JP6071049B2 - プレス加工方法 - Google Patents

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Description

本発明は、金属板を金型内の複数の加工ステージに順次送りながら打ち抜きと圧縮を含む加工を行うプレス加工方法関する。
従来、素材である金属板を順次送りながら複数の工程をプレス加工する順送り加工方法において、加工対象物であるブランク材に圧縮工程を行うと、ブランク材が板厚方向と直交する横方向(面方向)に伸びて変形し、その変形がブランク材を保持しているキャリアに伝わりキャリアが面方向に広がるため、キャリア自体の寸法変化及び金型の各加工ステージにおけるブランク材の位置の変化が発生し、キャリア及びブランク材を精密に送ることが困難であった。このため、図9(A),(B)に示すように、特開2008−30065号公報にはワッシャの製造方法として、ブランク材1の周囲を予め打ち抜き、ブランク材1を2つ又は4つのブリッジ12で支持し、該ブリッジ12を金属板10の端部に設けられたキャリア11に繋いだ状態で、ブランク材1に圧縮工程を行う技術が開示されている。
一方、金属板を打ち抜いて製造されるワッシャの製造方法において、打ち抜かれたブランク材の切り口面の品質向上を目的として、特開2003−80322号公報には、金属板からワッシャを半抜きにする半抜き工程を経た後、完全に打ち抜くワッシャの製造方法が開示されている。
特開2008−30065号公報 特開2003−80322号公報
しかし、特許文献1に開示されている技術では、ブランク材の周囲を予め打ち抜く工程が必要になるとともに、ブランク材を繋ぐブリッジの長さ分ほどブランク材の周囲に余分な距離が必要となることから、スクラップが増加しやすいという課題があった。また、圧縮工程によるブランク材の変形がブリッジを経てキャリアに伝わることを完全に排除するのは容易ではなく、キャリアの寸法が変化してしまい、精密な順送り加工が困難になってしまう恐れもあった。
また、特許文献2に開示されている技術は、打ち抜かれたブランク材の切り口面の品質向上が目的であり、精密な順送り加工に関する技術については開示されていない。
本発明は、上記の点に鑑みなされたもので、その課題は、プレス加工のうち打ち抜きと圧縮を伴う順送り加工において、工程が簡素でありながら、スクラップを少なくでき、かつ精密な順送り加工ができるプレス加工方法提供することである。
本発明のプレス加工方法は、
金属板を金型内の複数の加工ステージに順次送りながら打ち抜きと圧縮を含む加工を行うプレス加工方法において、
打ち抜くブランク材に穴を設ける工程と、
肩部が面取りされたダイを用い、前記ブランク材を前記金属板の略板厚分突出させ前記ブランク材の切り口面及び前記ブランク材と前記金属板とを繋げる薄肉部を形成する第1打ち抜き工程と、
前記突出させた前記ブランク材の切り口面の周囲をダイで囲いながら前記ブランク材を板厚方向に圧縮することによりブランク材の面に凹凸を形成させるとともに、圧縮による前記ブランク材の面方向の変形を前記穴を変形させることによって吸収する圧縮工程と、
前記圧縮された前記ブランク材を前記金属板から完全に打ち抜く第2打ち抜き工程と、
を含むことを特徴とする。
本発明のプレス加工方法によれば、第1打ち抜き工程によって加工対象物となるブランク材を金属板の略板厚分突出させる。このとき、ダイの肩部が面取りされているため、ブランク材が剪断されることにより切り口面が形成されるとともに、面取りされている部分に金属板が薄肉部として残り、その薄肉部により金属板とブランク材が繋がれた状態となる。次に、突出させたブランク材に圧縮工程を行うが、ブランク材の切り口面の周囲をダイで囲っているため、圧縮工程によりブランク材に生じた板厚方向と直交する横方向(面方向)の変形は主に穴の内方向に向かってなされ穴が変形されることによって吸収される。これにより、ブランク材の変形が金属板及びブランク材を繋ぐキャリアには伝わらない。その後、第2打ち抜き工程により、圧縮工程されたブランク材が完全に打ち抜かれる。
