JP5398560B2 - 光コネクタ及びその組立方法 - Google Patents
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Description
従来のFC形光コネクタ(プラグ)は、ツマミ(接続ナット)、プラグフレーム(フレーム)、ストップリング(ストッパ)、フェルール等がそれぞれ別々の部品として用意され、組立作業者が各部品の組立順序を理解した上で順々に組み立てていく必要があった(例えば、特許文献1の段落0007〜0009参照)。
このため、フレームの後端部をストッパ側に向けて、接続ナットと共にフレームをストッパに取り付けようとすると、フレームの後端側から接続ナットが脱落しやすく、組立作業が容易でないという問題があった。
前記フェルールを前記ストップリングに対して前方に付勢する付勢手段と、前記付勢手段と前記フェルールの間に挿入されるスライド移動可能なスライダとを備えることが好ましい。
前記プラグフレームの後端側にプラグフレーム長さ方向に沿う切欠きを設け、前記スライダの外面には、前記プラグフレームの前記切欠きと嵌合可能な突起部を設けることが好ましい。
前記フェルールの外周に案内溝を設け、前記スライダの前端に、前記案内溝によって案内される案内突起を設けることが好ましい。
前記フェルールには内蔵光ファイバが内挿固定され、前記内蔵光ファイバはその後端で外部光ファイバと融着接続され、前記スライダ内に前記内蔵光ファイバと前記外部光ファイバの融着接続部を収容することが好ましい。
前記スライダの外周に、前記ストップリングに設けられた第2係合穴と係合する突起部を設けることが好ましい。
前記フェルールを前記ストップリングに対して前方に付勢する付勢手段と、前記付勢手段と前記フェルールの間に挿入されるスライド移動可能なスライダとを備えることが好ましい。
前記プラグフレームの後端側にプラグフレーム長さ方向に沿う切欠きを設け、前記スライダの外面には、前記プラグフレームの前記切欠きと嵌合可能な突起部を設け、前記プラグフレームを前記スライダに取り付ける際、前記切欠き部を前記突起部に嵌合させることが好ましい。
前記フェルールの外周に案内溝を設け、前記スライダの前端に、前記案内溝によって案内される案内突起を設け、前記案内突起が前記案内溝によって案内されながら、前記フェルールを前記スライダに取り付けることが好ましい。
前記フェルールに内挿固定された内蔵光ファイバを、その後端で外部光ファイバと融着接続し、前記スライダ内に、前記内蔵光ファイバと前記外部光ファイバの融着接続部を収容することが好ましい。
前記スライダの外周に、前記ストップリングに設けられた第2係合穴と係合する突起部を設け、前記スライダを前記ストップリングに取り付ける際、前記スライダの前記突起部を第2係合穴と係合させることが好ましい。
プラグフレームのラッチ部がストップリングと係合するので、当該ラッチ部を組立後にも有効活用することもできる。
また、プラグフレームの切欠きとスライダの突起部とを目視で確認しながら嵌合させることで、容易にフェルールとプラグフレームとの向きを合わせることができ、フェルール及びプラグフレームを互いに結合するための嵌合を確実に行うことが可能になる。
また、スライダの前端に設けられた案内突起を目視で確認しながら、フェルールの外周側に設けられた案内溝に挿入することで、スライダに対しフェルールの向きを合わせる作業が容易になる。
図1(a)に光コネクタ10の一形態例を示す。また、図1(b)には、この光コネクタ10に用いられるフェルール14及び融着接続補強部材26を、図2(a)及び(b)には、光コネクタ10の断面図を、図3には、光コネクタ10の分解斜視図を示す。
なお、図2(a)は、フェルール14の接合端部30の中心軸と、後述するスライダ60の突起部63の中心軸とを含む平面を切断面として図示した断面図であり、図2(b)は、図2(a)の切断面に垂直で、かつ前記接合端部30の中心軸を含む平面を切断面として図示した断面図である。
以下の説明において、フェルールの前後方向(図2の左右方向)に沿う両方向を区別するため、フェルール14の接合端面31が向かう側(図2の左側)を「前端側」といい、その反対側(図2の右側)を「後端側」ということがある。
フェルール本体30は、例えば硬質のセラミックスや樹脂等からなり、接合端面31と後端面32との間を貫通する孔(符号略)には、光ファイバ20の一端部21が固定されている。フェルール本体30の外周面は円筒面(よって中心軸に垂直な断面は円形)であり、アダプタ(図示せず)のスリーブホルダに挿入可能とされている。
