JP5396101B2 - 可変動弁機構の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ブラシレスモータによって駆動され、エンジンバルブの開特性を可変とする可変動弁機構の制御装置に関する。
特許文献1には、3相ブラシレスモータによってコントロールシャフトを軸方向に変位させることで、吸気バルブのバルブ特性(吸気バルブの最大リフト量及び吸気カムの作用角)を可変とする可変動弁機構が開示されている。
特開2007‐288948号公報
ブラシレスモータをアクチュエータとして用いる可変動弁機構においては、従来、ブラシレスモータの電気角を検出するセンサと、エンジンバルブ(吸気バルブ・排気バルブ)の開特性(バルブ特性)を検出するためのセンサとをそれぞれに備え、電気角の検出と開特性の検出とをそれぞれのセンサからの出力信号に基づいて個別に行っていた。
このため、可変動弁機構の制御系で用いるセンサ数が多いという問題があった。
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであり、可変動弁機構の制御系で用いるセンサ数を削減できるようにすることを目的とする。
そのため、本願発明では、ブラシレスモータの出力軸が単位機械角だけ回転する毎にパルス信号を発生する回転角センサを備え、前記ブラシレスモータによって回転駆動される制御軸の角度に応じてエンジンバルブの開特性を可変とする可変動弁機構に適用される制御装置であって、前記回転角センサのパルス信号に基づき前記ブラシレスモータの磁極位置を検出して前記ブラシレスモータの駆動パターンを切り替え、前記回転角センサのパルス信号に基づき前記制御軸の角度を検出して前記ブラシレスモータのトルクを制御することで前記制御軸の角度をエンジン運転状態に応じた角度にするようにした。
また、本願発明では、前記磁極位置及び前記制御軸の角度の情報がない場合、又は、セルフシャット期間において、前記制御軸の回転がストッパで規制される位置にまで前記制御軸を回転させ、前記磁極位置の検出値及び前記制御軸の角度の検出値を初期化するようにした。
また、本願発明では、3相ブラシレスモータの出力軸が単位機械角だけ回転する毎にパルス信号を発生する回転角センサと、前記3相ブラシレスモータの永久磁石回転子による磁界の変化を検出する1つの磁極位置センサとを備え、前記磁極位置センサの出力によって磁極位置が検出される電気角180deg毎に、前記回転角センサのパルス信号に基づく磁極位置の検出値をリセットするようにした。
また、本願発明では、3相ブラシレスモータの出力軸が単位機械角だけ回転する毎にパルス信号を発生する回転角センサを備えると共に、前記3相ブラシレスモータの永久磁石回転子による磁界の変化を検出する2つの磁極位置センサを電気角90degの位相差でパルス信号を発生するように設け、前記磁極位置センサの出力によって磁極位置が検出される電気角90deg毎に、前記回転角センサのパルス信号に基づく磁極位置の検出値をリセットするようにした。
上記発明によると、ブラシレスモータの出力軸が単位機械角だけ回転する毎にパルス信号を発生する回転角センサを用いて、ブラシレスモータの磁極位置及び可変動弁機構の制御軸の角度を検出するので、センサを削減できる。
本発明に係る制御装置が適用される車両用内燃機関(エンジン)を示す全体構成図である。 内燃機関に備えられる可変作動角・リフト機構を示す斜視図である。 前記可変作動角・リフト機構の部分拡大図である。 内燃機関に備えられる可変バルブタイミング機構を示す断面図である。 前記可変作動角・リフト機構及び可変バルブタイミング機構による吸気バルブの開特性(最大バルブリフト量VL、バルブ作動OA、中心位相SP)の変化を示すグラフである。 第1実施形態における回転角センサの出力特性、及び、回転角・磁極位置の検出処理の様子を示すタイムチャートである。 第1実施形態における可変作動角・リフト機構の駆動系を示すブロック図である。 前記内燃機関の制御システムの詳細を示すブロック図である。 前記可変作動角・リフト機構に用いられるブラシレスモータ及びモータ駆動回路を示す回路図である。 第1実施形態におけるモータ制御を示すフローチャートである。 第1実施形態におけるモータ回転角及び磁極位置の初期化処理を示すフローチャートである。 第1実施形態における通常制御不許可時処理(電源オフ時処理)を示すフローチャートである。 第2実施形態における可変作動角・リフト機構の駆動系を示すブロック図である。 第2実施形態における回転角センサ及び磁極位置センサの出力特性、及び、回転角・磁極位置の検出処理の様子を示すタイムチャートである。 第2実施形態における磁極位置の演算処理を示すフローチャートである。 第2実施形態におけるモータ回転角及び磁極位置の初期化処理を示すフローチャートである。 第2実施形態における学習処理を示すフローチャートである。 図17のフローチャートに従った学習処理を説明するためのタイムチャートである。 第3実施形態における可変作動角・リフト機構の駆動系を示すブロック図である。 第3実施形態における回転角センサ及び磁極位置センサの出力特性、及び、回転角・磁極位置の検出処理の様子を示すタイムチャートである。 第3実施形態におけるモータ制御を示すフローチャートである。 第3実施形態におけるモータ回転角の初期化処理を示すフローチャートである。
以下に本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明に係る制御装置が適用される車両用内燃機関のシステム構成を示す図である。
図1に示す内燃機関101は、例えば直列4気筒ガソリン機関である。
前記内燃機関101において、各気筒に空気を導入するための吸気管102には、内燃機関101の吸入空気流量QAを検出する吸入空気量センサ103が設けられている。
前記吸入空気量センサ103としては、例えば、熱線式流量計などが用いられる。
各気筒の燃焼室104の吸気口を開閉する吸気バルブ105が設けられ、該吸気バルブ105上流側の吸気管102には、気筒毎に燃料噴射弁106が配置される。
前記燃料噴射弁106には、前記燃料噴射弁106の開弁時間に比例する燃料が噴射されるように圧力が調整された燃料が供給される。
前記燃料噴射弁106から噴射された燃料は、吸気バルブ105を介して燃焼室104内に空気と共に吸引され、点火プラグ107による火花点火によって着火燃焼し、該燃焼による圧力がピストン108をクランク軸109に向けて押し下げることで、前記クランク軸109を回転駆動する。
尚、燃料噴射弁106から燃焼室104内に直接燃料を噴射する筒内直接噴射式内燃機関であっても良い。
また、前記燃焼室104の排気口を開閉する排気バルブ110が設けられ、該排気バルブ110が開くことで排ガスが排気管111に排出される。
前記排気管111には、三元触媒等の排気浄化触媒を備えた触媒コンバータ112が介装されており、排ガス中の有害成分は、前記触媒コンバータ112によって無害成分に転換され、排出される。
前記吸気バルブ105及び排気バルブ110は、クランク軸109を介して回転駆動されるカム軸の回転によって開動作する。
前記排気バルブ110は、一定の開特性(最大バルブリフト量・バルブ作動角・バルブタイミング)で開動作するが、前記吸気バルブ105の開特性(最大バルブリフト量・バルブ作動角・バルブタイミング)は、可変作動角・リフト機構113及び可変バルブタイミング機構114によって変更可能となっている。
前記可変作動角・リフト機構113は、吸気バルブ105のバルブ作動角(開弁期間の角度)を最大バルブリフト量と共に連続的に変化させる機構であり、前記可変バルブタイミング機構114は、クランク軸109に対する後述の吸気カム軸115の回転位相を変化させることで、吸気バルブ105のバルブ作動角の中心位相を進角・遅角変化させる機構である。
尚、最大バルブリフト量とは、吸気バルブ(エンジンバルブ)105の開弁期間中におけるバルブリフト量の最大値を示すものとする。
