JP2018003699A - 内燃機関の制御装置及びその制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】制御対象機器の制御精度を向上させる。【解決手段】VCRコントローラ230は、アクチュエータ198の出力軸に対して減速機198Aを介して連結された制御シャフト196の回転角度を、アクチュエータ198の回転角度に対して減速機198Aの減速比を考慮した相対角度として検出する相対角度センサ280の出力値と、制御シャフト196の絶対角度を検出する絶対角度センサ290の出力値と、に基づいてVCR機構190を制御する。このとき、内燃機関100の始動時の絶対角度センサ290の出力値を基点として、相対角度センサ280の出力値から制御シャフト196の回転角度を求め、制御シャフト196の回転角度が第1の所定角度より大きい場合、その回転角度に基づいてVCR機構190を制御し、その回転角度が第1の所定角度以下の場合、絶対角度センサ290の出力値に基づいてVCR機構190を制御する。【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関の制御装置及びその制御方法に関する。
可変圧縮比機構の制御においては、特開2006−226133号公報(特許文献1)に記載されるように、複リンク機構の駆動軸の回転角度から圧縮比を検出する圧縮比センサが使用されている。圧縮比センサは、アクチュエータの出力軸に減速機を介して連結された駆動軸の回転角度を、アクチュエータの回転角度に対して減速機の減速比を考慮した相対角度として検出する相対角度センサと、駆動軸の絶対角度を検出する絶対角度センサと、を含んでいる。そして、内燃機関の始動時に、絶対角度センサの出力値が基点として求められ、その後、基点を考慮して相対角度センサの出力値から駆動軸の回転角度が求められている。
特開2006−226133号公報
ところで、絶対角度センサには、例えば、公差,熱膨張に起因するばらつき、センサ自体の精度に起因するばらつき、コントローラの入力回路に起因するばらつきがある。このため、絶対角度センサにおいては、複数のばらつきが積み上げられることで、絶対角度の検出精度が低下し、基点の精度が低下するおそれがあった。そして、基点の精度が低下すると、基点を考慮して相対角度センサの出力値から求められる駆動軸の回転角度の精度も低下し、例えば、機関運転状態に応じた目標圧縮比に制御することが困難となる。
そこで、本発明は、制御対象機器の制御精度を向上させた、内燃機関の制御装置及びその制御方法を提供することを目的とする。
このため、内燃機関の制御装置は、アクチュエータの出力軸に減速機を介して連結された駆動軸の回転角度を、前記アクチュエータの回転角度に対して前記減速機の減速比を考慮した相対角度として検出する相対角度センサの出力値と、駆動軸の絶対角度を検出する絶対角度センサの出力値と、に基づいて制御対象機器を制御する。このとき、内燃機関の制御装置は、内燃機関の始動時の絶対角度センサの出力値を基点として、相対角度センサの出力値から駆動軸の回転角度を求める。そして、内燃機関の制御装置は、駆動軸の回転角度が第1の所定角度より大きい場合、駆動軸の回転角度に基づいて制御対象機器を制御し、駆動軸の回転角度が第1の所定角度以下である場合、絶対角度センサの出力値に基づいて制御対象機器を制御する。
本発明によれば、制御対象機器の制御精度を向上させることができる。
車両用内燃機関の一例を示すシステム図である。 ストッパ機構の一例を示す部分拡大図である。 基準位置及び作動範囲の学習処理の一例を示すフローチャートである。 学習処理の一例を示すタイムチャートである。 制御シャフトの回転角度と圧縮比との関係の一例を示す線図である。 絶対角度算出処理の一例を示すフローチャートである。 相対角度算出処理の一例を示すフローチャートである。 通常制御処理の第1実施形態を示すフローチャートである。 第1実施形態による制御角度の切替処理の説明図である。 第1実施形態による相対角度の補正処理の説明図である。 通常制御処理の第2実施形態を示すフローチャートである。 通常制御処理の第2実施形態を示すフローチャートである。 第2実施形態による制御角度の切替処理の説明図である。 制御角度の切替処理の変形例を示すフローチャートである。 変形例による制御角度の切替処理の説明図である。 ストッパ機構への干渉を回避する処理を示すフローチャートである。 回避処理による制御角度の切替処理の説明図である。
以下、添付された図面を参照し、本発明を実施するための実施形態について詳述する。
図1は、車両用内燃機関の一例を示す。
内燃機関100は、シリンダブロック110と、シリンダブロック110のシリンダボア112に往復動可能に嵌挿されたピストン120と、吸気ポート130A及び排気ポート130Bが形成されたシリンダヘッド130と、吸気ポート130A及び排気ポート130Bの開口端を開閉する吸気バルブ132及び排気バルブ134と、を有している。
ピストン120は、クランクシャフト140に対して、ロアリンク150A及びアッパリンク150Bを含むコンロッド(コネクティングロッド)150を介して連結されている。そして、ピストン120の冠面120Aとシリンダヘッド130の下面との間に、燃焼室160が形成されている。燃焼室160を形成するシリンダヘッド130の略中央には、燃料と空気との混合気を着火する点火栓170が取り付けられている。
また、内燃機関100は、吸気バルブ132の開期間のクランクシャフト140に対する位相を可変とする可変バルブタイミング(VTC:Valve Timing Control)機構180と、燃焼室160の容積を変更することで、圧縮比を可変とする可変圧縮比(VCR:Variable Compression Ratio)機構190と、を備えている。ここで、VCR機構190が、制御対象機器の一例として挙げられる。
VTC機構180は、例えば、電動モータなどのアクチュエータによって、クランクシャフト140に対する吸気カムシャフト200の位相を変更することで、吸気バルブ132の作動角を一定としたまま、吸気バルブ132の作動角の中心位相を進角又は遅角させる。なお、VTC機構180は、吸気バルブ132の位相に限らず、吸気バルブ132及び排気バルブ134の少なくとも一方の位相を可変とすることもできる。
