JP2004160497A - 無段変速機用伝動ベルトのエレメントの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】減肉加工が不要であって、V溝プーリを通る際の動きがスムーズで騒音を発せず、段差を種々に設定できるエレメントを得ることが可能な無段変速機用伝動ベルトのエレメントの製造方法を提供する。
【解決手段】V溝プーリに摺接する傾斜面を両側に有しかつ下側部分に薄肉部が設けられたサドル部14を有し、他は薄肉部より板厚が厚く金属製の無端バンドを装着可能な無段変速機用伝動ベルトのエレメント10の製造方法において、第1の板材Aからエレメント10の外形と同一形状の第1のエレメント部11を形成し、第1の板材Aより板厚が薄い第2の板材Bからサドル部の下側部分を除くエレメント10の外形と同一形状の第2のエレメント部12を形成して、第1のエレメント部11の突起部33と第2のエレメント部12の係合孔34を介し、第1、第2のエレメント部11、12を結合する。
【選択図】 図1
【解決手段】V溝プーリに摺接する傾斜面を両側に有しかつ下側部分に薄肉部が設けられたサドル部14を有し、他は薄肉部より板厚が厚く金属製の無端バンドを装着可能な無段変速機用伝動ベルトのエレメント10の製造方法において、第1の板材Aからエレメント10の外形と同一形状の第1のエレメント部11を形成し、第1の板材Aより板厚が薄い第2の板材Bからサドル部の下側部分を除くエレメント10の外形と同一形状の第2のエレメント部12を形成して、第1のエレメント部11の突起部33と第2のエレメント部12の係合孔34を介し、第1、第2のエレメント部11、12を結合する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車やその他の産業機械で使用されている無段変速機用伝動ベルトのエレメントの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、図5(A)に示すように、自動車等の無段変速機80においては、溝幅可変のV形の駆動側プーリ81と被駆動側プーリ82間の動力伝達に伝動ベルト83が採用されている。この伝動ベルト83は、図5(B)に示すように、金属製の無端バンド84、85と、この無端バンド84、85が両側からそれぞれ挟み込まれる多数のエレメント86から構成されており、使用にあっては、伝動ベルト83を駆動側プーリ81及び被駆動側プーリ82に掛け渡すことにより、駆動側プーリ81の回転力が伝動ベルト83を介して被駆動側プーリ82に伝達される。
このとき、伝動ベルト83は、駆動側プーリ81を通って被駆動側プーリ82側に、或いは、被駆動側プーリ82を通って駆動側プーリ81側に走行方向を変えるため、各エレメント86が円滑に各プーリ81、82の周りを回れるように、図6に示すように、各プーリ81、82に接するエレメント86のサドル部87の下側部分に板厚を薄くした薄肉部88を設ける必要があった。一方、エレメント86の上板部89、サドル部87の上側部分90、及び上板部89とサドル部87との連結部91は、強度確保の点から厚くする必要があった。
このような形状のエレメント86は、例えば、減肉加工を一部に施して板厚を薄くしたり、予め一部を薄くした異厚材を使用し、この板材から複数のエレメントを打抜き加工することで製造されていた。
また、図7に示すように、高さ方向の長さが異なる2種類のエレメント92、93を交互に配置し、各エレメント92、93のそれぞれの上板部94、95に設けられた凸部96、97を凹部98、99に嵌入させた伝動ベルト100もある。なお、長さが長いエレメント92に設けられた凸部96は、長さが短いエレメント93の凹部99にかしめ結合されているため、エレメント92とエレメント93の1組で、サドル部の下側部分に段差部101を設けたエレメント102が形成される(例えば、特許文献1参照。)。これにより、減肉加工を行うことなく、段差部101を備えたエレメント102を製造できる。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−54691号公報(第4頁左欄11〜21行目、図1、図2)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記したエレメントの製造方法には、以下の問題がある。
板材に減肉加工を施してエレメントの薄肉部88を形成した場合、減肉加工の分だけ工程が増え作業性が悪くなる。また、減肉加工によって板材に内部応力が生じるため、減肉加工が行われた薄肉部88と、減肉加工が行われていない部分とが連続した部分を一度に打抜くとき、例えばプーリ81、82に接するサドル部87の両側部の打抜きを行うとき、エレメント86の形状が悪くなり、精度が劣化する。なお、エレメント86の製造に異厚材を使用した場合、異厚板材は平板材よりも高価であるため、コスト高の要因になる。
【0005】
また、2種類のエレメント92、93を使用した伝動ベルト100では、各エレメント92、93同士は凸部96と凹部99を介してかしめ結合されているため、各エレメント92、93が各プーリ81、82を通る場合に、例えば凸部96と凹部99との嵌合状態が解けたとき、放射状に開く際の動きを鈍くし、騒音の原因となる。なお、凸部96と凹部99がかしめ結合用として用いられているため、伝動ベルト100の組立も難しい。
そして、2種類のエレメント92、93は、同じ厚みの板材から形成されるため、その板厚分の段差しか設定ができず、例えば無段変速機の大きさや用途に応じた設定を種々行うことができない。
更に、2種類のエレメントは、前もってエレメントの外形を造ってから一体化を行うファインブランキングで製作されるため、後工程で2種類のエレメントの組立が必要で、生産性が悪い。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、減肉加工が不要であって、V溝プーリを通る際の動きがスムーズで騒音を発せず、段差を種々に設定できるエレメントを得ることが可能な無段変速機用伝動ベルトのエレメントの製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的に沿う第1の発明に係る無段変速機用伝動ベルトのエレメントの製造方法は、V溝プーリに摺接する傾斜面を両側に有し、かつ下側部分に薄肉部が設けられたサドル部を有し、他は薄肉部より板厚が厚く金属製の無端バンドを装着可能な無段変速機用伝動ベルトのエレメントの製造方法において、厚板からなる第1の板材からエレメントの外形と実質的に同一形状の第1のエレメント部を形成し、薄板からなる第2の板材から、サドル部の下側部分を除くエレメントの外形と実質的に同一形状の第2のエレメント部を形成して、第1のエレメント部に形成した突起部と第2のエレメント部に形成した係合孔とを介して、第1のエレメント部と第2のエレメント部とを結合し、エレメントを製造する。これにより、従来のように、減肉加工を行うことなく、また異厚材を使用することなく、サドル部の下側部分に薄肉部が形成されたエレメントを製造できる。また、第1のエレメント部に形成された突起部は、第2のエレメント部とのかしめ結合用としてのみ使用されるのではなく、第1のエレメント部に第2のエレメント部を結合するためのかしめ結合用、及び各エレメントが多数連続した状態を維持するための位置決め用としても使用できる。そして、第1、第2の板材の板厚をそれぞれ変えることで、薄肉部の厚みや段差の設定を様々に行うことができる。