また、前記点火プラグ107それぞれには、点火プラグ107に対して点火エネルギを供給する点火モジュール116が直付けされている。
前記点火モジュール116は、点火コイルと該点火コイルへの通電を制御するパワートランジスタとを含んで構成される。
前記燃料噴射弁106,可変作動角・リフト機構113,可変バルブタイミング機構114及び点火モジュール116は、制御装置201から出力される操作信号によって動作する。
前記制御装置201は、マイクロコンピュータを含んで構成され、各種センサ・スイッチからの信号を入力し、予め記憶されたプログラムに従った演算処理を行うことで、前記燃料噴射弁106,可変作動角・リフト機構113,可変バルブタイミング機構114及び点火モジュール116それぞれの操作信号(操作量)を決定し出力する。
図2は、前記可変作動角・リフト機構113(可変動弁機構)の構造を示す斜視図である。
前記吸気バルブ105の上方に、前記クランク軸109によって回転駆動される吸気カム軸115が気筒列方向に沿って回転可能に支持されている。
前記吸気カム軸115には、吸気バルブ105のバルブリフタ105aに当接して吸気バルブ105を開駆動する揺動カム4が相対回転可能に外嵌されている。
前記吸気カム軸115と揺動カム4との間には、吸気バルブ105のバルブ作動角を最大バルブリフト量と共に連続的に変更するための可変作動角・リフト機構113が設けられている。
また、前記吸気カム軸115の一端部には、クランク軸109に対する前記吸気カム軸115の回転位相を変化させることにより、吸気バルブ105のバルブ作動角の中心位相を連続的に変更する可変バルブタイミング機構114が配設されている。
前記可変作動角・リフト機構113は、図2及び図3に示すように、吸気カム軸115に偏心して固定的に設けられる円形の駆動カム11と、この駆動カム11に相対回転可能に外嵌するリング状リンク12と、吸気カム軸115と略平行に気筒列方向へ延びる制御軸13と、この制御軸13に偏心して固定的に設けられた円形の制御カム14と、この制御カム14に相対回転可能に外嵌すると共に、一端がリング状リンク12の先端に連結されたロッカアーム15と、このロッカアーム15の他端と揺動カム4とに連結されたロッド状リンク16と、を有している。
前記制御軸13には、モータ17の回転駆動力が減速機構(ギア列)18を介して伝達される。
前記制御軸13には可動側ストッパ部13Aが一体的に設けられており、この可動側ストッパ部13Aが図外の固定側ストッパ部に突き当たることで、制御軸13の回転範囲が規制されるようになっている。
前記減速機構18は、モータ出力軸17Aの回転を制御軸13側に伝達するものの、制御軸13側からモータ出力軸17Aに向けての回転駆動力を伝達しない非可逆の特性のものである。
尚、モータ17として本実施形態では、3相のDCブラシレスモータを用いる。
上記の構成により、クランク軸109に連動して吸気カム軸115が回転すると、駆動カム11を介してリング状リンク12が略並進移動すると共に、ロッカアーム15が制御カム14の軸心周りに揺動し、ロッド状リンク16を介して揺動カム4が揺動して吸気バルブ105が開閉駆動される。
また、前記モータ17を駆動制御して制御軸13の角度を変化させることにより、ロッカアーム15の揺動中心となる制御カム14の軸心位置が変化して揺動カム4の姿勢が変化する。
これにより、図5の矢印301に示すように、吸気バルブ105のバルブ作動角の中心位相SPが略一定のままで、吸気バルブ105のバルブ作動角OAが最大バルブリフト量VLと共に連続的に変化する。
尚、バルブ作動角が最大バルブリフト量と共に連続的に変化すると同時に、バルブ作動角の中心位相が変化するように、前記可変作動角・リフト機構113を構成することも可能である。
図4は、前記可変バルブタイミング機構114の構造を示す。
前記可変バルブタイミング機構114は、クランク軸109によりタイミングチェーンを介して回転駆動されるカムスプロケット51(タイミングスプロケット)と、前記吸気カム軸115の端部に固定されてカムスプロケット51内に回転自在に収容された回転部材53と、該回転部材53をカムスプロケット51に対して相対的に回転させる油圧回路54と、カムスプロケット51と回転部材53との相対回転位置を初期位置で選択的にロックするロック機構60とを備えている。
前記カムスプロケット51は、外周にタイミングチェーン(又はタイミングベルト)が噛合する歯部を有する回転部(図示省略)と、該回転部の前方に配置されて前記回転部材53を回転自在に収容するハウジング56と、該ハウジング56の前後開口を閉塞するフロントカバー,リアカバー(図示省略)とから構成される。
前記ハウジング56は、前後両端が開口形成された円筒状を呈し、内周面には、横断面台形状を呈し、それぞれハウジング56の軸方向に沿って設けられる4つの隔壁部63が90°間隔で突設されている。
前記回転部材53は、吸気カムシャフト3の前端部に固定されており、円環状の基部77の外周面に90°間隔で4つのベーン78a,78b,78c,78dが設けられている。
前記第1〜第4ベーン78a〜78dは、それぞれ断面が略逆台形状を呈し、各隔壁部63間の凹部に配置され、前記凹部を回転方向の前後に隔成し、ベーン78a〜78dの両側と各隔壁部63の両側面との間に、進角側油圧室82と遅角側油圧室83を構成する。
前記ロック機構60は、ロックピン84が、回転部材53の初期位置において係合孔(図示省略)に係入するようになっている。
前記油圧回路54は、進角側油圧室82に対して油圧を給排する第1油圧通路91と、遅角側油圧室83に対して油圧を給排する第2油圧通路92との2系統の油圧通路を有し、この両油圧通路91,92には、供給通路93とドレン通路94a,94bとがそれぞれ通路切り換え用の電磁切換弁95を介して接続されている。
前記供給通路93には、オイルパン96内の油を圧送する機関駆動のオイルポンプ97が設けられている一方、ドレン通路94a,94bの下流端がオイルパン96に連通している。
前記第1油圧通路91は、回転部材53の基部77内に略放射状に形成されて各進角側油圧室82に連通する4本の分岐路91dに接続され、第2油圧通路92は、各遅角側油圧室83に開口する4つの油孔92dに接続される。
前記電磁切換弁95は、内部のスプール弁体が各油圧通路91,92と供給通路93及びドレン通路94a,94bとを相対的に切り換え制御するようになっている。
前記制御装置201は、前記電磁切換弁95を駆動する電磁アクチュエータ99に対する通電量を、ディザ信号が重畳されたデューティ制御信号(操作量)に基づいて制御する。
可変バルブタイミング機構114においては、電磁アクチュエータ99にデューティ比(オン時間割合)0%のオフ制御信号を出力すると、オイルポンプ47から圧送された作動油は、第2油圧通路92を通って遅角側油圧室83に供給されると共に、進角側油圧室82内の作動油が、第1油圧通路91を通って第1ドレン通路94aからオイルパン96内に排出されるようにしてある。
従って、電磁アクチュエータ99にデューティ比0%のオフ制御信号を出力すると、遅角側油圧室83の内圧が高くなる一方で、進角側油圧室82の内圧が低くなり、回転部材53は、ベーン78a〜78bを介して最大遅角側に回転し、この結果、吸気バルブ105の開期間(バルブ作動角の中心位相)がピストン位置に対して相対的に遅角変化する。
即ち、電磁アクチュエータ99への通電を遮断すると、吸気バルブ105のバルブ作動角の中心位相は遅角変化し、最終的には、最遅角位置で停止する。
また、電磁アクチュエータ99にデューティ比100%のオン制御信号を出力すると、作動油は、第1油圧通路91を通って進角側油圧室82内に供給されると共に、遅角側油圧室83内の作動油が第2油圧通路92及び第2ドレン通路94bを通ってオイルパン96に排出され、遅角側油圧室83が低圧になる。
このため、電磁アクチュエータ99にデューティ比100%のオン制御信号を出力すると、回転部材53は、ベーン78a〜78dを介して進角側へ最大に回転し、これによって、吸気バルブ105の開期間(バルブ作動角の中心位相)がピストン位置に対して相対的に進角変化する。
