JP4029509B2 - 内燃機関の出力可変機構制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、複数の気筒群を有する内燃機関において、独立して駆動される出力可変機構を気筒群毎に設けて、これらの出力可変機構を駆動制御する制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、可変バルブタイミング機構や可変吸気機構などの出力可変機構を備え、内燃機関(以下、エンジン)の運転状態や車両の走行状態などに応じて、これらの出力可変機構を適宜駆動制御するようにした内燃機関(以下、エンジンという)が周知である。
【0003】
そして、例えば特開平6−229212号公報や特開平10−141097号公報に、左右一対のバンク(気筒列)を有するV型エンジンにおいて、左右のバンクそれぞれに可変バルブタイミング機構を備え、各可変バルブタイミング機構を運転状態に応じて独立して駆動し、各バンクにおけるそれぞれのバルブタイミングを可変とするエンジンのバルブタイミング制御装置が開示されているように、気筒列などの気筒群を複数有するエンジンにおいて、気筒群毎に出力可変機構を備え、この各出力可変機構を独立して駆動するエンジンの出力可変機構制御装置が公知である。
【0004】
また、例えば特開平2−42107号公報に、実際のバルブタイミングが運転状態に応じた目標バルブタイミングに所定時間合致していない場合に異常であると判定し、異常に対応したフェールセーフ制御を行なうバルブタイミング制御装置が開示されているように、出力可変機構の実駆動状態と目標駆動状態とが合致していない場合に異常と判定し、フェールセーフ制御を行なう出力可変機構制御装置が公知である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述したV型エンジンのように、気筒列などの気筒群を複数有するエンジンにおいて、各気筒群毎に出力可変機構を設けて、これらの出力可変機構がそれぞれ独立して駆動される出力可変機構制御装置において、全ての出力可変機構に異常が生じる場合には、上述した異常判定方法により、出力可変機構の異常を判定することができるが、いずれかの出力可変機構のみが異常を生じた場合には、その出力可変機構のみが異常であると判定し、その出力可変機構に対してのみフェールセーフ制御が行なわれることとなる。このように、異常が生じた出力可変機構のみにフェールセーフ制御が行なわれると、各気筒群間での出力特性に差が生じ、振動などの課題が生じる。
【0006】
この気筒群間での出力特性の差を無くすために、特開平1−110817号公報に記載の従来技術のように、ある気筒群における出力可変機構に異常が生じた場合には、他の気筒群における正常な出力可変機構の駆動状態を異常が生じた出力可変機構の駆動状態に揃えるようにして、気筒群間での出力特性を同一にするフェールセーフ制御を行なうことも考えられる。
【0007】
しかし、正常な出力可変機構の駆動状態を異常が生じた出力可変機構の駆動状態に揃えると、異常が生じた出力可変機構の駆動状態が高速駆動状態で固結した場合には、全ての気筒群における出力可変機構が高速駆動状態となる。このように、全ての出力可変機構が高速駆動状態となると、エンジンの低回転状態のときに混合気が排気側に通過したり実圧縮比が低下するなどして燃焼安定性が悪くなるなり、アイドリングが安定しなくなったりするばかりでなく、エンジン振動が大きくなるといった課題が生じる。
【0008】
本発明は、上述した課題に鑑み創案されたもので、複数の気筒群を有する内燃機関の気筒群毎に設けられた出力可変機構を運転状態に応じて制御する内燃機関の出力可変機構制御装置において、出力可変機構の異常が判定されると、この異常に対する最適なフェールセーフ制御を行なえるようにすることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1の本発明は、複数の気筒群を有する内燃機関の前記各気筒群に設けられ、独立して駆動される出力可変機構と、前記各出力可変機構のそれぞれの実駆動状態を検出する実駆動状態検出手段と、前記各出力可変機構の目標駆動状態を前記内燃機関の運転状態に応じて設定する目標駆動状態設定手段と、前記各出力可変機構の前記実駆動状態が前記目標駆動状態となるように各出力可変機構を駆動制御する駆動手段と、前記各出力可変機構の異常を判定する異常判定手段と、前記異常判定手段により前記各出力可変機構の少なくともいずれかに異常が生じたと判定されると、全ての前記出力可変機構における各目標駆動状態を最低速駆動状態に変更する異常時変更手段とを備え、前記目標駆動状態設定手段が、前記各出力可変機構の目標駆動状態を同一的に設定するとともに、前記異常判定手段が、前記各出力可変機構における前記目標駆動状態と前記実駆動状態との偏差を算出し、前記各出力可変機構間での前記偏差の最大ばらつき値を算出し、該最大ばらつき値が所定値よりも大きいときに前記出力可変機構が異常であると判定することを特徴とする。
【0012】
請求項2の本発明は、請求項1のものにおいて、前記異常時変更手段により、前記目標駆動状態が最低速駆動状態に変更されると、前記内燃機関の点火時期と燃料噴射との少なくとも一つが前記出力可変機構の最低速駆動状態に対応して制御されることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施の形態を説明する。
図1は、本発明の出力可変機構制御装置を有するエンジンの概略構成図を示す。図1に示すように、この実施形態におけるエンジン1は、多気筒V型エンジンで構成されており、各気筒は同気筒数ずつクランクシャフト2を中心に左右2つの位置に分けて配置されて左右各バンク3a,3bを構成している。
