JP2004136361A - 無段変速機用ベルトのエレメントの製造方法 - Google Patents

無段変速機用ベルトのエレメントの製造方法 Download PDF

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Yasumasa Mitsui
三井 康誠
Takekatsu Fujita
藤田 剛克
Takashi Matsunaga
松永 尚
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Abstract

【課題】熱処理工程等においてエレメントを整列させる必要がなく、更にはエレメント自体の熱処理も均一に行うことが可能で、製造コストを低減した無段変速機用ベルトのエレメントの製造方法を提供する。
【解決手段】使用にあって装着されるV溝プーリの内側壁に対応する傾斜部12、13を両側に備えた板材からなる無段変速機用ベルトのエレメント10の製造方法であって、条材32にプレス加工を行い、エレメント10が最終的に抜き落とされる枠部34に、エレメント10の一部が連結片35を介して連接されるようにして、エレメント10のその他の部分の形状加工を行う第1工程と、エレメント10が枠部34に連接した状態で、硬化熱処理を行う第2工程と、エレメント10を枠部34から分離する第3工程とを有する。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車やその他の産業機械で使用されている無段変速機用ベルトのエレメントの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
無段変速機は、変速機の変速比を連続的に変えることができるものであり、自動車等に用いた場合には、エンジンの特性を十分に発揮させて更に排気ガスや燃費を改善できるという利点がある。
このような無段変速機として、特許文献1や図7(A)、(B)に概略構成を示すようなベルト式の無段変速機100が知られている。この無段変速機100は図示しない油圧機構によってそれぞれベルト部材101の掛かり直径を可変とし、更にベルト部材101の両側の傾斜部102、103と同一勾配の内側壁を備える入力側のV溝プーリ104及び出力側のV溝プーリ105を有し、V溝プーリ104の回転力をベルト部材101を介してV溝プーリ105に伝達している。ベルト部材101は、所定形状の板材からなって荷重の伝達方向に多数枚並べて配置されたエレメント106と、このエレメント106の両側に対称に設けられた平行溝部107、108に嵌入する湾曲可能な無端ベルト109、110とを有している。
【0003】
従って、V溝プーリ104からV溝プーリ105への荷重の伝達は、各エレメント106及びこれに装着された無端ベルト109、110を介して伝達され、出力側のV溝プーリ105の回転速度を変える場合には、V溝プーリ104及びV溝プーリ105の内側壁の間隔を変えることによって行う。
そして、以上の無段変速機100に使用されるエレメント106は、耐摩耗性等の高い強度が要求されることから、特許文献2に示すように、通常は硬化熱処理が施される。また、従来のエレメントの製造にあっては、まず所定の材料からエレメントを打ち抜き形成して個片化した後、各エレメントをロットで焼入れ及び焼き戻しを行っている。
【0004】
【特許文献1】
特開昭55−107147号公報(第2頁左下欄20行目〜第3頁左上欄3行目、第2図)
【特許文献2】
特開昭60−232832号公報(第1頁右下欄1〜7行目)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のエレメントの製造方法においては、エレメントを焼入れ炉に入れる場合等において、多数のエレメントを整列させる必要があって生産性が低く、製造に時間がかかり結果としてコスト高になるという問題があった。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、熱処理工程等においてエレメントを並び変える必要がなく、更にはエレメント自体の熱処理も均一に行うことが可能で、製造コストを低減した無段変速機用ベルトのエレメントの製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的に沿う第1の発明に係る無段変速機用ベルトのエレメントの製造方法は、使用にあって装着されるV溝プーリの内側壁に対応する傾斜部を両側に備えた板材からなる無段変速機用ベルトのエレメントの製造方法であって、条材にプレス加工を行い、前記エレメントが最終的に抜き落とされる枠部に、該エレメントの一部が連結片を介して連接されるようにして、該エレメントのその他の部分の形状加工を行う第1工程と、前記エレメントが前記枠部に連接した状態で、硬化熱処理を行う第2工程と、前記エレメントを前記枠部から分離する第3工程とを有している。