このように、従来の製造方法にあった、ブランク材の周囲を予め打ち抜く工程が不要となるため、工程の簡素化が図られるとともに、従来の製造方法で必要となるブリッジに該当する部分のスクラップを低減できる。さらに、圧縮工程によりブランク材が面方向に変形しても金属板及びキャリアの寸法変化が発生せず、金型の各加工ステージにおけるブランク材の位置も変化しないため、精密な順送り加工が可能となる。なお、圧縮とはブランク材をその板厚方向に圧縮して、ブランク材の面に凹凸を形成させることをいい、押し込み加工、据え込み加工、コイニング加工、押し出し加工、刻印加工等が採用できる。また、凹凸を形成させるとは、ブランク材の面の一部が凹状又は凸状をなし、面全体で凹凸が形成されていることをいい、例えば、ブランク材の肩部に面取り、又はブランク材の面に突起、溝、模様等が施された状態をいう。
本発明の他のプレス加工方法は
金属板を金型内の複数の加工ステージに順次送りながら打ち抜きと圧縮を含む加工を行うプレス加工方法において、
打ち抜くブランク材に穴を設ける工程と、
肩部が面取りされたダイ及び肩部が面取りされたポンチを用い、前記ブランク材を前記金属板の略板厚分突出させ前記ブランク材の切り口面及び前記ブランク材と前記金属板とを繋げる薄肉部を形成する第1打ち抜き工程と、
前記突出させた前記ブランク材の切り口面の周囲をダイで囲いながら前記ブランク材を板厚方向に圧縮することによりブランク材の面に凹凸を形成させるとともに、圧縮による前記ブランク材の面方向の変形を前記穴を変形させることによって吸収する圧縮工程と、
前記圧縮された前記ブランク材を前記金属板から完全に打ち抜く第2打ち抜き工程と、
を含むことを特徴とする。
本発明の他のプレス加工方法によれば、第1打ち抜き工程において、ダイ及びポンチ共に肩部が面取りされている。このため、ブランク材を金属板の略板厚分突出させたとき、金属板とブランク材を繋ぐ薄肉部の肉厚が厚くなるため、ブランク材の突出高さをより高くさせることができる。これにより、圧縮工程によるブランク材の変形が金属板及びキャリアにより伝わりにくくなり、より高精度の順送り加工ができる。
本発明のプレス加工方法は、
金属板を金型内の複数の加工ステージに順次送りながら打ち抜きと圧縮を含む加工を行うプレス加工方法において、
肩部が面取りされたダイを用い、前記ブランク材を前記金属板の略板厚分突出させ前記ブランク材の切り口面及び前記ブランク材と前記金属板とを繋げる薄肉部を形成する第1打ち抜き工程と、
前記突出させた前記ブランク材の切り口面の周囲とダイとの間に隙間を設けながら前記ブランク材を板厚方向に圧縮することによりブランク材の面に凹凸を形成させるとともに、圧縮による前記ブランク材の面方向の変形を前記隙間に向かって変形させることによって吸収する圧縮工程と、
前記圧縮された前記ブランク材を前記金属板から完全に打ち抜く第2打ち抜き工程と、
を含むことを特徴とする。
また、本発明の他のプレス加工方法は、
金属板を金型内の複数の加工ステージに順次送りながら打ち抜きと圧縮を含む加工を行うプレス加工方法において、
肩部が面取りされたダイ及び肩部が面取りされたポンチを用い、前記ブランク材を前記金属板の略板厚分突出させ前記ブランク材の切り口面及び前記ブランク材と前記金属板とを繋げる薄肉部を形成する第1打ち抜き工程と、
前記突出させた前記ブランク材の切り口面の周囲とダイとの間に隙間を設けながら前記ブランク材を板厚方向に圧縮することによりブランク材の面に凹凸を形成させるとともに、圧縮による前記ブランク材の面方向の変形を前記隙間に向かって変形させることによって吸収する圧縮工程と、
前記圧縮された前記ブランク材を前記金属板から完全に打ち抜く第2打ち抜き工程と、
を含むことを特徴とする。
これらの本発明のプレス加工方法によれば、薄肉部により金属板とブランク材が繋がれた状態となることは、上記の発明のとおりであるが、加えてブランク材の切り口面の周囲とダイとの間に隙間が設けられているため、圧縮工程によりブランク材に生じた板厚方向と直交する横方向(面方向)の変形は、薄肉部及びブランク材が隙間方向に変形されることによって吸収され、金属板及びブランク材を繋ぐキャリアには伝わらない。
本発明のプレス加工方法の好ましい例は、
前記面取りが丸面取りであることを特徴とする。
本発明のプレス加工方法の好ましい例は、
前記第1打ち抜き工程、前記圧縮工程、前記第2打ち抜き工程を行う加工対象列を複数列並べて、並列に複数の製品を加工することを特徴とする。
