JP4299327B2 - 可変バルブタイミング装置 - Google Patents

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Description

この発明は、可変バルブタイミング装置に関し、より特定的には、アクチュエータの作動量に応じた変化量でバルブの開閉タイミングを変更する機構を有する可変バルブタイミング装置に関する。
従来より、インテークバルブやエキゾーストバルブが開閉する位相(クランク角)を運転状態に応じて変更する可変バルブタイミング(Variable Valve Timing:VVT)装置が知られている。一般的に、可変バルブタイミング装置では、インテークバルブやエキゾーストバルブを開閉駆動するカムシャフトをスプロケット等に対して相対的に回転させることにより位相を変更する。カムシャフトは、油圧や電動モータ等のアクチュエータにより回転される。
たとえば、特開2005−120874号公報(特許文献1)には、電動モータの回転トルクを利用してエンジンのバルブタイミングを調整するバルブタイミング調整装置が開示される。特に、このバルブタイミング調整装置によれば、エンジン運転状況から設定した目標の位相と、クランク回転数およびカム回転数から割り出した実際の位相との位相差に応じて、電動モータ回転数の目標変化量が設定される。この目標変化量は、位相変化速度に対応するものであり、電動モータは、上記目標変化量を示す制御信号を受信する駆動回路によって通電制御される。
特開2005−120874号公報
エンジンのバルブタイミングは、燃焼安定性、燃費、出力およびエミッション等に大きな影響を与える。すなわち、バルブタイミングの目標位相の設定は、どの要素を優先するかによって異なってくる。たとえば、アイドル運転時には、燃焼安定性を重視した目標位相が設定される。
一般的には、これらの要素が総合的にバランス良く実現されるように、エンジンの運転状態に対応させて目標位相が予め設定される。具体的には、エンジン運転中に、エンジン運転状態と目標位相との対応関係を予め格納したマップ等の参照により、エンジンの運転状況の変化に応じてバルブタイミングの目標位相が逐次設定される。
したがって、バルブタイミング制御中には、燃焼を不安定側へ変化させるようなバルブタイミング変更を行なう場面も存在することとなる。このため、上記のような観点からエンジンの総合的なパフォーマンスを向上させるためにバルブタイミング制御を行なうためには、バルブタイミングの変化方向と燃焼安定性との関係を考慮することが重要となる。特に、上記のような燃焼安定性の高い位相が、バルブタイミングの位相変更可能な制御範囲の中間に位置する場合には、単純に、進角時と遅角時との間での位相変化速度を異なる値とするのに止まらず、上記の点を考慮に入れた制御とすることが好ましい。
この発明は、このような問題点を解決するためになされたものであって、この発明の目的は、燃焼安定性が損なわれないように考慮して、エンジン運転状態に応じたバルブタイミング制御を行なうことが可能な可変バルブタイミング装置を提供することである。
この発明の可変バルブタイミング装置は、エンジンに設けられたインテークバルブおよびエキゾーストバルブの少なくとも一方のバルブの開閉タイミングを変更する可変バルブタイミング装置であって、アクチュエータと、変更機構と、位相目標設定手段と、制御目標値設定手段と、アクチュエータ作動量設定手段と、位相変化方向判定手段と、変化速度制御手段とを備える。アクチュエータは、可変バルブタイミング装置を作動させる。変更機構は、アクチュエータの作動量に応じた変化量で上記少なくとも一方のバルブの開閉タイミングを変更するように構成され、かつ、エンジンの燃焼が安定となる基準タイミングが開閉タイミングの変更可能な制御範囲の途中に存在するように構成される。位相目標設定手段は、エンジンの運転状態に応じて、少なくとも一方のバルブの目標開閉タイミングを設定するように構成される。制御目標値設定手段は、位相目標設定手段によって設定された目標開閉タイミングに基づき、開閉タイミングの制御目標値を設定するように構成される。アクチュエータ作動量設定手段は、開閉タイミングの現在値と制御目標値との偏差に基づき、アクチュエータの作動量を設定するように構成される。位相変化方向判定手段は、開閉タイミングの現在値および目標開閉タイミングに基づき、開閉タイミングの変化方向が、基準タイミングに近づく第1の方向および基準タイミングから遠ざかる第2の方向のいずれであるかを判定するように構成される。変化速度制御手段は、開閉タイミングの変化方向が第2の方向であるときに、開閉タイミングの変化速度を、開閉タイミングの変化方向が第1の方向であるときと比較して相対的に遅くするように構成される。
好ましくは、上記基準タイミングは、エンジンのアイドル運転時における目標開閉タイミングである。
上記可変バルブタイミング装置によれば、エンジン運転状態に従うバルブ開閉タイミング制御による開閉タイミングの変化が、基準タイミングから遠ざかる方向、すなわち、エンジンの燃焼安定性の面からは不安定な方向の変化となる場面では、エンジン運転状態に対応した目標開閉タイミングの変化に対する開閉タイミングの変化速度を制限するような制御が実現される。これにより、バルブ開閉タイミングによってエンジンの燃焼安定性に悪影響が発生することを防止できる。一方、バルブ開閉タイミング制御による開閉タイミングの変化が基準タイミングに近づく方向、すなわち、エンジンの燃焼安定性を高める方向となる場面では、目標開閉タイミングの変化に対する開閉タイミングの変化速度を確保して、バルブ開閉タイミング制御効果の発揮によるエンジンの総合的なパフォーマンス向上を図ることができる。これにより、燃焼安定性を損なわれないように考慮して、エンジン運転状態に応じたバルブ開閉タイミング制御を行なうことが可能となる。
好ましくは、制御目標値設定手段は、位相目標設定手段により設定される目標開閉タイミングの変化を時間軸方向になまして制御目標値を設定できるように構成され、かつ、変化速度制御手段は、制御目標値設定手段における時間軸方向へのなまし度合いを、開閉タイミングの変化方向が第2の方向である場合に、開閉タイミングの変化方向が第1の方向である場合と比較して相対的に大きく設定するように構成される。
このような構成とすることにより、エンジンの運転状態に応じて設定される目標タイミングの時間的変化を、バルブ開閉タイミング制御の制御目標値に反映する際の時間軸方向のなまし度合いの可変設定によって、上述した、燃焼安定性を損なわれないように考慮したバルブ開閉タイミング制御を実現することができる。
また好ましくは、アクチュエータ作動量設定手段は、開閉タイミングの現在値と制御目標値との偏差に基づき、単一の制御周期内での最大制御量の範囲内でアクチュエータの作動量を設定するように構成され、かつ、変化速度制御手段は、最大制御量を、開閉タイミングの変化方向が第2の方向であるときに、開閉タイミングの変化方向が第1の方向である場合と比較して相対的に小さく設定するように構成される。