第1の発明においては、エレメントが枠部から分離しない状態で、硬化熱処理を行うので、エレメントを整列する必要がない。また、熱処理も均一に行うことができる。
【0007】
第2の発明に係る無段変速機用ベルトのエレメントの製造方法は、第1の発明に係る無段変速機用ベルトのエレメントの製造方法において、前記連結片は、前記エレメントの傾斜部及び該エレメントを連結する無端ベルトが挿通する平行溝部以外の場所に設けられている。これによりV溝プーリに接触して荷重の伝達を行う傾斜部や、荷重を伝達する無端ベルト(一般にスチール、無端リングとも言われる)が接する平行溝部に疵を残すことがなく、疵を除去する加工を省略できる。
第3の発明に係る無段変速機用ベルトのエレメントの製造方法は、第1、第2の発明に係る無段変速機用ベルトのエレメントの製造方法において、前記エレメントは異なる場所に設けられた複数の前記連結片によって前記枠部に連結されている。これによって、枠部に対してエレメントの位置が安定し、搬送中あるいは熱処理中に枠部からエレメントの位置がずれることがない。
【0008】
第4の発明に係る無段変速機用ベルトのエレメントの製造方法は、第1〜第3の発明に係る無段変速機用ベルトのエレメントの製造方法において、前記連結片は衝撃荷重によって容易に分離する易破断形状に形成されている。そして、第5の発明に係る無段変速機用ベルトのエレメントの製造方法は、第4の発明に係る無段変速機用ベルトのエレメントの製造方法において、前記連結片の一部又は全部が薄肉となって前記易破断形状に形成されている。また、第6の発明に係る無段変速機用ベルトのエレメントの製造方法は、第4の発明に係る無段変速機用ベルトのエレメントの製造方法において、前記連結片が前記エレメントに連結する部分の前記連結片の断面又は幅が楔形形状になって前記易破断形状を形成している。以上の構成によって、エレメントの枠部からの分離が容易となる。
【0009】
第7の発明に係る無段変速機用ベルトのエレメントの製造方法は、第1〜第6の発明に係る無段変速機用ベルトのエレメントの製造方法において、前記エレメントの前記連結片の連接部分は窪み部が形成されて、前記連結片と前記エレメントとの分離は該窪み部内で行われる。これによって、エレメントを分離した後の分離部のバリ取り等の再加工が省略できる。
そして、第8の発明に係る無段変速機用ベルトのエレメントの製造方法は、第1〜第7の発明に係る無段変速機用ベルトのエレメントの製造方法において、前記第1工程、第2工程及び第3工程を一つのラインで一貫して行っている。これによって、各工程でのリールの巻取りが不用となって生産性が向上する。
【0010】
【発明の実施の形態】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
ここに、図1は本発明の第1の実施の形態に係る無段変速機用ベルトのエレメントの製造方法の概略説明図、図2(A)は同方法で製造するエレメントの正面図、(B)は同方法で製造されたエレメントの使用状態を示す説明図、図3(A)〜(E)はエレメントと枠部の接合状態を示す平面図、(F)は同図(E)における矢視A−A断面図、図4(A)はエレメントと枠部の接合状態を示す平面図、(B)は同図(A)における矢視B−B断面図、(C)は枠部からエレメントが分離した状態の断面図、図5(A)はエレメントと枠部の接合状態を示す平面図、(B)は枠部から分離した状態のエレメントの平面図、図6(A)〜(C)は本発明の第2の実施の形態に係る無段変速機用ベルトのエレメントの製造方法を示す説明図である。
【0011】
