JP2016118150A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Takayuki Okano
隆行 岡野
戸田 仁司
Hitoshi Toda
仁司 戸田
敏行 宮田
Toshiyuki Miyata
敏行 宮田
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Abstract

【課題】可変動弁機構を備える内燃機関に導入される吸入空気量を精度よく推定することができる内燃機関の制御装置を提供する。【解決手段】運転状態から吸気弁7のリフト量の目標値に対応した制御角を設定する目標値設定手段と、モーターのデューティを検出するデューティ検出手段と、制御角の単位時間あたりの変動量であるリフト速度を算出するリフト速度算出手段と、リフト速度と、リフト速度を算出した時点から所定の予測期間とに基づいて当該予測期間後におけるリフト量を推定するリフト量推定手段と、リフト量に基づいて前記内燃機関の燃焼室内に吸入される吸入空気量を推定する吸入空気量推定手段とを備え、リフト速度算出手段は、デューティ検出手段により検出したデューティと、当該デューティと前記リフト速度との関係を表す速度特性からリフト速度を算出する。【選択図】図1

Description

本発明は、可変動弁機構を備え、吸気管噴射型の内燃機関に導入される吸入空気量を精度よく推定することができる内燃機関の制御装置に関する。
従来、内燃機関の燃焼室へ吸入される吸入空気量を正確に得ることで、内燃機関を適切に制御する技術が知られている。しかしながら、直接的に吸入空気量を検出することは困難であるため、内燃機関の吸気系における空気の流量をエアフローセンサによって検出し、この検出結果に基づいて、吸入空気量を推定する手法が一般的に用いられている。特に、吸気バルブが閉じる前に吸気管に燃料噴射を行う内燃機関においては、燃料噴射時に燃焼室内に吸入される吸入空気量をより正確に推定する必要があるため、吸入空気量をより正確に推定することが重要な課題となっている。
また、近年、吸気弁や排気弁のリフト量、開閉弁タイミングおよび開弁期間といったバルブ特性を内燃機関の回転数や負荷に応じて変更する可変動弁機構が開発されており(例えば、特許文献1参照)、このような可変動弁機構が適用された内燃機関において吸入空気量を推定する技術も開発されている(例えば、特許文献2参照)。
このような吸入空気量の推定によれば、吸気弁の動作状態の変化に応じた有効行程容積を演算し、この有効行程容積に基づいて吸入空気量が演算される。したがって吸入空気量をより正確に推定することができる。
しかしながら、運転状況等に応じた目標のリフト量となるように吸気弁を動作させた場合、目標となるリフト量に到達するまでに遅れが生じる。このような遅れ、すなわち過渡状態にある場合において、目標となるリフト量を吸気弁の動作状態として吸入空気量を演算すると、実際の吸気弁のリフト量が反映されたものではない。
特開2005−299536号公報 特許第4760604号公報
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、可変動弁機構を備える内燃機関に導入される吸入空気量を精度よく推定することができる内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の第1の態様は、制御部材の制御角に応じて吸気弁のリフト量を変更可能な可変動弁機構を備える内燃機関の制御装置であって、運転状態から前記吸気弁のリフト量の目標値に対応した制御角を設定する目標値設定手段と、前記モーターのデューティを検出するデューティ検出手段と、前記制御角の単位時間あたりの変動量であるリフト速度を算出するリフト速度算出手段と、前記リフト速度と、前記リフト速度を算出した時点から所定の予測期間とに基づいて、当該予測期間後におけるリフト量を推定するリフト量推定手段と、前記リフト量推定手段により推定されたリフト量に基づいて前記内燃機関の燃焼室内に吸入される吸入空気量を推定する吸入空気量推定手段とを備え、前記リフト速度算出手段は、前記デューティ検出手段により検出されたデューティと、当該デューティと前記リフト速度との関係を表す速度特性から前記リフト速度を算出することを特徴とする内燃機関の制御装置にある。