VCR機構190は、例えば、特開2002−276446号公報に開示されるような複リンク機構によって、燃焼室160の容積を変更させることで、内燃機関100の圧縮比を可変とする。以下、VCR機構190の一例について説明する。
クランクシャフト140は、複数のジャーナル部140Aとクランクピン部140Bとを有し、シリンダブロック110の主軸受(図示せず)に、ジャーナル部140Aが回転自在に支持されている。クランクピン部140Bは、ジャーナル部140Aから偏心しており、ここにロアリンク150Aが回転自在に連結されている。アッパリンク150Bは、下端側が連結ピン152によりロアリンク150Aの一端に回動可能に連結され、上端側がピストンピン154によりピストン120に回動可能に連結されている。コントロールリンク192は、上端側が連結ピン194によりロアリンク150Aの他端に回動可能に連結され、下端側が制御シャフト196を介してシリンダブロック110の下部に回動可能に連結されている。詳しくは、制御シャフト196は、回転可能に機関本体(シリンダブロック110)に支持されていると共に、その回転中心から偏心している偏心カム部196Aを有し、この偏心カム部196Aにコントロールリンク192の下端側が回転可能に嵌合している。制御シャフト196は、電動モータを用いた圧縮比制御アクチュエータ198によって回動位置が制御される。ここで、制御シャフト196が、駆動軸の一例として挙げられる。また、圧縮比制御アクチュエータ198が、アクチュエータの一例として挙げられる。
このような複リンク機構を用いたVCR機構190においては、制御シャフト196が圧縮比制御アクチュエータ198によって回動されると、偏心カム部196Aの中心位置、つまり、機関本体(シリンダブロック110)に対する相対位置が変化する。これにより、コントロールリンク192の下端の搖動支持位置が変化すると、ピストン上死点(TDC)におけるピストン120の位置が高くなったり低くなったりして、燃焼室160の容積が増減し、内燃機関100の圧縮比が変更される。このとき、圧縮比制御アクチュエータ198の作動を停止させると、ピストン120の往復動によって、制御シャフト196の偏心カム部196Aに対してコントロールリンク192が回転し、圧縮比が低圧縮側へと推移する。
VCR機構190には、図2に示すように、通常の制御範囲を越えて制御シャフト196が回転したときに、その変位(回転)を規制するストッパ機構210が取り付けられている。ストッパ機構210は、制御シャフト196に要の部分が固定された略扇形状の第1の部材210Aと、シリンダブロック110に固定された板形状の第2の部材210Bと、を有する。第1の部材210Aは、制御シャフト196と一体となって回転する。第2の部材210Bは、通常の制御範囲である最高圧縮比(上限)又は最低圧縮比(下限)を越えて制御シャフト196が回転したときに、第1の部材210Aの中心角を規定する2辺と当接し、機構部材の一例である制御シャフト196の変位を規制する。ここで、ストッパ機構210は、制御シャフト196が通常の制御範囲を越えたときに機能するため、通常制御においては第1の部材210Aと第2の部材210Bとが当接することがなく、例えば、異音発生などを抑制することができる。なお、ストッパ機構210は、制御シャフト196の変位を規制するだけでなく、後述するように、制御シャフト196の基準位置を学習するためにも使用される。
ストッパ機構210としては、制御シャフト196の回転に関して、最高圧縮比側及び最低圧縮比側の少なくとも一方の変位を規制できればよい。また、ストッパ機構210は、略扇形状の第1の部材210A及び板形状の第2の部材210Bに限らず、他の形状をなす2つ以上の部材によって制御シャフト196の変位を規制できればよい。
VTC機構180及びVCR機構190は、マイクロコンピュータなどのプロセッサを内蔵した、VTCコントローラ220及びVCRコントローラ230によって夫々電子制御される。VTCコントローラ220及びVCRコントローラ230は、例えば、車載ネットワークの一例であるCAN(Controller Area Network)240を介して、内燃機関100を電子制御する、マイクロコンピュータなどのプロセッサを内蔵したエンジンコントローラ250に接続されている。従って、VTCコントローラ220、VCRコントローラ230及びエンジンコントローラ250の間では、CAN240を介して任意のデータを送受信できる。なお、車載ネットワークとしては、CAN240に限らず、FlexRay(登録商標)などの公知のネットワークを使用することができる。ここで、VCRコントローラ230が、制御装置の一例として挙げられる。
エンジンコントローラ250には、内燃機関100の運転状態の一例として、内燃機関100の回転速度Neを検出する回転速度センサ260、及び、内燃機関100の負荷Qを検出する負荷センサ270の各出力信号が入力されている。ここで、内燃機関100の負荷Qとしては、例えば、吸気負圧、吸気流量、過給圧力、アクセル開度、スロットル開度など、トルクと密接に関連する状態量を使用することができる。エンジンコントローラ250は、例えば、回転速度及び負荷に適合した目標値が設定されたマップを参照し、内燃機関100の回転速度Ne及び負荷Qに応じた、VTC機構180の目標角度及びVCR機構190の目標圧縮比を夫々求める。そして、エンジンコントローラ250は、CAN240を介して、目標角度及び目標圧縮比をVTCコントローラ220及びVCRコントローラ230へと夫々送信する。なお、エンジンコントローラ250は、回転速度センサ260及び負荷センサ270の各出力信号に限らず、CAN240を介して接続された他のコントローラ(図示せず)から内燃機関100の回転速度Ne及び負荷Qを読み込むこともできる。
目標角度を受信したVTCコントローラ220は、図示しないセンサにより検出された実際の角度(実角度)が目標角度に収束するように、VTC機構180のアクチュエータに出力する駆動電流を制御する。また、目標圧縮比を受信したVCRコントローラ230は、後述するセンサにより検出された実際の圧縮比(実圧縮比)が目標圧縮比に収束するように、VCR機構190の圧縮比制御アクチュエータ198に出力する駆動電流を制御する。このようにすることで、VTC機構180及びVCR機構190は、内燃機関100の運転状態に応じた目標値に制御される。