【0007】
前記目的に沿う第2の発明に係る無段変速機用伝動ベルトのエレメントの製造方法は、使用にあってはV溝プーリの内側壁に接する傾斜面が両側に設けられ、かつ下側部分が薄肉部となったサドル部と、サドル部の上側位置に形成された上板部と、上板部とサドル部との間に形成され、金属製の無端バンドを装着可能なバンド保持部とを備えた無段変速機用伝動ベルトのエレメントの製造方法において、帯状の第1の板材からエレメントの外形と実質的に同一形状で、第1の板材の長さ方向に部分連結された第1のエレメント部をプレス加工し、その上板部に凹部及び凹部に嵌入可能な大きさの先部を備えた突起部をプレス加工によって形成する第1工程と、第1の板材より板厚が薄い第2の板材から、サドル部の下側部分を除くエレメントの外形と実質的に同一形状で、かつ突起部の基部が嵌入可能な係合孔をその上板部に備えた第2のエレメント部をプレス加工によって形成する第2工程と、第1のエレメント部の突起部を第2のエレメント部の係合孔に嵌入かつ突起部を第2のエレメント部の係合孔から突出させた状態で、第1のエレメント部に第2のエレメント部を結合(例えば、積層)する第3工程と、第2のエレメント部が結合された第1のエレメント部を個々に分離する第4工程とを有する。このように、帯状の第1の板材に、長さ方向に部分連結された第1のエレメント部を形成し、この状態で第2のエレメント部の結合を行った後、第4工程で個々に分離してエレメントを製造するので、エレメントの製造を連続して安定に行うことができる。また、従来のように、減肉加工を行うことなく、また異厚材を使用することなく、サドル部の下側部分に薄肉部が形成されたエレメントを製造できる。そして、第1のエレメント部に形成された突起部は、従来のように、第2のエレメント部とのかしめ結合用としてのみ使用されるのではなく、第1のエレメント部に第2のエレメント部を結合するためのかしめ結合用、及び各エレメントが多数連続した状態を維持するための位置決め用としても使用できる。更に、第1、第2の板材の板厚をそれぞれ変えることで、薄肉部の厚みや段差の設定を様々に行うことができる。
【0008】
ここで、第1、第2の発明に係る無段変速機用伝動ベルトのエレメントの製造方法において、第1、第2の板材は帯状となって、第2のエレメント部は、第2の板材の長手方向に連続して形成され、第2のエレメント部を第1のエレメント部に結合したときに、プレス加工によって個々に分離されることが好ましい。このように、第2のエレメント部を第1のエレメント部に結合したときに、第2のエレメント部がプレス加工によって個々に分離されるので、エレメントの製造を効率的に行うことができる。
第1、第2の発明に係る無段変速機用伝動ベルトのエレメントの製造方法において、第1の板材と第2の板材のプレス加工ラインは、交叉状態で配置されることが好ましい。これにより、第1の板材と第2の板材のプレス加工ラインの交叉部分で、第2のエレメント部の第1のエレメント部への結合を行うと共に、第2の板材から第2のエレメント部を分離できる。
第1、第2の発明に係る無段変速機用伝動ベルトのエレメントの製造方法において、第2のエレメント部は、予めプレス加工されて第1のエレメント部に結合されることが好ましい。これにより、予め製造した第2のエレメント部を用いてエレメントを製造できる。
【0009】
【発明の実施の形態】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
ここに、図1は本発明の一実施の形態に係る無段変速機用伝動ベルトのエレメントの製造方法の説明図、図2(A)、(B)はそれぞれ同エレメントの製造方法で製造するエレメントの正面図、側面図、図3は同エレメントの製造方法の第3工程の説明図、図4(A)、(B)はそれぞれ同エレメントの使用状態を示す説明図である。
【0010】
まず、図2(A)、(B)を参照しながら、本発明の一実施の形態に係る無段変速機用伝動ベルトのエレメントの製造方法を適用して製造したエレメント10について説明する。
エレメント10は、材質が例えば、炭素工具鋼(SK)、合金工具鋼(SKS)、その他の焼入れ焼戻し可能な合金鋼等からなって、金型によって形状加工された第1、第2のエレメント部11、12が厚み方向に結合されたものであり、その厚みが例えば1.8〜2.5mmである。このエレメント10は、下側部分に薄肉部13が設けられたサドル部14と、このサドル部14の上側位置に、連結部15を介して一体的に連結され、角部が丸くなった2等辺三角形の上板部16とを有している。またエレメント10は、この連結部15の左右であって、サドル部14と上板部16との間に形成され、金属製の無端バンドを装着可能なバンド保持部の一例である平行溝部17、18を備えている。以下、詳しく説明する。
【0011】
図1、図2(A)、(B)に示すように、エレメント10の第1のエレメント部11は、前記した材質で構成され、板厚が例えば1.5〜2mmの厚板からなる帯状の条材A(第1の板材の一例)から金型により、正面視してエレメント10の外形(輪郭)と実質的に同一形状に形状加工されたものである。また、エレメント10の第2のエレメント部12は、前記した材質で構成され、前記第1のエレメント部11より板厚が薄く、例えば0.5〜1.0mmの薄板からなる帯状の条材B(第2の板材の一例)から金型により、正面視してサドル部14の下側部分を除くエレメント10の外形(輪郭)と実質的に同一形状に形状加工されたものである。
ここで、エレメント10のサドル部14、連結部15、及び上板部16は、第1、第2のエレメント部11、12にそれぞれ設けられた第1、第2のサドル部19、20、第1、第2の連結部21、22、及び第1、第2の上板部23、24でそれぞれ構成される。
【0012】
第1、第2のサドル部19、20で構成されたサドル部14は、使用にあってはV溝プーリの内側壁に摺接する直線状の傾斜面25、26が両側に設けられ、かつ前記板厚の厚い第1のエレメント部11と前記板厚の薄い第2のエレメント部12とを結合したことにより、サドル部14の下側部分に自動的に薄肉部13が形成されている。傾斜部25、26の傾斜角度は、組立てられた状態の無段変速機用伝動ベルトを使用するV溝プーリの内側壁の傾斜角度に一致している。このように、サドル部14は、第2のエレメント部12の下端である途中位置27から上方への厚みが第1、第2のエレメント部11、12の厚みとなり、連結部15及び上板部16の厚みと同一となっているが、途中位置27から下方へかけては第1のエレメント部11のみの厚みとなっている。これにより、サドル部14に段差が設けられる。
なお、サドル部14の下端部には、全体の重量を軽減するために左右対となる切り込み28、29が設けられている。
【0013】