かかる第1の態様では、リフト速度を直接的に得ることができない可変動弁機構において、モーターのデューティに基づいてリフト速度を求めることができる。このようにリフト速度を求めることで、予測期間後における吸気弁のリフト量を推定することが可能となる。そして、予測期間後のリフト量に基づいて吸入空気量を推定するので、吸入空気量は可変動弁機構のリフト量が目標の制御角よりも遅れて動作することを計算に入れたものとなり、推定した吸入空気量と実際の吸入空気量との乖離を小さくすることができる。
可変動弁機構はモーターが動作すれば、すぐにリフト量が変動する。したがって、モーターのデューティを検出し、このデューティから得られたVVL速度は、そのデューティを検出した時のVVL速度を推定したものといえ、モーターが起動するまでの時間を計算に入れる必要がなく、計算を簡略化することができる。
本発明の第2の態様は、第1の態様に記載する内燃機関の制御装置において、前記リフト速度算出手段は、前記デューティが正の場合と負の場合とでそれぞれ異なる速度特性を用いることを特徴とする内燃機関の制御装置にある。
かかる第2の態様では、デューティが同じであっても、回転する方向によってリフト速度が異なるような可変動弁機構において制御部材が回転する方向に合わせて、より高い精度でリフト速度を推定することができる。
本発明によれば、可変動弁機構を備える内燃機関に導入される吸入空気量を精度よく推定することができる内燃機関の制御装置が提供される。
実施形態1に係る内燃機関及び内燃機関の制御装置の概略構成図である。 VVL機構のリフト量の特性、及びリフト量とVVL制御角の特性を示すグラフである。 実施形態1に係る制御装置における処理フローを示す図である。 実施形態1に係る制御装置における処理フローを示す図である。 リフト速度算出手段の入力となるデューティと出力となるVVL速度との関係を示すグラフである。 吸入空気量、スロットル弁の開度、吸気弁のリフト量及び吸気マニホールド内の圧力の時系列変化を示すグラフである。
以下、本発明を実施するための形態について説明する。なお、実施形態の説明は例示であり、本発明は以下の説明に限定されない。
〈実施形態1〉
図1は、本実施形態に係る内燃機関及び内燃機関の制御装置の概略構成図である。同図には、本実施形態の内燃機関の一例である、吸気管噴射型の多気筒(例えば4気筒)ガソリンエンジン(以下エンジン1と称する)を例示してある。なお、内燃機関としては、吸気管噴射の多気筒ガソリンエンジンだけでなく、ディーゼルエンジン等を適用することも可能である。
エンジン1のシリンダヘッド2には、気筒毎に点火プラグ3が取り付けられ、点火プラグ3には高電圧を出力する点火コイル4が接続されている。シリンダヘッド2には、気筒毎に吸気ポート5が設けられ、各吸気ポート5の燃焼室6側には吸気弁7が設けられている。吸気弁7は、後述する可変動弁機構20により開閉作動され、各吸気ポート5と燃焼室6との連通・遮断を行うようになっている。
各吸気ポート5には、吸気マニホールド9の一端がそれぞれ接続されている。吸気マニホールド9には電磁式の燃料噴射弁(インジェクション)10が取り付けられ、燃料噴射弁10には燃料パイプ11が取り付けられている。燃料パイプ11は、図示しない燃料供給装置に接続され、図示しない燃料タンクから燃料パイプ11を介して燃料噴射弁10に燃料が供給される。
燃料噴射弁10の上流側における吸気マニホールド9には電磁式のスロットル弁12が取り付けられ、スロットル弁12の弁開度を検出するスロットルポジションセンサ13が設けられている。スロットル弁12の上流側には吸入空気量を計測するエアフローセンサ14が設けられている。
一方、シリンダヘッド2には、気筒毎に排気ポート15が設けられ、各排気ポート15の燃焼室6側には排気弁17が設けられている。排気弁17は、後述する可変動弁機構20により開閉作動され、各排気ポート15と燃焼室6との連通・遮断を行うようになっている。
各排気ポート15には、排気マニホールド16の一端がそれぞれ接続されている。なお、このようなMPIエンジンは公知のものであるため、構成の詳細については省略してある。
