JP5395063B2 - イソプロパノール生産能を有するコリネ型細菌の形質転換体 - Google Patents

イソプロパノール生産能を有するコリネ型細菌の形質転換体 Download PDF

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Description

本発明は、イソプロパノール生産技術に関する。さらに詳しくは、イソプロパノール生産機能を付与するために特定の遺伝子操作が施されたコリネ型細菌の形質転換体及びそれによる効率的なイソプロパノールの製造技術に関する。
イソプロパノールは、塗料やインキ等の工業用溶剤、そして、各種の工業原料として、現在、世界的には凡そ年間180万トン、我国でも約18万トンが生産されている。また、イソプロパノールから簡単な脱水反応により、現在、年間310万トンが我国では製造されているポリプロピレンの原料となるプロピレンに変換することができる。
しかし、これらの製品は何れも、化石原油資源由来のものである。
地球温暖化問題、化石資源枯渇問題、さらには、近年の原油価格の高騰問題等、地球環境的にも、また、重要な化学製品原料資源の海外依存度の低下の観点からも、ほぼ全量を輸入している原油資源とは異なる再生可能資源からのエネルギー及び化学製品の製造法の開発が強く望まれている。バイオマス等再生可能資源からイソプロパノールへの高効率製造技術は、これらの諸問題を解決することが出来る方策の一つとなる。
バイオマス原料からの微生物によるイソプロパノール生成は、アセトン・ブタノール発酵を行うクロストリジウム細菌の一種が、ブタノールに加えて、イソプロパノールを共産することが報告されている(イソプロパノール・ブタノール発酵)。これは、該発酵パターンを示すクロストリジウム細菌が有するイソプロパノール デヒドロゲナーゼの触媒反応によりアセトンが還元されてイソプロパノールを生産することによる。
近年、世界各国でのバイオ燃料生産利用の高まりの中で、アセトン・ブタノール発酵を利用したバイオ燃料としてのブタノール生産研究が再び注目されているが、これらはブタノール生産を主目的とした研究であり、イソプロパノールの生産を目的とした研究はほとんどない。
これまでにイソプロパノールを生産する菌としては、イソプロパノール・ブタノール発酵菌として知られるクロストリディウム属細菌、クロストリジウム ベージェリンキー(Clostridium beijerinckii)、クロストリジウム オウランティブチィリカム(Clostridium aurantibutyricum)などが報告されている(非特許文献1)。
しかしながら、Clostridium属細菌を用いたイソプロパノール生産には以下のような課題が存在する。
(1)Clostridium属細菌によるイソプロパノール・ブタノール発酵は、ブタノールが主要発酵代謝産物であり、イソプロパノールの生産性が低い(イソプロパノール/ブタノール生成比はおよそ1/5〜1/10である)。
(2)Clostridium属細菌は、増殖、及びイソプロパノールの生産において絶対嫌気性条件を必要とする。従って、嫌気条件下での培養、すなわち、培養装置内を窒素ガスなどの不活性ガスで置換するなどの煩雑な培養操作が必要であり、かつ増殖速度が極端に遅いために、それに伴うイソプロパノール生産速度が低い。これらの問題点を解決するには、高増殖速度の好気性微生物の利用が考えられるが、イソプロパノールを高効率に生産する能力を有し、好気条件下で増殖可能な微生物(好気性細菌又は通気嫌気性細菌)は未だ知られていない。
(3)イソプロパノール・ブタノール発酵では、細胞増殖期において酢酸及び酪酸が生成され、細胞増殖が停止した定常期に発酵培養液のpHの酸性化が溶媒(イソプロパノール、ブタノール)生成期への移行の引き金となり代謝系が大幅に変化(代謝シフト)して、イソプロパノール及びブタノールが生成される。このように、発酵プロセスの厳密な制御が必要であり、発酵開始してからイソプロパノール及びタノールが生成されるまでに時間を要する。また、これらのクロストリジウム菌は、胞子形成期への移行によりイソプロパノール及びブタノール生成が停止し、長時間生成が持続しない等の課題がある。
これらの課題を解決する新規イソプロパノール生産微生物の創製及びプロセスの開発が望まれていた。
Clostridium属細菌を用いたイソプロパノール生産技術としては、以下のような技術が開示されている。
非特許文献1では、クロストリジウム ベージェリンキー(Clostridium beijerinckii)が、ブタノールに加えてイソプロパノールを、クロストリジウム オウランティブチィリカム(Clostridium aurantibutyricum)が、ブタノール及びアセトンに加えてイソプロパノールを生成することが開示されている。
また、非特許文献2及び非特許文献3では、Clostridium属細菌を固定化してイソプロパノールを連続的に生産する技術、非特許文献4では、凝集性のClostridium属細菌を用いてイソプロパノールを生産する技術、非特許文献5では、Clostridium属細菌によるイソプロパノール・ブタノール発酵において、高分子樹脂を添加することにより、生産物であるイソプロパノールやブタノールを吸着させて生産物阻害を軽減する技術が開示されている。しかしながら、これらは、ブタノール生産に主眼をおいた技術であり、尚且つ、いずれもClostridium属細菌を用いる嫌気条件下でのイソプロパノール生産技術であり、上記の(1)、(2)、(3)等で指摘される課題については何ら根本的な解決となっていない。
一方、イソプロパノール生産技術ではないが、Clostridium属細菌を用いたアセトン・ブタノール生産技術としては、以下のような技術が開示されている。
特許文献1では、胞子形成に関わる遺伝子を制御することにより、胞子形成期を遅らせ、結果としてブタノール生産を向上させる技術、特許文献2及び非特許文献6では、連続発酵法において、gas-stripping法により、連続的にブタノールを抽出する技術、非特許文献7及び非特許文献8では、Clostridium属細菌を固定化してブタノールを生産する技術、非特許文献9では、Clostridium属細菌を連続発酵法において高濃度菌体を用い、菌体をリサイクルする技術が、それぞれ開示されている。これらの技術は、Clostridium属細菌を用いたイソプロパノール・ブタノール発酵にも適応可能と考えられるが、いずれもClostridium属細菌を用いる嫌気条件下での生産技術である点では何ら変わりなく、上記の課題については何ら根本的な解決となっていない。
Clostridium属細菌以外を用いたイソプロパノール生産技術としては、以下のような技術がある。
本発明者らは、すでに、宿主としてエシェリヒア コリ(Escherichia coli)を用いるイソプロパノールの生産技術を提案している(特許文献3及び非特許文献10)。非特許文献11は、クロストリジウム アセトブチリカム(Clostridium acetobutylicum)、エシェリヒア コリ(Escherichia coli)、クロストリジウム ベージェリンキー(Clostridium beijerinckii)、及びサーモアナエロバクター ブロッキー(Thermoanaerobacter brockii)から選ばれる微生物に由来するアセチル-CoA アセチルトランスフェラーゼ、アセトアセチル-CoA:アセテート CoA-トランスフェラーゼ、アセトアセテート デカルボキシラーゼ、及びイソプロパノール デヒドロゲナーゼをコードする遺伝子を、宿主としてエシェリヒア コリ(Escherichia coli)内で発現させ、イソプロパノールを生産する技術を開示している。
しかしながら、上記技術においては、微生物を用いてより効率よくイソプロパノールを生産できるようにする改善の余地があった。
PCT 公開公報 WO2006007530 米国 公開特許公報 US 2005089979 特願2007-222633
Applied and Environmental Microbiology, Vol. 45, 1983, p1160-1163. Enzyme and Microbial Technology, Vol. 5, 1983, p46-54. Biotechnology and Bioengineering, Vol. 39, 1992, p148-156. Applied Microbiology and Biotechnology, Vol. 32, 1989, p22-26. Applied Microbiology and Biotechnology, Vol. 25, 1986, p29-31. Bioprocess and Biosystems Engineering, Vol.27, 2005, p207-214. Pakistan Journal of Biological Sciences, Vol.9, 2006, p1923-1928. Applied Biochemistry and Biotechnology, Vol.113-116, 2004, p887-898. Journal of Biotechnol, Vol.120, p197-206. Applied Microbiology and Biotechnology, Vol. 77, 2008, p1219-1224. Applied and Environmental Microbiology, Vol. 73, 2007, p7814-7818.
