JP5396117B2 - ボクサーパンツ型使い捨ておむつ - Google Patents

Description

本発明は、ボクサーパンツ型使い捨ておむつに関する。

従来より知られている使い捨ておむつのタイプは、テープ型とパンツ型との２種類に大別することができる。テープ型使い捨ておむつは、前身頃又は後身頃のサイドに設置されたテープによって前身頃と後身頃とを相互に連結することで、装着者の胴周りを被覆する胴周り部が形成される。そして、これと共に、ウエスト開口部と一対の脚周り開口部とが形成される構造となっている（例えば下記特許文献１）。

この一方、パンツ型使い捨ておむつは、前身頃及び後身頃のサイドが、ホットメルトなどによって予め相互に接合されており、テープ式使い捨ておむつのように組み立てることなくパンツの体を成す構造となっている（例えば下記特許文献２）。

パンツ型使い捨ておむつのタイプとしては、下記特許文献２に示されるような、脚の付け根に沿うように、股間下側から腰側脇部にかけてＶ字状に脚周り縁が形成されたブリーフ型や、下記特許文献３に示されるような、脚周りを被覆する脚周り筒部が脚周り縁から延出するボクサーパンツ型などがあった。
この中でも、ボクサーパンツ型の使い捨ておむつは、脚周り筒部が配置されていることによって、脚周り開口部から排泄物が漏れにくいという利点を有している他、近年見られる意匠の好みの多様化に伴って、需要が高まっている。

特開２００７−６１２３０号公報 特開２００５−５８３９６号公報 特開２００６−２３０９２０号公報

しかし、従来品では、脚周り筒部の長さが固定寸法であったため、装着者によっては、脚周り筒部が装着者の脚に対してフィットしないことがあった。このような問題を解決すべく、１つの胴周りのサイズに対して、脚周り筒部の長さが違うものを複数用意することも考え得るが、生産性が良くないため、好ましくない。
そこで、本発明の主たる課題は、脚周り筒部の長さを容易に変更可能であるボクサーパンツ型使い捨ておむつを提供することにある。

次に、上記課題を解決するための手段とそれらの作用効果を示す。
〔請求項１に係る発明〕
装着者の腹側を被覆する前身頃と、
装着者の背側を被覆する後身頃と、
脚周り開口部を有しており、股間位置の両側に設置されて装着者の脚周りを被覆する一対の脚周り筒部と、を備えており、
前身頃と後身頃とが、相互に両側部と股間位置とで連続して、ウエスト開口部を形成する、ボクサーパンツ型使い捨ておむつであって、
脚周り筒部は、その周方向に沿って形成されたミシン目によって、相互に切離し可能な複数の輪状部分に区画されており、
前記輪状部分の各々には、その周方向に沿って伸張した状態で脚周り弾性伸縮部材が固定されており、
ウエスト開口部側に位置する前記輪状部分の弾性変形時張力よりも、脚周り開口部側に位置する前記輪状部分の弾性変形時の張力の方が高い、
ことを特徴とするボクサーパンツ型使い捨ておむつ。

（作用効果）
本発明のボクサーパンツ型使い捨ておむつでは、脚周り筒部が、脚周り筒部の周方向に沿って形成されたミシン目によって、相互に切離し可能な複数の輪状部分に区画されている。このため、脚周り開口部側の輪状部分を適宜切り離すことによって、脚周り筒部の長さを容易に変更することができる。

一般的に、ボクサーパンツ型使い捨ておむつでは、脚周り開口部から排泄物が漏れてしまうことを防止するため、脚周り筒部が装着者の脚周りに対してフィットするように、脚周り筒部には、その周方向に沿って伸張した状態で脚周り弾性伸縮部材が固定される。しかし、このように構成されているボクサーパンツ型使い捨ておむつでは、装着者の脚周りを圧迫してしまうことがあった。本発明のボクサーパンツ型使い捨ておむつは、そのような問題を解決するものである。

本発明のボクサーパンツ型使い捨ておむつでは、輪状部分には、輪状部分の周方向に沿って伸張した状態で脚周り弾性伸縮部材が固定されている。これと共に各輪状部分は、ミシン目によって相互に切離し可能とされている。そのため、装着者の脚周りを圧迫してしまう場合は、輪状部分を切り離すことによって、脚周りを締め付ける部分を減らすことができる。その結果、脚周りの締め付けを弛めることができる。