【0014】
右バンク3aには、カムシャフト4a,4a′によって開閉駆動される吸気バルブ及び排気バルブの開閉タイミング(バルブタイミング)を可変にする可変動弁機構(バルブタイミング可変機構)5aが、左バンク3bには、カムシャフト4b,4b′によって開閉駆動される吸気バルブ及び排気バルブの開閉タイミング(バルブタイミング)を可変にする可変動弁機構(バルブタイミング可変機構)5bが、それぞれ出力可変機構の一例として設けられている。そして、各バルブのバルブタイミングは、このバルブタイミング可変機構5a,5bにより連続可変に制御される。
【0015】
図2は、バルブタイミング可変機構5aの要部を示し、1気筒当たり2個の吸気バルブと2個の排気バルブを備える多気筒エンジンにおける1つの気筒の吸気バルブの開弁を制御する動弁機構の斜視図を示す。
エンジン動力により回転駆動されるカムプーリ6に結合されるカムシャフト4aに、両端に2つのカム部7a,7bが一体に形成されている中空軸状のカムローブ7が相対回転可能に外嵌されるとともに、一側端には回転中心がカムシャフト4aの回転中心から所定量偏心している環状の偏心スペーサ8が相対回転可能に外嵌されている。偏心スペーサ8には、コントロールギヤ9が一体に設けられ、偏心スペーサ8の回転中心を中心に回転可能なハーモニックリング10が相対回転可能に外嵌されている。
【0016】
ハーモニックリング10には、1つの直径上の両側に大孔10aと小孔10bとが穿設され、大孔10aには一端がカムシャフト4aに嵌合固定されたカム軸側スライダ11が相対回転可能に嵌合され、小孔10bにはカム部7aに設けられたガイド溝7cに半径方向に摺動可能に嵌合されるカムローブ側スライダ12が相対回転可能に嵌合される。
【0017】
カムシャフト4aと平行にコントロールシャフト13が配置され、該コントロールシャフト13には、コントロールギア9と噛合する小ギヤ14が設けられるとともに、一端には角度センサを内蔵する駆動手段としてのアクチュエータ15aの駆動軸が連結されている。このアクチュエータ15aは、電気モータが使用され、エンジン1のシリンダヘッドに固定されている。
【0018】
電子制御装置(以下、ECU)16は、クランク角センサ17により検出されるエンジン回転数Ne,スロットルポジションセンサ(以下、TPS)18から検出されるスロットル開度θth等の運転情報を入力し、エンジン1の運転情報に応じてアクチュエータ15aを駆動する。アクチュエータ15aが駆動されると、偏心スペーサ10の回転中心がカムシャフト4aの回転中心に対して偏心されることとなる。そして、ECU16は、エンジン1が低回転状態にあるときに、開弁期間が短くなるように、また、エンジン1が高回転状態にあるときには、開弁期間が長くなるようにアクチュエータ15aを駆動して、開弁期間は、図3に示すように、運転状態に応じて連続的に可変制御されることとなる。なお、本実施形態におけるアクチュエータ15aは、電気モータに限るものではなく、例えば油圧モータでもよい。また、詳細な構造については、特表再96−37689号公報に記載されているものと同様であり、ここでの詳細な説明は省略する。
【0019】
なお、エンジン1の右バンク3aにおける排気側のカムシャフト4a′も吸気側のカムシャフト4aと同様に構成されており、同一のアクチュエータ15aによって排気バルブの開弁期間が可変制御されるように構成されている。さらに、左バンク3bにおける吸気側及び排気側のカムシャフト4b,4b′も同様に構成され、アクチュエータ15bにより右バンク3aと同様に吸気弁及び排気弁のバルブタイミングを可変制御するバルブタイミング可変機構5bが設けられている。
【0020】
このように本実施形態におけるエンジン1には、右バンク3a及び左バンク3bにそれぞれバルブタイミング可変機構5a,5bが設けられており、これらのバルブタイミング可変機構5a,5bは、それぞれのアクチュエータ15a,15bによって、独立して制御される構成となっている。なお、上述した実施形態では、アクチュエータ15a,15bによって、吸気弁及び排気弁の開弁期間を同時に可変制御する構成の例を説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、吸気弁及び排気弁の一方(例えば吸気弁)の開弁期間のみが可変制御されたり、吸気弁と排気弁との開弁期間をそれぞれ独立して制御するようにアクチュエータを吸気弁用と排気弁用とにそれぞれ別個に設けるようにしてもよい。
【0021】
また、図1に示すように、ECU16には、吸気管19に設けられた吸気温センサ20及び吸気圧センサ21から検出される吸気温Ti,吸気圧Piや、右バンク3aのカムシャフト4a′側に設けられるカムポジションセンサ22かた検出されるカムシャフトの回転速度Nc及びカムポジションPcや、バルブタイミング可変機構5a,5bに設けられるポジションセンサ23a,23bから検出されるそれぞれのアクチュエータ15a,15bのポジション(実ポジション)Pra,Prbが入力される。また、図示しないが、水温センサやノックセンサや車速センサなどを設けて、エンジン冷却水温度やノック状態や車速などを入力するようにしてもよい。
【0022】
ECU16は、各種センサからの入力情報に基づき、吸気バルブや排気バルブの開弁特性(バルブ開閉タイミングや開弁期間)をエンジン1の運転状態に応じた最適な開弁特性とするために、最小開弁期間から最大開弁期間まで連続的に又は段階的に変更するようにバルブタイミング可変機構5a,5bのそれぞれのアクチュエータ15a,15bに駆動信号を出力する。
【0023】