まず、図2(A)、(B)を参照しながら、本発明の第1の実施の形態に係る無段変速機用ベルトのエレメントの製造方法が適用可能なエレメント10について説明する。エレメント10の材質は、炭素鋼や鉄系合金鋼(例えば、SKS−5)、その他の焼入れ焼き戻し可能な合金鋼からなって、板材からプレス加工によって形状加工される。このエレメント10は角部が丸くなった2等辺三角形の上側片部11と、両側にそれぞれ直線状の傾斜部12、13を備える下側片部14とが中央の連結部15によって一体的に連結されている。そして、連結部15の左右であって、上側片部11と下側片部14との間には平行溝部16、17が形成されている。なお、傾斜部12、13の傾斜角度は、組み立てられた状態の無段変速機用ベルトAを使用するV溝プーリの内側壁の傾斜角度に一致している(図7参照、ベルト部材101)。
【0012】
上側片部11の斜辺18、19は内側に緩やかに湾曲し、図2(B)に示すように、中央部分の一方に凹部20を他方に凸部21を備えている。凹部20は断面円形の丸穴からなり、凸部21はこの凹部20に僅少の隙間を有して入り込む断面円形の円柱状突起からなっている。また、凸部21の高さは凹部20の深さより小さくなって、積層状態にある各エレメント10の傾斜角度が多少変わっても、凸部21が凹部20に常時嵌入するようになって、複数の積み重ねられたエレメント10の姿勢を常時一定に保つ機能を有している。
図2(A)に示すように、下側片部14は連結部15から下方に下がって途中位置22まではその厚みが一定であるが、途中位置22から徐々にその厚みが薄くなる傾斜肉薄部23が設けられている。この傾斜肉薄部23は、図2(B)に示すように、無段変速機用ベルトAがV溝プーリに沿って湾曲する場合に、各エレメント10の凹部20と凸部21を係合させた状態で、各エレメント10を円滑に接触させる役目を果たしている。
【0013】
なお、本実施の形態においては、エレメントの傾斜肉薄部23は片側面のみに傾斜面が設けられ、他方は上側片部11に連続する平面となっているが、場合によっては、下側片部14の途中位置22から一方側(例えば、P方向)に曲げて、折り曲げ部分の表裏に丸みを付けてもよい。なお、下側片部14の下端には、全体の重量を軽減するための切り込み24、25が設けられている。
上側片部11、下側片部14及び連結部15によって形成される左右の平行溝部16、17は、この部分に鋼又は合成樹脂等の十分な強度を有し繰り返し曲げに強い材質からなる断面長方形の無端ベルト26、27がそれぞれ嵌入している(図7参照)。従って、このエレメント10において、V溝プーリの接する傾斜部12、13と無端ベルト26、27に接する平行溝部16、17の形状(端部を含む)が一定の品質を保持する必要がある。
【0014】
続いて、図1及び図3〜図5を参照しながら、本発明の実施の形態に係る無段変速機用ベルトのエレメントの製造方法について説明する。
図1に示すように、本発明の第1の実施の形態に係る無段変速機用ベルトのエレメントの製造方法は、打ち抜き金型装置30を用いて、リール31に巻かれた板材の一例である条材32にプレス加工を行って、条材32にエレメント10の主要部を形成する第1工程を有している。打ち抜き金型装置30には所定形状のパンチ及びこれと対となるダイを備え、図3(A)に示すように、予め焼鈍されて柔らかくなった条材32は順次搬送されてプレス加工され、所定ピッチで複数のエレメント10を形成する。この場合、図2を参照しながら、先に説明したように、上側片部11、下側片部14及びこれらの連結部15等の外形抜きが行われている他、下側片部14の所定位置には傾斜肉薄部23が形成されている。そして、外形がパンチによって抜き落とされた打ち抜き部33によって形成されるエレメント10は、条材32の枠部34と連結片35を介して繋がっている。
【0015】
この実施の形態においては、エレメント10と枠部34とは、エレメント10の上側片部11の頂部に設けられた連結片35によって連結されているが、例えば、図3(B)に示すように、下側片部14の下部中央と枠部34が連結片36によって連結される場合、図3(C)に示すように、上側片部11の頂部及び下側片部14の下部中央のそれぞれにその一端が接続される連結片37、38によってエレメント10を枠部34に連結する場合、図3(D)に示すように、下側片部14の左右両側の切り込み24、25の中央部分にその一端が接続される連結片39、40によってエレメント10と枠部34を連結する場合等がある。
前述のように、エレメント10の両側の傾斜部12、13及び左右の平行溝部16、17は、V溝プーリの側壁や無端ベルト26、27に接するので、この部分に連結片の一端を設けることは許されないが、その他の部分であれば、連結片の位置は任意であり、この場合、エレメント10の製造工程上及び使用上の特性を考慮して左右対称に形成するのがよい。