内燃機関100の実圧縮比を検出する圧縮比センサは、圧縮比制御アクチュエータ198の出力軸に減速機198Aを介して連結された制御シャフト196の回転角度を、圧縮比制御アクチュエータ198の回転角度に対して減速機198Aの減速比を考慮した相対角度として検出する相対角度センサ280と、制御シャフト196の絶対角度を検出する絶対角度センサ290と、を含む。ここで、相対角度センサ280は、例えば、圧縮比制御アクチュエータ198に内蔵されたレゾルバセンサなどからなり、その出力軸の回転角度を0〜360°の範囲で検出する。また、絶対角度センサ290は、例えば、制御シャフト196に付設されたレゾルバセンサなどからなり、その回転角度を0〜360°の範囲で検出する。
そして、VCRコントローラ230は、機関始動時の絶対角度センサ290の出力値を基点として、相対角度センサ280の出力値から制御シャフト196の回転角度、要するに、内燃機関100の圧縮比を検出する。これは、相対角度センサ280は、分解能が高い反面、例えば、同一位相の0°と360°とを区別できず、また、絶対角度センサ290は、制御シャフト196の絶対角度を検出できる反面、分解能が低いためである。
なお、相対角度センサ280及び絶対角度センサ290は、夫々、相対角度検出手段及び絶対角度検出手段の一例として挙げられる。但し、相対角度検出手段としては、圧縮比制御アクチュエータ198の操作量から、制御シャフト196の相対角度を間接的に検出することもできる。
VCRコントローラ230は、例えば、車両の組立工場において、CAN240に接続された診断ツールから出力される初期化要求フラグがLOWからHIになったことを契機として、制御の基準位置を学習する。即ち、VCRコントローラ230は、内燃機関100の圧縮比を高圧縮比側へと変化させ、制御シャフト196が、ストッパ機構210により高圧縮比側への変位が規制された状態となったときに、絶対角度センサ290の出力値を基準位置として設定する。この基準位置は、その後の制御で参照され得るため、例えば、フラッシュROM(Read Only Memory)などの不揮発性メモリに書き込まれる。
図3は、VCRコントローラ230のプロセッサが、不揮発性メモリに格納された制御プログラムに従って実行する、基準位置及び作動範囲の学習処理の一例を示す。なお、この学習処理は、診断ツールの初期化要求フラグがLOWからHIになったことを契機とする他、例えば、車両が所定時間又は所定距離走行したことを契機として、セルフシャットダウン中に実行することもできる。
ステップ1(図では「S1」と略記する。以下同様。)では、VCRコントローラ230のプロセッサが、例えば、VCR機構190の圧縮比制御アクチュエータ198に駆動信号を出力することで、内燃機関100の圧縮比が高圧縮比側に推移されるように圧縮比制御アクチュエータ198を回転させる。このとき、VCRコントローラ230のプロセッサは、例えば、速度フィードバック制御により圧縮比制御アクチュエータ198の回転を制御する(以下同様)。
ステップ2では、VCRコントローラ230のプロセッサが、例えば、相対角度センサ280の出力値が変化したか否かを介して、圧縮比制御アクチュエータ198が停止したか否かを判定する。圧縮比制御アクチュエータ198が停止したときには、ストッパ機構210の第1の部材210Aが第2の部材210Bに当接し、高圧縮比側への制御シャフト196の変位が規制された状態となっている。そして、VCRコントローラ230のプロセッサは、圧縮比制御アクチュエータ198が停止したと判定すれば処理をステップ3へと進める一方(Yes)、圧縮比制御アクチュエータ198が停止していないと判定すれば処理をステップ1へと戻す(No)。
ステップ3では、VCRコントローラ230のプロセッサが、例えば、内蔵された計時機能を利用して、圧縮比制御アクチュエータ198が停止してから第1の所定時間経過したか否かを判定する。ここで、第1の所定時間は、高圧縮比側への制御シャフト196の変位が確実に規制された状態となるまでの時間を確保するものであって、例えば、圧縮比制御アクチュエータ198の出力特性及び減速比などに応じて適宜設定することができる。そして、VCRコントローラ230のプロセッサは、第1の所定時間経過したと判定すれば処理をステップ4へと進める一方(Yes)、第1の所定時間経過していないと判定すれば待機する(No)。
ステップ4では、VCRコントローラ230のプロセッサが、絶対角度センサ290の出力値を不揮発性メモリに書き込む。即ち、ストッパ機構210の第1の部材210Aが第2の部材210Bに押し付けられた状態では、制御シャフト196の絶対角度が一意に特定可能であるため、その状態における絶対角度センサ290の出力値を基準位置(0°)として学習する。
ステップ5では、VCRコントローラ230のプロセッサが、例えば、VCR機構190の圧縮比制御アクチュエータ198に駆動信号を出力することで、内燃機関100の圧縮比が低圧縮比側に推移されるように圧縮比制御アクチュエータ198を回転させる。
ステップ6では、VCRコントローラ230のプロセッサが、例えば、相対角度センサ280の出力値が変化したか否かを介して、圧縮比制御アクチュエータ198が停止したか否かを判定する。圧縮比制御アクチュエータ198が停止したときには、ストッパ機構210の第1の部材210Aが第2の部材210Bに当接し、低圧縮比側への制御シャフト196の変位が規制された状態となっている。そして、VCRコントローラ230のプロセッサは、圧縮比制御アクチュエータ198が停止したと判定すれば処理をステップ7へと進める一方(Yes)、圧縮比制御アクチュエータ198が停止していないと判定すれば処理をステップ5へと戻す(No)。
