殊にCr 1〜4質量%、
および/または
Fe 0〜10質量%、特にFe 0.1〜7質量%、殊にFe 1〜4質量%
を含み、
この際に質量表示は、それぞれの触媒の総質量に対する。
本発明による方法における触媒として、例えば有利には、Johnson Matthey社のニッケル−骨格−触媒A4000を使用することができる。該触媒は、以下の組成を有する:
Al≦14質量%、Ni≧80質量%、Fe1〜4質量%、Cr1〜4質量%。
該触媒は、場合により低下させた活性および/または選択性で、例えばWO99/33561に、およびその中で引用されている文献に開示されている、当業者に公知の方法により再生することができる。
触媒の再生は、もともとの反応器内で(その場で)、または触媒を取り出して(その場所以外で)行うことができる。固定床法の場合、好ましくはその場で再生させ、懸濁法の場合には好ましくは触媒の一部を連続的に、または非連続的に取り除き、その場以外で再生させて、返送する。
本発明による方法を実施する温度は、40〜150℃の範囲の温度、好ましくは40〜120℃の範囲の温度である。
水素化の際に存在する圧力は一般的に、5〜300bar、好ましくは30〜250bar、特に好ましくは50〜160barである。
アミノアセトニトリルの供給速度、エチレンジアミンの収率、および生成物中のエチレンジアミンの含分もしくは第二級および第三級アミンの含分には、関連性を見いだすことができた。本発明による方法では、アミノアセトニトリルが含まれている溶液を、アミノアセトニトリルが水素化の際に水素と反応する速度以下の速度で、反応槽に供給する。アミノアセトニトリルの供給速度は好ましくは、基本的に水素によるアミノアセトニトリルの水素化の速度に適合されている。好ましくはアミノアセトニトリルを、水素との反応により反応する量だけ反応槽に供給する。従ってアミノアセトニトリルを含む溶液の供給速度は、使用する溶液中のアミノアセトニトリルの濃度、および反応速度のパラメータと関連している。これらのパラメータはとりわけ、存在する温度、存在する圧力、および水素利用可能性であり、これらは反応の際に混合作用(Mischeffekt)によっても影響を受ける。好ましくは、反応排出物中のアミノアセトニトリルの濃度が基本的に1質量%未満、特に好ましくは<1000ppmである。
アミノアセトニトリル供給速度を前述のように調整することにより、可能な限り速い反応速度が得られ、副生成物、例えば第二級および第三級アミンの形成を減少させ、また使用するアミノアセトニトリルの分解、ひいては触媒消費量が最小限になる。
触媒活性が、例えばFACHの添加により部分的に不活性化される場合でも、水素化条件の適合、例えば温度の上昇により所望の選択性を得ることができる。
本発明による方法では、溶媒をまずAANと完全に混合することができる。場合により水も、さらなる添加剤も含む溶液を、引き続き触媒を含む反応槽に必要な速度で供給する。場合により、例えばセミバッチ法の場合には、溶媒の一部を触媒と一緒に反応槽に装入することができ、これに溶液を必要な速度で計量添加する。連続的な方法の場合、溶媒の部分量を、AAN、溶媒、および場合により水を含む溶液とは別に、反応槽に加えることもできる。AANは室温で液体のため、完全に別々に水素化に計量添加することもできる。AANの計量添加はまた水溶液として、有機溶媒の別の計量添加とともに行うこともできる。
アミノアセトニトリルの水素化による、本発明によるエチレンジアミンの製造方法は、触媒反応に適した通常の反応槽内で、固定床法、流動床法、懸濁法で連続的に、半連続的に、または非連続的に行うことができる。水素化の実施に適しているのは、アミノニトリル混合物および触媒と、気体状の水素とを圧力下で接触させることが可能な反応槽である。
懸濁法での水素化は、撹拌反応器、ループ型反応器、もしくは他の逆混合式反応器、ジェットループ型反応器、ジェットノズル型反応器、泡鐘塔型反応器で、もしくは同一の、または異なる反応器のカスケードで行うことができる。
固定床触媒を用いた水素化のためには、管型反応器も、管束型反応器も可能である。
固定床触媒の場合、塔底法、または細流法でアミノニトリル混合物を衝突させる。ただし好ましくは、半連続的な、および好ましくは連続的な運転方法で懸濁法を使用する。
ニトリル基の水素化は、熱を放出しながら起こり、通常この熱は排出しなければならない。この排熱は、組み込まれた伝熱面、冷却ジャケット、または外部にある熱交換器により、反応器周囲の循環内で行うことができる。水素化反応器、もしくは水素化反応器カスケードは、直線的な通路で延びていてよい。また反応器排出物の一部を、好ましくは循環流の予備的な後処理なしに反応器入口に返送する循環運転方式も可能である。こうして、反応溶液の最適な希釈を達成することができる。とりわけ、循環流は外部の熱交換器を用いて容易かつ低コストで冷却することができ、これにより反応熱を排出することができる。これにより反応器は断熱式に運転されてもよく、この際、反応溶液の温度上昇を、冷却された循環流により制限することができる。反応器自体は冷却する必要がないため、容易かつ低コストな構造様式が可能である。