また、各輪状部分に脚周り弾性伸縮部材が固定されていると、使用後のボクサーパンツ型使い捨ておむつを丸めて捨てる際に、切り離した輪状部分で丸めたボクサーパンツ型使い捨ておむつを締付けて広がらないようにすることもできる。

さらに、各輪状部分に脚周り弾性伸縮部材が固定されていると、脚周り筒部が緩い場合などに、切り離した輪状部分を脚周りに装着することで脚周りのフィット性を高めることもできる。

そして、本発明のボクサーパンツ型使い捨ておむつでは、ウエスト開口部側に位置する輪状部分の弾性変形時の張力よりも、脚周り開口部側に位置する輪状部分の弾性変形時の張力の方が高い。このため、本発明のボクサーパンツ型使い捨ておむつを装着する際に、脚周り開口部側に位置する輪状部分をミシン目で切り離して装着することで、脚周り筒部の締め付けを弱くすることができる。つまり、装着者は、脚周り筒部がきつければ、脚周り開口部側に位置する輪状部分を切り離すことで、脚周り筒部の締め付けを弱めることができる。

〔請求項２に係る発明〕
ウエスト開口部側のミシン目が、装着者の脚の付け根に沿う位置に形成されている、請求項１記載のボクサーパンツ型使い捨ておむつ。

（作用効果）
本請求項に係るボクサーパンツ型使い捨ておむつでは、ミシン目の少なくとも１つが、装着者の脚の付け根に沿う位置に形成されている。このため、装着者の脚の付け根に沿って形成されたミシン目に沿って輪状部分を切り離すことによって、形状をブリーフ型とすることができ、形状の選択肢が広がる。

〔請求項３に係る発明〕
輪状部分には、表裏に貫通する指通し部が設けられている、請求項１又は２記載のボクサーパンツ型使い捨ておむつ。

（作用効果）
本請求項に係るボクサーパンツ型使い捨ておむつでは、輪状部分に、表裏に貫通する指通し部が設けられている。このため、ミシン目で輪状部分を切り離す際に、この指通し部に指を通して引っ張ることで、輪状部分の切離しが容易に行えるようになっている。

〔請求項４に係る発明〕
輪状部分の外周面には、摘み部が突出して形成されている、請求項１〜請求項３のいずれか１項に記載のボクサーパンツ型使い捨ておむつ。

（作用効果）
本請求項に係るボクサーパンツ型使い捨ておむつでは、輪状部分の外周面には、摘み部が突出して形成されている。このため、ミシン目で輪状部分を切り離す際に、この摘み部を摘むことで、輪状部分の切離しが容易に行える。

以上のように、本発明によれば、脚周り筒部の長さを容易に変更可能であるボクサーパンツ型使い捨ておむつを提供することができる。

本発明に係るボクサーパンツ型使い捨ておむつの第１実施形態を示す平面図である。 図１のＸ−Ｘ矢視に対応する断面図である。 本発明に係るボクサーパンツ型使い捨ておむつの第２実施形態を示す平面図である。 本発明に係るボクサーパンツ型使い捨ておむつの第３実施形態を示す一部拡大平面図である。 本発明に係るボクサーパンツ型使い捨ておむつの第４実施形態を示す一部拡大平面図である。

次に、本発明の実施形態を、添付図面を参照しつつ説明する。なお、図中の矢印Ｈは水平方向を、矢印Ｕは上方向を、矢印Ｄは下方向をそれぞれ示しており、これらは本発明の実施形態を説明するにおいて便宜上定めたものに過ぎない。
〔第１実施形態〕
本発明の第１実施形態を、図１及び図２を参照しつつ説明する。
第１実施形態に係るパンツ型使い捨ておむつ１は、図１及び図２に示されるように、外装体１と、この外装体１内面に固定された内装体３とから主に構成されている。
そして、外装体１は、装着時において装着者の腹側を被覆する前身頃である前身頃シート１１と、装着時において装着者の背側を被覆する後身頃である後身頃シート１２とで構成されている。なお、前身頃シート１１及び後身頃シート１２の上下方向長さＬ１は、１５０〜５００ｍｍとされている。