本発明のプレス加工方法の好ましい例によれば、上述の発明において、金属板及びキャリアの変形、並びに金型の各加工ステージにおけるブランク材の位置の変化が発生しないため、第1打ち抜き工程、圧縮工程、第2打ち抜き工程を配した加工対象列を複数列配置した並列加工が容易となり、生産性の向上を図ることができる。さらに、ブランク材を送るためのキャリアが金属板の両端のみで済むため、よりスクラップの削減が可能となる。ここで、並列とは加工対象列が複数列配置されたもの全般をいい、金属板にブランク材が千鳥状に配置されている形態、及び所定の加工対象列で第2打ち抜き工程までが終了してから、他の加工対象列で第1打ち抜き工程を開始する形態も含まれる。
以上、説明したように、本発明のプレス加工方法よれば、圧縮と打ち抜きを伴う順送り加工において、ブランク材の周囲を予め打ち抜く工程が不要となるため、製造工程の簡素化を図ることができる。また、ブランク材を繋ぐブリッジが不要となるため、ブランク材同士又はブランク材とキャリアとの距離を短縮することが可能となり、スクラップの低減を図ることができる。さらに、圧縮工程によるブランク材の面方向の変形がキャリアに伝わらず、キャリアの寸法及び金型の各加工ステージにおけるブランク材の位置が変化しないため、精密な順送り加工ができる。
本発明の一実施形態に係るワッシャの製造方法の工程図である(第1実施形態)。 第1打ち抜き工程の金型を含む拡大断面図である(第1実施形態)。 第1打ち抜き工程の金型を含む拡大断面図である(第1実施形態)。 圧縮工程の金型を含む拡大断面図である。 本発明の一実施形態に係るワッシャの製造方法の工程図である(第2実施形態)。 第1打ち抜き工程の金型を含む拡大断面図である(第2実施形態)。 本発明の一実施形態に係るワッシャの製造方法の工程図である(第3実施形態)。 本発明の一実施形態に係るワッシャの製造方法の工程図である(第4実施形態)。 従来のワッシャの製造方法の工程図である。
以下、本発明のプレス加工方法及び金型の実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
[第1実施形態]
図1は、本発明の一実施形態に係る、ワッシャの製造方法の工程を示す図である。図1(A)は、該ワッシャの製造方法の工程図の平面図であり、図1(B)は、図1(A)のA−A線断面図であり、図1(C)は、それぞれの工程で打ち抜かれた部材の断面を示すものである。図2(A)、図3(A)は、第1打ち抜き工程を行う際の金属板と金型の拡大断面図であり、図2(B)、図3(B)は、そのときの金属板のみの拡大断面図である。また、図4(A)は、圧縮工程を行う際の金属板と金型の拡大断面図であり、図4(B)は、そのときの金属板のみの拡大断面図である。
図1(A),(B),(C)に示すように、金属板110は左から右に向かって順に図示しない金型の各加工ステージに送られ、図の右から左にかけて加工が進んでいく。そして、ブランク材101を金属板110の略板厚分突出させる第1打ち抜き工程(P140)と、突出させたブランク材101を板厚方向に圧縮する圧縮工程(P140の一部及びP150)と、圧縮された前記ブランク材101を前記金属板110から完全に打ち抜いてワッシャ100を得る第2打ち抜き工程(P160)とを含む加工がなされていく。以下に、各工程の詳細を説明する。
先ず、金属板110に、ワッシャ100の予備中心穴102と、金属板110を送る際に位置決めの基準となるパイロット穴103とを、公知のポンチとダイを用いて打ち抜く(P110)。このパイロット穴103は、キャリア111となる金属板110の幅方向の端部に設けることが好ましい。次に、上方から上面押し成形用ポンチを押し込んで予備中心穴102の上面の肩部105をテーパー状にする面押しを行う(P120)。このとき、予備中心穴102の径に対して金属板110の幅が十分に広いため、面押しによって金属板110を面方向へ変形させようとする力よりも予備中心穴102周囲の金属板110の強度の方が強い。このため、面押しによる金属板110の変形は、予備中心穴102の内側に向かってなされ、パイロット穴103の位置は変化しない。次に、予備中心穴102を公知のポンチとダイを用いて正規の寸法の径に打ち抜き、ワッシャ100の中心穴104を成形する(P130)。