水素化に引き続き、使用する溶媒、場合により水、および/または触媒を当業者に公知の方法で分離することによって、得られる生成物(EDA)を場合によりさらに精製することができる。副生成物として生成する化合物、例えばジエチレントリアミン(DETA)、またはその他の化合物は、同様に当業者に公知の方法で分離することができる。
好ましい実施態様においては本発明による方法を、溶媒としてテトラヒドロフランを用いて行う。水素化の際の温度は好適には75〜125℃、圧力は好適には50〜160barである。好適には、水素化をアンモニアの不存在下で行う。
本発明による方法により、高い触媒負荷量が達成され、これは使用する触媒の活性に対する基準である。好ましくは触媒負荷量は、ニトリル0.3〜20mol(触媒1gあたり、〜0.2g〜12gのAANに相応)であり、好適には一時間につき触媒1gあたりニトリル1〜10mol(〜0.6g〜6g)である。触媒負荷量が高ければ高いほど、エチレンアミンの空時収率もその分高くなり得る。
実施例
以下の実施例により、本発明による方法を説明する。割合は、特に記載のない限り質量%で記載されている。導入される内部標準、ジエチレングリコールジメチルエーテル(DEGDME)により、場合により形成される揮発性の分解成分の測定によって、生成物の定量化ができる。この定量化はガスクロマトグラフ(GC)を用いて行い、この際その都度取り出した試料に対して、均質化のためにメタノールを加える。
実施例1(セミバッチ法)
270mlのオートクレーブに、Crをドープしたラネーコバルト触媒3.25g、ならびにTHF15mlを装入する。このオートクレーブを80℃に加熱し、そして水素を最大200barの全圧で圧入する。20分以内に、蒸留されたAAN13.8g(0.25mol)から成る混合物(触媒1gあたり12.7g/h)、内部標準13.8g、ならびにTHF106g中の水4.2gを計量添加する。反応混合物をさらに90分間、反応条件下で撹拌する。様々な時点で試料を取り出し、これらの試料をメタノールで均質化する。AAN溶液を完全に添加直後、AANはもはや検出できない。90分間の事後的な水素化時間後、選択性はEDAが96%、およびDETAが2%である。
実施例2(バッチ法)
270mlのオートクレーブに、Crをドープしたラネーコバルト触媒3.25g、蒸留されたAAN13.8g(0.25mol)、内部標準13.8g、ならびに水4.2g、およびTHF121mlを装入する。オートクレーブを80℃に加熱し、そして水素を最大200barの全圧で圧入する。反応混合物を60分間、反応条件下で撹拌する。この反応混合物を、メタノールで均質化する。もはやAANは検出できない。60分間の水素化時間後、選択性はEDAが74%、およびDETAが12%である。
バッチ法での水素化の場合、当初は高いAAN濃度が存在する。従って水素化されるより多くのAANを計量添加すると、それが原因でより低い選択性で反応が進行する。
実施例3(セミバッチ法)
270mlのオートクレーブに、Crをドープしたラネーコバルト触媒3.25g、ならびにTHF15mlを装入する。オートクレーブを80℃に加熱し、そして水素を最大50barの全圧で圧入する。20分以内に、蒸留されたAAN13.8g(0.25mol)から成る混合物(触媒1gあたり12.7g/h、実施例1と比較して1/3の圧力)、内部標準13.8g、ならびにTHF106g中の水4.2gを計量添加する。反応混合物をさらに90分間、反応条件下で撹拌する。様々な時点で試料を取り出し、これらの試料をメタノールで均質化する。完全な添加後、もはやAANは検出できない。90分間の事後的な水素化時間後、選択性はEDAが90%、およびDETAが4%である。
実施例4(セミバッチ法)
270mlのオートクレーブに、Crをドープしたラネーコバルト触媒3.25g、ならびにTHF15mlを装入する。オートクレーブを60℃に加熱し、そして水素を最大50barの全圧で圧入する。20分以内に、蒸留されたAAN13.8g(0.25mol)から成る混合物(触媒1gあたり12.7g/h、実施例2と比較して20℃低い温度)、内部標準13.8g、ならびにTHF106g中の水4.2gを計量添加する。反応混合物をさらに90分間、反応条件下で撹拌する。様々な時点で試料を取り出し、これらの試料をメタノールで均質化する。完全な添加後、なおAANを0.8%検出することができる。90分間の事後的な水素化時間後、選択性はEDAが82%、およびDETAが0.4%である。
