JP2008115752A - 電動過給機の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電動過給機の回転電機の動作状態が広範囲で変化してもホールセンサを用いた回転位相検出誤差を抑制して、回転電機の出力を安定させる。
【解決手段】変換部500は、ホールセンサ205からのホールセンサ信号Huに基づき、ホールセンサ信号Huのレベル遷移時からの経過時間を位相角(電気角)θに変換する。補正値設定部520は、モータ回転数Ntに対する補正値ΔθH(Nt)の設定マップを参照して補正値ΔθHを設定する。通電開始位相設定部540は、設定された補正値ΔθHと、モータ回転数Ntに対する標準的な通電開始位相角θS0(Nt)とに従い、現在のモータ回転数Ntに対する通電開始位相角θSを設定する。通電信号生成部550は、設定された通電開始位相角θSと、ホールセンサ信号Huに基づいて求められる位相角θとに基づきU相の通電位相を制御するU相通電信号を生成する。
【選択図】図5

Description

この発明は、電動過給機の制御装置に関し、より特定的には、過給機を回転させるモータ(回転電機)のロータ回転位相の検出に関する。
エンジンの出力を向上させるために、エンジンに供給される空気をコンプレッサホイールの回転により圧縮して過給する過給機が知られている。特に、コンプレッサホイールに回転力を付与する回転電機(以下、「アシストモータ」あるいは「モータ」とも称する)を備えた電動過給機が公知である。
このような電動過給機では、エンジンの低回転数域等、コンプレッサにおいて圧縮される空気が所望の過給圧に到達しない場合に、モータを駆動することによってコンプレッサの過給圧を強制的に上昇させる制御が行なわれる。したがって、電動過給機では、所望の過給機動作特性を得るために、アシストモータを高精度に制御する必要が生じる。しかしながら、アシストモータは超高回転域まで(たとえば、10万rpmオーダ)使用されるため、アシストモータを高精度に駆動制御するためには、この広い回転数域においてロータの回転位置を高精度に検出することが必要となる。
なお、ロータやシャフト等の回転体の回転速度については、単位時間当たりの回転数(代表的には、毎分当たりの回転数:rpm)で表わすことが一般的であるため、以下本明細書では、回転体の回転速度の意味で「回転数」を用いるものとする。
この点について、たとえば特開平5−39727号公報(特許文献1)には、回転電機付きターボチャージャの駆動装置として、ポジションセンサの機械的な回転基準位置とアシストモータを構成する交流電動発電機の電気的な位相基準位置との位置合わせを自動的に行なえる装置が開示されている。具体的には、回転軸の機械的な回転基準位置を検知するポジションセンサと、交流電動発電機の電気的な位相基準位置を検知する位相検知手段と、ポジションセンサからの回転基準位置と位相検知手段からの位相基準位置との差異を演算する第1の演算手段と、ポジションセンサからの回転基準位置に第1の演算手段が演算した差異を加算して交流電動発電機の駆動交流電源の位相基準位置を演算する第2の演算手段とを有する駆動装置の構成が開示されている。
また、特開2005−304133号公報(特許文献2)には、一般的なモータのモータ駆動方法およびモータ駆動装置として、位置センサから出力された1相のセンサ信号により得られるセンサ位相情報と、逆起電圧検出回路から出力された当該相の逆起電圧より得られる逆起電圧位相情報とに基づいて補正位置信号を演算し、この補正位置信号に基づいて通電制御回路により通電位相を決定する構成が開示されている。この構成によれば、センサを用い位置検出するモータにおけるセンサ取付け位置のばらつきによる効率低下あるいはトルクリップルの増加を抑制し、駆動電流波形で急峻な変化を低減し、低振動性および低騒音性を向上させることができる。
特開平5−39727号公報 特開2005−304133号公報
電動過給機のアシストモータは超高回転数域まで使用されるので、回転位置検出センサとしてレゾルバやエンコーダの使用が困難であり、ホール素子を用いたホールセンサが適用されることが一般的である。ホールセンサは、ホール素子およびホール素子の出力を処理する電子回路とを統合したホールICとして提供されることが一般的である。
ホールICは、ホール素子によって検出される磁束密度がしきい値を超えて変化するのに応答して、出力信号を論理ハイレベル(以下、単に「Hレベル」)および論理ローレベル(以下、単に「Lレベル」)の間で遷移させることにより、ロータの所定基準位置がホールセンサの取付け個所(位相)を通過したことを検知するものである。しかしながら、ホールセンサからの信号は、ホール素子の出力をIC内部でクロックに同期して信号演算処理した結果出力されるので、ホール素子が実際に検出したタイミングと、ホールICの出力信号レベルが変化するタイミングとの間にはタイムラグ、すなわち誤差が生じる。そして、この誤差は基本的には一定時間となるため、モータの回転数が高くなり1回転に要する時間が短くなるのに従って、位相に換算した誤差(すなわち位相検出誤差)が大きくなる。このような位相検出誤差の特性は、ジッタ特性とも呼ばれる。また、ホールセンサによる位相検出誤差は、温度等の他のモータ動作状態にも依存して変化する。
したがって、ホールセンサを用いたモータ、特に、回転数に代表されるモータ動作状態が広範囲である電動過給機のアシストモータの制御では、上記ジッタ特性に代表されるモータ動作状態に依存した位相検出誤差の変化を考慮する必要がある。しかしながら、特許文献1および2は、モータ動作状態に依存して位相検出誤差が変化することについて何ら言及していない。
この発明は、このような問題点を解決するためになされたものであって、この発明の目的は、回転電機の動作状態が広範囲に変化してもホールセンサを用いた回転位相検出の誤差を抑制することにより、回転電機の出力を安定させるとともにその性能を十分に発揮させることが可能な電動過給機の制御装置を提供することである。
この発明による電動過給機の制御装置は、内燃機関の排気を利用して回転することによって内燃機関の吸気を圧縮するように構成された過給機と、過給機の回転軸と連結されたロータを有する回転電機とを備えた電動過給機の制御装置であって、位相取得手段と、補正値設定手段と、モータ制御手段とを備える。位相取得手段は、回転電機に取り付けられたホールセンサによって検出された回転位相を取得する。補正値設定手段は、回転電機の動作状態に応じて、回転位相の補正値を可変に設定する。モータ制御手段は、位相取得手段によって算出された回転位相に基づき、回転電機の動作を制御する。そして、モータ制御手段は、位相取得手段により取得された回転位相を、補正値設定手段により設定された補正値によって補正して回転電機の制御に用いるように構成される。
上記電動過給機の制御装置によれば、回転電機の動作状態に応じて可変に設定される補正値を用いてホールセンサによって検出された回転位相を補正してモータ制御を行なうことができる。したがって、モータ回転数やモータ温度といった回転電機の動作状態に応じてホールセンサの位相検出誤差が変化する特性(代表的にはジッタ特性)を反映した補正を行なって、広範囲の動作状態変化に対応して回転位相の検出誤差を抑制することができる。この結果、電動過給機のアシストモータである回転電機の回転位相を正確に把握して制御することにより、回転電機の出力を安定させるとともにその性能を十分に発揮させることが可能となる。
好ましくは、電動過給機の制御装置は、回転電機の回転数を取得する回転数取得手段をさらに備える。そして、補正値設定手段は、回転数取得手段により取得された回転数に応じて、補正値を可変に設定する。
このような構成とすることにより、ホールICで構成されたホールセンサの位相検出誤差がモータ回転数に応じて変化する誤差特性(ジッタ特性)を反映して、回転位相の補正を行なうことが可能となる。この結果、超高回転数域(たとえば10万prmオーダ)まで使用される電動過給機のアシストモータについても、各回転数域で回転位相の補正を行なって回転電機を適切に制御することができる。
また好ましくは、電動過給機の制御装置は、回転電機の温度を取得する温度取得手段を備える。そして、補正値設定手段は、温度取得手段により取得された温度に応じて、補正値を可変に設定する。
このような構成とすることにより、ホールICで構成されたホールセンサの位相検出誤差がモータ温度に応じて変化する誤差特性(温度特性)を反映して、回転位相の補正を行なうことが可能となる。この結果、内燃機関からの排気により高温域まで使用される電動過給機のアシストモータについても、各温度域で回転位相の補正を行なって回転電機を適切に制御することができる。
あるいは好ましくは、電動過給機の制御装置は、回転電機の回転数を取得する回転数取得手段と、回転電機の温度を取得する温度取得手段とを備える。そして、補正値設定手段は、回転数取得手段により取得された回転数および温度取得手段により取得された温度の両方に応じて、補正値を可変に設定する。
このような構成とすることにより、ホールICで構成されたホールセンサの位相検出誤差について、モータ回転数に応じて変化する誤差特性(ジッタ特性)およびモータ温度に応じて変化する誤差特性(温度特性)の両者を反映して、回転位相の補正を行なうことが可能となる。この結果、使用される回転数領域および温度領域が広い電動過給機のアシストモータについても、回転電機の動作状態に応じて回転位相の補正を行なって適切に制御することができる。
また、さらに好ましくは、回転電機は、三相ブラシレスDCモータであり、電動過給機の制御装置は、三相ブラシレスDCモータの各相に対して通電制御を行なうためのスイッチング素子を有する駆動ユニットをさらに備える。さらに、モータ制御手段は、通電開始位相設定手段と、通電位相制御手段とを含む。通電開始位相設定手段は、三相ブラシレスDCモータの回転数に応じて、かつ、該回転数での補正値設定手段により設定された補正値を反映して、三相ブラシレスDCモータの各相での通電開始位相を設定する。通電位相制御手段は、通電開始位相設定手段により設定された通電開始位相と、位相取得手段によって取得された回転位相に基づき、駆動ユニットのスイッチング素子のオン・オフ位相を制御する。
このような構成とすることにより、三相ブラシレスDCモータで構成された電動過給機のアシストモータについて、ホールセンサによる位相検出誤差のジッタ特性の影響を排除して、各相での通電開始位相を高精度に制御することが可能となる。これにより、アシストモータを高効率かつ安定に作動させることが可能となる。