つまり、バルブタイミング可変機構5aのコントロールディスク9の回転位相が、クランク角センサ17で検出されたエンジン回転数Neに基づいて、制御手段16により最適な状態に制御される。
また、ECU16は、点火時期や燃料噴射などのエンジン1の燃焼制御にかかる制御要素101を、エンジン1の運転状態に応じて最適に制御するように制御要素101に駆動信号を出力する。この制御要素101への駆動信号は、ECU16内のマップ格納手段102に格納された複数のマップを用いて制御要素101に出力される。
【0024】
つまり、点火時期や燃料噴射等のエンジン1の制御要素101は、クランク角センサ17や吸気圧センサ21によって検出されるエンジン回転数Ne及び吸気圧(吸気管内圧)Piなどのエンジンの運転状態に応じて駆動制御される。また、吸気弁や排気弁といったバルブの開弁特性を制御しうる場合には、エンジンの運転状態(エンジン回転数Ne及び吸気圧Pi等)のみならず開弁特性にも応じて点火時期や燃料噴射等の制御要素が駆動制御される。
【0025】
点火時期や燃料噴射等の制御要素101を、エンジン1の運転状態(エンジン回転数Ne及び吸気圧Pi等)と開弁特性とに応じて駆動制御する場合、開弁特性がエンジン回転数Neに対して最適な開弁特性となっていれば、開弁特性がエンジン回転数Neに対して一意的に決まることになり、エンジン回転数Ne及び吸気圧Pi等がわかれば、この運転状態に対応して開弁特性が決まり、さらに、この運転状態及び開弁特性に最適な点火時期や燃料噴射等の制御要素も決まる。
【0026】
そこで、バルブタイミング可変機構5a,5bの実際の駆動状態(例えばコントロールディスク9の回転位相角)を検出する実駆動状態検出手段としてポジションセンサ23a,23bが設けられており、ECU16は、このポジションセンサ23a,23bで検出されたバルブタイミング可変機構5a,5bの実駆動状態が最適な状態、即ち、開弁特性がエンジンの運転状態(エンジン回転数Ne)に応じた最適な状態にある場合には、図4に示すマップ格納手段102における最適開弁特性時の最適開弁期間時マップ(最適弁開角時マップ、略して最適マップ)を用いて、点火時期や燃料噴射(体積効率)等の制御要素を設定するようになっている。
【0027】
マップ格納手段102には、エンジン1の運転状態(即ち、エンジン回転数Ne,吸気圧Pi及び開弁特性)に対する点火時期や燃料噴射等の制御要素の最適値(制御要素データ)を対応させた最適弁開角時マップや、最小弁開角時マップ,最大弁開角時マップが格納が記憶されている。
この最適弁開角マップは、開弁特性がエンジンの運転状態(エンジン回転数Ne)に応じた最適な状態にある場合に、エンジン回転数Ne及び吸気圧Piに対して点火時期や燃料噴射等の制御要素を与えるものであり、これらの点火時期や燃料噴射(体積効率)等の制御要素は、エンジン回転数Ne及び吸気圧Piのみならず開弁特性に対しても最適な値に設定されるようになっている。
【0028】
また、最小弁開角時マップ(以下、最低速マップ)とは、コントロールディスク9の調整により、バルブが最小弁開角(第1の開弁特性又は最小開弁期間)となっている場合に、この開弁特性、及び、検出されたエンジン回転数Ne及び吸気圧Piに対して最適な点火時期や燃料噴射等の制御要素を対応させたものである。また、最大弁開角時マップ(以下、最高速マップ)とは、コントロールディスク9の調整により、バルブが最大弁開角(第2の開弁特性又は最大開弁期間)となっている場合に、この開弁特性、及び、検出されたエンジン回転数Ne及び吸気圧Piに対して最適な点火時期や燃料噴射等の制御要素を対応させたものである。
【0029】
そして、ECU16は、エンジン回転数Neが所定値Ne1(例えば、4000rpm)よりも小さいときには、開弁特性が最小弁開角(最小開弁期間)となるようにアクチュエータ15a,15bを駆動制御し、このときのコントロールディスク9の回転位相角は0°となる。また、エンジン回転数Neが所定値Ne2(例えば、6000rpm)以上のときには、開弁特性が最大弁開角(最大開弁期間)となるようにアクチュエータ15a,15bを駆動制御し、このときのコントロールディスク9の回転位相角は180°となる。また、エンジン回転数Neが所定値Ne1以上で且つ所定値Ne2よりも小さいときには、開弁特性が最小弁開角と最大弁開角との間をエンジン1の運転状態に応じて連続的に可変設定されるようにアクチュエータ15a,15bを駆動制御し、このときのコントロールディスク9の回転位相角は0〜180°の間で連続的に移動する。
【0030】
点火時期や燃料噴射といった制御要素101の設定は、上述した最適マップ,最低速マップ及び最高速マップの3つのマップを適宜利用して行なわれる。つまり、エンジン回転数Neが所定値Ne1よりも小さいときには最低速マップを利用し、所定値Ne2以上のときには最高速マップを利用して制御要素101が制御される。また、エンジン回転数Neが所定値Ne1以上で且つ所定値Ne2よりも小さいときには、実際の開弁特性がエンジン運転状態(エンジン回転数Ne)に応じた最適開弁特性であれば、最適マップに基づき制御要素101を制御し、実際の開弁特性が最適開弁特性でなければ、最適マップと最低速マップ又は最高速マップとを利用した補間法により、制御要素101を制御するように構成されている。
【0031】
以上のように、本実施形態におけるバルブタイミング可変機構の制御装置は、ECU16により、吸気バルブや排気バルブの開弁特性(バルブ開閉タイミングや開弁期間)が最小開弁特性(図3のI線参照)から最大開弁特性(図3のII線参照)まで連続的に又は段階的に変更され、エンジン1の運転状態に応じた最適な開弁特性となるようにバルブタイミング可変機構5a,5bが駆動制御される。
【0032】