選択された条件下では、計量添加の終わりになお、AANを検出することができる。従って水素化されるより速く計量添加すれば、より低い選択性につながる。
実施例5(FACHによる部分的な不活性化)
270mlのオートクレーブに、Crをドープしたラネーコバルト触媒3.25g、ならびにTHF15mlを装入する。オートクレーブを80℃に加熱し、そして水素を最大50barの全圧で圧入する。20分以内に、蒸留されたAAN13.8g(0.25mol)から成る混合物(触媒1gあたり12.7g/h)、内部標準13.8g、ならびに水4.2g、ならびにホルムアルデヒドシアンヒドリン69mgをTHF106gに計量添加する。反応混合物をさらに90分間、反応条件下で撹拌する。様々な時点で試料を取り出し、これらの試料をメタノールで均質化する。完全な添加後、なおAANを0.7%以上検出することができる。90分間の事後的な水素化時間後、選択性はEDAが84%、およびDETAが6%である。
FACH添加が原因となり、触媒の部分的な不活性化につながる。従ってAANを速く計量添加する(完全な添加後にAANが検出される)と、このことが選択性に影響を与える。
実施例6(FACHによる部分的な不活性化)
270mlのオートクレーブに、Crをドープしたラネーコバルト触媒3.25g、ならびにTHF15mlを装入する。オートクレーブを100℃に加熱し、そして水素を最大50barの全圧で圧入する。20分以内に、蒸留されたAAN13.8g(0.25mol)から成る混合物、内部標準13.8g、水4.2g、ならびにホルムアルデヒドシアンヒドリン140mgをTHF106gに計量添加する。反応混合物をさらに90分間、反応条件下で撹拌する。様々な時点で試料を取り出し、これらの試料をメタノールで均質化する。完全な添加後、もはやAANは検出できない。90分間の事後的な水素化時間後、選択性はEDAが92%、およびDETAが2%である。
条件の適合により(実施例5と比べて)より速く水素化され、このため水素化されるよりゆっくり計量添加され、このことが原因となり選択性が高められている。
実施例7(FACHにより部分的に不活性化)
270mlのオートクレーブに、Crをドープしたラネーコバルト触媒3.25g、ならびにTHF15mlを装入する。オートクレーブを100℃に加熱し、そして水素を最大50barの全圧で圧入する。20分以内に、蒸留されたAAN13.8g(0.25mol)から成る混合物、内部標準13.8g、ならびに水4.2g、ならびにホルムアルデヒドシアンヒドリン1.4gをTHF106gに計量添加する。反応混合物をさらに90分間、反応条件下で撹拌する。様々な時点で試料を取り出し、これらの試料をメタノールで均質化する。完全な添加後、なおAANを17%検出することができる。90分間の事後的な水素化時間後、選択性はEDAが45%、およびDETAが15%である。
ここでは、速い計量添加により、より大量のAANが残っており、かつ低い濃度のEDAしか得られない。
実施例8(FACHによる部分的な不活性化)
270mlのオートクレーブに、Crをドープしたラネーコバルト触媒3.25g、ならびにTHF15mlを装入する。オートクレーブを120℃に加熱し、そして水素を最大50barの全圧で圧入する。20分以内に、蒸留されたAAN13.8g(0.25mol)から成る混合物、内部標準13.8g、ならびに水4.2g、ならびにホルムアルデヒドシアンヒドリン1.4gをTHF106gに計量添加する。反応混合物をさらに90分間、反応条件下で撹拌する。様々な時点で試料を取り出し、これらの試料をメタノールで均質化する。完全な添加後、なおAANを10%検出することができる。90分間の事後的な水素化時間後、選択性はEDAが69%、およびDETAが8%である。
実施例9(連続的な水素化/水不含)
流動障害物とディスク型撹拌機とを備える270mlのオートクレーブにCrをドープしたラネーコバルト10gを装入し、そして連続的に50Nl(標準リットル)の水素を送り込む。THF中で10.5質量%のAAN溶液を、連続的に170〜180barで圧送する。浸漬フリット(Tauchfritt)を介して、連続的に反応混合物を排出する。反応温度は120℃に保つ。排出物は、制御弁を介して放圧する。計量添加量は、1時間あたりAAN14gからAAN27gに高まる。標準的な試料を、GCを用いて分析する。どの時間に対しても、排出物中にAANは検出できない。1時間あたりAAN27gを計量添加する場合、EDAは97%の選択性、DETAは2%の選択性が得られる。
実施例10(連続的な水素化/水60質量%)