このような構成とすることにより、バルブ開閉タイミング制御の単一の制御周期内における最大制御量の可変設定により、上述した、燃焼安定性を損なわれないように考慮したバルブ開閉タイミング制御を実現することができる。
さらに好ましくは、アクチュエータは電動機で構成され、かつ、アクチュエータの作動量は、開閉タイミングが変更されるバルブを駆動するカムシャフトに対する電動機の相対的な回転速度差である。また、開閉タイミングの変更可能な制御範囲は、第1および第2の領域を含み、基準タイミングは、第1の領域内に設けられる。さらに、変更機構は、開閉タイミングが第1の領域にある場合におけるアクチュエータの作動量に対する開閉タイミングの変化量の比率が、開閉タイミングが第2の領域にある場合における比率よりも大きくなるように構成され、かつ、電動機の回転速度がカムシャフトの回転速度より低いときに、第1の領域外の開閉タイミングが第1の領域へ向けて変化するように構成される。
このような構成とすることにより、エンジン運転中にアクチュエータである電動機が動作不能となったケースにおいて、開閉タイミングが第1の領域内、すなわち、比較的基準タイミングに近い位相に位置するときには開閉タイミングの変化量を抑えることができ、かつ、開閉タイミングが第2の領域内、すなわち、比較的基準タイミングから遠い位相に位置するときには、開閉タイミングを基準タイミングの近傍(第1の領域)に向けて変更することができる。したがって、エンジン運転中にアクチュエータの異常によって開閉タイミングが不能となっても、開閉タイミングをエンジンの燃焼安定側の設定とすることができる。
この発明による可変バルブタイミング装置によれば、燃焼安定性を損なわれないように考慮して、エンジン運転状態に応じたバルブタイミング制御を行なうことが可能である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同一である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
図1を参照して、本発明の実施の形態に係る可変バルブタイミング装置を搭載した車両のエンジンについて説明する。
エンジン1000は、第1バンク1010および第2バンク1012に、それぞれ4つの気筒(シリンダ)からなる気筒群が設けられたV型8気筒エンジンである。なお、本発明の適用はエンジン形式を限定するものではなく、V型8気筒以外の形式のエンジンについても、以下に説明する可変バルブタイミング装置を適用可能である。
エンジン1000には、エアクリーナ1020から空気が吸入される。吸入空気量は、スロットルバルブ1030により調整される。スロットルバルブ1030はモータにより駆動される電子スロットルバルブである。
空気は、吸気通路1032を通ってシリンダ1040に導入される。空気は、シリンダ1040の内部(燃焼室)において燃料と混合される。シリンダ1040には、インジェクタ1050から燃料が直接噴射される。すなわち、インジェクタ1050の噴射孔はシリンダ1040内に設けられている。
燃料は吸気行程において噴射される。なお、燃料が噴射される時期は、吸気行程に限らない。また、本実施の形態においては、インジェクタ1050の噴射孔がシリンダ1040内に設けられた直噴エンジンとしてエンジン1000を説明するが、直噴用のインジェクタ1050に加えて、ポート噴射用のインジェクタを設けてもよい。さらに、ポート噴射用のインジェクタのみを設けるようにしてもよい。
シリンダ1040内の混合気は、点火プラグ1060により着火されて燃焼する。燃焼後の混合気、すなわち排気ガスは、三元触媒1070により浄化された後、車外に排出される。混合気の燃焼によりピストン1080が押し下げられることにより、クランクシャフト1090が回転する。
シリンダ1040の頭頂部には、インテークバルブ1100およびエキゾーストバルブ1110が設けられる。インテークバルブ1100はインテークカムシャフト1120により駆動される。エキゾーストバルブ1110はエキゾーストカムシャフト1130により駆動される。インテークカムシャフト1120およびエキゾーストカムシャフト1130は、チェーンやギヤ等により連結されて、同じ回転速度(クランクシャフト1090の回転速度の2分の1)で回転する。なお、シャフト等の回転体の回転速度については、単位時間当たりの回転数(代表的には、毎分当たりの回転数:rpm)で表わすことが一般的であるため、以下では、回転体の回転速度の意味で単に「回転数」とも表記する。
インテークバルブ1100は、インテークカムシャフト1120に設けられたインテーク用VVT機構2000により、その位相(開閉タイミング)が制御される。エキゾーストバルブ1110は、エキゾーストカムシャフト1130に設けられたエキゾースト用VVT機構3000により、その位相(開閉タイミング)が制御される。
本実施の形態においては、インテークカムシャフト1120およびエキゾーストカムシャフト1130がVVT機構により回転されることにより、インテークバルブ1100およびエキゾーストバルブ1110の位相が制御される。なお、位相を制御する方法はこれに限らない。
インテーク用VVT機構2000は、電動モータ2060(図3において図示)により作動する。電動モータ2060は、電子制御ユニット(ECU)4000により制御される。電動モータ2060の電流や電圧は電流計(図示せず)および電圧計(図示せず)により検知され、ECU4000に入力される。
エキゾースト用VVT機構3000は、油圧により作動する。なお、インテーク用VVT機構2000を油圧により作動するようにしてもよく、エキゾースト用VVT機構3000を電動モータにより作動するようにしてもよい。
ECU4000には、クランク角センサ5000からクランクシャフト1090の回転数およびクランク角を表す信号が入力される。また、ECU4000には、カムポジションセンサ5010からインテークカムシャフト1120およびエキゾーストカムシャフト1130の位相(回転方向におけるカムシャフトの位置)を表す信号が入力される。
さらに、ECU4000には、水温センサ5020からエンジン1000の水温(冷却水の温度)を表す信号が、エアフローメータ5030からエンジン1000の吸入空気量(エンジン1000に吸入される空気量)を表す信号が入力される。
ECU4000は、これらのセンサから入力された信号、メモリ(図示せず)に記憶されたマップおよびプログラムに基づいて、エンジン1000が所望の運転状態になるように、スロットル開度、点火時期、燃料噴射時期、燃料噴射量、インテークバルブ1100の位相、エキゾーストバルブ1110の位相などを制御する。
図2に示すように、本実施の形態においてECU4000は、エンジン運転状態を示すパラメータ、代表的にはエンジン回転数NEと吸入空気量KLとをパラメータに対応して予め目標位相を決定したマップの参照により、現在のエンジン運転状態に対応したインテークバルブ1100の目標位相を逐次決定する。一般的に、インテークバルブ1100の目標位相を決定するための上述のマップは水温別に複数記憶される。
