JP4017774B2 - 光ファイバコネクタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、偏波保持型光ファイバの接続に適するように改良した、FC型光ファイバコネクタ(JIS C 5970で規定する、F01形単心光ファイバコネクタ)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
偏波保持型光ファイバの接続に、FC型光コネクタを、そのまま用いた例を、主として図3と図4(図3のIV−IV断面)について述べる。
通常、FC型光コネクタは、コネクタプラグ10とアダプタ50(又はレセプタクル)とからなる。
この構造は、周知であるが、後の説明の都合上、簡単に述べる。
【0003】
[コネクタプラグ10の構造]
12は光ファイバコードで、14はその心線、16は光ファイバである。
18は、フェルールの全体を示す。
これは、本体20と、その後部(前後は矢印21参照)に固定される(接着、かしめ等)金属製フェルールホールド22とからなる。
フェルールホールド22は、切欠き24を有する(図4)。
【0004】
26はフレームである。
これは、ほぼ円筒形の部品で、外面に位置決めキー30とフランジ32を有する。
また、内面に凸部28を有し(図4)、これを前記切欠き24に、填め合わせることにより、θ方向(矢印29参照)の回転を拘束されて、フェルール18の外方に固定される。
【0005】
34は接続ナットである。
これは、フレーム26の外方に、θ方向には回転自在に取り付けられる。また、前後方向にも移動できるが、後記のストッパ40と上記のフランジ32により、移動範囲が制限される。
また、内面にフランジ36を有し、これにより、フレーム26に外接する。
37はネジを示す。
38は座金である。
【0006】
以下の部品は、本は発明に直接関係がないので、単に名称を述べることに止める。
40はストッパ、
42はスプリング、
44はブッシュ、
17は抗張力体(ストッパ40上に接着固定される)、
46はホルダ、
48はフード。
【0007】
[コネクタプラグ10の組立]
周知のことであるが、これも後の説明の都合上、簡単に述べておく。
▲1▼フード48,ホルダ46,ブッシュ44,ストッパ40,スプリング42を、光ファイバコード12上に送り込む。
フェルール18の本体20に、口出しした光ファイバコード12の先端を挿入固定する。
▲2▼それから、フェルールホールド22を本体20に固定する。そのとき、切欠き24の中心線240(図4)と、光ファイバ16の偏波主軸164が一定の関係(例えば直角)になるように調整してから、固定する。
なお、160はコア、162は応力付与部を示す。
【0008】
▲3▼スプリング42,ストッパ40,ブッシュ44,ホルダ46,フード48を、組立てる。
【0009】
▲4▼接続ナット34,座金38,フレーム26を送り込む。
そして、フレーム26を、フェルール18上に、凸部28を、フェルールホールド22の切欠き24に合わせ填め込んだ状態で、取付け固定する。
▲5▼なお、フレーム26の位置決めキー30の中心線は、上記切欠き24の中心線240と一定関係にある(例えば一致する)ようにしておく(設計しておく)。
そうすると、位置決めキー30と偏波主軸164との、θ方向の位置関係が決まる。
【0010】
[アダプタ50の構造](図3)
52は弾性スリーブ、
53はスリーブホルダ、
54はハウジングで、上記接続ナット34とネジ対偶するネジ56を有する。
また、上記フレーム26の位置決めキー30と填り合うキー溝58を有する(図5)。左右のキー溝58の中心線59は、一致している。
【0011】
[接続]
コネクタプラグ10のフェルール18を、片方のアダプタ50の弾性スリーブ52に挿入する。
この際、位置決めキー30をキー溝58に、填め合わせる。
【0012】
また、反対側からも同様に、コネクタプラグ10を填め合わせる。
この状態で、左右の光ファイバ16の応力付与部162は、正確に対応する(偏波主軸164が一致する)。
接続ナット34を締めて、接続を完了する。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
FC型コネクタを、偏波保持型光ファイバの接続に用いる場合、接続損失よりも消光比の劣化が問題となる。
