JP2004174585A - 無段変速機用ベルトのエレメントの製造方法 - Google Patents

無段変速機用ベルトのエレメントの製造方法 Download PDF

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Yasumasa Mitsui
康誠 三井
Takekatsu Fujita
剛克 藤田
Takashi Matsunaga
尚 松永
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Abstract

【課題】新たな形状矯正加工が不要で、内部応力が大きくならず、加工精度良く形成でき、また、安価に製造できる無段変速機用ベルトのエレメントの製造方法を提供する。
【解決手段】装着されるV溝プーリの内側壁に対応する傾斜部11、12が基体部13の両側に設けられ、基体部13の上にはバンド保持部24、25が設けられ、全体として左右対称となって形成された無段変速機用ベルトのエレメント10を、一部に塑性変形を伴うプレス加工を行って、連続する又は短冊状の板材34から製造する方法であって、塑性変形を伴う加工予定部35の周囲に塑性変形に伴い発生する応力を解放する切り欠き36、36aを形成する第1工程と、加工予定部35に塑性変形を伴う加工を行う第2工程と、加工予定部35を含む板材34からエレメント10の所定の外形を打ち抜き加工する第3工程とを有する。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、自動車等の動力伝達系に使用される無段変速機の金属製の伝達ベルトに用いるエレメントの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車等の無段変速機において、プーリ間の動力伝達に伝達ベルトが採用されている。伝達ベルトは金属製の無端バンドと、該無端バンドを両側に形成された平行溝部に挟み込んで多数設けられたエレメントとから構成されており、溝幅可変でV形の駆動側プーリ及び被駆動側プーリ間に掛け渡されている。
伝達ベルトが駆動側プーリを通り被駆動側プーリ側に、或いは、被駆動側プーリを通り駆動側プーリ側に走行方向が変わる際、エレメントが円滑に各プーリの回りを廻れるように、各プーリに摺接する基体部の下側部分は板厚みを薄く形成する必要があり、一方、上板部、連結部、及び下側部分を除く基体部は強度確保の点から厚くする必要がある。
このようなエレメントにおける基体部の形成方法として、金属板材を打ち抜いて形成したエレメント半成品を、基体部の下部周辺にクリアランスを設けたダイに収容して、パンチによって厚み方向に加圧する据え込み鍛造を行って、クリアランスを充填することにより板厚を薄くして基体部を形成する方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
また、事前に金属板材に、基体部を形成する部分を予め肉薄部として形成加工した異厚材を用意し、この異厚材からエレメントが打ち抜かれた時、最終の基体部の形状になるように形成する方法も知られている(例えば、特許文献2参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平8−10882号公報(要約、図1〜図3)
【特許文献2】
特開2001−246428号公報(第4〜6頁、図1〜図4)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1及び2に記載の無段変速機用ベルトのエレメントの製造方法においては、それぞれ、未だ解決すべき以下のような問題があった。
特許文献1においては、板厚を薄くする塑性変形を伴う段差加工によって、外周形状が変形し、このため新たな形状矯正加工が必要となったり、また、内部応力が大きくなる問題があった。更に、金属板材を条材として、各加工ステーションで加工する場合には、板厚を薄くする塑性変形を伴う段差加工によって、パイロット孔の位置がずれるため、加工精度の維持が困難になった。
一方、特許文献2においては、予め肉薄部が形成された異厚材を使用してエレメントを打ち抜きするので、材料コストが高くなるという問題があった。