特にこのような構成では、電動過給機の制御装置は、誤差測定手段と、補正値算出手段とをさらに備える。誤差測定手段は、三相ブラシレスDCモータの非通電状態時に複数の回転数領域において、ホールセンサによって検出された回転位相と、三相ブラシレスDCモータのステータ巻線に誘起される逆起電圧の位相との比較により、ホールセンサの検出誤差を実測する。補正値算出手段は、各回転数領域において、誤差測定手段により測定された検出誤差と、予め定められた標準的特性に従う該回転数領域における検出誤差との差分を補正値として求める。さらに、通電開始位相設定手段は、標準的特性に従って予め設定された回転数に対する通電開始位相の特性を、各回転数領域において補正値によって修正するとともに、修正された特性に従って、三相ブラシレスDCモータの回転数に応じて通電開始位相を設定する。
このような構成とすることにより、非通電状態における三相ブラシレスDCモータの逆起電圧との比較によって各回転数領域で実測したホールセンサの位相検出誤差に基づき、補正値を適切に設定できる。さらに、位相検出誤差の回転数依存性について予め標準的特性を設定しておき、かつ、この標準的特性に従って回転数に対する通電開始位相の特性を予め定めた上で、実測した補正値によってこの特性を修正することによって、実動作時における通電開始位相を設定することができる。このような方式とすることにより、位相検出誤差の実測結果を反映した調整作業をより容易に行なうことが可能となる。
また、さらに好ましくは、回転電機は、三相ブラシレスDCモータであり、電動過給機の制御装置は、三相ブラシレスDCモータの各相に対して通電制御を行なうためのスイッチング素子を有する駆動ユニットをさらに備える。さらに、モータ制御手段は、通電開始位相設定手段と、通電位相制御手段とを含む。通電開始位相設定手段は、三相ブラシレスDCモータの温度に応じて、かつ、該温度での補正値設定手段により設定された補正値を反映して、三相ブラシレスDCモータの各相での通電開始位相を設定する。通電位相制御手段は、通電開始位相設定手段により設定された通電開始位相と、位相取得手段によって取得された回転位相に基づき、駆動ユニットのスイッチング素子のオン・オフ位相を制御する。
このような構成とすることにより、三相ブラシレスDCモータで構成された電動過給機のアシストモータについて、ホールセンサによる位相検出誤差の温度特性の影響を排除して、各相での通電開始位相を高精度に制御することが可能となる。これにより、アシストモータを高効率かつ安定に運転させることが可能となる。
特にこのような構成では、電動過給機の制御装置は、誤差測定手段と、補正値算出手段とをさらに備える。誤差測定手段は、三相ブラシレスDCモータの非通電状態時に複数の温度領域において、ホールセンサによって検出された回転位相と、回転電機のステータ巻線に誘起される逆起電圧の位相との比較により、ホールセンサの検出誤差を実測する。補正値算出手段は、各温度領域において、誤差測定手段により測定された検出誤差と、予め定められた標準的特性に従う該温度領域における検出誤差との差分を補正値として求める。さらに、通電開始位相設定手段は、標準的特性に従って予め設定された温度に対する通電開始位相の特性を、各温度領域において補正値によって修正するとともに、修正された特性に従って、三相ブラシレスDCモータの温度に応じて通電開始位相を設定する。
このような構成とすることにより、非通電状態における三相ブラシレスDCモータの逆起電圧との比較によって各温度領域で実測したホールセンサの位相検出誤差に基づき、補正値を適切に設定できる。さらに、位相検出誤差の温度依存性について予め標準的特性を設定しておき、かつ、この標準的特性に従って温度に対する通電開始位相の特性を予め定めた上で、実測した補正値によってこの特性を修正することによって、実動作時における通電開始位相を設定することができる。このような方式とすることにより、位相検出誤差の実測結果を反映した調整作業をより容易に行なうことが可能となる。
好ましくは、回転電機は、三相ブラシレスDCモータであり、ホールセンサは、三相ブラシレスDCモータの各相に対応して設けられる。
このような構成とすることにより、三相ブラシレスDCモータの各相個別にホールセンサを設け、かつ、ホールセンサの個体差を反映して位相検出誤差を補正できるので、回転電機の回転位相をさらに正確に把握して、アシストモータの出力を安定させるとともにその性能を十分に発揮させることが可能となる。
好ましくは、電動過給機の制御装置は、回転数取得手段と、誤差測定手段と、判定手段と、異常検出手段とをさらに備える。回転数取得手段は、回転電機の回転数を取得する。回転数取得手段は、回転電機の回転数を取得する。誤差測定手段は、内燃機関の始動後における回転電機の非通電状態時に、回転電機の所定回転数領域において、ホールセンサによって検出された回転位相と、回転電機のステータ巻線に発生する逆起電圧の位相との比較により、ホールセンサの検出誤差を実測する。判定手段は、誤差測定手段によって測定された検出誤差が予め定められた正常範囲内であるかどうかを判定する。異常検出手段は、判定手段によって検出誤差が正常範囲を外れていると判定されたときに、該ホールセンサの特性異常を検出する。
このような構成とすることにより、非通電状態における三相ブラシレスDCモータの逆起電圧との比較により、内燃機関の始動毎に所定回転数領域でのホールセンサの位相検出誤差を測定することができるとともに、測定された位相検出誤差が想定される正常範囲を超えて大きい場合には、ホールセンサの特性異常を検出することが可能となる。この結果、ホールセンサについて、短絡あるいは断線等の故障のみでなく、位相検出誤差についても経年的な異常発生を検知することが可能となる。
さらに好ましくは、回転電機は、三相ブラシレスDCモータであり、かつ、ホールセンサは、三相ブラシレスDCモータの各相に対応して設けられる。さらに、電動過給機の制御装置は、異常検出手段によってホールセンサの特性異常が検出されたときに、該ホールセンサに対応する相の回転位相を、特性異常が非検出である残りの少なくとも1個のホールセンサによって検出された回転位相に基づいて算出する位相算出手段をさらに備える。そして、モータ制御手段は、内燃機関の運転中において、特性異常が検出されたホールセンサに対応する相について、位相算出手段によって算出された回転位相を回転電機の制御に用いる。
このような構成とすることにより、三相ブラシレスDCモータの各相に設けられたホールセンサについて、いずれかの相で特性異常が発生した場合にも、残りの少なくとも1相のホールセンサに特性異常が発生していないときには、回転電機のアシストモータの運転を継続することが可能となる。
また、さらに好ましくは、回転電機は、三相ブラシレスDCモータであり、かつ、ホールセンサは、三相ブラシレスDCモータの各相に対応して設けられる。そして、電動過給機の制御装置は、少なくとも1つの相において異常検出手段によりホールセンサの特性異常が検出されたときに、内燃機関の停止中に三相ブラシレスDCモータを作動させる制御の実行を禁止する制御禁止手段をさらに備える。
このような構成とすることにより、三相ブラシレスDCモータの各相に設けられたホールセンサについて、いずれかの相でホールセンサの特性異常が発生した場合には、各相の回転位相検出が正常でなければ実行することができない、停止状態(回転数=0)から交流電動機を作動させる制御の実行を禁止することができる。これにより、ホールセンサの特性異常発生時に三相ブラシレスDCモータを停止状態から作動させる制御を行なって、モータ動作が異常となるような状況を防止することができる。
この発明による電動過給機の制御装置によれば、回転電機(アシストモータ)の動作状態が広範囲に変化してもホールセンサを用いた回転位相検出の誤差を抑制することにより、回転電機の出力を安定させるとともにその性能を十分に発揮させることができる。
以下において、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、以下図中の同一または相当部分には同一符号を付してその説明は原則として繰返さないものとする。
[実施の形態1]
図1は、本発明の実施の形態に係る電動過給機の制御装置によって制御される電動過給機が搭載されるエンジンシステムの構成図である。
図1を参照して、エンジンシステムは、エンジン100と、電動過給機200と、インタークーラ162と、エンジンECU(Electronic Control Unit)250と、過給機ECU340とを含む。本実施の形態に係るエンジンシステムは、自動車などの車両に搭載される。なお、エンジンECU250と過給機ECU340とは1つのECUに統合するようにしてもよい。本実施の形態において、エンジンECU250と過給機ECU340とは、双方向で通信可能に接続される。
吸入口150から吸入される空気は、エアクリーナ152によりろ過される。エアクリーナ152によりろ過された空気は、吸気通路156を介して電動過給機200に流通する。電動過給機200に流通した空気はコンプレッサ202により圧縮された後、吸気通路160を流通して、インタークーラ162で冷却される。インタークーラ162で冷却された空気は、吸気通路102を流通して、エンジン100に吸入される。
吸気通路156の途中には、吸入空気量を検出するエアフローメータ154が設けられる。エアフローメータ154は、検出した吸入空気量Qを表す信号をエンジンECU250に送信する。
インタークーラ162は、コンプレッサ202により圧縮されて温度が上昇した空気を冷却する。冷却された空気の体積は、冷却前に比べて小さくなるため、より多くの空気がエンジン100に送り込まれる。
また、吸気通路156と吸気通路160とをバイパスするバイパス通路158が設けられ、バイパス通路158の途中には、バイパス通路158を流通する空気の流量を調整するエアバイパスバルブ164が設けられる。エアバイパスバルブ164は、エンジンECU250から受信する制御信号に応じて作動する。
吸気通路102の途中には、吸気通路102に流通する空気の流量を調整するスロットルバルブ166が設けられる。スロットルバルブ166は、スロットルモータ168により駆動される。スロットルモータ168は、エンジンECU250から受信する制御信号に応じて駆動する。