このように、前記可変バルブタイミング機構114は、図5の矢印302に示すように、吸気バルブ105のバルブ作動角OA及び最大バルブリフト量VLを変えずに、吸気バルブ105のバルブ作動角の中心位相SPを進・遅角変化させる機構であり、前記制御信号のデューティ比を変更することで、最遅角位置から最進角位置までの間の任意の位置にバルブ作動角の中心位相を変化させることができる。
尚、吸気バルブ105のバルブ作動角・最大バルブリフト量を連続的に可変とする可変作動角・リフト機構113、及び、吸気バルブ105のバルブ作動角の中心位相を連続的に可変とする可変バルブタイミング機構114は、上記の図2〜4に示したものに限定されない。
例えば、可変バルブタイミング機構114としては、上記のベーン式の他、歯車を用いてクランク軸109に対し前記吸気カム軸115を相対回転させる機構などを用いることができ、更に、油圧アクチュエータの他、モータや電磁ブレーキをアクチュエータとして用いる機構を採用できる。
また、可変作動角・リフト機構113として、モータ17によって制御軸を軸方向に変位させることで、吸気バルブ105のバルブ作動角・最大バルブリフト量を可変とする機構を用いることができる。
更に、前記可変作動角・リフト機構113及び/又は可変バルブタイミング機構114を、排気バルブ110に適用することも可能である。
ここで、前記モータ(ブラシレスモータ)17の出力軸(減速機構18の入力軸)の回転に同期するパルス信号を発生する、換言すれば、出力軸17が単位機械角だけ回転する毎にパルス信号を発生する2つの回転角センサ202A,202Bが、前記モータ(ブラシレスモータ)17のケーシング内に配設され、前記回転角センサ202A,202Bからのパルス信号は、前記制御装置201に入力される。
前記回転角センサ202A,202Bは、ロータリーエンコーダであり、例えば、磁気式や光学式のセンサが用いられる。
また、前記回転角センサ202A,202Bからそれぞれ出力されるパルス信号は、図6に示すように、相互に1/4周期だけずれて出力されるように設定され、例えば、回転角センサ202Aから出力されるパルス信号の立ち上がり時において、回転角センサ202Bの出力信号がハイレベルであるかローレベルであるかによって、モータ17の出力軸(モータ軸)の正転・逆転を判断できるようになっている。
図7は、モータ17の駆動系を簡略化して示すものであり、モータ17の出力軸17Aの回転は、非可逆の減速機構(ギア列)18を介して可変作動角・リフト機構113(制御軸13)に伝達される。
前記回転角センサ202A,202Bは、前記モータ17の出力軸17Aの回転に同期するパルス信号を発生し、該パルス信号は、制御装置201を構成するVELコントローラ213に入力される。
そして、前記VELコントローラ213は、機関運転条件(機関負荷・機関回転速度など)に基づいて演算される吸気バルブ105の目標作動角・目標最大リフト量(制御軸13の目標角度)と、前記回転角センサ202A,202Bからのパルス信号とに基づいて、実際のバルブ作動角・最大リフト量(実際の制御軸13の角度)を目標に近づけるように、モータ17の各相U,V,W(各コイル)への通電をフィードバック制御する。
尚、本実施形態では、回転角センサ202A,202Bをモータ17のケーシング内に配設したが、出力軸17Aのうちのケーシング外に延設される部分に、回転角センサ202A,202Bを配設することができる。
また、前記出力軸17Aの回転角(機械角)を検出するセンサとして、前記回転角センサ202A,202Bに代えて、例えば、回転方向によってパルス信号のハイレベル又はローレベルが変化することで、1つのパルス信号で回転方向の判別を行えるセンサを用いたり、出力軸17Aの回転に応じて出力が連続的に変化するセンサを用いたりすることができ、正転・逆転を検出できる公知の回転角(機械角)センサを適用できる。
前記制御装置201は、機関運転条件(機関負荷・機関回転速度など)に基づいて吸気バルブ105のバルブ作動角の中心位相の目標進角量を演算し、クランク角センサ203及びカムセンサ204の出力信号に基づいて検出される実際の進角量が前記目標進角量に近づくように、前記実際の進角量と目標進角量との偏差に基づいて、電磁アクチュエータ99に出力する制御信号のデューティ比(操作量)をフィードバック制御する。
前記クランク角センサ203は、クランク軸109に軸支したシグナルプレート203aの周縁に等間隔で形成された突起部203bを、ピックアップ203cで検出することで、単位クランク角毎のポジション信号POSを出力すると共に、前記シグナルプレート203aに180deg間隔で2箇所に形成した突起部203dをピックアップ203eで検出することで、各気筒の基準ピストン位置毎のリファレンス信号REFを出力する。
前記制御装置201では、クランク角センサ203の出力信号(ポジション信号POS又はリファレンス信号REF)に基づいて内燃機関101の回転速度NEを算出する。
一方、前記カムセンサ204は、前記リファレンス信号REFの発生間隔期間において、気筒番号を示す数のカム信号CAMを出力し、可変バルブタイミング機構114によってクランク軸109に対する吸気カム軸115の位相が変化すると、前記リファレンス信号REFの出力位置に対するカム信号CAMの出力位置が変化する。
従って、例えば、前記リファレンス信号REFが発生してからカム信号CAMが発生するまでの角度を計測することで、可変バルブタイミング機構114による中心位相の進角量(クランク軸109に対する吸気カム軸115の位相変化量)を検出することができる。
尚、前記カム信号CAMの発生位置は、可変バルブタイミング機構114によって吸気カム軸115の位相を変化させても、リファレンス信号REFの出力位置を超えて変化することがないように設定されている。
前記制御装置201には、上記吸入空気量センサ103,回転角センサ202A,202B,クランク角センサ203及びカムセンサ204の出力信号が入力される他、内燃機関101の運転・停止のメインスイッチであるイグニッションスイッチ(IGNスイッチ)205の信号、アクセルセンサ206からのアクセルペダル207の開度信号ACC、水温センサ208からの冷却水温度信号TW、空燃比センサ209からの空燃比信号AFなどが入力される。
前記空燃比センサ209は、排気管111に設けられ、内燃機関101の空燃比と密接な関係にある排気中の酸素濃度に感応して出力が変化するセンサ(酸素濃度センサ)である。
図8は、前記制御装置201の詳細構成を示す図であり、前記制御装置201は、内燃機関101の点火や燃料噴射を制御するECM214と、前記可変作動角・リフト機構113のモータ17を駆動する駆動回路(インバータ)212と、前記駆動回路212を制御するVELコントローラ213とを備えている。
前記ECM214には、前記水温センサ208やクランク角センサ203などの内燃機関101の運転状態を検出する各種センサ・スイッチからの信号が入力されると共に、アクセルセンサ206などの車両の運転状態を検出するセンサ・スイッチからの信号が入力され、これらの信号に基づいて、前記点火モジュール116や燃料噴射弁106に対して制御信号を出力する。
また、前記ECM214は、前記各種センサ・スイッチからの信号に基づいて、前記可変作動角・リフト機構113の制御軸13の目標角度(目標作動角・目標最大リフト量)を演算して、前記VELコントローラ213に出力する。
前記VELコントローラ213には、前述のように、前記回転角センサ202A,202Bからのパルス信号が入力されると共に、前記ECM214からの目標角度信号が入力され、実際の制御軸13の角度が前記目標角度に近づくように、モータ17の駆動回路212に含まれるスイッチング素子の制御信号を出力する。
図9は、前記駆動回路212及びモータ17の詳細を示す。