本発明は、再生可能資源を原料としてイソプロパノールを生産することができる組換え微生物、及び該微生物を用いて効率よくイソプロパノールを製造することができる方法を提供することを課題とする。
本発明者らは前記の課題を解決すべく研究を重ね、アセチル-CoA アセチルトランスフェラーゼ活性を有する酵素をコードする外来性遺伝子、アセトアセチル-CoA:アセテート CoA-トランスフェラーゼ活性を有する酵素をコードする外来性遺伝子、アセトアセテート デカルボキシラーゼ活性を有する酵素をコードする外来性遺伝子、及びイソプロパノール デヒドロゲナーゼ活性を有する酵素をコードする外来性遺伝子をコリネ型細菌に導入することにより創製される形質転換体がイソプロパノールを効率よく生産することを見出した。
本発明による宿主としてコリネ型細菌を用いる技術により、エシェリヒア コリを宿主として用いる技術よりも幾つかの優れた特徴を見出すことが出来る。
エシェリヒア コリ(Escherichia coli)は3.5%のイソプロパノール存在下では増殖できないのに対して、コリネ型細菌は5%のイソプロパノール存在下においても増殖が可能であり、コリネ型細菌はエシェリヒア コリ(Escherichia coli)と比較して、よりイソプロパノールに対する耐性が高い(後記する実施例を参照)。これは、高濃度のイソプロパノール生産を行う際の宿主としてエシェリヒア コリ(Escherichia coli)よりもコリネ型細菌が優れていることを示している。つまり、高濃度でイソプロパノールの生産が出来ることは、発酵液からイソプロパノールを回収精製する所要エネルギーが少なくて済み、工業的製造方法として優位性が高いことを意味している。
また、本発明者らはこれまでに、遺伝子組換え型コリネバクテリウム グルタミカム(Corynebacterium glutamicum)を還元条件下の反応液中で反応させ、増殖抑制した状態で、高効率に乳酸、コハク酸又はエタノールを生産する技術を開示してきた(特許第3869788号)。
今回本発明者らは、本発明による遺伝子組み換え型コリネ型細菌が、増殖抑制条件下で効率良くイソプロパノールを生産することを見出した(後記する実施例を参照)。
このことは、物質生産に使用される炭素質の流れが目的生産物に専ら向けられ、増殖には使用されないことを意味する。そして、増殖分裂に伴う分泌物の実質的な抑制が実現されていることも意味する。このことも本発明の組み換え型コリネ型細菌によるイソプロパノールの生産技術が、高効率、低エネルギー消費型回収精製方法になることに結びついている。
従って、コリネ型細菌にイソプロパノール生産能を組換え技術により付与することは、組換え型エシャリヒア コリ等による増殖を伴うイソプロパノール生産技術よりも効率的に優れた技術となるのである。
本発明は、上記知見に基づき完成されたものであり、以下の微生物及びこの微生物を用いるイソプロパノールの製造方法を提供する。
(1) 以下の(a)〜(d)の遺伝子をコリネ型細菌に導入したことを特徴とする、イソプロパノール生産能を有する形質転換体。
(a)アセチル-CoA アセチルトランスフェラーゼ(Acetyl-CoA acetyltransferase)活性を有する酵素をコードする外来性遺伝子
(b)アセトアセチル-CoA:アセテート CoA-トランスフェラーゼ(Acetoacetyl CoA:acetate CoA transferase)活性を有する酵素をコードする外来性遺伝子
(c)アセトアセテート デカルボキシラーゼ(Acetoacetate decarboxylase)活性を有する酵素をコードする外来性遺伝子
(d)イソプロパノール デヒドロゲナーゼ(Isopropanol dehydrogenase)活性を有する酵素をコードする外来性遺伝子
(2) (a)アセチル-CoA アセチルトランスフェラーゼ活性を有する酵素をコードする外来性遺伝子として、配列番号13の塩基配列からなるDNA、又は配列番号13の塩基配列からなるDNAと相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件でハイブリダイズし、かつアセチル-CoA アセチルトランスフェラーゼ活性を有するポリペプチドをコードするDNAを用い;
(b)アセトアセチル-CoA:アセテート CoA-トランスフェラーゼ活性を有する酵素をコードする外来性遺伝子として、配列番号14の塩基配列からなるDNA、又は配列番号14の塩基配列からなるDNAと相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件でハイブリダイズし、かつアセトアセチル-CoA:アセテート CoA-トランスフェラーゼ活性を有するポリペプチドをコードするDNAを用い;
(c)アセトアセテート デカルボキシラーゼ活性を有する酵素をコードする外来性遺伝子として、配列番号15の塩基配列からなるDNA、又は配列番号15の塩基配列からなるDNAと相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件でハイブリダイズし、かつアセトアセテート デカルボキシラーゼ活性を有するポリペプチドをコードするDNAを用い;
(d)イソプロパノール デヒドロゲナーゼ活性を有する酵素をコードする外来性遺伝子として、配列番号16の塩基配列からなるDNA、又は配列番号16の塩基配列からなるDNAと相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件でハイブリダイズし、かつイソプロパノール デヒドロゲナーゼ活性を有するポリペプチドをコードするDNAを用いる上記(1)に記載の形質転換体。
(3) (a)アセチル-CoA アセチルトランスフェラーゼ活性を有する酵素をコードする外来性遺伝子、(b)アセトアセチル-CoA:アセテート CoA-トランスフェラーゼ活性を有する酵素をコードする外来性遺伝子、(c)アセトアセテート デカルボキシラーゼ活性を有する酵素をコードする外来性遺伝子、及び(d)イソプロパノール デヒドロゲナーゼ活性を有する酵素をコードする外来性遺伝子が、同一又は異なって、クロストリジウム アセトブチィリカム(Clostridium acetobutylicum)、エシェリヒア コリ(Escherichia coli)、ロドコッカス ルーバー(Rhodococcus ruber)、クロストリジウム ベージェリンキー(Clostridium beijerinckii)、クロストリジウム オウランティブチィリカム(Clostridium aurantibutyricum)、クロストリジウム サッカロペルブチルアセトニカム(Clostridium saccharoperbutylacetonicum)、クロストリジウム サッカロアセトブチィリカム(Clostridium saccharoacetobutylicum)、クロストリジウム パスツーリアウム(Clostridium pasteurianum)、クロストリジウム スポロゲンズ(Clostridium sporogenes)、クロストリジウム カダベリス(Clostridium cadaveris)、クロストリジウム テタノモルフュウム(Clostridium tetanomorphum)、及びラルストニア ユートロファ(Ralstonia eutropha)からなる群より選ばれる微生物由来の遺伝子である上記(1)又は(2)に記載の形質転換体。
(4) (b)アセトアセチル-CoA:アセテート CoA-トランスフェラーゼ活性を有する酵素をコードする外来性遺伝子がエシェリヒア コリ(Escherichia coli)由来の遺伝子である、及び/又は、(d)イソプロパノール デヒドロゲナーゼ活性を有する酵素をコードする外来性遺伝子がロドコッカス ルーバー(Rhodococcus ruber)由来の遺伝子であることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の形質転換体。
(5) コリネ型細菌が、コリネバクテリウム属菌、ブレビバクテリウム属菌及びアースロバクター属菌からなる群より選択されるものであることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載の形質転換体。
(6) コリネバクテリウム グルタミカム(Corynebacterium glutamicum)ISO1(受託番号 NITE BP−561)、又は、コリネバクテリウム グルタミカム(Corynebacterium glutamicum)ISO2(受託番号 NITE BP−562)形質転換体。
(7) 上記(1)〜(6)のいずれかに記載の形質転換体を、糖類を含有する培地中で培養する工程と、培養物からイソプロパノールを回収する工程とを含むイソプロパノールの製造方法。
本発明の形質転換体は、糖類から極めて効率よくイソプロパノールを生産することができる。
本発明により、再生可能資源を原料とした効率的なイソプロパノール生産が可能となり、石油資源原料に依存しないイソプロパノール工業生産プロセスの新規な構築が可能となる。
図1は、実施例1(2)項において作製したプラスミドpCRA725-SSI11-ACEの作製方法を示す模式図である。 図2は、実施例1(2)項において作製したプラスミドpCRC204を示す模式図である。 図3は、イソプロパノール存在下におけるエシェリヒア コリ(Escherichia coli) JM109/pCRC202及びコリネバクテリウム グルタミカム(Corynebacterium glutamicum)ISO2の増殖曲線を示す図である。
以下に、本発明を詳細に説明する。
(I)イソプロパノール生産能を有する形質転換体
本発明のイソプロパノール生産能を有する形質転換体は、以下の(a)〜(d)の遺伝子をコリネ型細菌に導入した形質転換体である。
(a)アセチル-CoA アセチルトランスフェラーゼ活性を有する酵素をコードする外来性遺伝子
(b)アセトアセチル-CoA:アセテート CoA-トランスフェラーゼ活性を有する酵素をコードする外来性遺伝子
(c)アセトアセテート デカルボキシラーゼ活性を有する酵素をコードする外来性遺伝子
(d)イソプロパノール デヒドロゲナーゼ活性を有する酵素をコードする外来性遺伝子
宿主
本発明において形質転換の対象となる宿主は、イソプロパノール生産関連遺伝子群を含む組換えベクターにより形質転換され、これらの遺伝子がコードするイソプロパノール生産関連酵素が発現し、結果としてイソプロパノールを生産することができるコリネ型細菌であれば特に限定されない。
コリネ型細菌とは、バージーズ・マニュアル・デターミネイティブ・バクテリオロジー〔Bargeys Manual of Determinative Bacteriology、Vol. 8、599(1974)〕に定義されている一群の微生物であり、通常の好気的条件で増殖するものならば特に限定されるものではない。具体例を挙げれば、コリネバクテリウム属菌、ブレビバクテリウム属菌、アースロバクター属菌、マイコバクテリウム属菌又はマイクロコッカス属菌等が挙げられる。
さらにコリネ型細菌としては、具体的には、コリネバクテリウム属菌として、コリネバクテリウム グルタミカム(Corynebacterium glutamicum)R(FERM P-18976)、ATCC13032、ATCC13058、ATCC13059、ATCC13060、ATCC13232、ATCC13286、ATCC13287、ATCC13655、ATCC13745、ATCC13746、ATCC13761、ATCC14020又はATCC31831等が挙げられる。