図１に示すように、前身頃シート１１及び後身頃シート１２は、コ字状の形状を成しており、それぞれ股間位置１００で凹状に切り欠かれて凹欠部１５を有している。凹欠部１５の形状としては、アーチ状、三角状、台形状等、四角状など適宜の形状が採用でき、好適にはアーチ状、特に図示例のように放物線状が適する。

前身頃シート１１と後身頃シート１２とは、それぞれの両側部に位置する両側部接合部２１と、それぞれの凹欠部１５縁に位置する股間位置接合部２２とで相互に接合されている。前身頃シート１１と後身頃シート１２とがこのように接合されていることによって、外装体１０は、ウエスト開口部ＷＯを有する胴周り部１６と、脚周り開口部ＬＯを有する一対の脚周り筒部１７とを形成している。なお、ウエスト開口部ＷＯの周回り長さは、２００〜２０００ｍｍとされており、脚周り開口部ＬＯの周回り長さは１００〜１０００ｍｍとされている。また、凹欠部１５の最上部と脚周り開口部ＬＯとの上下方向の離間距離Ｌ２は、５０〜２００ｍｍとされている。

図２に示すように、前身頃シート１１及び後身頃シート１２は、両者ともに上層不織布１０Ａ及び下層不織布１０Ｂからなる不織布のシートから形成されている。不織布の種類は特に限定されず、素材繊維としては、たとえばポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維を用いることができ、加工法としてはスパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、エアスルー法、ニードルパンチ法等を用いることができる。ただし、肌触り及び強度を両立できる点でＳＭＳ不織布やＳＭＭＳ不織布等の積層不織布が好適である。不織布は一枚で使用する他、複数枚重ねて使用することもできる。後者の場合、不織布相互をホットメルト接着剤等により接着するのが好ましい。

外装体１０の表面には、不透液性のシートを積層しても良い。この不透液性のシートとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン等の少なくとも遮水性を有するシート材を用いることができる。また、この他に防水フィルムを介在して実質的に不透液性を確保した上で不織布シートなどを用いることができる。近年はムレ防止の観点から透湿性を有するものが好適に用いられる傾向にある。この遮水・透湿性シート材としては、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填剤を溶融混練してシートを成形した後、一軸または二軸方向に延伸することにより得られる微多孔性シートが好適に用いられる。

図１及び図２に示すように、外装体１０の内面側には、前身頃シート１１側から後身頃シート１２側に連続的に至るように内装体３が配置されている。この内装体３としては、透液性トップシート３１と、不透液性バックシート３２との間に吸収コア３３が配されたた既知の層構造のものを用いうる。

吸収コア３３の表面側（肌当接面側）を覆う透液性トップシート３１としては、有孔または無孔の不織布や多孔性プラスチックシートなどが好適に用いられる。不織布を構成する素材繊維は、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維とすることができ、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法等の適宜の加工法によって得られた不織布を用いることができる。これらの加工法の内、スパンレース法は柔軟性、ドレープ性に富む点で優れ、サーマルボンド法は嵩高でソフトである点で優れている。透液性表面シート３１に多数の透孔を形成した場合には、尿などが速やかに吸収されるようになり、ドライタッチ性に優れたものとなる。

前記吸収コア３３の裏面側（非肌当接面側）を覆う不透液性バックシート３２としては、ポリエチレンまたはポリプロピレンなどの不透液性プラスチックシートが用いられるが、近年はムレ防止の点から透湿性を有するものが好適に用いられる。この遮水・透湿性シートは、たとえばポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン樹脂中に無機充填材を溶融混練してシートを形成した後、一軸または二軸方向に延伸することにより得られる微多孔性シートであり、仮にシート厚が同じであれば無孔シートよりも剛性が低下するため、柔軟性の点で勝るものとなる。

吸収コア３３としては、積繊パルプ、不織布などの繊維内に吸収性ポリマーを散在させ、クレープ紙、不織布シート、孔開きシート等の透液性シートによって包皮したものが用いられる。ここで用いられる吸収性ポリマーとしては、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸およびその塩類、アクリル酸塩重合体架橋物、澱粉−アクリル酸グラフト共重合体、澱粉−アクリロニトリルグラフト共重合体の加水分解物、ポリオキシエチレン架橋物、カルボキシメチルセルロース架橋物、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリルアミド等の水膨欄性ポリマーを部分架橋したもの、あるいはイソブチレンとマレイン酸との共重合体等が好適に用いられる。製品の吸湿によるブロッキング性を抑制するためにブロッキング防止剤が添加されたものも用いることができる。また高吸収性ポリマーとしては、粉体状、粒子状、顆粒状、ペレット状、ゾル状、サスペンジョン状、ゲル状、フィルム状、不織布状等のさまざまな形態をもったものがあるが、これらはいずれも本発明において使用可能であり、特に粒子状のものが好適に使用される。