また、吸気通路102の途中には、吸気管圧力センサ170と吸気温度センサ172が設けられる。吸気管圧力センサ170は、吸気通路102内の空気の圧力を検知する。吸気管圧力センサ170は、検知した空気の圧力を表す信号をエンジンECU250に送信する。吸気温度センサ172は、吸気通路102内の空気の温度を検知する。吸気温度センサ172は、検知した空気の温度を表す信号をエンジンECU250に送信する。
エンジン100は、シリンダヘッド(図示せず)とシリンダブロック112とを含む。シリンダブロック112には、図1の紙面上下方向に複数の気筒が設けられる。そして、各気筒内には、紙面上下方向に摺動可能にピストン114が設けられる。ピストン114は、コンロッド116を介してクランクシャフト120に連結される。ピストン114、コンロッド116およびクランクシャフト120によりクランク機構が形成される。
ピストン114の上部においては、燃焼室108が形成される。燃焼室108には、燃焼室108に向けて点火プラグ110と燃料噴射インジェクタ106とが設けられる。本実施の形態において、エンジン100は直噴エンジンであるとして説明するが、特に、直噴エンジンに限定されるものではない。たとえば、エンジン100は、内燃機関であればよく、ポート噴射型のエンジンであってもよいし、ディーゼルエンジンであってもよい。
シリンダヘッドには、吸気通路102と排気通路130とがそれぞれ燃焼室108に接続するように設けられる。吸気通路102と燃焼室108との間には、吸気バルブ104が設けられる。排気通路130と燃焼室108との間には、排気バルブ128が設けられる。吸気バルブ104および排気バルブ128は、クランクシャフト120と連動して回転するカムシャフト(図示せず)により駆動される。
吸気通路102を流通する空気は、ピストン114が下降するときに、吸気バルブ104が開かれて燃焼室108に吸引される。燃焼室108に流通した空気は、燃料噴射インジェクタ106から噴射された燃料と混合される。吸気バルブ104が閉じて、ピストン114が上死点付近まで上昇したときに点火プラグ110において燃料と混合された空気が点火されて燃焼する。燃焼による圧力によりピストン114が押し下げられる。このとき、ピストン114の上下運動がクランク機構を介してクランクシャフト120の回転運動に変換される。そして、ピストン114が下死点付近まで下降したときに、排気バルブ128が開く。
ピストン114が再び上昇するときに、燃焼室108内で燃焼させられた空気、すなわち、排気ガスは、排気通路130を流通する。排気通路130を流通した空気は、電動過給機200のタービン204を駆動させた後に、排気管180を流通して触媒182に導かれる。排気ガスは、触媒182により浄化された後、車外に排出される。
クランクシャフト120の一方端には、プーリ(図示せず)が設けられる。プーリはベルト124を介してオルタネータ126の回転軸に設けられたプーリに連結される。クランクシャフト120の回転によりオルタネータ126が作動して、発電が行なわれる。
タイミングロータ118は、クランクシャフト120に設けられており、クランクシャフト120と共に回転する。タイミングロータ118の外周には、予め定められた間隔で複数の突起が設けられている。クランクポジションセンサ122はタイミングロータ304の突起に対向して設けられている。タイミングロータ118が回転すると、タイミングロータ118の突起と、クランクポジションセンサ122とのエアギャップが変化するため、クランクポジションセンサ122のコイル部を通過する磁束が増減し、コイル部に起電力が発生する。クランクポジションセンサ122は、起電力を表す信号を、エンジンECU250に送信する。エンジンECU250は、クランクポジションセンサ122から送信された信号に基づいて、クランク角を検出する。
また、車両には、車速センサ(図示せず)が車輪に設けられ、車輪の回転数(車輪速度)を検知する。車速センサは、検出結果を表す信号をエンジンECU250に送信する。エンジンECU250は、車輪の回転数から、車速を算出する。さらに、エンジンECU250には、アクセルペダル350に取付けられたセンサによって検知された、運転者によるアクセルペダル350の踏込量が入力される。
エンジンECU250は、吸気圧、吸気温度、吸入空気量、車輪速度、アクセル踏込量など各センサから送信された信号、メモリに記憶されたマップおよびプログラムに基づいて演算処理を行ない、エンジン100が所望の運転状態となるように、機器類を制御する。
電動過給機200は、コンプレッサ202と、タービン204と、シャフト210と、アシストモータとしての回転電機216とを含む。回転電機216としては、基本的に任意の形式のモータあるいはモータジェネレータを適用できるが、以下では、回転電機216を単にモータ216とも称する。
コンプレッサ202のハウジング内には、コンプレッサホイール(コンプレッサロータ、コンプレッサブレードなどとも呼ばれる。)206が収納される。コンプレッサホイール206は、エアクリーナ152によりろ過された空気を圧縮(過給)する。
タービン204のハウジング内には、タービンホイール(タービンロータ、タービンブレードなどとも呼ばれる。)208が収納される。タービンホイール208は、排気ガスにより回転させられる。
コンプレッサホイール206とタービンホイール208とは、シャフト210の両端にそれぞれ設けられる。すなわち、排気ガスによりタービンホイール208が回転させられると、コンプレッサホイール206も回転する。
また、コンプレッサホイール206とタービンホイール208との間には、シャフト210を回転軸とするモータ216が設けられる。シャフト210は、モータ216のハウジングにより回転自在に支持される。モータ216は、シャフト210に装着されたロータ212と、ロータ212を囲うように設けられたステータ214とを含む。
モータ216は、過給機ECU340の制御信号に応じて過給機EDU(Electronic
Drive Unit)330から供給される電力によりロータ212が回転することによって、シャフト210に回転力を付与する。過給機EDU330は、本発明での「駆動ユニット」に相当し、高圧バッテリ320から供給される電力を用いて、過給機ECU340から入力される制御信号に応じた電力をモータ216に供給する。
モータ216には、ホールセンサ205が設けられる。ホールセンサ205は、上述のようなホールICで構成され、回転子(ロータ)の回転位置(回転位相角)を検知する。ホールセンサ205は、検知結果を表すホールセンサ信号を過給機ECU340に送信する。
代表的には、モータ216は、三相ブラシレスDCモータにより構成され、過給機EDU330は、ホールセンサ205によって検出されたロータの回転位相に基づき、三相ブラシレスDCモータの各相に適切な位相の交流電流を供給するインバータにより構成される。すなわち、過給機EDU330を構成する図示しない電力用半導体スイッチング素子(以下、単にスイッチング素子と称する)は、過給機ECU340からのオン・オフ制御信号(通電制御信号)に基づいてオン・オフすることによって、上記交流電流を発生する。
さらに、モータ216には、モータ温度を検出するための温度センサ205♯が設けられる。温度センサ205♯は、一般的には、モータ216のステータ巻線(図示せず)の過高温を検知するために設けらている。なお、本実施の形態においては、温度センサ205♯は、なるべくホールセンサ205の温度を検知できるような位置に取付けることが好ましい。
高圧バッテリ320は、DC/DCコンバータ310に電気的に接続される。DC/DCコンバータ310は、上述したオルタネータ126に電気的に接続される。したがって、オルタネータ126において発電された電力は、DC/DCコンバータ310にて適切な電圧に昇圧された後に、高圧バッテリ320に供給される。これにより、高圧バッテリ320が充電される。また、オルタネータ126において発電された電力は、低圧バッテリ300に供給される。これにより、低圧バッテリ300が充電される。低圧バッテリ300は、エンジンECU250や過給機ECU340などに電力を供給する。
過給機ECU340は、エンジンECU250から送信される情報、回転子位置センサから送信された信号、および、メモリに記憶されたマップおよびプログラムに基づいて演算処理を行ない、電動過給機200が所望の作動状態となるように、機器類を制御する。すなわち、過給機ECU340は、本発明における「電動過給機の制御装置」に相当する。
以上のような構成を有する電動過給機200においては、エンジン100で、燃料と混合された空気が燃焼された後、排気ガスは、排気通路130からタービン204内に導かれる。排気ガスはそこでタービンホイール208を回転させ、その回転力がシャフト210に伝達される。その後、排気ガスは、排気管180を流通して、触媒182に導かれる。触媒182に導かれた排気ガスは、浄化された状態で車外へ排出される。
一方、エンジン100に供給するため車外より吸入された空気は、エアクリーナ152によってろ過された後、吸気通路156を流通して、コンプレッサ202内に導かれる。空気はシャフト210と一体となって回転するコンプレッサホイール206によって圧縮(過給)される。圧縮された空気は、インタークーラ162に導かれ、冷却された状態でエンジン100の吸気通路102を介して燃焼室108に吸入される。
また、過給機ECU340は、エンジン100の低回転域において、コンプレッサ202において圧縮される空気が所望の過給圧に到達しない場合(たとえば、エンジン100の回転数が予め定められた回転数以下である場合)には、モータ216を駆動することにより、コンプレッサ202の過給圧が強制的に上昇するように制御する。
次に、モータ216における回転位相検出および検出された回転位相を用いたモータ制御について説明する。
図2は、モータ216の通電制御を説明する動作波形図である。
上述のように、本実施の形態では、モータ216は三相のブラシレスDCモータで構成される。当該ブラシレスDCモータのU相、V相およびW相には、ホールセンサ205によって検出されるロータ212の磁極位相(回転位相)に従って通電位相を制御された電流が、過給機EDU330によって供給される。図2には、モータ216の各相のうち代表的にU相におけるホールセンサ信号および電流が示される。図示しないが、W相およびV相にも、電気角で120°ずつずれた位相の電流が供給される。