【0014】
そして、その原因が分かった。それを、次ぎに述べる。
FC型コネクタの場合は、上記のように、接続ナット34を、アダプタ50にねじ込む。
そのとき、座金38,フランジ32を介して、右回りの回転力がフレーム26に伝わる。
フレーム26は、その位置決めキー30が、アダプタ50のキー溝58に填め込まれて、θ方向の位置が決まっているはずである。
【0015】
しかし、厳密に言うと、キー溝58と位置決めキー30との間には、僅かな隙間が存在する。隙間が無ければ、位置決めキー30を挿入できないからである。
この隙間のために、フレーム26は、回転力が加わると、少しθ方向に回転する。すると、フェルール18(すなわち、光ファイバ16)も、少し回転する(図6)。
その結果、左右の光ファイバ16の偏波主軸164が、ずれる。
これが、消光比劣化の原因である。
【0016】
【課題を解決するための手段】
FC型光ファイバコネクタを偏波保持型ファイバに用いる場合でも、従来は、アダプタ50のキー溝58は、次のような位置、すなわち、
コネクタプラグ10のフェルール18を、アダプタ50の弾性スリーブ52に挿入するとき、
フェルール18内の光ファイバの応力付与部162と、接続相手の光ファイバの応力付与部162とを一致させるように、フレーム26の位置決めキー30を迎え入れる位置に、
設けられていた(以下、この位置を「従来位置」という)。
【0017】
言い換えれば、「従来位置」というのは、
キー溝58にキー30を合わせて、プラグ10をアダプタ50に挿入すれば、光ファイバの応力付与部162と、接続相手の光ファイバの応力付与部162とが一致する、という、そのような位置のことである。
したがって、従来位置にある左右のキー溝58の中心線59は、一致していた(図5)。
【0018】
請求項1の本発明は、図1に例示するように、
キー溝58の位置を、上記の従来位置から、
接続ナット34のねじ込み方向37と反対方向に、
接続ナット34を捻じ込んだときに生じるフレーム26の回転に基づく、光ファイバ16の偏波主軸164の食い違いが相殺される位置までシフトさせること、
を特徴とする。
【0019】
したがって、アダプタ50(左右にハウジング54がある)の場合は、請求項に2に記載のように、
キー溝58の位置が、右側のハウジング54と、左側のハウジング54とで、
接続ナット34を捻じ込んだときに生じるフレーム26の回転に基づく、光ファイバ16の偏波主軸164の食い違いに応じた角度だけ、
θ方向に食い違うことになる。
言い換えれば、
アダプタ50の中心軸及び左側のキー溝58の中心線59Lを通る仮想平面と、アダプタ50の中心軸及び右側のキー溝58の中心線59Rを通る仮想平面、との間に、接続ナット34を捻じ込んだときに生じるフレーム26の回転に基づく、光ファイバ16の偏波主軸164の食い違いに応じた角度(中心角)ができる。
【0020】
上記のようにしておくと、接続ナット34をねじ込んだときに生ずるフレーム26の回転に基づく、光ファイバ16の偏波主軸164の食い違いが、相殺され、消光比の劣化が最小限に抑えられる。
【0021】
【発明の実施の形態】
図1において、59は、キー溝58の従来位置の中心を通る線である。
キー溝58の位置を、その従来位置に対して、アダプタ50の左側では上方に、右側では下側に、それぞれシフトさせた。
【0022】
キー溝58のシフト角度(中心線59〜中心線59L(又は59R)の中心角、すなわち、アダプタ50の中心軸及び中心線59を通る仮想平面と、アダプタ50の中心軸及び中心線59L(又は59R)を通る仮想平面とのなす角度)を、 1°から10°まで、1°ずつ変えた、10種類のサンプルを作成し、消光比を測定した。
その結果を、図2に示す。
【0023】
シフト角度6°のとき、消光比は約37dBと、最も良くなり、コネクタ単体と同程度の値を示した。
なお、シフト角度6°は、左右の中心線59L〜中心線59Rの中心角で言えば、12°になる。
【0024】
なお、請求項1の本発明は、
コネクタプラグ10とレセプタクル(ハウジング54が片方だけ)とからなる光ファイバコネクタにも適用可能である。