図１及び図２に示すように、前身頃シート１１及び後身頃シート１２のウエスト開口部ＷＯ近傍には、ウエスト部弾性伸縮部材２４、２４…が伸張状態で固定されている。また、前身頃シート１１及び後身頃シート１２には、ウエスト部弾性伸縮部材２４、２４…と上下方向に間隔を開けて胴回り弾性伸縮部材２５、２５…が、伸張状態で固定されている。ウエスト部弾性伸縮部材２４、２４…及び胴回り弾性伸縮部材２５、２５…は、両者ともに水平方向に沿って、且つ上層不織布１０Ａ及び下層不織布１０Ｂの間に配置されている。このようにウエスト部弾性伸縮部材２４、２４…及び胴回り弾性伸縮部材２５、２５…が設けられていることによって、胴周り部１６には、水平方向に対しての伸縮性が付与されている。

図１及び図２に示すように、脚周り筒部１７は、その周方向に沿って形成されたミシン目２７、２７…によって、複数の輪状部分１７Ａ、１７Ａ…に区画されている。これらの輪状部分１７Ａ、１７Ａ…は、ミシン目２７で相互に切離し可能となっている。ミシン目２７、２７…は、上下方向に沿って等間隔に配置されており、隣接する一対のミシン目２７、２７間の離間距離Ｌ３は、５〜５０ｍｍとされている。

各輪状部分１７Ａ、１７Ａ…には、その周方向に沿って、複数の脚周り弾性伸縮部材２７、２７…が伸張状態で固定されている。これらの脚周り弾性伸縮部材２６、２６…は、各輪状部分１７Ａ、１７Ａ…の中間に設置されている。そして、これらの脚周り弾性伸縮部材２６、２６…は、ウエスト部弾性伸縮部材２４、２４…及び胴回り弾性伸縮部材２５、２５…と同様に、上層不織布１０Ａ及び下層不織布１０Ｂの間に挟まれて配置されている。

一対の脚周り筒部１７における上下方向両側に位置する弾性伸縮部材２６、２６…は、一対のミシン目２７、２７に挟まれていない。また、ミシン目２７、２７…の内、一対の脚周り筒部１７の最下部に位置するものと、脚周り開口部ＬＯとの離間距離は、隣接する一対のミシン目２７、２７の相互の離間距離Ｌ３と等しくされている。なお、ミシン目２７、２７…は、すべて凹欠部１５の最上部よりも下側に配置されている。

これらの輪状部分１７Ａ、１７Ａ…は、弾性伸縮部材２６、２６…によって水平方向に対しての伸縮性が付与されている。これらの輪状部分１７Ａ、１７Ａ…の弾性変形時の張力は、ウエスト開口部ＷＯ側（上側）の輪状部分１７Ａよりも、脚周り開口部ＬＯ側（下側）の輪状部分１７Ａの方が高い。

なお、ここで言う輪状部分１７Ａ、１７Ａ…の弾性変形時の張力とは、輪状部分１７Ａ、１７Ａ…を所定の弾性変形範囲の伸び率で幅方向に引っ張ったときに計測される張力（引張応力）を意味し、同じ伸び率における張力の比較により、輪状部分の弾性変形時の張力の高低を求めることができる。例えば、輪状部分１７Ａの弾性変形時の張力は、輪状部分１７Ａにおける両側の接合部（両側部接合部２１、股間位置接合部２２）を引張試験機の両つかみ具でそれぞれつかみ、輪状部分１７Ａを幅方向（Ｈ方向）に５００ｍｍ／ｍｉｎ程度の速度で引っ張りつつ伸び及び荷重の変化を計測し、この計測結果に基づいて弾性変形範囲（通常の場合、伸び率が１０５％から降伏点−３０％までの間が好ましい）における引張応力を算出することにより求めることができる。