ステップ7では、VCRコントローラ230のプロセッサが、例えば、内蔵された計時機能を利用して、圧縮比制御アクチュエータ198が停止してから第2の所定時間経過したか否かを判定する。ここで、第2の所定時間は、低圧縮比側への制御シャフト196の変位が確実に規制された状態となるまでの時間を確保するものであって、例えば、圧縮比制御アクチュエータ198の出力特性及び減速比などに応じて適宜設定することができる。この第2の所定時間は、第1の所定時間と同一であってもよく、第1の所定時間と異なっていてもよい。そして、VCRコントローラ230のプロセッサは、第2の所定時間経過したと判定すれば処理をステップ8へと進める一方(Yes)、第2の所定時間経過していないと判定すれば待機する(No)。
ステップ8では、VCRコントローラ230のプロセッサが、制御シャフト196の作動範囲として、圧縮比の高圧縮比側への変位が規制された状態と圧縮比の低圧縮比側への変位が規制された状態とにより画定される範囲を設定し、これを不揮発性メモリに書き込む。この作動範囲は、例えば、制御シャフト196が作動範囲を越えて回転しようとすることを抑制し、圧縮比制御アクチュエータ198の発熱量、消費電力などを低減することに寄与する。
かかる学習処理によれば、図4に示すように、診断ツールから出力される初期化要求フラグがLOWからHIになると、VCR機構190の制御シャフト196が高圧縮比側に回転し、相対角度センサ280及び絶対角度センサ290の各出力値が高圧縮比側の変位規制位置に向かって徐々に変化し始める。制御シャフト196が高圧縮比側の規制位置に向かって変化した結果、ストッパ機構210の第1の部材210Aが第2の部材210Bに当接し、高圧縮比側への変位が規制された状態で第1の所定時間経過すると、絶対角度センサ290の出力値が基準位置として学習(記憶)される。
基準位置の学習が完了すると、VCR機構190の制御シャフト196が低圧縮比側に回転し、相対角度センサ280及び絶対角度センサ290の各出力値が低圧縮比側の変位規制位置に向かって徐々に変化し始める。制御シャフト196が低圧縮比側の規制位置に向かって変化した結果、ストッパ機構210の第1の部材210Aが第2の部材210Bに当接し、低圧縮比側への変位が規制された状態で第2の所定時間経過すると、圧縮比制御アクチュエータ198の作動範囲が設定される。
ここで、VCR機構190の制御概要について説明する。
VCRコントローラ230は、内燃機関100の始動時の絶対角度センサ290の出力値を基点として、相対角度センサ280の出力値から制御シャフト196の回転角度を求める。そして、VCRコントローラ230は、制御シャフト196の回転角度が目標圧縮比に応じた目標角度となるように、圧縮比制御アクチュエータ198をフィードバック制御する。
絶対角度センサ290は分解能が低いため、その出力値から求められた基点には、真値に対してプラス側又はマイナス側にオフセットした、その分解能に応じた誤差が含まれている。制御シャフト196の回転角度と内燃機関100の圧縮比との関係が、図5に示すように、制御シャフト196の回転角度が小さくなるに伴って、圧縮比が非線形に大きくなる場合を考える。基点にプラス側の誤差が含まれていると、これから求められた制御シャフト196の回転角度も真値より大きくなり、最大圧縮比になっているにもかかわらず、制御シャフト196の回転角度をさらに小さくしようと制御されてしまう。この場合、誤差の大きさによっては、制御シャフト196がストッパ機構210によって変位が規制されている状態にあるにもかかわらず、圧縮比制御アクチュエータ198の作動が継続されてしまうおそれがある。
そこで、VCRコントローラ230は、以下に詳細を説明するように、内燃機関100の始動時の絶対角度センサ290の出力値を基点として、相対角度センサ280の出力値から求められた制御シャフト196の回転角度が第1の所定角度(所定角度)より大きい場合、この回転角度に基づいてVCR機構190を制御する。また、VCRコントローラ230は、制御シャフト196の回転角度が第1の所定角度以下である場合、この回転角度に代えて、絶対角度センサ290の出力値に基づいてVCR機構190を制御する。
図6は、VCRコントローラ230のプロセッサが、絶対角度センサ290の出力値から制御シャフト196の回転角度(絶対角度θa)を算出する絶対角度算出処理の一例を示す。なお、VCRコントローラ230のプロセッサは、所定時間t1ごとに繰り返し、又は、絶対角度θaを参照するたびに、絶対角度算出処理を実行する。
ステップ11では、VCRコントローラ230のプロセッサが、不揮発性メモリから基準位置を読み込む。
ステップ12では、VCRコントローラ230のプロセッサが、絶対角度センサ290の出力値を読み込む。
ステップ13では、VCRコントローラ230のプロセッサが、基準位置を考慮して、絶対角度センサ290の出力値から絶対角度θaを算出する。
かかる絶対角度算出処理によれば、学習済みの基準位置を考慮して、絶対角度センサ290の出力値から絶対角度θaが求められる。
図7は、VCRコントローラ230のプロセッサが、相対角度センサ280の出力値から制御シャフト196の回転角度(相対角度θr)を算出する相対角度算出処理の一例を示す。なお、VCRコントローラ230のプロセッサは、所定時間t2ごとに繰り返し、又は、相対角度θrを参照するたびに、相対角度算出処理を実行する。ここで、所定時間t2は、所定時間t1と同一でもよく、また、所定時間t1と異なっていてもよい。
ステップ21では、VCRコントローラ230のプロセッサが、制御シャフト196の絶対角度θaが算出済みであるか否かを判定する。即ち、絶対角度θaが算出されていなければ、これを基点とした相対角度θrを算出することができないため、VCRコントローラ230のプロセッサは、相対角度θrを算出するために必要な絶対角度θaが算出済みであるか否かを判定する。そして、VCRコントローラ230のプロセッサは、絶対角度θaが算出済みであると判定すれば処理をステップ22へと進める一方(Yes)、絶対角度θaが算出されていないと判定すれば処理を終了させる(No)。
ステップ22では、VCRコントローラ230のプロセッサが、VCRコントローラ230の起動後の初回の処理であるか否かを判定する。ここで、初回の処理であるか否かは、例えば、初回の処理であることを示すフラグによって判定できる。そして、VCRコントローラ230のプロセッサは、初回の処理であると判定すれば処理をステップ23へと進める一方(Yes)、初回の処理でない(2回目以降の処理)と判定すれば処理をステップ24へと進める(No)。
