JP5399021B2 - 高周波用半導体素子形成用のエピタキシャル基板および高周波用半導体素子形成用エピタキシャル基板の作製方法 - Google Patents

高周波用半導体素子形成用のエピタキシャル基板および高周波用半導体素子形成用エピタキシャル基板の作製方法 Download PDF

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Description

本発明は、III族窒化物半導体により構成される高周波用半導体素子形成用のエピタキシャル基板、および該基板を用いて作製される高周波用半導体素子に関する。
窒化物半導体は、高い絶縁破壊電界、高い飽和電子速度を有することから次世代の高周波/ハイパワーデバイス用半導体材料として注目されている。特に、AlGaNとGaNからなる層を積層することにより形成した多層構造体には、窒化物材料特有の大きな分極効果(自発分極効果とピエゾ分極効果)により積層界面(ヘテロ界面)に高濃度の二次元電子ガス(2DEG)が生成するという特徴があることから、係る多層構造体を基板として利用した高電子移動度トランジスタ(HEMT)の開発が活発に行われている(例えば、非特許文献1参照)。
携帯電話基地局などのように、大電力・高周波(100W以上、2GHz以上)という条件の下で動作させるHEMTの場合、発熱によるデバイスの温度上昇を抑制するため、極力熱抵抗の低い材料を用いて作製することが望まれる。一方、高周波動作を行わせるHEMTの場合は、寄生容量を極力抑制する必要があることから、絶縁性の高い材料を用いて作製すること望まれる。窒化物半導体を用いてこれらの要件をみたすデバイスを作製する場合、良好な窒化物膜を成長できることもあり、1×108Ωcm以上という高い比抵抗を有する、いわゆる絶縁性SiC基板が下地基板として用いられる。
一方、導電性SiC基板に、HVPE法(ハイドライド気相成長法)やMOCVD法などにて絶縁性のAlN膜を堆積し、これを下地基板として用いることも提案されている(例えば、非特許文献2および特許文献1参照)。
"Highly Reliable 250W GaN High Electron Mobility Transistor Power Amplifier", T. Kikkawa, Japanese Journal of Applied Physics, Vol. 44, No. 7A, 2005, pp. 4896-4901. "A 100-W High-Gain AlGaN/GaN HEMT Power Amplifier on a Conductive N-SiC Sustrate for Wireless Bass Station Applications", M. Kanamura, T. Kikkawa, and K. Joshin, Tech. Dig. of 2004 IEEE International Electron Device Meeting (IEDM2008), pp.799-802 特開2002−359255号公報
半絶縁性SiC基板は、基板自体が高価であるという問題がある。他方、比較的安価な導電性SiC基板を用いた場合、基板の寄生容量が大きくなるため高周波動作に支障をきたすという問題がある。
また、非特許文献2に開示されている手法では、下地基板を得るにあたってAlN膜を10μmという大きな厚みで形成する必要があるために、結晶成長手法としてHVPE法が採用されている。しかしながらHVPE法を採用した場合、AlN膜の結晶品質(転位密度など)を基板全面で均一に制御することが困難であるため、下地基板の表面における結晶品質に不均一が生じやすい。このような結晶品質に不均一のある下地基板の上にIII族窒化物膜を形成してHEMTを作製した場合に、係る窒化物膜においても面内で結晶品質にばらつきが生じ、ひいては面内で特性バラツキが生じてしまうことになる。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、コストメリットがあり、かつ、特性の優れた高周波動作用の半導体素子を実現できるエピタキシャル基板を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、導電性を有するSiCまたはSiからなる基材と、前記基材の上にエピタキシャル形成された、少なくとも比抵抗が1×10Ωcm以上の絶縁性を有する第1のIII族窒化物からなる下地層と、前記下地層の上にエピタキシャル形成された、GaNからなるチャネル層と、前記チャネル層の上にエピタキシャル形成された、AlInGaN(x+y+z=1)からなる障壁層と、を備え、前記下地層が表面に実質的に非周期的な凹凸構造を有してなり、かつ、前記下地層の平均厚みが8μm以上10μm以下であって表面粗さが0.5μm以上1μm以下である、ことを特徴とする。