ブレビバクテリウム属菌としては、ブレビバクテリウム ラクトファーメンタム(Brevibacterium lactofermentum)ATCC13869、ブレビバクテリウム フラバム(Brevibacterium flavum)MJ-233(FERM BP-1497)もしくはMJ-233AB-41(FERM BP-1498)、又はブレビバクテリウム アンモニアゲネス(Brevibacterium ammoniagenes)ATCC6872等が挙げられる。
アースロバクター属菌としては、アースロバクター グロビフォルミス(Arthrobacter globiformis)ATCC8010、ATCC4336、ATCC21056、ATCC31250、ATCC31738又はATCC35698等が挙げられる。
マイコバクテリウム属菌としては、マイコバクテリウム ボビス(Mycobacterium bovis)ATCC19210又はATCC27289等が挙げられる。
マイクロコッカス属菌としては、マイクロコッカス フロイデンライヒ(Micrococcus freudenreichii)NO. 239(FERM P-13221)、マイクロコッカス ルテウス(Micrococcus leuteus)NO. 240(FERM P-13222)、マイクロコッカス ウレアエ(Micrococcus ureae)IAM1010又はマイクロコッカス ロゼウス(Micrococcus roseus)IFO3764等が挙げられる。
また、これらのコリネ型細菌は、野生株の他に、その変異株又は人為的な遺伝子組換え体であってもよい。例えば、このようなコリネ型細菌としては、ラクテート デヒドロゲナーゼ(lactate dehydrogenase)遺伝子破壊株、フォスフォエノールピルベート カルボキシラーゼ(phosphoenolpyrvate carboxylase)遺伝子破壊株、マレート デヒドロゲナーゼ(malate dehydrogenase)遺伝子破壊株などが挙げられる。
本発明における宿主となるコリネ型細菌としては、コリネバクテリウム属菌が好ましく、コリネバクテリウム グルタミカム(Corynebacterium glutamicum)R(FERM P-18976)が特に好ましい。
イソプロパノール生産関連遺伝子
上記(a)〜(d)のイソプロパノール生産関連遺伝子としては、これらの遺伝子を含むDNA断片の塩基配列が既知であれば、その配列に従って合成したDNA断片を使用することが出来る。DNA配列が不明の場合であっても、イソプロパノール生産関連酵素タンパク質間で保存されているアミノ酸配列をもとにハイブリダイゼーション法、PCR法により断片を取得することが可能である。さらに他の既知のイソプロパノール生産関連遺伝子配列を基に設計したミックスプライマーを用い、ディジェネレートPCRによって断片を取得することが可能である。
上記(a)〜(d)のイソプロパノール生産関連遺伝子はイソプロパノール生産活性が保持されている限り、塩基配列の一部が他の塩基と置換されていてもよく、削除されていてもよく、また新たに塩基が挿入されていてもよく、さらには塩基配列の一部が転位されていてもよい。これら誘導体のいずれも本発明に用いることができる。上記の一部とは、例えばアミノ酸残基換算で、1乃至数個(通常1〜5個、好ましくは1〜3個、さらに好ましくは1〜2個)であってよい。
上記(a)〜(d)の遺伝子は、通常イソプロパノール生産菌が保有する。イソプロパノールを生産する菌としては、ブタノール・イソプロパノール発酵菌として知られるクロストリディウム属細菌、クロストリジウム ベージェリンキー(Clostridium beijerinckii)、クロストリジウム オウランティブチィリカム(Clostridium aurantibutyricum)などが挙げられ〔Geprge, H.A. et al., Acetone, Isopropanol, and Butanol Production by Clostridium beijerinckii (syn. Clostridium butylicum) and Clostridium aurantibutyricum. Appl. Environ. Microbiol. 45:1160-1163 (1983)〕、アセチル-CoAから4ステップの反応によりイソプロパノールが生成されることがすでに報告さている〔Mitchell, W.J., Physiology of carbohydrate to solvent conversion by clostridia. Adv. Microb. Physiol. 39:31-130 (1998)〕。
これらのクロストリジウム属細菌におけるイソプロパノール生成経路、すなわちアセチル-CoAからイソプロパノールへの代謝経路は、具体的にはアセチル-CoAからアセトアセチル-CoAの反応を触媒するアセチル-CoA アセチルトランスフェラーゼ(Acetyl-CoA acetyltransferase)(別名チオーラゼ(Thiolase))(以下、遺伝子を「thl」、酵素を「THL」と記す)、アセトアセチル-CoAからアセトアセテートの反応を触媒するアセトアセチル-CoA:アセテート CoA-トランスフェラーゼ(Acetoacetyl CoA:acetate CoA transferase)(以下、遺伝子を「atoAD」、酵素を「CTF」と記す)、アセトアセテートからアセトンの反応を触媒するアセトアセテート デカルボキシラーゼ(Acetoacetate decarboxylase)(以下、遺伝子を「adc」、酵素を「ADC」と記す)、及びアセトンからイソプロパノールの反応を触媒するイソプロパノール デヒドロゲナーゼ(Isopropanol dehydrogenase)(別名プライマリー-セカンダリー アルコール デヒドロゲナーゼ(Primary-secondary alcohol dehydrogenase))(以下、遺伝子を「adh」、酵素を「ADH」と記す)から構成されている。
本発明では該代謝系を用いる。また、イソプロパノール生成機能を有する限り、上記(a)〜(d)の遺伝子の由来微生物の種類、組み合わせ、及び順番等は限定されない。
さらに、上記(a)〜(d)の遺伝子は、イソプロパノール生産能を有さない菌から取得してもよい。具体的には、以下の例が挙げられる。
クロストリディウム属細菌には、イソプロパノールは生産しないが、ブタノール・アセトン発酵を行うクロストリジウム アセトブチィリカム(Clostridium acetobutylicum)、クロストリジウム サッカロペルブチルアセトニカム(Clostridium saccharoperbutylacetonicum)、クロストリジウム サッカロアセトブチィリカム(Clostridium saccharoacetobutylicum)、クロストリジウム パスツーリアウム(Clostridium pasteurianum)、クロストリジウム スポロゲンズ(Clostridium sporogenes)、クロストリジウム カダベリス(Clostridium cadaveris)、クロストリジウム テタノモルフュウム(Clostridium tetanomorphum)などが報告されている〔Geprge, H.A. et al., Acetone, Isopropanol, and Butanol Production by Clostridium beijerinckii (syn. Clostridium butylicum) and Clostridium aurantibutyricum. Appl. Environ. Microbiol. 45:1160-1163 (1983)〕。これらのブタノール・アセトン発酵を行うクロストリジウム属細菌は、アセトンを生成するため、アセチル-CoAからアセトンまでの3ステップの酵素(THL、CTF及びADC)をコードする遺伝子を有することが報告されている 〔Nolling, J. et al., Genome sequence and comparative analysis of the solvent-producing bacterium Clostridium acetobutylicum. J. Bacteriol. 183:4823-4838〕。従って、ブタノール・イソプロパノール発酵行うクロストリジウム ベージェリンキー(Clostridium beijerinckii)、クロストリジウム オウランティブチィリカム(Clostridium aurantibutyricum)等由来のTHLをコードする遺伝子、CTFをコードする遺伝子及びADCをコードする遺伝子の代わりに、又はこれらのうちの1種又は2種以上と共に、それぞれ、上述のブタノール・アセトン発酵を行うクロストリジウム細菌由来のTHLをコードする遺伝子、CTFをコードする遺伝子及びADCをコードする遺伝子を用いてもよい。
また、現時点で600種を超える生物種のゲノム解読が行われていることにより、遺伝子データベースとの相同性検索により、多種の生物種由来の目的遺伝子の情報の抽出と、該遺伝子の単離が容易に実施可能となってきた。従って、上述のクロストリジウム属細菌以外の生物種由来のTHLをコードする遺伝子、CTFをコードする遺伝子、ADCをコードする遺伝子及びADHをコードする遺伝子も容易に単離可能である。上述のクロストリジウム属細菌由来のイソプロパノール生産関連遺伝子と比較的相同性の高いものを例にとると、THLをコードする遺伝子としては、クロストリジウム ペルフリンゲンス(Clostridium perfringens)、クロストリジウム テタニ(Clostridium tetani)、クロストリジウム クリュイベリ(Clostridium kluyveri)、クロストリジウム ブチリカム(Clostridium butyricum)、クロストリジウム ノビイ(Clostridium novyi)、クロストリジウム ボツリウム(Clostridium botulinum)、サーモアナエロバクテリウム サーモサッカロリティカム(Thermoanaerobacterium thermosaccharolyticum)、サーモシナス カルボキシディボランス(Thermosinus carboxydivorans)、クロストリジウム ディフィシル(Clostridium difficile)、カルボキシドサーマス ハイドロゲノフォーマス(Carboxydothermus hydrogenoformans)、サーモアナエロバクター テングコンゲネシス(Thermoanaerobacter tengcongensis)、ディスルフォトマキュラム レデュセンス(Desulfotomaculum reducens)、オーシャノスピリラム スピーシーズ(Oceanospirillum sp.)、シュードモナス プチダ(Pseudomonas putida)など由来のTHLをコードする遺伝子が挙げられる。
CTFをコードする遺伝子としては、サーモアナエロバクター テングコンゲネシス(Thermoanaerobacter tengcongensis) 、エシェリヒア コリ(Escherichia coli) K12など由来のCTFをコードする遺伝子が挙げられる。
ADCをコードする遺伝子としては、サッカロポリスポラ エリスラエラ(Saccharopolyspora erythraea)、ストレプトミセス ノガレイター(Streptomyces nogalater)、シュードモナス アエロギノーサ(Pseudomonas aeruginosa)、ストレプトミセス アベルミティリス(Streptomyces avermitilis)など由来のADC遺伝子が挙げられる。