上述のように、インテークバルブ1100の目標位相は、それぞれのエンジン運転状態において、燃焼安定性、燃費、出力およびエミッション等の項目のうちのいずれを優先させるべきかを考慮して定められている。たとえば、アイドル運転時には、燃焼安定性を重視した目標位相が設定される。なお、図2中には、エンジン回転数NEおよび吸入空気量KLをパラメータとした目標位相設定の定性的な特性が合せて例示される。
以下、インテーク用VVT機構2000についてさらに説明する。なお、エキゾースト用VVT機構3000を、以下に説明するインテーク用VVT機構2000と同じ構成にするようにしてもよく、インテーク用VVT機構2000およびエキゾースト用VVT機構3000の各々を、以下に説明するインテーク用VVT機構2000と同じ構成にしてもよい。
図3に示すように、インテーク用VVT機構2000は、スプロケット2010、カムプレート2020、リンク機構2030、ガイドプレート2040、減速機2050、および電動モータ2060から構成される。
スプロケット2010は、チェーン等を介してクランクシャフト1090に連結される。スプロケット2010の回転数は、インテークカムシャフト1120およびエキゾーストカムシャフト1130と同様に、クランクシャフト1090の2分の1の回転数である。スプロケット2010の回転軸と同心軸で、スプロケット2010に対して相対的に回転可能であるように、インテークカムシャフト1120が設けられる。
カムプレート2020は、ピン(1)2070によりインテークカムシャフト1120に連結される。カムプレート2020は、スプロケット2010の内部において、インテークカムシャフト1120と一体的に回転する。なお、カムプレート2020とインテークカムシャフト1120とを一体的に形成するようにしてもよい。
リンク機構2030は、アーム(1)2031とアーム(2)2032とから構成される。図3におけるA−A断面である図4に示すように、インテークカムシャフト1120の回転軸に対して点対称になるように、一対のアーム(1)2031がスプロケット2010内に設けられる。各アーム(1)2031は、ピン(2)2072を中心として搖動可能であるようにスプロケット2010に連結される。
図3におけるB−B断面である図5、および図5の状態からインテークバルブ1100の位相を進角させた状態である図6に示すように、アーム(1)2031とカムプレート2020とが、アーム(2)2032により連結される。
アーム(2)2032は、ピン(3)2074を中心として、アーム(1)2031に対して搖動可能であるように支持される。また、アーム(2)2032は、ピン(4)2076を中心として、カムプレート2020に対して搖動可能であるように支持される。
一対のリンク機構2030により、インテークカムシャフト1120がスプロケット2010に対して相対的に回転し、インテークバルブ1100の位相が変更される。そのため、一対のリンク機構2030のうちのいずれか一方が破損等して折れた場合であっても、他方のリンク機構によりインテークバルブ1100の位相を変更することが可能である。
図3に戻って、各リンク機構2030(アーム(2)2032)のガイドプレート2040側の面には、制御ピン2034が設けられる。制御ピン2034は、ピン(3)2074と同心軸に設けられる。各制御ピン2034は、ガイドプレート2040に設けられたガイド溝2042内を摺動する。
各制御ピン2034は、ガイドプレート2040のガイド溝2042内を摺動することにより、半径方向に移動される。各制御ピン2034が半径方向に移動されることにより、インテークカムシャフト1120がスプロケット2010に対して相対回転せしめられる。
図3におけるC−C断面である図7に示すように、ガイド溝2042は、ガイドプレート2040が回転することにより各制御ピン2034を半径方向に移動させるように、渦巻形状に形成される。なお、ガイド溝2042の形状はこれに限らない。
制御ピン2034がガイドプレート2040の軸心から半径方向に離れるほど、インテークバルブ1100の位相はより遅角される。すなわち、位相の変化量は、制御ピン2034が半径方向に変化することによるリンク機構2030の作動量に対応した値になる。なお、制御ピン2034がガイドプレート2040の軸心から半径方向に離れるほど、インテークバルブ1100の位相がより進角されるようにしてもよい。
図7に示すように、制御ピン2034がガイド溝2042の端部に当接すると、リンク機構2030の作動が制限される。そのため、制御ピン2034がガイド溝2042の端部に当接する位相が、最遅角もしくは最進角の位相になる。
図3に戻って、ガイドプレート2040には、ガイドプレート2040と減速機2050とを連結するための凹部2044が、減速機2050側の面において複数設けられる。
減速機2050は、外歯ギヤ2052および内歯ギヤ2054から構成される。外歯ギヤ2052は、スプロケット2010と一体的に回転するように、スプロケット2010に対して固定される。
内歯ギヤ2054には、ガイドプレート2040の凹部2044に収容される凸部2056が複数形成される。内歯ギヤ2054は、電動モータ2060の出力軸の軸心2064に対して偏心して形成されたカップリング2062の偏心軸2066を中心に回転可能に支持される。
図3におけるD−D断面を、図8に示す。内歯ギヤ2054は、複数の歯のうちの一部の歯が外歯ギヤ2052と噛合うように設けられる。電動モータ2060の出力軸回転数がスプロケット2010の回転数と同じである場合は、カップリング2062および内歯ギヤ2054は外歯ギヤ2052(スプロケット2010)と同じ回転数で回転する。この場合、ガイドプレート2040がスプロケット2010と同じ回転数で回転し、インテークバルブ1100の位相が維持される。
電動モータ2060により、カップリング2062が、軸心2064を中心に外歯ギヤ2052に対して相対的に回転されると、内歯ギヤ2054全体が軸心2064を中心に回転(公転)するとともに、内歯ギヤ2054が偏心軸2066を中心に自転する。内歯ギヤ2054の回転運動により、ガイドプレート2040がスプロケット2010に対して相対的に回転せしめられ、インテークバルブ1100の位相が変更される。
インテークバルブ1100の位相は、電動モータ2060の出力軸とスプロケット2010との相対回転数(電動モータ2060の作動量)が、減速機2050、ガイドプレート2040およびリンク機構2030において減速されることにより変化する。なお、電動モータ2060の出力軸とスプロケット2010との相対回転数を増速してインテークバルブ1100の位相を変更するようにしてもよい。なお、電動モータ2060の出力軸には、この出力軸の回転角(回転方向における出力軸の位置)を表す信号を出力するモータ回転角センサ5050が設けられる。モータ回転角センサ5050は、一般的には、電動モータ2060の出力軸が所定角度回転する度にパルス信号を発生するように構成される。このモータ回転角センサ5050の出力に基づいて、電動モータ2060の出力軸の回転数(以下、単に電動モータ2060の回転数とも称する)を検知可能である。