【0005】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、新たな形状矯正加工が不要で、内部応力が大きくならず、加工精度良く形成でき、また、安価に製造できる無段変速機用ベルトのエレメントの製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的に沿う本発明に係る無段変速機用ベルトのエレメントの製造方法は、使用にあって装着されるV溝プーリの内側壁に対応する傾斜部が基体部の両側に設けられ、かつ基体部の上にはバンド保持部が設けられ、全体として左右対称となって形成された無段変速機用ベルトのエレメントを、一部に塑性変形を伴うプレス加工を行って、連続する又は短冊状の板材から製造する方法であって、塑性変形を伴う加工予定部の周囲に塑性変形に伴い発生する応力を解放する切り欠きを形成する第1工程と、加工予定部に塑性変形を伴う加工を行う第2工程と、加工予定部を含む板材からエレメントの所定の外形を打ち抜き加工する第3工程とを有する。このように、第1工程において、板材の加工予定部の周囲に、塑性変形に伴って発生する応力を解放する切り欠きを予め形成しておき、その後第2工程において、加工予定部に板厚減少加工などの塑性変形を伴う加工を行うので、塑性変形に伴って発生する応力は、切り欠きにより加工予定部の周囲に良好に解放される。そして、その後第3工程において、エレメントの所定の外形を打ち抜き加工するので、エレメントの外形を寸法精度良く形成することができる。
【0007】
本発明に係る無段変速機用ベルトのエレメントの製造方法において、基体部の上位置には連結部を介して上板部が設けられ、バンド保持部は基体部と上板部の中間に設けられ、複数のプレス加工ステーションを経て、加工予定部に位置する少なくとも基体部に板厚減少部を形成する塑性加工を行って、エレメントが板材から順次形成されるように構成することもできる。これにより、バンド保持部等が形状よく形成される。
本発明に係る無段変速機用ベルトのエレメントの製造方法において、エレメントは一定の方向を向いて板材から連続的に形成されるように構成することもできる。これにより、プレス加工工程が簡略化できると共に、生産性が向上する。
【0008】
本発明に係る無段変速機用ベルトのエレメントの製造方法において、各々対となるエレメントの基体部を背向かいに配置した状態で、かつ各加工予定部の一部を板材の幅方向外側に開放することもできる。これにより、塑性加工による応力はスムーズに解放され、また、プレス加工中、板材の幅方向上板部側の板材の強度は大きく維持できる。更に、加工予定部の一端を板材の幅方向の端面と同一面にしておけば、加工予定部の一方は既に開放端となっているので、切り欠きの形成が容易となる。更にまた、同一材料から多数個のエレメントを連続形成できるので、材料歩留りが向上すると共に、生産性が向上する。
【0009】
本発明に係る無段変速機用ベルトのエレメントの製造方法において、各々対となるエレメントの基体部を向かい合わせにすることもできる。これにより、同一材料から多数個のエレメントを連続形成でき、また、例えばプレス加工により板厚減少加工等の塑性加工を行う場合に、向かい合った各基体部の加工予定部を同一のパンチで加工できる。
本発明に係る無段変速機用ベルトのエレメントの製造方法において、エレメントの中心線は、板材の長手方向に直交、平行又は斜めに配置することもできる。これにより、板材のサイズ(幅、長さ)やエレメントのサイズ及び形状等を考慮して、エレメントの配置を自由に決定できる。
【0010】
【発明の実施の形態】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
ここに、図1は本発明の一実施の形態に係る無段変速機用ベルトのエレメントの製造方法により製造されるエレメントの正面図、図2は同無段変速機用ベルトのエレメントの製造方法により製造されるエレメントの使用状態を示す説明図、図3は同無段変速機用ベルトのエレメントの製造方法を示す説明図、図4はエレメントの中心線を条材の長手方向に平行にし、かつ、条材の幅方向に1個のエレメントを配置した場合の複数のプレス加工ステーションでの加工要領を示す説明図、図5はエレメントの中心線を条材の長手方向に直交させ、かつ、条材の幅方向に2個のエレメントの基体部を背向かいに配置した場合の複数のプレス加工ステーションでの加工要領を示す説明図、図6はエレメントの中心線を条材の長手方向に直交させ、かつ、条材の幅方向に2個のエレメントの基体部を向かい合わせに配置した場合の複数のプレス加工ステーションでの加工要領を示す説明図、図7はエレメントの中心線を条材の長手方向に直交させ、かつ、条材の幅方向に1個のエレメントを配置した場合の説明図、図8はエレメントの中心線を条材の長手方向に45°傾斜させ、かつ、2個のエレメントの基体部を向かい合わせに配置し、更に、各エレメントの中心線をずらせて配置した場合の説明図である。