また、例えば、図3(C)や(D)に示すように、エレメント10と枠部34を複数の連結片37〜40によって連結することによって、枠部34内にエレメント10を安定して固定することができる。
【0016】
前記連結片35〜40は、それぞれ条材32の厚みと同一厚みであったが、最終的には硬化熱処理をした後に、この部分をパンチとダイを用いて分離するのであるから、材質は脆くなっており、連結片35〜40の幅が十分狭ければ問題なく枠部34からエレメント10を分離できる。ところが、連結片35〜40が細くて長い場合には、枠部34に対するエレメント10の固定性(安定性)が悪いので、例えば、図3(E)、(F)や図4(A)、(B)に示すように、連結片35(36〜40においても同様、以下同じ)を、衝撃荷重によって容易に分離する易破断形状に形成するのが好ましい。
【0017】
図3(E)、(F)においては、連結片35を板厚方向に上下から押し潰し肉薄とした肉薄部41によって易破断形状に構成している。この実施の形態においては、肉薄部41は板厚方向両方から窪みを設けているが片側からのみでもよい。更に、肉薄部41は連結片35の全部ではなく一部、例えばエレメント10に近い側の連結片35のみに設けてもよい。
図4(A)、(B)には易破断形状の別の例を示すが、連結片35に断面V字状のノッチ(即ち、楔形状)42、43が板厚方向上下から設けられている。これによって、図4(C)に示すように、最終的に少しの荷重で、エレメント10を枠部34から分離することができる。この実施の形態においては、厚み方向に断面V字状のノッチ42、43を設けたが、連結片35の幅方向にV字状のノッチを設けることもできる。更に、V字状のノッチは上下又は左右両側にそれぞれ設ける必要はなく、片側でもよいが、V字状のノッチを厚み方向両側から又は下部側に設けると、エレメントの切除部分にバリが発生しても、厚み方向にバリが突出するのを防止できる。
【0018】
更に、図5(A)、(B)に示すように、エレメント10に小さい窪み部44を設け、この窪み部44の底部に連結片36(35、37〜40においても同様、以下同じ)の端部を連結させてもよい。これによって、連結片36を分離した場合、連結片36の切断部(連接部分)は窪み部44の中に収めることができる。なお、確実に窪み部44内で連結片を分離させるために、窪み部44内の連結片36に切り込み、肉薄部、V字状のノッチ等の易破断形状を形成するのが更に好ましい。これによって、連結片36の残り部がエレメント10の外形から突出せず、その後の工程でエレメント10の組み立て等が円滑に行える。
【0019】
この後、図1に示すように、エレメント10が条材32に連結片35(36〜40)を介して一部固定された状態で、熱処理装置にリール搬送し、エレメント10の硬化熱処理、即ち焼入れと焼き戻しを行う(第2工程)。即ち、焼入れはプレス加工後の条材32を加熱炉45に入れて、例えば800〜850℃に加熱して組織をオーステナイト化し、次に冷却炉46にて急冷してエレメント10を硬化させる。この状態ではエレメント10が非常に脆いので、焼き戻しを行って硬くて粘りのあるエレメント10にする。焼き戻しは加熱炉47に入れて例えば400〜450℃に加熱した後、冷却炉48に入れて冷却することによって行う。なお、それぞれの加熱温度、加熱時間、冷却時間等は材料が決まれば周知の技術であるので、詳しい説明を省略する。この硬化熱処理は、全部のエレメント10が条材32に一部連結された状態で行うので、均一な熱処理を行うことができ、更には、作業を連続的に行うこともできる。
以上の処理によって、硬くて強度を有するエレメント10が製造できる。そして、エレメント10が条材32に連結片35(36〜40)を介して一部固定された状態で、切り離し装置49(通常はトリム装置からなる)に搬送し、この切り離し装置49のパンチによって条材32の枠部34からエレメント10を分離する(第3工程)。この分離は連結片35(36〜40)が硬化し、原料である元の条材32より脆くなっており、かつ連結片35(36〜40)は細幅に形成されているため、容易に行うことができる。
【0020】