請求項の発明は、請求項1に記載の高周波用半導体素子形成用のエピタキシャル基板であって、前記第1のIII族窒化物がAlNである、ことを特徴とする。
請求項の発明は、導電性を有するSiCまたはSiからなる基材の上に、絶縁性を有する第1のIII族窒化物からなる下地層をMOCVD法によってエピタキシャル形成する下地層形成工程と、前記下地層の上に、GaNからなるチャネル層をエピタキシャル形成するチャネル層形成工程と、前記チャネル層の上に、AlGa1−xN(0<x<1)からなる障壁層をエピタキシャル形成する障壁層形成工程と、を備え、前記下地層形成工程においては、表面に実質的に非周期的な凹凸構造を有するように、かつ、平均厚みが8μm以上10μm以下であって平均粗さが0.5μm以上1μm以下となるように前記下地層を形成する、ことを特徴とする。
請求項の発明は、請求項に記載の高周波用半導体素子形成用エピタキシャル基板の作製方法であって、前記第1のIII族窒化物がAlNである、ことを特徴とする。
請求項1ないし請求項の発明によれば、絶縁性のSiC基板を用いて作製したものと同程度に寄生容量が抑制された半導体素子が実現される。これにより、価格の高い絶縁性のSiC基板を用いる場合よりも低コストにて、高周波動作に適した半導体素子を得ることができる。また、下地層表面が凹凸であることにより、GaNチャネル層の成長時に2次元的な成長モードが促進される(いわゆるELO技術と同様な効果)ため、結果として平坦な下地層の上に形成するよりも高い結晶品質を有するGaNチャネル層が得られる。

図1は、本発明の実施の形態に係るエピタキシャル基板10を含んで構成される半導体素子の一態様としての、HEMT素子20の断面構造を模式的に示す図である。エピタキシャル基板10は、基材1の上に、それぞれがIII族窒化物半導体層である下地層2とチャネル層3と障壁層4とをエピタキシャル形成してなる構成を有する。なお、以降において、基材1の上に下地層2を形成したものを、下地基板と称することがある。また、チャネル層3と障壁層4とを機能層と総称することがある。
さらに、HEMT素子20においては、エピタキシャル基板10の上に(障壁層4の上に)ソース電極5とドレイン電極6とゲート電極7とが設けられてなる。なお、図1における各層の厚みの比率は、実際のものを反映したものではない。
基材1としては、導電性のSiCの単結晶基板を用いる。例えば、n導電型を呈し、比抵抗が0.1Ωcmから1Ωcm程度の4H−SiC基板を用いるのが好適な一例である。あるいは、同程度の比抵抗を有するSi基板を用いる態様であってもよい。基材1の厚みには特段の材質上の制限はないが、取り扱いの便宜上、数百μm〜数mmの厚みのものが好適である。
下地層2は、少なくとも比抵抗が1×106Ωcm以上の絶縁性を有するIII族窒化物にて形成される層である。下地層2はAlNにて形成されるのが好適な一例である。以下においては、下地層2がAlNにて形成される場合を対象として説明する。
また、本実施の形態に係るエピタキシャル基板10においては、下地層2が、表面に実質的に非周期的な(ランダムな)凹凸構造を有するように形成される。具体的には、下地層2は、層全体の平均厚みが8μm以上10μm以下で、かつ、表面の平均粗さが0.5μm以上1μm以下となるように形成される。なお、平均粗さはAFM(原子間力顕微鏡)の20μm□視野像に基づいて求めるものとする。下地層2がこのような凹凸構造を有することの作用効果については後述する。
チャネル層3は、GaNにて、数μm程度(例えば5μm程度)の平均厚みを有するように形成される層である。なお、チャネル層3は、下地層2に比して十分に平坦な表面を有するように形成される。
障壁層4は、AlxInyGazN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1、x+y+z=1)なる組成のIII族窒化物にて、数十nm以下(例えば25nm程度)の厚みに形成される層である。障壁層4は、例えば、Al0.2Ga0.8Nにて形成されるのが好適な一例である。
下地層2と、チャネル層3と、障壁層4とはいずれも、MOCVD法(有機金属化学的気相成長法)を用いてエピタキシャル形成される。具体的には、In、Al、Gaについての有機金属(MO)原料ガス(TMI、TMA、TMG)と、アンモニアガスと、水素ガスと、窒素ガスとをリアクタ内に供給可能に構成されてなる公知のMOCVD炉を用いたエピタキシャル成長が行われる。