ステップ23では、VCRコントローラ230のプロセッサが、制御シャフト196の相対角度θrとして絶対角度θaを採択する(相対角度θr=絶対角度θa)。
ステップ24では、VCRコントローラ230のプロセッサが、相対角度センサ280の出力値を読み込む。
ステップ25では、VCRコントローラ230のプロセッサが、例えば、今回の処理における相対角度センサ280の出力値から前回の処理における相対角度センサ280の出力値を減算することで、相対角度センサ280の出力変化量を算出する。
ステップ26では、VCRコントローラ230のプロセッサが、例えば、相対角度センサ280の出力変化量に減速機198Aの減速比を乗算することで、角度変化量を算出する。
ステップ27では、VCRコントローラ230のプロセッサが、例えば、算出済みの相対角度θrに角度変化量を加算することで、制御シャフト196の相対角度θrを更新する。要するに、VCRコントローラ230のプロセッサは、前回の処理において算出した相対角度θrに対して、前回の処理から今回の処理までの間に変化した角度変化量を加算することで、最新の相対角度θrを算出する。
かかる相対角度算出処理によれば、VCRコントローラ230の起動後の初回の処理であれば、制御シャフト196の相対角度θrとして絶対角度θaが採択される。即ち、初回の処理においては、相対角度θrを算出する基点として、絶対角度θaが採用される。そして、その後の相対角度算出処理においては、この基点を考慮して、相対角度センサ280の出力値の変化から角度変化量が算出され、前回の処理において算出された相対角度θrに角度変化量を加算することで、最新の相対角度θrが逐次算出される。
図8は、VCRコントローラ230のプロセッサが所定時間Δtごとに繰り返し実行する、VCR機構190の通常制御処理の第1実施形態を示す。なお、第1実施形態の前提として、制御シャフト196の相対角度θrを補正したか否かを示す、補正フラグが未補正になっているものとする(以下同様)。
ステップ31では、VCRコントローラ230のプロセッサが、制御シャフト196の相対角度θrが第1の所定角度θ1以下であるか否かを判定する。ここで、第1の所定角度θ1は、基点に最大誤差が含まれていても、通常制御範囲において(図2参照)、制御シャフト196がストッパ機構210に当たらない回転角度を規定する閾値であって、例えば、絶対角度センサ290の出力誤差及び余裕などを考慮して適宜設定することができる。そして、VCRコントローラ230のプロセッサは、相対角度θrが第1の所定角度θ1以下、即ち、制御シャフト196がストッパ機構210に当たる可能性があると判定すれば、処理をステップ32へと進める(Yes)。一方、VCRコントローラ230のプロセッサは、相対角度θrが第1の所定角度より大きい、即ち、制御シャフト196がストッパ機構210に当たる可能性がないと判定すれば、処理をステップ33へと進める(No)。
ステップ32では、VCRコントローラ230のプロセッサが、制御シャフト196の絶対角度θaに基づいて、圧縮比制御アクチュエータ198を制御する。具体的には、VCRコントローラ230のプロセッサは、制御シャフト196の絶対角度θaが目標圧縮比に応じた目標角度に収束するように、圧縮比制御アクチュエータ198の操作量をフィードバック制御する。
ステップ33では、VCRコントローラ230のプロセッサが、制御シャフト196の相対角度θrに基づいて、圧縮比制御アクチュエータ198を制御する。具体的には、VCRコントローラ230のプロセッサは、制御シャフト196の相対角度θrが目標圧縮比に応じた目標角度に収束するように、圧縮比制御アクチュエータ198の操作量をフィードバック制御する。
ステップ34では、VCRコントローラ230のプロセッサが、制御シャフト196の絶対角度θaが通常制御範囲の下限(制御下限)であるか否かを判定する。ここで、制御下限は、内燃機関100の圧縮比が最大になっているか否かを判定するための閾値であって、例えば、VCR機構190の作動特性に応じて適宜設定することができる。そして、VCRコントローラ230のプロセッサは、絶対角度θaが制御下限であると判定すれば処理をステップ35へと進める一方(Yes)、絶対角度θaが制御下限より大きいと判定すれば処理を終了させる(No)。
ステップ35では、VCRコントローラ230のプロセッサが、制御シャフト196の絶対角度θaが制御下限である状態が所定時間持続しているか否かを判定する。ここで、所定時間は、制御シャフト196が目標角度に収束されているか否かを判定するための閾値であって、例えば、VCR機構190の作動特性及び絶対角度センサ290の出力特性を考慮して適宜設定することができる。そして、VCRコントローラ230のプロセッサは、絶対角度θaが制御下限である状態が所定時間継続していると判定すれば処理をステップ36へと進める一方(Yes)、絶対角度θaが制御下限である状態が所定時間持続していないと判定すれば処理を終了させる(No)。
ステップ36では、VCRコントローラ230のプロセッサが、補正フラグを参照することで、制御シャフト196の相対角度θrが未補正であるか否かを判定する。そして、VCRコントローラ230のプロセッサは、相対角度θrが未補正であると判定すれば処理をステップ37へと進める一方(Yes)、相対角度θrが補正済みであると判定すれば処理を終了させる(No)。
ステップ37では、VCRコントローラ230のプロセッサが、制御シャフト196の相対角度θrとして絶対角度θaを採択する。
ステップ38では、VCRコントローラ230のプロセッサが、補正フラグを補正済みに変更する。
かかる通常制御処理の第1実施形態によれば、図9に示すように、制御シャフト196の相対角度θrが第1の所定角度θ1より大きければ、通常制御範囲において、制御シャフト196がストッパ機構210に当たる可能性がないため、相対角度θrに基づいて圧縮比制御アクチュエータ198が制御される(同図の太線参照)。一方、制御シャフト196の相対角度θrが第1の所定角度θ1以下であれば、通常制御範囲において、制御シャフト196がストッパ機構210に当たる可能性があるため、相対角度θrに代えて、絶対角度θaに基づいて圧縮比制御アクチュエータ198が制御される(同図の太線参照)。