本実施形態に係るボクサーパンツ型使い捨ておむつ１で用いられるウエスト部弾性伸縮部材２４、２４…、胴回り弾性伸縮部材２５、２５…、及び脚周り弾性伸縮部材２６、２６…としては、糸ゴムが用いられる。糸ゴムとしては、合成ゴム又は天然ゴムからなるもの、天然ゴムを主成分とするものが適する。糸ゴム以外に、一般的によく知られたエラストマー樹脂を含む、糸状、紐状、帯状、網状、フォーム状等に成形（成型）された、ゴム弾性を有する材料を用いることができる。例えば、スチレン系ゴム、オレフィン系ゴム、ウレタン系ゴム、エステル系ゴム、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリスチレン、スチレンブタジエン、シリコン、ポリエステル等の素材を用いることができる。

脚周り弾性伸縮部材２６、２６…として用いられる糸ゴムが合成ゴムであれば、太さが３００〜１５００ｔｅｘのものを用い、伸張率が１５０〜４００％の状態で固定される。この一方、脚周り弾性伸縮部材２６、２６…として用いられる糸ゴムが天然ゴムであれば、太さが０．１〜５ｍｍのものを用い、伸張率が１５０〜４００％の状態で固定される。

ウエスト開口部ＷＯ側（上側）の輪状部分１７Ａの弾性変形時の張力よりも、脚周り開口部ＬＯ側（下側）の輪状部分１７Ａの弾性変形時の張力の方が高くなるよう構成する手段としては、次の３つの手段が挙げられる。
（第１の手段）・・・各輪状部分１７Ａ、１７Ａ…に配置される弾性伸縮部材２６、２６…である各糸ゴムの太さをすべて同じとし、この一方、固定時の伸張率を、脚周り開口部ＬＯ側のものからウエスト開口部ＷＯ側のものに向かうに従って低くなっていくよう構成する。
（第２の手段）・・・各輪状部分１７Ａ、１７Ａ…に配置される弾性伸縮部材２６、２６…である各糸ゴムの固定時の伸張率をすべて同じとし、この一方、太さを、脚周り開口部ＬＯ側のものからウエスト開口部ＷＯ側のものに向かうに従って低くなっていくよう構成する。
（第３の手段）・・・各輪状部分１７Ａ、１７Ａ…に配置される弾性伸縮部材２６、２６…である各糸ゴムの固定時の伸張率及び太さを、脚周り開口部ＬＯ側のものからウエスト開口部ＷＯ側のものに向かうに従って低くなっていくよう構成する。

また、これらのウエスト部弾性伸縮部材２４、２４…、胴回り弾性伸縮部材２５、２５…、及び脚周り弾性伸縮部材２６、２６…の固定方法は、既知の方法によって行うことができる。例えば、一方の不織布シート上にホットメルト接着剤などで弾性伸縮部材を固定しつつ、又は固定した後に、これに他方の不織布シートを積層していく方法や、不織布シートを積層する際にシート間に弾性伸縮部材を挟み込んでいく方法が採用できる。

次に、本実施形態に係るボクサーパンツ型使い捨ておむつ１の作用効果を説明する。
本実施形態に係るボクサーパンツ型使い捨ておむつ１では、一対の脚周り筒部１７が、脚周り筒部１７の周方向に沿って形成されたミシン目２７、２７…によって、相互に切離し可能な複数の輪状部分１７Ａ、１７Ａ…に区画されている。このため、脚周り開口部ＬＯ側（下側）の輪状部分１７Ａを適宜切り離すことによって、脚周り筒部１７の長さを容易に変更することができる。

本実施形態に係るボクサーパンツ型使い捨ておむつ１では、輪状部分１７Ａ、１７Ａ…には、輪状部分１７Ａ、１７Ａ…の周方向に沿って伸張した状態で脚周り弾性伸縮部材２６、２６…が固定されている。これと共に各輪状部分１７Ａ、１７Ａ…は、ミシン目２７、２７…によって相互に切離し可能とされている。そのため、装着者の脚周りを圧迫してしまう場合は、輪状部分１７Ａ、１７Ａ…を切り離すことによって、脚周りを締め付ける部分を減らすことができる。その結果、脚周りの締め付けを弛めることができる。