第1の実施の形態に係る無段変速機用ベルトのエレメントの製造方法においては、第1工程〜第3工程を一つのライン内で行っていたが、図6に示す本発明の第2の実施の形態に係る無段変速機用ベルトのエレメントの製造方法のように、第1〜第3の工程を別々のラインで行うこともできる。この場合、第1工程で用いる打ち抜き金型装置30の後にリール巻取り装置50が、第2工程の冷却炉48の後に別のリール巻取り装置51がそれぞれ必要である。そして、第1工程でリール状に巻き取った条材32を解く装置52が第2工程の前に、第2工程で巻き取った条材32を解く装置53が第3工程の前に必要である。この実施の形態のように、各工程を分離すると、それぞれの工程を全く別の場所で行うことができる。なお、第1工程のみを分離する場合、第3工程のみを分離する場合の無段変速機用ベルトのエレメントの製造方法であっても本発明は適用される。
【0021】
本発明は以上に述べた実施の形態や変形例の一部又は全部を個々に組み合わせて実施する場合も、本発明の権利範囲に含まれる。
また、最終工程で、更に個別のエレメント10の傾斜部12、13や平行溝部16、17の研磨加工、場合によって面取り加工等を行うことは任意である。
エレメント10を枠部34から除去する前工程又は後工程で、エレメント10にクロム等の金属めっきをしてもよい。
更には、本実施の形態において、エレメント10と枠部34との分離はパンチを用いたが、レーザー加工によってエレメント10と枠部34を分離することもできる。この場合、連結片35〜40に易破断形状を設ける必要はない。
【0022】
【発明の効果】
請求項1〜8に記載の無段変速機用ベルトのエレメントの製造方法は、以上の説明からも明らかなように、各エレメントを連結片によって、条材の枠部から完全に分離しないようにして、硬化熱処理を行い、その後個片化するようしているので、熱処理の工程でエレメントを整列させる必要がなく、また熱処理がより均一に行われ、しかも連続的に各工程の処理が可能となるので、品質が安定したエレメントの効率的な生産ができ、製造コストの低減ができる。
また、例えば、リール方式による一貫生産が可能となり、生産性が格段に向上する。
【0023】
特に、請求項2記載の無段変速機用ベルトのエレメントの製造方法においては、連結片は、エレメントの傾斜部及びエレメントを連結する無端ベルトが挿通する平行溝部以外の場所に設けられているので、破断箇所にバリ等が発生した場合でも残存したバリが製品性能に影響を及ぼすことがなく、バリ等を切削や研磨によって除去する必要がない。
請求項3記載の無段変速機用ベルトのエレメントの製造方法においては、エレメントは異なる場所に設けられた複数の連結片によって枠部に連結されているので、エレメントと枠部の連結強度が増し、搬送時に衝撃を受ける等不測の事態が発生した場合でもエレメントが枠部に固定され、生産を止める等の事故が発生しにくい。
【0024】
請求項4記載の無段変速機用ベルトのエレメントの製造方法においては、連結片は衝撃荷重によって容易に分離する易破断形状に形成されているので、硬化熱処理後もプレス加工によるエレメントの枠部からの分離が可能となる。
請求項5記載の無段変速機用ベルトのエレメントの製造方法は、連結片の一部又は全部が薄肉となって易破断形状に形成されているので、プレス加工によるエレメントの個片化が容易となる。
そして、請求項6記載の無段変速機用ベルトのエレメントの製造方法においては、連結片がエレメントに連結する部分の連結片の断面又は幅が楔形形状になって易破断形状を形成しているので、プレス加工によるエレメントの個片化が容易であると共に、切除部分がエレメントの側面に食い込む形状に形成されるので、切除部分に発生するバリ等が外形に現れにくく、外観不良の防止と製品性能の向上に寄与することができる。
【0025】
請求項7記載の無段変速機用ベルトのエレメントの製造方法においては、エレメントの連結片の連接部分は窪み部が形成されて、連結片とエレメントとの分離は窪み部内で行われるので、切除部分に発生するバリが外形に現れず、外観不良の防止と製品性能の向上に寄与できる。
そして、請求項8記載の無段変速機用ベルトのエレメントの製造方法においては第1工程、第2工程及び第3工程を一つのラインで一貫して行っているので、各工程でのリールの巻取りが不用となり無段変速機用ベルトのエレメントの生産性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る無段変速機用ベルトのエレメントの製造方法の概略説明図である。