前記モータ17は、前述のようにブラシレスモータ(BLM)であり、U相、V相及びW相の3相巻線215U,215V,215Wが、図示省略した円筒状の固定子に設けられ、該固定子の中央部に形成された空間に永久磁石回転子216が配置される。
そして、駆動回路212は、例えばIGBTからなる6個のスイッチング素子217a〜217fを3相ブリッジ接続し、かつ、各スイッチング素子217a〜217fに逆並列にダイオード218a〜218fをそれぞれ接続して構成され、かつ、電源回路219を有している。
前記スイッチング素子217a〜217fの制御端子(ゲート端子)は、前記VELコントローラ213に接続されている。
以下では、前記回転角センサ202A,202Bの出力パルスに基づく出力軸17Aの角度検出、及び、前記モータ17の駆動制御を詳細に説明する。
図10のフローチャートは、VELコントローラ213によって実行される、可変作動角・リフト機構113(可変動弁機構)の制御、即ち、出力軸17Aの角度検出及びモータ17の駆動制御の流れ(第1実施形態)を示す。
図10のフローチャートに示すルーチンは、微小時間毎に割り込み実行されるようになっており、まず、ステップS1001では、可変作動角・リフト機構113の通常制御が許可されているか否かを判断する。
前記通常制御の許可条件には、例えば、可変作動角・リフト機構113や駆動回路212の異常が診断されていないこと、イグニッションスイッチ205のオン状態であることなどが含まれる。
前記制御許可条件が成立している場合には、ステップS1002へ進み、出力軸17Aの基準位置からの回転角(機械角)の情報(絶対モータ回転角)、及び、モータ17の磁極位置(電気角)の情報があるか否かを判断する。
換言すれば、回転角(機械角)及び磁極位置(電気角)の初期化が済んでいて、回転角(機械角)及び磁極位置(電気角)の検出が可能になっており、前回値として回転角検出値及び磁極位置のデータが記憶されているか否かを判断する。
前記初期化とは、後述するように、制御軸13の回転が制限される最小バルブ作動角側のストッパ位置での回転角を0deg(既定値)に設定し、かつ、前記ストッパ位置での磁極位置を初期値として記憶する処理である。
回転角及び磁極位置の情報がある場合には、ステップS1003(回転角検出手段)へ進み、モータ17の出力軸17Aの回転角θ(deg)を更新演算する。
具体的には、本ルーチンの前回実行時に求めた回転角θoldと、前回実行時からの角度変化量Δθとから、現時点での回転角θを下式に従って更新する。
Figure 0005396101
前記角度変化量Δθは、前記回転角センサ202A,202Bから出力されるパルス信号の立ち上がり及び立ち下がりを計数することで求められ、バルブ作動角・最大バルブリフト量の増大方向を正転方向、減少方向を逆転方向とし、正転方向の角度変化をプラスの値で示し、逆転方向の角度変化をマイナスで示すものとする。
更に、回転角θ(絶対モータ回転角:機械角)は、後述するように、最小バルブ作動角側のストッパ位置で0degに初期化されるので、出力軸17Aが、最小バルブ作動角側のストッパ位置からバルブ作動角を増大させる方向にどれだけ回転したかを示すことになる。
図6は、前記回転角センサ202A,202Bからのパルス信号の立ち上がり及び立ち下がりの計数による回転角θの検出を示すタイムチャートであり、回転角センサ202A,202Bからのパルス信号の立ち上がり又は立ち下がりを検出すると、回転角センサ202Aのパルス信号と回転角センサ202Bのパルス信号との位相差に相当する角度分だけ回転角θのデータを前回値から変化させることで、ストッパ位置(基準位置)からの出力軸17Aの回転角が検出される。
ステップS1003で、モータ17の出力軸17Aの回転角θ(基準位置からの角度変化)を演算すると、次のステップS1004では、前記回転角θを可変作動角・リフト機構113の制御量に変換する。
前記制御量として、前記制御軸13の角度を、前記出力軸17Aの回転角θ及び前記減速機構18の減速比に基づいて算出することができ、また、前記回転角θをバルブ作動角又はバルブリフト量に変換することができる。
ステップS1005では、可変作動角・リフト機構113の制御量の目標値を読み込み、ステップS1006では、前記ステップS1004で求めた制御量とステップS1005で読み込んだ目標値とからモータ17への指令トルクを演算する。
例えば、制御量を制御軸13の角度とする場合には、前記指令トルクは、数2に示すように、角度エラーに基づく比例・積分・微分処理によって算出される。
Figure 0005396101
尚、数2において、Pは比例ゲイン、Iは積分ゲイン、Dは微分ゲインであり、予め実機若しくはモデルを用いて適合された値を記憶しておいて用いる。
ステップS1007(磁極位置検出手段)では、モータ17における磁極位置の演算を行う。
前記磁極位置(deg)は、本ルーチンの前回実行時における磁極位置(電気角)と、前回実行時からの出力軸17Aの角度変化量Δθと、モータロータに取り付けられたマグネットのN極・S極の対数である極対数とから、数3に従って演算される。
Figure 0005396101
本実施形態では、図9に示したように前記極対数は1である。
前記磁極位置(deg)のデータは、図6に示したように360degに達する毎に0degにリセットされるようにしてある。
前記磁極位置の推定値は、磁極位置センサの1周期(電気角360deg)に相当し、前記磁極位置の推定値から電気角60deg毎に駆動パターンの切り替え信号を生成することができる。
上記のように、本実施形態では、磁極位置センサを用いずに、回転角センサ202A,202Bの信号から可変作動角・リフト機構113の制御量(制御軸13の角度)及び磁極位置を検出するので、ブラシレスモータ17をアクチュエータとする可変作動角・リフト機構113の制御系で用いるセンサ数を削減することができる。
3相ブラシレスモータにおいては、モータロータの周囲に磁極位置センサを120deg間隔で3つ配置し、これらの磁極位置センサから120degの位相差で出力されるパルス信号に基づいて60deg毎に駆動信号を切り換えて、各相U,V,Wへの通電を制御するが、上記実施形態では、前記磁極位置センサの信号を用いずに磁極位置を検出するので、3つの磁極位置センサを削減できたことになる。
そして、センサ数を削減することで、システムコストを低下させることができる。
また、ブラシレスモータ17の駆動パターンの切り替えタイミングを、誘起電圧等から判断する場合(センサレス制御を行わせる場合)には、ノイズの影響などによって適切な駆動信号を出力することができなくなる場合があるが、回転角センサ202A,202Bの信号を用いて磁極位置を推定させれば、ノイズ影響による制御性の低下を小さくできる。
ステップS1008(制御手段)では、指令トルク、磁極位置、ロータ角速度、3相電流の検出値に基づき3相電圧Vu、Vv、Vwを設定し、該3相電圧Vu、Vv、Vwを駆動回路212に出力する、モータ制御を実行する。
具体的には、3相電流の検出値を、そのときのロータ角度に基づいて2軸の回転座標系(d−q座標系)の電流Id,Iqに変換する一方、指令トルクをトルク定数Ktで除算して得られる目標電流と磁極位置と角速度と電流Id,Iqとから、d−q座標系におけるd軸電流指令値Idref及びq軸電流指令値Iqrefを算出する。
そして、指令電流Idref及びq軸電流指令値Iqrefと算出電流Iq,Idを比較してフィードバックし、指令電圧Vq,Vdを算出し、該指令電圧Vq,Vdを3相電圧Vu、Vv、Vwに変換する。
一方、前記ステップS1002で回転角及び磁極位置の情報がないと判断された場合には、ステップS1009へ進み、初期化処理を実行する。
前記初期化処理の詳細は、図11のフローチャートに示してある。
まず、ステップS1101では、公知であるブラシレスモータのセンサレス制御によって、吸気バルブ105のバルブ作動角(バルブリフト量)が小さくなる方向(換言すれば、内燃機関101の吸入空気量が低減する方向)に向けて制御軸13を回動させるべく、モータ17を回転駆動する。
