JP4478179B2 - 内燃機関の吸気弁の基準位置を学習するための装置 - Google Patents

内燃機関の吸気弁の基準位置を学習するための装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4478179B2
JP4478179B2 JP2007198843A JP2007198843A JP4478179B2 JP 4478179 B2 JP4478179 B2 JP 4478179B2 JP 2007198843 A JP2007198843 A JP 2007198843A JP 2007198843 A JP2007198843 A JP 2007198843A JP 4478179 B2 JP4478179 B2 JP 4478179B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
learning
value
control shaft
internal combustion
reference position
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2007198843A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009036034A (ja
Inventor
宏文 大原
博仁 井手
洋右 山田
秀治 高宮
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
Priority to JP2007198843A priority Critical patent/JP4478179B2/ja
Publication of JP2009036034A publication Critical patent/JP2009036034A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4478179B2 publication Critical patent/JP4478179B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

この発明は、内燃機関の吸気弁の基準位置を学習するための装置に関する。
従来、或る対象物の回転角度位置をセンサで検出し、該検出した実回転角度位置が目標値になるよう制御することが行われている。このような制御の精度を向上させるため、回転角度位置の基準位置を学習する手法が提案されている。
下記の特許文献1には、スロットルバルブを駆動するモータの回転角度位置の目標値を、スロットルバルブの全閉位置に向けて徐々にシフトさせ、モータが実際に動かなくなったことに応じて、該モータの回転角度位置についてセンサが検出した値を、全閉位置として学習する。
特開平7−247890号公報
内燃機関の吸気弁のリフト量を可変にする機構が提案されている。この機構によれば、吸気弁のリフト量を調整することにより、内燃機関への吸入空気量を制御することができる。当該機構を備える内燃機関において、吸気弁のリフト量を、より良好な精度で制御することが望まれている。
吸気弁の基準位置の学習において、学習される値は、センサの個体バラツキによりばらつく可能性がある。また、経時変化により、該学習値がばらつくこともある。学習値がばらつくと、対象物の基準位置がばらつき、よって、内燃機関の排気、燃費、出力等の制御にばらつきが生じうる。したがって、学習値を、より安定した良好な精度で求めることが望まれている。
また、作動環境の変化に耐性を持つよう基準位置を学習するのが好ましい。上記の従来の手法では、モータの回転角度位置についての目標値を所定量ずつ変更することにより学習を行っているが、作動環境によってモータの出力トルクは変化するおそれがあり、よって、モータによって回転される軸の実際の回転速度が作動環境によってばらつくおそれがある。回転速度がばらつくと、全閉位置として学習される値にばらつきが生じるおそれがある。
したがって、作動環境に依存することなく、吸気弁の基準位置を、より安定した良好な精度で学習することが望まれている。
上記の目的を達成するため、請求項1に係る発明は、制御軸(36)の回転によって吸気弁(40)のリフト量を可変に制御可能な機構(21)を備えた内燃機関(2)において、制御軸の回転角度位置を検出する回転角度位置検出手段(15)と、制御軸の回転速度が、一定の値を持つ目標値に保持されるようフィードバック制御する速度フィードバック制御手段(52)と、上記速度フィードバック制御手段により回転速度を一定に保持しつつ、制御軸を、吸気弁の基準位置に対応して設けられたストッパ(47)に向けて回転駆動する駆動手段(24)と、制御軸の回転速度を検出する速度検出手段(15,52)と、該検出された回転速度と上記目標値との差が所定値以上であるか否かを判断し、該差が所定値以上であるときに該回転角度位置検出手段によって検出された回転角度位置を、該制御軸の基準位置として学習する学習手段(53)と、を備える。