図9に示すように、インテーク用VVT機構2000全体の減速比R(θ)、すなわち、位相の変化量に対する電動モータ2060の出力軸とスプロケット2010との相対回転数の比は、インテークバルブ1100の位相に応じた値をとり得る。なお、本実施の形態においては、減速比が大きいほど、電動モータ2060の出力軸とスプロケット2010との相対回転数に対する位相の変化量がより小さくなる。
インテークバルブ1100の位相が最遅角からCA(1)までの第1の領域にある場合では、インテーク用VVT機構2000全体の減速比はR(1)となる。インテークバルブ1100の位相がCA(2)(CA(2)はCA(1)よりも進角側)から最進角までの第2の領域にある場合には、インテーク用VVT機構2000全体の減速比は、R(2)(R(1)>R(2))となる。
インテークバルブ1100の位相がCA(1)からCA(2)までの第3の領域にある場合には、インテーク用VVT機構2000全体の減速比は、予め定められた変化率((R(2)−R(1))/(CA(2)−CA(1)))で変化する。
以上のような構造に基づき発現する、本実施の形態に係る可変バルブタイミング装置のインテーク用VVT機構2000の作用について説明する。
インテークバルブ1100の位相(インテークカムシャフト1120)を進角させる場合、電動モータ2060を作動させ、ガイドプレート2040をスプロケット2010に対して相対的に回転させると、図10に示すように、インテークバルブ1100の位相が進角される。
インテークバルブ1100の位相が最遅角とCA(1)との間の第1の領域にある場合、電動モータ2060の出力軸とスプロケット2010との相対回転数が減速比R(1)で減速されて、インテークバルブ1100の位相が進角される。
インテークバルブ1100の位相がCA(2)と最進角との間の第2の領域にある場合、電動モータ2060の出力軸とスプロケット2010との相対回転数が減速比R(2)で減速されて、インテークバルブ1100の位相が進角される。
インテークバルブ1100の位相を遅角する場合は、位相を進角する場合とは逆方向に電動モータ2060の出力軸がスプロケット2010に対して相対回転される。位相を遅角する場合も、進角する場合と同様に、最遅角とCA(1)との間の第1の領域において、電動モータ2060の出力軸とスプロケット2010との相対回転数が減速比R(1)で減速されて、位相が遅角される。また、CA(2)と最進角との間の第2の領域において、電動モータ2060の出力軸とスプロケット2010との相対回転数が減速比R(2)で減速され、位相が遅角される。
これにより、電動モータ2060の出力軸とスプロケット2010との相対的な回転方向が同じである限り、最遅角とCA(1)との間の第1の領域およびCA(2)と最進角との間の第2の領域の両方の領域においてインテークバルブ1100の位相を進角させたり、遅角させたりすることができる。このとき、CA(2)と最進角との間の第2の領域において、位相をより大きく進角させたり、遅角させたりすることができる。そのため、大きな範囲で位相を変化させることができる。
また、最遅角とCA(1)との間の第1の領域においては、減速比が大きいため、エンジン1000の運転に伴なってインテークカムシャフト1120に作用するトルクにより電動モータ2060の出力軸を回転させるためには大きなトルクが必要になる。そのため、電動モータ2060の停止時等において、電動モータ2060がトルクを発生しない状態であっても、インテークカムシャフト1120に作用するトルクにより電動モータ2060の出力軸が回転されることを抑制することができる。そのため、制御上の位相から実際の位相が変化することを抑制することができる。また、アクチュエータである電動モータ2060の通電停止時に、意図しない位相変化が発生することを抑制できる。
なお、電動モータ2060の相対回転方向と、位相の進角/遅角との対応関係については、電動モータ2060の出力軸の回転速度がスプロケット2010よりも低いときに、インテークバルブ位相が遅角側に変化するように設計することが好ましい。このようにすると、エンジン運転中にアクチュエータである電動モータ2060が動作不能となった場合に、インテークバルブ位相は、遅角側へ徐々に変化し、最終的には、最遅角位置まで行き着くこととなる。すなわち、インテークバルブ位相制御が不能となっても、インテークバルブ位相について、エンジン1000の燃焼安定側の設定とすることができる。
ところで、インテークバルブ1100の位相がCA(1)とCA(2)との間の第3の領域にある場合、予め定められた変化率で変化する減速比で、電動モータ2060の出力軸とスプロケット2010との相対回転数が減速されて、インテークバルブ1100の位相が進角されたり、遅角されたりする。
これにより、位相が第1の領域から第2の領域に、もしくは第2の領域から第1の領域に変化する場合において、電動モータ2060の出力軸とスプロケット2010との相対回転数に対する位相の変化量を漸増もしくは漸減させることができる。そのため、位相の変化量がステップ状に急変することを抑制して、位相が急変することを抑制することができる。その結果、位相の制御性を向上することができる。
以上のように、本実施の形態に係る可変バルブタイミング装置のインテーク用VVT機構によれば、インテークバルブの位相が最遅角からCA(1)までの領域にある場合では、インテーク用VVT機構2000全体の減速比はR(1)となる。インテークバルブの位相がCA(2)から最進角までの領域にある場合には、インテーク用VVT機構2000全体の減速比は、R(1)よりも小さいR(2)となる。これにより、電動モータの出力軸の回転方向が同じである限り、最遅角とCA(1)との間の第1の領域およびCA(2)と最進角との間の第2の領域の両方の領域においてインテークバルブの位相を進角させたり、遅角させたりすることができる。
このとき、CA(2)と最進角との間の第2の領域において、位相をより大きく進角させたり、遅角させたりすることができる。そのため、大きな範囲で位相を変化させることができる。
また、最遅角とCA(1)との間の第1の領域においては、減速比が大きいため、エンジンの運転に伴なってインテークカムシャフトに作用するトルクにより電動モータの出力軸が回転されることを抑制することができる。そのため、制御上の位相から実際の位相が変化することを抑制することができる。その結果、大きな範囲で位相を変化させ、かつ、位相を精度よく制御することができる。
なお、エンジン1000では、アイドル運転時の目標位相に設定される、すなわち燃焼状態が安定的となるインテークバルブ位相CA(0)は、最遅角とは異なり、インテークバルブ位相を可変設定可能な制御範囲の途中に存在する。また、減速比の大きい第1の領域は、この燃焼安定位相CA(0)を含むように設けられる。なお、燃焼安定位相CA(0)は、本発明における「基準タイミング」に対応する。
次に、本実施の形態に係る可変バルブタイミング装置におけるインテークバルブ位相制御について、詳細に説明する。
図11は、本実施の形態に係る可変バルブタイミング装置によるインテークバルブ位相の制御構成を説明する概略ブロック図である。
