JP4594264B2 - 可変バルブタイミング装置 - Google Patents

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    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

Description

この発明は、可変バルブタイミング装置に関し、より特定的には、アクチュエータの作動量に応じた変化量でバルブの開閉タイミングを変更する機構を有する可変バルブタイミング装置に関する。
従来より、インテークバルブやエキゾーストバルブが開閉するタイミング、すなわち開閉位相(クランク角)を運転状態に応じて変更する可変バルブタイミング(Variable Valve Timing:VVT)が知られている。一般的に、可変バルブタイミング装置では、インテークバルブやエキゾーストバルブを開閉駆動するカムシャフトをスプロケット等に対して相対的に回転させることにより位相を変更する。カムシャフトは、油圧や電動モータ等のアクチュエータにより回転される。
このような可変バルブタイミング装置によりバルブ開閉位相(バルブタイミング)を正確に制御するためには、実際のバルブ開閉位相の検出誤差を抑制する必要がある。この検出誤差を低減するために、機械的に制約される所定基準位置にバルブ開閉位相を設定し、このときのバルブ開閉位相検出値の誤差をオフセットとして学習することが行なわれている(たとえば、特許文献1および2)。
たとえば、特許文献1(特開2004−340013号公報)に開示された吸気弁駆動装置によれば、学習補正値を加算して作動角および位相の目標値を設定することで、可変動弁制御のばらつきを補正する。特に、特許文献1では、学習補正値の更新を行なう学習動作を、低速低負荷の領域で行なうことにより、ばらつきの抑制効果が高められる。
また、特許文献2(特開2004−156461号公報)に開示された可変バルブタイミング装置では、所定の学習条件(たとえばエンジン始動毎)にバルブタイミングの基準位置学習を実行して実際のバルブタイミングの検出精度を確保する。さらに、学習が完了していないときには、検出精度が低下していると判断してバルブタイミングの変化速度に制限を設けることにより、可動部が高速でストッパ等に衝突することによる機器損傷の発生を防止することが開示されている。
特開2004−340013号公報 特開2004−156461号公報
可変バルブタイミング装置の一形態として、バルブタイミングを変更するための可動部を作動させるアクチュエータを停止すると、スプリング等で上記可動部が付勢されることにより、あるいは、ロックピン等で可動部の作動が制約されることによって、バルブタイミングが基準位置まで自動的に復帰する機構のものが用いられる。このような機構では、当該復帰時に上記基準位置学習を自然に行なうことができる。
しかしながら、アクチュエータの作動量に応じた変化量によりバルブタイミングが変更され、アクチュエータの停止時にはバルブタイミングが固定されるような機構の可変バルブタイミング装置では、実バルブタイミングの検出精度を確保するための基準位置学習を、アクチュエータの消費エネルギ(消費電力)や機器保護を考慮して実行する必要がある。しかしながら、上記特許文献1および2では、このような観点からの基準位置学習の具体的内容について言及がない。
この発明はこのような問題点を解決するためになされたものであり、この発明の目的は、バルブタイミングの検出精度を確保するための基準位置学習における消費電力削減および機器保護を図ることが可能な可変バルブタイミング装置を提供することである。
この発明による可変バルブタイミング装置は、エンジンに設けられたインテークバルブおよびエキゾーストバルブの少なくとも一方のバルブの開閉タイミングを変更する可変バルブタイミング装置であって、アクチュエータと、変更機構と、基準位置学習手段と、検知手段と、強制終了手段とを備える。アクチュエータは、可変バルブタイミング装置を作動させる。変更機構は、アクチュエータの作動量に応じた変化量で開閉タイミングを変更する。基準位置学習手段は、所定タイミングへ開閉タイミングを変更するようにアクチュエータの作動指示を生成して学習動作を実行するとともに、開閉タイミングが所定タイミングへ到達したことに応答して開閉タイミングの基準タイミングを学習して学習動作を終了するように構成される。検知手段は、学習動作の開始から所定の制限時間の経過を検知する。強制終了手段は。検知手段によって制限時間の経過が検知されたときに、開閉タイミングが所定タイミングへ未到達であっても、学習動作を強制的に終了させる。
上記可変バルブタイミング装置によれば、アクチュエータを用いて開閉タイミング(バルブタイミング)を所定タイミングへ向けて変更する基準位置学習において、開閉タイミングが完全に所定タイミングへ完全に到達せず、学習動作が正常終了しない場合にも、予め設定した制限時間の経過に応じて学習動作を強制的に終了して、アクチュエータを停止することができる。したがって、基準位置学習が過長期間にわたり、アクチュエータの消費電力および発熱が増大することを回避できる。この結果、基準位置学習実行時の消費電力削減および機器保護を図ることができる。
好ましくは、この発明による可変バルブタイミング装置では、強制終了手段は、前記学習動作が強制的に終了されたことを、搭乗者に報知する手段および異常内容の特定のための情報として記憶する手段の少なくとも一方を含む。
上記可変バルブタイミング装置によれば、基準位置学習が正常に終了しなかったときには、変更機構での機械的不具合や、バルブタイミング制御精度の低下による燃費悪化等が懸念されるため、点検等を促す報知(ダイアグモニタ等)を搭乗者に対して発することができる。また、基準位置学習が正常に終了しなかったことを示す、異常内容の特定のための情報(ダイアグコード)を記憶できるので、適切なメンテナンスを行なうことができる。
また好ましくは、この発明による可変バルブタイミング装置では、変更機構は、開閉タイミングが第1の領域にある場合において、アクチュエータの作動量に対して第1の変化量で開閉タイミングを変更し、開閉タイミングが第1の領域とは異なる第2の領域にある場合において、アクチュエータの作動量に対して第1の変化量よりも大きい第2の変化量で開閉タイミングを変更するように構成される。また、所定タイミングは、第1の領域内に設けられ、可変バルブタイミング装置は、通電停止手段をさらに備える。通電停止手段は、強制終了手段により学習動作が強制的に終了されたときに、アクチュエータへの通電を停止する。
上記可変バルブタイミング装置によれば、基準位置学習完了時における開閉タイミング(バルブタイミング)が、アクチュエータ作動量に対する開閉タイミングの変化量が小さい領域(第1の領域)内となるので、基準位置学習を強制終了する場合にアクチュエータへの給電を停止しても、この時点での開閉タイミングを維持できる。したがって、制限時間の経過により基準位置学習を強制終了する場合には、アクチュエータへの給電を併せて停止することにより、それ以降での無用な電力消費の発生および機器発熱をより確実に防止できる。
さらに好ましくは、この発明による可変バルブタイミング装置では、変更機構は、所定タイミングにおいて、開閉タイミングの変化が機械的に制約されるように構成される。そして、検知手段は、開閉タイミングを所定タイミングへ変更するための作動指示の生成中において、開閉タイミングの変化量が略零となったときに、開閉タイミングが所定タイミングへ到達したことを検知する。