【図2】(A)は同方法で製造するエレメントの正面図、(B)は同方法で製造されたエレメントの使用状態を示す説明図である。
【図3】(A)〜(E)はエレメントと枠部の接合状態を示す平面図であり、(F)は同図(E)における矢視A−A断面図である。
【図4】(A)はエレメントと枠部の接合状態を示す平面図、(B)は同図(A)における矢視B−B断面図、(C)は枠部からエレメントが分離した状態の断面図である。
【図5】(A)はエレメントと枠部の接合状態を示す平面図、(B)は枠部から分離した状態のエレメントの平面図である。
【図6】(A)〜(C)は本発明の第2の実施の形態に係る無段変速機用ベルトのエレメントの製造方法を示す説明図である。
【図7】(A)、(B)はそれぞれ従来例に係る無段変速機用ベルトの説明図である。
【符号の説明】
10:エレメント、11:上側片部、12、13:傾斜部、14:下側片部、15:連結部、16、17:平行溝部、18、19:斜辺、20:凹部、21:凸部、22:途中位置、23:傾斜肉薄部、24、25:切り込み、26、27:無端ベルト、30:打ち抜き金型装置、31:リール、32:条材、33:打ち抜き部、34:枠部、35〜40:連結片、41:肉薄部、42、43:ノッチ、44:窪み部、45:加熱炉、46:冷却炉、47:加熱炉、48:冷却炉、49:切り離し装置、50、51:リール巻取り装置、52、53:装置

Claims (8)

  1. 使用にあって装着されるV溝プーリの内側壁に対応する傾斜部を両側に備えた板材からなる無段変速機用ベルトのエレメントの製造方法であって、
    条材にプレス加工を行い、前記エレメントが最終的に抜き落とされる枠部に、該エレメントの一部が連結片を介して連接させるようにして、該エレメントのその他の部分の形状加工を行う第1工程と、
    前記エレメントが前記枠部に連接した状態で、硬化熱処理を行う第2工程と、
    前記エレメントを前記枠部から分離する第3工程とを有することを特徴とする無段変速機用ベルトのエレメントの製造方法。
  2. 請求項1記載の無段変速機用ベルトのエレメントの製造方法において、前記連結片は、前記エレメントの傾斜部及び該エレメントを連結する無端ベルトが挿通する平行溝部以外の場所に設けられていることを特徴とする無段変速機用ベルトのエレメントの製造方法。
  3. 請求項1及び2のいずれか1項に記載の無段変速機用ベルトのエレメントの製造方法において、前記エレメントは異なる場所に設けられた複数の前記連結片によって前記枠部に連結されていることを特徴とする無段変速機用ベルトのエレメントの製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の無段変速機用ベルトのエレメントの製造方法において、前記連結片は衝撃荷重によって容易に分離する易破断形状に形成されていることを特徴とする無段変速機用ベルトのエレメントの製造方法。
  5. 請求項4記載の無段変速機用ベルトのエレメントの製造方法において、前記連結片の一部又は全部が薄肉となって前記易破断形状に形成されていることを特徴とする無段変速機用ベルトのエレメントの製造方法。
  6. 請求項4記載の無段変速機用ベルトのエレメントの製造方法において、前記連結片が前記エレメントに連結する部分の前記連結片の断面又は幅が楔形形状になって前記易破断形状を形成していることを特徴とする無段変速機用ベルトのエレメントの製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の無段変速機用ベルトのエレメントの製造方法において、前記エレメントの前記連結片の連接部分は窪み部が形成されて、前記連結片と前記エレメントとの分離は該窪み部内で行われることを特徴とする無段変速機用ベルトのエレメントの製造方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の無段変速機用ベルトのエレメントの製造方法において、前記第1工程、第2工程及び第3工程を一つのラインで一貫して行うことを特徴とする無段変速機用ベルトのエレメントの製造方法。
JP2002305714A 2002-10-21 2002-10-21 無段変速機用ベルトのエレメントの製造方法 Pending JP2004136361A (ja)

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