ADHをコードする遺伝子としては、ロドコッカス ルーバー(Rhodococcus ruber)、サーモアナエロバクター エサノリカス(Thermoanaerobacter ethanolicus)、サーモアナエロバクター テングコンゲネシス(Thermoanaerobacter tengcongensis)、サーモアナエロバクター ブロッキー(Thermoanaerobacter brockii)、サーモシナス カルボキシディボランス (Thermosinus carboxydivorans)、メタノサシナ バーケリ(Methanosarcina barkeri)など由来のADHをコードする遺伝子が挙げられる。
従って、上述のブタノール・イソプロパノール発酵又はブタノール・アセトン発酵を行うクロストリジウム属細菌由来のTHLをコードする遺伝子、CTFをコードする遺伝子、ADCをコードする遺伝子、及びADHをコードする遺伝子の代わりに、又はこれらのうちの1種又は2種以上と共に、それぞれ、同じ酵素触媒反応を示す限り、例えばここに挙げた他の生物種由来のTHLをコードする遺伝子、CTFをコードする遺伝子、ADCをコードする遺伝子、及びADHをコードする遺伝子を用いてもよい。
本発明においては、上記(a)〜(d)の遺伝子としては、クロストリジウム アセトブチィリカム(Clostridium acetobutylicum)、エシェリヒア コリ(Escherichia coli)、ロドコッカス ルーバー(Rhodococcus ruber)、クロストリジウム ベージェリンキー(Clostridium beijerinckii)、クロストリジウム オウランティブチィリカム(Clostridium aurantibutyricum)、クロストリジウム サッカロペルブチルアセトニカム(Clostridium saccharoperbutylacetonicum)、クロストリジウム サッカロアセトブチィリカム(Clostridium saccharoacetobutylicum)、クロストリジウム パスツーリアウム(Clostridium pasteurianum)、クロストリジウム スポロゲンズ(Clostridium sporogenes)、クロストリジウム カダベリス(Clostridium cadaveris)、クロストリジウム テタノモルフュウム(Clostridium tetanomorphum)、及びラルストニア ユートロファ(Ralstonia eutropha)からなる群より選ばれる同一又は異なる微生物由来のTHLをコードする遺伝子、CTFをコードする遺伝子、ADCをコードする遺伝子及びADHをコードする遺伝子をそれぞれ用いることが好ましい。
本発明においては、上記(b)の遺伝子がエシェリヒア コリ(Escherichia coli)由来の遺伝子である、及び/又は、(d)の遺伝子がロドコッカス ルーバー(Rhodococcus ruber)由来の遺伝子であることが好ましい。
本発明では、上記(a)〜(d)の遺伝子として、クロストリジウム アセトブチィリカム(Clostridium acetobutylicum)に由来するTHL、ADCをコードする各遺伝子、エシェリヒア コリ(Escherichia coli)に由来するCTFをコードする遺伝子及びロドコッカス ルーバー(Rhodococcus ruber)に由来するADHをコードする遺伝子を使用することが最も好ましい。
本発明ではまた、(a)アセチル-CoA アセチルトランスフェラーゼ活性を有する酵素をコードする外来性遺伝子として、配列番号13の塩基配列からなるDNA、又は配列番号13の塩基配列からなるDNAと相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件でハイブリダイズし、かつアセチル-CoA アセチルトランスフェラーゼ活性を有するポリペプチドをコードするDNAを用い;
(b)アセトアセチル-CoA:アセテート CoA-トランスフェラーゼ活性を有する酵素をコードする外来性遺伝子として、配列番号14の塩基配列からなるDNA、又は配列番号14の塩基配列からなるDNAと相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件でハイブリダイズし、かつアセトアセチル-CoA:アセテート CoA-トランスフェラーゼ活性を有するポリペプチドをコードするDNAを用い;
(c)アセトアセテート デカルボキシラーゼ活性を有する酵素をコードする外来性遺伝子として、配列番号15の塩基配列からなるDNA、又は配列番号15の塩基配列からなるDNAと相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件でハイブリダイズし、かつアセトアセテート デカルボキシラーゼ活性を有するポリペプチドをコードするDNAを用い;
(d)イソプロパノール デヒドロゲナーゼ活性を有する酵素をコードする外来性遺伝子として、配列番号16の塩基配列からなるDNA、又は配列番号16の塩基配列からなるDNAと相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件でハイブリダイズし、かつイソプロパノール デヒドロゲナーゼ活性を有するポリペプチドをコードするDNAを用いるのが好ましい。
配列番号13及び15の塩基配列のDNAは、クロストリジウム アセトブチィリカム(Clostridium acetobutylicum)に由来する遺伝子である。また、配列番号13は、THLをコードするthl遺伝子の塩基配列であり、配列番号15は、ADCをコードするadc遺伝子の塩基配列である。配列番号14の塩基配列のDNAは、エシェリヒア コリ(Escherichia coli)に由来する遺伝子である。また、配列番号14は、CTFをコードするatoAD遺伝子の塩基配列である。配列番号16の塩基配列のDNAは、ロドコッカス ルーバー(Rhodococcus ruber)に由来する遺伝子である。また、配列番号16は、ADHをコードするadh遺伝子の塩基配列である。
本発明において「ストリンジェントな条件」は、一般的な条件、例えば、Molecular Cloning, A Laboratory Manual, Second Edition,1989,Vol2,p11.45等に記載された条件を指す。具体的には、完全ハイブリッドの融解温度(Tm)より5〜10℃低い温度でハイブリダイゼーションが起こる場合を指す。
ここで、より好ましい「ストリンジェントな条件」とは、90%以上、さらに好ましくは95%以上、特に好ましくは98%以上の相同性が配列間に存在するときにハイブリダイゼーションが起こることを意味する。このような「ストリンジェントな条件」については、上記Molecular Cloning, A Laboratory Manual, Second edition, Cold Spring Harbor Laboratory Press(1989)、特に11.45節”Conditions for Hybridization of Oligonucleotide Probes”に記載されており、ここに記載の条件を使用し得る。
本発明において、塩基配列間の相同性は、計算ソフトGENETYX(登録商標)Ver.8(ジェネティックス社製)を用いて計算した値である。
なお、本発明において、あるDNAとストリンジェントな条件でハイブリダイズするDNA、例えば、配列番号13の塩基配列からなるDNAと相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件でハイブリダイズするDNAは、配列番号13の塩基配列と約90%以上の配列相同性を有することが好ましく、約95%以上の配列相同性を有することがより好ましく、約98%以上の配列相同性を有することが特に好ましい。
種々の生物由来のTHLをコードする外来性遺伝子、CTFをコードする外来性遺伝子、ADCをコードする外来性遺伝子、及びADHをコードする外来性遺伝子の各配列をPCR(polymerase chain reaction)法により増幅するためのオリゴヌクレオチドプライマーセットとしては、以下のものが挙げられる。このようなプライマーセットとしては、例えば、THLをコードする遺伝子を増幅するための配列番号1及び2の塩基配列で表されるプライマーセット;CTFをコードする遺伝子を増幅するための配列番号5及び6の塩基配列で表されるプライマーセット;ADCをコードする遺伝子を増幅するための配列番号3及び4の塩基配列で表されるプライマーセット;ADHをコードする遺伝子を増幅するための配列番号7及び8の塩基配列で表されるプライマーセットなどが挙げられる。
PCR法は、公知のPCR装置、例えばサーマルサイクラーなどを利用することができる。PCRのサイクルは、公知の技術にしたがって行なわれてよく、例えば、変性、アニーリング、伸張を1サイクルとし、通常10〜100サイクル、好ましくは、約20〜50サイクルである。PCRの鋳型としては、上述のイソプロパノール生成経路の酵素活性を示す微生物から単離したDNAを用いて、PCR法によりTHL、CTF、ADC及びADHそれぞれをコードする遺伝子のcDNAを増幅することができる。PCR法によって得られた遺伝子は、適当なクローニングベクターに導入することができる。クローニング法としては、pGEM-T easy vector system(Promega社製)、TOPO TA-cloning system(Invitrogen社製)、Mighty Cloning Kit(Takara社製)などの商業的に入手可能なPCRクローニングシステムなどを使用することもできる。また、方法の1つの例を実施例で詳記するが、該領域を含むDNA断片を、既知のTHLをコードする遺伝子、CTFをコードする遺伝子、ADCをコードする遺伝子、及びADHをコードする遺伝子それぞれの塩基配列に基づいて適当に設計された合成プライマーを鋳型として用いたハイブリダイゼーション法により取得することもできる。
ベクターの構築
次いで、PCR法で得られた遺伝子を含むクローニングベクターを、微生物、例えばエシェリヒア コリ(Escherichia coli)JM109菌株などに導入し、該菌株を形質転換する。この形質転換された菌株を適当な抗生物質(例えばアンピシリン、クロラムフェニコールなど)を含む培地で培養し、培養物から菌体を回収する。回収された菌体からプラスミドDNAを抽出する。プラスミドDNAの抽出は、公知の技術によって行なうことができ、また市販のプラスミド抽出キットを用いて簡便に抽出することもできる。市販のプラスミド抽出キットとしては、キアクイックプラスミド精製キット(商品名:Qiaquick plasmid purification kit、キアゲン社製)などが挙げられる。この抽出されたプラスミドDNAの塩基配列を決定することにより、THLをコードする遺伝子、CTFをコードする遺伝子、ADCをコードする遺伝子、及びADHをコードする遺伝子の各配列を確認することができる。DNAの塩基配列の決定は、公知の方法、例えばジオキシヌクレオチド酵素法などにより決定することができる。また、キャピラリー電気泳動システムを用いて、検出には多蛍光技術を使用して塩基配列を決定することもできる。また、DNAシーケンサー、例えばABI PRISM 3730xl DNA Analyzer(アプライドバイオシステム社製)などを使用して決定することもできる。
上記の方法は、遺伝子工学実験の常法に基づいて行なうことができる。種々の微生物のベクターや外来遺伝子の導入及び発現法は、多くの実験書に記載されているので〔例えば、Sambrook, J. & Russel, D. W. Molecular Cloning: A Laboratory Manual(3rd Edition)CSHL Press(2001)、又はAusubel, F. et al. Current protocols in molecular biology. Green Publishing and Wiley Interscience, New York(1987)等〕、それらに従ってベクターの選択、遺伝子の導入、及び発現を行なうことができる。