次に、図2(A),(B)にも示すように、ワッシャ100の略外形をなすブランク材101を、第1打ち抜き工程用ポンチ120と第1打ち抜き工程用ダイ121により金属板110の略板厚分ほど突出させる第1打ち抜き工程を行うとともに、下方から下面押し成形用ポンチ122を押し込んで下面の中心穴104の肩部106をテーパー状にする面押し(圧縮工程)を行う(P140)。このとき、ブランク材101は、第1打ち抜き工程用ポンチ120とノックアウト123とで挟み込まれ、ブランク材101の周囲の金属板110は第1打ち抜き工程用ダイ121により保持される。
また、第1打ち抜き工程用ダイ121はその肩部130が丸面取りされており、ブランク材101を突出させたときに該丸面取り部分に金属板110が薄く残り、ブランク材101の周囲に薄肉部107が形成される。そして、該薄肉部107により、金属板110とブランク材101は繋がれた状態となる。これにより、下面押し成形用ポンチ122による面押し(圧縮工程)がなされても、ブランク材101が突出しているためブランク材101のみが変形し、ブランク材101の周囲の金属板110は変形せず、パイロット穴103の位置も変化しない。なお、このときのブランク材101の変形は、中心穴104の上面の肩部が上方向に変形することによりなされる。
ここで、ブランク材101を突出させる高さhは、薄肉部107が形成され金属板110とブランク材101が繋がれた状態となる高さhであれば特に限定されない。例えば、金属板110の板厚tに対して高さhは±0.5mmが採用できるが、0mm〜−0.5mmが好ましく、0mm〜−0.3mmがより好ましい。これは、金属板110の板厚tを超えてブランク材101を突出させると、第1打ち抜き工程において薄肉部107の肉厚が薄くなり、薄肉部107が破断しやすくなるためである。また、金属板110の板厚tに対して突出高さhを0.3mmより低くさせると第2打ち抜き工程においてブランク材101の切り口面にバリが残りやすくなるためであり、0.5mmより低くさせると圧縮工程においてブランク材101の面方向の変形がブランク材101の周囲の金属板110に伝わるか、ブランク材101自体が反る恐れがあり、精密な順送り加工が困難となるからである。なお、金属板110そのものの厚さは打ち抜きと圧縮ができる厚さであれば特に限定されないが、2mm〜13mm厚程度が好ましい。
また、第1打ち抜き工程用ダイ121の肩部130の丸面取りの寸法は、半径0.1mm〜1.0mmが好ましく、半径0.3mm〜1.0mmがより好ましい。これは、丸面取りの半径が0.3mm未満となるとダイの摩耗により丸面取りの寸法が変化しやすくなるためであり、0.1mm未満となると、第1打ち抜き工程において薄肉部107の肉厚が薄くなり、ブランク材101が金属板110から脱落してしまう恐れがあるためである。また、丸面取りの半径が1.0mmを超えると第2打ち抜き工程においてブランク材101の切り口面にバリが残りやすくなるためである。
またここで、図3(A),(B)に示すように、第1打ち抜き工程(P140)においてブランク材101を金属板110の略板厚分突出させるときに、第1打ち抜き工程用ダイ121及び第1打ち抜き工程用ポンチ120ともに肩部130,131が丸面取りされたものを用いることができる。これによると、ブランク材101を突出させたときにブランク材101と金属板110を繋ぐ薄肉部107の肉厚が厚くなるため、ブランク材101の突出高さhをより高くできる。
このときのブランク材101を突出させる高さhは、薄肉部107が形成され金属板110とブランク材101が繋がれた状態となる高さhであれば特に限定されない。例えば、金属板110の板厚tに対して高さhは−0.5mm〜+1.0mmが採用できるが、0mm〜+0.5mmが好ましく、0mm〜+0.3mmがより好ましい。これは、ブランク材101の突出高さhを金属板110の板厚t以上とすることで、ブランク材101の面方向の変形がブランク材101の周囲の金属板110により伝わりにくくなるためである。また、突出高さhが金属板110の板厚tに加え0.3mmを超えると、第2打ち抜き工程においてブランク材101の切り口面にバリが残りやすくなるためであり、0.5mmを超えると薄肉部107の肉厚が薄くなり薄肉部107が破断する恐れがあるためである。