前述したように、作動環境によって、制御軸を駆動するトルクにばらつきが生じるおそれがある。この発明によれば、制御軸の速度は、所望の速度でストッパに到達するよう制御される。したがって、該駆動トルクにばらつきが生じても、制御軸の回転速度が遅すぎてストッパに達しなかったり、該回転速度が速すぎてストッパに強い衝撃力で衝突したりすることを防止することができ、よって、作動環境に依存することなく、基準位置(たとえば、全閉位置、全開位置)を学習することができる。
請求項2に係わる発明は、請求項1に記載の装置において、上記速度フィードバック制御手段、駆動手段および学習手段による処理は、内燃機関の停止後に実行する。内燃機関が停止した状態で学習するので、内燃機関の運転状態の変化に影響されずに、安定的に基準位置を学習することができる。
請求項3に係わる発明は、請求項1または2に記載の装置において、上記速度フィードバック制御手段、駆動手段および学習手段による処理は、内燃機関の雰囲気温度が所定値以上の時、または、前回の学習時からの走行距離が所定値以上の時に開始される。内燃機関の雰囲気温度(後述するように、エンジンのフリクションと相関のある温度であり、たとえばエンジン水温等により表されることができる)が低い時には、フリクションが比較的大きく、よって学習値に誤差が含まれることがありうるが、この発明によれば、そのような誤差を防止することができる。また、走行距離が所定値以上になった時に学習を開始することにより、基準位置を、所定の走行距離単位で更新することができる。
請求項4に係わる発明は、請求項1から3のいずれかに記載の装置において、吸気弁のリフト量を示すリフト量パラメータと、内燃機関の回転数とに基づいて、吸入空気量を推定する吸入空気量推定手段(51)と、該内燃機関の実吸入空気量を検出する手段(8)と、を備え、上記速度フィードバック制御手段、駆動手段および学習手段による処理は、該推定された吸入空気量と実吸入空気量との偏差が所定値以上の時に開始される。
上記偏差が大きいということは、基準位置のばらつきによってリフト量パラメータに何らかの誤差が含まれている可能性がある。したがって、該偏差が大きい時には、基準位置の学習を行う。
請求項5に係わる発明は、請求項1から4のいずれかに記載の装置において、前回学習された基準位置と今回学習された基準位置との間の偏差が所定値以上のとき、今回学習した基準位置が不適切な値であると判定する異常判定手段を備える。
基準位置として学習されるべき値の変化は、比較的小さいものであるべきである。したがって、学習の前回値と今回値の差が大きいときには、今回学習した基準位置が不適切な値であると判断する。このような判断によって、不適切な可能性のある学習値を、その後のプロセスで用いるのを控えることができる。
次に図面を参照してこの発明の実施の形態を説明する。図1は、この発明の一実施形態に従う、内燃機関(以下、エンジンと呼ぶ)およびその制御装置の全体的な構成図である。
電子制御ユニット(以下、「ECU」)という)1は、中央演算処理装置(CPU)およびメモリを備えるコンピュータである。メモリには、車両の様々な制御を実現するためのコンピュータ・プログラムおよび該プログラムの実施に必要なデータ(マップを含む)を格納することができる。ECU1は、車両の各部から信号を受取ると共に、該メモリに記憶されたデータおよびプログラムに従って演算を行い、車両の各部を制御するための制御信号を生成する。
エンジン2は、たとえば4気筒を有するエンジンである。エンジン2には、吸気管3および排気管4が連結されている。吸気管4には、スロットル弁5が設けられている。スロットル弁5の開度は、ECU1からの制御信号に従って制御される。スロットル弁5の開度を制御することにより、エンジン2に吸入される空気の量を制御することができる。スロットル弁5には、スロットル弁の開度を検出するスロットル弁開度(θTH)センサ6が連結されており、この検出値は、ECU1に送られる。
燃料噴射弁7が、エンジン2とスロットル弁5との間であって、エンジン2の吸気弁(図示せず)の少し上流側に、気筒ごとに設けられている。燃料噴射弁7は、図示しない燃料ポンプに接続されている。燃料噴射弁7の燃料噴射時期および燃料噴射量は、ECU1からの制御信号に従って変更される。
スロットル弁の上流には、吸気管3を流れる空気の量を検出するエアフローメータ(AFM)8が設けられている。
スロットル弁5の下流には、吸気管内絶対圧(PBA)センサ10が設けられており、吸気管内の圧力を検出する。また、吸気管内絶対圧センサ10の下流には吸気温(TA)センサ11が設けられており、吸気管内の温度を検出する。これらの検出値は、ECU1に送られる。また、エンジン2には、エンジンの水温TWを検出するためのエンジン水温センサ12が設けられており、該センサの検出値は、ECU1に送られる。