上記可変バルブタイミング装置によれば、基準位置学習時における開閉タイミング(バルブタイミング)の変化が機械的に制約されるので、基準位置学習時にはバルブタイミングの変化量が略零となっているか否かを監視することにより、学習完了を早期に検知できる。また、このような機構では、バルブタイミングの変化が機械的に制約される際にアクチュエータの消費エネルギや発熱が増大するので、アクチュエータの通電停止による消費電力削減および機器保護の効果がより顕著となる。
特にこのような構成では、所定タイミングは、変更機構による開閉タイミングの可変範囲の限界位置に対応して設けられる。
上記可変バルブタイミング装置によれば、開閉タイミング(バルブタイミング)の可変範囲の限界位置(たとえば、最遅角の位相)を用いて、特別な機構を追加することなく基準位置学習を実行できる。
好ましくは、この発明による可変バルブタイミング装置では、アクチュエータは電動機で構成され、かつ、アクチュエータの作動量は、エンジンのカムシャフトに対する電動機の相対的な回転速度差である。
上記可変バルブタイミング装置によれば、電動機がアクチュエータであり、かつ、アクチュエータの作動量が、エンジン停止とともに回転停止されるカムシャフトに対する電動機の相対的な回転速度差である構成において、基準位置学習が過長期間にわたり、アクチュエータの消費電力および発熱が増大することを回避できる。
この発明による可変バルブタイミング装置によれば、バルブ開閉タイミング(バルブタイミング)の検出精度を確保するための基準位置学習における消費電力削減および機器保護を図ることができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同一である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
図1を参照して、本発明の実施の形態に係る可変バルブタイミング装置を搭載した車両のエンジンについて説明する。
エンジン1000は、第1バンク1010および第2バンク1012に、それぞれ4つの気筒(シリンダ)からなる気筒群が設けられたV型8気筒エンジンである。なお、
本発明の適用はエンジン形式を限定するものではなく、V型8気筒以外の形式のエンジンについても、以下に説明する可変バルブタイミング装置を適用可能である。
エンジン1000には、エアクリーナ1020から空気が吸入される。吸入空気量は、スロットルバルブ1030により調整される。スロットルバルブ1030はモータにより駆動される電子スロットルバルブである。
空気は、吸気通路1032を通ってシリンダ1040に導入される。空気は、シリンダ1040の内部(燃焼室)において燃料と混合される。シリンダ1040には、インジェクタ1050から燃料が直接噴射される。すなわち、インジェクタ1050の噴射孔はシリンダ1040内に設けられている。
燃料は吸気行程において噴射される。なお、燃料が噴射される時期は、吸気行程に限らない。また、本実施の形態においては、インジェクタ1050の噴射孔がシリンダ1040内に設けられた直噴エンジンとしてエンジン1000を説明するが、直噴用のインジェクタ1050に加えて、ポート噴射用のインジェクタを設けてもよい。さらに、ポート噴射用のインジェクタのみを設けるようにしてもよい。
シリンダ1040内の混合気は、点火プラグ1060により着火されて燃焼する。燃焼後の混合気、すなわち排気ガスは、三元触媒1070により浄化された後、車外に排出される。混合気の燃焼によりピストン1080が押し下げられることにより、クランクシャフト1090が回転する。
シリンダ1040の頭頂部には、インテークバルブ1100およびエキゾーストバルブ1110が設けられる。インテークバルブ1100はインテークカムシャフト1120により駆動される。エキゾーストバルブ1110はエキゾーストカムシャフト1130により駆動される。インテークカムシャフト1120およびエキゾーストカムシャフト1130は、チェーンやギヤ等により連結されて、同じ回転速度(クランクシャフト1090の回転速度の2分の1)で回転する。なお、シャフト等の回転体の回転速度については、単位時間当たりの回転数(代表的には、毎分当たりの回転数:rpm)で表わすことが一般的であるため、以下では、回転体の回転速度の意味で単に「回転数」とも表記する。
インテークバルブ1100は、インテークカムシャフト1120に設けられたインテーク用VVT機構2000により、その位相(開閉タイミング)が制御される。エキゾーストバルブ1110は、エキゾーストカムシャフト1130に設けられたエキゾースト用VVT機構3000により、その位相(開閉タイミング)が制御される。
本実施の形態においては、インテークカムシャフト1120およびエキゾーストカムシャフト1130がVVT機構により回転されることにより、インテークバルブ1100およびエキゾーストバルブ1110の位相が制御される。なお、位相を制御する方法はこれに限らない。
インテーク用VVT機構2000は、電動モータ2060(図3において図示)により作動する。電動モータ2060は、電子制御ユニット(ECU)4000により制御される。電動モータ2060の電流や電圧は電流計(図示せず)および電圧計(図示せず)により検知され、ECU4000に入力される。
エキゾースト用VVT機構3000は、油圧により作動する。なお、インテーク用VVT機構2000を油圧により作動するようにしてもよく、エキゾースト用VVT機構3000を電動モータにより作動するようにしてもよい。
ECU4000には、クランク角センサ5000からクランクシャフト1090の回転数およびクランク角を表す信号が入力される。また、ECU4000には、カムポジションセンサ5010からインテークカムシャフト1120およびエキゾーストカムシャフト1130の位相(回転方向におけるカムシャフトの位置)を表す信号が入力される。
さらに、ECU4000には、水温センサ5020からエンジン1000の水温(冷却水の温度)を表す信号が、エアフローメータ5030からエンジン1000の吸入空気量(エンジン1000に吸入される空気量)を表す信号が入力される。
ECU4000は、これらのセンサから入力された信号、メモリ(図示せず)に記憶されたマップおよびプログラムに基づいて、エンジン1000が所望の運転状態になるように、スロットル開度、点火時期、燃料噴射時期、燃料噴射量、インテークバルブ1100の位相、エキゾーストバルブ1110の位相などを制御する。
本実施の形態において、ECU4000は、図2に示すように、エンジン回転数NEと吸入空気量KLとをパラメータとしたマップに基づいて、インテークバルブ1100の位相を決定する。インテークバルブ1100の位相を決定するためのマップは、水温別に複数記憶される。
以下、インテーク用VVT機構2000についてさらに説明する。なお、エキゾースト用VVT機構3000を、以下に説明するインテーク用VVT機構2000と同じ構成としてもよく、インテーク用VVT機構2000およびエキゾースト用VVT機構3000の各々を、以下に説明するインテーク用VVT機構2000と同じ構成にしてもよい。
図3に示すように、インテーク用VVT機構2000は、スプロケット2010、カムプレート2020、リンク機構2030、ガイドプレート2040、減速機2050、および電動モータ2060から構成される。