また、第1打ち抜き工程用ダイ121及び第1打ち抜き工程用ポンチ120の肩部130,131の丸面取りの寸法は、半径0.1mm〜1.0mmが好ましく、半径0.3mm〜1.0mmがより好ましい。これは、丸面取りの半径が0.3mm未満となるとダイ及びポンチの摩耗により丸面取りの寸法が変化しやすくなるためであり、0.1mm未満となると、第1打ち抜き工程において薄肉部107の肉厚が薄くなり、ブランク材101が金属板110から脱落してしまう恐れがあるためである。また、丸面取りの半径が1.0mmを超えると第2打ち抜き工程においてブランク材101の切り口面にバリが残りやすくなるためである。
次に、図4(A),(B)にも示すように、ブランク材101の上下から、中心穴104の肩部106に面押し修正用ポンチ124を押し付ける面押し修正加工(圧縮工程)を行い、肩部106のテーパー面を修正する(P150)。このとき、面押し修正用ポンチ124による面押し修正加工(圧縮工程)がなされても、ブランク材101が突出しているためブランク材101のみが面方向に変形し、ブランク材101の周囲の金属板110は変形せず、パイロット穴103の位置の変化も発生しない。また、必要に応じてブランク材101の平面部分を上下から挟み込む修正型125を適宜使用することができる。
次に、図1に戻り、公知のポンチとダイを用いて、薄肉部107で金属板110と繋がっているブランク材101を完全に打ち抜く第2打ち抜き工程を行い、ワッシャ100を得る。(P160)。
このように、本実施形態によれば、圧縮と打ち抜きを伴う順送り加工において、ブランク材の周囲を予め打ち抜く工程が不要となるため製造工程及び金型の簡素化を図ることができ、また、ブランク材を繋ぐブリッジが不要となるためブランク材同士又はブランク材とキャリアとの距離を短縮させることが可能となりスクラップの低減を図ることができ、さらに、ブランク材の変形がキャリアに伝わらず、キャリアの寸法、キャリアに設けられたパイロット穴の位置、及び金型の各加工ステージにおけるブランク材の位置が変化しないため、精密な順送り加工ができる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態を説明する。図5は、第2実施形態として、ワッシャの製造方法の工程を示す図である。図5(A)は、該ワッシャの製造方法の工程図の平面図であり、図5(B)は、図5(A)のB−B線断面図であり、図5(C)は、それぞれの工程で打ち抜かれた部材の断面を示すものである。図6(A)は、第1打ち抜き工程を行う際の金属板と金型の拡大断面図でありであり、図6(B)は、そのときの金属板のみの拡大断面図である。
図5(A),(B),(C)に示すように、金属板210は左から右に順に図示しない金型の各加工ステージに送られ、図の右から左にかけて加工が進んでいく。そして、ブランク材201を金属板210の略板厚分突出させる第1打ち抜き工程(P220)と、突出させたブランク材201を板厚方向に圧縮する圧縮工程(P220の一部、P240及びP250)と、圧縮された前記ブランク材201を前記金属板210から完全に打ち抜いてワッシャ200を得る第2打ち抜き工程(P260)とを含む加工が順になされていく。以下に各工程の詳細を説明する。
先ず、金属板210に、ワッシャ200の予備中心穴202と、金属板210を送る際に位置決めの基準となるパイロット穴203とを、公知のポンチとダイを用いて打ち抜く(P210)。
次に、図6(A),(B)にも示すように、ワッシャ200の略外形をなすブランク材201を、第1打ち抜き工程用ポンチ220と第1打ち抜き工程用ダイ221により、金属板210の略板厚分ほど突出させる第1打ち抜き工程を行うとともに、上方から上面押し成形用ポンチ226を押し込んで上面の予備中心穴202の肩部205をテーパー状にする面押し(圧縮工程)を行う(P220)。このとき、ブランク材201は、第1打ち抜き工程用ポンチ220とノックアウト223とで挟み込まれる。
このときの、第1打ち抜き工程により突出させるブランク材201の高さhと金属板210の板厚tとの寸法比、ブランク材201と金属板210を繋ぐ薄肉部207、ポンチ及びダイの肩部230の丸面取りについては、第1実施形態と同様である。また、上面押し成形用ポンチ226による面押しがなされても、金属板210の変形及びパイロット穴203の位置の変化が発生しないことも第1実施形態同様である。