第1、第2の上板部23、24で構成されたエレメント10の上板部16の各斜辺30、31は、内側に緩やかに湾曲している。ここで、第1のエレメント部11の第1の上板部23の同一位置の表裏、即ち第1の上板部23の中央部分の一方(背側)には凹部32が、他方(前側)には突起部33がそれぞれ設けられている。この凹部32は断面円形の丸孔からなり、突起部33は先細りの円錐台状突起からなって、その先部からなる凸部35は、隣合うエレメント10の凹部32に僅少の隙間を有して嵌入可能である。また、第2のエレメント部12の第2の上板部24の中央部分には、第1の上板部23の突起部33の基部が嵌入可能な貫通状態の係合孔34が設けられている。なお、突起部33の高さHは係合孔34の深さdよりも大きく、しかも第1のエレメント部11に第2のエレメント部12を結合した場合の突起部33の突出部である凸部35の高さは、凹部32の深さよりも小さくなって、積層状態にある隣りのエレメント10の傾斜角度が多少変わっても、凸部35が凹部32に常時嵌入するようになって、複数の積重ねられたエレメント10の姿勢を常時一定に保つ機能を有している。
また、連結部15とサドル部14との接続部分には、サドル部14側に入り込んだ部分円形の逃げ溝36、37がそれぞれ設けられ、また連結部15と上板部16との接続部分には、上板部16側に入り込んだ部分円形の逃げ溝38、39がそれぞれ設けられている。
【0014】
サドル部14、上板部16、及び連結部15によって形成される左右の平行溝部17、18は、この部分に十分な強度を有し繰返し曲げに強い材質からなる断面長方形の金属製の無端バンド84、85(一般に、スチール、無端リングとも言われる)がそれぞれ嵌入している(図5(B)参照)。従って、このエレメント10において、V溝プーリの接する傾斜面25、26と無端バンド84、85に接する平行溝部17、18の形状が、一定の品質を保持する必要がある。
このように構成することで、無段変速機用伝動ベルトがV溝プーリに沿って回る場合、各エレメント10の凹部32に凸部35を係合させた状態で、薄肉部13により各エレメント10を円滑に接触させることが可能になる(図4(B)参照)。
【0015】
続いて、本発明の一実施の形態に係る無段変速機用伝動ベルトのエレメントの製造方法について説明する。
本発明の一実施の形態に係る無段変速機用伝動ベルトのエレメントの製造方法は、条材Aから第1のエレメント部11を形成する第1工程と、条材Bから第2のエレメント部12を形成する第2工程と、第1及び第2工程でそれぞれ形成された第1、第2のエレメント部11、12を結合する第3工程と、製造されたエレメント10を個々に分離する第4工程とを有している。ここで、条材Aの下流側で条材Bが直交して搬送され、条材Aと条材Bの各プレス加工ライン40、41が十字状(なす角が90度)に交叉している。なお、第1工程と第2工程は同時に進行している。
【0016】
まず、図1を参照しながら第1工程について説明する。
第1工程では、第1のエレメント部11の形状を形成可能なパンチとダイとを備えた金型装置(図示しない)を用いて、材料メーカーで製造され、所望サイズにスリット(切断)された条材Aにプレス加工し、第1のエレメント部11の外側部分を打抜き、第1のエレメント部11の輪郭部42を形成する。
この金型装置で形成された輪郭部42は、第1のサドル部19の下端と、隣合う輪郭部42の第1の上板部23の上端とを、条材Aの長さ方向に、連結片43により部分連結された状態で連続的に形成される。そして、この輪郭部42にプレス加工を施し、第1の上板部23に凹部32と突起部33を形成して第1のエレメント部11を製造する。
なお、プレス加工によって、第1の上板部23に凹部32と突起部33を形成した後、金型装置によって第1のエレメント部11の外側部分を打抜くことも可能である。
【0017】
次に、第2工程について説明する。
第2工程では、第2のエレメント部12の形状を形成可能なパンチとダイとを備えた金型装置(図示しない)を用いて、材料メーカーで製造され、所望サイズにスリット(切断)された条材Bにプレス加工し、第2のエレメント部12の外側部分を打抜き、第2のエレメント部12の輪郭部44を形成する。
この金型装置で形成された輪郭部44は、隣合う輪郭部44の各第2の上板部24を、条材Bの長手方向に、連結片45により部分連結された状態で連続的に形成される。そして、この輪郭部44にプレス加工を施し、第2の上板部24に係合孔34を形成して第2のエレメント部12を製造する。
なお、プレス加工によって、第2の上板部24に係合孔34を形成した後、金型装置によって第2のエレメント部12の外側部分を打抜くことも可能である。
【0018】
第3工程では、第1工程で形成された第1のエレメント部11に、第2工程で形成された第2のエレメント部12を結合する。
条材Aと条材Bの交叉部分には、条材Bから第2のエレメント部12を打抜き個々に分離する金型装置(図示しない)が配置されている。図3に示すように、第1のエレメント部11の上方に第2のエレメント部12が搬送されたときに、この金型装置によって条材Bから第2のエレメント部12の打抜き(プレス加工)を行うことで、第1のエレメント部11の突起部33を第2のエレメント部12の係合孔34に嵌入させ、突起部33の基部に係合孔34をかしめ結合させて、凸部35を係合孔34から突出させた状態で第1のエレメント部11に第2のエレメント部12を結合する。このように、金型装置内で、条材Bから第2のエレメント部12を分離し、第1のエレメント部11に第2のエレメント部12をかしめ結合するので、生産性が高い。
【0019】
第2のエレメント部12が結合された第1のエレメント部11は、更に第1、第2のエレメント部11、12の周辺部の成形が行われる。第1、第2のエレメント部11、12の外側部分を打抜いた時点では、サドル部14、連結部15、及び上板部16の周辺部にバリが生じる。しかし、サドル部14の各傾斜面25、26はV溝プーリに接する部分であり、またサドル部14、連結部15、及び上板部16の平行溝部17、18を形成する部分は無端バンドが装着される部分であるため、バリの発生や寸法精度の悪さがエレメント10の製品品質を悪くする。このため、エレメント10の最終形状に対応した形状(角に丸みを備えた形状)のパンチ及びダイを備えた仕上げ金型装置により、サドル部14、連結部15、及び上板部16の周囲の仕上げ加工を行う。
なお、第1、第2工程でそれぞれ第1、第2のエレメント部11、12の形成が行われた後、仕上げ金型装置を用いて、第1、第2のサドル部19、20、第1、第2の連結部21、22、及び第1、第2の上板部23、24の周囲の仕上げ加工を行い、第1のエレメント部11に第2のエレメント部12を結合してエレメント10を製造することも可能である。
【0020】
そして、第2のエレメント部12が結合された第1のエレメント部11は、条材Aに連結片43を介して一部固定された状態で熱処理が行われる。この熱処理は、エレメント10が例えば、耐衝撃性、耐摩耗性、靱性等を有するように、焼入れ、又は焼入れ焼戻し等を行うものである。
焼入れは、一部がオーステナイト化する温度、例えば第1、第2のエレメント部11、12の材質の成分組成にもよるが、例えば750℃以上に加熱し、強制冷却して行う。また、焼入れ後の焼戻しは、焼入れ歪みを除去し、しかも打抜き品の固溶炭素を減らさない温度範囲で行うことが好ましく、例えば250℃以下で行う。
なお、それぞれの加熱温度、加熱時間、冷却時間等は、材料が決まれば周知の技術であるので、詳しい説明を省略する。この熱処理は、全部のエレメント10が条材Aに一部連結された状態で行うと、均一な熱処理を行うことができ、更には、作業を連続的に行うこともできる。