エンジン2には、吸気弁および排気弁のリフト量および開角(開弁期間)を連続的に変更することができる第1の機構21と、吸気弁を駆動するカムのクランク軸を基準とした位相を連続的に変更する第2の機構22とを有する弁作動特性可変装置20を備える。第2の機構22により吸気弁を駆動するカムの位相が変更され、よって吸気弁の位相が変更される。
ECU1には、エンジン1のクランク軸の回転角度を検出するクランク角センサ13およびエンジン1の吸気弁を駆動するカムが連結されたカム軸の回転角度を検出するカム角センサ14が接続されており、これらのセンサの検出値はECU1に供給される。クランク角センサ13は、所定のクランク角度(たとえば30度)毎に1パルス(CRKパルス)を発生し、該パルスにより、クランク軸の回転角度位置を特定することができる。また、カム角センサ14は、エンジン2の特定の気筒の所定クランク角度位置でパルス(CYLパルス)と、各気筒の吸入行程開始時の上死点(TDC)でパルス(TDCパルス)を発生する。これらのパルスは、燃料噴射時期、点火時期等の各種の制御タイミングおよびエンジン回転数NEの検出に使用される。なお、カム角センサ14より出力されるTDCパルスと、クランク角センサ13より出力されるCRKパルスとの相対関係から、カム軸の実際の位相CAINが検出される。
弁作動特性可変装置20には、吸気弁のリフト量を制御する制御軸の回転角度位置を検出するための制御軸回転角度センサ(CSA)センサ15が設けられている。
ECU1は、上記各種センサからの入力信号に応じて、メモリに記憶されたプログラムおよびデータ(マップを含む)に従い、エンジン2の運転状態を検出すると共に、スロットル弁5、燃料噴射弁7、弁作動特性可変装置20を制御するための制御信号を生成する。
図2は、弁作動特性可変装置20のより具体的な構成図を示す。図に示すように、弁可変装置20は、吸気弁のリフト量および開角(以下、単にリフト量と呼ぶ)を連続的に変更することができる第1の機構21と、吸気弁の位相を連続的に変更することができる第2の機構22と、該第1の機構を介して吸気弁のリフト量LFTを連続的に変更するためのモータ23を備えるアクチュエータ24と、該第2の機構を介して吸気弁の位相を連続的に変更するために、その開度が連続的に変更可能な電磁弁25を備えるアクチュエータ26と、を備えている。
吸気弁の位相を示すパラメータとして、吸気弁のカム軸の位相CAINが用いられる。電磁弁25には、オイルパン28の潤滑油がオイルポンプ27により加圧されて供給される。モータ23および電磁弁25は、ECU1からの制御信号に従って作動する。なお、第2の機構22のより具体的な構成は、例えば特開2000−227013号公報に示されている。
図3を参照して、第1の機構21を説明する。(a)に示すように、カム32が設けられたカム軸31と、シリンダヘッドに軸35aを中心として揺動可能に支持されるコントロールアーム35と、コントロールアーム35を揺動させるコントロールカム37が設けられた制御軸36と、コントロールアーム35に支軸33bを介して揺動可能に支持されると共に、カム32に従動して揺動するサブカム33と、サブカム33に従動し、吸気弁40を駆動するロッカーアーム34とを備えている。ロッカーアーム34は、コントロールアーム35内に揺動可能に支持されている。
サブカム33は、カム32に当接するローラ33aを有し、カム軸31の回転により、軸33bを中心として揺動する。ロッカーアーム34は、サブカム33に当接するローラ34aを有し、サブカム33の動きが、ローラ34aを介して、ロッカーアーム34に伝達される。
コントロールアーム35は、コントロールカム37に当接するローラ35bを有し、制御軸36の回転により軸35aを中心として揺動する。(a)に示す状態では、サブカム33の動きはロッカーアーム34にほとんど伝達されないため、吸気弁40はほぼ全閉の状態を維持する。(b)に示す状態では、サブカム33の動きがロッカーアーム34を介して吸気弁40に伝達され、吸気弁40は最大リフト量LFTMAX(たとえば12mm)まで開弁する。
したがって、アクチュエータ24のモータ23(図2)により制御軸36を回転させることにより、吸気弁40のリフト量LFTを連続的に変更することができる。この実施形態では、第1の機構21に、制御軸36の回転角度位置を検出するCSAセンサ15(図1)が設けられており、制御軸36の回転角度位置(CSAを検出する。該検出される回転角度位置CSAが、リフト量LFTを示すパラメータとして使用される。なお、第1の機構21のより詳細な構成は、本出願人による特許出願(特願2006−197254号)に示されている。