そして、右バンク3a及び左バンク3bにおける可変動弁機構5a,5bのそれぞれの目標ポジションPpa,Ppbは、同一的(即ち、同一又は略同一)に設定され、各気筒群における開弁特性は同一的なものとなるように各可変動弁機構5a,5bが駆動制御される。
次に、本実施形態のバルブタイミング可変機構の制御装置におけるフェールセーフ制御について、図5乃至図6に従って説明する。
【0033】
図5乃至図6のフローチャートは、ECU16によって実行されるルーチンであって、所定時間の定時割り込みで実行される。
処理がこのルーチンへ移行すると、ステップA1において、気筒群A(右バンク)におけるバルブタイミング可変機構(以下、可変動弁機構)5aの実ポジション(実駆動状態)Praを抽出する。次にステップA2で、可変動弁機構5aにおいて設定されている目標ポジション(目標駆動状態)Ppaを抽出する。そしてステップA3にて、目標ポジションPpaと実ポジションPraの偏差ΔPa(=|Ppa−Pra|)を算出する。
【0034】
次にステップA4にて、ステップA3で算出した偏差ΔPaが所定値αよりも大きいか否か判定する。この判定結果が肯定、つまり気筒Aにおける目標ポジションPpaと実ポジションPraとの偏差ΔPaが所定値αよりも大きい場合には、ステップA5に進み、今回の実ポジションPraが前回の実ポジションPra0と同一か否か判定する。ステップA5の判定が肯定、つまり今回の実ポジションPraが前回の実ポジションPra0と同一である場合には、ステップA6に進み、タイマAのカウントアップを行なう。
【0035】
ステップA4又はステップA5の判定が否定、つまり気筒群Aにおける目標ポジションPpaと実ポジションPraとの偏差ΔPaが所定値α以下であったり、今回の実ポジションPraが前回の実ポジションPra0と同一でない場合には、ステップA7に進み、タイマAをリセットする。
ステップA6及びステップA7の後はステップA8に進み、ポジション集束制御を実施する。このポジション集束制御は、実ポジションPraが目標ポジションPpaと異なる場合に、実ポジションPraが迅速に目標ポジションPpaとなるように、アクチュエータ15aの駆動補正量を設定し、アクチュエータ15aをエンジン1の運転状態に応じて設定されている駆動制御量とこの駆動補正量とに基づき駆動する。なお、この場合に、目標ポジションPpaと実ポジションPraとの偏差ΔPaが所定値α′(<α)よりも小さいときには、駆動補正量を零に設定するようにして、不感帯を設けるようにしてもよい。
【0036】
ステップA8の気筒群Aにおけるポジション集束制御が行なわれた後は、ステップB1からステップB8の間のルーチンを実行する。このステップB1からステップB8の間におけるルーチンは、上述したステップA1からステップA8の間の気筒群Aにおけるルーチンを気筒群B(左バンク)においても同様に行なうものである。
【0037】
つまり、ステップB1乃至B3において、気筒群B(左バンク)における可変動弁機構5bの実ポジションPrbと目標ポジションPpbとの偏差ΔPb(=|Ppb−Prb|)を算出する。
そして、ステップB4乃至B7において、気筒群Bにおける偏差ΔPbが所定値αよりも大きく、今回の実ポジションPrbが前回の実ポジションPrb0と同一である場合にはタイマBのカウントアップを行ない、偏差ΔPbが所定値α以下であったり、今回の実ポジションPrbが前回の実ポジションPrb0と同一でない場合には、タイマBをリセットする。
【0038】
ついで、ステップB8において、実ポジションPrbが目標ポジションPpbと異なる場合に、実ポジションPrbが迅速に目標ポジションPpbとなるように、アクチュエータ15bの駆動補正量を設定し、アクチュエータ15bをエンジン1の運転状態に応じて設定されている駆動制御量とこの駆動補正量とに基づき駆動するポジション集束制御を行なう。
【0039】
ステップB8の気筒群Bにおけるポジション集束制御を行なった後は、図6に示すフローチャートのステップC1に進み、気筒群AにおけるタイマAと気筒群BにおけるタイマBとのカウントアップ値Ta,Tbを抽出する。次に、ステップC2で、タイマAとタイマBとのカウントアップ値Ta,Tbの何れかが所定値βよりも大きいか否か判定する。
【0040】
そして、ステップC2で、タイマAとタイマBとのカウントアップ値Ta,Tbの何れかが所定値βよりも大きい、つまり気筒群Aにおける目標ポジションPpaと実ポジションPraとの偏差ΔPaが所定値αよりも大きく且つ実ポジションPraが変更されない状態、又は気筒群Bにおける目標ポジションPpbと実ポジションPrbとの偏差ΔPbが所定値αよりも大きく且つ実ポジションPrbが変更されない状態が所定時間継続した場合には、ECU16内に備えられた判定機能(異常判定手段)が、可変動弁機構5a,5bの少なくとも何れかが固結するなどの異常が生じたと判定して、ステップC3に進み、フェールフラグFを1に設定する。
【0041】
次に、ステップC4に進み、ECU16内に備えられた変更機能(いずれかの可変動弁機構5a,5bについて異常が判定された時に、両可変動弁機構5a,5bの目標駆動状態を変更する異常時変更手段)により、エンジン1の運転状態に基づき設定されていた各可変動弁機構5a,5bにおける目標ポジションPpa,Ppbを最低速ポジション(最低速駆動状態)Pla,Plbに変更するとともに、可変動弁機構5a,5bを、アクチュエータ15a,15bにより最低速ポジションPla,Plbとなるように駆動制御する。
【0042】
ここで、最低速ポジションPla,Plbとは、アクチュエータ15a,15bにおけるそれぞれのコントロールディスク9の回転位相角が0°となるポジションのことであり、このときの開弁特性は図3に実線Iで示すように最小弁開角(最小開弁期間)となる。