図11を参照して、図1でも説明したように、エンジン1000は、クランクシャフト1090からの動力がタイミングチェーン1200(またはタイミングベルト)により各スプロケット2010,2012を介してインテークカムシャフト1120およびエキゾーストカムシャフト1130に伝達されるように構成されている。また、インテークカムシャフト1120の外周側には、所定のカム角毎にカム角信号Pivを出力するカムポジションセンサ5010が取付けられている。一方、クランクシャフト1090の外周側には、所定のクランク角毎にクランク角信号Pcaを出力するクランク角センサ5000が取付けられている。また、電動モータ2060の回転子(図示せず)には、所定の回転角度毎にモータ回転角信号Pmtを出力するモータ回転角センサ5050が取付けられている。これらのカム角信号Piv、クランク角信号Pcaおよびモータ回転角信号Pmtは、ECU4000へ入力される。
ECU4000は、さらに、エンジン1000の状態を検出するためのセンサ群の出力および運転条件(運転者ペダル操作、現車速等)に基づき、エンジン1000に対して要求される出力が得られるように、エンジン1000の動作を制御する。そのエンジン制御の一環として、ECU4000は、図2に示したマップに基づき、インテークバルブ1100およびエキゾーストバルブ1110の目標位相を設定する。さらに、ECU4000は、この目標位相に従って、インテークバルブ制御の制御対象となるインテークバルブ位相の制御目標値を設定し、インテークバルブ1100の実位相を制御目標値に合致させるように、インテーク用VVT機構2000のアクチュエータである電動モータ2060の回転数指令値Nmrefを生成する。
この回転数指令値Nmrefは、以下に説明するように、アクチュエータ作動量に相当する電動モータ2060の出力軸とスプロケット2010(インテークカムシャフト1120)との相対回転数に対応させて決定される。電動機EDU(Electronic Drive Unit)4100は、ECU4000からの回転数指令値Nmrefに従い、電動モータ2060の回転数制御を行なう。
図12は、本発明の実施の形態によるインテーク用VVT機構2000のアクチュエータである電動モータ2060の回転数制御を説明するブロック図である。
図12を参照して、インテークバルブ位相設定部4010は、図2に示すマップに相当し、エンジン運転状態を示すパラメータ(図2の例では、エンジン回転数および空気量)に応じて、VVTの対象となるインテークバルブ1100の目標位相IVrefを設定する。
制御目標値設定部6005は、インテークバルブ位相設定部4010により設定された目標位相IVrefに基づき、インテークバルブ位相の制御目標値IV(θ)rを設定する。なお、制御目標値設定部6005による制御目標値IV(θ)rの設定については、後程詳細に説明するように、位相変化速度制御部6200が影響を及ぼす。
アクチュエータ作動量設定部6000は、インテークバルブ1100の現在の実際の位相IV(θ)(以下、「実インテークバルブ位相IV(θ)」とも表記する)と、制御目標値設定部6005により設定された制御目標値IV(θ)rとの偏差に基づき、実インテークバルブ位相IV(θ)が制御目標値IV(θ)rと一致するようなアクチュエータ作動量が得られるように、電動モータ2060の回転数指令値Nmrefを生成する。
アクチュエータ作動量設定部6000は、バルブ位相検出部6010と、カムシャフト位相変化量算出部6020と、相対回転数設定部6030と、カムシャフト回転数検出部6040と、回転数指令値生成部6050とを含む。アクチュエータ作動量設定部6000の動作は、ECU4000に予め格納された所定プログラムに従う制御処理を所定の制御周期毎に実行することによって実現される。
バルブ位相検出部6010は、クランク角センサ5000からのクランク角信号Pca、カムポジションセンサ5010からのカム角信号Pivおよび、電動モータ2060の回転角センサ5050からのモータ回転角信号Pmtに基づき、実インテークバルブ位相IV(θ)を算出する。
カムシャフト位相変化量算出部6020は、演算部6022と、必要位相変化量算出部6025とを有する。演算部6022は、実インテークバルブ位相IV(θ)の目標位相IV(θ)rに対する偏差ΔIV(θ)(ΔIV(θ)=IV(θ)−IV(θ)r)を求める。必要位相変化量算出部6025は、演算部6022により求められた偏差ΔIVに応じて、この制御周期でのインテークカムシャフト1120の必要位相変化量Δθを算出する。
たとえば、単一の制御周期での位相変化量Δθの最大値である最大制御量θmaxが予め設定され、必要位相変化量算出部6025は、この最大制御量θmaxの範囲内で、偏差ΔIV(θ)に応じた位相変化量Δθを決定する。なお、この際の最大制御量θmaxについては所定の固定値としてもよく、あるいは、必要位相変化量算出部6025が、エンジン1000の運転状態(回転数、吸入空気量等)や偏差ΔIV(θ)の大きさに応じて可変に設定する構成としてもよい。
相対回転数設定部6030は、必要位相変化量算出部6025によって求められた必要位相変化量Δθを生じさせるのに必要な、スプロケット2010(インテークカムシャフト1120)の回転数に対する電動モータ2060の出力軸の相対的な回転数ΔNmを算出する。たとえば、この相対回転数ΔNmは、インテークバルブ位相を進角させるときには正値(ΔNm>0)に設定され、反対にインテークバルブ位相を遅角させるときには負値(ΔNm<0)に設定され、現在のインテークバルブ位相を維持するとき(Δθ=0)には略零(ΔNm=0)に設定される。
ここで、制御周期に相当する単位時間ΔT当たりでの位相変化量Δθと相対回転数ΔNmとの関係は、下記(1)式で示される。なお、(1)式中において、R(θ)は、図9に示された、インテークバルブ位相に応じて変化する減速比である。
Δθ∝ΔNm・360°・(1/R(θ))・ΔT …(1)
したがって、相対回転数設定部6030は、制御周期ΔTにて要求されるカムシャフト位相変化量Δθを生じさせるための電動モータ2060の相対回転数ΔNmを、(1)式に従った演算処理によって求めることができる。
カムシャフト回転数検出部6040は、スプロケット2010の回転数、すなわちインテークカムシャフト1120の実回転数IVNを、クランクシャフト1090の回転数の2分の1として求める。なお、カムシャフト回転数検出部6040は、カムポジションセンサ5010からのカム角信号Pivに基づいてインテークカムシャフト1120の実回転数IVNを算出する構成としてもよい。ただし、一般的に、インテークカムシャフト1120の1回転当たりのカム角信号出力数は、クランクシャフト1090の1回転当たりのクランク角信号出力数よりも少ないので、クランクシャフト1090の回転数に基づいてカムシャフト回転数IVNを検出することにより、検出精度を向上することができる。
回転数指令値生成部6050は、カムシャフト回転数検出部6040によって求められたインテークカムシャフト1120の実回転数IVNと、相対回転数設定部6030により設定された相対回転数ΔNmとを加算して、電動モータ2060の回転数指令値Nmrefを生成する。回転数指令値生成部6050によって生成された回転数指令値Nmrefは、電動機EDU4100へ送出される。