制御軸13の回転は、バルブ作動角の最小側と最大側との双方においてストッパで規制されるようになっており、最小バルブ作動角側のストッパと、最大バルブ作動角側のストッパとのいずれかに突き当て、制御軸13の角度を機械的に決められる既定値にすることで、初期化処理を行えるが、最小バルブ作動角側のストッパに突き当てて初期化することで、運転者に意図に反した機関出力の増大を避けることができる。
即ち、制御軸13を最小バルブ作動角側のストッパに突き当てるようにすることは、吸気バルブ105のバルブ作動角及びバルブリフト量を可変範囲の最小値に制御することになり、バルブ作動角及びバルブリフト量を小さくすることで、内燃機関101の吸入空気量が減って機関出力が低下するから、初期化処理に伴って機関出力が増えてしまうことが避けられる。
前記センサレス制御としては、例えば、以下のような制御がある。
各相への通電を電気角180degの内の120degの区間のみ行わせる所謂120deg通電を行うと、通電しない残りの60degの区間において各相の誘起電圧が発生するので、この60degの区間の各相の端子電圧と基準電圧とを比較して、何れかの相でそれらがクロスする時点、即ち、ゼロクロス点を求め、検出したゼロクロス点の間隔を60degに相当する期間として、ゼロクロス点から30deg遅延した時点で、各相のステータ巻線への通電を切換える。
尚、前記センサレス制御において、ブラシレスモータの起動時には、強制的に巻線に通電して、回転磁界を発生させる強制転流を行う。
また、センサレス制御における相電流の切り替えを、電流検出値に基づいて行わせることもできる。
ステップS1102では、前記誘起電圧に基づく磁極位置(電気角)の推定が可能になっているか否か、換言すれば、前記ゼロクロス点の検出が可能な誘起電圧の発生状態であるか否かを判断する。
モータ17を起動した直後の低回転時には誘起電圧が小さく、ゼロクロス点の検出が行えないので、前記強制転流においては、誘起電圧が基準電圧を越える回転速度まで上昇するように、強制的にステータ巻線への通電を行うが、誘起電圧が基準電圧を越えるようになるまでは、磁極位置(電気角)の推定は行えないことになる。
ステップS1102で磁極位置(電気角)の推定が可能であると判断されると、ステップS1103に進んで、前記ゼロクロス点の検出に基づく磁極位置の推定を行ったのち、ステップS1104へ進む。
一方、ステップS1102で磁極位置(電気角)の推定が行えない状態であると判断されると、ステップS1103を迂回してステップS1104へ進む。
ステップS1104では、制御軸13の回転が、最小バルブ作動角側のストッパに突き当たって停止したか否か(ストッパ位置までの変位が完了したか否か)を判断する。
前記ステップS1104の判断は、回転角センサ202A,202Bからパルス信号が変化しなくなったか否かに基づいて行われ、具体的には、回転角センサ202A,202Bからパルス信号が変化しなくなったと判断した時点で、ストッパ位置での停止を判断する。
また、パルス信号が変化しなくなったか否かは、予め設定した時間内でのパルス信号の立ち上がり及び/又は立ち下りの数を計数し、計数結果が閾値(≧0)以下になったときに、パルス信号が変化しなくなった(ストッパ位置に停止した)と判断する。
ステップS1104において、制御軸13がストッパ位置に向けて回転している状態であると判断すると、そのまま本ルーチンを終了させる。
一方、ステップS1104において、制御軸13がストッパ位置で停止していると判断すると、ステップS1105へ進む。
ステップS1105では、ストッパによって回転が停止している状態での出力軸17Aの回転角検出値θを0degにリセットする、回転角検出値の初期化を行う。
これにより、ストッパによって回転が停止する位置、即ち、機械的に予め決められた角度位置からの角度変化として、出力軸17Aの回転角θが検出されるようにする。
尚、本実施形態ではストッパ位置で回転角θを0degにリセットし、ストッパ位置での回転角θを0degとするが、ストッパ位置での角度は、任意の数値を用いることができ、0degに限定されるものではない。
次のステップS1106では、現時点で誘起電圧等に基づく磁極位置の推定が行われていて、ストッパ位置での磁極位置の推定値があるか否かを判断し、推定値がある場合にはステップS1107へ進む。
ステップS1107では、現時点での磁極位置の推定値をストッパ位置(最小バルブ作動角)での磁極位置として設定し、このストッパ位置での磁極位置を基準にして、その後の磁極位置の変化を検出させるようにする。
また、ステップS1107では、現時点での磁極位置の推定値を、ストッパ位置での値として記憶(学習)する。
一方、ステップS1106で磁極位置の推定が行われていないと判断されると、ステップS1108へ進み、過去にストッパ位置での磁極位置の推定値を記憶したデータ(学習データ)がある否かを判断する。
そして、学習データがあれば、ステップS1109へ進み、その学習データを、ストッパ位置での磁極位置として設定し、前記学習データを基準にして、その後の磁極位置の変化を検出させるようにする。
また、ステップS1108で、学習データがないと判断された場合には、ステップS1110へ進み、ストッパ位置での磁極位置の設計値を、ストッパ位置での磁極位置として設定する。
従って、学習データがなく、しかも、ストッパ位置に向けた駆動制御において、磁極位置を推定することができなかった場合には、予めストッパ位置での磁極位置として記憶させておいた設計値を用い、該設計値を基準にして、その後の磁極位置の変化を検出させるようにする。
上記のように、ステップS1107,ステップS1109,ステップS1110のいずれかで、ストッパ位置での磁極位置を設定すると、ステップS1111へ進み、回転角及び磁極位置の情報があることを設定する。
従って、ステップS1111へ進んだ後は、ステップS1002で回転角及び磁極位置の情報があると判断されて、ステップS1003へ進むことになる。
また、ステップS1001で、制御許可条件が成立していないと判断された場合には、ステップS1010へ進み、通常制御不許可時の処理を実行する。
前記ステップS1010における処理の詳細は、図12のフローチャートに示してある。
図12のフローチャートにおいて、ステップS1201では、通常制御が許可されていた状態から不許可状態に切り換ったか否かを判断する。
不許可状態が継続している場合には、ステップS1202〜ステップS1207を迂回してそのまま本ルーチンを終了させ、許可状態から不許可状態に切り換った場合に、ステップS1202へ進む。
ステップS1202では、キーオフから制御装置201においてセルフシャットが行われるまでの期間(セルフシャット期間中)であるか否かを判断し、キーオフによって通常制御の不許可状態に切り換った直後のセルフシャット中のときには、ステップS1203へ進む。
一方、異常の診断などに基づいて通常制御の不許可状態に切り換った場合には、ステップS1203〜ステップS1207を迂回してそのまま本ルーチンを終了させる。
ステップS1203では、最小バルブ作動角側のストッパに突き当たるまで制御軸13を回転させるべく、モータ制御を行う。
前記モータ制御は、回転角及び回転角に基づき更新される磁極位置の検出結果に基づいてなされる。
次のステップS1204では、前記ステップS1104と同様に、回転角センサ202A,202Bからパルス信号に基づいて、制御軸13の回転が、最小バルブ作動角側のストッパに突き当たって停止したか否かを判断する。
ステップS1204で、ストッパ位置まで到達しておらず、ストッパ位置に向けて回転している途中であると判断された場合には、ステップS1206へ進む。
ステップS1206では、セルフシャットによって電源オフされるまでの時間が、制御軸13をストッパ位置まで回転させるのに充分な時間だけ残っているか否かを判断する。