広範囲の種類のプロモーターが本発明に使用するのに適している。そのようなプロモーターは、酵母、細菌及び他の細胞供給源を含む多くの公知の供給源から得られ、コリネ型細菌において目的遺伝子の転写を開始させる機能を有する塩基配列であればいかなるものであってもよい。そのようなプロモーターの適当な例は、例えば、コリネ型細菌においてはlac、trc、tacプロモーター等を用いることができる。本発明に使用されるプロモーターは、必要に応じて、修飾して、その調節機構を変更することができる。また、目的遺伝子の下流に配置される制御配列下のターミネーターについても、コリネ型細菌においてその遺伝子の転写を終了させる機能を有する塩基配列であれば、いかなるものであってもよい。
次に、THL、CTF、ADC、ADHをコードする各遺伝子を、前述したコリネ型細菌において、プラスミド上又は染色体上で発現させる。例えば、プラスミドを用いて、これらの遺伝子は発現可能な制御配列下に導入される。ここで「制御配列下」とはこれらの遺伝子が、例えば、プロモーター、インデューサー、オペレーター、リボソーム結合部位及び転写ターミネーター等との共同作業により、転写翻訳できることを意味する。このような目的で使用されるプラスミドベクターとしては、コリネ型細菌内で自律複製機能を司る遺伝子を含むものであれば良い。その具体例としては、例えば、ブレブバクテリウム ラクトファーメンタム(Brevibacterium lactofermentum)2256由来のpAM330〔特開昭58-67699号公報〕、〔Miwa, K. et al., Cryptic plasmids in glutamic acid-producing bacteria. Agric. Biol. Chem. 48:2901-2903(1984)〕及び〔Yamaguchi, R. et al., Determination of the complete nucleotide sequence of the Brevibacterium lactofermentum plasmid pAM330 and the analysis of its genetic information. Nucleic Acids Symp. Ser. 16:265-267(1985)〕、コリネバクテリウム グルタミカム ATCC13058由来のpHM1519 〔Miwa, K. et al., Cryptic plasmids in glutamic acid-producing bacteria. Agric. Biol. Chem. 48:2901-2903(1984)〕及びpCRY30 〔Kurusu, Y. et al., Identification of plasmid partition function in coryneform bacteria. Appl. Environ. Microbiol. 57:759-764 (1991)〕、コリネバクテリウム グルタミカムT250由来のpCG4〔特開昭57-183799〕、〔Katsumata, R. et al., Protoplast transformation of glutamate-producing bacteria with plasmid DNA. J. Bacteriol.、159:306-311 (1984)〕、pAG1、pAG3、pAG14、pAG50〔特開昭62-166890号公報〕、pEK0、pEC5、pEKEx1 〔Eikmanns, B.J. et al., A family of Corynebacterium glutamicum/Escherichia coli shuttle vectors for cloning, controlled gene expression, and promoter probing. Gene, 102:93-98 (1991)〕 とその誘導体などが挙げらる。更にはファージDNAなどが挙げられ、宿主において複製可能である限り、他のいかなるベクターも用いることができる。また、ベクターは、種々の制限酵素部位をその内部にもつマルチクローニングサイトを含んでいる、又は単一の制限酵素部位を含んでいることが好ましい。
本発明の形質転換されたコリネ型細菌の創製に使用されるプラスミドベクターの構築は、例えば、クロストリジウム アセトブチィリカム(Clostridium acetobutylicum)に由来するTHL、ADCをコードする各遺伝子、エシェリヒア コリ(Escherichia coli)に由来するCTFをコードする遺伝子及びロドコッカス ルーバー(Rhodococcus ruber)に由来するADHをコードする遺伝子を用いる場合では、塩基配列が確認された該遺伝子を、適当なプロモーター、ターミネーター等の制御配列を連結後、上記例示されているいずれかのプラスミドベクターの適当な制限酵素部位に挿入し、構築することが出来る。詳細は、実施例に記載している。
形質転換
目的遺伝子を含むプラスミドベクターのエシェリヒア コリ(Escherichia coli)及びコリネ型細菌への導入方法としては、例えば電気穿孔法、塩化カルシウム/塩化ルビジウム法、リン酸カルシウム法、DEAE−デキストラン介在トランスフェクション、などの公知の方法で行うことができる。具体的には、例えば大腸菌の場合、塩化カルシウム法や電気穿孔法〔例えば、Sambrook, J. & Russel, D. W. Molecular Cloning: A Laboratory Manual(3rd Edition)CSHL Press(2001)、又はAusubel, F. et al. Current protocols in molecular biology. Green Publishing and Wiley Interscience, New York (1987)等〕などやエシェリヒア・コリ JM109のコンピテントセル(宝酒造株式会社製)を用いる方法を同社プロトコールに従い行うことができ、コリネ型細菌の場合、電気パルス法を、公知の方法〔Kurusu, Y. et al., Electroporation-transformation system for Coryneform bacteria by auxotrophic complementation. Agric. Biol. Chem. 54:443-447 (1990)〕及び〔Vertes A.A. et al., Presence of mrr- and mcr-like restriction systems in Coryneform bacteria. Res. Microbiol. 144:181-185 (1993)〕により行うことができる。
上記方法は、遺伝子工学実験の常法に基づいて行うことができる。大腸菌や放線菌等の種々の微生物のベクターの情報や外来遺伝子の導入及び発現法は、多くの実験書に記載されているので(例えば、Sambrook、J.、Russel、D.W.、Molecular Cloning A Laboratory Manual、3rd Edition、CSHL Press、2001;HopwoodにD.A.、Bibb、M.J.、Chater、K.F.、Bruton、C.J.、Kieser、H.M.、Lydiate、D.J.、Smith、C.P.、Ward、J.M.、Schrempf、 H.Genetic manipulation of Streptomyces:A laboratory manual、The John lnnes institute、Norwich、UK、1985等)、それらに従ってベクターの選択、遺伝子の導入、及び発現を行うことができる。
上記の方法により創製されるコリネ型細菌の形質転換体としては、具体的には、コリネバクテリウム グルタミカム(Corynebacterium glutamicum)ISO1(受託番号 NITE BP−561)及びコリネバクテリウム グルタミカム(Corynebacterium glutamicum)ISO2(受託番号 NITE BP−562)(いずれも、独立行政法人製品評価技術基盤機構 特許生物寄託センター(日本国千葉県木更津市かずさ鎌足2-5-8(郵便番号292-0818))に寄託済み。受託日;2008年4月15日)が挙げられる。これらの形質転換体も、本発明の1つである。
本発明の形質転換体は、イソプロパノール生産性を向上させるために、解糖系の流量の増加、イソプロパノール、浸透圧又は有機酸に対する耐性の増加、及び副生物(目的とする生成産物以外の炭素含有分子を意味すると理解される)生産の減少、からなる群から選択された特徴の一つ又はそれ以上を生じる遺伝子修飾をさらに含むことができる。そのような遺伝子修飾は、具体的には、外来性遺伝子の過剰発現及び/又は内在性遺伝子の不活化、古典的突然変異誘起、スクリーニング及び/又は目的変異体の選別により導入することができる。
また、形質転換体は、紫外線、エックス線又は薬品等を用いる人工的な変異導入方法により変異しうるが、このように得られるどのような変異株であっても本発明の目的とするイソプロパノール生産能を有するかぎり、本発明の形質転換された微生物として使用することができる。
かくして創製された本発明のコリネ型細菌の形質転換体(以下、単に形質転換体という)は、微生物の培養に通常使用される培地を用いて培養すればよい。この培地としては、通常、炭素源、窒素源、無機塩類及びその他の栄養物質等を含有する天然培地又は合成培地等を用いることができる。
炭素源としては、例えばグルコース、フルクトース、スクロース、マンノース、マルトース、マンニトール、キシロース、ガラクトース、澱粉、糖蜜、ソルビトール又はグリセリン等の糖質及び糖アルコール;酢酸、クエン酵、乳酸、フマル酸、マレイン酸又はグルコン酸等の有機酸;エタノール等のアルコール等が挙げられる。また、所望によりノルマルパラフィン等の炭化水素等も用いることができる。炭素源は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。これら炭素源の培地における濃度は通常約0.1〜10%(wt)、好ましくは約0.5〜10%(wt)である。
窒素源としては、窒素化合物、例えば塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、酢酸アンモニウム等の無機もしくは有機アンモニウム化合物、尿素、アンモニア水、硝酸ナトリウム又は硝酸カリウム等が挙げられるが、これらに限定されない。また、コーンスティープリカー、肉エキス、ペプトン、NZ−アミン、蛋白質加水分解物又はアミノ酸等の含窒素有機化合物等も使用可能である。窒素源は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。窒素源の培地濃度は、使用する窒素化合物によっても異なるが、通常約0.1〜10%(wt)、好ましくは約0.5〜10%(wt)である。
無機塩類としては、例えばリン酸第一カリウム、リン酸第二カリウム、硫酸マグネシウム、塩化ナトリウム、硝酸第一鉄、硫酸マンガン、硫酸亜鉛、硫酸コバルト又は炭酸カルシウム等が挙げられる。これら無機塩は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。無機塩類の培地濃度は、使用する無機塩によっても異なるが、通常約0.01〜1%(wt)、好ましくは約0.05〜1%(wt)である。