【0011】
図1及び図2を参照しながら、本発明の一実施の形態に係る無段変速機用ベルトのエレメントの製造方法によって製造するエレメント10の構造について説明する。
このエレメント10は、使用にあって装着されるV溝プーリ(図示せず)の内側壁に対応する傾斜部11、12を両側に備えた無段変速機用ベルトの一部を構成する製品である。図1に示すように、エレメント10は、V溝プーリの内側壁と摺接し下側に沿って傾斜した傾斜部11、12を両側に備え、実質的に逆台形状に形成された基体部13と、基体部13の上端中央部に一体的に設けられた矩形状の連結部14と、連結部14の上端に一体的に連結された3角形状の上板部15とを有しており、エレメント10は全体として中心線mに対して左右対称となって形成されている。
【0012】
図1及び図2に示すように、上板部15の上下方向の中間位置の表面16には、正面視して円形状の凸部17が、裏面18には隣り合うエレメント10の凸部17と掛合する凹部19が形成されている。基体部13の表面には、連結部14の表面及び上板部15の表面16と同一レベルの平行面20が形成され、更に、平行面20の下端に内周方向に沿って後方(裏側)に傾いた傾斜面21が連設して形成されている。一方、連結部14及び基体部13の裏面は、上板部15の裏面18と同一レベルに形成されている。なお、基体部13の傾斜面21を備え、塑性変形加工により形成された部分を板厚減少部22と呼ぶ。
【0013】
更に、左右方向に連結部14を挟んで、上板部15の下側と基体部13の上側との間には、2つの金属製の無端バンド23が嵌入されるバンド保持部の一例である平行溝部24、25が形成されている。即ち、基体部13と上板部15の上下方向の中間位置の左右方向両側に平行溝部24、25が形成されている。また、図1に示すように、無端バンド23の幅方向(左右方向)の内側端部と接触する連結部14の左右方向の両側面26、27、及び両側面26、27に接続して基体部13及び上板部15に形成されたノッチ部28〜31には、板厚方向端部を丸める厚み変形加工が施されている。更に、板厚減少部22の下側の左右方向両側には、重量の軽減及び均一な応力分布を目的として切り込み32、33が形成されている。
【0014】
次いで、本発明の一実施の形態に係る無段変速機用ベルトのエレメントの製造方法及び作用等について、図3を参照しながら説明する。本実施の形態では、金属製で板材の一例である短冊状の矩形板34から、中心線mが矩形板34の長手方向と直交させて配置されたエレメント10を最終的に分離する場合について説明する。なお、矩形板34の厚みは、例えば、2mm程度であり、矩形板34にはエレメント10を構成する凸部17及び凹部19や、位置決め用パイロット孔34a等は事前に形成されているものとする(図1及び図2参照)。
【0015】
(1)図3に示すように、矩形板34に塑性変形加工(板厚減少部22(図2参照)を形成する加工)を行う予定の部分となる加工予定部35(右上がりの斜線部で示す矩形状の領域)の両側を長尺の矩形状に切り欠いて、切り欠き部36、36aを形成する(第1工程)。
【0016】
(2)前記両側を切り欠いた矩形板34の基体部13の下側部分の板厚をコイニング加工により薄くして、板厚減少部22に形成する(第2工程)。板厚減少部22を形成する際、周り、即ち、3方が前記のように切り欠きされているので、当該塑性変形加工時に生じる応力は解放され、これによって、塑性変形加工による影響が他部、例えば、基体部13の上側部分(平行面20を含む部分)、連結部14、或いはパイロット孔34aに及ばないため、位置決め精度が維持され、外周形状の優れたエレメント10を製造することができる。また、特に、板厚減少部22そのものの形成が容易となる。
【0017】
(3)上記塑性変形加工の後、必要に応じて、塑性変形加工時に矩形板34に生じる内部応力を除去する熱処理を行った後に、プレス加工によって、エレメント10の板厚減少部22を含む所定の外形を打ち抜き形成し(第3工程)、最終的に打ち抜き加工により矩形板34からエレメント10を分離する。