前記ステップS1206の判断は、予め記憶された時間とセルフシャットまでの残り時間とを比較させても良いし、現時点の制御軸13(出力軸17A)の角度とストッパ位置までの角度偏差からストッパ位置に達するまでに要する時間を推定し、該推定時間とセルフシャットまでの残り時間とを比較させてもよい。
ステップS1206で、セルフシャットによって制御装置201の電源がオフされるまでの時間が不十分であると判断された場合、即ち、残り時間内でストッパ位置まで変位させることができないと推定された場合には、ステップS1207へ進む。
ステップS1207では、モータ17を停止させ、そのときの出力軸17Aの回転角θ、及び、磁極位置の検出結果を記憶し、次回のモータ制御(エンジン再始動時)における初期値(前回値)として用いるようにする。
一方、セルフシャットによって電源オフされるまでの時間が十分であると判断された場合、即ち、残り時間内でストッパ位置まで変位させることができると推定された場合には、ステップS1207を迂回して本ルーチンを終了させることで、ストッパ位置まで変位したと検出されるようになるまで、ステップS1204の判断を繰り返させるようにする。
そして、ステップS1204でストッパ位置まで変位したと判断されるようになると、ステップS1205へ進み、回転角θを0degに設定して記憶し、そのときの磁極位置を記憶する。
従って、セルフシャット中に制御軸13をストッパ位置まで回転させることができた場合には、該ストッパ位置からモータ制御(可変作動角・リフト機構113の制御)が開始されることになり、かつ、回転角θは0degを初期値(前回値)とし、磁極位置はストッパ位置での値を初期値(前回値)として、回転角θ及び磁極位置の更新演算がなされる。
尚、キースイッチのオフ後、ストッパ位置にまで制御軸13が変位するのを待って、換言すれば、初期値の学習終了を待って、制御装置201のセルフシャットを実行させることができる。
以上のように、上記実施形態によると、キーオフ毎にストッパ位置にまで駆動して、ストッパ位置に対応する回転角θ及び磁極位置のデータを記憶させるので、次回内燃機関101を運転させる場合に、前記記憶データを初期値として回転角θ及び磁極位置の更新演算を開始させることができ、通常制御を速やかに開始させることができる。
一方、前回のキーオフ時の回転角θ及び磁極位置の記憶データがない場合には、通常制御の開始に先立って、制御軸13をストッパ位置にまで回転させて、回転角θ及び磁極位置のデータの初期値を得る初期化を行い、その後、係る初期値を用いて回転角θ及び磁極位置の更新演算を開始させるから、初めての運転時や記憶データが失われてしまった場合にも、可変作動角・リフト機構113を目標に向けて制御することができる。
次に、第2実施形態を説明する。
前述の第1実施形態では、磁極位置センサを備えない構成としたが、第2実施形態では、第1実施形態の構成に対して1つの磁極位置センサ211を付加して構成される。
具体的には、図13に示すように、2つの回転角センサ202A,202Bと共に、磁極位置(電気角)を検出するための磁極位置センサ211を1つ設けてある。
前記磁極位置センサ211は、永久磁石回転子216による磁界の強弱でON・OFF動作を行うことで、磁石の位置検出を行うホールICで構成される。
ここで、前記2つの回転角センサ202A,202Bと磁極位置センサ211とを用いたモータ制御は、第1実施形態において説明した図10のフローチャートに従って行われるが、ステップS1007における磁極位置の演算処理の内容が異なる。
即ち、前記数3に従って現時点での磁極位置を演算する点は、第1実施形態と共通であるが、第2実施形態では、前記磁極位置(deg)のデータを電気角180deg毎にリセットする処理を、前記磁極位置センサ211の出力に基づいて行わせる点が異なる。
図14に示すように、第2実施形態では、前記数3に従って更新される磁極位置のデータを、磁極位置センサ211から出力されるパルス信号の立ち上がり・立ち下がりによって検出される磁極位置のデータにリセットさせるようにしてある。
従って、磁極位置センサを3つ備え、それぞれのセンサからのパルス信号の立ち上がり・立ち下がりに基づいて駆動信号の切り替えを行わせる場合に比べて、磁極位置センサの数を削減できる一方、第1実施形態のように磁極位置センサを備えない場合に比べて、磁極位置の検出精度を高めることができる。
即ち、第2実施形態では、回転角センサ202A,202Bに基づく磁極位置の更新演算で誤差が生じたとしても、電気角180deg毎に正しい値にリセットされることになり、磁極位置の検出精度が第1実施形態に比べて高くなる。
図15のフローチャートは、第2実施形態におけるステップS1007の処理を詳細に示すものである。
まず、ステップS2001では、本ルーチンの前回実行時から今回までの間に、前記磁極位置センサ211の出力の立ち上がり又は立ち下がりを検出したか否かを判断する。
そして、立ち上がり又は立ち下がりを検出していない場合には、ステップS2002へ進み、本ルーチンの前回実行時において演算した磁極位置のデータを読み込み、また、次のステップS2003では、前回からの回転角変化量を読み込み、ステップS2004では、前記数3に従って現時点の磁極位置を演算する。
一方、ステップS2001で前記磁極位置センサ211の出力の立ち上がり又は立ち下がりを検出したと判断されると、ステップS2005へ進み、磁極位置センサ211の出力の立ち上がり又は立ち下がりが発生した時点でのモータ17の回転方向を読み込む。
前記モータ17の回転方向は、2つの回転角センサ202A,202Bから相互に位相がずれて出力されるパルス信号の相関から判断される。
次のステップS2006では、磁極位置センサ211からの出力の立ち上がりを検出したか立ち下がりを検出したかの区別と、モータ17の回転方向とから、今回の立ち上がり又は立ち下がり時における磁極位置を求める。
即ち、モータ17の正転時に磁極位置センサ211からの出力が立ち上がる磁極位置において、逆転時には磁極位置センサ211からの出力が立ち下がることになるので、回転方向と立ち上がり・立ち下がりの区別から、電気角が0deg(360deg)と180degのいずれかであるかを判別する。
ステップS2007では、磁極位置センサ211の出力の立ち上がり又は立ち下がり時からモータ17が回転したか否かを判断する。
そして、立ち上がり又は立ち下がり時からモータ17が回転していない場合には、ステップS2008へ進み、ステップS2006で求めた磁極位置を現在の磁極位置に設定する。
また、立ち上がり又は立ち下がりからモータ17が回転している場合には、ステップS2009へ進み、ステップS2006で求めた磁極位置に、立ち上がり又は立ち下がり後のモータ回転角量を極対数で除算した値を加算し、該加算結果を現在の磁極位置に設定する。
上記のように、第2実施形態では、回転角センサ202A,202Bの出力(モータ回転角変化)に基づいて更新される磁極位置のデータを、磁極位置センサ211の出力の立ち上がり又は立ち下がりに基づいて求められる磁極位置のデータに基づいてリセットする。
従って、第2実施形態では、回転角センサ202A,202Bの出力(モータ回転角変化)に基づいて更新される磁極位置のデータが、電気角180deg毎に磁極位置センサ211の出力に基づいて正しい値に修正されることになる。
また、第2実施形態では、図10のフローチャートのステップS1009における初期化処理の内容が、図11のフローチャートに従って初期化処理を行う第1実施形態と異なる。
図16のフローチャートは、第2実施形態における初期化処理の詳細を示すものであり、ステップS2101では、磁極位置の検出データがあるか否かを判断する。
そして、磁極位置の検出データがある場合には、ステップS2103へ進み、前記図15のフローチャートに示した手順で磁極位置の演算を行わせ、次のステップS2104では、演算された磁極位置のデータに基づく駆動信号の切り替えによってモータ17を制御し、制御軸13(出力軸17A)を最小バルブ作動角側のストッパ位置に向けて回動させる。