栄養物質としては、例えば肉エキス、ペプトン、ポリペプトン、酵母エキス、乾燥酵母、コーンスティープリカー、脱脂粉乳、脱脂大豆塩酸加水分解物又は動植物若しくは微生物菌体のエキスやそれらの分解物等が挙げられる。栄養物質の培地濃度は、使用する栄養物質によっても異なるが、通常約0.1〜10%(wt)、好ましくは約0.5〜10%(wt)である。さらに、必要に応じて、ビタミン類を添加することもできる。ビタミン類としては、例えば、ビオチン、チアミン(ビタミンB1)、ピリドキシン(ビタミンB6)、パントテン酸、イノシトール、ニコチン酸等が挙げられる。
培地のpHは約5〜8が好ましい。
好ましいコリネ型細菌用培地としては、A培地〔Inui, M. et al., Metabolic analysis of Corynebacterium glutamicum during lactate and succinate productions under oxygen deprivation conditions. J. Mol. Microbiol. Biotechnol. 7:182-196 (2004)〕、BT培地〔Omumasaba, C.A. et al., Corynebacterium glutamicum glyceraldehyde-3-phosphate dehydrogenase isoforms with opposite, ATP-dependent regulation. J. Mol. Microbiol. Biotechnol. 8:91-103 (2004)〕等が挙げられる。
培養温度は、通常約15〜45℃、好ましくは約25〜35℃とすればよく、培養時間は、約1〜7日間とすればよい。
ついで、形質転換体の培養菌体を回収する。上記の如くして得られる培養物から培養菌体を回収分離する方法としては、特に限定されず、例えば遠心分離や膜分離等の公知の方法を用いることができる。
回収された培養菌体に対して処理を加え、得られる菌体処理物を次工程に用いてもよい。前記菌体処理物としては、培養菌体に何らかの処理が加えられたものであればよく、例えば、菌体をアクリルアミド又はカラギーナン等で固定化した固定化菌体等が挙げられる。
(II)イソプロパノールの製造方法
上記の如くして得られる培養物から回収分離された形質転換体の培養菌体又はその菌体処理物は、通常、好気条件下又は嫌気条件下の反応培地でのイソプロパノール生成反応に供せられる。上記の形質転換体を糖類を含有する培地(反応培地)中で培養する工程と、培養物からイソプロパノールを回収する工程とを含むイソプロパノールの製造方法も、本発明の1つである。
イソプロパノール生成方式は、回分式、流加式、連続式いずれの生成方式も可能である。
反応培地(反応液)には、イソプロパノールの原料となる有機炭素源(例えば、糖類等)が含まれていればよい。有機炭素源としては、本発明の形質転換体が生化学反応に利用できる物質であればよい。
具体的には、糖類としては、グルコース、キシロース、アラビノース、ガラクトース、フルクトースもしくはマンノースなどの単糖類;セロビオース、ショ糖もしくはラクトース、マルトースなどの二糖類;又はデキストリンもしくは可溶性澱粉などの多糖類などが挙げられる。特に、C糖やC糖などの単糖類が好ましいが、コリネ型細菌にはキシロース、アラビノース等のC単糖類を資化できない場合もある。そのような場合には、それらの単糖を資化できる機能を細菌に付与すればよい。なお、本発明においては、2種以上の糖の混合糖を用いることもできる。
より好ましくは、有機化合物の生成反応に用いられる反応培地は、形質転換体又はその処理物がその代謝機能を維持するために必要な成分、即ち、各種糖類等の炭素源;蛋白質合成に必要な窒素源;その他リン、カリウム又はナトリウム等の塩類;さらに鉄、マンガン又はカルシウム等の微量金属塩を通常含む。これらの添加量は所要反応時間、目的有機化合物生産物の種類又は用いられる形質転換体の種類等により適宜定めることが出来る。用いる形質転換体によっては特定のビタミン類の添加が好ましい場合もある。炭素源、窒素源、無機塩類、ビタミン、微量金属塩は、公知のもの、例えば増殖培養工程につき例示したものを用いることができる。
培地のpHは、通常約6〜8が好ましい。
形質転換体又はその菌体処理物と糖類との反応は、本発明の形質転換体又はその菌体処理物が活動できる温度条件下で行なわれることが好ましく、形質転換体又はその菌体処理物の種類などにより適宜選択することができる。通常、約25〜35℃とすればよい。
最後に、上述のようにして反応培地で生成したイソプロパノールを採取する。その方法はバイオプロセスで用いられる公知の方法を用いることが出来る。そのような公知の方法として、イソプロパノール生成液の蒸留法、膜透過法、有機溶媒抽出法等が挙げられ、反応液組成や副生物等に応じてその分離精製採取法は適宜定めることが出来る。
本発明はまた、前記の条件下における反応により糖類等よりイソプロパノールを生産するのに著しい改善を有する組換えイソプロパノール生産形質転換体を提供する。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1 コリネバクテリウム グルタミカム(Corynebacterium glutamicum)ISO1及びコリネバクテリウム グルタミカム(Corynebacterium glutamicum)ISO2の創製
(1)イソプロパノール生産遺伝子群のクローニング
イソプロパノール生合成経路(アセチル-CoAからイソプロパノール)は、アセチル-CoA アセチルトランスフェラーゼ(Acetyl-CoA acetyltransferase)、アセトアセチル-CoA:アセテートCoA-トランスフェラーゼ(Acetoacetyl CoA:acetate CoA transferase)、アセトアセテート デカルボキシラーゼ(Acetoacetate decarboxylase)、及びイソプロパノール デヒドロゲナーゼ(Isopropanol dehydrogenase)の4ステップ(4つの酵素)により構成される。これらの4種の酵素をコードする遺伝子を以下のPCR法により増幅した。
クロストリジウム アセトブチリカム(Clostridium acetobutylicum)ATCC824株の染色体及びプラスミドDNA(American Type Culture Collection (ATCC)より入手;ATCC 824D-5)を鋳型とし、アセチル-CoAアセチルトランスフェラーゼ遺伝子(thl)、及びアセトアセテート デカルボキシラーゼ遺伝子(adc)をそれぞれプライマー1及び2(配列番号1及び2)、プライマー3及び4(配列番号3及び4)を用いPCRにより増幅した。アセトアセチル-CoA:アセテートCoA-トランスフェラーゼ遺伝子(atoAD)は、エシェリヒア コリ(Escherichia coli) JM109株の染色体を鋳型とし、プライマー5及び6(配列番号5及び6)を用い、PCRにより増幅した。PCRは、GeneAmp PCR System 9700 (アプライドバイオシステムス社製)を用い、PCR反応1(94 ℃ 30秒、58 ℃ 30秒、72 ℃ 1.5分、30サイクル;鋳型DNA 10 ng、反応液、dNTP 0.2 mM、Prime Star DNA polymerase (TAKARA社製) 2U、5 × Prime Star buffer 6 μL、プライマー各0.2μM、最終液量30 μL)の条件で行った。上記で増幅した反応液3μLを用いて0.8%アガロースゲルにより電気泳動を行い、thl遺伝子の場合約1.2 kb、atoAD遺伝子の場合約1.3 kb、adc遺伝子の場合約0.7 kbのDNA断片が検出できた。増幅されたDNA断片を、Minelute PCR Purification Kit(キアゲン社製)を用い精製した。
ロドコッカス ルバー(Rhodococcus ruber)DSM 44541株は、Trypticase peptone培地(Becton Dickinson社製)により30℃で液体振とう培養した。培養16時間後、5mLの培養液を遠心分離 [微量高速冷却遠心機MX-301 (トミー精工社製) 5000 rpm, 10min] し、沈殿した菌体を染色体DNAの抽出に供した。染色体DNAの抽出は、Isoplant II (ニッポンジーン社製)を用い、付属のプロトコールに従って行った。イソプロパノール デヒドロゲナーゼ遺伝子(adh)は、ロドコッカス ルバー(Rhodococcus ruber)DSM 44541株の染色体DNAを鋳型とし、プライマー7及び8(配列番号7及び8)を用い、上述のPCR反応1の条件により増幅した。増幅した反応液3μLを用いて0.8%アガロースゲルにより電気泳動を行い、adh遺伝子を含む約1.0 kbのDNA断片が検出できた。増幅されたDNA断片を、Minelute PCR Purification Kitを用い精製した。
遺伝子発現プロモーター(tac promoter)を得る為に、pKK223-3(ファルマシア社製)を鋳型とし、プライマー9及び10(配列番号9及び10)を用い、上述のPCR反応1の条件によりtac promoterを含む約0.2 kbのDNA断片を増幅した。反応終了後、増幅されたDNA断片を、Minelute PCR Purification Kit(キアゲン社製)を用い精製した。
上述のPCR反応1により得られた約1.3 kbのatoAD遺伝子を含むDNA断片、約0.7kbのadc遺伝子を含むDNA断片及び約1.0 kbのadh遺伝子を含むDNA断片それぞれとtac promoterとの連結は、以下の手順で行った。すなわち、上記3種の各DNA断片とtac promoterを含むDNA断片をそれぞれ約100 ngずつ混合し、これにdNTP 0.2 mM、Prime Star DNA polymerase (TAKARA社製) 2U、5 × Prime Star buffer 6 μL、最終液量30 μLとなるように各試薬を混合した。この反応液を、PCR反応2(94 ℃ 30秒、52 ℃ 30秒、72 ℃ 1.5分、30サイクル)の条件でGeneAmp PCR System 9700を用い、反応させた。反応終了後、tac promoterと各遺伝子(atoAD、adc、及びadh)を連結したDNA断片を得るために、該反応液0.5 μLを鋳型とし、それぞれプライマー6及び9、プライマー4及び11(配列番号11)、プライマー8及び12(配列番号12)を用い、上述のPCR反応1の条件に従いPCRにより増幅した。増幅した反応液3μLを用いて0.8%アガロースゲルにより電気泳動を行い、tac promoterにatoAD遺伝子が連結した約1.5 kbのDNA断片(Ptac-atoAD)、tac promoterにadc遺伝子が連結した約0.9 kb のDNA断片(Ptac-adc)、及びtac promoterにadh遺伝子が連結した約1.2kbのDNA断片(Ptac-adh)が検出できた。これらのDNA断片は、アガロースゲル電気泳動により分離し、Minelute Gel Extraction Kit (キアゲン社製)を用いてゲルから回収した。