【0021】
以上の処理によって、上記特性を有するエレメント10が製造できるので、第4工程では、切り離し装置(例えば、トリム装置)を用いて、パンチによって第2のエレメント部12が結合された第1のエレメント部11を個々に分離し、エレメント10を製造する。この分離は、前記パンチにより容易に行うことができる。
なお、エレメント10の仕上げ加工が行われた後、条材Aからエレメント10を切り離し、バッチ処理で熱処理を行うことも可能である。
このようにして製造されたエレメント10を多数個、例えば100〜400個連続して接続した形態で使用することで、図5(A)に示すように、伝動ベルトが駆動側プーリから被駆動側プーリへ走行している場合、及び被駆動側プーリから駆動側プーリへ走行している場合は、図4(A)に一部を示しているように、伝動ベルトは側面視して真っ直ぐに進行する。また、駆動側プーリを通って被駆動側プーリ側に走行方向を変える場合、或いは、被駆動側プーリを通って駆動側プーリ側に走行方向を変える場合は、図4(B)に示すように、各エレメント10が円滑に各プーリの周りを回れる。
【0022】
以上、本発明を、実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。例えば、前記したそれぞれの実施の形態や変形例の一部又は全部を組合せて本発明の無段変速機用伝動ベルトのエレメントの製造方法を構成する場合も本発明の権利範囲に含まれる。
また、前記実施の形態においては、条材Aと条材Bとを使用し、条材Aと条材Bとの交叉部分で第3工程を実施した場合について説明したが、条材Bを予めプレス加工して第2のエレメント部の単体物を形成し、この単体物を第1のエレメント部に結合してエレメントを製造することも可能である。
【0023】
そして、前記実施の形態においては、条材Aと条材Bのプレス加工ラインを十字状に交叉させた状態で配置した場合について説明したが、十字状に交叉させることなく、条材Aと条材Bとのなす角を例えば0度より大きく90度より小さい角度に設定することも可能である。
更に、前記実施の形態においては、第2のエレメント部の係合孔に、第1のエレメント部の突起部の基部をかしめ結合した場合について説明したが、更に、第1のエレメント部と第2のエレメント部との接触部分、例えば、上板部、連結部、サドル部の上部分等にかしめ部を設け、第1、第2のエレメント部の結合状態を更に強固なものにすることも可能である。また、突起部の基部と係合孔とをかしめ結合することなく、上記した結合を行うことも可能である。ここで、第1のエレメント部と第2のエレメント部との接触部分に設けるかしめ部は、左右対称に設けることが好ましい。
【0024】
【発明の効果】
請求項1〜5記載の無段変速機用伝動ベルトのエレメントの製造方法においては、従来のように、減肉加工を行うことなく、また異厚材を使用することなく、サドル部の下側部分に薄肉部が形成されるので、作業性良く、しかも経済的にエレメントを製造できる。
また、第1のエレメント部に形成された突起部は、第2のエレメント部とのかしめ結合用としてのみ使用されるのではなく、第1のエレメント部に第2のエレメント部を結合するためのかしめ結合用、及び各エレメントが多数連続した状態を維持するための位置決め用としても使用できる。これにより、伝動ベルトがプーリの周りを回る際の動きがスムーズになり、しかも騒音を発する恐れがなくなる。なお、第1、第2のエレメント部のかしめ強度は、第2のエレメント部に形成した係合孔の大きさを変えることで設定できるので、第1のエレメント部に形成した突起部の加工が制約されず、従来の突起加工と同じ難易度で容易に加工できる。
そして、第1、第2の板材の板厚をそれぞれ変えることで、薄肉部の厚みや段差の設定を様々に行うことができるので、例えば無段変速機の大きさや用途に応じたエレメントを容易に製造できる。
【0025】
請求項2及びこれに従属する請求項3〜5記載の無段変速機用伝動ベルトのエレメントの製造方法においては、帯状の第1の板材に、長さ方向に部分連結された第1のエレメント部を形成し、この状態で第2のエレメント部の結合を行った後、第4工程で個々に分離してエレメントを製造するので、エレメントを連続して安定に、しかも生産性良く製造できる。
特に、請求項3記載の無段変速機用伝動ベルトのエレメントの製造方法においては、第2のエレメント部を第1のエレメント部に結合したときに、第2のエレメント部がプレス加工によって個々に分離されるので、エレメントの製造を効率的に行うことができ、生産効率を高めることができる。
【0026】
請求項4記載の無段変速機用伝動ベルトのエレメントの製造方法においては、第1の板材と第2の板材のプレス加工ラインの交叉部分で、第2のエレメント部と第1のエレメント部とを結合すると共に、第2の板材から第2のエレメント部を分離できるので、製造ライン上で生産性良くエレメントを製造できる。
請求項5記載の無段変速機用伝動ベルトのエレメントの製造方法においては、予め製造した第2のエレメント部を用いて、エレメントを製造できるので、大掛かりな設備投資を行う必要がなく、経済的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る無段変速機用伝動ベルトのエレメントの製造方法の説明図である。
【図2】(A)、(B)はそれぞれ同エレメントの製造方法で製造するエレメントの正面図、側面図である。
【図3】同エレメントの製造方法の第3工程の説明図である。
【図4】(A)、(B)はそれぞれ同エレメントの使用状態を示す説明図である。
【図5】(A)、(B)はそれぞれ従来例に係る無段変速機の説明図、無段変速機用伝動ベルトの部分拡大図である。
【図6】同無段変速機用伝動ベルトの進行方向が変わる場合の説明図である。
【図7】従来例に係る無段変速機用伝動ベルトに使用されるエレメントの説明図である。
【符号の説明】
10:エレメント、11:第1のエレメント部、12:第2のエレメント部、13:薄肉部、14:サドル部、15:連結部、16:上板部、17、18:平行溝部(バンド保持部)、19:第1のサドル部、20:第2のサドル部、21:第1の連結部、22:第2の連結部、23:第1の上板部、24:第2の上板部、25、26:傾斜面、27:途中位置、28、29:切り込み、30、31:斜辺、32:凹部、33:突起部、34:係合孔、35:凸部、36〜39:逃げ溝、40、41:プレス加工ライン、42:輪郭部、43:連結片、44:輪郭部、45:連結片
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車やその他の産業機械で使用されている無段変速機用伝動ベルトのエレメントの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、図5(A)に示すように、自動車等の無段変速機80においては、溝幅可変のV形の駆動側プーリ81と被駆動側プーリ82間の動力伝達に伝動ベルト83が採用されている。この伝動ベルト83は、図5(B)に示すように、金属製の無端バンド84、85と、この無端バンド84、85が両側からそれぞれ挟み込まれる多数のエレメント86から構成されており、使用にあっては、伝動ベルト83を駆動側プーリ81及び被駆動側プーリ82に掛け渡すことにより、駆動側プーリ81の回転力が伝動ベルト83を介して被駆動側プーリ82に伝達される。