スプロケット2010は、チェーン等を介してクランクシャフト1090に連結される。スプロケット2010の回転数は、インテークカムシャフト1120およびエキゾーストカムシャフト1130と同様に、クランクシャフト1090の2分の1の回転数である。スプロケット2010の回転軸と同心軸で、スプロケット2010に対して相対的に回転可能であるように、インテークカムシャフト1120が設けられる。
カムプレート2020は、ピン(1)2070によりインテークカムシャフト1120に連結される。カムプレート2020は、スプロケット2010の内部において、インテークカムシャフト1120と一体的に回転する。なお、カムプレート2020とインテークカムシャフト1120とを一体的に形成するようにしてもよい。
リンク機構2030は、アーム(1)2031とアーム(2)2032とから構成される。図3におけるA−A断面である図4に示すように、インテークカムシャフト1120の回転軸に対して点対称になるように、一対のアーム(1)2031がスプロケット2010内に設けられる。各アーム(1)2031は、ピン(2)2072を中心として搖動可能であるようにスプロケット2010に連結される。
図3におけるB−B断面である図5、および図5の状態からインテークバルブ1100の位相を進角させた状態である図6に示すように、アーム(1)2031とカムプレート2020とが、アーム(2)2032により連結される。
アーム(2)2032は、ピン(3)2074を中心として、アーム(1)2031に対して搖動可能であるように支持される。また、アーム(2)2032は、ピン(4)2076を中心として、カムプレート2020に対して搖動可能であるように支持される。
一対のリンク機構2030により、インテークカムシャフト1120がスプロケット2010に対して相対的に回転し、インテークバルブ1100の位相が変更される。そのため、一対のリンク機構2030のうちのいずれか一方が破損等して折れた場合であっても、他方のリンク機構によりインテークバルブ1100の位相を変更することが可能である。
図3に戻って、各リンク機構2030(アーム(2)2032)のガイドプレート2040側の面には、制御ピン2034が設けられる。制御ピン2034は、ピン(3)2074と同心軸に設けられる。各制御ピン2034は、ガイドプレート2040に設けられたガイド溝2042内を摺動する。
各制御ピン2034は、ガイドプレート2040のガイド溝2042内を摺動することにより、半径方向に移動される。各制御ピン2034が半径方向に移動されることにより、インテークカムシャフト1120がスプロケット2010に対して相対回転せしめられる。
図3におけるC−C断面である図7に示すように、ガイド溝2042は、ガイドプレート2040が回転することにより各制御ピン2034を半径方向に移動させるように、渦巻形状に形成される。なお、ガイド溝2042の形状はこれに限らない。
制御ピン2034がガイドプレート2040の軸心から半径方向に離れるほど、インテークバルブ1100の位相はより遅角される。すなわち、位相の変化量は、制御ピン2034が半径方向に変化することによるリンク機構2030の作動量に対応した値になる。なお、制御ピン2034がガイドプレート2040の軸心から半径方向に離れるほど、インテークバルブ1100の位相がより進角されるようにしてもよい。
図7に示すように、制御ピン2034がガイド溝2042の端部に当接すると、リンク機構2030の作動が制限される。そのため、制御ピン2034がガイド溝2042の端部に当接する位相が、最遅角もしくは最進角の位相になる。
図3に戻って、ガイドプレート2040には、ガイドプレート2040と減速機2050とを連結するための凹部2044が、減速機2050側の面において複数設けられる。
減速機2050は、外歯ギヤ2052および内歯ギヤ2054から構成される。外歯ギヤ2052は、スプロケット2010と一体的に回転するように、スプロケット2010に対して固定される。
内歯ギヤ2054には、ガイドプレート2040の凹部2044に収容される凸部2056が複数形成される。内歯ギヤ2054は、電動モータ2060の出力軸の軸心2064に対して偏心して形成されたカップリング2062の偏心軸2066を中心に回転可能に支持される。
図3におけるD−D断面を、図8に示す。内歯ギヤ2054は、複数の歯のうちの一部の歯が外歯ギヤ2052と噛合うように設けられる。電動モータ2060の出力軸回転数がスプロケット2010の回転数と同じである場合は、カップリング2062および内歯ギヤ2054は外歯ギヤ2052(スプロケット2010)と同じ回転数で回転する。この場合、ガイドプレート2040がスプロケット2010と同じ回転数で回転し、インテークバルブ1100の位相が維持される。
電動モータ2060により、カップリング2062が、軸心2064を中心に外歯ギヤ2052に対して相対的に回転されると、内歯ギヤ2054全体が軸心2064を中心に回転(公転)するとともに、内歯ギヤ2054が偏心軸2066を中心に自転する。内歯ギヤ2054の回転運動により、ガイドプレート2040がスプロケット2010に対して相対的に回転せしめられ、インテークバルブ1100の位相が変更される。
インテークバルブ1100の位相は、電動モータ2060の出力軸とスプロケット2010との相対回転数(電動モータ2060の作動量)が、減速機2050、ガイドプレート2040およびリンク機構2030において減速されることにより変化する。なお、電動モータ2060の出力軸とスプロケット2010との相対回転数を増速してインテークバルブ1100の位相を変更するようにしてもよい。なお、電動モータ2060の出力軸には、この出力軸の回転角(回転方向における出力軸の位置)を表す信号を出力するモータ回転角センサ5050が設けられる。モータ回転角センサ5050は、一般的には、電動モータ2060の出力軸が所定角度回転する度にパルス信号を発生するように構成される。このモータ回転角センサ5050の出力に基づいて、電動モータ2060の出力軸の回転数(以下、単に電動モータ2060の回転数とも称する)を検知可能である。
図9に示すように、インテーク用VVT機構2000全体の減速比R(θ)、すなわち、位相の変化量に対する電動モータ2060の出力軸とスプロケット2010との相対回転数の比は、インテークバルブ1100の位相に応じた値をとり得る。なお、本実施の形態においては、減速比R(θ)が大きいほど、電動モータ2060の出力軸とスプロケット2010との相対回転数に対する位相の変化量が相対的に小さくなる。
インテークバルブ1100の位相が最遅角からCA(1)までの第1の領域にある場合では、インテーク用VVT機構2000全体の減速比はR(1)となる。インテークバルブ1100の位相がCA(2)(CA(2)はCA(1)よりも進角側)から最進角までの第2の領域にある場合には、インテーク用VVT機構2000全体の減速比は、R(2)(R(1)>R(2))となる。
インテークバルブ1100の位相がCA(1)からCA(2)までの第3の領域にある場合には、インテーク用VVT機構2000全体の減速比は、予め定められた変化率((R(2)−R(1))/(CA(2)−CA(1)))で変化する。