可変動弁機構20は、吸気弁7及び排気弁17のそれぞれについて、リフト量及びタイミングを個別に、又は、連動させつつ変更するものである。この可変動弁機構20には、ロッカアームの揺動量と揺動のタイミングとを変更するための機構として、可変バルブリフト機構21(以下、VVL機構とも呼ぶ)及び可変バルブタイミング機構22(以下、VVT機構とも呼ぶ)を備えている。
VVL機構21は、吸気弁7や排気弁17のリフト量を制御部材の制御角に応じて変更可能な機構である。例えば、このVVL機構21は、カムシャフトに固定されたカムからロッカアームやタペットに伝達される揺動の大きさ(リフト量)を変更する機能を有する。揺動の大きさを変更することで吸気弁7及び排気弁17のストロークが変更され、それぞれの弁の最大リフト量を連続的に変化させることが可能となる。以下、ロッカシャフト(制御部材の一例)は、その制御角に応じて吸気弁7のリフト量を変更することが可能となっている。このような制御部材は、モーターにより回転されるように構成されている。ロッカシャフトの基準位置からの制御角を、VVL制御角と呼ぶ。VVL制御角はリフト量に対応するパラメータであり、VVL制御角に対してリフト量が一対一で定まる。なお、制御角の変化量が正の場合はリフト量を増大させる方向に回転することを表し、負の場合はリフト量を減少させる方向に回転することを表す。
VVL機構21は、後述する制御装置30からの制御信号によりVVL制御角が任意に設定されるように構成されている。VVL機構21は、VVL制御角が設定されると、そのVVL制御角になるまでロッカシャフトに対する揺動部材を回動させる。これにより、吸気弁7は、そのVVL制御角に対応したリフト量とされる。
図2(a)は、VVL機構のリフト量の特性を示すグラフであり、図2(b)は、リフト量とVVL制御角の特性を示すグラフであり、図2(c)は、リフト速度とデューティの特性を示すグラフである。
図2(a)の実線は、制御装置30が設定したVVL機構21に設定したリフト量の時間変化を表し、点線は、VVL機構21により制御された実際のリフト量の時間変化を表す。実線は、制御装置30がVVL機構21に設定するリフト量として、ある時点から徐々に増大させたことを示している。破線は、実際のリフト量は制御装置30が設定するリフト量(実線)よりも遅れることを示している。このような設定しようとするリフト量と、実際のリフト量との差を偏差と称する。
制御装置30がVVL機構21にリフト量を増大させてからしばらくは、このような偏差が現れ、一定時間経過後に、偏差がなくなる。すなわち、設定しようとするリフト量に、実際のリフト量が合致するまでには過渡状態が生じる。このような過渡状態において、エンジン1への吸入空気量をより正確に推定する演算については後述する。なお、同図には、リフト量を増大させる場合を例示したが、リフト量を減少させる場合においても同様に過渡状態が生じる。
また、図2(b)に示すように、リフト量は、VVL制御角に対して一対一で定まる。したがって、運転状況等に応じて特定のリフト量にする場合は、VVL機構21に設定するVVL制御角を特定する。以後、制御装置30で設定するVVL制御角を目標VVL(deg)、VVL機構21において検出された実際のVVL制御角を実VVL(deg)と称する。
さらに、図2(c)に示すように、リフト量に対応した制御角の単位時間あたりの変動量であるリフト速度は、モーターのデューティに対して一対一で定まる。デューティが正の場合は、リフト量を増大させている場合のデューティであることを表し、デューティが負の場合は、リフト量を減少させている場合のデューティであることを表す。
VVT機構22は、吸気弁7や排気弁17の開閉のタイミング(バルブタイミング)を変更する機構である。このVVT機構22は、ロッカアームに揺動を生じさせるカム又はカムシャフトの回転位相を変更する機能を有する。カム又はカムシャフトの回転位相を変更することで、クランクシャフトの回転位相に対するロッカアームの揺動のタイミングを連続的に変化させる(タイミングをずらす)ことが可能となる。