電動機EDU4100は、電動モータ2060の回転数を回転数指令値Nmrefに合致させるような回転数制御を行なう。たとえば、電動機EDU4100は、回転数指令値Nmrefに対する電動モータ2060の実回転数Nmの回転数偏差(Nref−Nm)に応じて、電動モータ2060への供給電力(代表的には、モータ電流Imtやモータ印加電圧振幅)を制御するように、電力用半導体素子(トランジスタ等)のスイッチングを制御する。たとえば、このような電力用半導体素子のスイッチング動作におけるデューティ比が制御される。
特に、電動機EDU4100は、モータ制御性を向上させるために、回転数制御における調整量となるデューティ比DTYを下記(2)式に従って制御する。
DTY=DTY(ST)+DTY(FB) …(2)
(2)式において、DTY(FB)は、上記回転数偏差および所定の制御ゲインによる制御演算(代表的には、一般的なP制御、PI制御等)基づくフィードバック項である。
(2)式中のDTY(ST)は、図13に示すように、電動モータ2060の回転数指令値Nmrefに基づいて設定されるプリセット項である。
図13を参照して、相対回転数ΔNm=0のとき、すなわち、回転数指令値Nmrefに対して、電動モータ2060をスプロケット2010と同一回転数で回転するとき(ΔNm=0のとき)に必要なモータ電流値に対応させたデューティ比特性6060が予めテーブル化される。そして、(2)式中のDTY(ST)は、デューティ比特性6060に従って設定される。あるいは、デューティ比特性6060に従う基準値から、相対回転数ΔNmに応じたデューティ比の値を相対的に増減させることにより設定してもよい。
このように、プリセット項およびフィードバック項を組み合わせて電動モータ2060への供給電力を制御する回転数制御とすることにより、電動機EDU4100は、単純なフィードバック制御、すなわち(2)式のDTY(FB)項のみによる回転数制御と比較して、回転数指令値Nmrefの変化に対して電動モータ2060の回転数を高速に追従させることができる。
次に、制御目標値設定部6005による制御目標値IV(θ)rの設定について説明する。
図14を参照して、インテークバルブ位相設定部4010は、その時点でのエンジン運転状態に従って、図2に示したマップに基づいて目標位相IVrefを逐次設定する。このため、目標位相IVrefの変化が急激なものとなる可能性があり、この変化に対応してダイレクトにインテークバルブ制御を行なうと、インテークバルブ位相の急変によりエンジン1000での燃焼状態が不安定となる可能性がある。
したがって、制御目標値設定部6005は、インテークバルブ位相設定部4010による目標位相IVrefの変化を時間軸方向になまして、インテークバルブ位相制御の制御目標値IV(θ)rを設定できるように構成される。たとえば、制御目標値設定部6005は、直前の制御目標値IV(θ)r(以下、区別のためIV(θ)r0と表記)および新たな(現在の)目標位相IVrefより、下記(3)式に従って、新たな(現在の)制御目標値IV(θ)rを設定する。
IV(θ)r=IV(θ)r0+(IVref−IV(θ)r0)/kn …(3)
(3)式中の係数kn(kn≧1.0)は、時間軸方向のなまし度合いを決定する。kn=1.0のとき、(3)式はIV(θ)r=IVrefとなり、時間軸方向のなまし度合いが零となって、インテークバルブ位相設定部4010による目標位相IVrefが、直接、アクチュエータ作動量設定部6000によるインテークバルブ制御の制御目標値IV(θ)rに設定される。一方、kn>1.0のときは、これまでの制御目標値IV(θ)r0および目標位相IVrefの差の一部のみを反映するように制御目標値IV(θ)rが更新されるので、制御目標値IV(θ)の変化が時間軸方向になまされることとなる。そして、knが大きいほど、時間軸方向のなまし度合いは大きくなる。
図15は、インテークバルブ制御の制御目標値設定を説明するブロック図である。
図15を参照して、位相変化方向判定部6100は、インテークバルブ位相設定部4010による目標位相IVrefおよび現在の実インテークバルブ位相IV(θ)より、直後のインテークバルブ位相制御によるインテークバルブ位相の変化方向が、上記燃焼安定位相CA(0)に対して近づく方向(第1の方向)および遠ざかる方向(第2の方向)のいずれであるかを示すフラグFLGを発生する。
位相変化速度制御部6200は、なまし係数設定部6210を含む。なまし係数設定部6210は、フラグFLGに基づき、インテークバルブ位相の変化方向(第1の方向/第2の方向)に従って、上記(3)式での係数knを可変設定する。そいて、制御目標値設定部6005は、なまし係数設定部6210により可変設定される係数knを用いて、上記(3)式に従って制御目標値IV(θ)rを設定する。
図15に示す構成により、本実施の形態に係る可変バルブタイミング装置によるインテークバルブ位相制御では、ECU4000に格納されたプログラムを所定制御周期毎に実行することにより、図16に示すフローチャートに従ってインテークバルブ位相の変化速度が制御される。
図16を参照して、ECU4000は、位相変化方向判定部6100の機能を実現するためのステップ群S100、なまし係数設定部6210の機能を実現するためのステップ群S120および、制御目標値設定部6005の機能を実現するためのステップS130を実行する。
ステップ群S100は、ステップS102〜S110を含む。ECU4000は、ステップS110では、現在の実インテークバルブ位相IV(θ)を燃焼安定位相CA(0)と比較する。実インテークバルブ位相IV(θ)が燃焼安定位相CA(0)よりも進角している場合(S102のYES判定時)には、ECU4000は、さらに、ステップS104により、目標位相IVrefが実インテークバルブ位相IV(θ)と等しいあるいは実インテークバルブ位相IV(θ)よりも遅角側であるか否かを判定する。
一方、実インテークバルブ位相IV(θ)が燃焼安定位相CA(0)と等しいあるいは燃焼安定位相CA(0)よりも遅角している場合(S102のNO判定時)には、ECU4000は、さらに、ステップS106により、目標位相IVrefが実インテークバルブ位相IV(θ)と等しいあるいは実インテークバルブ位相IV(θ)よりも進角側であるか否かを判定する。
そして、ECU4000は、ステップS104のYES判定時およびステップS106のYES判定時には、ステップS108により、直後のインテークバルブ位相の変化方向が燃焼安定位相CA(0)に対して近づく方向(第1の方向)であると判定する。これに対して、ステップS104のNO判定時およびステップS106のNO判定時には、ECU4000は、ステップS110により、直後のインテークバルブ位相の変化方向が燃焼安定位相CA(0)に対して遠ざかる方向(第2の方向)であると判定する。
このように、実インテークバルブ位相IV(θ)、目標位相IVrefおよび燃焼安定位相CA(0)の相対関係から、目標位相IVrefに従った直後のインテークバルブ位相制御によるインテークバルブ位相の変化方向が、燃焼安定位相CA(0)に対して近づく方向(第1の方向)および遠ざかる方向(第2の方向)のいずれであるかを判別することができる。