また、本実施形態に係るボクサーパンツ型使い捨ておむつ１では、輪状部分１７Ａ、１７Ａ…の弾性変形時の張力は、ウエスト開口部ＷＯ側（上側）の輪状部分１７Ａよりも、脚周り開口部ＬＯ側（下側）の輪状部分１７Ａの方が高い。このため、脚周り開口部ＬＯ側に位置する輪状部分１７Ａをミシン目２７で切り離して装着することで、脚周り筒部１７の締め付けを弱くすることができる。つまり、装着者は、脚周り筒部１７がきつければ、脚周り開口部ＬＯ側に位置する輪状部分１７Ａを切り離すことで、脚周り筒部１７の締め付けを弱めることができる。

また、輪状部分１７Ａ、１７Ａ…に脚周り弾性伸縮部材２６、２６…が固定されていると、使用後のボクサーパンツ型使い捨ておむつ１を丸めて捨てる際に、切り離した輪状部分１７Ａ、１７Ａ…で丸めたボクサーパンツ型使い捨ておむつ１を締付けて広がらないようにすることもできる。

さらに、輪状部分１７Ａ、１７Ａ…に脚周り弾性伸縮部材２６、２６…が固定されていると、脚周り筒部１７が緩い場合などに、切り離した輪状部分１７Ａを脚周りに装着することで脚周りのフィット性を高めることもできる。

〔第２実施形態〕
次に、本発明に係るボクサーパンツ型使い捨ておむつの第２実施形態を図３を参照しつつ説明する。
本実施形態に係るボクサーパンツ型使い捨ておむつ２は、脚周り弾性伸縮部材２６、２６…及びミシン目２７、２７…の配置が、第１実施形態に係るボクサーパンツ型使い捨ておむつ１と異なり、その他の点では同一の構成とされている。

本実施形態に係るボクサーパンツ型使い捨ておむつ２では、一対の脚周り筒部１７にそれぞれ設けられたミシン目２７、２７…の内、最もウエスト開口部ＷＯ側（上側）に位置するものが、装着者の脚の付け根に沿う位置に形成されている。またこれと共に、一対の脚周り筒部１７にそれぞれ設けられた脚周り弾性伸縮部材２６、２６…の内、最もウエスト開口部ＷＯ側（上側）に位置するものが、最もウエスト開口部ＷＯ側（上側）に設けられたミシン目２７、２７のすぐウエスト開口部ＷＯ側（上側）に配置されている。

このように構成されていることによって、最もウエスト開口部ＷＯ側（上側）に位置するミシン目２７、２７に沿って輪状部分１７Ａを切り離すことによって、形状をブリーフ型とすることができるようになる。

また、最もウエスト開口部ＷＯ側（上側）に位置する弾性伸縮部材２６及びミシン目２７以外の弾性伸縮部材２６、２６…及びミシン目２７、２７…は、下側から上側に向かって徐々に装着者の脚の付け根に沿う形で配置される。

〔第３実施形態〕
次に、本発明に係るボクサーパンツ型使い捨ておむつの第３実施形態を図４を参照しつつ説明する。
本実施形態に係るボクサーパンツ型使い捨ておむつ３は、各輪状部分１７Ａに指通し部５０、５０…が設けられている点で、第１実施形態に係るボクサーパンツ型使い捨ておむつ１と異なり、その他の点では同一の構成とされている。

図４に示されるように、指通し部５０、５０…は、ミシン目２７、２７…を跨ぐようにして配置されている。また、指通し部５０、５０…は、米印状を形取る複数の切り込みから構成されており、これらの切り込みの長さは、それぞれ１０〜２０ｍｍとされている。また、これらの切り込みのうちの少なくとも一つは、ミシン目２７と重複するように設けられている。このように構成されていることによって、ミシン目２７、２７…で輪状部分１７Ａ、１７Ａを切り離す際に、この指通し部５０に指を通して引っ張ることで、輪状部分１７Ａの切離しが容易に行えるようになっている。

指通し部５０、５０…は、必ずしもミシン目２７、２７…を跨ぐようにして配置されていなくとも良く、ミシン目２７、２７…の間に設けられていても良い。この場合、指通し部５０がミシン目２７と重複するように設けられている形態と比して、ミシン目２７、２７…の強度が低下してしまうことがない。

なお、指通し部５０、５０…は、切り込みの他、輪状部分１７Ａ、１７Ａ…を貫通する孔から形成されていても良い。この場合、指通し部５０が切り込みから形成されている形態と比べて、輪状部分１７Ａ、１７Ａ…の強度が低下してしまうというデメリットがあるが、その代わり、指を通しやすいというメリットが得られる。