まず、下地層2を形成する場合には(下地基板を得る場合には)、該リアクタ内に設けられたサセプタの上に基材1を載置し、あらかじめ定められたバッファ層形成温度に基材1を加熱した状態で、リアクタ内圧力を所定の値に保ちつつTMAとアンモニアガスとをそれぞれキャリアガスともども所定の供給比で供給することで、下地層2が形成される。その際の温度、圧力、流量などの条件は、下地層2の表面に凹凸構造が形成されるような値が選択される。
チャネル層3についても、あらかじめ定められたチャネル層形成温度に該下地基板を加熱した状態で、リアクタ内圧力を所定の値に保ちつつTMGとアンモニアガスとをそれぞれキャリアガスともども所定の供給比で供給することで、形成される。さらに、障壁層4については、チャネル層3の形成後、形成しようとする障壁層4の組成等に応じて形成温度を設定し、リアクタ内圧力を所定の値に保ちつつ当該組成に応じたガスを供給することによって、形成することが出来る。チャネル層3および障壁層4の形成に際しては、表面平坦性が確保されるように、温度、圧力、流量などの条件が選択される。
ソース電極5とドレイン電極6とは、それぞれに十数nm〜百数十nm程度の厚みを有するTi/Al/Ni/Auからなる多層金属電極である。ソース電極5およびドレイン電極6は、障壁層4との間にオーミック性接触を有してなる。ソース電極5およびドレイン電極6は、真空蒸着法とフォトリソグラフィプロセスとにより形成されるのが好適な一例である。なお、両電極のオーミック接触性を向上させるために、電極形成後、650℃〜1000℃の間の所定温度(例えば850℃)の窒素ガス雰囲気中において数十秒間(例えば30秒間)の熱処理を施すのが好ましい。
ゲート電極7は、それぞれに十数nm〜百数十nm程度の厚みを有するPd/Auからなる多層金属電極である。ゲート電極7は、障壁層4との間にショットキー性接触を有してなる。ゲート電極7は、真空蒸着法とフォトリソグラフィプロセスとにより形成されるのが好適な一例である。
このような構成を有するHEMT素子20においては、チャネル層3と障壁層4の界面がヘテロ接合界面となるので、自発分極効果とピエゾ分極効果により、当該界面に(より詳細には、チャネル層3の当該界面近傍に)二次元電子ガスが高濃度に存在する二次元電子ガス領域が形成される。
図2は、10通りに条件を違えて作製したエピタキシャル基板10、および、これを用いて作製したHEMT素子20について、種々の特性を測定した結果を、一覧にして例示する図である。図2のサンプル番号1−01〜1−10のものがこれに該当する。なお、図2に示したのは、いずれも基材1として導電性のSiC基板を用い、下地層2としてAlN層を形成し、障壁層4としてAl0.2Ga0.8N層を形成したHEMT素子20についての結果である。なお、1つのエピタキシャル基板10から、50個のHEMT素子を作製している。加えて、図2においては、比較例として、下地層を表面が平坦になるように形成したエピタキシャル基板およびこれを用いて作製したHEMT素子についての結果も併せて示している。図2のサンプル番号2−01〜2−10のものがこれに該当する。
図2に示すように、エピタキシャル基板10の機能層についてホール測定により得られる移動度は1600cm2/V・s〜1650cm2/V・s程度である。一方、比較例では移動度はせいぜい1400cm2/V・s余りである。すなわち、エピタキシャル基板10の機能層においては高い移動度が実現されてなる。
また、図2に示すように、エピタキシャル基板10の機能層についてX線ロッキングカーブ測定(ωスキャン)を行った場合の(10−12)面の半値幅は、150sec〜170sec程度であり、比較例の1/2以下程度の小さい値となっている。エピタキシャル基板10の作製においては、表面に凹凸構造を有する下地基板を用いることから、機能層のエピタキシャル成長に際しては、2次元的な成長モード(横方向成長モード)が促進されることになる。これにより、例えば下地層2に存在する転位の機能層への伝搬が抑制されるなどの効果が得られる。結果として、機能層は、下地層2の結晶品質の影響を受けることなく、上述のような良好な結晶品質にて形成される。
また、図2に示すように、HEMT素子20においては、ゲート・ソース電極間の寄生容量が、0.1pF以下となる。これは、比較例のHEMT素子と同程度あるいはそれよりも十分に小さい値である。