また、VVT機構22は、カム又はカムシャフトの回転位相を検出するセンサーを有しており、センサーが検出した回転位相(以後、VVT位相角と称する)は後述する制御装置30に送信されるようになっている。
上述したようなエンジン1を搭載する車両には、制御装置30が設けられている。制御装置30は、例えばマイクロプロセッサやROM、RAM等を集積したLSIデバイスや組み込み電子デバイスとして構成され、車両に設けられた車載ネットワーク網の通信ラインに接続される。なお、車載ネットワーク上には、例えばブレーキ制御装置、変速機制御装置、車両安定制御装置、空調制御装置、電装品制御装置といったさまざまな公知の電子制御装置が、互いに通信可能に接続されている。
制御装置30は、エンジン1に関する点火系、燃料系、吸排気系及び動弁系といった広汎なシステムを総合的に制御する電子制御装置であり、エンジン1の各燃焼室6に供給される空気量や燃料噴射量、各燃焼室6の点火時期等を制御するものである。
また、制御装置30は、上述したように、目標VVLをVVL機構21に設定することで吸気弁7のリフト量を設定可能となっている。VVL機構21には、実VVLを検出するセンサーが設けられており、制御装置30は当該センサーによる実VVLが送信されるようになっている。
このような制御装置30は、上述した各種センサーから送られたデータに基づいて、吸入空気量を計算し、燃焼室6で所定の空燃比で燃料が燃焼されるように制御を行う。このような吸入空気量の計算は、電子回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。または、吸入空気量の計算の一部をハードウェア、その他をソフトウェアにより実現してもよい。
本実施形態では、制御装置30は、目標値設定手段と、デューティ検出手段と、リフト速度算出手段と、リフト量推定手段と、吸入空気量推定手段とを備えている。これらの各手段は、ソフトウェアとして実装されている。また、エンジン1は、膨張、排気、吸気、圧縮の4サイクルで動作するものとし、吸気行程の2行程前である膨張行程中において、2行程後の吸気行程完了時のリフト量を推定し、吸入空気量を算出する場合について説明する。もちろん、予測する時点としては、2行程前に限らず、1行程前の排気行程中であってもよい。
目標値設定手段は、運転状態から吸気弁7のリフト量の目標値に対応した制御部材の制御角を設定する。本実施形態では、この制御角を目標VVLと称する。運転状態としては、アクセル操作量やエンジン1の負荷等を挙げることができる。
このような目標値設定手段は、各種センサーなどから得られた信号に基づいて運転状況に適した目標VVLを演算する。制御装置30は、目標値設定手段により演算された目標VVLをVVL機構21に設定する。これにより、VVL機構21は制御部材の制御角をその目標VVLとなるように動作させ、この結果、吸気弁7は、目標VVLに対応したリフト量となる。
デューティ検出手段は、制御部材を回転させるモーターのデューティを検出する。デューティ検出手段は、例えば、VVL機構21に設けられたモーターに供給する電圧の波形から演算する。
リフト速度算出手段は、制御角の単位時間あたりの変動量であるリフト速度を算出する。具体的には次のようにリフト速度を算出する。まず、デューティ検出手段により検出したデューティと速度特性からリフト速度を算出する。以降、リフト速度をVVL速度とも称する。
速度特性とは、デューティとVVL速度との関係である。速度特性としては、例えば、デューティをVVL速度に変換する係数や関数、又はデューティからVVL速度に変換するマップを挙げることができる。
このようなリフト速度算出手段によれば、モーターのデューティに基づいてVVL速度を得ることができる。詳細な計算例については後述する。
リフト量推定手段は、VVL速度と、VVL速度を算出した時点から所定の予測期間とに基づいて、当該予測期間後におけるリフト量を推定する。予測期間とは、VVL速度を算出した時点から、エンジン1の吸気行程が完了するまでの時点までの時間をいう。ポート噴射を行うエンジン1においては、吸気行程の完了時に、エンジン1に吸入される吸入空気量が確定する。したがって、予測期間後におけるリフト量は、吸気行程が完了する際のリフト量を推定したものとなる。