〔第４実施形態〕
次に、本発明に係るボクサーパンツ型使い捨ておむつの第４実施形態を図５を参照しつつ説明する。
本実施形態に係るボクサーパンツ型使い捨ておむつ４は、各輪状部分１７Ａに摘み部６０、６０…が設けられている点で、第１実施形態に係るボクサーパンツ型使い捨ておむつ１と異なり、その他の点では同一の構成とされている。

摘み部６０、６０…は、各輪状部分１７Ａ、１７Ａ…の両側部接合部２１から突出して設けられている。これらの摘み部６０、６０…は、前身頃シート１１或いは後身頃シート１２と連続して設けられていても良いし、両側部接合部２１において前身頃シート１１と後身頃シート１２とに挟まれて設置されていても良い。このように構成されていることによって、ミシン目２７、２７…で輪状部分１７Ａ、１７Ａ…を切り離す際に、摘み部６０、６０…を摘むことで、輪状部分１７Ａ、１７Ａの切離しが容易に行える。

これらの摘み部６０、６０…の上下方向長さは、各輪状部分１７Ａ、１７Ａ…の上下方向長さの半分程度とされている。また、これらの摘み部６０、６０…は相互に離間するように配置されている。このように構成されていることによって、ある摘み部６０を摘む際に、隣接した摘み部６０を同時に摘んでしまうことを防止できる。

なお、これらの摘み部６０、６０…は、各輪状部分１７Ａ、１７Ａ…の両側部接合部２１以外の部分から突出して設けられていても良い。

〔その他の実施形態〕

上に示した第１〜第４実施形態では、脚周り弾性伸縮部材２６、２６…は、各輪状部分１７Ａに対して１本ずつ設けられているが、脚周り弾性伸縮部材２６、２６…は、各輪状部分１７Ａに対して複数本設けても良い。

ミシン目２７、２７…の位置が一目で判別できるように、輪状部分１７Ａ、１７Ａはそれぞれ異なる色で着色することもできる。また、着色の代わりに、サイズなどの表記を施すことも可能である。

上述した第１〜第４実施形態において、脚周り弾性伸縮部材２６、２６…は、各輪状部分１７Ａ、１７Ａ…における脚周り開口部ＬＯ側に設けられていても良い。このように構成されていると、切り離されずに残った輪状部分１７Ａの脚周り開口部ＬＯ側が、装着者の脚周りにフィットする。

本発明は、ボクサーパンツ型使い捨ておむつに対して利用可能である。

１・・・ボクサーパンツ型使い捨ておむつ
１１・・・前身頃シート（前身頃）
１２・・・後身頃シート（後身頃）
１７・・・脚周り筒部
１７Ａ・・・輪状部分
２６・・・脚周り弾性伸縮部材
２７・・・ミシン目
５０・・・指通し部
６０・・・突出部
ＬＯ・・・脚周り開口部
ＷＯ・・・ウエスト開口部

Claims (4)

1. 装着者の腹側を被覆する前身頃と、
   装着者の背側を被覆する後身頃と、
   脚周り開口部を有しており、股間位置の両側に設置されて装着者の脚周りを被覆する一対の脚周り筒部と、を備えており、
   前身頃と後身頃とが、相互に両側部と股間位置とで連続して、ウエスト開口部を形成する、ボクサーパンツ型使い捨ておむつであって、
   脚周り筒部は、その周方向に沿って形成されたミシン目によって、相互に切離し可能な複数の輪状部分に区画されており、
   前記輪状部分の各々には、その周方向に沿って伸張した状態で脚周り弾性伸縮部材が固定されており、
   ウエスト開口部側に位置する前記輪状部分の弾性変形時張力よりも、脚周り開口部側に位置する前記輪状部分の弾性変形時の張力の方が高い、
   ことを特徴とするボクサーパンツ型使い捨ておむつ。
2. ウエスト開口部側のミシン目が、装着者の脚の付け根に沿う位置に形成されている、請求項１記載のボクサーパンツ型使い捨ておむつ。
3. 輪状部分には、表裏に貫通する指通し部が設けられている、請求項１又は２記載のボクサーパンツ型使い捨ておむつ。
4. 輪状部分の外周面には、摘み部が突出して形成されている、請求項１〜請求項３のいずれか１項に記載のボクサーパンツ型使い捨ておむつ。

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