図2を参照して、モータ216は、各相に電気角で120(deg)の区間通電される120度通電駆動により制御される。すなわち、各相電流の発生期間がロータ212の回転位相に同期して電気角で一定の位相に維持されるように、過給機EDU330(インバータ)を構成する各相のスイッチング素子のオン・オフタイミングが制御される。また、各相電流の振幅は、モータ回転数のフィードバックに基づき制御される。
ホールセンサ205の出力信号であるホールセンサ信号Hu(U相)は、HレベルおよびLレベルの間で遷移を繰返すディジタル信号であり、ロータの基準位置の通過に対応して回転位相が電気角180(deg)変化する毎に、信号レベルが遷移(Hレベル→LレベルまたはLレベル→Hレベル)する。
図2には、比較のために、非通電状態におけるU相の逆起電圧Vuの波形が示されている。逆起電圧Vuは、U相の本来の電気角を表わすが、上述のように、ホールICで構成されるホールセンサ205では、ホール素子による通過検出がホールセンサ信号に表れるまでには一定の時間ずれが発生するので、これに起因した位相遅れ(位相検出誤差)θHが発生する。上述のように、ホールセンサのジッタ特性により、この位相遅れθHは、モータの回転数が高くなり1回転に要する時間が短くなるのに従って増大する。
一方、通電時には、逆起電圧Vuが図2に示すような正弦波状とならないため、位相遅れθHは、モータ216の通電作動中に測定することはできない。したがって、本実施の形態では、上記位相遅れθHを出荷前検査時等に実測し、かつ、モータ回転数に応じた位相遅れθHのマップを予め作成することにより、実際の電気角に対するホールセンサ信号Huの位相差θH(以下、ホールセンサ位相角θHと称する)を事前に把握しておき、モータ216の動作時には、モータ回転数に対するホールセンサ位相角θHの特性に基づき、ホールセンサ205によって検出された回転位相を補正してモータ制御を行なう。
図3を参照して、出荷前検査時等においてモータ216の非通電状態時にエンジンを作動させてタービン回転に伴いロータ212を回転させることにより、逆起電圧とホールセンサ信号との位相差に基づきモータ回転数Ntに応じて変化するホールセンサ位相角θH(Nt)が測定される。たとえば、図3に点線で示されるように、モータ回転数Nt1〜Nt5について、ホールセンサ位相角θH(Nt1)〜θH(Nt5)が測定される。
一方、図3に実線で示されるように、標準的なホールセンサ205の特性に従う、モータ回転数Ntに対する標準的なホールセンサ位相角θH0(Nt)が予め実験または解析によって予め求められる。すなわち、ホールセンサ位相角θH0(Nt)は、本発明において、ホールセンサ205による位相検出誤差の「標準的特性」に対応する。
したがって、各ホールセンサ205について実測されたホールセンサ位相角θH(Nt)について、ホールセンサ位相角θH0(Nt)との差分ΔθH(Nt)を用いて、下記(1)式により示すことができる。
θH(Nt)=θH0(Nt)+ΔθH(Nt) …(1)
再び図2を参照して、モータ216の動作時には逆起電圧Vuから回転位相を検出できないため、各相の通電位相制御は、ホールセンサ信号Huに基づいて実行される。したがって、各相の通電開始位相は、ホールセンサ信号Huのレベル遷移時点から通電開始までの遅れ位相θS(以下、「通電開始位相角θS」と称する)の設定によって制御される。
図4を参照して、モータ回転数Ntが高くなるに従って、等価的にモータ定数のインダクタンスが上昇するため電流の立上がりが鈍くなる(時定数が大きくなる)のに対応して、モータの通電開始位相を進角、すなわち、通電開始位相角θSを小さく設定する必要が有る。このため、通電開始位相角θSは、モータ回転数Ntに対して可変に、具体的には、モータ回転数が高くなる程小さい値に設定される。
図4に実線で示される通電開始位相角θS0(Nt)は、図3に示した、モータ回転数Ntに対する標準的なホールセンサ位相角θH0(Nt)に従って予め設定された、モータ回転数Ntに対する通電開始位相角θSの標準的な特性を示す。
そして、モータ回転数Nt1〜Nt5のそれぞれについて、標準的なホールセンサ位相角θH0(Nt)を、(1)式に示したホールセンサ位相角θHの差分ΔθH(Nt)を用いて、下記(2)式に従って補正する。
θS(Nt)=θS0(Nt)−ΔθH(Nt) …(2)
これにより、図4に点線で示すように、ホールセンサ205の位相検出誤差の実測結果に基づいて修正された、モータ回転数Ntに対する通電開始位相角θS(Nt)が設定される。このように、ホールセンサ位相角θHの差分ΔθH(Nt)は、通電開始位相角θSの設定において、モータ回転数に応じて可変に設定される「補正値」として作用するので、以下では、単に補正値ΔθH(Nt)とも称する。
そして、修正された通電開始位相角θS(Nt)、あるいは、標準的な通電開始位相角θS0(Nt)および補正値ΔθH(Nt)を、モータ回転数Ntを引数としてマップ化する。たとえば、モータ回転数Nt1〜Nt5についてマップ値を設定することにより、所定範囲内で同一マップ値を使用したり、中間のモータ回転数では線形補間を行なったりすることによって、モータ回転数Ntに応じた通電開始位相角θS(Nt)を適時設定して、モータ216の通電位相を制御することができる。
次に、図5および図6の機能ブロック図を用いて、図3および図4に示した位相検出補正機能を有する、実施の形態1に従うモータ216の通電位相制御を説明する。なお、図5および図6に示す各機能ブロックは、過給機ECU340により実行されるプログラムの実行により、あるいは過給機ECU340の中に構成された電子回路によって実現されるものとする。
図5を参照して、過給機ECU340は、変換部500と、モータ回転数算出部510と、補正値設定部520と、通電位相制御部530とを含む。通電位相制御部530は、通電開始位相設定部540と、通電信号生成部550とを含む。なお、図5には、U相について代表的に記載しているが、その他の各相についても同様の制御構成が設けられているものとする。
変換部500は、ホールセンサ205からのホールセンサ信号Huに基づき、ホールセンサ信号Huのレベル遷移時からの経過時間を位相角(電気角)θに変換する。モータ回転数算出部510は、ホールセンサ信号Huに基づきモータ回転数Ntを算出する。
補正値設定部520は、補正値ΔθH(Nt)のマップを参照して、現在のモータ回転数Ntに対応する補正値ΔθHを設定する。
通電開始位相設定部540は、補正値設定部520により設定された補正値ΔθHと、図4に示した標準的な通電開始位相角θS0(Nt)のマップとに従い、現在のモータ回転数Ntに対応する通電開始位相角θSを設定する。そして、通電信号生成部550は、通電開始位相設定部540によって設定された通電開始位相角θSと、変換部500によりホールセンサ205の出力に基づいて求められる位相角(電気角)θとに基づきU相通電信号を生成する。
U相通電信号は、U相への通電の開始および終了タイミングを規定する信号であり、これに基づいて、過給機EDU330を構成するインバータ中のU相電流の発生に関わるスイッチング素子のオン・オフを制御信号が生成される。U相通電信号は、θ=θSとなったことに応答して通電開始を指示し、θSからロータ212が電気角で120(deg)回転すると、通電終了を指示する。
これにより、モータ回転数に応じてホールセンサの位相検出誤差(すなわちホールセンサ位相角θH)が変化するジッタ特性、特にホールセンサ間でのジッタ特性の個体差を反映した位相検出補正を実行した上で、モータ制御、代表的には、モータ通電位相を行なうことができる。これにより、ホールセンサ205の個体差の影響を排除して回転位相検出精度を確保できるので、モータ制御精度を向上することができる。
なお、図4で説明したように、標準的な通電開始位相角θS0(Nt)および補正値ΔθH(Nt)から(2)式に従って求められる通電開始位相角θS(Nt)を直接マップ化する構成としてもよい。この構成は、図5において、補正値設定部520および通電開始位相設定部540を一体化することと等価であり、この場合には、モータ回転数算出部510によって算出されたモータ回転数Ntを引数として上記マップを参照することによって、現在のモータ回転数Ntに対応する通電開始位相角θSが設定される。
次に、図6の機能ブロック図を用いて回転位相検出の補正値ΔθHの初期学習を説明する。上述のように、図6の構成による補正値初期学習は、モータ216の非通電時にエンジンを作動させてタービン回転に伴いロータ212を回転させた状態、代表的にはエンジンの出荷前検査時に行なわれる。
図6を参照して、過給機ECU340は、図5に示したと同様のモータ回転数算出部510と、位相比較部600と、θH0マップ部610と、補正値算出部620とを有する。
位相比較部600は、ホールセンサ信号Huと、非通電時の逆起電力Vuとの位相を比較する。具体的には、ホールセンサ信号Huのレベル遷移タイミングと、逆起電力Vuのゼロクロスタイミングとの時間差を位相差に変換して、両者の位相差である位相検出誤差(すなわち、ホールセンサ位相角θH)の実測値θHdetを算出する。θH0マップ部610は、図3に示した標準的なホールセンサ位相角θH0(Nt)をモータ回転数Nt1〜Nt5について格納している。
補正値算出部620は、モータ回転数算出部510によって算出されたモータ回転数Ntに基づき、現在のモータ回転数Ntにおける標準的特性に従うホールセンサ位相角θH0をθH0マップ部610より読出す。さらに、補正値算出部620は、θH0マップ部610から読出したホールセンサ位相角θH0と、位相比較部600によって実測値θHdetとの差分より、現在のモータ回転数Ntにおける補正値ΔθH(ΔθH=θHdet−θH0)を算出する。
補正値ΔθHは、各ホールセンサ205について、本来の電気角とホールセンサ信号との位相差に相当するホールセンサ位相角θHの実測結果を示すものである。したがって、モータ216の通電作動時には、ホールセンサ信号Huによって検出された回転位相を補正値ΔθHにより補正することによって、ホールセンサ205の個体差、特にモータ動作状態の1つであるモータ回転数に応じた回転位相の検出誤差特性を反映して、回転位相を正確に検出することが可能となる。