本実施形態では、膨張行程中に、2行程後の吸気行程の完了時におけるリフト量を推定するので、予測期間は2行程後である。以降、この2行程後のリフト量を2行程後VVLとも称する。詳細な計算例については後述する。
吸入空気量推定手段は、リフト量推定手段により推定されたリフト量(本実施形態では2行程後VVL)に基づいてエンジン1の燃焼室6内に吸入される吸入空気量を推定する。2行程後VVLに基づく吸入空気量の推定の具体例は後述する。
図3〜図4は、本実施形態に係る制御装置における処理フローを示す図である。これらの図を用いて、2行程後のリフト量を推定し、エンジン1への吸入空気量を推定する計算について詳細に説明する。
まず、図3に示すように、制御装置30は、VVT位相角を検出する(ステップS1)。具体的には、制御装置30は、VVT機構22から実VVL及びVVT位相角を受信し、記憶装置にそれらを記憶する。
次に、VVL速度を推定する(ステップS2)。VVL速度の推定は、図4に示す処理フローにより行う。具体的には、図4に示すように、目標VVLの演算を行う(ステップS10)。この演算は、目標値設定手段により行われ、目標VVLは、上述したように、アクセル操作量、VVT位相角やエンジン1の負荷などの作動状態に基づいて、公知の方法で計算することができる。
次に、モーターのデューティの演算をする(ステップS11)。この演算は、デューティ検出手段により行われる。
次に、VVL速度を算出する(ステップS12〜ステップS15)。この演算は、リフト速度算出手段により行われる。リフト速度算出手段は、得られたデューティから速度特性を用いてVVL速度を算出する。
本実施形態では、速度特性として、デューティからVVL速度に変換するVVL速度変換係数を用いる。このVVL速度変換係数にデューティを乗じることで、VVL速度を得ることができる。
VVL速度変換係数としては、実測やシミュレーションなど種々の方法で定めることができ、予め制御装置30の記憶装置に記憶させておく。VVL速度変換係数は、デューティの値に関わらず一定でもよいし、デューティの値に対応した値としてもよい。本実施形態では、デューティが正又はゼロである場合と、負である場合とで異なるVVL速度変換係数を用いる。
具体的には、ステップS11で算出したデューティがゼロ以上であるかを判定する(ステップS12)。デューティが正又はゼロである場合は(ステップS12;Yes)、正又はゼロのデューティに対応した、すなわちリフト量が増加している場合に対応したVVL速度変換係数を用いる(ステップS13)。デューティが負である場合は(ステップS12;No)、負のデューティに対応した、すなわちリフト量が減少している場合に対応したVVL速度変換係数を用いる(ステップS14)。
次に、VVL速度を推定する(ステップS15)。具体的には、ステップS13又はステップS14で用いるとしたVVL速度変換係数に、デューティを乗じることでVVL速度を算出する。
図5は、リフト速度算出手段の入力となるデューティと出力となるVVL速度との関係を示すグラフである。横軸はデューティであり、縦軸はVVL速度である。例えば、デューティが正又はゼロである区間では、ステップS13で設定したゼロ以上のデューティ用のVVL速度変換係数を用いる。このVVL速度変換係数は直線L1の傾きに相当する。同様に、デューティが負である区間では、ステップS14で設定した負のデューティ用のVVL速度変換係数を用いる。このVVL速度変換係数は直線L2の傾きに相当する。
ここで、デューティの正負が異なるだけで大きさが同じである場合、例えば、+10(%)と−10(%)の場合、モーターが回転する方向が異なるだけであるので、両者に同一のVVL速度変換係数を乗じて、同じVVL速度を算出することもできる。しかしながら、VVL機構21の構造的な特性により、デューティの大きさが同じであっても、回転する方向によってVVL速度が異なる場合がある。
本実施形態では、上述したように、VVL速度は、デューティが正又はゼロである場合と、負で有る場合とで異なるVVL速度変換係数を用いて推定した。したがって、デューティが同じであっても、回転する方向によってVVL速度が異なるようなVVL機構21において、モーターが回転する方向に合わせて、より高い精度でVVL速度を推定することができる。