次に、ステップC5に進み、点火時期や燃料噴射などのエンジン1の制御要素に関わる制御マップを、最低速マップにそれぞれ変更し、制御要素101を、この最低速マップに基づき制御する。また、エンジン1の回転数の上限値(最高エンジン回転数)Nemaxを所定値Nemax′に低下させる。その後リターンされる。
【0043】
また、ステップC2において、タイマA及びタイマBのカウントアップ値Ta,Tbが何れも所定値β以下である場合には、リターンされる。
以上説明したように、本実施形態における可変動弁機構5a,5bの制御装置では、独立して制御される可変動弁機構が気筒群A(右バンク)と気筒群B(左バンク)とのそれぞれに設けられ、気筒群A又は気筒群Bの何れかの気筒群における可変動弁機構において、実ポジションPra,Prbと目標ポジションPpa,Ppbとの偏差ΔPa,ΔPbが所定値αよりも大きく、且つ実ポジションPra,Prbが変更されない場合に、可変動弁機構に異常が生じたと判断する。
【0044】
例えば、目標ポジションPpa,Ppbが、図9に実線で示すように低速側から高速側へ変更するように設定され、可変動弁機構5a,5bが低速側から高速側へ可変制御される際に、いずれかの気筒群における可変動弁機構の駆動手段に不具合が生じ、該可変動弁機構における実ポジションが、図9の一点鎖線Iで示すように不変となると、この実ポジションが不変となった可変動弁機構における目標ポジションと実ポジションとの偏差が増加していき、この偏差が所定値αよりも大きくなった時点で異常と判定される。
【0045】
このように可変動弁機構が固結するなどして、いずれかの気筒群における可変動弁機構の目標ポジションと実ポジションとの偏差が所定値αよりも大きくなると異常と判定するので、可変動弁機構の異常検出を的確に且つ迅速に行なうことができる。
なお、図9において、実線はエンジン1の運転状態に応じて設定される可変動弁機構5a,5bの目標ポジションPpa,Ppbであり、破線は可変動弁機構が目標ポジションPpa,Ppbに沿うように正常に駆動制御される際の実ポジションである。このように、正常な可変動弁機構における実ポジションが目標ポジションよりも遅れているのは、可変動弁機構5a,5bの駆動手段(アクチュエータ)15a,15bが制御手段(ECU)16から信号を受けてから実際に駆動されるまでのタイムラグにより多少の応答遅れが生じるとともに、制御ハンチングを防止するために不感帯が設定されているためである。よって、可変動弁機構が可変制御される際には、図9に実線で示す目標ポジションよりも、破線で示すようにやや遅れて駆動されることなる。
【0046】
そして、V型エンジンの右バンク及び左バンクのように複数の気筒群を有し、独立して駆動制御される可変動弁機構が該気筒群毎に設けられるエンジンにおいて、いずれかの気筒群における可変動弁機構に異常が生じると、気筒群A及び気筒群Bにおける可変動弁機構5a,5b、つまり全ての可変動弁機構の各目標ポジションPpa,Ppbを最低速ポジションPla,Plbに変更して、各可変動弁機構5a,5bを最低速ポジションPla,Plbとなるように駆動制御する。
【0047】
なお、異常が生じた可変動弁機構が固結するなどして駆動制御不可能な場合には、異常が生じていない可変動弁機構のみが最低速ポジションに切り換えられることとなり、異常が生じた可変動弁機構が、最高速ポジション側への駆動制御が不可能である場合には、この異常が生じた可変動弁機構も最低速ポジションへの駆動制御が可能であるため、異常が生じていない可変動弁機構及び異常が生じた可変動弁機構、つまり全ての可変動弁機構が最低速ポジションへ駆動制御されることとなる。このように、いずれかの気筒群における可変動弁機構に異常が生じると、少なくとも気筒群A又は気筒群Bの異常が生じていない側の可変動弁機構が最低速ポジションで駆動制御されることとなる。
【0048】
よって、気筒群毎に設けられる各可変動弁機構のいずれかに異常が生じると、気筒群毎に設けられている全ての可変動弁機構が最低速ポジションに切換制御され、少なくとも異常が生じていない可変動弁機構が最低速ポジションに切り換えられるので、アイドリング時における燃焼安定性が確保されるとともに、低中速領域による運転が可能とすることができる。そして、異常が生じていない可変動弁機構が最低速ポジションにより駆動されるので、その後この異常が生じていない可変動弁機構に異常が生じても、最低速ポジションでの駆動が継続され、アイドリング時における燃焼安定性や低中速領域による運転が確保することができる。
【0049】
さらに、本実施形態では、気筒群に設けられる可変動弁機構の何れかに異常が生じると、点火時期や燃料噴射などのエンジン1の制御要素に関する制御マップを最低速マップに変更して、この制御要素を最低速マップに応じて制御する。つまり、制御要素は可変動弁機構の駆動状態に適して制御されることとなる。
よって、点火時期や燃料噴射(体積効率)などの制御要素は、異常発生により最低速ポジションに切換制御された可変動弁機構による吸気弁や排気弁といったバルブの開弁特性に応じて最適に制御されることとなり、燃焼安定性がより向上されて、振動や異音の発生が抑制されるとともに、異常発生による耐久性の低下が回避でき耐久性が確保される。
【0050】
また、本実施形態では、気筒群毎に設けられた可変動弁機構のいずれかに異常が生じると、可変動弁機構の目標ポジションが最低速ポジションに変更され、制御要素の制御マップが最低速マップに変更されると、エンジン回転数Neの上限値(最高エンジン回転数)Nemaxを低下させる。
このように、可変動弁機構の最低速ポジションによる駆動制御に合わせて、最高エンジン回転数Nemaxを低下させることにより、可変動弁機構の最低速ポジションでの高速運動による吸排気弁のバウンスなどを回避でき、エンジンの耐久性が確保されることとなる。