フェルール14の接合端面31は、フェルール本体30の中心軸(ほぼ裸光ファイバ20の光軸に一致する。)に対して垂直な垂直面でもよく、あるいは他の光コネクタのフェルールと対応する所定の方向に傾斜した傾斜面でもよい。
嵌合凹部36及び案内溝35の詳細については、それぞれプラグフレーム40及びスライダ60の説明とともに、後述する。
外部光ファイバ23は、光ファイバ心線、光ファイバコード、光ファイバケーブル等、光ファイバを有する光伝送体から構成されている。外部光ファイバ23の先端部24では、被覆が除去されて、裸光ファイバが露出されている。
また、内蔵光ファイバ20と外部光ファイバ23とを融着接続することなく、後端部22及び先端部24の端面同士を突き合わせて機械的に固定する構成を採用することも可能である。このような突き合わせ接続部の保持及び補強のための手段として、2つ割りの素子の間に後端部22及び先端部24を挟み込み、素子の外側からクランプバネを用いて押圧する構成のメカニカルスプライス(光ファイバ接続器)を用いることもできる。
ツマミ50は、他のコネクタとの接続の際に手指で摘まれる等して操作される部材である。また、ツマミ50は、他のコネクタと結合する結合部を有する。
他のコネクタと結合する結合部の例としては、ネジ(雄ネジや雌ネジ)のほか、係合爪を先端に有する係合アームや、他のコネクタの係合アームを受け入れる係合凹部、凹凸の嵌め込みによる嵌合部、部材を挟み込んで保持するクリップ、フックなども採用可能である。
リブ44の後端側には、上述したフェルール14の嵌合凹部36と嵌合可能な嵌合凸部45が形成されている。これら嵌合凹部36及び嵌合凸部45からなる嵌合部により、フェルール14とプラグフレーム40との間で中心軸周りの回転を防止される。
また、図5に示すように、後端部47の側面のうち、切欠き46と異なる位置には、後述するストッパ70の第1係合穴75に係合可能な係合突起49を有するラッチ部48が設けられている。本形態例においては、ラッチ部48は、後端部47の幅方向に対向する両側に、対を成して設けられている。
係合手段の一例である係合突起49は、ラッチ部48により、プラグフレーム40の外面に対して出入可能となるように弾性的に支持されている。各ラッチ部48は、係合突起49の両側で、プラグフレーム40の後端部47を貫通する一対の長穴部48a,48bにより、後端部47のなかでも局所的に弾性変形しやすいように形成されている。なお、係合突起49の周囲の弾性変形を容易にするための構造は、特に限定されるものではなく、片持ち梁状に形成されたアームに(通常はアームの先端に)係合突起を設けたラッチや、係合突起の周囲に薄肉部を設けた構造等を採用することも可能である。
移動規制部42よりも後方に位置するラッチ部48の係合突起49が、後端部47の外面からの突出高さを上下させることが可能であることにより、プラグフレーム40の後端面47aの側からツマミ50を受け入れて、ツマミ係合部52が係合突起49に当接したときに係合突起49の高さを低くして、係合突起49と移動規制部42との間に配置させることができる。
なお、本発明においては、ツマミ50の抜け止めとなる係合突起49が後部ハウジングと係合しない構成も可能であり、例えば、図2(b)において、係合突起49がツマミ50のツマミ係合部52とストッパ70の先端部との間の位置に突出していてもよい。
切欠き46は、図10及び図12に示すように、スライダ60の側面に設けられた突起部63と嵌合可能である。このスライダ60は、前端側の開口部61の周縁部から突出する案内突起62を有する。この案内突起62は、図2(a)及び図9に示すように、スライダ60の開口部61にフェルール14(詳しくはフェルールホールド33)を嵌合するとき、案内突起62がフェルール14の案内溝35に案内される。つまり、スライダ60にフェルール14を取り付けるとき、スライダ60の前端に設けられた案内突起62を目視で確認しながら、案内突起62をフェルール14の外周側に設けられた案内溝35に挿入することで、スライダ60に対しフェルール14の向きを合わせる作業が容易になる。また、案内突起62及び案内溝35は、それぞれキー及びキー溝として機能するので、スライダ60に対するフェルール14の向きが固定され、フェルール14の中心軸周りの回転が防止される。
スライダ60の側面がストッパ70内に隠されないのであれば、切欠き46及び突起部63の長さは短くても良い。
第2ユニット12のハウジングである後部ハウジングの内部には、フェルール14の後端側に延出する光ファイバ22の少なくとも一部が収容される。内蔵光ファイバ20のフェルール14の後端側に延出された部分の全部がコネクタハウジングに内蔵されてもよい。