以上のような構造に基づき発現する、本実施の形態に係る可変バルブタイミング装置のインテーク用VVT機構2000の作用について説明する。
インテークバルブ1100の位相(インテークカムシャフト1120)を進角させる場合、電動モータ2060を作動させ、ガイドプレート2040をスプロケット2010に対して相対的に回転させると、図10に示すように、インテークバルブ1100の位相が進角される。
インテークバルブ1100の位相が最遅角とCA(1)との間の第1の領域にある場合、電動モータ2060の出力軸とスプロケット2010との相対回転数が減速比R(1)で減速されて、インテークバルブ1100の位相が進角される。
インテークバルブ1100の位相がCA(2)と最進角との間の第2の領域にある場合、電動モータ2060の出力軸とスプロケット2010との相対回転数が減速比R(2)で減速されて、インテークバルブ1100の位相が進角される。
インテークバルブ1100の位相を遅角する場合は、位相を進角する場合とは逆方向に電動モータ2060の出力軸がスプロケット2010に対して相対回転される。位相を遅角する場合も、進角する場合と同様に、最遅角とCA(1)との間の第1の領域において、電動モータ2060の出力軸とスプロケット2010との相対回転数が減速比R(1)で減速されて、位相が遅角される。また、CA(2)と最進角との間の第2の領域において、電動モータ2060の出力軸とスプロケット2010との相対回転数が減速比R(2)で減速され、位相が遅角される。
これにより、電動モータ2060の出力軸とスプロケット2010との相対的な回転方向が同じである限り、最遅角とCA(1)との間の第1の領域およびCA(2)と最進角との間の第2の領域の両方の領域においてインテークバルブ1100の位相を進角させたり、遅角させたりすることができる。このとき、CA(2)と最進角との間の第2の領域において、位相をより大きく進角させたり、遅角させたりすることができる。そのため、大きな範囲で位相を変化させることができる。
また、最遅角とCA(1)との間の第1の領域においては、減速比が大きいため、エンジン1000の運転に伴なってインテークカムシャフト1120に作用するトルクにより電動モータ2060の出力軸を回転させるためには大きなトルクが必要になる。そのため、電動モータ2060の停止時等において、電動モータ2060がトルクを発生しない状態であっても、インテークカムシャフト1120に作用するトルクにより電動モータ2060の出力軸が回転されることを抑制することができる。そのため、制御上の位相から実際の位相が変化することを抑制することができる。
このように、インテーク用VVT機構2000では、減速比R(θ)の存在により、アクチュエータである電動モータ2060の通電停止時に、意図しない位相変化が発生する可能性が低い。特に、最遅角の位相を含む第1の領域において、この効果が顕著となる。
ところで、インテークバルブ1100の位相がCA(1)とCA(2)との間の第3の領域にある場合、予め定められた変化率で変化する減速比で、電動モータ2060の出力軸とスプロケット2010との相対回転数が減速されて、インテークバルブ1100の位相が進角されたり、遅角されたりする。
これにより、位相が第1の領域から第2の領域に、もしくは第2の領域から第1の領域に変化する場合において、電動モータ2060の出力軸とスプロケット2010との相対回転数に対する位相の変化量を漸増もしくは漸減させることができる。そのため、位相の変化量がステップ状に急変することを抑制して、位相が急変することを抑制することができる。その結果、位相の制御性を向上することができる。
以上のように、本実施の形態に係る可変バルブタイミング装置のインテーク用VVT機構によれば、インテークバルブの位相が最遅角からCA(1)までの領域にある場合では、インテーク用VVT機構2000全体の減速比はR(1)となる。インテークバルブの位相がCA(2)から最進角までの領域にある場合には、インテーク用VVT機構2000全体の減速比は、R(1)よりも小さいR(2)となる。これにより、電動モータの出力軸の回転方向が同じである限り、最遅角とCA(1)との間の第1の領域およびCA(2)と最進角との間の第2の領域の両方の領域においてインテークバルブの位相を進角させたり、遅角させたりすることができる。このとき、CA(2)と最進角との間の第2の領域において、位相をより大きく進角させたり、遅角させたりすることができる。そのため、大きな範囲で位相を変化させることができる。また、最遅角とCA(1)との間の第1の領域においては、減速比が大きいため、エンジンの運転に伴なってインテークカムシャフトに作用するトルクにより電動モータの出力軸が回転されることを抑制することができる。そのため、制御上の位相から実際の位相が変化することを抑制することができる。その結果、大きな範囲で位相を変化させ、かつ、位相を精度よく制御することができる。
次に、インテークバルブ1100の位相(以下、単にインテークバルブ位相とも称する)の制御構成について詳細に説明する。
図11を参照して、図1でも説明したように、エンジン1000は、クランクシャフト1090からの動力がタイミングチェーン1200(またはタイミングベルト)により各スプロケット2010,2012を介してインテークカムシャフト1120およびエキゾーストカムシャフト1130に伝達されるように構成されている。また、インテークカムシャフト1120の外周側には、所定のカム角毎にカム角信号Pivを出力するカムポジションセンサ5010が取付けられている。一方、クランクシャフト1090の外周側には、所定のクランク角毎にクランク角信号Pcaを出力するクランク角センサ5000が取付けられている。また、電動モータ2060の回転子(図示せず)には、所定の回転角度毎にモータ回転角信号Pmtを出力するモータ回転角センサ5050が取付けられている。これらのカム角信号Piv、クランク角信号Pcaおよびモータ回転角信号Pmtは、ECU4000へ入力される。
ECU4000は、さらに、エンジン1000の状態を検出するためのセンサ群の出力および運転条件(運転者ペダル操作、現車速等)に基づき、エンジン1000に対して要求される出力が得られるように、エンジン1000の動作を制御する。そのエンジン制御の一環として、ECU4000は、図2に示したマップに基づき、インテークバルブ1100およびエキゾーストバルブ1110の位相目標値を設定する。
さらに、ECU4000は、インテークバルブ1100の位相をこの位相目標値に合致させるように、インテーク用VVT機構2000へのアクチュエータである電動モータ2060の回転数指令値Nmrefを生成する。この回転数指令値Nmrefは、以下に説明するように、アクチュエータ作動量に相当する電動モータ2060の出力軸とスプロケット2010(インテークカムシャフト1120)との相対回転数に対応させて決定される。電動機EDU(Electronic Drive Unit)4100は、ECU4000からの回転数指令値Nmrefに従い、電動モータ2060の回転数制御を行なう。
図12は、本発明の実施の形態によるインテーク用VVT機構2000のアクチュエータである電動モータ2060の回転数制御を説明するブロック図である。