【0051】
次に、本発明における出力可変動弁機構の制御装置の第2実施形態としてのバルブタイミング可変機構の制御装置について説明する。この第2実施形態では、上述した第1実施形態に対してバルブタイミング可変機構(可変動弁機構ともいう)5a,5bの異常判定方法のみが異なり、可変動弁機構5a,5bの構成などは上述した第1実施形態と同様のものとなっている。
【0052】
この第2実施形態におけるフェールセーフ制御について、図7乃至図8に従って説明する。図7乃至図8のフローチャートも、ECU16によって実行されるルーチンであって、所定時間の定時割り込みで実行される。
処理がこのルーチンへ移行すると、ステップA21において、気筒群A(右バンク)における可変動弁機構5aの実ポジション(実駆動状態)Praを抽出する。次にステップA22で、エンジン1の運転状態に応じた最適な開弁特性となるように設定されている可変動弁機構5aにおける目標ポジション(目標駆動状態)Ppaを抽出する。そしてステップA23にて、気筒群Aにおける目標ポジションPpaと実ポジションPraの偏差ΔPa(=|Ppa−Pra|)を算出する。
【0053】
次にステップA24にて、第1実施形態におけるステップA8において説明したポジション集束制御を行なう。つまり、ステップA23で算出した偏差ΔPaに応じて、実ポジションPraが目標ポジションPpaに合致するように気筒群Aにおける可変動弁機構5aを駆動制御する。そしてステップA25に進み、ステップA23で算出した偏差ΔPaの所定期間における最大値ΔPamax及び最小値ΔPaminを抽出する。
【0054】
次に、ステップB21に進み、上述したように気筒群AにおけるステップA21〜A25と同様なルーチンを気筒群Bについて、ステップB21〜B25で行なう。つまり、気筒群Bに設けられている可変動弁機構5bにおける実ポジションPrbと目標ポジションPpbとの偏差ΔPbを算出して、実ポジションPrbが目標ポジションPpbに合致するようにポジション集束制御を行なうとともに、偏差ΔPbの最大値ΔPbmax及び最小値ΔPbminを抽出する。
【0055】
次に、図8に示すステップC21に進み、ステップA25で抽出した可変動弁機構5aにおける偏差ΔPaの最大値ΔPamax及び最小値ΔPaminとステップB25で抽出した可変動弁機構5bにおける偏差ΔPbの最大値ΔPbmax及び最小値ΔPbminとから、偏差ΔPaと偏差ΔPbとのばらつき最大値ΔPab(ただし、ΔPamax−ΔPbmin>ΔPbmax−ΔPaminのときには、ΔPab=ΔPamax−ΔPbmin、ΔPbmax−ΔPamin>ΔPamax−ΔPbminのときには、ΔPab=ΔPbmax−ΔPamin)を算出する。
【0056】
次に、ステップC22に進み、ステップC21で算出したばらつき最大値ΔPabが所定値γよりも大きいか否か判定する。そして、ステップC22の判定が肯定、つまりばらつき最大値ΔPabが所定値γよりも大きい場合には、ステップC23に進み、タイマCを作動させ、カウントアップを行なう。
次に、ステップC24に進み、タイマCのカウントアップ値(作動時間)Tcが所定値(所定時間)β′よりも大きいか否か判定する。ステップC24の判定が肯定、つまりばらつき最大値ΔPabが所定値γよりも大きい状態が所定時間β′よりも長い時間継続した場合には、ECU16内に備えられた判定機能(異常判定手段)が、可変動弁機構5a,5bの少なくとも何れかが固結するなどの異常が生じたと判定して、ステップC25に進み、フェールフラグFを1に設定する。
【0057】
次に、ステップC26に進み、ECU16内に備えられた変更機能(異常時変更手段)により、気筒群Aの可変動弁機構5a及び気筒群Bの可変動弁機構5bのそれぞれの目標ポジション(目標駆動状態)Ppa,Ppbを最低速ポジション(最低速駆動状態)Pla,Plbに設定する。この最低速ポジションPla,Plbへの設定は、上述した第1実施形態におけるステップC4と同一のものであり、またステップC25で設定されたフェールフラグFが1に設定されることにより行なわれるものである。
【0058】
次に、ステップC27に進み、点火時期や燃料噴射などのエンジン1の制御要素に関わる制御マップを、最低速マップにそれぞれ変更し、ECU16は制御要素を、この最低速マップに基づき制御する。また、エンジン1の最高回転数の上限値(最高エンジン回転数)Nemaxを所定値Nemax′に低下させる。このステップC27は上述した第1実施形態におけるステップC5と同一のものである。そして、その後リターンされる。
【0059】
ステップC22においてばらつき最大値ΔPabが所定値γ以下である場合には、ステップC28に進み、タイマCをリセットしてリターンされる。また、ステップC24においてタイマCのカウントアップ値Tcが所定値β′以下である場合にはおいて、ステップC25〜C27を飛び越してリターンされる。
以上説明したように、本第2実施形態では、気筒群A(右バンク)と気筒群B(左バンク)とに設けられ、それぞれ独立して駆動制御される可変動弁機構の制御装置において、気筒群Aの可変動弁機構5aにおける実ポジションPraと目標ポジションPpaとの偏差ΔPaと、気筒群Bの可変動弁機構5bにおける実ポジションPrbと目標ポジションPpbとの偏差ΔPbとのばらつき最大値ΔPabが所定値γよりも大きい状態が所定時間継続した場合に、可変動弁機構5a,5bのいずれかに異常が生じたと判定する。
【0060】