スプリング15は、スライダ60内部のスプリング座69と、ストッパ70内部のスプリング座78との間に収容されている。すなわち、この光コネクタ10を他の光コネクタと接合して、フェルール14の接合端面31が後端側(図2の右側)に押圧されたとき、スプリング15は圧縮され、フェルール14はスライダ60と共に後端側に後退する。他の光コネクタとの接合が解除されると、スプリング15は復元力により、スライダ60のスプリング座69を押圧し、フェルール14はスライダ60と共に前端側に突出させる。
したがって、本形態例の光コネクタ10では、フェルール14がスライダ60に対して前後方向に移動可能でなく、フェルール14とスライダ60とが一体化されているが、スライダ60がフェルール14と共にスライド移動可能であることによって、接合端面31の前後移動が可能にされている。これにより、光コネクタ10の組立後には、スライダ60の案内突起62がフェルール14の案内溝35内で相対移動する必要がなくなり、案内突起62及び案内溝35の磨耗を抑制することができる。
図11に示すように、キー溝73は、前端側に幅の広い部分73aを有するので、ストッパ70の開口部71からスライダ60を挿入したとき、ストッパ70を容易にスライダ60の奥まで到達させることができる。また、キー溝73は、後端側に幅の狭い部分73bを有するので、この部分73bにおいてキー64をその幅方向両側からガタつきなく保持することができる。
スライダ60の前後移動は、スライダ60がキー溝73の奥の突き当たり面73c(図2(a)及び図11参照)に突き当たる位置が後端側の限界である。
図4に示す第1ユニット11は、プラグフレーム40の移動規制部42に座金55を装着し、さらにプラグフレーム40の後方からツマミ50を装着する際に、ラッチ部48が逃げることでツマミ係合部52がラッチ部48を通過させる。これにより、ツマミ係合部52が、プラグフレーム40の移動規制部42とラッチ部48との間に配置される。
ラッチ部48の係合突起49がツマミ50を係止することにより、ツマミ50の脱落が防止され、取扱い性が向上する。また、プラグフレーム40の周囲で、座金55を介したツマミ50の回転(回転角度が360°を超える回転)は自由に行うことができ、ツマミ50が内面に雌ネジを有する接続ナットであっても、その機能を損ねることがない。
本形態例の光コネクタ10の場合、第2ユニット12を組み立てる際に、スライダ60のラッチ部66の係合突起67をストッパ70の第2係合穴76に係合させることによって、スライダ60がストッパ70から分離(脱落)することを防止できる。
なお、図13に示すように、内蔵光ファイバ20の一端部21が予めフェルール14内に固定されている場合は、内蔵光ファイバ20の後端部22を外部光ファイバ23の先端部24と融着接続する前に、第2ユニット12を外部光ファイバ23の周囲に通しておくことが好ましい。これにより、外部光ファイバ23が他の光ファイバケーブル等から引き出した光ファイバ等でも、容易に作業が可能になる。外部光ファイバ23がピグテイルなど比較的長さの短い光ファイバである場合は、外部光ファイバ23の後端側から第2ユニット12を挿入することも可能である。
このとき、スライダ60の前端に設けられた案内突起62を目視で確認しながら、フェルール14のフランジ部34に設けられた案内溝35に挿入することで、スライダ60に対してフェルール14の向きを合わせる作業が容易になる。
本形態例の光コネクタ10の場合、プラグフレーム40のラッチ部48の係合突起49をストッパ70の第1係合穴75に係合させることによって、第1ユニット11のプラグフレーム40が第2ユニットから分離(脱落)することを防止できる。
本発明においては、フレームの後端側に取り付けられる第2ユニットのハウジング(後部ハウジング)がスライダを含むことは必須の事項ではなく、フェルールが後部ハウジングに対して前後移動可能となるように取り付けられていても良い。この場合は、スプリングは直接フェルールをその後端側から付勢するように設けることができる。
Claims (14)
- プラグフレームと、前記プラグフレームの接続側とは反対側である後方に設けられたストップリングと、前記プラグフレーム及び前記ストップリングのうちの少なくとも前記プラグフレーム内に設けられたフェルールと、前記プラグフレームの外側に装着され且つ接続時に他のコネクタと結合する筒状のツマミとを備え、
前記ツマミの内面にツマミ係合部を設け、
前記プラグフレームの外面に、前記プラグフレームの後方から装着した前記ツマミの前方への移動を規制する移動規制部とそれより後方に位置するラッチ部とを設け、