従って、制御シャフト196の相対角度θrが第1の所定角度θ1以下の場合、誤差を含んだ基点を考慮しない、制御シャフト196の絶対角度θaが採択されるので、制御シャフト196の回転角度の検出精度を向上させることができる。そして、制御シャフト196の回転角度の検出精度が向上することから、VCR機構190の制御精度が向上すると共に、吸気バルブ132及び排気バルブ134とピストン120との干渉を抑制することができる。
また、制御シャフト196の絶対角度θaが制御下限である状態が所定時間持続すると、相対角度θrが未補正である場合に限り、図10に示すように、相対角度θrとして絶対角度θaが再設定される。即ち、上記条件が成立した場合、そのときの絶対角度θaを初期値として相対角度θrを補正することで、基点の誤差が小さくなり、制御シャフト196の回転角度の検出精度をさらに向上させることができる。なお、相対角度θrを補正した後では、その検出精度が向上していることから、相対角度θrのみに基づいて圧縮比制御アクチュエータ198を制御するようにしてもよい。
ところで、制御シャフト196の相対角度θrが徐々に小さくなって第1の所定角度θ1に達したときに、制御シャフト196の回転角度として、相対角度θrから絶対角度θaへと切り替えると、図9に示すように、制御シャフト196の回転角度が連続しない段差が生じてしまう。そこで、以下で説明するように、制御シャフト196の相対角度θrが第1の所定角度θ1より大きくかつこれよりも大きい第2の所定角度θ2未満である場合、制御シャフト196の回転角度を徐々に変化させることで、切替時の段差を小さくすることができる。
図11及び図12は、VCRコントローラ230のプロセッサが所定時間Δtごとに繰り返し実行する、VCR機構190の通常制御処理の第2実施形態を示す。なお、先の第1実施形態と共通する処理については、重複説明を排除する目的で、その説明を簡略化する。必要があれば、第1実施形態の説明を参照されたい(以下同様)。
ステップ41では、VCRコントローラ230のプロセッサが、制御シャフト196の相対角度θrが第1の所定角度θ1以下であるか否かを判定する。そして、VCRコントローラ230のプロセッサは、相対角度θrが第1の所定角度θ1以下であると判定すれば処理をステップ42へと進める一方(Yes)、相対角度θrが第1の所定角度θ1より大きいと判定すれば処理をステップ48へと進める(No)。
ステップ42では、VCRコントローラ230のプロセッサが、圧縮比制御アクチュエータ198を制御するための制御角度θとして、制御シャフト196の絶対角度θaを採択する(制御角度θ=絶対角度θa)。
ステップ43では、VCRコントローラ230のプロセッサが、制御シャフト196の絶対角度θaが制御下限であるか否かを判定する。そして、VCRコントローラ230のプロセッサは、絶対角度θaが制御下限であると判定すれば処理をステップ44へと進める一方(Yes)、絶対角度θaが制御下限より大きいと判定すれば処理をステップ51へと進める(No)。
ステップ44では、VCRコントローラ230のプロセッサが、制御シャフト196の絶対角度θaが制御下限である状態が所定時間持続しているか否かを判定する。そして、VCRコントローラ230のプロセッサは、絶対角度θaが制御下限である状態が所定時間持続していると判定すれば処理をステップ45へと進める一方(Yes)、絶対角度θaが制御下限である状態が所定時間持続していないと判定すれば処理をステップ51へと進める(No)。
ステップ45では、VCRコントローラ230のプロセッサが、制御シャフト196の相対角度θrが未補正であるか否かを判定する。そして、VCRコントローラ230のプロセッサは、相対角度θrが未補正であると判定すれば処理をステップ46へと進める一方(Yes)、相対角度θrが補正済みであると判定すれば処理をステップ51へと進める(No)。
ステップ46では、VCRコントローラ230のプロセッサが、制御シャフト196の相対角度θrとして絶対角度θaを採択する。
ステップ47では、VCRコントローラ230のプロセッサが、補正フラグを補正済みに変更する。その後、VCRコントローラ230のプロセッサは、処理をステップ51へと進める。
ステップ48では、VCRコントローラ230のプロセッサが、制御シャフト196の相対角度θrが第2の所定角度θ2未満であるか否かを判定する。そして、VCRコントローラ230のプロセッサは、相対角度θrが第2の所定角度θ2未満であると判定すれば処理をステップ49へと進める一方(Yes)、相対角度θrが第2の所定角度θ2以上であると判定すれば処理をステップ50へと進める(No)。
ステップ49では、VCRコントローラ230のプロセッサが、例えば、以下に示す式から、制御シャフト196の相対角度θrに応じて、制御シャフト196の回転角度を徐々に変化させる制御角度θ(中間値)を算出する。なお、以下の式において、θr(θ2)は、回転角度がθ2であるときの相対角度θr、θa(θ1)は、回転角度がθ1であるときの絶対角度θaを表す。
制御角度θ=C1−C2(θ2−θr)
C1=θr(θ2)
C2={θr(θ2)−θa(θ1)}/(θ2−θ1)
ステップ50では、VCRコントローラ230のプロセッサが、圧縮比制御アクチュエータ198を制御する制御角度θとして、制御シャフト196の相対角度θrを採択する(制御角度θ=相対角度θr)。
ステップ51では、VCRコントローラ230のプロセッサが、制御シャフト196の制御角度θに基づいて、圧縮比制御アクチュエータ198を制御する。具体的には、VCRコントローラ230のプロセッサは、制御シャフト196の制御角度θが目標圧縮比に応じた目標角度に収束するように、圧縮比制御アクチュエータ198の操作量をフィードバック制御する。