流動障害物とディスク型撹拌機とを備える270mlのオートクレーブにCrをドープしたラネーコバルトを10g装入し、そして連続的に50Nlの水素を給送する。1時間あたり、AAN40gから成る混合物、内部標準としてジエチレングリコールジメチルエーテル(DEGDME)40g、ならびにTHF325g中の水24gを、21時間にわたって連続的に50barで圧送する。浸漬フリットを介して、連続的に反応混合物を排出する。反応温度は120℃に保つ。排出物は、制御弁を介して放圧する。標準的な試料を、GCを用いて分析する。どの時間に対しても、排出物中にAANは検出できない。これらの試料は、安定的にEDAが96.5%、ならびにDETAが1.5%という選択性を示す。
実施例11(連続的な水素化/水30質量%)
流動障害物とディスク型撹拌機とを備える270mlのオートクレーブにCrをドープしたラネーコバルト10gを装入し、そして連続的に50Nlの水素を給送する。一時間につき、AAN30g、THF255g中の水9gから成る混合物を50barで連続的に圧送する。浸漬フリットを介して、連続的に反応混合物を排出する。反応温度は120℃に保つ。排出物は、制御弁を介して放圧する。標準的な試料を、GCを用いて分析する。どの時間に対しても、排出物中にAANは検出できない。これらの試料は、安定的にEDA>98%、ならびにDETA1%という選択性を示す。

Claims (17)

  1. 触媒を用いたアミノアセトニトリルの水素化による、エチレンジアミンの製造方法において、アミノアセトニトリル、0〜60質量%の割合の水、および溶媒を含む溶液中で水素化を行い、この際溶液中に含まれるアミノアセトニトリルを、アミノアセトニトリルが水素化の際に水素と反応する速度以下の速度で反応槽に供給することを特徴とする、エチレンジアミンの製造方法。
  2. 前記溶媒がエーテルであることを特徴とする、請求項1に記載のエチレンジアミンの製造方法。
  3. 前記エーテルが環状エーテルであることを特徴とする、請求項2に記載のエチレンジアミンの製造方法。
  4. 前記環状エーテルがテトラヒドロフランであることを特徴とする、請求項3に記載のエチレンジアミンの製造方法。
  5. 新たな全供給物のアミノアセトニトリルが5〜30質量%の濃度を有することを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項に記載のエチレンジアミンの製造方法。
  6. 前記反応槽が、半連続的な、または連続的な運転方法で稼働する撹拌反応器、ループ型反応器または他の逆混合式反応器であることを特徴とする、請求項1からまでのいずれか1項に記載のエチレンジアミンの製造方法。
  7. 前記触媒が、ラネーコバルト触媒またはラネーニッケル触媒であることを特徴とする、請求項1からまでのいずれか1項に記載のエチレンジアミンの製造方法。
  8. 前記触媒がクロムをドープしたラネーコバルト触媒またはラネーニッケル触媒であることを特徴とする、請求項7に記載のエチレンジアミンの製造方法。
  9. 前記水素化を、40〜150℃の温度で行うことを特徴とする、請求項1からまでのいずれか1項に記載のエチレンジアミンの製造方法。
  10. 前記水素化を、75〜125℃の温度で行うことを特徴とする、請求項9に記載のエチレンジアミンの製造方法。
  11. 前記水素化を、5〜300barの圧力で行うことを特徴とする、請求項1から10までのいずれか1項に記載のエチレンジアミンの製造方法。
  12. 前記水素化を、30〜250barの圧力で行うことを特徴とする、請求項11に記載のエチレンジアミンの製造方法。
  13. 前記水素化を、50〜160barの圧力で行うことを特徴とする、請求項12に記載のエチレンジアミンの製造方法。
  14. 反応排出物中のアミノアセトニトリルの濃度が、1質量%未満であることを特徴とする、請求項1から13までのいずれか1項に記載のエチレンジアミンの製造方法。
  15. 触媒負荷量が、1時間につき触媒1gあたりアミノニトリル0.3〜20gであることを特徴とする、請求項1から14までのいずれか1項に記載のエチレンジアミンの製造方法。
  16. 前記水素化を、アンモニアを添加せずに行うことを特徴とする、請求項1から15までのいずれか1項に記載のエチレンジアミンの製造方法。
  17. ホルムアルデヒドシアンヒドリン(FACH)をほとんど含まないアミノアセトニトリルを使用すること、かつ/またはアミノアセトニトリルを水素化の前に蒸留したことを特徴とする、請求項1から16までのいずれか1項に記載のエチレンジアミンの製造方法。
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