【0018】
図4〜図8には、連続する板材の一例である条材40〜80が所定の複数のプレス加工ステーション(図示せず)に順送りされて、多数のエレメント10が順次連続的に製造される場合を説明するものであり、簡潔に説明するため、模式的に表している。また、エレメントの製造方法及び作用等については、前述の矩形板34からエレメント10を製造する方法に準拠するので、詳しい説明を割愛する。また、条材40〜80のそれぞれの搬送方向40a〜80aは、条材40〜80の長手方向(条材40〜80の幅方向に直交する方向)に沿っている。更に、同一の構成要素については、同一の符号を付して詳しい説明を省略する。
【0019】
図4は、条材40の幅方向にエレメント10が1個形成され、かつエレメント10の中心線mを条材40の長手方向と平行に配置したレイアウト図である。なお、プレス加工ステーション1〜プレス加工ステーション7を、簡略に、ST−1〜ST−7と表現する。
ST−1では、条材40の幅方向両側に位置決め用パイロット孔34aを形成する。
ST−2では、条材40の幅方向中央部の表面には凸部17を、裏面には隣り合うエレメント10の凸部17と掛合する凹部19を形成する。
【0020】
ST−3では、加工予定部35の3方を、即ち、加工予定部35の両側の切り欠き部36、36aと、切り欠き部36、36aの下端を接続する長尺矩形状の切り欠き部36bとを一体で切り欠き形成する(第1工程)。
ST−4では、切り欠き部36、36b及び36aで形成された凹状(逆コ字状)の切り欠きの内側の加工予定部35に塑性変形加工を行って板厚減少部22を形成する(第2工程)。
ST−5では、基体部13及び連結部14の外形打ち抜き加工を行う。この際、平行溝部24、25が形成される。なお、斜線部が打ち抜かれる部分を表している。
【0021】
ST−6では、上板部15の外形打ち抜き加工を行う。斜線部が打ち抜かれる部分を表しており、上板部15の頂部は連結片40bを介して条材40に連結されている。
ST−7では、連結片40bの上板部15の頂部側を切断して、エレメント10を条材40から切り離す。なお、必要に応じて、硬化熱処理を行った後、エレメント10を条材40から切り離す場合もある。
なお、第3工程はST−5及びST−6において構成されることになる。
【0022】
図5は、条材50の幅方向に2個のエレメント10が基体部13を背向かいにして配置され、かつエレメント10の中心線mを条材50の長手方向と直交させて配置したレイアウト図である。なお、プレス加工ステーション1〜プレス加工ステーション7を、簡略に、ST−1〜ST−7と表現する。
ST−1では、条材50の幅方向中央部に位置決め用パイロット孔50cを形成する。
ST−2では、条材50の幅方向中間部に間隔を開けて、表面には凸部17を、裏面には隣り合うエレメント10の凸部17と掛合する凹部19を2組形成する。
【0023】
ST−3では、加工予定部35の両側に切り欠き部36、36aを形成する(第1工程)。ここで、本実施の形態においては、加工予定部35の一端を、条材50の幅方向の端面と同一面としており、加工予定部35の一方は既に開放端となっているので、加工予定部35の両側のみ切り欠き部を形成すればよい。
ST−4では、切り欠き部36、36aで挟まれた加工予定部35に塑性変形加工を行って板厚減少部22を形成する(第2工程)。
【0024】
ST−5では、基体部13及び連結部14の外形打ち抜き加工を行う。この際、平行溝部24、25が形成される。なお、斜線部が打ち抜かれる部分を表している。
ST−6では、上板部15の外形打ち抜き加工を行う。斜線部が打ち抜かれる部分を表しており、上板部15の頂部は連結片50bを介して条材50に連結されている。
ST−7では、連結片50bの上板部15の頂部側を切断して、エレメント10を条材50から切り離す。
なお、第3工程はST−5及びST−6において構成されることになる。
【0025】