図12を参照して、アクチュエータ作動量設定部6000は、バルブ位相検出部6010と、カムシャフト位相変化量算出部6020と、相対回転数設定部6030と、カムシャフト回転数検出部6040と、回転数指令値生成部6050と、切換部6150とを含む。さらに、インテークバルブ位相の基準位置学習を行なうための学習制御部6100が設けられる。アクチュエータ作動量設定部6000および学習制御部6100の動作は、ECU4000に予め格納された所定プログラムに従う制御処理を所定の制御周期毎に実行することによって実現される。
バルブ位相検出部6010は、クランク角センサ5000からのクランク角信号Pca、カムポジションセンサ5010からのカム角信号Pivおよび、電動モータ2060の回転角センサ5050からのモータ回転角信号Pmtに基づき、現在のインテークバルブ位相の検出値IV(θ)を求める(以下、位相検出値IV(θ)と称する)。
バルブ位相検出部6010は、クランク角信号Pcaおよびカム角信号Pivに基づいて、たとえば、カム角信号Pivの発生時に、クランク角信号Pcaの発生に対するカム角信号Pivの時間差を、クランクシャフト1090およびインテークカムシャフト1120の間の回転位相差に換算することによって、現在のインテークカムシャフト1120の位相検出値IV(θ)を求めることができる(第1の位相算出方式)。
あるいは、本発明の実施の形態によるインテーク用VVT機構2000では、アクチュエータである電動モータ2060の作動量(相対回転数ΔNm)に基づいて、インテークバルブの位相変化量を正確にトレースすることができる。具体的には、各センサからの出力に基づいて実際の相対回転数ΔNmを算出し、算出された実際の相対回転数ΔNmに基づく上記(1)式に従った演算処理により、単位時間(制御周期)毎でのインテークバルブ位相の変化量dIV(θ)を算出することができる。したがって、バルブ位相検出部6010は、位相変化量dIV(θ)を積算することによっても、現在のインテークカムシャフト1120の位相検出値IV(θ)を逐次求めることができる(第2の位相算出方式)。
バルブ位相検出部6010は、エンジン回転数の安定性や演算負荷等と考慮して、上記第1および第2の位相算出方式を適宜に用いることによって、位相検出値IV(θ)を求めることができる。
カムシャフト位相変化量算出部6020は、演算部6022と、必要位相変化量算出部6025とを有する。演算部6022は、インテークバルブ1100の位相目標値IV(θ)rに対する位相偏差ΔIV(θ)(ΔIV(θ)=IV(θ)−IV(θ)r)を求める。必要位相変化量算出部6025は、演算部6022により求められた位相偏差ΔIVに応じて、この制御周期でのインテークカムシャフト1120の必要位相変化量Δθを算出する。
たとえば、単一の制御周期での位相変化量Δθの最大値Δθmaxが予め設定され、必要位相変化量算出部6025は、この最大値Δθmaxの範囲内で、位相偏差ΔIV(θ)に応じた位相変化量Δθを決定する。なお、最大値Δθmaxについては所定の固定値としてもよく、あるいは、エンジン1000の運転状態(回転数、吸入空気量等)や位相偏差ΔIV(θ)の大きさに応じて可変に設定する構成としてもよい。
相対回転数設定部6030は、必要位相変化量算出部6025によって求められた必要位相変化量Δθを生じさせるのに必要な、スプロケット2010(インテークカムシャフト1120)の回転数に対する電動モータ2060の出力軸の相対的な回転数ΔNmを算出する。たとえば、この相対回転数ΔNmは、インテークバルブ位相を進角させるときには正値(ΔNm>0)に設定され、反対にインテークバルブ位相を遅角させるときには負値(ΔNm<0)に設定され、現在のインテークバルブ位相を維持するときには略零(ΔNm=0)に設定される。
ここで、制御周期に相当する単位時間ΔT当たりでの位相変化量Δθと相対回転数ΔNmとの関係は、下記(1)式で示される。なお、(1)式中において、R(θ)は、図9に示された、インテークバルブ位相に応じて変化する減速比である。
Δθ∝ΔNm・360°・(1/R(θ))・ΔT …(1)
したがって、相対回転数設定部6030は、制御周期ΔTにて要求されるカムシャフト位相変化量Δθを生じさせるための電動モータ2060の相対回転数ΔNmを、(1)式に従った演算処理によって求めることができる。
カムシャフト回転数検出部6040は、スプロケット2010の回転数、すなわちインテークカムシャフト1120の実回転数IVNを、クランクシャフト1090の回転数の2分の1として求める。なお、カムシャフト回転数検出部6040は、カムポジションセンサ5010からのカム角信号Pivに基づいてインテークカムシャフト1120の実回転数IVNを算出する構成としてもよい。ただし、一般的に、インテークカムシャフト1120の1回転当たりのカム角信号出力数は、クランクシャフト1090の1回転当たりのクランク角信号出力数よりも少ないので、クランクシャフト1090の回転数に基づいてカムシャフト回転数IVNを検出することにより、検出精度を向上することができる。
切換部6150は、相対回転数設定部6030および学習制御部6100と、回転数指令値生成部6050との間に配置される。切換部6150は、学習制御部6100による基準位置学習の実行時以外には、相対回転数設定部6030が設定した相対回転数ΔNmを回転数指令値生成部6050へ入力する。なお、本発明の実施の形態による基準位置学習については、後程詳細に説明する。
回転数指令値生成部6050は、カムシャフト回転数検出部6040によって求められたインテークカムシャフト1120の実回転数IVNと、切換部6150により入力された相対回転数ΔNmとを加算して、電動モータ2060の回転数指令値Nmrefを生成する。したがって、通常動作時を始め基準位置学習時以外では、相対回転数設定部6030により設定された相対回転数ΔNmに基づき、電動モータ2060の回転数指令値Nmrefが生成される。一方、基準位置学習時には、学習制御部6100により設定された相対回転数ΔNmに基づき、電動モータ2060の回転数指令値Nmrefが生成される。回転数指令値生成部6050によって生成された回転数指令値Nmrefは、電動機EDU4100へ送出される。
電動機EDU4100は、リレー回路4250を介して電源4200と接続される。リレー回路4250のオン・オフは、制御信号SRLによって制御される。電源4200は、一般的には、エンジン作動時に充電可能な二次電池で構成される。したがって、リレー回路4250をオフすることによって、電動モータ2060の通電を停止できる。
電動機EDU4100は、電動モータ2060の回転数を回転数指令値Nmrefに合致させるような回転数制御を行なう。たとえば、電動機EDU4100は、回転数指令値Nmrefに対する電動モータ2060の実回転数Nmの回転数偏差(Nref−Nm)に応じて、電源4200から電動モータ2060への供給電力(代表的にはモータ電流Imt)を制御するように、電力用半導体素子(トランジスタ等)のスイッチングを制御する。たとえば、このような電力用半導体素子のスイッチング動作におけるデューティ比が制御される。
特に、電動機EDU4100は、モータ制御性を向上させるために、回転数制御における調整量となるデューティ比DTYを下記(2)式に従って制御する。
DTY=DTY(ST)+DTY(FB) …(2)
(2)式において、DTY(FB)は、上記回転数偏差および所定の制御ゲインによる制御演算(代表的には、一般的なP制御、PI制御等)基づくフィードバック項である。