なお、本実施形態のVVL速度変換係数は、デューティが正負の何れかに応じて2つの異なるものを設定したが、これに限定されない。例えば、VVL速度変換係数は、デューティの値に関わらず一定の値としてもよいし、デューティを適宜複数の区間に分け、各区間に複数のVVL速度変換係数を設定してもよい。
上述のようにして推定されたVVL速度に基づいて、所定の予測期間後におけるリフト量を推定する。本実施形態では、膨張行程中に、2行程後の吸気行程の完了時におけるリフト量を推定するので、予測期間としては2行程後であり、2行程後VVLを推定する(図3:ステップS3)。
具体的には、リフト量推定手段は、リフト速度算出手段により得られたVVL速度と、そのVVL速度を算出した時点から2行程後までの時間に基づいて2行程後VVLを推定する。すなわち、VVL速度に2行程後までの時間を乗じることで、2行程後VVLが得られる。この2行程後VVLは、VVL速度を算出した時点から2行程後までの制御角の変化量(deg)であるから、VVL速度を算出した時点の制御角との和を計算し、図2(b)のような対応関係から当該和に対応するリフト量を2行程後VVL(mm)として得ることができる。
次に、吸入空気量推定手段により、エンジン1の燃焼室6内に吸入される吸入空気量Ecを推定する(図3:ステップS4〜ステップS6)。本実施形態では、運転状況に応じて計算した吸入空気量(Ec)を目標Ecとし、この目標Ecを2行程後最大吸気量で補正したものを燃料演算用Ecとする。
まず、2行程後VVLから2行程後の最大吸気量を推定する(図3:ステップS4)。最大吸気量とは、エンジン1の燃焼室6に吸入される吸入空気量の最大値である。ステップS3で求められた2行程後VVLと、エンジン1の構成、吸気弁7の形状等に基づいて、公知の方法により2行程後の最大吸気量を計算することができる。
次に、目標Ecを演算する(図3:ステップS5)。ここで、従来技術と対比して本発明における目標Ec及び燃料演算用Ecの演算について説明する。
図6(a)は、従来技術における吸入空気量、スロットル弁12の開度、吸気弁7のリフト量及び吸気マニホールド9内の圧力の時系列変化を示すグラフであり、図6(b)は、本発明における吸入空気量、スロットル弁12の開度、吸気弁7のリフト量及び吸気マニホールド9内の圧力の時系列変化を示すグラフである。いずれも横軸は時間であり、縦軸は各パラメータの大きさを表している。
図6(a)に示すように、従来技術においては、目標Ecは、運転状況に応じて設定した目標VVL、及び運転状況に応じて設定したスロットル弁12の開度、並びに吸気マニホールド9内の圧力をパラメータとして、公知の方法により計算される。そして、スロットル弁12の開度が目標値よりも遅れることを考慮して目標Ecを補正することで、補正後の吸入空気量である補正Ecを得ることができる。
このような従来技術においては、吸気弁7のリフト量が目標値よりも遅くなることを考慮して目標Ecを演算していない。したがって、これに基づいて得られた補正Ecと、実際にエンジン1に吸入される吸入空気量(以降、実Ecと称する)とは、補正Ecを2行程分平行移動した点線Xと、実Ecとの間の網掛け部分Sに示すように乖離が生じる。
一方、本発明における目標Ecの演算(図3:ステップS5)は、図6(b)に示すように、目標Ecは、2行程後VVL、及び運転状況に応じて設定したスロットル弁12の開度、並びに吸気マニホールド9内の圧力をパラメータとして、公知の方法により計算される。すなわち、2行程後VVLを用いることで、吸気弁7のリフト量が目標値よりも遅れて動作することが考慮されている。同図の例では、従来技術の目標Ecよりも網掛け部分Tの分だけ本発明の目標Ecは小さく設定されている。そして、2行程後VVLを用いて計算された目標Ec補正することで、燃料演算用Ecを求める(図3:ステップS6)。