さらに、図7に示すフローチャートに従って、複数のモータ回転数領域(モータ回転数Nt1〜Nt5)の各々において補正値ΔθHが求められる。すなわち、図7に示したフローチャートに従うプログラムについても、図6で説明したのと同様の状況、代表的には、エンジンの出荷前検査時に行なわれる。なお、図7でもU相における処理のみを代表的に例示するが、V相およびW相についても同様の処理が行なわれているものとする。
図7を参照して、過給機ECU340は、ステップS100により、ホールセンサ信号Huの立上がり時刻tHUを取得し、さらにステップS110により、U相の逆起電圧Vuよりゼロクロス立上がり時刻tVUおよび電圧周期TUを取得する。
そして、過給機ECU340は、ステップS120において、ステップS100およびS110で取得したホールセンサ信号の立上がり時刻tHU、逆起電圧Vuのゼロクロス立上がり時刻tVUおよび電圧周期TUを用いて、下記(3)式に従ってU相のホールセンサ位相角θHUを算出する。すなわち、ステップS100〜120の処理は、図6の位相比較部600の機能に対応する。
θHU=(tHU−tVU)/TU・360(deg)…(3)
さらに、過給機ECU340は、ステップS130によりモータ回転数Ntを下記(4)式に従い算出する。すなわち、ステップS130の処理は、図6のモータ回転数算出部510の機能に対応する。
Nt=60/TU(rpm)…(4)
過給機ECU340は、ステップS140により、現在のモータ回転数Ntが、所定回転数Nt1に対して、Nt1±α(α:所定値)の範囲内であるかどうかを判定する。そして、ステップS140のYES判定時には、過給機ECU340は、ステップS142により、ステップS120で求めたホールセンサ位相角θHUと、マップから読出された標準的な特性に従うモータ回転数Nt1におけるホールセンサ位相角θH0(Nt1)との差分ΔθHを算出する。すなわち下記(5)式に従い、モータ回転数Nt1における補正値ΔθH(Nt1)が算出される。
ΔθH(Nt1)=θHU−θH0(Nt1)…(5)
過給機ECU340は、さらに、ステップS142で求めた補正値ΔθH(Nt1)に基づいて、標準的なホールセンサ位相角θH0(Nt1)を前提として適合された通電開始位相角θHS0(Nt1)を、初期値学習の一環として修正してもよい。この場合には、過給機ECU340は、ステップS144により、下記(6)式に従って、通電開始位相角θHS(Nt1)を求める。そして、通電開始位相角θHS(Nt)が直接マップ化される。
θS(Nt1)=θS0(Nt1)−ΔθH(Nt1)…(6)
ステップS142〜S144の処理により、モータ回転数Nt1に対応する補正値ΔθH(Nt1)および通電開始位相角θHS(Nt1)が求められる。なお、ステップS140における判定は、ステップS142〜S144が所定回数(1回あるいは複数回)実行された後には、モータ回転数NtがNt1±αの範囲であってもNO判定とするように構成される。なお、所定回数を複数回とした場合には、それぞれで求められた値の平均値を補正値ΔθH(Nt1)および通電開始位相角θHS(Nt1)としてもよい。
ステップS140のNO判定時には、過給機ECU340は、ステップS150によりモータ回転数Ntが、所定のモータ回転数Nt2±αの範囲内であるかどうかを判定する。過給機ECU340は、ステップS150のYES判定時には、ステップS152およびS154により、ステップS142,S144と同様の処理により、モータ回転数Nt2における補正値ΔθH(Nt2)および通電開始位相角θS(Nt2)を求める。
さらに、図示しないが、過給機ECU340は、ステップS150のNO判定時には、モータ回転数Ntが所定回転数Nt3±αであるかどうかの判定を実行し、モータ回転数NtがNt3±αの範囲内である場合には、ステップS142,S144と同様の処理により、モータ回転数Nt3における補正値ΔθH(Nt3)および通電開始位相角θS(Nt2)を求める。同様に、過給機ECU340は、モータ回転数NtがNt4±αの範囲内である場合に、ステップS142,S144と同様の処理により、モータ回転数Nt4における補正値ΔθH(Nt4)および通電開始位相角θS(Nt4)を求める。
また、過給機ECU340は、ステップS180では、モータ回転数Ntが所定のモータ回転数Nt5±αの範囲内であるかどうかを判定し、ステップS180のYES判定時には、ステップS182およびS184により、ステップS142,S144と同様の処理により、モータ回転数Nt5における補正値ΔθH(Nt5)および通電開始位相角θS(Nt5)を求める。
さらに、過給機ECU340は、ステップS190により、モータ回転数Nt1〜Nt5のすべてについて補正値ΔθHおよび通電開始位相角θSが求められたかどうかを判定する。そして、補正値ΔθH(Nt1)〜ΔθH(Nt5)および通電開始位相角θS(Nt1)〜θS(Nt5)が全て求められた場合(ステップS190のYES判定時)には、過給機ECU340は、初期値学習を終了する。一方、ステップS190のNO判定時には、過給機ECU340は、処理をステップS100に戻して一連の処理を繰返し実行する。
以上説明したように、実施の形態1による電動過給機の制御装置によれば、ホールセンサのジッタ特性を反映し、特にホールセンサ間でのジッタ特性の個体差を補正して、モータ216の回転位相を検出することができる。この結果、ホールセンサ205の個体差の影響を排除して回転位相検出精度を確保できるので、モータ制御精度を向上することができる。特に、複数のモータ回転数領域Nt1〜Nt5において、個別の補正値ΔθH(Nt1)〜ΔθH(Nt5)を設定することにより、超高回転数域(たとえば10万prmオーダ)まで使用される電動過給機のアシストモータであるモータ216についても、広範囲のモータ回転数全域にわたり回転位相検出精度を確保して、モータ制御性を向上することができる。
この結果、モータの出力ばらつきを低減することが可能となり、モータ出力のばらつきに伴って車両運転快適性の悪化や、燃費あるいはエミッション特性が悪化することを防止できる。
なお、実施の形態1では、U相についてホールセンサ205の出力に基づくモータ回転数に応じた補正値ΔθHおよび通電開始位相角θSの設定を説明したが、他のV相およびW相についてもホールセンサ205を設け、各相において同様の制御処理に従う位相検出およびモータ制御を行なうことができる。これにより、モータ制御をさらに安定化することができる。
あるいは、制御処理を簡素化するために、代表相(U相)のみで実施の形態1に従う補正値ΔθHの設定を行なって、当該補正値を他の相(V相およびW相)でも共通に用いる構成としてもよい。
[実施の形態2]
実施の形態1では、モータ回転数に応じてホールセンサ205の位相検出誤差が変化する特性(ジッタ特性)へ対応するための制御構成について説明した。実施の形態2では、モータの動作状態としてモータ温度に着目し、ホールセンサの温度特性に対応するための制御構成について説明する。
実施の形態2では、制御装置すなわち過給機ECU340による制御構成が実施の形態1と異なるが、電動過給機およびエンジンシステムの構成については、実施の形態1と共通である。
図8は、ホールセンサの温度特性を説明する概念図である。
図8を参照して、ホールセンサでは、温度の上昇に伴い、ホールセンサによる磁束密度の判定しきい値(スレッショルドレベル)が低下する傾向が存在する。このため、温度上昇に伴い、ホールセンサ205から出力されるホールセンサ信号の立上がりタイミングは相対的に進角することとなる。
したがって、このような温度特性を反映して通電開始位相を適正に設定するためには、温度上昇に伴って通電開始位相を遅角化する、すなわち、通電開始位相角θSを温度上昇に従って大きい値に設定する必要が生じる。
図9は、図3と対比される、モータ温度Tに対するホールセンサ位相角θHの設定マップを示す概念図である。
図9を参照して、モータ回転数Ntに対して標準的なホールセンサ位相角θH0(Nt)を設定したのと同様に、モータ温度Tに対して、予め実験または解析により標準的なホールセンサ位相角θH0(T)を求めておく。
そして、実施の形態1と同様に出荷前検査時等において、代表的な所定温度T1〜T5のそれぞれにおいて、逆起電圧の位相とホールセンサ信号の位相との差分からホールセンサ位相角θH(T1)〜θH(T5)を実測し、さらに、標準的なホールセンサ位相角θH0(T1)〜θH0(T5)との差分から、モータ温度に対する補正値ΔθH(T)を求めることができる。
図10は、図4と対比される、モータ温度Tに対する通電開始位相角θSの設定マップを示す概念図である。
図10を参照して、通電開始位相角θS0(T)は、図9に示したモータ温度Tに対する標準的なホールセンサ位相角θH0(T)に従って予め設定された、モータ温度Tに対する通電開始位相角θSの標準的な特性を示す。そして、所定温度T1〜T5のそれぞれにおいて、図9で求めた補正値ΔθH(T1)〜ΔθH(T5)により通電開始位相角θS0(T1)〜θS0(T5)を補正することにより、所定温度T1〜t5にそれぞれ対応する通電開始位相角θS(T1)〜θS(T5)が求められる。これにより、図10に点線で示した、ホールセンサ205の位相検出誤差の実測結果に基づいて修正された、モータ温度Tに対する通電開始位相角θS(T)が設定される。
そして、実施の形態1と同様に、修正された通電開始位相角θS(T)、あるいは、標準的な通電開始位相角θS0(T)および補正値ΔθH(T)は、モータ温度Tを引数としてマップ化される。たとえば、モータ温度T1〜T5についてマップ値を設定することにより、所定範囲内で同一マップ値を使用したり、中間のモータ温度では線形補間を行なったりすることによって、モータ温度Tに応じた通電開始位相角θS(T)を適時設定して、モータ216の通電位相を制御することができる。
次に、図11および図12の機能ブロック図を用いて、ホールセンサの温度特性を考慮した位相検出補正機能を有する、実施の形態2に従うモータ216の通電位相制御を説明する。
図5と対比される図11を参照して、実施の形態2による構成では、過給機ECU340は、図5と同様の変換部500と、補正値設定部520♯と、通電位相制御部530♯と、モータ温度取得部700とを含む。通電位相制御部530♯は、通電開始位相設定部540♯と通電信号生成部550とを有する。