図4は、第1および第2の機構21および22の作動特性の一例を示す。(a)に示すように、第1の機構21により、吸気弁のリフト量LFT(および開角)が変更される。(b)に示すように、第2の機構22により、吸気弁は、実線L3およびL4で示す特性を中心として、カムの位相CAINの変化に伴って、波線L1、L2で示す最進角位相から、一点鎖線L5、L6で示す最遅角位相までの間の位相で駆動される。
なお、この発明は、図3および図4に示すような第1の機構21に限定されず、吸気弁のリフト量を可変に制御可能な機構を、任意の適切な手段で実現することができる点に注意されたい。また、上記の例では、図4に示すように、第1の機構によって、リフト量だけでなく開角も変更されるが、リフト量のみを変更するような構成の機構でも、本願発明は適用されうる。
図5は、吸気弁の基準位置を説明するための図である。以下の実施例では、基準位置として、吸気弁の最小リフト量を示す全閉位置を用いるが、この発明は、これに限定されない。基準位置として、吸気弁の最大リフト量を示す全開位置を用いてもよい。
吸気弁40のリフト量LFTを制御する制御軸36は、ウォームギヤ機構を介して、図2で示したモータ23を備えるアクチュエータ24に接続されている。ウォームギヤ機構は、アクチュエータ24のモータ23の出力軸42に固定されて出力軸42と一体的に回転するウォーム43と、制御軸36に固定されて制御軸36と共に回転するウォームホイール44と、から構成されている。ウォームホイール44の外周には、ウォーム43と噛み合うウォームギヤが形成されている。
アクチュエータ24のモータは、ECU1からの制御信号に従って出力軸42を回転駆動し、これにより、ウォームギヤ機構を介して制御軸36を回転駆動する。こうして、制御軸36の回転量を制御することにより、吸気弁40のリフト量LFTを制御する。
制御軸36の外周には、ストッパ46が取り付けられており、該取り付けストッパ46が全閉ストッパ47に達することにより、制御軸36の回転が停止する。全閉ストッパ47は、吸気弁40の最小リフト量位置(全閉位置と呼ぶ)に対応するよう設けられている。
制御軸36の取り付けストッパ46が全閉ストッパ47に達することにより制御軸36の回転が停止したと判断されたときにCSAセンサ15により検出される値が、吸気弁40の全閉位置を示す値として学習される。全閉位置を示す該センサ検出値は、リフト量ひいては吸気量を制御するための基準値となるものである。したがって、より安定した良好な精度で、全閉位置を示す値として該検出値が取得されるのが好ましい。
しかしながら、モータの出力トルクは、熱等の作動環境によって変化するおそれがある。たとえば、(b)に示すように、モータの出力トルクが、制御軸36からの反力より小さいと、制御軸36のストッパ46が全閉ストッパ47に当たることなく回転が停止するおそれがある。この状態で、制御軸36の回転角度位置を全閉位置として学習すると、該学習値に誤差が含まれることとなる。
また、(d)に示すように、モータの出力トルクが、制御軸36からの反力および全閉ストッパ47からの反力の和より大きいと、取り付けストッパ46が勢いよく全閉ストッパ47に当たるおそれがあり、全閉ストッパ47を歪めるおそれがある。この状態で、制御軸36の回転角度位置を全閉位置として学習すると、該学習値に誤差が含まれることとなる。
したがって、(c)に示すように、モータの出力トルクと、制御軸36の反力および全閉ストッパ47の反力の和が釣り合う(バランスする)よう、制御軸36のストッパ46が全閉ストッパ47に着地するのが好ましい。
この発明では、(c)に示すような状態になるよう、全閉位置を学習する際に、制御軸36の全閉ストッパ47への回転を制御する。より具体的には、制御軸36の回転速度すなわち角速度を一定にしつつ、制御軸36を全閉ストッパ47に向けて回転駆動する。角速度が一定である状態で全閉ストッパに当たるので、全閉ストッパに当たることなく回転が停止するという状態を回避することができると共に、全閉ストッパへの衝撃を最小限に抑制することができる。作動環境によって、モータの出力トルクや制御軸の反力等にばらつきがあっても、角速度が一定になるよう制御軸36の回転が制御されるので、所望の精度で全閉位置を学習することができる。
なお、この実施例では、ウォームギヤ機構を用いてモータからの出力トルクを制御軸に伝達しているが、本願発明では、このような機構に限定されず、他の任意の適切な手段によって、制御軸を駆動することができる。
図6は、この発明の一実施形態に従う、吸気弁の基準位置(この実施例では、全閉位置)を学習するための装置の機能ブロック図である。各機能ブロックによる機能は、ECU1において実現されることができる。
実行条件判定部51は、学習のための実行条件が満たされたかどうかを、エンジンの運転状態に従って判断する。一実施形態では、学習は、エンジンが停止している時に開始される。これにより、より安定した学習値を得ることができる。