このように、本発明においては、吸気弁7のリフト量が目標値よりも遅くなることを考慮して目標Ecを演算している。したがって、これに基づいて得られた燃料演算用Ecと、実Ecとは、乖離を小さくすることができる。つまり、燃料演算用Ecを2行程分平行移動すると実Ecと略一致する。上述したように、従来技術に係る補正Ecは、網掛け部分Sのように実Ecと乖離していたが、本発明ではそのような網掛け部分Sで表される実Ecとの乖離を小さくすることができる。
以降、特に図示しないが、制御装置30は、VVT位相角や吸入空気量推定手段が演算した燃料演算用Ecなどのパラメータを用いて、公知の方法により運転状況に応じた空燃比を計算し、当該空燃比で燃料をエンジン1の燃焼室に供給する。
以上に説明したように、本発明に係る制御装置30によれば、VVL速度を直接的に得ることができないVVL機構21において、デューティに基づいてVVL速度を求めることができる。このようにVVL速度を求めることで、2行程後における吸気弁7のリフト量である2行程後VVLを推定することが可能となる。そして、2行程後VVLに基づいて燃料演算用Ecを推定するので、燃料演算用Ecは吸気弁7が目標VVLよりも遅れて動作することを計算に入れたものとなり、燃料演算用Ecと実Ecとの乖離を小さくすることができる。
このように、燃料演算用Ecの元になるVVL速度は、デューティを演算することで、速度特性を用いて容易に求めることができる。
また、モーターが動作すれば、すぐに吸気弁7のリフト量は変動する。したがって、モーターのデューティを検出し、このデューティから得られたVVL速度は、そのデューティを検出した時のVVL速度を推定したものといえる。一般に、目標VVLなど、VVL機構21に設定する各種パラメータに基づいてVVL速度を推定すると、各種パラメータを設定してから実際にモーターが駆動するまでに一定時間を要する。したがって、各種パラメータに基づいて推定したVVL速度は、実際には一定時間後におけるVVL速度を推定したものとなる。このため、当該一定時間を考慮してVVL速度やリフト量を計算しなければならない。
しかしながら、本発明によれば、推定したVVL速度は、デューティ検出手段により得られたデューティに基づくものであるので、モーターが起動するまでの時間を計算に入れる必要がなく、計算を簡略化することができる。
また、本発明に係る制御装置30によれば、吸気弁7のリフト量を変更する際の過渡状態において、エンジン1に供給される空気量として燃料演算用Ecをより高い精度で推定することができる。そして、この燃料演算用Ecに基づいて調整された空燃比で燃料を燃焼することができるので、より効率よくエンジン1を動作させることができる。
本発明は、自動車の産業分野で利用することができる。
1 エンジン
5 吸気ポート
6 燃焼室
7 吸気弁
20 可変動弁機構
21 可変バルブリフト機構(VVL機構)
22 可変バルブタイミング機構(VVT機構)
30 制御装置

Claims (2)

  1. 制御部材の制御角に応じて吸気弁のリフト量を変更可能な可変動弁機構を備える内燃機関の制御装置であって、
    運転状態から前記吸気弁のリフト量の目標値に対応した制御角を設定する目標値設定手段と、
    前記モーターのデューティを検出するデューティ検出手段と、
    前記制御角の単位時間あたりの変動量であるリフト速度を算出するリフト速度算出手段と、
    前記リフト速度と、前記リフト速度を算出した時点から所定の予測期間とに基づいて、当該予測期間後におけるリフト量を推定するリフト量推定手段と、
    前記リフト量推定手段により推定されたリフト量に基づいて前記内燃機関の燃焼室内に吸入される吸入空気量を推定する吸入空気量推定手段とを備え、
    前記リフト速度算出手段は、前記デューティ検出手段により検出されたデューティと、当該デューティと前記リフト速度との関係を表す速度特性から前記リフト速度を算出する
    ことを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 請求項1に記載する内燃機関の制御装置において、
    前記リフト速度算出手段は、前記デューティが正の場合と負の場合とでそれぞれ異なる速度特性を用いる
    ことを特徴とする内燃機関の制御装置。
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