また、片側が回転せずに押し込みだけで他側の光コネクタと接続する方式である場合、例えば周知のSC型光コネクタである場合にも適用できる。すなわち、片側がFC型光コネクタ対応、他側がSC型光コネクタ対応の、FC−SCアダプタを用いる光ファイバコネクタ、にも適用可能である。
【0025】
【発明の効果】
消光比の劣化最小限に止めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の説明図。
【図2】キー溝58のシフト角度と消光比の関係を示す図。
【図3】FC型光ファイバコネクタの一般的説明図。
【図4】図3におけるIV−IVの断面図。
【図5】従来の場合のコネクタプラグ10の位置決めキー30と、アダプタ50のキー溝58の関係を示す説明図。
【図6】左右の光ファイバにおいて偏波主軸164に食い違いができた状態の説明図。
【符号の説明】
10 コネクタプラグ
12 光ファイバコード
14 心線
16 光ファイバ
160 コア
162 応力付与部
164 偏波主軸
17 抗張力体
18 フェルール
20 本体
22 フェルールホールド
24 切欠き
240 中心線
26 フレーム
28 凸部
30 位置決めキー
32 フランジ
34 接続ナット
36 フランジ
37 ネジ
38 座金
40 ストッパ
42 スプリング
44 ブッシュ
46 ホルダ
48 フード
50 アダプタ
52 弾性スリーブ
53 スリーブホルダ
54 ハウジング
56 ネジ
58 キー溝
59 中心線
Claims (3)
- 偏波保持型光ファイバに取り付けてあるフェルール18の外側に、外面に位置決めキー30の設けてあるフレーム26が固定され、当該フレーム26の外方に、θ方向には回転自在に、前後方向には一定長さ以上の動きを制限された状態で、接続ナット34が取り付けてあるコネクタプラグ10と、
前記フェルール18が填り込む弾性スリーブ52の外方に、前記接続ナット34と対偶するネジ56、及び前記位置決めキー30の填り込むキー溝58を有するハウジング54が設けてあるアダプタ50又はレセプタクルとからなるFC型の光ファイバコネクタにおいて、
前記コネクタプラグ10のフェルール18を前記アダプタ50の弾性スリーブ52に挿入するとき、前記フェルール18内の光ファイバ16の応力付与部162と、接続相手の光ファイバの応力付与部162とを一致させるように、前記位置決めキー30を迎え入れるキー溝58の位置から、前記接続ナット34のねじ込み方向と反対方向に前記接続ナット34を捻じ込んだときに生じるフレーム26の回転に基づく光ファイバ16の偏波主軸164の食い違いが相殺される位置まで、前記キー溝58の位置をシフトさせることにより、消光比の劣化を最小限に抑えることを特徴とする光ファイバコネクタ。 - 偏波保持型光ファイバに取り付けてあるフェルール18の外側に、外面に位置決めキー30の設けてあるフレーム26が固定され、当該フレーム26の外方に、θ方向には回転自在に、前後方向には一定長さ以上の動きを制限された状態で、接続ナット34が取り付けてあるコネクタプラグ10と、
前記フェルール18がはまり込む弾性スリーブ52の外方に、前記接続ナット34と対偶するネジ56、及び前記位置決めキー30の填り込むキー溝58を有するハウジング54が設けてあるアダプタ50とからなるFC型の光ファイバコネクタにおいて、
前記キー溝58の位置が、前記アダプタ50の右側ハウジング54と左側ハウジング54とで、前記接続ナット34を捻じ込んだときに生じるフレーム26の回転に基づく光ファイバ16の偏波主軸164の食い違いに応じた角度だけθ方向に食い違っていることにより、消光比の劣化を最小限に抑えることを特徴とする光ファイバコネクタ。 - 前記アダプタ50は、片側が回転せずに押し込みだけで他側の光コネクタと接続する方式であることを特徴とする請求項1又は2に記載の光ファイバコネクタ。
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JP34790398A Expired - Lifetime JP4017774B2 (ja) | 1998-11-20 | 1998-11-20 | 光ファイバコネクタ |
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1998
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