さらに一実施形態では、前回の学習時からの走行距離が所定値以上になった時に、学習は開始される。これにより、全閉位置を、所定の走行距離ごとに更新することができる。
さらに一実施形態では、AFM8(図1)により検出される実吸入空気量と、吸気弁のリフト量LFTに基づいて推定される推定吸入空気量との差が所定値以上のとき、学習を開始する。AFM8により検出される吸入空気量は、たとえばAFM8の検出値そのものを用いてもよく、または、AFM8の検出値を、所定時間間隔で平均した値を用いてもよい。吸気弁のリフト量LFTに基づいて推定される吸入空気量は、該リフト量LFT(CSAセンサ15から検出される)、エンジン回転数NE、および吸気管圧PBA(吸気管圧力センサ10(図1)により検出される)に基づいて所定のマップ(図示せず)を参照することにより求めることができる。具体的には、エンジン回転数NEおよびリフト量LFTに応じて吸入空気量マップ値が設定されたマップを、吸気管圧PBAの複数の値に対応して複数有し、エンジン回転数NEおよびリフト量LFTに応じて算出された該マップ値を用いて、吸気圧管PBAに応じた補間計算することにより、吸入空気量を推定することができる。該推定値は、リフト量LFTが増加するほど、また吸気管圧PBAが増加するほど、増加するよう設定されている。なお、エンジン回転数NEの増加に対しては、該推定値が増加する領域と、ほとんど変化しない領域と、減少する領域とがある。
AFM8により検出された実吸入空気量と、リフト量LFTに基づいて推定された吸入空気量の偏差が大きいことは、学習値に何らかの誤差が含まれている可能性がある。したがって、このような場合には、走行距離が所定値以上に達していなくても、学習を開始し、より適切な値に学習値を更新するようにする。
さらに一実施形態では、学習は、エンジンの雰囲気温度が所定値以上の時に開始される。エンジンの雰囲気温度が低いときには、フリクションが比較的大きい状態にある。このような状態で全閉位置を学習すると、学習値に誤差を含むおそれがある。したがって、フリクションが低いときに、学習を開始する。
エンジンの雰囲気温度としては、エンジンのフリクションと相関のある温度を用いることができ、より具体的には、エンジンヘッドまたは該ヘッド周辺の温度と相関のある温度を用いることができる。たとえば、水温センサ12(図1)により検出されるエンジン水温TWを、エンジンの雰囲気温度として用いることができる。代替的に、エンジンの潤滑油の温度を検出するセンサを設け、該センサの検出値を用いてもよい。さらに、エンジンヘッドまたはその周辺に他の温度センサを設けて、その検出値を用いてもよい。
学習部50は、角速度FB制御部52と、基準位置学習部53とを含む。角速度FB制御部52は、実行条件判定部51により実行条件が満たされたならば、CSAセンサ15により検出された回転角度位置に基づいて、制御軸36の回転速度すなわち角速度が、一定の値を持つ目標値に保持されるよう、該制御軸36の回転を制御するための指令値(制御信号)を生成し、これをアクチュエータ24(図2,図5)に送る。ここで、制御軸36の実際の回転速度は、CSAセンサ15により所定の時間間隔で回転角度位置を検出し、該回転角度位置の前回値と今回値との差を該時間間隔で除算することにより算出されることができる。また、フィードバック制御には、たとえばPID制御、PI制御、等の任意の適切な制御手法を用いることができる。こうして、制御軸36は、角速度が一定な状態で、全閉ストッパ47に向けて回転駆動される。
基準位置学習部53は、制御軸36が全閉ストッパ47に達したかどうかを判断し、達したと判断したとき、CSAセンサ15により検出された回転角度位置を、全閉位置として学習する。制御軸36が、全閉ストッパ47に達したかどうかは、該制御軸36の実角速度と目標値との偏差が所定値以上のとき、すなわち全閉ストッパに達したことによって回転がほぼ停止したかどうかを判断することによって、見極めることができる。代替的に、実角速度が所定値以下になったとき、回転がほぼ停止したと判断してもよい。実角速度は、CSAセンサ15の検出値の前回値と今回値との差から算出されることができる。
一実施形態では、こうして学習された全閉位置が、適切であるかどうかを判断するようにしてもよい。たとえば、全閉ストッパの位置は固定されているので、学習された全閉位置は、ほとんど変化すべきではないという特性を持つ。したがって、以前に学習した全閉位置の値と、今回学習した全閉位置の値との差が小さいときには、今回学習した全閉位置の値が適正であると判断する。該差が大きいときには、たとえば、弁作動特性可変装置20の構成要素および/またはCSAセンサ等における何らかの異常により、また、学習プロセスを実行中に生じた何らかのエラー(外乱等)により、今回学習した全閉位置の値が不適切であると判断する。