一方、磁極位置の検出データがない場合には、ステップS2102へ進み、磁極位置センサ211の出力の立ち上がり又は立ち下がりを検出したか否かを判断する。
磁極位置センサ211の出力の立ち上がり又は立ち下がりを検出すると、該立ち上がり又は立ち下がりを基準に磁極位置の検出が可能になるので、ステップS2103へ進み、前記図15のフローチャートに示した手順で磁極位置の演算を行わせ、ステップS2104で、演算された磁極位置のデータに基づきモータ17を制御し、制御軸13(出力軸17A)を最小バルブ作動角側のストッパ位置に向けて回動させる。
また、磁極位置の検出データがなく、かつ、磁極位置センサ211の出力の立ち上がり又は立ち下がりを検出できていない場合には、ステップS2105へ進み、磁極位置を誘起電圧等によって推定して駆動信号の切り替えを行うセンサレス制御によってモータ17を制御することで、制御軸13を最小バルブ作動角側のストッパ位置に向けて回動させる。
ステップS2106では、制御軸13の回転が、最小バルブ作動角側のストッパに突き当たって停止したか否かを判断する。
前記ステップS2106の判断は、回転角センサ202A,202Bからパルス信号の出力の有無に基づいて行われる。
ステップS2106において、ストッパ位置に向けて制御軸13(出力軸17A)が回転している過渡状態であると判断すると、そのまま本ルーチンを終了させる。
一方、ステップS2106において制御軸13(出力軸17A)がストッパ位置で停止していると判断すると、ステップS2107へ進む。
ステップS2107では、ストッパによって回転が停止している状態での出力軸17Aの回転角θを0degにリセットする、回転角検出値の初期化を行う。
これにより、ストッパによって回転が停止する位置、即ち、機械的に予め決められた角度位置からの角度変化として、出力軸17Aの回転角θが検出されるようにする。
次のステップS2108では、現時点での磁極位置の検出値があるか否かを判断する。
ここで、ストッパ位置に向けたモータ制御を、磁極位置の検出値に基づいて行っていて、磁極位置の検出値がある場合には、ステップS2109へ進む。
ステップS2109では、現在の磁極位置の検出値をストッパ位置での値として記憶(学習)する。
一方、ストッパ位置に向けたモータ制御を、センサレス制御で行っていて、磁極位置の検出値がない場合には、ステップS2110へ進む。
ステップS2110では、過去にストッパ位置での磁極位置の検出値を記憶したデータ(学習データ)がある否かを判断する。
そして、学習データがあれば、ステップS2111へ進み、その学習データを、現在のストッパ位置での磁極位置として設定する。
また、ステップS2110で、学習データがないと判断された場合には、ステップS2112へ進み、ストッパ位置での磁極位置の設計値を、現在の磁極位置として設定する。
そして、ステップS2113では、回転角及び磁極位置の情報があることを設定する。
尚、上記第2実施形態では、図10のフローチャートのステップS1010における通常制御不許可時の処理は、第1実施形態と同様に、図12のフローチャートに従って行われる。
ところで、上記図16のフローチャートに示した処理では、ストッパ位置で回転角θを0degにリセットすると共に、ストッパ位置での磁極位置を学習させるようにしたが、ストッパ位置からモータ17をバルブ作動角が増大する方向に駆動したときに、磁極位置センサ211の出力が最初に切り替わったタイミングで、磁極位置及び回転角を学習させることができる。
図17のフローチャートは、上記の磁極位置センサ211の出力が、ストッパ位置から回転させ始めてから最初に切り替わったタイミングでの学習の様子を示す。
ステップS2201では、キースイッチのオン状態で、ストッパ位置からバルブ作動角の増大方向に制御軸13(出力軸17A)が回動されている状態であるか否かを判断する。
尚、図17のフローチャートに示すルーチンは、電源オフ時にストッパ位置に向けたモータ制御が行われることを前提として実行され、電源オフ時にストッパ位置にまで変位させることができた場合には、ストッパ位置で回転角θが0degにリセットされるものとする。
ステップS2201で、最小バルブ作動角側のストッパから離れる方向の動作を判断すると、ステップS2202へ進み、磁極位置センサ211の出力のハイ・ローが切り替わったか否か(立ち上がり又は立ち下がりを検出したか否か)を判断する。
そして、磁極位置センサ211の出力の切り替わりを検出すると、ステップS2203へ進み、今回検出した出力の切り替わりが、最小バルブ作動角側のストッパから離れる方向への動作において、最初の出力切り替わりであるか否かを判断する。
ここで、最初の出力切り替わりであると判断されると、ステップS2204へ進み、そのときの回転角θ及び磁極位置を学習値として記憶する。
尚、電源オフ時にストッパ位置まで変位させることができなかった場合には、電源オンに伴いストッパ位置へ変位させるモータ制御を行わせ、ストッパ位置に達した時点で回転角θを0degに設定するものとする。
また、電源オン後から最初の出力切り替わりが検出されるまでの磁極位置は、最初の出力切り替わりタイミングに対応する磁極位置の学習値(又は設計値)と、最初の出力切り替わりタイミングに対応する回転角の学習値(又は設計値)と、ストッパ位置からの回転角θとから、磁極位置=磁極位置の学習値−(回転角の学習値−回転角)/極対数として演算される。
図18は、図17のフローチャートに示した学習処理の様子を示すタイムチャートであり、制御軸13(出力軸17A)を、ストッパ位置(基準位置)からバルブ作動角の増大方向に回動させ、磁極位置センサ211の出力のハイ・ローが切り替わると(図18に示す例では、磁極位置センサ211の出力が立ち上がると)、その時点での回転角θ(ストッパ位置からの回転角)を学習すると共に、そのときの磁極位置を、ストッパ位置後最初の磁極位置として学習する。
次に、第3実施形態を説明する。
前述の第1実施形態では、磁極位置センサを備えない構成としたが、第2実施形態では、第1実施形態の構成に対して2つの磁極位置センサ211A,211Bを付加して構成される。
具体的には、図19に示すように、2つの回転角センサ202A,202Bと共に、磁極位置(電気角)を検出するための2つの磁極位置センサ211A,211Bを設けてある。
前記磁極位置センサ211A,211Bは、永久磁石回転子216による磁界の強弱でON・OFF動作を行うことで、磁石の位置検出を行うホールICで構成され、図20に示すように、電気角90degの位相差をもってパルス信号を発生するように構成されている。
ここで、前記2つの回転角センサ202A,202Bと2つの磁極位置センサ211A,211Bとを用いた、第3実施形態におけるモータ制御は、図21のフローチャートに従って行われる。
まず、ステップS3001では、前記ステップS1001と同様に、可変作動角・リフト機構113の通常制御が許可されているか否かを判断する。
前記制御許可条件が成立している場合には、ステップS3002へ進み、出力軸17Aの基準位置(ストッパ位置)からの回転角(機械角)の情報があるか否かを判断する。
回転角の情報(前回検出値)がある場合には、ステップS3003(回転角検出手段)へ進み、モータ17の出力軸17Aの回転角θ(deg)を演算する。
具体的には、本ルーチンの前回実行時に求めた回転角θoldと、前回実行時からの角度変化量Δθとから、現時点での回転角θを前記数1に従って更新する。
次のステップS3004では、前記ステップS1004と同様に、前記回転角θを可変作動角・リフト機構113の制御量に変換する。
ステップS3005では、可変作動角・リフト機構113の制御量の目標値を読み込み、ステップS3006では、前記ステップS3004で求めた制御量とステップS3005で読み込んだ目標値とから、モータ17への指令トルクを前記数2に従って演算する。
ステップS3007(磁極位置検出手段)では、モータ17における磁極位置の演算を行う。