さらに、図2に示すように、HEMT素子20の場合、閾値電圧の標準偏差が数mV程度であって、下地層を表面が平坦になるように形成したHEMT素子の1/10程度に収まっている。これは、下地層2の表面にランダムな凹凸構造を形成したエピタキシャル基板を用いてHEMT素子を作製することで、閾値電圧を安定化させることができることを意味している。また、係る凹凸構造には個体ばらつきがあったとしても、上述のような2次元的な成長モードでのエピタキシャル成長が実現されることで、機能層の結晶品質のばらつきが抑制されているともいえる。
なお、図2に示したHEMT素子20のゲート・ソース電極間の寄生容量は、絶縁性SiC基板を下地基板に用いて作製したHEMT素子と同程度の値となることも、本発明の発明者によって確認されている。すなわち、HEMT素子20は、高周波動作に適したものとなっている。また、導電性のSiC基板を用いているにも関わらず、寄生容量が絶縁性のSiC基板を用いて作製したHEMT素子と同程度にまで抑制されるということは、本実施の形態に係るエピタキシャル基板が、コスト面でも優れていることを意味している。
以上、説明したように、本実施の形態によれば、導電性SiCまたはSi基板の上にランダムな表面凹凸構造を有する下地層を形成したうえで機能層を形成してなるエピタキシャル基板を用いて、半導体素子を形成するようにすることで、結晶品質が良好であるとともに移動度が高い機能層を有し、寄生容量が抑制されてなる半導体素子が実現される。これにより、価格の高い絶縁性のSiC基板を用いる場合よりも低コストにて、高周波動作に適した半導体素子を得ることができる。
(実施例1)
本実施例では、相異なる作製条件にて10種類(サンプル番号1−01〜1−10に対応)のエピタキシャル基板10を作製し、それぞれのエピタキシャル基板10について、50個のHEMT素子20を作製した。
まず、基材1として、n型の導電性を呈する、2インチ径で(0001)面方位の4H−SiC基板を用意した。なお、係るSiC基板の比抵抗は、0.1Ωcmであった。
係る導電性のSiC基板を、MOCVD炉リアクタ内に設置し、真空ガス置換した後、水素/窒素混合フロー状態の雰囲気を形成した。次いで、サセプタ加熱によって基板を昇温したうえで、Al原料ガスとアンモニアガスをリアクタ内に導入し、表面凹凸構造を有する下地層2としてのAlN層を平均膜厚が9μm程度となるように形成した。なお、V/III比は50〜5000の範囲で、リアクタ内圧力は0.1kPa〜20kPaの範囲で、サセプタ温度は950℃〜1500℃の範囲で、それぞれのSiC基板について種々に設定した。
サセプタ温度を、チャネル層形成温度である1100℃に保ち、TMGガスとアンモニアガスとを所定の流量比でリアクタ内に導入し、チャネル層3としてのGaN層を5μmの厚みに形成した。
チャネル層3が得られると、サセプタ温度を、障壁層形成温度である1100℃に引き続き保ち、リアクタ圧力を10kPaとした。次いで有機金属原料ガスとアンモニアガスとを該目標組成に応じた流量比でリアクタ内に導入し、障壁層4としてのAl0.2Ga0.8N層を25nmの厚みを有するように形成した。なお、有機金属原料のバブリング用ガスおよびキャリアガスには、全て水素ガスを用いた。また、V/III比は5000とした。
障壁層4が形成された後、サセプタ温度を室温付近まで降温し、リアクタ内を大気圧に復帰させた後、リアクタを大気開放して、作製されたエピタキシャル基板10を取り出した。
得られた10種類のエピタキシャル基板10の機能層について、(10−12)面のX線ロッキングカーブ測定(ωスキャン)を行った。さらに、ホール測定により移動度を求めた。これらにより、図2に示す結果を得た。
また、AlN層の形成までを上記と同様に行って得られた10種類の下地基板について、断面SEM観察により下地層2の平均膜厚を測定し、AFMにより20μm□視野測定を行って表面凹凸を求め、図2に示す結果を得た。
次に、このエピタキシャル基板10を用いてHEMT素子20を作製した。なお、HEMT素子は、ゲート幅が1mm、ソース−ゲート間隔が0.5μm、ゲート−ドレイン間隔が7.5μm、ゲート長が1.5μmとなるように設計した。
また、パッシベーション膜としてエピタキシャル基板10の上に厚さ100nmのSiN4膜を形成し、続いてフォトリソグラフィを用いてソース電極5、ドレイン電極6の形成予定箇所のSiO2膜をエッチング除去することで、SiO2パターン層を得た。
