JP2004154839A - 曲げフランジを備えた金属部材およびその加工用金型構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】曲げフランジの加工限界を超えて内Rの大きさを変えることなく、金属部材の厚さを変えないで、現状の1.5倍以上の曲げフランジ高さを確保でき、なおかつ破断の発生がない曲げフランジを備えた金属部材を提供する。
【解決手段】曲線と直線をつなげた形状を含んでいる曲げフランジ2を備えた金属部材1において、前記曲げフランジ2の1部分3の肉厚を他の部分の板厚よりも薄くする曲げフランジを備えた。
【選択図】 図1
【解決手段】曲線と直線をつなげた形状を含んでいる曲げフランジ2を備えた金属部材1において、前記曲げフランジ2の1部分3の肉厚を他の部分の板厚よりも薄くする曲げフランジを備えた。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、曲線と直線をつなげた形状を含んでいる曲げフランジを備えた金属部材およびその加工用金型構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図12は金属部材を示す断面図である。図13は図12の金属部材を加工する金型構造を示す概略図である。機械部品の強度を増大する方法として使用される図12のような曲線的(曲線と直線をつなげた形状も含む)形状の曲げフランジ2を有する金属部材1は、図13に示す所望の曲げフランジパンチ9とそれに対向する一定のクリアランスCを持つダイ10において金属部材を挟み込むことにより所望の曲げフランジ形成を行う。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
図14は現状の曲げフランジ加工の限界値を表の形で示す図である。曲げフランジ形状においては、図14に示す値が、材料の伸びに関係して加工限界といわれている。
図15は曲げフランジの破断を示す斜視図である。最近の製品における要望により強度増大のために曲げフランジ2の高さを現状の加工限界よりも高くしたいとの要望が有る。しかしながら、図14の値を超えて加工した場合(例えば、板厚:0.8、内R:8、h1:6で加工したとき)、曲げフランジ2の上面端面が図15のように破断する。
図16は曲げフランジの破断原因を説明する金属部材の平面図である。曲げフランジ2が破断する原因は、図16のように曲げフランジ2の底面部展開寸法4に比べ曲げフランジ2の上面部の展開寸法5が短いことにある。
図17は曲げフランジの破断原因を説明する金属部材の斜視図である。図16で示した理由により、曲げフランジ加工時に曲げフランジ2の底面部の長さ6は変化しないが、曲げフランジ2上面部が曲げフランジ2の底面部と同じ長さになる必要があるため、hが高くなるにしたがってより多くの引張り応力7がかかることになる。
この引張り応力7の限界値を超えると破断が発生する。図18は金属部材の応力−ひずみ線(ストレッチャーストレイン)図である。引張り応力7の限界値は、金属部材により異なるが、図18の応力−ひずみ線図から把握することできる。
図19は金属部材を示す断面図である。図20は図19の金属部材の側面図である。上記問題の対応としてh1(図20)を低くすること、内R(図19)を大きくして引張り応力を減少させるか金属部材の板厚を厚くするにより加工限界値を向上させること(図14参照)により対応することができる。
しかしながら、製品レイアウト上、h1の高さを低くすることおよび内Rを大きくすることができない場合や、重量の増大が製品規格上できない場合や、金属部材を厚くすることによりコストアップになることから金属部材を厚くすることができない場合は、図14に示す値で設計している状況である。
図21は曲げフランジを備えた金属部材を用いた複写機構造体を示す概略図である。図において、金属部材1の先端部には重量物が載置されるため強度が必要である。この強度を得るために、従来は、曲げフランジ高さとして約10mm程度しか加工できなかったため、別部材を溶接で取り付けるなどの技術を用いていた。
本発明の第1の目的は、曲げフランジの加工限界を超えて内Rの大きさを変えることなく、金属部材の厚さを変えないで、現状の1.5倍以上の曲げフランジ高さを確保でき、なおかつ破断の発生がない曲げフランジを備えた金属部材を提供することにある。
本発明の第2の目的は、曲げフランジの加工限界を超えて内Rの大きさを変えることなく、金属部材の厚さを変えないで、現状の1.5倍以上の曲げフランジ高さを確保でき、なおかつ破断の発生がない曲げフランジを備えた金属部材を加工する金型構造を提供することにある。
本発明の第3の目的は、複写機構造体の部品として使用される、曲げフランジの加工限界を超えて内Rの大きさを変えることなく、金属部材の厚さを変えないで、現状の1.5倍以上の曲げフランジ高さを確保でき、なおかつ破断の発生がない曲げフランジを備えた金属部材を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決するために、請求項1記載の発明では、曲線と直線をつなげた形状を含んでいる曲げフランジを備えた金属部材において、前記曲げフランジの1部分の肉厚を他の部分の板厚よりも薄くすることを特徴とする曲げフランジを備えた金属部材を最も主要な特徴とする。