モータ温度取得部700は、モータ216に設けられた温度センサ205♯の出力に基づきモータ温度Tを取得する。なお、実施の形態2では、ホールセンサ205の温度特性を解消することを目的とするので、温度センサ205♯をホールセンサ205の近傍に取付けて、温度センサ205♯の出力をそのままモータ温度Tとすることが好ましい。ただし、位置的制約により温度センサ205♯をホールセンサ205から離れた位置の取付けざるを得ない場合には、温度センサ205♯の出力および/またはモータ216の運転条件等からモータ温度Tを推定演算により取得する構成とすることもできる。
補正値設定部520♯は、補正値ΔθH(T)のマップを参照して、現在のモータ温度Tに対応する補正値ΔθHを算出する。通電開始位相設定部540♯は、補正値設定部520♯により設定された補正値ΔθHと、図10に示した標準的な通電開始位相角θS0(T)のマップとに従い、現在のモータ温度Tに対応する通電開始位相角θSを設定する。そして、通電信号生成部550は、通電開始位相設定部540♯によって設定された通電開始位相角θSと、変換部500によりホールセンサ205の出力に基づいて求められる位相角(電気角)θとに基づきU相通電信号を生成する。
これにより、モータ温度に応じてホールセンサの位相検出誤差(すなわちホールセンサ位相角θH)が変化する温度特性、特にホールセンサ間での温度特性の個体差を反映した位相検出補正を実行した上で、モータ制御、代表的には、モータ通電位相を行なうことができる。これにより、ホールセンサ205の個体差の影響を排除して回転位相検出精度を確保できるので、モータ制御精度を向上することができる。
なお、図11の制御構成においても、標準的な通電開始位相角θS0(T)および補正値ΔθH(T)から求められる通電開始位相角θS(T)を直接マップ化する構成としてもよい。この構成は、図11において、補正値設定部520♯および通電開始位相設定部540♯を一体化することと等価であり、この場合には、モータ回転数算出部510によって算出されたモータ温度Tを引数として上記マップを参照することによって、現在のモータ温度Tに対応する通電開始位相角θSが設定される。
図12には、図6と対比される、実施の形態2に従う回転位相検出の補正値初期学習を説明する機能ブロック図が示される。
図12を参照して、実施の形態2による構成では、過給機ECU340は、図6と同様の位相比較部600および補正値算出部620と、θH0マップ部610♯と、図11に示したと同様のモータ温度取得部700とを有する。
位相比較部600は、ホールセンサ信号Huと、非通電時の逆起電圧Vuとの位相を比較して、両者の位相差である位相検出誤差(すなわち、ホールセンサ位相角θH)の実測値θHdetを算出する。θH0マップ部610♯は、図9に示した標準的なホールセンサ位相角θH0(T)をモータ温度T1〜T5について格納している。
補正値算出部620は、モータ回転数算出部510によって算出されたモータ回転数Ntに基づき、現在のモータ温度Tにおける標準的特性に従うホールセンサ位相角θH0をθH0マップ部610♯より読出す。さらに、補正値算出部620は、θH0マップ部610♯から読出したホールセンサ位相角θH0と、位相比較部600によって実測値θHdetとの差より、現在のモータ温度Tにおける補正値ΔθH(ΔθH=θHdet−θH0)を算出する。
モータ216の通電作動時には、ホールセンサ信号Huによって検出された回転位相を補正値ΔθHにより補正することによって、ホールセンサ205の個体差、特にモータ動作状態の1つであるモータ温度に応じた回転位相の検出誤差特性を反映して、回転位相を正確に検出することが可能となる。
さらに、図13に示すフローチャートに従って、複数のモータ温度(モータ温度T1〜T5)の各々において補正値ΔθHが求められる。すなわち、図13に示したフローチャートに従うプログラムについても、図7で説明したのと同様の状況、代表的には、エンジンの出荷前検査時に行なわれる。なお、図13でもU相における処理のみを代表的に例示するが、V相およびW相についても同様の処理が行なわれるものとする。
図13を参照して、過給機ECU340は、図7と同様のステップS100〜S120により、U相ホールセンサ位相角θHUを算出する。
過給機ECU340は、ステップS130♯によりモータ温度Tを取得する。そして、過給機ECU340は、ステップS140♯により、モータ温度Tが所定温度T1±α′(α′:所定値)の範囲内であるかを判定し、モータ温度TがT1±α′の範囲内にある場合(ステップS140♯のYES判定時)には、ステップS142♯によりモータ温度T1における補正値ΔθH(T1)を算出する。ステップS142♯における演算処理は、図7のステップS142の処理において、モータ回転数Nt1をモータ温度T1に変更したものであるため詳細な説明は繰返さない。
さらに、過給機ECU340は、ステップS142♯で求めた補正値ΔθH(T1)に基づいて、標準的なホールセンサ位相角θH0(T1)を前提として適合された通電開始位相角θHS0(T1)を、初期値学習の一環として修正してもよい。この場合には、過給機ECU340は、ステップS144♯により通電開始位相角θHS(Nt1)を求める。そして、通電開始位相角θHS(T)が直接マップ化される。ステップS144♯での処理は、図7のステップS144の処理において、モータ回転数Nt1をモータ温度T1に変更したものであるため詳細な説明は繰返さない。
以下、過給機ECU340は、図7のステップS150〜S190においてモータ回転数をモータ温度に置き換えた処理に相当するステップS150♯〜S190♯を実行する。これにより、モータ回転数Nt1〜Nt5に対して補正値ΔθH(Nt1)〜ΔθH(Nt5)および通電開始位相角θS(Nt1)〜θS(Nt5)が求められたのと同様に、所定温度T1〜T5のそれぞれに対する、補正値ΔθH(T1)〜ΔθH(T5)および通電開始位相角θS(T1)〜θS(T5)が求められる。
このような構成とすることにより、実施の形態1による電動過給機の制御装置によれば、ホールセンサの温度特性を反映し、特にホールセンサ間での温度特性の個体差を補正して、モータ216の回転位相を検出することができる。この結果、ホールセンサ205の個体差の影響を排除して回転位相検出精度を確保できるので、モータ制御精度を向上することができる。特に、複数のモータ温度領域T1〜T5において、個別の補正値ΔθH(T1)〜ΔθH(T5)を設定することにより、エンジンからの排気により高温域まで使用される電動過給機のアシストモータであるモータ216についても、広範囲のモータ温度全域にわたり回転位相検出精度を確保して、モータ制御性を向上することができる。
この結果、モータの出力ばらつきを低減することが可能となり、モータ出力のばらつきに伴って車両運転快適性の悪化や、燃費あるいはエミッション特性が悪化することを防止できる。
なお、実施の形態2においても、U相についての制御構成を説明したが、他のV相およびW相についてもホールセンサ205を設け、各相において同様の制御構成に従う位相検出およびモータ制御を行なうことができる。これにより、モータ制御をさらに安定化することができる。また、制御処理を簡素化するために、代表相(U相)のみで実施の形態1に従う補正値ΔθHの設定を行なって、当該補正値を他の相(V相およびW相)でも共通に用いる構成としてもよい。
[実施の形態1および2の組合わせ]
なお、実施の形態1および実施の形態2を組合せて、モータ動作状態として、モータ回転数Ntおよびモータ温度Tの両者を反映して、位相検出補正を行なう構成とすることも可能である。
たとえば、実施の形態1に示したモータ回転数Ntに対する補正値ΔθH(Nt)および通電開始位相角θS(Nt)を、ある基準モータ温度(たとえばT1)における特性として設定しておき、かつ、実施の形態2に示したモータ温度Tに対する補正値ΔθH(T)および通電開始位相角θS(T)については、絶対値ではなく、モータ温度T=T1のときを基準(すなわち、ΔθH(T1)=θS(T1)=0)とした、基準温度T1からの温度変化に対する位相変化量として設定する構成とすることができる。
このような構成とすれば、実施の形態1に従いモータ回転数Ntに対する補正値ΔθH(Nt)および通電開始位相角θS(Nt)と、実施の形態2に従い、基準温度T1からの温度変化に対する位相変化量として設定された補正値ΔθH(T)および通電開始位相角θS(T)とを加算することによって、モータ回転数Ntおよびモータ温度Tの両者を反映した位相検出補正が可能となる。
これにより、ホールセンサのジッタ特性および温度特性の両者を反映して、回転位相の補正を行なうことが可能となる。この結果、使用される回転数領域および温度領域が広い電動過給機のアシストモータであるモータ216についても、モータ動作状態に応じて回転位相の補正を適切に行なって、モータ制御性を向上することができる。
なお、実施の形態1および2において、図5および図11の変換部500は、本発明の「位相取得手段」に対応し、補正値設定部520,520♯は、本発明での「補正値設定手段」に対応する。また、通電位相制御部530,530♯は、本発明の「モータ制御手段」に対応し、特に、通電開始位相設定部540,540♯は、「通電開始位相設定手段」に対応し、通電信号生成部550は、本発明での「通電位相制御手段」に対応する。さらに、図6,12の位相比較部600は、本発明での「誤差測定手段」に対応し、補正値算出部620は、本発明での「補正値算出手段」に対応する。
また、実施の形態1および2では、ホールセンサ位相角θHについて、予め標準的特性のホールセンサ位相角θH0を設定しておき、θHとθH0との差分を補正値としたが、本発明の適用はこのような形態に限定されるものではない。すなわち、モータ回転数あるいはモータ温度Tに応じて変化する、実測に基づくモールセンサ位相角θH(Nt),θH(T)あるいは標準的特性のモールセンサ位相角θH0(Nt),θH0(T)を直接的に補正値としてホールセンサ信号を補正する制御構成としても、モータ作動状態(モータ回転数,モータ温度)の変化に対してホールセンサを用いた回転位相検出の誤差を抑制する効果は発揮され得るものである。
言い換えると、実施の形態1および2に示したように、標準的特性のホールセンサ位相角θH0を予め設定し、さらに、実測したホールセンサ位相角θHとθH0との差分を補正値とすることにより、モータ回転位相を用いたモータ制御パラメータ(代表的には通電開始位相角θS)の適合が容易となり、かつ、ホールセンサの個体差の影響を排除することが可能となる。具体的には、標準的特性のホールセンサ位相角θH0を前提として、各制御パラメータ(θS)を予め適合しておくことが可能となり、かつ、ホールセンサ205の個体差を反映した最終的な適合を、一旦適合した値(θS0)を補正値θH0によってシフトするだけで容易に行なうことができる。