(2)式中のDTY(ST)は、図13に示すように、電動モータ2060の回転数指令値Nmrefおよび設定された相対回転数ΔNmに基づいて設定されるプリセット項である。
図13を参照して、相対回転数ΔNm=0のとき、すなわち、回転数指令値Nmrefに対して、電動モータ2060をスプロケット2010と同一回転数で回転するとき(ΔNm=0のとき)に必要なモータ電流値に対応させたデューティ比特性6060が予めテーブル化される。そして、(2)式中のDTY(ST)は、デューティ比特性6060に従う基準値から、相対回転数ΔNmに応じた電流値を相対的に増減させることにより設定される。このように、プリセット項およびフィードバック項を組み合わせて電動モータ2060への供給電力を制御する回転数制御とすることにより、電動機EDU4100は、単純なフィードバック制御、すなわち(2)式のDTY(FB)項のみによる回転数制御と比較して、回転数指令値Nmrefの変化に対して電動モータ2060の回転数を高速に追従させることができる。
(本発明の実施の形態による基準位置学習)
インテークカムシャフト1120の位相検出精度を向上するために、インテーク用VVT機構2000では、所定の学習指示条件成立時に、学習制御部6100により、インテークバルブ位相の基準位置学習を行なう。本発明の実施の形態では、インテークバルブ位相を最遅角に到達させることにより基準位置学習が行なわれる。
図12を参照して、学習制御部6100は、所定の学習指示条件成立時に「オン」される学習指示信号に応答して基準位置学習を実行する。学習制御部6100は、学習指示信号の「オン」に応答して、学習動作が開始されてからの経過時間を測定するタイマー6110を含んで構成される。
学習制御部6100は、基準位置学習時には、学習動作を行なうためのアクチュエータ作動量として、電動モータ2060の相対回転数ΔNm0を設定する。基準位置学習時には、切換部6150が学習制御部6100の出力を回転数指令値生成部6050へ入力するので、学習制御部6100により設定された相対回転数ΔNm0に基づき、電動モータ2060の回転数指令値Nmrefが生成される。
学習制御部6100は、相対回転数ΔNm0に従って電動モータ2060が作動する基準位置学習時には、バルブ位相検出部6010により検出される位相検出値IV(θ)に基づき、インテークバルブ位相が基準位相となる最遅角(たとえば0°)に到達したかどうかを判定する。
そして、学習制御部6100は、インテークバルブ位相が基準位相に到達したことを検出すると、学習動作を終了して、そのときの位相検出値IV(θ)を位相学習値θlnとする。このように求められた位相学習値θlnは、以降でのバルブタイミング制御に用いられる。
たとえば、バルブ位相検出部6010による位相検出値IV(θ)と上記位相学習値θlnとの相対的な差を、実際のインテークバルブ位相と基準位置学習時の基準位相(すなわち0°)との差とみなして、バルブタイミング制御が行なわれる。たとえば、演算部6022における位相偏差ΔIV(θ)の算出に位相学習値θlnが反映される。
図14および図15には、本発明の実施の形態による基準位置学習時の動作波形図が示される。図14には、学習正常終了時の動作波形図が示され、図15には、学習が正常終了せず強制終了されるときの動作波形図が示される。
図14を参照して、時刻t0に所定の学習実行条件が成立して学習指示信号が「オン」されると、学習動作が開始されて、電動モータ2060が相回転数指令値ΔNm0(<0)に従って作動する。これにより、位相検出値IV(θ)は、一定レートで遅角されていく。
そして、時刻t1において、実際のインテークバルブ位相が最遅角(0°)になると、リンク機構2030での動作がロックされて、インテークバルブ位相の変化量がほぼ零となる。このとき、電動モータ2060の相対回転数もほぼ零となる。
位相検出値IV(θ)にオフセット誤差が存在する場合には、IV(θ)=0となる前に、実際のインテークバルブ位相は、最遅角に到達して、これ以上遅角方向へは変化できなくなる。これにより、電動モータ2060の相対回転数が零になるとともに、位相検出値IV(θ)が変化しなくなる。したがって、位相検出値IV(θ)の変化量に基づき、あるいは、上述した実際の相対回転数ΔNmに基づく位相変化量dIV(θ)に基づいてdIV(θ)≒0となることに応じて、実際のインテークバルブ位相が基準位相である最遅角に到達したことを検出できる。これに応答して基準位置学習の終了条件が成立し、学習完了フラグが「オン」される。そして、この際の位相検出値IV(θ)は、位相学習値θlnとして記憶される。
さらに、基準位置学習の完了に応答して、学習動作が終了されて、電動モータ2060が相回転数指令値は、零とされる。さらに、制御信号SRLが「オフ」されてリレー回路4250がオフされる。
これに対して、図15では、時刻t0より学習動作が開始され、時刻t1では、位相検出値IV(θ)=0でないものの、実際のインテークバルブ位相が最遅角に近づく。しかしながら、図14のケースでは、リンク機構2030でのガタ等により、実際のインテークバルブ位相は、最遅角に完全に到達することなく周期的に変動する。この結果、位相検出値IV(θ)は、零になることなく周期的に変動し、電動モータ2060の相対回転数も同様に周期的に変動する。
このような状態が発生すると、基準位置学習の終了条件が成立しないため、学習完了フラグが「オン」されず学習動作が継続される。学習動作の継続により、アクチュエータである電動モータ2060も継続的に作動するので、電力消費および作動に伴う発熱が増大してしまう。
このような状況に対処するために、本実施の形態による基準位置学習では、タイマー6110による計時に基づき、学習動作の開始からの経過時間が所定の制限時間Tlmtに達する時刻t2において、強制的に学習動作を終了する。これに伴い、学習完了フラグが「オン」されて、アクチュエータの作動量に相当する電動モータ2060の相対回転数指令値も零となる。さらに、制御信号SRLが「オフ」されてリレー回路4250がオフされる。これにより、学習動作が制限時間を超えて継続されることにより、基準位置学習による消費電力および発熱が増大することを回避できる。
図16には、図14,15に示したような基準位置学習を実現するためのフローチャート例が示される。図16のフローチャートに従う基準位置学習ルーチンは、インテーク用VVT機構2000によるバルブタイミング制御の一部として、ECU4000により所定周期で実行される。
図14を参照して、ECU4000は、ステップS100により、所定の学習実行条件が成立しているか否かを判定する。なお、図9で説明したように、本実施の形態によるインテーク用VVT機構2000では、減速比R(θ)の存在により、アクチュエータである電動モータ2060の通電停止時に、意図しない位相変化が発生する可能性が低い。このため、ECU4000内において、逐次検出される位相検出値IV(θ)を、イグニッションスイッチのオフ時(運転停止時)にも記憶内容が保持されるメモリ領域(たとえば、SRAM:Static Random Access Memory)に記憶することにより、エンジン始動毎に基準位置学習を行なう必要がなくなる。このような構成では、バッテリ交換等によって上記メモリ領域の記憶内容がクリアされたときに、ステップS100における学習実行条件を成立させればよい。