図6は、条材60の幅方向に2個のエレメント10が基体部13を向かい合わせて配置され、かつエレメント10の中心線mを条材60の長手方向と直交させて配置したレイアウト図である。各プレス加工ステーションでの加工方法は、図4及び図5と略同じであるので詳細な説明は割愛するが、本実施の形態においては、ST−3において、向かい合わせた2個のエレメント10の加工予定部35の両側の切り欠き部36、36aをそれぞれ連通させて形成すると共に、これら切り欠き部36、36aの下端部に接続し、向かい合わせた加工予定部35の共通の応力解放部となる長尺矩形状の切り欠き部36bを一体で切り欠き形成する。その後、ST−4において、向かい合わせた2個のエレメント10の加工予定部35を図示しない共通のパンチで同時にコイニング加工し、板厚減少部22を形成する。なお、60bは位置決め用パイロット孔を示す。
【0026】
図7及び図8は、エレメントのレイアウトのその他の実施例を示す図であり、各エレメントは、図7に示すように、条材70の幅方向に1個のエレメント10を、中心線mを条材70の長手方向と直交させて配置してもよいし、図8に示すように、条材80の幅方向に2個のエレメント10の基体部13が向かい合わせ、かつ各エレメント10の中心線mを条材80の長手方向と45°傾斜させて配置するようにしてもよい。
【0027】
本発明は前記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲での変更は可能であり、例えば、前記したそれぞれの実施の形態や変形例の一部又は全部を組み合わせて本発明の無段変速機用ベルトのエレメントの製造方法を構成する場合も本発明の権利範囲に含まれる。
前記実施の形態においては、条材の幅方向にエレメント10を1個又は2個配置したが、これに限定されず、必要に応じて、条材の幅方向にエレメントを3個以上配置することもできる。
【0028】
図8において、条材の長手方向にエレメント10を45°傾斜させて配置したが、これに限定されず、状況に応じて、エレメント10を45°未満、又は45°を超えて傾斜させることもできる。
バンド保持部は基体部13の上、即ち、基体部13に連結部14を介して設けられた上板部14と基体部13の高さ方向中間位置に形成された2つの平行溝部によって形成され、2個の無端バンドを設けたが、これに限定されず、必要に応じて、1個の無端バンドを設ける構造のバンド保持部とすることもできる。
【0029】
【発明の効果】
請求項1〜6記載の無段変速機用ベルトのエレメントの製造方法においては、第1工程において、板材の加工予定部の周囲に、切り欠きをあらかじめ形成し、第2工程において、加工予定部に塑性変形を伴う加工を行うので、塑性変形に伴って発生する応力は、切り欠きにより加工予定部の周囲に解放され、第3工程において、エレメントの所定の外形を打ち抜き加工するので、エレメントの外形を寸法精度良く形成することができる。従って、エレメント外周の形状矯正加工が不要であり、また高価な異厚材を使わず、通常の板材を塑性加工することによりエレメントを形成できるので、材料コストが削減できる。
特に、請求項2記載の無段変速機用ベルトのエレメントの製造方法においては、バンド保持部等が形状よく形成されるので、製品の品質が向上する。
【0030】
請求項3記載の無段変速機用ベルトのエレメントの製造方法においては、プレス加工工程が簡略化できると共に、生産性が向上するので、製造コストが安価にできる。
請求項4記載の無段変速機用ベルトのエレメントの製造方法においては、塑性加工による応力はスムーズに解放され、また、プレス加工中、板材の幅方向上板部側の板材の強度は大きく維持できるので、製品の品質が向上する。更に、加工予定部の一端を板材の幅方向の端面と同一面にしておけば、切り欠きの形成が容易となり、また、同一材料から多数個のエレメントを連続形成できるので、材料歩留りが向上すると共に、生産性が向上する。
【0031】
請求項5記載の無段変速機用ベルトのエレメントの製造方法においては、同一材料から多数個のエレメントを連続形成できるので、材料歩留りが向上すると共に、例えばプレス加工により板厚減少加工等の塑性加工を行う場合に、向かい合った各基体部の加工予定部を同一のパンチで加工できるので、生産性が向上する。請求項6記載の無段変速機用ベルトのエレメントの製造方法においては、板材のサイズ(幅、長さ)やエレメントのサイズ及び形状等を考慮して、エレメントの配置を自由に決定できるので、板材の歩留りが向上すると共に、板材からエレメントを形成する自由度が高まる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る無段変速機用ベルトのエレメントの製造方法により製造されるエレメントの正面図である。
【図2】同無段変速機用ベルトのエレメントの製造方法により製造されるエレメントの使用状態を示す説明図である。