次に、図5に戻り、予備中心穴202を公知のポンチとダイを用いて正規の寸法の径に打ち抜き、中心穴204を成形する(P230)。次に、下方から下面押し成形用ポンチを押し込んで下面の中心穴204の肩部206をテーパー状にする面押し(圧縮工程)を行った後(P240)、さらに、図4(A),(B)にも示すように、ブランク材201の上下から中心穴204の肩部206に面押し修正用ポンチ224を押し付ける面押し修正加工(圧縮工程)を行い、肩部206のテーパー面を修正する(P250)。これらの、下面押し成形用ポンチによる面押し(圧縮工程)、及び面押し修正用ポンチ224による面押し修正加工(圧縮工程)がなされても、第1実施形態同様にブランク材201が突出しているためブランク材201のみが変形し、ブランク材201の周囲の金属板210及びキャリア211は変形せず、パイロット穴203の位置の変化も発生しない。
次に、薄肉部207で金属板210と繋がっているブランク材201を公知のポンチとダイを用いて完全に打ち抜く第2打ち抜き工程を行い、ワッシャ200を得る。(P260)。
このように、本実施形態によれば、第1実施形態での効果に加え、すべての圧縮工程を第1打ち抜き工程の後に行うため、圧縮工程によるブランク材の面方向の変形がキャリア等に及ぼす影響を完全に排除できる。例えば、予備中心穴の径が大きい場合等、面押し(P220)による金属板が面方向へ変形しようとする力が強くなっても、圧縮工程によるブランク材の変形が金属板に伝わらず、高精度の順送り加工をすることができる。
[第3実施形態、第4実施形態]
次に、第3実施形態、第4実施形態を説明する。図7は、第3実施形態のワッシャの製造方法の工程を示す平面図であり、図8(A),(B)は、第4実施形態のワッシャの製造方法の工程を示す平面図である。
図7に示すように、第3実施形態は、第1実施形態の順送り加工を千鳥状に複数列並べたものである。これは、上述のように、第1打ち抜き工程によりブランク材が金属板310よりその略板厚分ほど突出され、圧縮工程によるブランク材の変形が金属板310に伝わらず、金属板310の変形及びパイロット穴303の位置の変化がない。これにより、従来の順送り加工では金属板310が変形し、ブランク材の位置が金属板310の送り方向のみならず、幅方向にも変化するため困難であった複数列による並列加工が容易にできる。
また、図8(A)に示すように、第4実施形態は、一の列の第2打ち抜き工程が終了してから、他の列の加工が始まるようにしている。これにより、金型の隣接する部位に加工ステージを複数列設ける必要がなくなり、金型の設計製作が容易になるとともに、図8(B)に示すように、加工対象とする列の数を増加させることも容易にできる。
このように、打ち抜きと圧縮を含む順送り加工を複数列並べて、並列に複数の製品を加工できるため、上述の実施形態による効果に加え、生産性の向上が図られるとともに、パイロット穴も金属板の両端のみで済み、スクラップのさらなる削減ができる。なお、加工対象とする列の数は、図示している2列又は4列に限定されるものではなく、また、上述の第2実施形態を複数列の加工とすることもできる。
なお、上述した各実施形態は、本発明のプレス加工方法及び金型の例示であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、構成の一部を適宜変更して実施できる。例えば、上述の実施形態では、圧縮工程として穴の肩部をテーパー状にする面押し加工を行っているが、他にも据え込み加工、コイニング加工、押し出し加工、刻印加工等ができる。また、上述の実施形態ではワッシャの製造方法及び金型について説明したが、打ち抜き加工と圧縮工程を伴うプレス加工であれば、他の製品にも応用できる。
1・・・ブランク材(従来例)
10・・・金属板(従来例)
11・・・キャリア(従来例)、
12・・・ブリッジ(従来例)、
100,200・・・ワッシャ、
101,201・・・ブランク材、
102,202・・・予備中心穴、
103,203,303,403・・・パイロット穴、
104,204・・・中心穴、
105,205・・・肩部(予備中心穴)、
106,206・・・肩部(中心穴)、
107,207・・・薄肉部、
110,210,310,410・・・金属板、
111,211,311,411・・・キャリア
120,220・・・第1打ち抜き工程用ポンチ、
121,221・・・第1打ち抜き工程用ダイ、
122・・・下面押し成形用ポンチ、
123,223・・・ノックアウト、