このとき、伝動ベルト83は、駆動側プーリ81を通って被駆動側プーリ82側に、或いは、被駆動側プーリ82を通って駆動側プーリ81側に走行方向を変えるため、各エレメント86が円滑に各プーリ81、82の周りを回れるように、図6に示すように、各プーリ81、82に接するエレメント86のサドル部87の下側部分に板厚を薄くした薄肉部88を設ける必要があった。一方、エレメント86の上板部89、サドル部87の上側部分90、及び上板部89とサドル部87との連結部91は、強度確保の点から厚くする必要があった。
このような形状のエレメント86は、例えば、減肉加工を一部に施して板厚を薄くしたり、予め一部を薄くした異厚材を使用し、この板材から複数のエレメントを打抜き加工することで製造されていた。
また、図7に示すように、高さ方向の長さが異なる2種類のエレメント92、93を交互に配置し、各エレメント92、93のそれぞれの上板部94、95に設けられた凸部96、97を凹部98、99に嵌入させた伝動ベルト100もある。なお、長さが長いエレメント92に設けられた凸部96は、長さが短いエレメント93の凹部99にかしめ結合されているため、エレメント92とエレメント93の1組で、サドル部の下側部分に段差部101を設けたエレメント102が形成される(例えば、特許文献1参照。)。これにより、減肉加工を行うことなく、段差部101を備えたエレメント102を製造できる。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−54691号公報(第4頁左欄11〜21行目、図1、図2)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記したエレメントの製造方法には、以下の問題がある。
板材に減肉加工を施してエレメントの薄肉部88を形成した場合、減肉加工の分だけ工程が増え作業性が悪くなる。また、減肉加工によって板材に内部応力が生じるため、減肉加工が行われた薄肉部88と、減肉加工が行われていない部分とが連続した部分を一度に打抜くとき、例えばプーリ81、82に接するサドル部87の両側部の打抜きを行うとき、エレメント86の形状が悪くなり、精度が劣化する。なお、エレメント86の製造に異厚材を使用した場合、異厚板材は平板材よりも高価であるため、コスト高の要因になる。
【0005】
また、2種類のエレメント92、93を使用した伝動ベルト100では、各エレメント92、93同士は凸部96と凹部99を介してかしめ結合されているため、各エレメント92、93が各プーリ81、82を通る場合に、例えば凸部96と凹部99との嵌合状態が解けたとき、放射状に開く際の動きを鈍くし、騒音の原因となる。なお、凸部96と凹部99がかしめ結合用として用いられているため、伝動ベルト100の組立も難しい。
そして、2種類のエレメント92、93は、同じ厚みの板材から形成されるため、その板厚分の段差しか設定ができず、例えば無段変速機の大きさや用途に応じた設定を種々行うことができない。
更に、2種類のエレメントは、前もってエレメントの外形を造ってから一体化を行うファインブランキングで製作されるため、後工程で2種類のエレメントの組立が必要で、生産性が悪い。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、減肉加工が不要であって、V溝プーリを通る際の動きがスムーズで騒音を発せず、段差を種々に設定できるエレメントを得ることが可能な無段変速機用伝動ベルトのエレメントの製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的に沿う第1の発明に係る無段変速機用伝動ベルトのエレメントの製造方法は、V溝プーリに摺接する傾斜面を両側に有し、かつ下側部分に薄肉部が設けられたサドル部を有し、他は薄肉部より板厚が厚く金属製の無端バンドを装着可能な無段変速機用伝動ベルトのエレメントの製造方法において、厚板からなる第1の板材からエレメントの外形と実質的に同一形状の第1のエレメント部を形成し、薄板からなる第2の板材から、サドル部の下側部分を除くエレメントの外形と実質的に同一形状の第2のエレメント部を形成して、第1のエレメント部に形成した突起部と第2のエレメント部に形成した係合孔とを介して、第1のエレメント部と第2のエレメント部とを結合し、エレメントを製造する。これにより、従来のように、減肉加工を行うことなく、また異厚材を使用することなく、サドル部の下側部分に薄肉部が形成されたエレメントを製造できる。また、第1のエレメント部に形成された突起部は、第2のエレメント部とのかしめ結合用としてのみ使用されるのではなく、第1のエレメント部に第2のエレメント部を結合するためのかしめ結合用、及び各エレメントが多数連続した状態を維持するための位置決め用としても使用できる。そして、第1、第2の板材の板厚をそれぞれ変えることで、薄肉部の厚みや段差の設定を様々に行うことができる。
【0007】
前記目的に沿う第2の発明に係る無段変速機用伝動ベルトのエレメントの製造方法は、使用にあってはV溝プーリの内側壁に接する傾斜面が両側に設けられ、かつ下側部分が薄肉部となったサドル部と、サドル部の上側位置に形成された上板部と、上板部とサドル部との間に形成され、金属製の無端バンドを装着可能なバンド保持部とを備えた無段変速機用伝動ベルトのエレメントの製造方法において、帯状の第1の板材からエレメントの外形と実質的に同一形状で、第1の板材の長さ方向に部分連結された第1のエレメント部をプレス加工し、その上板部に凹部及び凹部に嵌入可能な大きさの先部を備えた突起部をプレス加工によって形成する第1工程と、第1の板材より板厚が薄い第2の板材から、サドル部の下側部分を除くエレメントの外形と実質的に同一形状で、かつ突起部の基部が嵌入可能な係合孔をその上板部に備えた第2のエレメント部をプレス加工によって形成する第2工程と、第1のエレメント部の突起部を第2のエレメント部の係合孔に嵌入かつ突起部を第2のエレメント部の係合孔から突出させた状態で、第1のエレメント部に第2のエレメント部を結合(例えば、積層)する第3工程と、第2のエレメント部が結合された第1のエレメント部を個々に分離する第4工程とを有する。このように、帯状の第1の板材に、長さ方向に部分連結された第1のエレメント部を形成し、この状態で第2のエレメント部の結合を行った後、第4工程で個々に分離してエレメントを製造するので、エレメントの製造を連続して安定に行うことができる。また、従来のように、減肉加工を行うことなく、また異厚材を使用することなく、サドル部の下側部分に薄肉部が形成されたエレメントを製造できる。そして、第1のエレメント部に形成された突起部は、従来のように、第2のエレメント部とのかしめ結合用としてのみ使用されるのではなく、第1のエレメント部に第2のエレメント部を結合するためのかしめ結合用、及び各エレメントが多数連続した状態を維持するための位置決め用としても使用できる。更に、第1、第2の板材の板厚をそれぞれ変えることで、薄肉部の厚みや段差の設定を様々に行うことができる。
【0008】