適正と判断された学習値は、たとえば、CSAセンサ15の検出値に基づいてリフト量を算出する際に用いられることができる。たとえば、全閉位置に対応するCSAセンサ検出値が決定されるので、該センサ検出値を基準として、リフト量をより正確に算出することができるようになる。
前述したように、吸気弁40の最大リフト量位置(全開位置)を基準位置として学習してもよく、この場合、該全開位置に対応するようストッパが設けられ、上で説明したのと同様の手法で該全開位置を学習することができる。
図7を参照すると、この発明の一実施形態に従う、学習プロセス中の各種パラメータの挙動を示す。時間t1において、実行条件が満たされたことに応じて、学習が開始される。時間t1〜t2にわたり、制御軸36の角速度が、一定値を持つ目標値に保持されるよう制御される。図に示されるように、モータ23の出力トルクは変動を起こしているが、制御軸36の回転角度位置は、全閉ストッパ47に向けて一定の速度で減少していく。制御軸36が全閉ストッパ47に当たると、角速度が急減する。実角速度と目標値との偏差が所定値を超えた時間t2において、制御軸36が全閉ストッパに到達したと判定する。時間t2における回転角度位置が、全閉位置として学習される。
図8は、この発明の一実施形態に従う、実行条件を判定するプロセスのフローを示す。該プロセスは、所定の時間間隔でECU1のCPUにより実行され、より具体的には、図6の実行条件判定部51により実行される。
ステップS11において、故障診断モードかどうか判断する。故障診断モードは、任意の構成要素(たとえば、エンジン、センサ、他の構成部品等)の故障を診断するモードでよい。故障診断モードにあるときには、様々な故障診断のための処理が実行されており、学習を実行してもエンジンの運転状態への影響は少ない。したがって、ステップS14に進み、学習の実行開始を許可する。
故障診断モードにないとき、ステップS12において学習履歴があるかどうかを判断する。これは、学習が終了した時に値1に設定される学習終了フラグの値を調べることにより判断することができる。また、ステップS13において、エンジンが停止しているかどうか判断する。学習は、より安定した学習値を取得するために、エンジンが停止しているときに行われる。したがって、学習履歴がない場合には、エンジンが停止しているときに、学習の実行開始を許可する。
学習の履歴がある時には、他の条件が満たされた時に、学習の実行開始を許可する。より具体的には、ステップS15において、前回の学習時からの走行距離が所定値以上かどうかを判断する。ステップS18にいて、エンジンが停止しているかどうかを判断する。また、ステップS19において、エンジンの雰囲気温度が所定値以上かどうかを判断する。この実施例では、エンジン水温センサ12(図1)により検出されたエンジン水温を、該雰囲気温度として用いている。エンジン水温が所定値以上のとき、フリクションが比較的低い状態にある。したがって、走行距離が所定値以上であり、エンジンが停止しており、かつエンジン水温が所定値以上のとき、学習の実行開始を許可する(S20)。前述したように、エンジンの雰囲気温度としては、エンジン水温に限定されず、フリクションと相関のある他の温度を用いてもよい。
ステップS16において、前述したように、AFM8(図1)により検出される実吸入空気量と、リフト量に基づいて推定される吸入空気量との偏差が所定値以上かどうか調べる。この判断がYesの場合には、たとえば全閉位置が適切に学習されておらず、よってリフト量が正確に検出されていない可能性がある。したがって、該偏差が所定値以上の時は、たとえ走行距離が所定値以上になっていなくても(S15)、ステップS18およびS19の条件が満たされたことを条件に、学習の実行開始を許可する(S20)。
走行距離が所定値以上でもなく(S15)、かつ吸入空気量の偏差が所定値以上でもないときには(S16)、学習の実行開始を許可しない(S17)。また、エンジンが停止していない時や(S13、S18)、エンジンの雰囲気温度が低いときも(S19)、学習の実行開始を許可しない(S17)。
図9は、学習のプロセスを示すフローである。該プロセスは、所定の時間間隔でECU1のCPUにより実行され、より具体的には、図6の学習部50により実行される。
ステップS31において、図8に示すプロセスにより学習の実行開始が許可されているかどうか判断する。この判断がYesならば、ステップS32に進み、学習を開始する。具体的には、制御軸36の回転角速度を目標値に一定に保持するフィードバック制御を開始し、該制御軸36を全閉ストッパ47に向けて回転駆動する。ステップS33において、実際の回転角速度と、目標値との偏差が、所定値以上かどうか判断する。実際の回転角速度は、CSAセンサ15により、前回のプロセス実行時に検出された回転角度位置と、今回のプロセス実行時に検出された回転角度位置との差を、該プロセスの実行間隔(たとえば、10ミリ秒)で除算することにより、算出することができる。両者の差が所定値以上ということは、制御軸36の回転が全閉ストッパ47に当たって停止しようとしていることを示す。この場合には、ステップS34に進み、CSAセンサ15により検出された回転角度位置を、全閉位置として学習する。ステップS33の判断がNoならば、制御軸36が未だ全閉ストッパ47に当たっていないことを示すので、このプロセスを抜ける。