例えば、目標ポジションPpa,Ppbが、図9に実線で示すように低速側から高速側へ変更するように設定され、可変動弁機構5a,5bが低速側から高速側へ可変制御される際に、いずれかの気筒群における可変動弁機構の駆動手段に不具合が生じ、実ポジションが図9に二点鎖線IIで示すように、この可変動弁機構の応答性が他方の可変動弁機構よりも悪くなり、この不具合が生じた可変動弁機構における目標ポジションと実ポジションとの偏差が他の可変動弁機構における同偏差に対して大きくなると、可変動弁機構に異常が生じたと判定される。
【0061】
このように、いずれかの気筒群における可変動弁機構の応答性が他の気筒群における可変動弁機構よりも悪くなるなどして、いずれかの可変動弁機構における目標ポジションと実ポジションとの偏差が、他の可変動弁機構における同偏差に対して大きくなると、異常が生じたと判定するので、可変動弁機構の異常検出を的確に且つ迅速に行なうことができる。なお、この第2実施形態における異常判定においても、第1実施形態で示したように、可変動弁機構が固結するなどして、可変動弁機構が不変となった場合にも異常と検出することができる。
【0062】
そして、第2実施形態における可変動弁機構の制御装置でも、いずれかの気筒群における可変動弁機構に異常が生じたと判定されると、全ての気筒群における可変動弁機構の目標ポジションを最低速ポジションに設定し、各可変動弁機構を最低速ポジションにより駆動するので、各可変動弁機構の駆動状態が最低速ポジションから可変制御されることはなく、異常が生じた可変動弁機構の応答性遅れなどにより気筒群間での出力特性に差が生じることが防止されて、振動や異音の発生が抑制される。また、第1実施形態と同様に、可変動弁機構の最低ポジションによる駆動により、吸気弁や排気弁の開弁特性は最低速特性となるので、アイドリング時における燃焼安定性が確保されるとともに、低中速領域による運転が可能とすることができる。
【0063】
さらに、本第2実施形態でも、第1実施形態と同様に、気筒群A又は気筒群Bにおける可変動弁機構5a,5bの何れかに異常が生じると、点火時期や燃料噴射などのエンジン1の制御要素に関する制御マップを最低速マップに変更して、この制御要素を最低速マップに応じて制御する。 よって、点火時期や燃料噴射(体積効率)などの制御要素は、異常発生により最低速ポジションに切換制御された可変動弁機構による吸気弁や排気弁といったバルブの開弁特性に応じて最適に制御されることとなり、燃焼安定性がより向上されて、振動や異音の発生がより抑制されるとともに、耐久性が確保される。
【0064】
また、本第2実施形態においても、上述した第1実施形態と同様に、気筒群毎に設けられた可変動弁機構のいずれかに異常が生じたことにより、可変動弁機構の目標ポジションが最低速ポジションに設定されるとともに、制御要素の制御マップが最低速マップに変更されると、エンジン回転数Neの上限値(最高エンジン回転数)Nemaxが所定値Nemax′に低下される。
【0065】
このように、可変動弁機構の最低速ポジションによる駆動制御に合わせて、最高エンジン回転数Nemaxを低下させることにより、エンジンの耐久性が確保されることとなる。
なお、上述した第1実施形態及び第2実施形態において、可変動弁機構のいずれかに異常が生じたと判定すると、可変動弁機構に異常が生じたことを運転者に警報又は表示する警報装置又は表示装置を設けるようにしてもよい。
【0066】
また第1実施形態及び第2実施形態では、本発明の内燃機関の出力可変機構制御装置について、気筒群毎に設けられる出力可変機構として可変動弁機構を例に説明したが、この可変動弁機構の構成については、上述した実施形態に限定されるものではなく、吸気弁や排気弁の開弁特性を無段階に又は有段階に可変制御可能に構成されるものであればよい。また、開弁特性については、開弁期間を可変制御する可変動弁機構の実施形態であったが、バルブリフト量や開弁タイミングを可変制御するように構成されるものであってもよい。
【0067】
なお、本第1実施形態及び第2実施形態では、吸気弁と排気弁との両方における開弁特性を可変制御するように説明したが、これに限らずに吸気弁又は排気弁の一方の開弁特性を可変制御可能に構成される可変動弁機構でもよい。
また、上述した第1実施形態及び第2実施形態では、右バンクと左バンクとの各バンク毎に独立して駆動制御される可変動弁機構を設けたV型エンジンを例に説明したが、本発明の出力可変機構制御装置は、これに限定されるものではない。例えば、直線型の多気筒エンジンを複数の気筒群に分けて、これらの気筒群毎に独立して駆動制御される可変動弁機構を設けるようにしたエンジンなどでもよい。
【0068】
また、上述した第1実施形態及び第2実施形態では、各可変動弁機構における目標ポジションが同一的に設定され、各気筒群における開弁特性が同一的となるように各可変動弁機構が駆動制御される構成の例を説明したが、これに限定されるものではない。つまり、各可変同弁機構における目標ポジションが独自に設定され、各気筒群における開弁特性がそれぞれ異なるように各可変動弁機構を駆動制御するように構成されるものにおいても、上述したようにいずれかの気筒群における可変動弁機構に異常が生じたと判定されると、全ての可変動弁機構の各目標ポジションを最低速ポジションに変更するようにしてもよい。
【0069】
さらに、上述した第1及び第2実施形態では、可変動弁機構の制御装置について説明したが、本発明の内燃機関の出力可変機構制御装置はこれに限定されるものではなく、可変吸気機構や可変圧縮比機構、及び可変過給機構などのエンジン出力を可変制御可能で、気筒列などの気筒群を複数有する内燃機関の各気筒群に設けられる出力可変機構の制御装置であればよい。この場合にも、それぞれの出力可変機構が独立して駆動制御されるように構成され、いずれかの気筒群における出力可変機構に異常が生じた場合には、全ての気筒群における出力可変機構の駆動状態を最低速ポジション(最低速駆動状態)に切換制御するようにすればよい。