ここで、第1、第2の発明に係る無段変速機用伝動ベルトのエレメントの製造方法において、第1、第2の板材は帯状となって、第2のエレメント部は、第2の板材の長手方向に連続して形成され、第2のエレメント部を第1のエレメント部に結合したときに、プレス加工によって個々に分離されることが好ましい。このように、第2のエレメント部を第1のエレメント部に結合したときに、第2のエレメント部がプレス加工によって個々に分離されるので、エレメントの製造を効率的に行うことができる。
第1、第2の発明に係る無段変速機用伝動ベルトのエレメントの製造方法において、第1の板材と第2の板材のプレス加工ラインは、交叉状態で配置されることが好ましい。これにより、第1の板材と第2の板材のプレス加工ラインの交叉部分で、第2のエレメント部の第1のエレメント部への結合を行うと共に、第2の板材から第2のエレメント部を分離できる。
第1、第2の発明に係る無段変速機用伝動ベルトのエレメントの製造方法において、第2のエレメント部は、予めプレス加工されて第1のエレメント部に結合されることが好ましい。これにより、予め製造した第2のエレメント部を用いてエレメントを製造できる。
【0009】
【発明の実施の形態】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
ここに、図1は本発明の一実施の形態に係る無段変速機用伝動ベルトのエレメントの製造方法の説明図、図2(A)、(B)はそれぞれ同エレメントの製造方法で製造するエレメントの正面図、側面図、図3は同エレメントの製造方法の第3工程の説明図、図4(A)、(B)はそれぞれ同エレメントの使用状態を示す説明図である。
【0010】
まず、図2(A)、(B)を参照しながら、本発明の一実施の形態に係る無段変速機用伝動ベルトのエレメントの製造方法を適用して製造したエレメント10について説明する。
エレメント10は、材質が例えば、炭素工具鋼(SK)、合金工具鋼(SKS)、その他の焼入れ焼戻し可能な合金鋼等からなって、金型によって形状加工された第1、第2のエレメント部11、12が厚み方向に結合されたものであり、その厚みが例えば1.8〜2.5mmである。このエレメント10は、下側部分に薄肉部13が設けられたサドル部14と、このサドル部14の上側位置に、連結部15を介して一体的に連結され、角部が丸くなった2等辺三角形の上板部16とを有している。またエレメント10は、この連結部15の左右であって、サドル部14と上板部16との間に形成され、金属製の無端バンドを装着可能なバンド保持部の一例である平行溝部17、18を備えている。以下、詳しく説明する。
【0011】
図1、図2(A)、(B)に示すように、エレメント10の第1のエレメント部11は、前記した材質で構成され、板厚が例えば1.5〜2mmの厚板からなる帯状の条材A(第1の板材の一例)から金型により、正面視してエレメント10の外形(輪郭)と実質的に同一形状に形状加工されたものである。また、エレメント10の第2のエレメント部12は、前記した材質で構成され、前記第1のエレメント部11より板厚が薄く、例えば0.5〜1.0mmの薄板からなる帯状の条材B(第2の板材の一例)から金型により、正面視してサドル部14の下側部分を除くエレメント10の外形(輪郭)と実質的に同一形状に形状加工されたものである。
ここで、エレメント10のサドル部14、連結部15、及び上板部16は、第1、第2のエレメント部11、12にそれぞれ設けられた第1、第2のサドル部19、20、第1、第2の連結部21、22、及び第1、第2の上板部23、24でそれぞれ構成される。
【0012】
第1、第2のサドル部19、20で構成されたサドル部14は、使用にあってはV溝プーリの内側壁に摺接する直線状の傾斜面25、26が両側に設けられ、かつ前記板厚の厚い第1のエレメント部11と前記板厚の薄い第2のエレメント部12とを結合したことにより、サドル部14の下側部分に自動的に薄肉部13が形成されている。傾斜部25、26の傾斜角度は、組立てられた状態の無段変速機用伝動ベルトを使用するV溝プーリの内側壁の傾斜角度に一致している。このように、サドル部14は、第2のエレメント部12の下端である途中位置27から上方への厚みが第1、第2のエレメント部11、12の厚みとなり、連結部15及び上板部16の厚みと同一となっているが、途中位置27から下方へかけては第1のエレメント部11のみの厚みとなっている。これにより、サドル部14に段差が設けられる。
なお、サドル部14の下端部には、全体の重量を軽減するために左右対となる切り込み28、29が設けられている。
【0013】
第1、第2の上板部23、24で構成されたエレメント10の上板部16の各斜辺30、31は、内側に緩やかに湾曲している。ここで、第1のエレメント部11の第1の上板部23の同一位置の表裏、即ち第1の上板部23の中央部分の一方(背側)には凹部32が、他方(前側)には突起部33がそれぞれ設けられている。この凹部32は断面円形の丸孔からなり、突起部33は先細りの円錐台状突起からなって、その先部からなる凸部35は、隣合うエレメント10の凹部32に僅少の隙間を有して嵌入可能である。また、第2のエレメント部12の第2の上板部24の中央部分には、第1の上板部23の突起部33の基部が嵌入可能な貫通状態の係合孔34が設けられている。なお、突起部33の高さHは係合孔34の深さdよりも大きく、しかも第1のエレメント部11に第2のエレメント部12を結合した場合の突起部33の突出部である凸部35の高さは、凹部32の深さよりも小さくなって、積層状態にある隣りのエレメント10の傾斜角度が多少変わっても、凸部35が凹部32に常時嵌入するようになって、複数の積重ねられたエレメント10の姿勢を常時一定に保つ機能を有している。
また、連結部15とサドル部14との接続部分には、サドル部14側に入り込んだ部分円形の逃げ溝36、37がそれぞれ設けられ、また連結部15と上板部16との接続部分には、上板部16側に入り込んだ部分円形の逃げ溝38、39がそれぞれ設けられている。
【0014】
サドル部14、上板部16、及び連結部15によって形成される左右の平行溝部17、18は、この部分に十分な強度を有し繰返し曲げに強い材質からなる断面長方形の金属製の無端バンド84、85(一般に、スチール、無端リングとも言われる)がそれぞれ嵌入している(図5(B)参照)。従って、このエレメント10において、V溝プーリの接する傾斜面25、26と無端バンド84、85に接する平行溝部17、18の形状が、一定の品質を保持する必要がある。
このように構成することで、無段変速機用伝動ベルトがV溝プーリに沿って回る場合、各エレメント10の凹部32に凸部35を係合させた状態で、薄肉部13により各エレメント10を円滑に接触させることが可能になる(図4(B)参照)。
【0015】
続いて、本発明の一実施の形態に係る無段変速機用伝動ベルトのエレメントの製造方法について説明する。
本発明の一実施の形態に係る無段変速機用伝動ベルトのエレメントの製造方法は、条材Aから第1のエレメント部11を形成する第1工程と、条材Bから第2のエレメント部12を形成する第2工程と、第1及び第2工程でそれぞれ形成された第1、第2のエレメント部11、12を結合する第3工程と、製造されたエレメント10を個々に分離する第4工程とを有している。ここで、条材Aの下流側で条材Bが直交して搬送され、条材Aと条材Bの各プレス加工ライン40、41が十字状(なす角が90度)に交叉している。なお、第1工程と第2工程は同時に進行している。