【図3】同無段変速機用ベルトのエレメントの製造方法を示す説明図である。
【図4】エレメントの中心線を条材の長手方向に平行にし、かつ、条材の幅方向に1個のエレメントを配置した場合の複数のプレス加工ステーションでの加工要領を示す説明図である。
【図5】エレメントの中心線を条材の長手方向に直交させ、かつ、条材の幅方向に2個のエレメントの基体部を背向かいに配置した場合の複数のプレス加工ステーションでの加工要領を示す説明図である。
【図6】エレメントの中心線を条材の長手方向に直交させ、かつ、条材の幅方向に2個のエレメントの基体部を向かい合わせに配置した場合の複数のプレス加工ステーションでの加工要領を示す説明図である。
【図7】エレメントの中心線を条材の長手方向に直交させ、かつ、条材の幅方向に1個のエレメントを配置した場合の説明図である。
【図8】エレメントの中心線を条材の長手方向に45°傾斜させ、かつ、2個のエレメントの基体部を向かい合わせに配置し、更に、各エレメントの中心線をずらせて配置した場合の説明図である。
【符号の説明】
10:エレメント、11、12:傾斜部、13:基体部、14:連結部、15:上板部、16:表面、17:凸部、18:裏面、19:凹部、20:平行面、21:傾斜面、22:板厚減少部、23:無端バンド、24、25:平行溝部、26、27:側面、28〜31:ノッチ部、32、33:切り込み、34:矩形板(板材)、34a:パイロット孔、35:加工予定部、36、36a、36b:切り欠き部、40:条材(板材)、40a:搬送方向、40b:連結片、50:条材(板材)、50a:搬送方向、50b:連結片、50c:パイロット孔、60:条材(板材)、60a:搬送方向、60b:パイロット孔、70:条材(板材)、70a:搬送方向、80:条材(板材)、80a:搬送方向

Claims (6)

  1. 使用にあって装着されるV溝プーリの内側壁に対応する傾斜部が基体部の両側に設けられ、かつ前記基体部の上にはバンド保持部が設けられ、全体として左右対称となって形成された無段変速機用ベルトのエレメントを、一部に塑性変形を伴うプレス加工を行って、連続する又は短冊状の板材から製造する方法であって、
    前記塑性変形を伴う加工予定部の周囲に前記塑性変形に伴い発生する応力を解放する切り欠きを形成する第1工程と、
    前記加工予定部に前記塑性変形を伴う加工を行う第2工程と、
    前記加工予定部を含む前記板材から前記エレメントの所定の外形を打ち抜き加工する第3工程とを有することを特徴とする無段変速機用ベルトのエレメントの製造方法。
  2. 請求項1記載の無段変速機用ベルトのエレメントの製造方法において、前記基体部の上位置には連結部を介して上板部が設けられ、前記バンド保持部は前記基体部と前記上板部の中間に設けられ、
    複数のプレス加工ステーションを経て、前記加工予定部に位置する少なくとも前記基体部に板厚減少部を形成する塑性加工を行って、前記エレメントが前記板材から順次形成されることを特徴とする無段変速機用ベルトのエレメントの製造方法。
  3. 請求項2記載の無段変速機用ベルトのエレメントの製造方法において、前記エレメントは一定の方向を向いて前記板材から連続的に形成されることを特徴とする無段変速機用ベルトのエレメントの製造方法。
  4. 請求項2記載の無段変速機用ベルトのエレメントの製造方法において、各々対となる前記エレメントの基体部を背向かいに配置した状態で、かつ前記各加工予定部の一部を前記板材の幅方向外側に開放することを特徴とする無段変速機用ベルトのエレメントの製造方法。
  5. 請求項2記載の無段変速機用ベルトのエレメントの製造方法において、各々対となる前記エレメントの基体部を向かい合わせにすることを特徴とする無段変速機用ベルトのエレメントの製造方法。
  6. 請求項2〜5のいずれか1項に記載の無段変速機用ベルトのエレメントの製造方法において、前記エレメントの中心線は、前記板材の長手方向に直交、平行又は斜めに配置することを特徴とする無段変速機用ベルトのエレメントの製造方法。
JP2002345864A 2002-11-28 2002-11-28 無段変速機用ベルトのエレメントの製造方法 Pending JP2004174585A (ja)

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