ステップ群S120は、ステップS122およびS124を含む。ECU4000は、ステップS122では、インテークバルブ位相の変化方向が燃焼安定位相CA(0)に対して近づく方向(第1の方向)のときのなまし係数k1(kn=k1)を設定する。たとえば、k1=1.0に設定される。
一方、ECU4000は、ステップS124では、インテークバルブ位相の変化方向が燃焼安定位相CA(0)に対して遠ざかる方向(第2の方向)のときのなまし係数k2(kn=k2)を設定する。この係数k2は、係数k1よりも大きい値に設定される(k2>k1)。
このような構成とすることにより、エンジン運転状態に従うバルブタイミング制御によるバルブ位相の変化が、エンジンの燃焼安定性の面からは不安定な方向の変化となる場面では、エンジン運転状態に対応した目標位相IVrefの変化に対する実際の位相変化速度を制限するような位相変化速度制御が実現される。これにより、バルブタイミング制御によってエンジンの燃焼安定性に悪影響が発生することを防止できる。
一方、バルブタイミング制御によってバルブ位相がエンジンの燃焼安定性を高める方向に変化する場面では、エンジン運転状態に対応した目標位相IVrefの変化に対する実際の位相変化速度を相対的に高めるような位相変化速度制御が実現される。したがって、このような場面では、バルブタイミング制御効果の発揮によりエンジンの総合的なパフォーマンスを高めることができる。
以上のように、本実施の形態に係る可変バルブタイミング装置によれば、燃焼安定性を損なわれないように考慮して、エンジン運転状態に応じたバルブタイミング制御を行なうことが可能となる。
なお、図16の例では、なまし係数knは、インテークバルブ位相の変化方向(第1の方向/第2の方向)に従って2段階に設定されたが、この第1および第2の方向の少なくとも一方において、燃焼安定位相CA(0)との位相差に応じて細分化して多段階に設定してもよい。
次に、インテークバルブ位相制御における上記の位相変化速度制御を実現する他の例について説明する。
図17は、インテークバルブ制御の各制御周期における最大制御量設定を説明するブロック図である。
図17を参照して、位相変化速度制御部6200は、最大制御量(θmax)設定部6220を含む。最大制御量設定部6220は、図15と同様の位相変化方向判定部6100からのフラグFLGに基づき、必要位相変化量算出部6025(図12)での最大制御量θmaxを設定する。
図17に示す構成により、本実施の形態に係る可変バルブタイミング装置によるインテークバルブ位相制御では、ECU4000に格納されたプログラムを所定制御周期毎に実行することにより、図18に示すフローチャートに従ってインテークバルブ位相の変化速度が制御される。
図18を参照して、ECU4000は、位相変化方向判定部6100の機能を実現するためのステップ群S100、および最大制御量設定部6220の機能を実現するためのステップ群S140を実行する。
ステップ群S100は、図15に示したのと同様に、ステップS102〜S110を含む。すなわち、ECU4000は、ステップS102〜S110により、実インテークバルブ位相IV(θ)、目標位相IVrefおよび燃焼安定位相CA(0)の相対関係から、目標位相IVrefに従った直後のインテークバルブ位相制御によるインテークバルブ位相の変化方向が、燃焼安定位相CA(0)に対して近づく方向(第1の方向)および遠ざかる方向(第2の方向)のいずれであるかを判別する。
ステップ群S140は、ステップS142およびS144を含む。ECU4000は、ステップS142では、インテークバルブ位相の変化方向が燃焼安定位相CA(0)に対して近づく方向(第1の方向)のときの最大制御量θ1(θmax=θ1)を設定する。
一方、ECU4000は、ステップS144では、インテークバルブ位相の変化方向が燃焼安定位相CA(0)に対して遠ざかる方向(第2の方向)のときの最大制御量θ2(θmax=θ2)を設定する。ここで、θ2<θ1に設定される。
このような構成とすることにより、エンジン運転状態に従うバルブタイミング制御によるバルブ位相の変化が、エンジンの燃焼安定性の面からは不安定な方向の変化となる場面では、制御周期当たりの最大制御量、すなわち位相変化量を抑制して、位相変化速度を抑えることができる。その一方で、バルブタイミング制御によってバルブ位相がエンジンの燃焼安定性を高める方向に変化する場面では、制御周期当たりの最大制御量、すなわち位相変化量を確保して、位相変化速度を高めることができる。
なお、最大制御量θmaxについても、図18に例示した、インテークバルブ位相の変化方向(第1の方向/第2の方向)に従う2段階の設定のみならず、この第1および第2の方向の少なくとも一方において、燃焼安定位相CA(0)との位相差に応じて細分化して多段階に設定してもよい。
このように、図14〜図16で説明したインテークバルブ位相制御の制御目標値設定におけるなまし係数の設定、および、図17および図18で説明した制御周期ごとの最大制御量θmaxの設定のいずれによっても、あるいは両者の組合せによって、エンジン運転状態に従うバルブタイミング制御によるバルブ位相の変化方向を考慮した位相変化速度制御が実現される。これにより、燃焼安定性を損なわれないように考慮して、エンジン運転状態に応じたバルブタイミング制御を行なうことが可能となる。
また、インテークバルブ位相のフィードバック制御におけるゲイン(たとえば、図12の必要位相変化量算出部6025における制御演算ゲイン)を、インテークバルブ位相の変化方向(第1の方向/第2の方向)に応じて可変設定しても、同様の位相変化速度制御を実現することが可能である。
なお、以上説明した実施の形態において、インテークバルブ位相設定手段4010は、本発明における「位相目標設定手段」に対応し、制御目標値設定手段6005またはステップS130(図16)は、本発明における「制御目標値設定手段」に対応し、アクチュエータ作動量設定手段6000は、本発明での「アクチュエータ作動量設定手段」に対応する。さらに、位相変化方向判定手段6100またはステップ群S100(図16,図18)は、本発明での「位相変化方向判定手段」に対応し、位相変化速度制御手段6200(なまし係数設定手段6210,最大制御量設定手段6220)または、ステップ群S120(図16),S140(図18)は、本発明での「変化速度制御手段」に対応する。
