JP5391636B2 - Cvtベルト用エレメントの打ち抜き加工方法 - Google Patents
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Description
従来のCVT用エレメントの打ち抜き加工方法については、例えば、特許文献1、2に示されているものがある。
そのため、上記特許文献3に記載されているように、各エレメントがどのような板厚ばらつきを有しているかを調べ、エレメントの板厚ばらつき状態を複数のグループに分類し、CVTベルトを組み付ける際にどのグループのエレメントを組み合わせる技術が提案されている。
略五角形状の領域よりなる島状部が、連結部のみを介して周囲の上記帯状素材に連結された状態が維持され、かつ、上記連結部は上記島状部における上記頭部の頂点部となる位置に連結されるよう設けられ、上記連結部以外の部分が周囲から切り離された状態となるように上記島状部の外周側に空隙部を打ち抜き形成する予備抜き工程と、
上記連結部を残した状態で上記島状部に打ち抜き加工を加えて上記エレメントの形状を整える仕上げ抜き工程と、
上記連結部を切断して上記エレメントを上記帯状素材から分離する分離工程とを有し、
上記帯状素材としては幅方向の厚みが均一なものを用い、上記予備抜き工程と上記仕上げ抜き工程との間に、上記島状部における上記胴部の一部となる領域を圧縮して厚みを小さくして薄肉部を形成するつぶし工程を行うことを特徴とするCVTベルト用エレメントの打ち抜き加工方法にある(請求項1)。
すなわち、上記予備抜き工程では、略五角形状の領域よりなる島状部の周囲に、上記空隙部を設ける。このときの輪郭の打ち抜きは、エレメントの最終形状のような複雑な形状ではなく略五角形状であるので、予備抜き時の影響がその周囲の帯状素材に生じることが殆どない。また、島状部の内部における板厚変動も殆ど生じない。
上記エレメントは、後述する実施例にも示すように、胴部の一部に他の部位よりも厚みが小さい薄肉部を有している。この薄肉部の形成方法としては、帯状素材として幅方向の厚みが均一なものを用いて打ち抜き時にプレス加工によって圧縮成形する方法と、幅方向において厚みに差がある段差付き帯状素材を用いる方法がある。このうち、プレス加工によって薄肉部を設ける方が、素材のコストを低減できるが、プレス時の影響が打ち抜き部位の周囲に及び易い。
上述したごとく、つぶし成形とエンボス成形は、それぞれ独立した工程として、上記予備抜き工程と上記仕上げ抜き工程との間に設けることが、プレス装置の小型化という観点で好ましい。一方、既存の大型プレス装置を流用できる等のプレス装置の小型化が不要な場合も考えられる。この場合には、仕上げ抜き工程での1回の加工に集約することにより、工程数を減らことができる。
この場合には、上述したつぶし成形は不要となり、工程数を簡単に減らすことができる。また、このような段付き帯状素材を用いた場合にも、上記予備抜き工程を最初に行うことによって、得られるエレメントの板厚ばらつきを従来よりも低減することが可能である。
本発明の実施例に係るCVTベルト用エレメントの打ち抜き加工方法につき、図1、図2を用いて説明する。
本例は、図1に示すごとく、略三角形状の頭部81と、略長方形状の胴部82と、頭部81の底辺部の中央部と胴部82の長辺部の中央部とを繋ぐ首部83とにより構成されるCVTベルト用エレメント8を、帯状素材1(図2)から打ち抜き加工する方法である。帯状素材1としては、幅方向の厚みが均一なものを用いる。
次に、同図に示すごとく、つぶし工程S2の後に、頭部81の中央部となる領域に突出部815を設けるためのエンボス成形を施すエンボス工程S3を行う。
次に、同図に示すごとく、連結部11を切断線18の位置で切断して上記エレメント8を帯状素材1から分離する分離工程S5を行う。そして、これにより、上記エレメント8が得られ、必要に応じて研磨等の仕上げ工程がさらに加えられる場合がある。
このように、本例の方法を用いれば、CVTベルト用エレメントの打ち抜き直後の板厚ばらつきを従来よりも低減することができる。
本例は、図3に示すごとく、連結部12の形成位置を、実施例1の場合と異なる位置に変更した例である。その他は、ほぼ実施例1と同様である。
すなわち、図3に示すごとく、略五角形状の領域よりなる島状部10が、連結部12のみを介して周囲の帯状素材1に連結された状態が維持され、上記連結部12以外の部分が周囲から切り離された状態となるように空隙部16を打ち抜き形成する予備抜き工程S201を行う。
次に、同図に示すごとく、つぶし工程S202の後に、頭部81の中央部となる領域に突出部815を設けるためのエンボス成形を施すエンボス工程S203を行う。
次に、同図に示すごとく、連結部12を切断線17の位置で切断して上記エレメント8を帯状素材1から分離する分離工程S205を行う。
その他は実施例1と同様である。
本例の場合にも、実施例1と同様の作用効果が得られる。
10 島状部
11、12 連結部
15、16 空隙部
8 エレメント
S1、S201 予備抜き工程
S2、S202 つぶし工程
S3、S203 エンボス工程
S4、S204 仕上げ抜き工程
S5、S205 分離工程
Claims (4)
- 略三角形状の頭部と、略長方形状の胴部と、上記頭部の底辺部の中央部と上記胴部の長辺部の中央部とを繋ぐ首部とにより構成されるCVTベルト用エレメントを、帯状素材から打ち抜き加工する方法であって、
略五角形状の領域よりなる島状部が、連結部のみを介して周囲の上記帯状素材に連結された状態が維持され、かつ、上記連結部は上記島状部における上記頭部の頂点部となる位置に連結されるよう設けられ、上記連結部以外の部分が周囲から切り離された状態となるように上記島状部の外周側に空隙部を打ち抜き形成する予備抜き工程と、
上記連結部を残した状態で上記島状部に打ち抜き加工を加えて上記エレメントの形状を整える仕上げ抜き工程と、
上記連結部を切断して上記エレメントを上記帯状素材から分離する分離工程とを有し、
上記帯状素材としては幅方向の厚みが均一なものを用い、上記予備抜き工程と上記仕上げ抜き工程との間に、上記島状部における上記胴部の一部となる領域を圧縮して厚みを小さくして薄肉部を形成するつぶし工程を行うことを特徴とするCVTベルト用エレメントの打ち抜き加工方法。 - 請求項1において、上記予備抜き工程では、上記連結部の幅が、上記島状部の輪郭全長の20%以下となるように形成することを特徴とするCVTベルト用エレメントの打ち抜き加工方法。
- 請求項1又は2において、上記予備抜き工程と上記仕上げ抜き工程との間に、上記頭部の中央部となる領域に突出部を設けるためのエンボス成形を施すエンボス工程を行うことを特徴とするCVTベルト用エレメントの打ち抜き加工方法。
- 請求項3において、上記エンボス工程は、上記つぶし工程の後に行うことを特徴とするCVTベルト用エレメントの打ち抜き加工方法。
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