[実施の形態3]
実施の形態3では、実施の形態1および2で説明したホールセンサの位相検出誤差の実測を定期的に実行することによる、ホールセンサの異常検出について説明する。実施の形態3においても、電動過給機およびエンジンシステムの構成については、実施の形態1,2と共通である。
図14は、実施の形態3によるホールセンサの異常検出を説明する概念図である。
図14を参照して、図1に示すエンジンシステムを搭載する車両の運転が開始されてエンジンが始動されるごとに、モータ216の非通電状態時にタービン回転に伴いロータ212を回転させる状態を作り出し、この状態において、所定回転数Nt1でのホールセンサ信号および逆起電圧の位相差、すなわちホールセンサ位相角θHを測定することにより、ホールセンサの異常診断を行なう。
所定回転数Nt1は、たとえば、エンジンのアイドル回転数に対応させて設定する。これにより、車両運転を開始してエンジンを始動した際に車両走行前のアイドル運転中にモータ216の非通電期間を設けて、所定回転数Nt1におけるホールセンサ位相角θHを実測することが可能となる。
ここで、同一のモータ回転数に対するホールセンサ位相角θHは、ホールセンサ205の個体差を考慮しても一定範囲内に収まるはずである。したがって、個体差ばらつきを考慮して、当該モータ回転数におけるホールセンサ位相角θHの正常範囲(下限値θtl〜上限値θth)を設定することにより、ホールセンサの異常診断時に正常範囲を外れたホールセンサ位相角θHが検出された場合に、当該ホールセンサ205について異常と判定する。図14に示した例では、U相に設けられたホールセンサ205が異常と判定される。これにより、短絡あるいは断線等の機械的な故障に加えて、位相検出特性についてのホールセンサ異常を早期に検出することが可能となる。
図15は、過給機ECUによる実施の形態3に従うホールセンサの異常検出および異常検出時の制御処理を説明する過給機ECUの機能ブロック図である。図15に示す各機能ブロックは、過給機ECU340により実行されるプログラムの実行により、あるいは過給機ECU340の中に構成された電子回路によって実現される。
図15を参照して、過給機ECU340は、図6と同様のモータ回転数算出部510および位相比較部600と、θH判定部750と、異常検出部760と、異常相位相算出部770と、制御禁止部780とを有する。
なお図17では、U相に対応する構成のみを示しているが、V相およびW相についてもホールセンサが配置されており、かつ、同様の機能ブロックが備えられているものとする。
モータ216の非通電状態において、モータ回転数算出部510はモータ回転数Ntを算出し、位相比較部600は、ホールセンサ信号Huのレベル遷移タイミングと、逆起電圧Vuのゼロクロスタイミングとの時間差を位相差に変換して、両者の位相差、すなわちホールセンサ位相角θHを実測する。
θH判定部750は、モータ回転数Ntが所定回転数Nt1である場合に、位相比較部600により実測したホールセンサ位相角θHが、正常範囲(θtl〜θth)内に入っているかどうかを判定し、正常範囲から外れている場合に異常検出フラグFLを「オン」する。
異常検出部760は、θH判定部750によって異常検出フラグFLが「オン」されたときに、U相のホールセンサに異常が発生したことを示すダイアグコードをダイアグモニタ800に出力する。さらに、少なくとも1つの相でホールセンサ205に異常が発生したことに対応して、制御禁止部780は、触媒暖機制限のような、モータ停止状態(エンジン停止時)からモータ216を始動するような制御の実行を禁止する禁止フラグを「オン」する。また、異常相位相算出部770は、異常検出されたU相のホールセンサ205の出力を無効として、異常が検出されていないV相あるいはW相のホールセンサ信号Hv、Hwを電気角で±120(deg)°シフトさせることにより、U相のホールセンサ信号Huを生成する。
図16には、図14で説明したホールセンサの異常検出処理を実行するための制御手順のフローチャートが示される。上述のように、図16に示すフローチャートに従うプログラムは、モータ216の非通電時に実行される。
図16を参照して、過給機ECU340は、ステップS200により、モータ回転数Ntが所定回転数Nt1となって、測定条件が成立しているかどうかを判定する。ステップS200の判定は、たとえば、Nt1−β<Nt1<Nt1+β(β:所定値)が成立しているか否かにより実行される。
測定条件の非成立時(ステップS200のNO判定時)には、測定条件が成立するまでステップS200の処理が繰返し実行される。
過給機ECU340は、測定条件成立時(ステップS200のYES判定時)には、ステップS210により、各相のホールセンサ位相角θHを算出し、さらにステップS220により、各相とも算出したホールセンサ位相角θHが正常範囲(下限値θtl〜上限値θth)内であるかどうかを判定する。すなわち、ステップS210の処理は、図15の位相比較部600に対応し、ステップS220の処理は、図15のθH判定部750に対応する。
過給機ECU340は、各相ともホールセンサ位相角θHが正常範囲内である場合(ステップS220のYES判定時)には、ステップS230により、「各相ともホールセンサ205は正常」と判定し、ステップS240により、各相のホールセンサ出力を有効としてモータ制御に使用する。
一方、過給機ECU340は、いずれかの相においてホールセンサ位相角θHが正常範囲を外れた場合(ステップS220のNO判定時)には、ステップS250により、当該相のホールセンサの異常を検知する。そして、ホールセンサの異常が発生した相を特定する情報を含むダイアグコードを出力する。ダイアグコードの出力により、車両の点検あるいは整備時に、異常が発生したホールセンサを容易に特定して交換することが可能となる。すなわち、ステップS250の処理は、図15の異常検出部760に相当する。
さらに、過給機ECU340は、ステップS260により、エンジン停止中に、すなわちモータ停止状態からモータを作動する制御モードの禁止フラグを「オン」する。これにより、たとえば、エンジン始動前に電動過給機を作動させることによって触媒暖機を行なうような制御が禁止される。このような停止状態からのモータ始動をブラシレスDCモータで行なうためには、各相の位相信号が必要となるため、いずれかの相でホールセンサの異常が検出された場合には、このような制御を禁止する必要がある。すなわち、ステップS260の処理は、図15の制御禁止部780に対応する。
さらに、過給機ECU340は、ステップS270により、全相においてホールセンサに異常が発生しているかどうかを判定する。そして、過給機ECU340は、ステップS270のYES判定時には、正常なセンサが1つもないことから、ステップS280により、モータ216の作動を禁止する。
一方、過給機ECU340は、ステップS270のNO判定時、すなわち少なくとも1つの相においてホールセンサが正常である場合には、ステップS290により、異常相のホールセンサ出力を「無効」とするとともに、異常相の回転位相については、正常相のホールセンサ205からのホールセンサ信号に基づき、具体的には正常相のホールセンサ信号をシフトさせることによって検出する制御モードのフラグをオンする。これにより、既にタービンが回転している状態からモータ216を作動させることについては、ホールセンサ205に異常が検知されても正常に実行することが可能となる。
たとえば、図17に示すように、V相およびW相においてホールセンサ205の異常が検出された場合には、正常相であるU相のホールセンサ信号Huを電気角で+120(deg)シフトさせることによりV相のホールセンサ信号Hvを得ることができ、さらに、U相のホールセンサ信号Huを電気角で+240(deg)シフトさせることにより、W相のホールセンサ信号Hwを得ることが可能となる。
以上説明したように実施の形態3による電動過給機の制御装置によれば、車両運転開始時のエンジン始動毎に、ホールセンサの位相検出特性に異常が発生しているかどうかをチェックすることができる。このため、ホールセンサについて、短絡や断線等の機械故障のみでなく、位相検出特性の異常についても早期に発見することができる。
さらに、ホールセンサの位相検出特性に異常が発生した場合には、正常なホールセンサの出力を用いて、異常が発生したホールセンサの出力を用いることなくモータ制御を行なうことが可能となる。また、各相においてホールセンサが正常であることが要求される制御モードについてはその実行を禁止することにより、モータ制御が不安定なものとなることを防止することができる。
なお、本実施の形態では、電動過給機のモータとして三相ブラシレスDCモータを例示したが、本発明の適用はこのような場合に限定されるものではなく、ホールセンサにより回転位相を検出する構成の回転電機に対して共通に本発明を適用することが可能である。
また、本実施の形態では、ロータ回転位相を用いるモータ制御として三相ブラシレスDCモータでの通電位相制御を例示したが、他の形式のモータにおけるロータ回転位相を必要とする他のモータ制御についても、本発明の適用が可能である点について、確認的に記載する。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の実施の形態に係る電動過給機の制御装置によって制御される電動過給機が搭載されるエンジンシステムの構成図である。 図1に示した回転電機(モータ)の通電制御を説明する動作波形図である。 モータ回転数に対するホールセンサ位相角θHの設定マップを説明する概念図である。 モータ回転数に対する通電開始位相角θSの設定マップを説明する概念図である。 過給機ECUによる実施の形態1に従うモータ通電位相制御を説明する機能ブロック図である。 過給機ECUによる実施の形態1に従う回転位相検出の補正値初期学習を説明する機能ブロック図である。 過給機ECUによる実施の形態1に従う回転位相検出の補正値初期学習を説明するフローチャートである。 ホールセンサの温度特性を説明する概念図である。 モータ温度に対するホールセンサ位相角θHの設定マップを説明する概念図である。 モータ温度に対する通電開始位相角θSの設定マップを説明する概念図である。 過給機ECUによる実施の形態2に従うモータ通電位相制御を説明する機能ブロック図である。 過給機ECUによる実施の形態2に従う回転位相検出の補正値初期学習を説明する機能ブロック図である。 過給機ECUによる実施の形態2に従う回転位相検出の補正値初期学習を説明するフローチャートである。 実施の形態3によるホールセンサの異常検出を説明する第1の概念図である。 過給機ECUによる実施の形態3に従うホールセンサの異常検出および異常検出時の制御処理を説明する機能ブロック図である。 過給機ECUによる実施の形態3に従うホールセンサの異常検出を説明するフローチャートである。 実施の形態3によるホールセンサの異常検出により複数個のホールセンサで異常が検出された場合の動作例を示す概念図である。