かかる通常制御処理の第2実施形態によれば、図13に示すように、制御シャフト196の相対角度θrが第1の所定角度θ1より大きくかつ第2の所定角度θ2未満の場合、圧縮比制御アクチュエータ198を制御するための制御角度θが徐々に変化する(太線参照)。このため、相対角度θrから絶対角度θaへと切り替えるときの段差が小さくなり、圧縮比制御アクチュエータ198の制御性を向上させることができる。なお、他の作用及び効果については、先の第1実施形態と同様であるので、その説明は省略する。必要があれば、第1実施形態の説明を参照されたい。
切替時の段差を小さくするためには、図12の処理に代えて、次のように、制御シャフト196の相対角度θrが第1の所定角度θ1より大きくかつ第2の所定角度θ2未満の範囲において、相対角度θrと絶対角度θaのうち小さいものを採択してもよい。
図14は、切替時の段差を小さくする変形例の一例を示す。
ステップ48では、VCRコントローラ230のプロセッサが、制御シャフト196の相対角度θrが第2の所定角度θ2未満であるか否かを判定する。そして、VCRコントローラ230のプロセッサは、相対角度θrが第2の所定角度θ2未満であると判定すれば処理をステップ49へと進める一方(Yes)、相対角度θrが第2の所定角度θ2以上であると判定すれば処理をステップ50’へと進める(No)。
ステップ49では、VCRコントローラ230のプロセッサが、制御シャフト196の相対角度θrが絶対角度θa未満であるか否かを判定する。そして、VCRコントローラ230のプロセッサは、相対角度θrが絶対角度θa未満であると判定すれば処理をステップ50へと進める一方(Yes)、相対角度θrが絶対角度θa以上であると判定すれば処理をステップ50’へと進める(No)。
ステップ50では、VCRコントローラ230のプロセッサが、圧縮比制御アクチュエータ198を制御する制御角度θとして、制御シャフト196の相対角度θrを採択する(制御角度θ=相対角度θr)。
ステップ50’では、VCRコントローラ230のプロセッサが、圧縮比制御アクチュエータ198を制御する制御角度θとして、制御シャフト196の絶対角度θaを採択する(制御角度θ=絶対角度θa)。
かかる変形例によれば、図15に示すように、制御シャフト196の相対角度θrが第1の所定角度θ1より大きくかつ第2の所定角度θ2未満の場合、相対角度θrと絶対角度θaのうち小さい角度に基づいて、圧縮比制御アクチュエータ198がフィードバック制御される(太線参照)。このため、制御負荷の増加を抑制しつつ、相対角度θrから絶対角度θaへと切り替えるときの段差を小さくすることができる。
ところで、制御シャフト196がストッパ機構210に当たることのみを回避するのであれば、図16に示すように、通常制御範囲の全域において、制御シャフト196の相対角度θrと絶対角度θaのうち小さい角度に基づいて、圧縮比制御アクチュエータ198を制御してもよい。
ステップ61では、VCRコントローラ230のプロセッサが、制御シャフト196の相対角度θrが絶対角度θa未満であるか否かを判定する。そして、VCRコントローラ230のプロセッサは、相対角度θrが絶対角度θa未満であると判定すれば処理をステップ62へと進める一方(Yes)、相対角度θrが絶対角度θa以上であると判定すれば処理をステップ63へと進める(No)。
ステップ62では、VCRコントローラ230のプロセッサが、制御シャフト196の相対角度θrに基づいて、圧縮比制御アクチュエータ198を制御する。
ステップ63では、VCRコントローラ230のプロセッサが、制御シャフト196の絶対角度θaに基づいて、圧縮比制御アクチュエータ198を制御する。
このようにすれば、図17に示すように、制御シャフト196の相対角度θrと絶対角度θaのうち、ストッパ機構210に当たる可能性が大きい角度で圧縮比制御アクチュエータ198が制御されるので、制御シャフト196とストッパ機構210との干渉を回避することができる。また、先の実施形態より制御負荷が小さいので、高速処理が可能なVCRコントローラ230でなくても実装することができる。
制御対象機器としては、VCR機構190に限らず、アクチュエータの出力軸に対して減速機を介して連結された駆動軸の回転角度を、アクチュエータの回転角度に対して減速機の減速比を考慮した相対角度として検出する相対角度センサの出力値と、駆動軸の絶対角度を検出する絶対角度センサの出力値と、に基づいて制御されるものであればよい。
ここで、上述した実施形態から把握し得る技術的思想について、以下に記載する。
(1)アクチュエータの出力軸に対して減速機を介して連結された駆動軸の相対角度を、前記アクチュエータの回転角度に対して前記減速機の減速比を考慮した相対角度として検出する相対角度センサの出力値と、前記駆動軸の絶対角度を検出する絶対角度センサの出力値と、に基づいて制御対象機器を制御する内燃機関の制御装置であって、内燃機関の始動時の前記絶対角度センサの出力値を基点として、前記相対角度センサの出力値から求められた前記駆動軸の回転角度が第1の所定角度より大きい場合、前記駆動軸の回転角度に基づいて前記制御対象機器を制御し、前記駆動軸の回転角度が前記第1の所定角度以下である場合、前記絶対角度センサの出力値に基づいて前記制御対象機器を制御する。
(2)前記駆動軸の回転角度が前記第1の所定角度より大きくかつ当該第1の所定角度より大きい第2の所定角度未満である場合、前記第1の所定角度における前記絶対角度センサの出力値と前記第2の所定角度における前記駆動軸の回転角度との中間値に基づいて、前記制御対象機器を制御する。
(3)前記中間値は、前記駆動軸の回転角度と前記絶対角度センサの出力値とに応じて前記駆動軸の回転角度を補正した角度である。
(4)前記中間値は、前記駆動軸の回転角度と前記絶対角度センサの出力値とのうち、小さい方の角度である。
(5)前記絶対角度センサの出力値が制御下限にある状態が所定時間持続したら、前記絶対角度センサの出力値を基点として再設定する。
(6)前記基点は、前記内燃機関が始動されてから停止されるまでの間に1回だけ再設定される。
(7)前記基点が再設定された後は、前記駆動軸の回転角度に基づいて前記制御対象機器を制御する。
(8)前記絶対角度センサの出力値は、前記駆動軸をその回転を規制するストッパに当接して学習した基準角度に基づいて補正される。
(9)前記制御対象機器は、前記内燃機関の圧縮比を可変とする可変圧縮比機構である。