前記プラグフレームの後方から前記ツマミを装着する際に、前記ラッチ部が逃げることで前記ツマミ係合部が前記ラッチ部を通過し、且つ、前記ツマミを装着すると、前記ツマミ係合部が前記移動規制部と前記ラッチ部の間に係合され、
前記ラッチ部は、前記ツマミの装着後であっても逃げる方向に後退させることが可能であり、前記ラッチ部を後退させることで前記プラグフレームから前記ツマミを取り外すことが可能であることを特徴とする光コネクタ。 - 前記ラッチ部は、前記ストップリングに設けられた第1係合穴と係合することを特徴とする請求項1に記載の光コネクタ。
- 前記フェルールを前記ストップリングに対して前方に付勢する付勢手段と、前記付勢手段と前記フェルールの間に挿入されるスライド移動可能なスライダとを備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の光コネクタ。
- 前記プラグフレームの後端側にプラグフレーム長さ方向に沿う切欠きを設け、
前記スライダの外面には、前記プラグフレームの前記切欠きと嵌合可能な突起部を設けることを特徴とする請求項3に記載の光コネクタ。 - 前記フェルールの外周に案内溝を設け、前記スライダの前端に、前記案内溝によって案内される案内突起を設けることを特徴とする請求項3又は4に記載の光コネクタ。
- 前記フェルールには内蔵光ファイバが内挿固定され、前記内蔵光ファイバはその後端で外部光ファイバと融着接続され、前記スライダ内に前記内蔵光ファイバと前記外部光ファイバの融着接続部を収容することを特徴とする請求項3〜5のいずれか一項に記載の光コネクタ。
- 前記スライダの外周に、前記ストップリングに設けられた第2係合穴と係合する突起部を設けることを特徴とする請求項3〜6のいずれか一項に記載の光コネクタ。
- プラグフレームと、前記プラグフレームの接続側とは反対側である後方に設けられたストップリングと、前記プラグフレーム及び前記ストップリングのうちの少なくとも前記プラグフレーム内に設けられたフェルールと、前記プラグフレームの外側に装着され且つ接続時に他のコネクタと結合する筒状のツマミとを備える光コネクタの組立方法であって、
前記ツマミの内面にツマミ係合部を設け、
前記プラグフレームの外面に、前記プラグフレームの後方から装着した前記ツマミの前方への移動を規制する移動規制部とそれより後方に位置するラッチ部とを設け、
前記プラグフレームの後方から前記ツマミを装着する際に、前記ラッチ部が逃げることで前記ツマミ係合部が前記ラッチ部を通過し、且つ、前記ツマミを装着すると、前記ツマミ係合部が前記移動規制部と前記ラッチ部の間に係合され、
前記ラッチ部は、前記ツマミの装着後であっても逃げる方向に後退させることが可能であり、前記ラッチ部を後退させることで前記プラグフレームから前記ツマミを取り外すことが可能であることを特徴とする光コネクタの組立方法。 - 前記ラッチ部は、前記ストップリングに設けられた第1係合穴と係合することを特徴とする請求項8に記載の光コネクタの組立方法。
- 前記フェルールを前記ストップリングに対して前方に付勢する付勢手段と、前記付勢手段と前記フェルールの間に挿入されるスライド移動可能なスライダとを備えることを特徴とする請求項8又は9に記載の光コネクタの組立方法。
- 前記プラグフレームの後端側にプラグフレーム長さ方向に沿う切欠きを設け、前記スライダの外面には、前記プラグフレームの前記切欠きと嵌合可能な突起部を設け、前記プラグフレームを前記スライダに取り付ける際、前記切欠き部を前記突起部に嵌合させることを特徴とする請求項10に記載の光コネクタの組立方法。
- 前記フェルールの外周に案内溝を設け、前記スライダの前端に、前記案内溝によって案内される案内突起を設け、前記案内突起が前記案内溝によって案内されながら、前記フェルールを前記スライダに取り付けることを特徴とする請求項10又は11に記載の光コネクタの組立方法。
- 前記フェルールに内挿固定された内蔵光ファイバを、その後端で外部光ファイバと融着接続し、前記スライダ内に、前記内蔵光ファイバと前記外部光ファイバの融着接続部を収容することを特徴とする請求項10〜12のいずれか一項に記載の光コネクタの組立方法。
- 前記スライダの外周に、前記ストップリングに設けられた第2係合穴と係合する突起部を設け、前記スライダを前記ストップリングに取り付ける際、前記スライダの前記突起部を第2係合穴と係合させることを特徴とする請求項10〜13のいずれか一項に記載の光コネクタの組立方法。
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