請求項2記載の発明では、前記曲げフランジのR部内側に一部肉厚を薄くするようにくぼみを形成したことを特徴とする請求項1記載の曲げフランジを備えた金属部材を主要な特徴とする。
請求項3記載の発明では、前記曲げフランジのR部外側に一部肉厚を薄くするようにくぼみを形成したことを特徴とする請求項1記載の曲げフランジを備えた金属部材を主要な特徴とする。
請求項4記載の発明では、曲線と直線をつなげた形状を含んでいる曲げフランジを備えた金属部材を加工する金型構造において、前記曲げフランジ1部分の肉厚を他の部分の肉厚よりも薄くするような曲げフランジのクリアランスを有することを特徴とする金型構造を最も主要な特徴とする。
請求項5記載の発明では、前記曲げフランジのR部内側に一部肉厚を薄くするようにくぼみを形成するために、R部に突起を持つパンチを備えたことを特徴とする請求項4記載の金型構造を主要な特徴とする。
請求項6記載の発明では、前記曲げフランジのR部外側に一部肉厚を薄くするようにくぼみを形成するために、R部に突起を持つダイを備えたことを特徴とする請求項4記載の金型構造を主要な特徴とする。
請求項7記載の発明では、複写機構造体の部品として使用されることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項記載の曲げフランジを備えた金属部材を主要な特徴とする。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に示した形態例により詳細に説明する。図1は本発明による金属部材の曲げフランジの第1の実施の形態を示す概略図である。金属部材1の曲げフランジ2の肉厚を不均一にした形状、すなわち、曲げフランジを部分的に狭くした形状である。
図2は本発明による金属部材の曲げフランジの第2の実施の形態を示す概略図である。図2において、曲げフランジ2のR部3内側に一部肉厚を薄くするようにくぼみ3aを設けている。曲げフランジ2のR部3が他の部分より狭くなっている。
図3は本発明による金属部材の曲げフランジの第3の実施の形態を示す概略図である。曲げフランジ2のR部3外側に一部肉厚を薄くするようにくぼみ3bを設けている。
図4は第2および第3の実施の形態の曲げフランジのR部のくぼみの第1の実施例を示す概略図である。図5は第2および第3の実施の形態の曲げフランジのR部のくぼみの第2の実施例を示す概略図である。図6は第2および第3の実施の形態の曲げフランジのR部のくぼみの第3の実施例を示す概略図である。
図4において、くぼみ3aの形状はV字状である。図5において、くぼみ3aの形状は丸形である。図6において、くぼみ3aの形状は矩形である。
図2の金属部材1の曲げフランジ2のR部3内側に一部肉厚を薄くするようにくぼみ3aを設けている。このくぼみ3aは、数が多いほど良い。くぼみ3aの形状としては、V字状のもの(図4)が一番効果的であるが、丸いもの(図5)、四角いもの(図6)、4角以上の多角形でも良い。
これらのくぼみ3aは引張り応力を部分的に分断し、曲げフランジ2全体を伸ばす効果があると共にくぼみ3aの肉が曲げフランジ加工時に発生する引張り応力により金属部材1の肉が足りなくなる部分に供給され加工限界が向上する。
図3の金属部材1の曲げフランジ2のR部3外側に一部肉厚を薄くするようにくぼみ3bを設けている。このくぼみ3bも図2の実施の形態のくぼみ3aと同じ効果を有しており、その内容は図2の実施の形態と同じであるので説明は省略する。
上記した3つの実施の形態は単独で実施しても効果は高いが、第1の実施の形態と第2の実施の形態、第1の実施の形態と第3の実施の形態と組み合わせて実施した場合は、なお効果が高い。
【0006】
図7は金属部材の曲げフランジを形成する形成工程を示す図である。図7では、例えば、プレス加工工程を示している。ノックアウトプレート8の上に金属部材1を載置した状態で、所望のダイ10に対しパンチR中心をダイR中心より先端部(約20%程度狭くなるように)に設定したパンチ9が下降する。
ノックアウトプレート8とダイ10に対しパンチR中心をダイR中心より先端部に設定したパンチ9にて金属部材1を押えることによって固定し、この状態にてダイ10に対しパンチR中心をダイR中心より先端部に設定したパンチ9は、なお下降しダイ10に接触して曲げフランジ加工が開始される。
金属部材1は、ダイ10に対しパンチR中心をダイR中心より先端部に設定したパンチ9とダイ10にて徐々に挟み込まれながら下降する。この時、R先端部で約20%程度クリアランスが狭いため、その余った肉は、金属部材1が足りなくなった部分に供給されるため、その分加工限界が向上する。
図8は、金属部材の曲げフランジ形状の肉厚を不均一にする金型構造の第1の実施の形態を示す概略図である。図8において、パンチ9とダイ10との間の直線部に近いところの曲げのクリアランスCは、加工される金属部材1の板厚とほぼ同等であり、曲げの頂点部に近づく程、曲げのクリアランスC1を狭くしている。