また、以上説明した本発明による可変バルブタイミング装置では、バルブタイミングを変更するためのVVT機構の構成は実施の形態で例示したものに限定されず、アクチュエータの種類を限定することなく任意の構成を適用可能である点について、確認的に記載する。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の実施の形態に係る可変バルブタイミング装置が搭載された車両のエンジンを示す概略構成図である。 インテークカムシャフトの位相を定めたマップを示す図である。 インテーク用VVT機構を示す断面図である。 図3のA−A断面図である。 図3のB−B断面図(その1)である。 図3のB−B断面図(その2)である。 図3のC−C断面図である。 図3のD−D断面図である。 インテーク用VVT機構全体として減速比を示す図である。 スプロケットに対するガイドプレートの位相とインテークカムシャフトの位相との関係を示す図である。 本実施の形態に係る可変バルブタイミング装置によるインテークバルブ位相の制御構成を説明する概略ブロック図である。 本実施の形態に係る可変バルブタイミング装置のアクチュエータである電動モータの回転数制御構成を説明するブロック図である。 電動モータの回転数制御を説明する概念図である。 インテークバルブ制御の制御目標値の設定における時間軸方向のなましを説明する波形図である。 インテークバルブ制御の制御目標値設定を説明するブロック図である。 本実施の形態に係る可変バルブタイミング装置によるインテークバルブ位相制御における位相変化速度制御の第1の例を説明するフローチャートである。 インテークバルブ制御の各制御周期における最大制御量設定を説明するブロック図である。 本実施の形態に係る可変バルブタイミング装置によるインテークバルブ位相制御における位相変化速度制御の第2の例を説明するフローチャートである。
符号の説明
1000 エンジン、1010,1012 バンク、1020 エアクリーナ、1030 スロットルバルブ、1032 吸気通路、1040 シリンダ、1050 インジェクタ、1060 点火プラグ、1070 三元触媒、1080 ピストン、1090 クランクシャフト、1100 インテークバルブ、1110 エキゾーストバルブ、1120 インテークカムシャフト、1130 エキゾーストカムシャフト、1200 タイミングチェーン、1210,1212 スプロケット、2020 カムプレート、2030 リンク機構、2034 制御ピン、2040 ガイドプレート、2042 ガイド溝、2044 凹部、2050 減速機、2052 外歯ギヤ、2054 内歯ギヤ、2056 凸部、2060 電動モータ、2062 カップリング、2064 軸心、2066 偏心軸、2000 エキゾースト用VVT機構、3000 エキゾースト用VVT機構、4000 ECU、4010 インテークバルブ位相設定部、4100 電動機EDU、5000 クランク角センサ、5010 カムポジションセンサ、5020 水温センサ、5030 エアフローメータ、5050 モータ回転角センサ、6000 アクチュエータ作動量設定部、6005 制御目標値設定部、6010 バルブ位相検出部、6020 カムシャフト位相変化量算出部、6022 演算部、6025 必要位相変化量算出部、6030 相対回転数設定部、6040 カムシャフト回転数検出部、6050 回転数指令値生成部、6060 デューティ比特性、6100 位相変化方向判定部、6200 位相変化速度制御部、6210 なまし係数設定部、6220 最大制御量設定部、CA(0) 燃焼安定位相(アイドル時目標位相)、FLG フラグ(位相変化方向)、Imt モータ電流、IV(θ) 実インテークバルブ位相、IV(θ)r 制御目標値(インテークバルブ位相制御)、IVref 目標位相(インテークバルブ位相)、IVN 実回転数(カムシャフト)、kn なまし係数、Nm 実回転数(電動モータ)、Nmref 回転数指令値(電動モータ)、Pca クランク角信号、Pca♯ クランク角分周信号、Piv カム角信号、Pmt モータ回転角信号、R(θ) 減速比、dIV(θ) 実位相変化量、ΔNm 相対回転数(電動モータ)、Δθ カムシャフト位相変化量、θmax, 最大制御量。

Claims (4)

  1. エンジンに設けられたインテークバルブおよびエキゾーストバルブの少なくとも一方のバルブに設けられた可変バルブタイミング装置であって、
    前記可変バルブタイミング装置を作動させるアクチュエータと、
    前記アクチュエータの作動量に応じた変化量で対応のバルブの開閉タイミングを変更するように構成され、かつ、前記エンジンのアイドル運転時における前記目標開閉タイミングの目標値に相当する基準タイミングが前記開閉タイミングの変更可能な制御範囲の途中に存在するように構成された変更機構と、
    前記エンジンの運転状態に応じて、前記対応のバルブの目標開閉タイミングを設定する位相目標設定手段と、
    前記位相目標設定手段によって設定された前記目標開閉タイミングに基づき、前記開閉タイミングの制御目標値を設定する制御目標値設定手段と、
    前記開閉タイミングの現在値と前記制御目標値との偏差に基づき、前記アクチュエータの作動量を設定するアクチュエータ作動量設定手段と、
    前記開閉タイミングの現在値および前記目標開閉タイミングに基づき、前記開閉タイミングの変化方向が、前記基準タイミングに近づく第1の方向および前記基準タイミングから遠ざかる第2の方向のいずれであるかを判定する位相変化方向判定手段と、
    前記開閉タイミングの変化方向が前記第2の方向であるときに、前記前記開閉タイミングの変化速度を、前記開閉タイミングの変化方向が前記第1の方向であるときと比較して相対的に遅くするための変化速度制御手段とを備える、可変バルブタイミング装置。
  2. 前記制御目標値設定手段は、前記位相目標設定手段により設定される前記目標開閉タイミングの変化を時間軸方向になまして前記制御目標値を設定できるように構成され、
    前記変化速度制御手段は、前記制御目標値設定手段における前記時間軸方向へのなまし度合いを、前記開閉タイミングの変化方向が前記第2の方向である場合に、前記開閉タイミングの変化方向が前記第1の方向である場合と比較して相対的に大きく設定する、請求項1記載の可変バルブタイミング装置。
  3. 前記アクチュエータ作動量設定手段は、前記開閉タイミングの現在値と前記制御目標値との偏差に基づき、単一の制御周期内での最大制御量の範囲内で前記アクチュエータの作動量を設定し、
    前記変化速度制御手段は、前記最大制御量を、前記開閉タイミングの変化方向が前記第2の方向であるときに、前記開閉タイミングの変化方向が前記第1の方向である場合と比較して相対的に小さく設定する、請求項1記載の可変バルブタイミング装置。
  4. 前記アクチュエータは電動機で構成され、かつ、前記アクチュエータの作動量は、前記対応のバルブを駆動するカムシャフトに対する前記電動機の相対的な回転速度差であり、
    前記前記開閉タイミングの変更可能な制御範囲は、前記アクチュエータの作動量に対する前記開閉タイミングの変化量の比率が異なる、第1および第2の領域を含み、
    前記変更機構は、前記第1の領域における前記比率が、前記第2の領域における前記比率よりも小さくなるように構成され、かつ、前記電動機の回転速度が前記カムシャフトの回転速度より低いときに、前記第1の領域外の前記開閉タイミングが前記第1の領域へ向けて変化するように構成され、
    前記基準タイミングは、前記第1の領域内に設けられる、請求項1から3のいずれか1項に記載の可変バルブタイミング装置。
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