上述のtac promoterを連結していない約1.2 kbのthl DNA断片、tac promoterを連結した約1.5kbのPtac-atoADを含むDNA断片、約0.9 kbのPtac-adcを含むDNA断片及び約1.2 kbのPtac-adhを含むDNA断片それぞれをpGEM-Tベクター(Promega社製) に取扱説明書に従い連結し、塩化カルシウム法〔Journal of Molecular Biology, 53, 159 (1970)〕によりエシェリヒア コリJM109を形質転換し、アンピシリン50μg/mLを含むLB寒天培地(ポリペプトン10 g、イーストエキストラクト 5 g、NaCl 5 g及び寒天15 gを蒸留水1Lに溶解)に塗布した。各々培地上の生育株を常法により液体培養し、培養液よりプラスミドDNAを抽出し、該プラスミドを制限酵素でそれぞれ切断することにより、挿入断片を確認した。さらに該挿入断片を、シークエンスすることで目的のDNA配列の構築を確認した。thl遺伝子(配列番号13)を含むプラスミド、atoAD遺伝子(配列番号14)を含むプラスミド、adc遺伝子(配列番号15)を含むプラスミド、及びadh遺伝子(配列番号16)を含むプラスミドをそれぞれpGEM-thl、pGEM-Ptac-atoAD、pGEM-Ptac-adc、及びpGEM-Ptac-adhと命名した。尚、DNAシークエンサーにはABI PRISM3100 (Applied Biosystems社製)を用い、シークエンス反応にはABI PRISM Cycle sequencing Kit (Applied Biosystems社製) を用いた。このようにして調製したプラスミドpGEM-thl、pGEM-Ptac-atoAD、pGEM-Ptac-adc及びpGEM-Ptac-adhを、それぞれ制限酵素EcoRI及びBamHI、BamHI及びSphI、SphI及びSmaI、並びにEcoRIを用いて切断後、アガロースゲル電気泳動により分離し、Minelute Gel Extraction Kit(キアゲン社製)を用いてゲルから回収することにより、tac promoterを連結していないthl遺伝子を含む約1.2 kb のEcoRI-BamHI DNA断片、tac promoterを連結したPtac-atoAD遺伝子を含む約1.5 kb のBamHI-SphI DNA断片、Ptac-adc遺伝子を含む約0.9 kb のSphI-SmaI DNA断片及びPtac-adh遺伝子を含む約1.2 kb EcoRI DNA断片をそれぞれ取得した。
(2)発現プラスミドpCRA725-SSI11-ACE及びpCRC203の構築とコリネバクテリウム グルタミカム (Corynebacterium glutamicum)ISO1及びコリネバクテリウム グルタミカム(Corynebacterium glutamicum)ISO2の創製
上記(1)項で取得したtac promoterを連結していないthl遺伝子を含む約1.2 kb EcoRI-BamHI DNA断片、tac promoterを連結したPtac-atoAD遺伝子を含む約1.5 kb BamHI-SphI DNA断片及びPtac-adc遺伝子を含む約0.9 kb SphI-SmaI DNA断片を、それぞれ100 ngと、予めEcoRI及びSmaIにより消化したpCRC200〔Applied Microbiology and Biotechnology. 77:853-860 (2007)〕10ngとをすべて混合し、DNA ligation kitによりライゲーション反応を行った。なお、pCRC200は、クローニングサイトの上流にtac promoterを含んでいるため、結果としてthl遺伝子にもtac promoterが連結されることになる。このライゲーション液を用いて塩化カルシウムの方法によりエシェリヒア コリ(Escherichia coli)JM109を形質転換し、目的の遺伝子断片を含むプラスミドDNAを保持した大腸菌株をクロラムフェニコール耐性により選抜することで、プラスミドpCRC203を得た(図1、配列番号17)。
次に、tac promoterを連結したthl-atoAD-adc遺伝子セットをコリネバクテリウム グルタミカム Rにマーカーレスで染色体に導入するために、該微生物の生育に必須でない染色体領域を文献情報〔Appl. Environ. Microbiol.、Vol. 71、3369-3372(2005)〕を基に決定し、染色体SSI11領域にthl-atoAD-adc遺伝子セットを挿入することとした。このSSI11領域のDNA配列を以下のようにPCR法により増幅した。
PCRに際しては、プライマー13及び14(配列番号18及び19)を使用した。尚、いずれのプライマーにもXbaIサイトが末端に付加されている。
鋳型DNAには、コリネバクテリウム グルタミカム Rの染色体DNAを用いた。染色体DNAの抽出は、Isoplant II (ニッポンジーン社製)を用い、付属のプロトコールに従って行った。PCRは、LA Taq HS DNA polymerase (TAKARA社製)を使用し、PCR反応3(94 ℃ 30秒、55 ℃ 30秒、72 ℃ 3分、30サイクル)の条件で行なった。PCR反応液の組成を以下に示す。
反応液組成
Figure 0005395063
以上を混合し、PCR反応を行った。
上記で生成した反応液を用いて0.8%アガロースゲルにより電気泳動を行ない、SSI11領域を含む、約2.0 kbのDNA断片が検出できた。
上述の制限酵素XbaIで処理した増幅産物と、XbaIで制限酵素処理をした染色体遺伝子導入用プラスミドpCRA725〔J. Mol. Microbiol. Biotechnol.、Vol. 8、243-254(2004)、(特開2006-124440)〕を混合し、これにMighty Cloning Kit(TAKARA社製)を添加した後、取扱説明書に従い反応させた。このライゲーション液を用いて塩化カルシウムの方法によりエシェリヒア コリ(Escherichia coli)JM109を形質転換し、目的の遺伝子断片を含むプラスミドDNAを保持した大腸菌株を選抜することで、SSI11領域を含有する長さ約2.0 kbのDNA断片が挿入されたプラスミドpCRA725-SSI11を取得した(配列番号20)。
thl-atoAD-adc遺伝子セットを、5’末端をリン酸化したプライマー15及び16(配列番号21及び22)を用い、プラスミドpCRC203を鋳型としPCR法により増幅した。増幅した反応液3μLを用いて0.8%アガロースゲルにより電気泳動を行い、tac promoterにthl、atoAD及びadc遺伝子が連結した約3.8kbのDNA断片を検出できた。このDNA断片を、アガロースゲル電気泳動により分離し、Minelute Gel Extraction Kit (キアゲン社製)を用いてゲルから回収した。該DNA断片と、予めEcoRV処理後、アルカリフォスファターゼ(TAKARA社製)によりにより脱リン酸化したpCRA725-SSI11とを、それぞれ100ng及び10ng混合し、DNA ligation kitによりライゲーション反応を行った。このライゲーション液を用いて塩化カルシウムの方法によりエシェリヒア コリ(Escherichia coli)JM109を形質転換し、目的の遺伝子断片を含むプラスミドDNAを保持した大腸菌株を選抜することで、プラスミドpCRA725-SSI11-ACEを得た(図1、配列番号23)。
染色体遺伝子導入用ベクターpCRA725は、コリネバクテリウム グルタミカム(Corynebacterium glutamicum)R内で複製不能なプラスミドである。pCRA725-SSI11-ACEを用いて、電気パルス法 [Agric. Biol. Chem.、Vol. 54、443-447(1990) 及びRes. Microbiol.、Vol. 144、181-185(1993)] により、コリネバクテリウム グルタミカム(Corynebacterium glutamicum)R及びコリネバクテリウム グルタミカム(Corynebacterium glutamicum)R ldhA mutant [J. Mol. Microbiol. Biotechnol.、Vol. 8、243-254(2004)] をそれぞれ形質転換し、カナマイシン 50μg/mLを含むA寒天培地 [(NH2)2CO 2g、(NH4)2SO4 7g、KH2PO4 0.5 g、K2HPO4 0.5 g、MgSO4.7H2O 0.5 g、0.06% (w/v) Fe2 SO4.7H2O + 0.042% (w/v) MnSO4.2H2O 1 mL、0.02% (w/v) biotin solution 1 mL、0.01% (w/v) thiamin solution 2 mL、yeast extract 2 g、vitamin assay casamino acid 7 g、glucose 40 g及び寒天15g (1L当たり)]により、遺伝子導入株を選抜した。
得られた遺伝子組換え株を、それぞれ、コリネバクテリウム グルタミカム(Corynebacterium glutamicum)ACE1、コリネバクテリウム グルタミカム(Corynebacterium glutamicum)ACE2と命名した。
上記(1)項で取得したtac promoterを連結したadh遺伝子を含む約1.2 kbのDNA断片を、コリネバクテリウム グルタミカムの自立複製可能なプラスミドpCRB1 [American Chemical Society Symposium Series 862: Fermentation Biotechnology, American Chemical Society, Washington, 175-191(2003)]のEcoRIサイトに挿入したプラスミドを作製した。具体的には、tac promoterを連結したadh遺伝子を含むEcoRI DNA断片と、予めEcoRIにより処理後、アルカリフォスファターゼにより脱リン酸化したpCRB1とを、それぞれ100ng及び10ng混合し、DNA ligation kitによりライゲーション反応を行った。このライゲーション液を用いて塩化カルシウムの方法によりエシェリヒア コリ(Escherichia coli)JM109を形質転換し、目的の遺伝子断片を含むプラスミドDNAを保持した大腸菌株を選抜することで、プラスミドpCRC204を得た(図2、配列番号24)。電気パルス法により、コリネバクテリウム グルタミカム(Corynebacterium glutamicum)ACE1及びコリネバクテリウム グルタミカム(Corynebacterium glutamicum)ACE2をプラスミドpCRC204により形質転換した。形質転換株は、カナマイシン50μg/mL及びクロラムフェニコール5μg/mLを含むA寒天培地を用い、選抜した。得られた遺伝子組換え株は、それぞれ、コリネバクテリウム グルタミカム(Corynebacterium glutamicum)ISO1、コリネバクテリウム グルタミカム(Corynebacterium glutamicum)ISO2と命名した。尚、これらの遺伝子組換え株は、日本国千葉県木更津市かずさ鎌足2-5-8(郵便番号292-0818)の独立行政法人製品評価技術基盤機構 特許生物寄託センターに寄託した(受付日:2008年4月15日、受託番号:NITE BP−561及びNITE BP−562)。
実施例2 コリネバクテリウム グルタミカム(Corynebacterium glutamicum)ISO1及びコリネバクテリウム グルタミカム(Corynebacterium glutamicum)ISO2を用いた好気条件下におけるイソプロパノール生産実験
上記実施例1(2)で創製したコリネバクテリウム グルタミカム (Corynebacterium glutamicum) ISO1及びコリネバクテリウム グルタミカム (Corynebacterium glutamicum) ISO2を、それぞれ、クロラムフェニコール 5μg/mL及びカナマイシン 50μg/mLを含むA寒天培地に塗布し、30℃、20時間暗所に静置した。
上記のプレートで生育したコリネバクテリウム グルタミカム (Corynebacterium glutamicum) ISO1及びISO2を、それぞれ、クロラムフェニコール5μg/mL及びカナマイシン50μg/mL を含むA液体培地(A寒天培地から寒天を除き、調製)10mLの入った試験管に一白金耳植菌し、30℃にて15時間、好気的に振盪培養を行った。