あるいは、インテークバルブ位相の検出精度を向上させるために、エンジン始動毎に、ステップS100での基準位置学習の実行条件を成立させることも可能である。
ECU4000は、学習実行条件の不成立時(ステップS100のNO判定時)には、
基準位置学習が指示されていないため処理を終了する。
一方、ECU4000は、学習実行条件の成立時(ステップS100のYES判定時)には、学習制御部6100(図12)へ入力される学習指示信号を「オン」するとともに、ステップS110以降の処理により、基準位置学習を実行する。
そして、ECU4000は、ステップS110により、学習動作の開始に伴いタイマー6110を起動する。これにより、学習動作開始後の経過時間、すなわち、学習動作の実行時間が計時される。
学習動作の開始に伴い、ECU4000は、ステップS120により、基準位置学習を行なうためのアクチュエータ作動量として、電動モータ2060の相対回転数ΔNm0を設定する。相対回転数ΔNm0は、インテークバルブ位相を基準位相である最遅角(0°)へ向けて変更するための値に設定される。すなわち、本実施の形態では、相対回転数ΔNm0は、所定の負の値に設定される。これは、図12での、学習指示信号の「オン」に応答した学習制御部6100の動作に対応する。
ECU4000は、ステップS130では、相対回転数ΔNm0に従う電動モータ2060の動作によるインテークバルブ位相の変化を検出する。これは、バルブ位相検出部6010による位相検出値IV(θ)の算出に相当する。ECU4000は、ステップS130でのインテークバルブ位相検出に基づき、位相変化量を算出する(ステップS140)。これは、上述のように、位相変化量dIV(θ)を算出することと等価である。
さらに、ECU4000は、ステップS150では、ステップS140で算出した位相変化量を判定値θ0と比較する。判定値θ0は、位相変化量がほぼ零となったことを検出できるように、零近傍の所定値に設定される。
位相変化量<θ0のとき(ステップS150のYES判定時)には、ECU4000は、ステップS160により、実際のインテークバルブ位相が基準位相(最遅角)に到達したと判断して、基準位置学習を正常に終了する。この際に、ECU4000は、位相学習値θlnを求める。さらに、リレー回路4250がオフされて、電動モータ2060の通電が停止される。すなわち、図14の時刻t1において、ステップS160が実行される。
一方、位相変化量≧θ0のとき(ステップS150のNO判定時)には、ECU4000は、実際のインテークバルブ位相が基準位相(最遅角)に未到達であると判断して、ステップS170により、タイマー6110による計時値、すなわち、学習動作の実行時間を所定の制限時間Tlmtと比較する。この制限時間Tlmtは、機器保護の観点から、たとえば、電動モータ2060での発熱量を事前に実験的に確認することにより決定できる。また、基準位置学習開始時の位相検出値IV(θ)に基づいて、減速比R(θ)や基準位置学習時の相対回転数ΔNmを考慮した可変値として、制限時間Tlmtを設定することも可能である。
学習動作の実行時間が制限時間Tlmt以下であるとき(ステップS170のNO判定時)には、ECU4000は、ステップS180により、電動モータ2060の通電を継続して基準位置学習を継続する。すなわち、図14の時刻t0〜t1間および図15の時刻t0〜t2間では、ステップS180が実行される。
一方、学習動作の実行時間が制限時間Tlmtを超えたとき(ステップS170のYES判定時)には、ECU4000は、ステップS190により、基準位置学習を強制的に終了する。すなわち、図15の時刻t2において、ステップS190が実行される。
図15に示したように、この際に求められる位相学習値θlnの精度は不明確である。したがって、基本的には、基準位置学習の強制的終了時には、位相学習値θlnは更新されない。ただし、上述したバッテリ交換の際等、位相検出値IV(θ)および位相学習値θlnに係る記憶内容がメモリ内で初期化される際には、例外的に位相学習値θlnの更新を許可してもよい。
また、基準位置学習が正常に終了しなかったときには、リンク機構2030等での機械的不具合や、バルブタイミング制御精度の低下による燃費悪化が懸念される。したがって、ECU4000は、ステップS190の処理時において、VVT機構(可変バルブタイミング装置)の点検等を促す報知(ダイアグモニタ等)を搭乗者に対して発生することが好ましい。また、異常診断により検出された異常内容を特定するための情報であるダイアグコードのうちの1つを、「可変バルブタイミング装置の基準位置学習が正常に終了しなかったこと」を示すように規定しておくことにより、ステップS190の処理時に、このダイアグコードを併せて記憶させることができる。これにより、VVT機構の点検時に適切なメンテナンスを行なうことが容易となる。
さらに、ECU4000は、ステップS195により、基準位置学習の強制的終了に伴い、リレー回路4250をオフして、電動モータ2060の通電を停止する。
なお、基準位置学習の完了(正常終了または強制的終了)に応答して、電動モータ2060の通電が停止された後には、所定時間の経過、あるいは、可変バルブタイミング装置への動作要求等に応答して、リレー回路4250を再びオンすることにより、電動モータ2060の通電が再開される。これにより、基準位置学習の正常終了時には、学習結果を反映したインテークバルブ位相検出に基づき、バルブタイミング制御を行なうことができる。
以上説明したように、本実施の形態による可変バルブタイミング装置では、何らかの不具合によって通常期間内に基準位置学習が正常終了できない場合にも、予め設定した制限時間の経過に応じて学習動作を強制的に終了することができる。したがって、基準位置学習が長期間化することによって、アクチュエータである電動モータ2060の消費電力および発熱が増大することを回避できる。この結果、基準位置学習実行時の消費電力削減および機器保護を図ることができる。
また、基準位置学習の基準位相は、減速比大の領域に含まれる最遅角へ設定されるので、学習動作の強制的終了時に、インテークバルブ位相は最遅角近傍すなわち、減速比大の領域に存在する。このような領域では、電動モータ2060の通電を停止してもこの時点でのインテークバルブ位相が維持できる。このため、制限時間の経過による学習動作の強制的終了時には、併せて電動モータ2060の通電を停止することにより、それ以降での無用な電力消費の発生および機器発熱をより確実に防止できる。
特に、図15の時刻t1〜t2の状態では、インテークバルブ位相が最遅角近傍で変化するので、電動モータ2060が間欠的にロック状態となってモータ電流が比較的大きくなる。したがって、上記のような基準位置学習の強制的終了および電動モータの通電停止による消費電力削減および機器保護の効果は高いものとなる。
なお、基準位置学習時にインテークバルブ位相の変化を当該基準位相で機械的に制約するためのロックピン等の機構を設ければ、基準位相を最遅角以外とすることも可能である。ただし、本実施の形態のように、基準位置学習における基準位相を、インテークバルブ位相の可変範囲の限界位置に対応する位相(最遅角位相/最進角位相)とすることにより、上記ロックピン等の特別の機構を設けることなく、基準位置学習を実行できる。