ステップS35において、前回学習した全閉位置と、今回学習した全閉位置との差が所定値以下かどうかを判断する。この判断がYesの場合には、全閉位置が正常に学習されたと判断し(S36)、今回学習した全閉位置を、その後の任意のプロセスに用いることができる。ステップS37において、学習終了フラグに値1を設定して、このプロセスを抜ける。ステップS35の判断がNoの場合には、全閉位置が適正に学習されなかったと判断する。この場合には、今回学習した全閉位置は無効とされ、その後の任意のプロセスに用いられることはない。
この発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
上記実施形態は、汎用の(例えば、船外機等の)内燃機関に適用可能である。
この発明の一実施例に従う、内燃機関およびその制御装置を概略的に示す図。 この発明の一実施例に従う、弁作動特性可変装置の構成を概略的に示す図。 この発明の一実施例に従う、第1の機構の構成を概略的に示す図。 この発明の一実施例に従う、第1および第2の機構によりリフト量および位相の特性を概略的に示す図。 この発明の一実施例に従う、制御軸の駆動機構を概略的に示す図。 この発明の一実施例に従う、学習装置の機能ブロック図。 この発明の一実施例に従う、学習に関するパラメータの挙動を示す図。 この発明の一実施例に従う、実行条件判定プロセスのフローチャート。 この発明の一実施例に従う、学習プロセスのフローチャート。
符号の説明
1 ECU
2 エンジン
3 吸気管
15 CSAセンサ
20 弁作動特性可変装置
23 モータ
24 アクチュエータ
36 制御軸
40 吸気弁

Claims (5)

  1. 制御軸の回転によって吸気弁のリフト量を可変に制御可能な機構を備えた内燃機関において、
    前記制御軸の回転角度位置を検出する回転角度位置検出手段と、
    前記制御軸の回転速度が、一定の値を持つ目標値に保持されるようフィードバック制御する速度フィードバック制御手段と、
    前記速度フィードバック制御手段により回転速度を一定に保持しつつ、前記制御軸を、該制御軸の基準位置に対応して設けられたストッパに向けて回転駆動する駆動手段と、
    前記制御軸の回転速度を検出する速度検出手段と、
    前記検出された回転速度と前記目標値との差が所定値以上であるか否かを判断し、該差が所定値以上であるときに前記回転角度位置検出手段によって検出された回転角度位置を、該制御軸の基準位置として学習する学習手段と、
    を備える、基準位置学習装置。
  2. 前記速度フィードバック制御手段、前記駆動手段および前記学習手段による処理は、前記内燃機関の停止後に開始される、
    請求項1に記載の装置。
  3. 前記速度フィードバック制御手段、前記駆動手段および前記学習手段による処理は、前記内燃機関の雰囲気温度が所定値以上の時、または、前回の学習時からの走行距離が所定値以上の時に開始される、
    請求項1または2に記載の装置。
  4. 前記吸気弁のリフト量を示すリフト量パラメータと、前記内燃機関の回転数とに基づいて、該内燃機関の吸入空気量を推定する吸入空気量推定手段と、
    前記内燃機関の実吸入空気量を検出する手段と、を備え、
    前記速度フィードバック制御手段、前記駆動手段および前記学習手段による処理は、前記推定された吸入空気量と前記実吸入空気量との偏差が所定値以上の時に開始される、
    請求項1から3のいずれかに記載の装置。
  5. 前回学習された前記基準位置と今回学習された前記基準位置との間の偏差が所定値以上のとき、今回学習した該基準位置が不適切な値であると判定する異常判定手段を備える、
    請求項1から4のいずれかに記載の装置。
JP2007198843A 2007-07-31 2007-07-31 内燃機関の吸気弁の基準位置を学習するための装置 Active JP4478179B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007198843A JP4478179B2 (ja) 2007-07-31 2007-07-31 内燃機関の吸気弁の基準位置を学習するための装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007198843A JP4478179B2 (ja) 2007-07-31 2007-07-31 内燃機関の吸気弁の基準位置を学習するための装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009036034A JP2009036034A (ja) 2009-02-19