前記ステップS3007における磁極位置の演算は、第2実施形態と同様に、図15のフローチャートに従って行われるが、2つの磁極センサ211A,211Bを備えることから、回転角センサ202A,202Bの出力に基づいて更新される磁極位置のデータを、より短い電気角90deg毎に修正することができ、磁極位置の検出精度をより向上させることができる。
また、第3実施形態では、第2実施形態よりも磁極位置センサ211の数が多くなるものの、磁極位置センサの立ち上がり・立ち下がりから駆動信号の切り替えを行う場合には3つの磁極位置センサが必要になるのに対して、2つの磁極位置センサで駆動信号の切り替えを行え、センサ数を削減できる。
ステップS3008(制御手段)では、指令トルク、磁極位置、ロータ角速度、3相電流の検出値に基づき3相電圧Vu、Vv、Vwを設定し、該3相電圧Vu、Vv、Vwを駆動回路212に出力する、モータ制御を実行する。
一方、前記ステップS3002で回転角の情報(前回検出値)がないと判断された場合には、ステップS3009へ進み、初期化処理を実行する
ステップS3009における初期化処理は、図22のフローチャートに従って行われる。
図22のフローチャートにおいて、ステップS3101では、磁極位置センサ211A,211Bの出力信号から判断される電気角90deg毎の磁極位置のデータ間を、回転角センサ202A,202Bの出力で補間して求められる詳細な(分解能が高い)磁極位置情報があるか否かを判断する。
ステップS3101で、詳細な磁極位置情報があれば、ステップS3103へ進み、詳細な磁極位置情報の更新演算を行わせ、次のステップS3104では、演算された詳細な磁極位置のデータに基づく駆動信号の切り替えによってモータ17を制御し、制御軸13を最小バルブ作動角側のストッパ位置に向けて回動させる。
一方、詳細な磁極位置情報がない場合には、ステップS3102へ進み、磁極位置センサ211A,211Bからの出力信号の立ち上がり又は立ち下がりを検出したか否かを判断する。
磁極位置センサ211A,211Bからの出力信号の立ち上がり又は立ち下がりを検出した場合には、ステップS3103へ進み、詳細な磁極位置情報の更新演算を行わせる。
また、磁極位置センサ211A,211Bからの出力信号の立ち上がり又は立ち下がりを検出しなかった場合には、ステップS3105へ進み、磁極位置センサ211A,211Bの出力のハイ・ローの組み合わせから判断される電気角90deg毎に切り替わる磁極位置情報に基づきモータ17を制御して、制御軸13を最小バルブ作動角側のストッパ位置に向けて回動させる。
ステップS3106では、制御軸13が最小バルブ作動角側のストッパ位置にまで変位し、制御軸13(出力軸17A)の回転が停止したか否かを、前記回転角センサ202A,202Bの出力に基づいて判断する。
そして、制御軸13が最小バルブ作動角側のストッパ位置に向けて変位している途中であって、制御軸13(出力軸17A)が回転している場合には、ステップS3107及びステップS3108を迂回して本ルーチンを終了させる。
また、制御軸13が最小バルブ作動角側のストッパ位置にまで変位し、制御軸13(出力軸17A)の回転が停止したと判断されると、ステップS3107へ進む。
ステップS3107では、出力軸17Aの回転角θを0degにリセットする、回転角検出値の初期化を行う。
次のステップS3108では、出力軸17Aの基準位置からの回転角θ(機械角)の情報があると設定することで、次回からステップS3002で回転角θの情報があると判断されてステップS3003へ進むことになる。
また、ステップS3001で可変作動角・リフト機構113の通常制御が許可されていないと判断されると、ステップS3010へ進み、不許可時処理を実行する。
ステップS3010の不許可時処理の詳細は、前記図12のフローチャートに示してあり、図12のフローチャートに示した不許可時処理は、第1〜第3実施形態に共通の処理である。
尚、上記実施形態では、極対数を1とする3相ブラシレスモータを用いたが、極対数や相(巻線)の数を限定するものではない。
また、ブラシレスモータをアクチュエータとして用いてエンジンバルブ(吸気バルブ及び/又は排気バルブ)の開特性(バルブ特性)を可変とする可変動弁機構に適用できるものであり、前記可変作動角・リフト機構113に限定されない。
13…制御軸、17…モータ、17A…出力軸、18…減速機構、101…内燃機関、105…吸気バルブ、113…可変作動角・リフト機構、114…可変バルブタイミング機構、201…制御装置、202A,202B…回転角センサ、211,211A,211B…磁極位置センサ、212…駆動回路、213…VELコントローラ

Claims (4)

  1. ブラシレスモータの出力軸が単位機械角だけ回転する毎にパルス信号を発生する回転角センサを備え、前記ブラシレスモータによって回転駆動される制御軸の角度に応じてエンジンバルブの開特性を可変とする可変動弁機構に適用される制御装置であって、
    前記回転角センサのパルス信号に基づき前記ブラシレスモータの磁極位置を検出して前記ブラシレスモータの駆動パターンを切り替え、前記回転角センサのパルス信号に基づき前記制御軸の角度を検出して前記ブラシレスモータのトルクを制御することで前記制御軸の角度をエンジン運転状態に応じた角度にする、可変動弁機構の制御装置。
  2. ブラシレスモータの出力軸が単位機械角だけ回転する毎にパルス信号を発生する回転角センサを備え、前記ブラシレスモータによって回転駆動される制御軸の角度に応じてエンジンバルブの開特性を可変とする可変動弁機構に適用される制御装置であって、
    前記回転角センサのパルス信号に基づき前記ブラシレスモータの磁極位置を検出して前記ブラシレスモータの駆動パターンを切り替え、前記回転角センサのパルス信号に基づき前記制御軸の角度を検出して前記ブラシレスモータのトルクを制御し、
    前記磁極位置及び前記制御軸の角度の情報がない場合、又は、セルフシャット期間において、前記制御軸の回転がストッパで規制される位置にまで前記制御軸を回転させ、前記磁極位置の検出値及び前記制御軸の角度の検出値を初期化する、可変動弁機構の制御装置。
  3. 3相ブラシレスモータによって回転駆動される制御軸の角度に応じてエンジンバルブの開特性を可変とする可変動弁機構に適用される制御装置であって、
    前記3相ブラシレスモータの出力軸が単位機械角だけ回転する毎にパルス信号を発生する回転角センサと、前記3相ブラシレスモータの永久磁石回転子による磁界の変化を検出する1つの磁極位置センサとを備え、
    前記回転角センサのパルス信号に基づき前記ブラシレスモータの磁極位置を検出して前記ブラシレスモータの駆動パターンを切り替え、前記回転角センサのパルス信号に基づき前記制御軸の角度を検出して前記ブラシレスモータのトルクを制御し、
    前記磁極位置センサの出力によって磁極位置が検出される電気角180deg毎に、前記回転角センサのパルス信号に基づく磁極位置の検出値をリセットする、可変動弁機構の制御装置。
  4. 3相ブラシレスモータによって回転駆動される制御軸の角度に応じてエンジンバルブの開特性を可変とする可変動弁機構に適用される制御装置であって、
    前記3相ブラシレスモータの出力軸が単位機械角だけ回転する毎にパルス信号を発生する回転角センサを備えると共に、前記3相ブラシレスモータの永久磁石回転子による磁界の変化を検出する2つの磁極位置センサを電気角90degの位相差でパルス信号を発生するように設け、
    前記回転角センサのパルス信号に基づき前記ブラシレスモータの磁極位置を検出して前記ブラシレスモータの駆動パターンを切り替え、前記回転角センサのパルス信号に基づき前記制御軸の角度を検出して前記ブラシレスモータのトルクを制御し、
    前記磁極位置センサの出力によって磁極位置が検出される電気角90deg毎に、前記回転角センサのパルス信号に基づく磁極位置の検出値をリセットする、可変動弁機構の制御装置。
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