なお、本実施の形態では、学習動作開始後の経過時間、すなわち、学習動作の実行時間が制限時間を超えたときに基準位置学習を強制的に終了する制御例を示したが、機器保護の面から同様の効果を得るためには、電動モータ2060あるいは電動機ECU4100内の電力用半導体素子の温度に応じて基準位置学習を強制的に終了する制御構成とすることも可能である。ただし、このような制御構成では、温度センサおよび温度センサの出力値をECU4000で逐次処理することが必要となる。したがって、本実施の形態のような構成とすれば、異常時における基準位置学習の強制的な終了を、より簡易な構成により実現することができる。
また、以上説明した実施の形態において、図14のステップS110〜S160は、本発明における「基準位置学習手段」に対応し、ステップS190が本発明での「強制終了手段」に対応する。また、ステップS170は本発明での「検知手段」に対応し、ステップS195は、本発明での「通電停止手段」に対応する。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の実施の形態に係る可変バルブタイミング装置が搭載された車両のエンジンを示す概略構成図である。 インテークカムシャフトの位相を定めたマップを示す図である。 インテーク用VVT機構を示す断面図である。 図3のA−A断面図である。 図3のB−B断面図(その1)である。 図3のB−B断面図(その2)である。 図3のC−C断面図である。 図3のD−D断面図である。 インテーク用VVT機構全体として減速比を示す図である。 スプロケットに対するガイドプレートの位相とインテークカムシャフトの位相との関係を示す図である。 本実施の形態に係る可変バルブタイミング装置によるインテークバルブ位相の制御構成を説明する概略ブロック図である。 本実施の形態に係る可変バルブタイミング装置のアクチュエータである電動モータの回転数制御を説明するブロック図である。 電動モータの速度制御を説明する概念図である。 本発明の実施の形態による基準位置学習の正常終了時の動作波形図である。 本発明の実施の形態による基準位置学習の強制終了時の動作波形図である。 本発明の実施の形態による可変バルブタイミング装置における基準位置学習を説明するフローチャートである。
符号の説明
1000 エンジン、1010,1012 バンク、1020 エアクリーナ、1030 スロットルバルブ、1032 吸気通路、1040 シリンダ、1050 インジェクタ、1060 点火プラグ、1070 三元触媒、1080 ピストン、1090 クランクシャフト、1100 インテークバルブ、1110 エキゾーストバルブ、1120 インテークカムシャフト、1130 エキゾーストカムシャフト、1200 タイミングチェーン、1210,1212 スプロケット、2020 カムプレート、2030 リンク機構、2034 制御ピン、2040 ガイドプレート、2042 ガイド溝、2044 凹部、2050 減速機、2052 外歯ギヤ、2054 内歯ギヤ、2056 凸部、2060 電動モータ、2062 カップリング、2064 軸心、2066 偏心軸、2000 エキゾースト用VVT機構、3000 エキゾースト用VVT機構、4000 ECU、4100 電動機EDU、4200 電源、4250 リレー回路、5000 クランク角センサ、5010 カムポジションセンサ、5020 水温センサ、5030 エアフローメータ、5050 モータ回転角センサ、6000 アクチュエータ作動量設定部、6010 バルブ位相検出部、6020 カムシャフト位相変化量算出部、6022 演算部、6025 必要位相変化量算出部、6030 相対回転数設定部、6040 カムシャフト回転数検出部、6050 回転数指令値生成部、6060 デューティ比特性、6100 学習制御部、6110 タイマー、6150 切換部、dIV(θ) 実位相変化量、Imt モータ電流、IV(θ) 位相検出値(インテークバルブ)、IV(θ)r 位相値、IVN カムシャフト回転数、IVN 実回転数(カムシャフト)、Nm 実回転数(電動モータ)、Nmref 回転数指令値(電動モータ)、Pca クランク角信号、Pca♯ クランク角分周信号、Piv カム角信号、Pmt モータ回転角信号、R(θ) 減速比、SRL 制御信号(リレー回路)、Tlmt 制限時間(基準位置学習)、θ0 判定値(基準位置学習完了判定)、θln 位相学習値、ΔNm 相対回転数(電動モータ)、ΔNm0 電動モータ相対回転数(基準位置学習時)、ΔIV(θ) 位相偏差(インテークバルブ位相)、Δθ カムシャフト位相変化量。

Claims (5)

  1. エンジンに設けられたインテークバルブおよびエキゾーストバルブの少なくとも一方のバルブの開閉タイミングを変更する可変バルブタイミング装置であって、
    前記可変バルブタイミング装置を作動させるアクチュエータと、
    前記アクチュエータの作動量に応じた変化量で前記開閉タイミングを変更する変更機構と、
    所定タイミングへ前記開閉タイミングを変更するように前記アクチュエータの作動指示を生成して学習動作を実行するとともに、前記開閉タイミングが前記所定タイミングへ到達したことに応答して前記開閉タイミングの基準タイミングを学習して前記学習動作を終了するように構成された基準位置学習手段と、
    前記学習動作の開始から所定の制限時間の経過を検知する検知手段と、
    前記検知手段によって前記制限時間の経過が検知されたときに、前記開閉タイミングが前記所定タイミングへ未到達であっても、前記学習動作を強制的に終了させる強制終了手段とを備え、
    前記変更機構は、前記開閉タイミングが第1の領域にある場合において、前記アクチュエータの作動量に対して第1の変化量で前記開閉タイミングを変更し、前記開閉タイミングが前記第1の領域とは異なる第2の領域にある場合において、前記アクチュエータの作動量に対して前記第1の変化量よりも大きい第2の変化量で前記開閉タイミングを変更するように構成され、
    前記所定タイミングは、前記第1の領域内に設けられ、
    前記可変バルブタイミング装置は、
    前記強制終了手段により前記学習動作が強制的に終了されたときに、前記アクチュエータへの通電を停止する通電停止手段をさらに備える、可変バルブタイミング装置。
  2. 前記強制終了手段は、前記学習動作が強制的に終了されたことを、搭乗者に報知する手段および異常内容の特定のための情報として記憶する手段の少なくとも一方を含む、請求項1記載の可変バルブタイミング装置。
  3. 前記変更機構は、前記所定タイミングにおいて、前記開閉タイミングの変化が機械的に制約されるように構成され、
    前記検知手段は、前記開閉タイミングを前記所定タイミングへ変更するための前記作動指示の生成中において、前記開閉タイミングの変化量が零となったときに、前記開閉タイミングが前記所定タイミングへ到達したことを検知する、請求項1または2に記載の可変バルブタイミング装置。
  4. 前記所定タイミングは、前記変更機構による前記開閉タイミングの可変範囲の限界位置に対応して設けられる、請求項記載の可変バルブタイミング装置。
  5. 前記アクチュエータは電動機で構成され、かつ、前記アクチュエータの作動量は、前記エンジンのカムシャフトに対する前記電動機の相対的な回転速度差である、請求項1からのいずれか1項に記載の可変バルブタイミング装置。
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