JP4478179B2 true JP4478179B2 (ja) 2010-06-09

Family

ID=40438180

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007198843A Active JP4478179B2 (ja) 2007-07-31 2007-07-31 内燃機関の吸気弁の基準位置を学習するための装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4478179B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5396101B2 (ja) * 2009-02-24 2014-01-22 日立オートモティブシステムズ株式会社 可変動弁機構の制御装置
JP2010223035A (ja) * 2009-03-23 2010-10-07 Mitsuba Corp ターボチャージャーの可変ノズル制御装置
EP2660434B1 (en) * 2010-12-27 2018-07-04 Kawasaki Jukogyo Kabushiki Kaisha Reference angle detecting device
JP2015218623A (ja) * 2014-05-15 2015-12-07 日立オートモティブシステムズ株式会社 内燃機関の制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009036034A (ja) 2009-02-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10738691B2 (en) Control device and control method for vehicle drive mechanism
JP4399387B2 (ja) 可変動弁機構の制御装置
JP4196294B2 (ja) 内燃機関の可変バルブタイミング制御装置
CN100516472C (zh) 可变气门系统
JP2002256930A (ja) 内燃機関の吸気制御装置
WO2011013799A1 (ja) 内燃機関の停止制御装置および方法
JP4478179B2 (ja) 内燃機関の吸気弁の基準位置を学習するための装置
JP5316086B2 (ja) 内燃機関の制御装置及び制御方法
JP3822950B2 (ja) 内燃機関用可変バルブタイミング機構の自己診断装置
US8126637B2 (en) Control system for internal combustion engine
JPH10227235A (ja) 内燃機関用バルブタイミング制御装置
JP4029509B2 (ja) 内燃機関の出力可変機構制御装置
JP4380499B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP4092343B2 (ja) 内燃機関用可変バルブタイミング機構の自己診断装置
JP4764186B2 (ja) 可動部材の基準位置学習装置
JP2003120394A (ja) 内燃機関の燃料噴射制御装置
JP2011226331A (ja) 内燃機関の可変動弁装置
JP4594405B2 (ja) 内燃機関の燃料噴射量を制御するための装置
JP4576303B2 (ja) 内燃機関の動弁装置
JP2018003699A (ja) 内燃機関の制御装置及びその制御方法
JP2003090235A (ja) 内燃機関の可変動弁装置
JPH07229409A (ja) バルブタイミング制御装置
JP2011196300A (ja) 内燃機関の可変動弁機構
JP4827801B2 (ja) 内燃機関の動弁制御装置
JP2011169282A (ja) 内燃機関の制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100122

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100309

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100312

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 3

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130319