124,224・・・面押し修正用ポンチ、
125,225・・・修正型
226・・・上面押し成形用ポンチ、
130,230・・・肩部(ダイ)、
131・・・肩部(ポンチ)、
h・・・突出高さ、
t・・・板厚、

Claims (6)

  1. 金属板を金型内の複数の加工ステージに順次送りながら打ち抜きと圧縮を含む加工を行うプレス加工方法において、
    打ち抜くブランク材に穴を設ける工程と、
    肩部が面取りされたダイを用い、前記ブランク材を前記金属板の略板厚分突出させ前記ブランク材の切り口面、及び前記ブランク材と前記金属板とを繋げる薄肉部を形成する第1打ち抜き工程と、
    前記突出させた前記ブランク材の切り口面の周囲をダイで囲いながら前記ブランク材を板厚方向に圧縮することによりブランク材の面に凹凸を形成させるとともに、圧縮による前記ブランク材の面方向の変形を前記穴を変形させることによって吸収する圧縮工程と、
    前記圧縮された前記ブランク材を前記金属板から完全に打ち抜く第2打ち抜き工程と、
    を含むことを特徴とするプレス加工方法。
  2. 金属板を金型内の複数の加工ステージに順次送りながら打ち抜きと圧縮を含む加工を行うプレス加工方法において、
    打ち抜くブランク材に穴を設ける工程と、
    肩部が面取りされたダイ及び肩部が面取りされたポンチを用い、前記ブランク材を前記金属板の略板厚分突出させ前記ブランク材の切り口面、及び前記ブランク材と前記金属板とを繋げる薄肉部を形成する第1打ち抜き工程と、
    前記突出させた前記ブランク材の切り口面の周囲をダイで囲いながら前記ブランク材を板厚方向に圧縮することによりブランク材の面に凹凸を形成させるとともに、圧縮による前記ブランク材の面方向の変形を前記穴を変形させることによって吸収する圧縮工程と、
    前記圧縮された前記ブランク材を前記金属板から完全に打ち抜く第2打ち抜き工程と、
    を含むことを特徴とするプレス加工方法。
  3. 金属板を金型内の複数の加工ステージに順次送りながら打ち抜きと圧縮を含む加工を行うプレス加工方法において、
    肩部が面取りされたダイを用い、前記ブランク材を前記金属板の略板厚分突出させ前記ブランク材の切り口面、及び前記ブランク材と前記金属板とを繋げる薄肉部を形成する第1打ち抜き工程と、
    前記突出させた前記ブランク材の切り口面の周囲とダイとの間に隙間を設けながら前記ブランク材を板厚方向に圧縮することによりブランク材の面に凹凸を形成させるとともに、圧縮による前記ブランク材の面方向の変形を前記隙間に向かって変形させることによって吸収する圧縮工程と、
    前記圧縮された前記ブランク材を前記金属板から完全に打ち抜く第2打ち抜き工程と、
    を含むことを特徴とするプレス加工方法。
  4. 金属板を金型内の複数の加工ステージに順次送りながら打ち抜きと圧縮を含む加工を行うプレス加工方法において、
    肩部が面取りされたダイ及び肩部が面取りされたポンチを用い、前記ブランク材を前記金属板の略板厚分突出させ前記ブランク材の切り口面、及び前記ブランク材と前記金属板とを繋げる薄肉部を形成する第1打ち抜き工程と、
    前記突出させた前記ブランク材の切り口面の周囲とダイとの間に隙間を設けながら前記ブランク材を板厚方向に圧縮することによりブランク材の面に凹凸を形成させるとともに、圧縮による前記ブランク材の面方向の変形を前記隙間に向かって変形させることによって吸収する圧縮工程と、
    前記圧縮された前記ブランク材を前記金属板から完全に打ち抜く第2打ち抜き工程と、
    を含むことを特徴とするプレス加工方法。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項に記載のプレス加工方法において、
    前記面取りが丸面取りであることを特徴とするプレス加工方法。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1項に記載のプレス加工方法において、
    前記第1打ち抜き工程、前記圧縮工程、前記第2打ち抜き工程を行う加工対象列を複数列並べて、並列に複数の製品を加工することを特徴とするプレス加工方法。
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