【0016】
まず、図1を参照しながら第1工程について説明する。
第1工程では、第1のエレメント部11の形状を形成可能なパンチとダイとを備えた金型装置(図示しない)を用いて、材料メーカーで製造され、所望サイズにスリット(切断)された条材Aにプレス加工し、第1のエレメント部11の外側部分を打抜き、第1のエレメント部11の輪郭部42を形成する。
この金型装置で形成された輪郭部42は、第1のサドル部19の下端と、隣合う輪郭部42の第1の上板部23の上端とを、条材Aの長さ方向に、連結片43により部分連結された状態で連続的に形成される。そして、この輪郭部42にプレス加工を施し、第1の上板部23に凹部32と突起部33を形成して第1のエレメント部11を製造する。
なお、プレス加工によって、第1の上板部23に凹部32と突起部33を形成した後、金型装置によって第1のエレメント部11の外側部分を打抜くことも可能である。
【0017】
次に、第2工程について説明する。
第2工程では、第2のエレメント部12の形状を形成可能なパンチとダイとを備えた金型装置(図示しない)を用いて、材料メーカーで製造され、所望サイズにスリット(切断)された条材Bにプレス加工し、第2のエレメント部12の外側部分を打抜き、第2のエレメント部12の輪郭部44を形成する。
この金型装置で形成された輪郭部44は、隣合う輪郭部44の各第2の上板部24を、条材Bの長手方向に、連結片45により部分連結された状態で連続的に形成される。そして、この輪郭部44にプレス加工を施し、第2の上板部24に係合孔34を形成して第2のエレメント部12を製造する。
なお、プレス加工によって、第2の上板部24に係合孔34を形成した後、金型装置によって第2のエレメント部12の外側部分を打抜くことも可能である。
【0018】
第3工程では、第1工程で形成された第1のエレメント部11に、第2工程で形成された第2のエレメント部12を結合する。
条材Aと条材Bの交叉部分には、条材Bから第2のエレメント部12を打抜き個々に分離する金型装置(図示しない)が配置されている。図3に示すように、第1のエレメント部11の上方に第2のエレメント部12が搬送されたときに、この金型装置によって条材Bから第2のエレメント部12の打抜き(プレス加工)を行うことで、第1のエレメント部11の突起部33を第2のエレメント部12の係合孔34に嵌入させ、突起部33の基部に係合孔34をかしめ結合させて、凸部35を係合孔34から突出させた状態で第1のエレメント部11に第2のエレメント部12を結合する。このように、金型装置内で、条材Bから第2のエレメント部12を分離し、第1のエレメント部11に第2のエレメント部12をかしめ結合するので、生産性が高い。
【0019】
第2のエレメント部12が結合された第1のエレメント部11は、更に第1、第2のエレメント部11、12の周辺部の成形が行われる。第1、第2のエレメント部11、12の外側部分を打抜いた時点では、サドル部14、連結部15、及び上板部16の周辺部にバリが生じる。しかし、サドル部14の各傾斜面25、26はV溝プーリに接する部分であり、またサドル部14、連結部15、及び上板部16の平行溝部17、18を形成する部分は無端バンドが装着される部分であるため、バリの発生や寸法精度の悪さがエレメント10の製品品質を悪くする。このため、エレメント10の最終形状に対応した形状(角に丸みを備えた形状)のパンチ及びダイを備えた仕上げ金型装置により、サドル部14、連結部15、及び上板部16の周囲の仕上げ加工を行う。
なお、第1、第2工程でそれぞれ第1、第2のエレメント部11、12の形成が行われた後、仕上げ金型装置を用いて、第1、第2のサドル部19、20、第1、第2の連結部21、22、及び第1、第2の上板部23、24の周囲の仕上げ加工を行い、第1のエレメント部11に第2のエレメント部12を結合してエレメント10を製造することも可能である。
【0020】
そして、第2のエレメント部12が結合された第1のエレメント部11は、条材Aに連結片43を介して一部固定された状態で熱処理が行われる。この熱処理は、エレメント10が例えば、耐衝撃性、耐摩耗性、靱性等を有するように、焼入れ、又は焼入れ焼戻し等を行うものである。
焼入れは、一部がオーステナイト化する温度、例えば第1、第2のエレメント部11、12の材質の成分組成にもよるが、例えば750℃以上に加熱し、強制冷却して行う。また、焼入れ後の焼戻しは、焼入れ歪みを除去し、しかも打抜き品の固溶炭素を減らさない温度範囲で行うことが好ましく、例えば250℃以下で行う。
なお、それぞれの加熱温度、加熱時間、冷却時間等は、材料が決まれば周知の技術であるので、詳しい説明を省略する。この熱処理は、全部のエレメント10が条材Aに一部連結された状態で行うと、均一な熱処理を行うことができ、更には、作業を連続的に行うこともできる。
【0021】
以上の処理によって、上記特性を有するエレメント10が製造できるので、第4工程では、切り離し装置(例えば、トリム装置)を用いて、パンチによって第2のエレメント部12が結合された第1のエレメント部11を個々に分離し、エレメント10を製造する。この分離は、前記パンチにより容易に行うことができる。
なお、エレメント10の仕上げ加工が行われた後、条材Aからエレメント10を切り離し、バッチ処理で熱処理を行うことも可能である。
このようにして製造されたエレメント10を多数個、例えば100〜400個連続して接続した形態で使用することで、図5(A)に示すように、伝動ベルトが駆動側プーリから被駆動側プーリへ走行している場合、及び被駆動側プーリから駆動側プーリへ走行している場合は、図4(A)に一部を示しているように、伝動ベルトは側面視して真っ直ぐに進行する。また、駆動側プーリを通って被駆動側プーリ側に走行方向を変える場合、或いは、被駆動側プーリを通って駆動側プーリ側に走行方向を変える場合は、図4(B)に示すように、各エレメント10が円滑に各プーリの周りを回れる。
【0022】
以上、本発明を、実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。例えば、前記したそれぞれの実施の形態や変形例の一部又は全部を組合せて本発明の無段変速機用伝動ベルトのエレメントの製造方法を構成する場合も本発明の権利範囲に含まれる。
また、前記実施の形態においては、条材Aと条材Bとを使用し、条材Aと条材Bとの交叉部分で第3工程を実施した場合について説明したが、条材Bを予めプレス加工して第2のエレメント部の単体物を形成し、この単体物を第1のエレメント部に結合してエレメントを製造することも可能である。
【0023】
そして、前記実施の形態においては、条材Aと条材Bのプレス加工ラインを十字状に交叉させた状態で配置した場合について説明したが、十字状に交叉させることなく、条材Aと条材Bとのなす角を例えば0度より大きく90度より小さい角度に設定することも可能である。