符号の説明
100 エンジン、102 吸気通路、104 吸気バルブ、106 燃料噴射インジェクタ、108 燃焼室、110 点火プラグ、112 シリンダブロック、114 ピストン、116 コンロッド、118 タイミングロータ、120 クランクシャフト、122 クランクポジションセンサ、124 ベルト、126 オルタネータ、128 排気バルブ、130 排気通路、150 吸入口、152 エアクリーナ、154 エアフローメータ、156,160 吸気通路、158 バイパス通路、162 インタークーラ、164 エアバイパスバルブ、166 スロットルバルブ、168 スロットルモータ、170 吸気管圧力センサ、172 吸気温度センサ、180 排気管、182 触媒、200 電動過給機、202 コンプレッサ、204 タービン、205 ホールセンサ、205♯ 温度センサ、206 コンプレッサホイール、208 タービンホイール、210 シャフト、212 ロータ、214 ステータ、216 モータ(アシストモータ)、250 エンジンECU、300 低圧バッテリ、304 タイミングロータ、310 DC/DCコンバータ、320 高圧バッテリ、330 過給機EDU(インバータ)、340 過給機ECU(制御装置)、350 アクセルペダル、500 変換部、510 モータ回転数算出部、520,520♯ 補正値設定部、530,530♯ 通電位相制御部、540,540♯ 通電開始位相設定部、550 通電信号生成部、600 位相比較部、610 θH0マップ部、620 補正値算出部、700 モータ温度取得部、750 θH判定部、760 異常検出部、770 異常相位相算出部、780 制御禁止部、800 ダイアグモニタ、FL 異常検出フラグ、Hu,Hv,Hw ホールセンサ信号、Nt モータ回転数、Nt1〜Nt5 所定回転数(モータ回転数)、T モータ温度、T1〜T5 所定温度(モータ温度)、Vu 逆起電圧、ΔθH,ΔθH(Nt),ΔθH(T) 補正値、θH,θH(Nt),θH(T) ホールセンサ位相角、θH0,θH0(Nt),θH0(T) ホールセンサ位相角(標準的特性)、θHdet 実測値(位相差)、θHS,θHS(Nt),θHS(T) 通電開始位相角、θHS0,θHS0(Nt),θHS0(T) 通電開始位相角(標準的特性)、θth 正常範囲上限値、θtl 正常範囲下限値。

Claims (12)

  1. 内燃機関の排気を利用して回転することによって前記内燃機関の吸気を圧縮するように構成された過給機と、前記過給機の回転軸と連結されたロータを有する回転電機とを備えた電動過給機の制御装置であって、
    前記回転電機に取り付けられたホールセンサによって検出された回転位相を取得する位相取得手段と、
    前記回転電機の動作状態に応じて、前記回転位相の補正値を可変に設定する補正値設定手段と、
    前記位相取得手段によって算出された前記回転位相に基づき、前記回転電機の動作を制御するためのモータ制御手段とを備え、
    前記モータ制御手段は、前記位相取得手段により取得された回転位相を、前記補正値設定手段により設定された補正値によって補正して前記回転電機の制御に用いる、電動過給機の制御装置。
  2. 前記回転電機の回転数を取得する回転数取得手段をさらに備え、
    前記補正値設定手段は、前記回転数取得手段により取得された回転数に応じて、前記補正値を可変に設定する、請求項1記載の電動過給機の制御装置。
  3. 前記回転電機の温度を取得する温度取得手段をさらに備え、
    前記補正値設定手段は、前記温度取得手段により取得された温度に応じて、前記補正値を可変に設定する、請求項1記載の電動過給機の制御装置。
  4. 前記回転電機の回転数を取得する回転数取得手段と、
    前記回転電機の温度を取得する温度取得手段とをさらに備え、
    前記補正値設定手段は、前記回転数取得手段により取得された回転数および前記温度取得手段により取得された温度の両方に応じて、前記補正値を可変に設定する、請求項1記載の電動過給機の制御装置。
  5. 前記回転電機は、三相ブラシレスDCモータであり、
    前記制御装置は、前記三相ブラシレスDCモータの各相に対して通電制御を行なうためのスイッチング素子を有する駆動ユニットをさらに備え、
    前記モータ制御手段は、
    前記三相ブラシレスDCモータの回転数に応じて、かつ、該回転数での前記補正値設定手段により設定された補正値を反映して、前記三相ブラシレスDCモータの各相での通電開始位相を設定する通電開始位相設定手段と、
    前記通電開始位相設定手段により設定された通電開始位相と、前記位相取得手段によって取得された前記回転位相に基づき、前記駆動ユニットの前記スイッチング素子のオン・オフ位相を制御する通電位相制御手段とを含む、請求項1、2または4記載の電動過給機の制御装置。
  6. 前記三相ブラシレスDCモータの非通電状態時に複数の回転数領域において、前記ホールセンサによって検出された回転位相と、前記三相ブラシレスDCモータのステータ巻線に誘起される逆起電圧の位相との比較により、前記ホールセンサの検出誤差を実測する誤差測定手段と、
    各前記回転数領域において、前記誤差測定手段により測定された前記検出誤差と、予め定められた標準的特性に従う該回転数領域における検出誤差との差分を前記補正値として求める補正値算出手段とをさらに備え、
    前記通電開始位相設定手段は、
    前記標準的特性に従って予め設定された前記回転数に対する通電開始位相の特性を、各前記回転数領域において前記補正値によって修正するとともに、修正された特性に従って、前記三相ブラシレスDCモータの回転数に応じて前記通電開始位相を設定する、請求項5記載の電動過給機の制御装置。
  7. 前記回転電機は、三相ブラシレスDCモータであり、
    前記制御装置は、前記三相ブラシレスDCモータの各相に対して通電制御を行なうためのスイッチング素子を有する駆動ユニットをさらに備え、
    前記モータ制御手段は、
    前記三相ブラシレスDCモータの温度に応じて、かつ、該温度での前記補正値設定手段により設定された補正値を反映して、前記三相ブラシレスDCモータの各相での通電開始位相を設定する通電開始位相設定手段と、
    前記通電開始位相設定手段により設定された通電開始位相と、前記位相取得手段によって取得された前記回転位相に基づき、前記駆動ユニットの前記スイッチング素子のオン・オフ位相を制御する通電位相制御手段とを含む、請求項1、3または4に記載の電動過給機の制御装置。
  8. 前記三相ブラシレスDCモータの非通電状態時に複数の温度領域において、前記ホールセンサによって検出された回転位相と、前記回転電機のステータ巻線に誘起される逆起電圧の位相との比較により、前記ホールセンサの検出誤差を実測する誤差測定手段と、
    各前記温度領域において、前記誤差測定手段により測定された前記検出誤差と、予め定められた標準的特性に従う該温度領域における検出誤差との差分を前記補正値として求める補正値算出手段とをさらに備え、
    前記通電開始位相設定手段は、
    前記標準的特性に従って予め設定された前記温度に対する通電開始位相の特性を、各前記温度領域において前記補正値によって修正するとともに、修正された特性に従って、前記三相ブラシレスDCモータの温度に応じて前記通電開始位相を設定する、請求項7記載の電動過給機の制御装置。
  9. 前記回転電機は、三相ブラシレスDCモータであり、
    前記ホールセンサは、前記三相ブラシレスDCモータの各相に対応して設けられる、請求項1〜8のいずれか1項に記載の電動過給機の制御装置。
  10. 前記回転電機の回転数を取得する回転数取得手段と、
    前記内燃機関の始動後における前記回転電機の非通電状態時に、前記回転電機の所定回転数領域において、前記ホールセンサによって検出された回転位相と、前記回転電機のステータ巻線に誘起される逆起電圧の位相との比較により、前記ホールセンサの検出誤差を実測する誤差測定手段と、
    前記誤差測定手段によって測定された検出誤差が予め定められた正常範囲内であるかどうかを判定する判定手段と、
    前記判定手段によって前記検出誤差が前記正常範囲を外れていると判定されたときに、該ホールセンサの特性異常を検出する異常検出手段とをさらに備える、請求項1記載の電動過給機の制御装置。
  11. 前記回転電機は、三相ブラシレスDCモータであり、
    前記ホールセンサは、前記三相ブラシレスDCモータの各相に対応して設けられ、
    前記制御装置は、
    前記異常検出手段によって前記ホールセンサの特性異常が検出されたときに、該ホールセンサに対応する相の回転位相を、特性異常が非検出である残りの少なくとも1個のホールセンサによって検出された回転位相に基づいて算出する位相算出手段をさらに備え、
    前記モータ制御手段は、前記内燃機関の運転中において、前記特性異常が検出されたホールセンサに対応する相について、前記位相算出手段によって算出された回転位相を前記回転電機の制御に用いる、請求項10記載の電動過給機の制御装置。
  12. 前記回転電機は、三相ブラシレスDCモータであり、
    前記ホールセンサは、前記三相ブラシレスDCモータの各相に対応して設けられ、
    前記制御装置は、
    少なくとも1つの相において前記異常検出手段により前記ホールセンサの特性異常が検出されたときに、前記内燃機関の停止中に前記三相ブラシレスDCモータを作動させる制御の実行を禁止する制御禁止手段をさらに備える、請求項10記載の電動過給機の制御装置。
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