上記条件で生育したコリネバクテリウム グルタミカム (Corynebacterium glutamicum) ISO1及びコリネバクテリウム グルタミカム (Corynebacterium glutamicum) ISO2を、それぞれ、クロラムフェニコール5μg/mL及びカナマイシン50μg/mL を含むA液体培地100mLの入った容量500mLの三角フラスコに植菌し、30℃にて、好気的に振盪培養を行った。この際、12時間ごとに2.5gの炭酸水素ナトリウムを培養液に添加した。
イソプロパノールの定量は、サンプリングした反応液を遠心分離 (4℃、15,000×g、10分) し、得られた上清液をGC/MSで分析した。GC/MS分析は、DB-WAXキャピラリーカラム (30 m × 0.25 mm × 0.25μm; J&Wサイエンティフィック社製、USA) を接続した島津製作所社製のガスクロマトグラフ質量分析器 (GC-MS QP-2010 plus) を用いて行った。分析条件はヘリウムガスを1.0 mL/min、スプリット比を1:20に設定し、GCオーブンの条件を40℃で5分保持した後、10℃/minで230℃まで上昇させた。一サンプルあたりの分析時間は24分であった。質量分析器はインターフェイスを250℃、イオン源 200℃、電子衝撃電圧 (EI voltae) 70 eVとした。
コリネバクテリウム グルタミカム (Corynebacterium glutamicum) ISO1は、34時間後に55μM、コリネバクテリウム グルタミカム (Corynebacterium glutamicum) ISO2は、34時間後に1300μMのイソプロパノールを反応液中に生産していた。
実施例3 コリネバクテリウム グルタミカム(Corynebacterium glutamicum)ISO1及びコリネバクテリウム グルタミカム(Corynebacterium glutamicum)ISO2を用いた還元(増殖抑制)条件下におけるイソプロパノール生産実験
上記実施例1(2)で創製したコリネバクテリウム グルタミカム (Corynebacterium glutamicum) ISO1及びコリネバクテリウム グルタミカム (Corynebacterium glutamicum) ISO2を、それぞれ、クロラムフェニコール 5μg/mL及びカナマイシン 50μg/mLを含むA寒天培地に塗布し、30℃、20時間暗所に静置した。
上記のプレートで生育したコリネバクテリウム グルタミカム (Corynebacterium glutamicum) ISO1及びコリネバクテリウム グルタミカム (Corynebacterium glutamicum) ISO2を、それぞれ、クロラムフェニコール5μg/mL及びカナマイシン50μg/mLを含むA液体培地10mLの入った試験管に一白金耳植菌し、30℃にて15時間、好気的に振盪培養を行った。
上記条件で生育したコリネバクテリウム グルタミカム (Corynebacterium glutamicum) ISO1及びコリネバクテリウム グルタミカム (Corynebacterium glutamicum) ISO2を、それぞれ、クロラムフェニコール5μg/mL及びカナマイシン50μg/mLを含むA液体培地500mLの入った容量2Lの三角フラスコに植菌し、30℃にて15時間、好気的に振盪培養を行った。
このようにして培養増殖されたそれぞれの菌体は、遠心分離 (4℃、5,000×g, 15分)により菌体を回収した。得られたそれぞれの菌体を、終濃度5%となるようにBT(-尿素)液体培地〔0.7% 硫酸アンモニウム、0.05% リン酸二水素カリウム、0.05% リン酸水素二カリウム、0.05% 硫酸マグネシウム・7水和物、0.0006% 硫酸鉄・7水和物、0.00042% 硫酸マンガン水和物、0.00002% ビオチン、0.00002% チアミン塩酸塩〕に懸濁した。このそれぞれの菌体懸濁液50mLを容量100mLメディウム瓶に入れ、還元条件下、グルコース200mM、NaHCO3 150mMとなるようにグルコース及びNaHCO3を添加し、33℃に保った水浴中で撹拌しながら反応させた。反応時間8時間、及び34時間後に、グルコース200mM、NaHCO3 150mMとなるようにグルコース及びNaHCO3をそれぞれ添加した。このとき、反応液のpHが7.5を下回らないように5Nのアンモニア水を用いてpHコントローラー (エイブル社製、型式:DT-1023)でコントロールしながら反応した。イソプロパノールの定量は、上記実施例2に記載した方法により行った。尚、この際、菌体濃度の変化は認められず、増殖は抑制されていた。
コリネバクテリウム グルタミカム (Corynebacterium glutamicum) ISO1は、34時間後に790μM、のイソプロパノールを、コリネバクテリウム グルタミカム (Corynebacterium glutamicum) ISO2は、34時間後に332μMのイソプロパノールを反応液中に生産していた。
実施例4 イソプロパノール存在下におけるエシェリヒア コリ (Escherichia coli) JM109/pCRC202及びコリネバクテリウム グルタミカム(Corynebacterium glutamicum) ISO2の増殖
イソプロパノール生産株であるエシェリヒア コリ (Escherichia coli) JM109/pCRC202(特願2007-222633; 受託番号FERM P-21340)及び実施例1で作製したコリネバクテリウム グルタミカム(Corynebacterium glutamicum) ISO2を用い、エシェリヒア コリ (Escherichia coli) JM109/pCRC202をクロラムフェニコール50μg/mLを含む3 mLのLB(Luria−Bertani)培地(1% トリプトン、0.5% 酵母エキス、0.5% 塩化ナトリウム)に、コリネバクテリウム グルタミカム(Corynebacterium glutamicum) ISO2をクロラムフェニコール 5μg/mL及びカナマイシン 50μg/mLを含むA液体培地 [(NH2)2CO 2g、(NH4)2SO4 7g、KH2PO4 0.5 g、K2HPO4 0.5 g、MgSO4.7H2O 0.5 g、0.06% (w/v) Fe2 SO4.7H2O + 0.042% (w/v) MnSO4.2H2O 1 mL、0.02% (w/v) biotin solution 1 mL、0.01% (w/v) thiamin solution 2 mL、yeast extract 2 g、vitamin assay casamino acid 7 g、glucose 40 g、1Lの蒸留水に溶解] に植菌し、エシェリヒア コリ (Escherichia coli) JM109/pCRC202は37℃にて、コリネバクテリウム グルタミカム (Corynebacterium glutamicum) ISO2は33℃にて、16時間、振とう培養した。
上記条件で生育したエシェリヒア コリ (Escherichia coli) JM109/pCRC202及びコリネバクテリウム グルタミカム (Corynebacterium glutamicum) ISO2をそれぞれ、0〜5.0%(vol/vol)の各濃度のイソプロパノールを含む10mLのLB培地(クロラムフェニコール50μg/mL含有)及び10mLのA液体培地(クロラムフェニコール 5μg/mL及びカナマイシン 50μg/mL含有)の入った試験管に植菌し、エシェリヒア コリ (Escherichia coli) JM109/pCRC202は37℃にて、コリネバクテリウム グルタミカム (Corynebacterium glutamicum) ISO2は33℃にて、それぞれ好気的に振盪培養を行い、経時的に濁度を測定した。濁度の測定は、Novaspec II spectrophotometer (Amersham Pharmacia biotech)を使用した。
その結果、エシェリヒア コリ (Escherichia coli) JM109/pCRC202は、3.5%のイソプロパノール存在下では、増殖しなかったのに対し、コリネバクテリウム グルタミカム (Corynebacterium glutamicum) ISO2は、5%存在下においても増殖可能であった(図3)。これは、高濃度のイソプロパノール生産を行う際の宿主としてエシェリヒア コリ(Escherichia coli)よりもコリネ型細菌が優れていることを示している。
エシェリヒア コリ (Escherichia coli) JM109/pCRC202の増殖曲線(図3(a))において、黒丸(●)はイソプロパノール0%、四角(■)はイソプロパノール1%、菱型(◆)はイソプロパノール2%、バツ(×)はイソプロパノール3.5%(いずれも、クロラムフェニコール50μg/mL含有LB培地中)における増殖曲線である。コリネバクテリウム グルタミカム (Corynebacterium glutamicum) ISO2の増殖曲線(図3(b))において、黒丸(●)はイソプロパノール0%、四角(■)はイソプロパノール1%、菱型(◆)はイソプロパノール2%、三角(▲)はイソプロパノール5%(いずれも、クロラムフェニコール 5μg/mL及びカナマイシン 50μg/mL含有A液体培地中)における増殖曲線である。
本発明の形質転換体は、糖類から極めて効率よくイソプロパノールを生産することができるため有用である。
本発明により、再生可能資源を原料とした効率的なイソプロパノール生産が可能となり、石油資源原料に依存しないイソプロパノール工業生産プロセスの新規な構築が可能となる。

Claims (5)

  1. 以下の(a)〜(d)の遺伝子をコリネ型細菌に導入したことを特徴とする、イソプロパノール生産能を有する形質転換体。
    (a)配列番号13の塩基配列からなるDNA、又は配列番号13の塩基配列からなるDNAと95%以上の配列相同性を有し、かつアセチル-CoA アセチルトランスフェラーゼ活性を有するポリペプチドをコードするDNA
    (b)配列番号14の塩基配列からなるDNA、又は配列番号14の塩基配列からなるDNAと95%以上の配列相同性を有し、かつアセトアセチル-CoA:アセテート CoA-トランスフェラーゼ活性を有するポリペプチドをコードするDNA
    (c)配列番号15の塩基配列からなるDNA、又は配列番号15の塩基配列からなるDNAと95%以上の配列相同性を有し、かつアセトアセテート デカルボキシラーゼ活性を有するポリペプチドをコードするDNA
    (d)配列番号16の塩基配列からなるDNA、又は配列番号16の塩基配列からなるDNAと95%以上の配列相同性を有し、かつイソプロパノール デヒドロゲナーゼ活性を有するポリペプチドをコードするDNA
  2. コリネ型細菌が、コリネバクテリウム属菌、ブレビバクテリウム属菌及びアースロバクター属菌からなる群より選択されるものであることを特徴とする請求項に記載の形質転換体。
  3. コリネ型細菌が、コリネバクテリウム属菌であることを特徴とする請求項1又は2に記載の形質転換体。
  4. コリネバクテリウム グルタミカム(Corynebacterium glutamicum)ISO1(受託番号 NITE BP−561)、又は、コリネバクテリウム グルタミカム(Corynebacterium glutamicum)ISO2(受託番号 NITE BP−562)形質転換体。
  5. 請求項1〜のいずれかに記載の形質転換体を、糖類を含有する培地中で培養する工程と、培養物からイソプロパノールを回収する工程とを含むイソプロパノールの製造方法。
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