更に、前記実施の形態においては、第2のエレメント部の係合孔に、第1のエレメント部の突起部の基部をかしめ結合した場合について説明したが、更に、第1のエレメント部と第2のエレメント部との接触部分、例えば、上板部、連結部、サドル部の上部分等にかしめ部を設け、第1、第2のエレメント部の結合状態を更に強固なものにすることも可能である。また、突起部の基部と係合孔とをかしめ結合することなく、上記した結合を行うことも可能である。ここで、第1のエレメント部と第2のエレメント部との接触部分に設けるかしめ部は、左右対称に設けることが好ましい。
【0024】
【発明の効果】
請求項1〜5記載の無段変速機用伝動ベルトのエレメントの製造方法においては、従来のように、減肉加工を行うことなく、また異厚材を使用することなく、サドル部の下側部分に薄肉部が形成されるので、作業性良く、しかも経済的にエレメントを製造できる。
また、第1のエレメント部に形成された突起部は、第2のエレメント部とのかしめ結合用としてのみ使用されるのではなく、第1のエレメント部に第2のエレメント部を結合するためのかしめ結合用、及び各エレメントが多数連続した状態を維持するための位置決め用としても使用できる。これにより、伝動ベルトがプーリの周りを回る際の動きがスムーズになり、しかも騒音を発する恐れがなくなる。なお、第1、第2のエレメント部のかしめ強度は、第2のエレメント部に形成した係合孔の大きさを変えることで設定できるので、第1のエレメント部に形成した突起部の加工が制約されず、従来の突起加工と同じ難易度で容易に加工できる。
そして、第1、第2の板材の板厚をそれぞれ変えることで、薄肉部の厚みや段差の設定を様々に行うことができるので、例えば無段変速機の大きさや用途に応じたエレメントを容易に製造できる。
【0025】
請求項2及びこれに従属する請求項3〜5記載の無段変速機用伝動ベルトのエレメントの製造方法においては、帯状の第1の板材に、長さ方向に部分連結された第1のエレメント部を形成し、この状態で第2のエレメント部の結合を行った後、第4工程で個々に分離してエレメントを製造するので、エレメントを連続して安定に、しかも生産性良く製造できる。
特に、請求項3記載の無段変速機用伝動ベルトのエレメントの製造方法においては、第2のエレメント部を第1のエレメント部に結合したときに、第2のエレメント部がプレス加工によって個々に分離されるので、エレメントの製造を効率的に行うことができ、生産効率を高めることができる。
【0026】
請求項4記載の無段変速機用伝動ベルトのエレメントの製造方法においては、第1の板材と第2の板材のプレス加工ラインの交叉部分で、第2のエレメント部と第1のエレメント部とを結合すると共に、第2の板材から第2のエレメント部を分離できるので、製造ライン上で生産性良くエレメントを製造できる。
請求項5記載の無段変速機用伝動ベルトのエレメントの製造方法においては、予め製造した第2のエレメント部を用いて、エレメントを製造できるので、大掛かりな設備投資を行う必要がなく、経済的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る無段変速機用伝動ベルトのエレメントの製造方法の説明図である。
【図2】(A)、(B)はそれぞれ同エレメントの製造方法で製造するエレメントの正面図、側面図である。
【図3】同エレメントの製造方法の第3工程の説明図である。
【図4】(A)、(B)はそれぞれ同エレメントの使用状態を示す説明図である。
【図5】(A)、(B)はそれぞれ従来例に係る無段変速機の説明図、無段変速機用伝動ベルトの部分拡大図である。
【図6】同無段変速機用伝動ベルトの進行方向が変わる場合の説明図である。
【図7】従来例に係る無段変速機用伝動ベルトに使用されるエレメントの説明図である。
【符号の説明】
10:エレメント、11:第1のエレメント部、12:第2のエレメント部、13:薄肉部、14:サドル部、15:連結部、16:上板部、17、18:平行溝部(バンド保持部)、19:第1のサドル部、20:第2のサドル部、21:第1の連結部、22:第2の連結部、23:第1の上板部、24:第2の上板部、25、26:傾斜面、27:途中位置、28、29:切り込み、30、31:斜辺、32:凹部、33:突起部、34:係合孔、35:凸部、36〜39:逃げ溝、40、41:プレス加工ライン、42:輪郭部、43:連結片、44:輪郭部、45:連結片
Claims (5)
- V溝プーリに摺接する傾斜面を両側に有し、かつ下側部分に薄肉部が設けられたサドル部を有し、他は該薄肉部より板厚が厚く金属製の無端バンドを装着可能な無段変速機用伝動ベルトのエレメントの製造方法において、
厚板からなる第1の板材から前記エレメントの外形と実質的に同一形状の第1のエレメント部を形成し、薄板からなる第2の板材から、前記サドル部の下側部分を除く前記エレメントの外形と実質的に同一形状の第2のエレメント部を形成して、前記第1のエレメント部に形成した突起部と前記第2のエレメント部に形成した係合孔とを介して、前記第1のエレメント部と前記第2のエレメント部とを結合し、前記エレメントを製造することを特徴とする無段変速機用伝動ベルトのエレメントの製造方法。 - 使用にあってはV溝プーリの内側壁に接する傾斜面が両側に設けられ、かつ下側部分が薄肉部となったサドル部と、該サドル部の上側位置に形成された上板部と、該上板部と前記サドル部との間に形成され、金属製の無端バンドを装着可能なバンド保持部とを備えた無段変速機用伝動ベルトのエレメントの製造方法において、
帯状の第1の板材から前記エレメントの外形と実質的に同一形状で、該第1の板材の長さ方向に部分連結された第1のエレメント部をプレス加工し、その上板部に凹部及び該凹部に嵌入可能な大きさの先部を備えた突起部をプレス加工によって形成する第1工程と、
前記第1の板材より板厚が薄い第2の板材から、前記サドル部の下側部分を除く前記エレメントの外形と実質的に同一形状で、かつ前記突起部の基部が嵌入可能な係合孔をその上板部に備えた第2のエレメント部をプレス加工によって形成する第2工程と、
前記第1のエレメント部の突起部を前記第2のエレメント部の係合孔に嵌入かつ前記突起部を前記第2のエレメント部の係合孔から突出させた状態で、前記第1のエレメント部に前記第2のエレメント部を結合する第3工程と、
前記第2のエレメント部が結合された前記第1のエレメント部を個々に分離する第4工程とを有することを特徴とする無段変速機用ベルトのエレメントの製造方法。 - 請求項1及び2のいずれか1項に記載の無段変速機用伝動ベルトのエレメントの製造方法において、前記第1、第2の板材は帯状となって、前記第2のエレメント部は、前記第2の板材の長手方向に連続して形成され、前記第2のエレメント部を前記第1のエレメント部に結合したときに、プレス加工によって個々に分離されることを特徴とする無段変速機用ベルトのエレメントの製造方法。
- 請求項3記載の無段変速機用ベルトのエレメントの製造方法において、前記第1の板材と前記第2の板材のプレス加工ラインは、交叉状態で配置されることを特徴とする無段変速機用ベルトのエレメントの製造方法。
- 請求項1及び2のいずれか1項に記載の無段変速機用ベルトのエレメントの製造方法において、前記第2のエレメント部は、予めプレス加工されて前記第1のエレメント部に結合されることを特徴とする無段変速機用ベルトのエレメントの製造方法。
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