【0070】
なお、この場合にも、いずれかの気筒群における出力可変機構に異常が生じ、全ての気筒群における出力可変機構の駆動状態を最低速ポジションに切換制御すると、エンジンの制御要素における制御マップを最低速マップに設定して、この最低速マップにより制御したり、最高エンジン回転数を低下させるようにしてもよい。
【0071】
また、上述した第1及び第2実施形態では、点火時期や燃料噴射などのエンジン1の制御要素101を最適マップ、最低速マップ及び最高速マップにより制御する例について説明したが、本発明の出力可変機構制御装置は、これに限定されるものではなく、これらの制御要素101は、エンジン1の運転の状態やバルブの開弁特性に応じて制御されるように構成されていればよい。
【0072】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1記載の本発明の内燃機関の出力可変機構制御装置によれば、気筒群を複数有する内燃機関の各気筒群に設けられ、独立して駆動される各出力可変機構のそれぞれの実駆動状態が内燃機関の運転状態に応じて設定される目標駆動状態となるように、各出力可変機構を駆動制御するとともに、各出力可変機構の少なくともいずれかに異常が生じたと判定されると、全ての出力可変機構における各目標駆動状態を最低速駆動状態に変更するので、いずれかの気筒群における出力可変機構に異常が生じても、少なくとも異常が生じていない出力可変機構が最低速駆動状態として駆動制御され、アイドリング時における燃焼安定性を確保することができるとともに、最低限の走行、つまり低中速領域による走行を可能とすることができる。さらに、いずれかの気筒群における出力可変機構に異常が生じ、各出力可変機構が目標駆動状態として設定される最低速駆動状態で駆動制御されると、内燃機関の点火時期と燃料噴射との少なくとも一つを出力可変機構の最低速駆動状態に対応して制御するので、内燃機関の制御要素が出力可変機構の駆動状態に応じて最適に制御されて、燃焼安定性をより向上することができるとともに、振動や異音の発生を抑制することができ、耐久性を確保することができる。
【0075】
請求項2記載の本発明の内燃機関の出力可変機構制御装置によれば、さらに、いずれかの気筒群における出力可変機構に異常が生じ、各出力可変機構が目標駆動状態として設定される最低速駆動状態で駆動制御されると、内燃機関の点火時期と燃料噴射との少なくとも一つを出力可変機構の最低速駆動状態に対応して制御するので、内燃機関の制御要素が出力可変機構の駆動状態に応じて最適に制御されて、燃焼安定性をより向上することができるとともに、振動や異音の発生を抑制することができ、耐久性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態における内燃機関の出力可変機構制御装置の模式的な全体構成図である。
【図2】本発明の実施形態における出力可変機構の斜視図である。
【図3】本発明の実施形態における出力可変機構についての作動特性を説明する特性図である。
【図4】本発明の実施形態における内燃機関の出力可変機構制御装置のブロック構成図である。
【図5】本発明の第1実施形態における内燃機関の出力可変機構の制御について説明するフローチャートである。
【図6】本発明の第1実施形態における内燃機関の出力可変機構の制御について説明するフローチャートである。
【図7】本発明の第2実施形態における内燃機関の出力可変機構の制御について説明するフローチャートである。
【図8】本発明の第2実施形態における内燃機関の出力可変機構の制御について説明するフローチャートである。
【図9】本発明の実施形態における出力可変機構の駆動状態を説明する図である。
【符号の説明】
1 エンジン
3a 右バンク(気筒群A)
3b 左バンク(気筒群B)
5a,5b 出力可変機構としての可変動弁機構(バルブタイミング可変機構)
15a,15b 駆動手段としてのアクチュエータ
16 ECU
23a,23b ポジションセンサ
101 制御要素
102 マップ格納手段
Claims (2)
- 複数の気筒群を有する内燃機関の前記各気筒群に設けられ、独立して駆動される出力可変機構と、
前記各出力可変機構のそれぞれの実駆動状態を検出する実駆動状態検出手段と、
前記各出力可変機構の目標駆動状態を前記内燃機関の運転状態に応じて設定する目標駆動状態設定手段と、
前記各出力可変機構の前記実駆動状態が前記目標駆動状態となるように各出力可変機構を駆動制御する駆動手段と、
前記各出力可変機構の異常を判定する異常判定手段と、
前記異常判定手段により前記各出力可変機構の少なくともいずれかに異常が生じたと判定されると、全ての前記出力可変機構における各目標駆動状態を最低速駆動状態に変更する異常時変更手段とを備え、
前記目標駆動状態設定手段が、前記各出力可変機構の目標駆動状態を同一的に設定するとともに、
前記異常判定手段が、前記各出力可変機構における前記目標駆動状態と前記実駆動状態との偏差を算出し、前記各出力可変機構間での前記偏差の最大ばらつき値を算出し、該最大ばらつき値が所定値よりも大きいときに前記出力可変機構が異常であると判定する
ことを特徴とする、内燃機関の出力可変機構制御装置。 - 前記異常時変更手段により、前記目標駆動状態が最低速駆動状態に変更されると、前記内燃機関の点火時期と燃料噴射との少なくとも一つが前記出力可変機構の最低速駆動状態に対応して制御される
ことを特徴とする、請求項1記載の内燃機関の出力可変機構制御装置。
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