ソース電極5、ドレイン電極6は、真空蒸着法とフォトリソグラフィプロセスとを用い、それぞれの形成予定箇所にTi/Al/Ni/Au(それぞれの膜厚は25/75/15/100nm)からなる金属パターンを形成することにより得た。次いで、ソース電極5およびドレイン電極6のオーミック性を良好なものにするために、800℃の窒素ガス雰囲気中にて30秒間の熱処理を施した。
また、ゲート電極7は、真空蒸着法とフォトリソグラフィとを用いて、その形成予定箇所に、Pd/Au(それぞれの膜厚は30/100nm)からなるショットキー性金属パターンを形成することにより得た。
以上のプロセスにより、10種類各50個のHEMT素子20が得られた。
得られたHEMT素子20のそれぞれについて、ゲート・ソース電極間容量および閾値電圧を測定した。図2には、それぞれのサンプル番号のHEMT素子についての平均値を示している。さらに、それぞれのサンプル番号ごとに、閾値電圧の標準偏差も求めた。
(比較例1)
AlN層を実施例1に比して十分に表面が平坦となるように形成した他は、実施例1と同様にエピタキシャル基板およびHEMT素子を作製した(サンプル番号2−01〜2−10に対応)。
得られたエピタキシャル基板およびHEMT素子について、実施例1と同様の測定を行い、図2に示す結果を得た。
実施例1と比較例1とを対比すると、実施例1のように下地層2に表面凹凸構造を設けることが、機能層の結晶品質、移動度の向上に寄与するとともに、HEMT素子の寄生容量の抑制さらには閾値電圧の安定化に効果があることが確認される。
(比較例2)
実施例1および比較例1で用いた導電性SiC基板の代わりに、比抵抗が1×107Ωcmである2インチ径(0001)面方位の4H−SiC基板を用意し、実施例1と同様にエピタキシャル基板およびHEMT素子を作製した。
得られたHEMT素子について、ゲート・ソース電極間容量を測定したところ、0.08pFであった。
以上の結果は、実施例1に係るエピタキシャル基板を用いることによっても、絶縁性のSiC基板を用いた場合と同程度に寄生容量が低減されることを意味している。
エピタキシャル基板10を含んで構成される半導体素子の一態様としての、HEMT素子20の断面構造を模式的に示す図である。 エピタキシャル基板10、および、これを用いて作製したHEMT素子20について、種々の特性を測定した結果を、一覧にして例示する図である。
符号の説明
1 基材
2 下地層
3 チャネル層
4 障壁層
5 ソース電極
6 ドレイン電極
7 ゲート電極
10 エピタキシャル基板
20 HEMT素子

Claims (4)

  1. 導電性を有するSiCまたはSiからなる基材と、
    前記基材の上にエピタキシャル形成された、少なくとも比抵抗が1×10Ωcm以上の絶縁性を有する第1のIII族窒化物からなる下地層と、
    前記下地層の上にエピタキシャル形成された、GaNからなるチャネル層と、
    前記チャネル層の上にエピタキシャル形成された、AlInGaN(x+y+z=1)からなる障壁層と、
    を備え、
    前記下地層が表面に実質的に非周期的な凹凸構造を有してなり、かつ、前記下地層の平均厚みが8μm以上10μm以下であって表面粗さが0.5μm以上1μm以下である、
    ことを特徴とする高周波用半導体素子形成用のエピタキシャル基板。
  2. 請求項1に記載の高周波用半導体素子形成用のエピタキシャル基板であって、
    前記第1のIII族窒化物がAlNである、
    ことを特徴とする高周波用半導体素子形成用のエピタキシャル基板。
  3. 導電性を有するSiCまたはSiからなる基材の上に、絶縁性を有する第1のIII族窒化物からなる下地層をMOCVD法によってエピタキシャル形成する下地層形成工程と、
    前記下地層の直上に、GaNからなるチャネル層をエピタキシャル形成するチャネル層形成工程と、
    前記チャネル層の上に、Al Ga 1−x N(0<x<1)からなる障壁層をエピタキシャル形成する障壁層形成工程と、
    を備え、
    前記下地層形成工程においては、表面に実質的に非周期的な凹凸構造を有するように、かつ、平均厚みが8μm以上10μm以下であって平均粗さが0.5μm以上1μm以下となるように前記下地層を形成する、
    ことを特徴とする高周波用半導体素子形成用エピタキシャル基板の作製方法
  4. 請求項3に記載の高周波用半導体素子形成用エピタキシャル基板の作製方法であって、
    前記第1のIII族窒化物がAlNである、
    ことを特徴とする高周波用半導体素子形成用エピタキシャル基板の作製方法。
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