(10)アクチュエータの出力軸に対して減速機を介して連結された駆動軸の相対角度を、前記アクチュエータの回転角度に対して前記減速機の減速比を考慮した相対角度として検出する相対角度センサの出力値と、前記駆動軸の絶対角度を検出する絶対角度センサの出力値と、に基づいて制御対象機器を制御する内燃機関の制御装置が、内燃機関の始動時の前記絶対角度センサの出力値を基点として、前記相対角度センサの出力値から求められた前記駆動軸の回転角度が第1の所定角度より大きい場合、前記駆動軸の回転角度に基づいて前記制御対象機器を制御し、前記駆動軸の回転角度が前記第1の所定角度以下である場合、前記絶対角度センサの出力値に基づいて前記制御対象機器を制御する。
(11)アクチュエータの出力軸に対して減速機を介して連結された駆動軸の相対角度を、前記アクチュエータの回転角度に対して前記減速機の減速比を考慮した相対角度として検出する相対角度センサの出力値と、前記駆動軸の絶対角度を検出する絶対角度センサの出力値と、に基づいて制御対象機器を制御する内燃機関の制御装置であって、内燃機関の始動時の前記絶対角度センサの出力値を基点として前記相対角度センサの出力値から求められた前記駆動軸の回転角度と、前記絶対角度センサの出力値と、のうち小さい角度に基づいて前記制御対象を制御する。
(12)アクチュエータの出力軸に対して減速機を介して連結された駆動軸の相対角度を、前記アクチュエータの回転角度に対して前記減速機の減速比を考慮した相対角度として検出する相対角度センサの出力値と、前記駆動軸の絶対角度を検出する絶対角度センサの出力値と、に基づいて制御対象機器を制御する内燃機関の制御装置が、内燃機関の始動時の前記絶対角度センサの出力値を基点として前記相対角度センサの出力値から求められた前記駆動軸の回転角度と、前記絶対角度センサの出力値と、のうち小さい角度に基づいて前記制御対象を制御する。
(13)アクチュエータの出力軸に対して減速機を介して連結された駆動軸の相対角度を、前記アクチュエータの回転角度に対して前記減速機の減速比を考慮した相対角度として検出する相対角度検出手段の出力値と、前記駆動軸の絶対角度を検出する絶対角度検出手段の出力値と、に基づいて制御対象機器を制御する内燃機関の制御装置であって、
内燃機関の始動時の前記絶対角度検出手段の出力値を基点として、前記相対角度検出手段の出力値から求められた前記駆動軸の回転角度が所定角度より大きい場合、前記駆動軸の回転角度に基づいて前記制御対象機器を制御し、前記駆動軸の回転角度が前記所定角度以下である場合、前記絶対角度検出手段の出力値に基づいて前記制御対象機器を制御する。
100 内燃機関
190 VCR機構(制御対象機器)
196 制御シャフト(駆動軸)
198 圧縮比制御アクチュエータ(アクチュエータ)
198A 減速機
230 VCRコントローラ(制御装置)
280 相対角度センサ(相対角度検出手段)
290 絶対角度センサ(絶対角度検出手段)

Claims (5)

  1. アクチュエータの出力軸に対して減速機を介して連結された駆動軸の回転角度を、前記アクチュエータの回転角度に対して前記減速機の減速比を考慮した相対角度として検出する相対角度センサの出力値と、前記駆動軸の絶対角度を検出する絶対角度センサの出力値と、に基づいて制御対象機器を制御する内燃機関の制御装置であって、
    内燃機関の始動時の前記絶対角度センサの出力値を基点として、前記相対角度センサの出力値から求められた前記駆動軸の回転角度が第1の所定角度より大きい場合、前記駆動軸の回転角度に基づいて前記制御対象機器を制御し、前記駆動軸の回転角度が前記第1の所定角度以下である場合、前記絶対角度センサの出力値に基づいて前記制御対象機器を制御する、
    ことを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記駆動軸の回転角度が前記第1の所定角度より大きくかつ当該第1の所定角度より大きい第2の所定角度未満である場合、前記第1の所定角度における前記絶対角度センサの出力値と前記第2の所定角度における前記駆動軸の回転角度との中間値に基づいて、前記制御対象機器を制御する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記絶対角度センサの出力値が制御下限にある状態が所定時間持続したら、前記絶対角度センサの出力値を基点として再設定する、
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の内燃機関の制御装置。
  4. アクチュエータの出力軸に対して減速機を介して連結された駆動軸の回転角度を、前記アクチュエータの回転角度に対して前記減速機の減速比を考慮した相対角度として検出する相対角度センサの出力値と、前記駆動軸の絶対角度を検出する絶対角度センサの出力値と、に基づいて制御対象機器を制御する内燃機関の制御装置が、
    内燃機関の始動時の前記絶対角度センサの出力値を基点として、前記相対角度センサの出力値から求められた前記駆動軸の回転角度が第1の所定角度より大きい場合、前記駆動軸の回転角度に基づいて前記制御対象機器を制御し、前記駆動軸の回転角度が前記第1の所定角度以下である場合、前記絶対角度センサの出力値に基づいて前記制御対象機器を制御する、
    ことを特徴とする内燃機関の制御方法。
  5. アクチュエータの出力軸に対して減速機を介して連結された駆動軸の回転角度を、前記アクチュエータの回転角度に対して前記減速機の減速機を考慮した相対角度として検出する相対角度検出手段の出力値と、前記駆動軸の絶対角度を検出する絶対角度検出手段の出力値と、に基づいて制御対象機器を制御する内燃機関の制御装置であって、
    内燃機関の始動時の前記絶対角度検出手段の出力値を基点として、前記相対角度検出手段の出力値から求められた前記駆動軸の回転角度が所定角度より大きい場合、前記駆動軸の回転角度に基づいて前記制御対象機器を制御し、前記駆動軸の回転角度が前記所定角度以下である場合、前記絶対角度検出手段の出力値に基づいて前記制御対象機器を制御する、
    ことを特徴とする内燃機関の制御装置。
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