基本的には、この実施の形態では、板厚の20%程度狭く(t=1の場合、0.8程度)している。これにより曲げフランジ加工時に発生する引張り応力で金属部材1の肉が足りなくなる部分に板厚が狭くなった部分の肉が供給され加工限界が向上する。
【0007】
図9は金属部材の曲げフランジ形状の肉厚を不均一にする金型構造の第2の実施の形態を示す概略図である。図において、パンチ9は金属部材1の曲げフランジ形状のR部にくぼみを形成する突起形状部分9aを有している。
図10は金属部材の曲げフランジ形状の肉厚を不均一にする金型構造の第3の実施の形態を示す概略図である。図において、ダイ10は金属部材1の曲げフランジ形状のR部にくぼみを形成する突起形状部分10aを有している。
図11は曲げフランジ形状を有する金属部材を用いた複写機構造体を示す概略図である。図において、金属部材1の先端部には重量物が載置されるため強度が必要である。このような部分への金属部材の使用も本発明の金属部材1の曲げフランジであれば、曲げ高さを20mm程度まで増大させたため、重量物の載置のための強度に対応できる。
【0008】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1〜3によれば、曲げフランジ加工時に発生する引張り応力で金属部材の肉が足りなくなる部分に肉が供給されかつ引張り応力を分断することにより金属部材にかかる引張り応力が緩和されるので、前述した図の加工限界を超えても内Rの大きさおよび板厚の変動無しに従来に比べて1.5倍以上の曲げフランジ高さを得ることができる。
請求項4〜6によれば、曲げフランジ加工時に発生する引張り応力で金属部材の肉が足りなくなる部分に肉が供給されかつ引張り応力を分断することにより金属部材にかかる引張り応力が緩和される曲げフランジを備えた金属材料を加工し得る金型構造を提供する。
請求項7によれば、複写機構造体の部品として使用するのに適する強度を増大した曲げフランジを備えた金属部材を提供する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による金属部材の曲げフランジの第1の実施の形態を示す概略図。
【図2】本発明による金属部材の曲げフランジの第2の実施の形態を示す概略図。
【図3】本発明による金属部材の曲げフランジの第3の実施の形態を示す概略図。
【図4】第2および第3の実施の形態の曲げフランジのR部のくぼみの第1の実施例を示す概略図。
【図5】第2および第3の実施の形態の曲げフランジのR部のくぼみの第2の実施例を示す概略図。
【図6】第2および第3の実施の形態の曲げフランジのR部のくぼみの第3の実施例を示す概略図。
【図7】金属部材の曲げフランジを形成する形成工程を示す図。
【図8】金属部材の曲げフランジ形状の肉厚を不均一にする金型の構成の第1の実施の形態を示す概略図。
【図9】金属部材の曲げフランジ形状の肉厚を不均一にする金型の構成の第2の実施の形態を示す概略図。
【図10】金属部材の曲げフランジ形状の肉厚を不均一にする金型の構成の第3の実施の形態を示す概略図。
【図11】曲げフランジ形状を有する金属部材を用いた複写機構造体を示す概略図。
【図12】金属部材を示す断面図。
【図13】図12の金属部材を加工する金型構造を示す概略図。
【図14】現状の曲げフランジ加工の限界値を表の形で示す図。
【図15】曲げフランジの破断を示す斜視図。
【図16】曲げフランジの破断原因を説明する金属部材の平面図。
【図17】曲げフランジの破断原因を説明する金属部材の斜視図。
【図18】金属部材の応力−ひずみ線(ストレッチャーストレイン)図。
【図19】金属部材を示す断面図。
【図20】図18の金属部材の側面図。
【図21】曲げフランジを備えた金属部材を用いた複写機構造体を示す概略図。
【符号の説明】
1 金属部材
2 曲げフランジ
3 R部(曲げフランジの1部分)
3a くぼみ
3b くぼみ
9 パンチ
9a 突起(突起形状部分)
10 ダイ
10a 突起(突起形状部分)
【発明の属する技術分野】
本発明は、曲線と直線をつなげた形状を含んでいる曲げフランジを備えた金属部材およびその加工用金型構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図12は金属部材を示す断面図である。図13は図12の金属部材を加工する金型構造を示す概略図である。機械部品の強度を増大する方法として使用される図12のような曲線的(曲線と直線をつなげた形状も含む)形状の曲げフランジ2を有する金属部材1は、図13に示す所望の曲げフランジパンチ9とそれに対向する一定のクリアランスCを持つダイ10において金属部材を挟み込むことにより所望の曲げフランジ形成を行う。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
図14は現状の曲げフランジ加工の限界値を表の形で示す図である。曲げフランジ形状においては、図14に示す値が、材料の伸びに関係して加工限界といわれている。
図15は曲げフランジの破断を示す斜視図である。最近の製品における要望により強度増大のために曲げフランジ2の高さを現状の加工限界よりも高くしたいとの要望が有る。しかしながら、図14の値を超えて加工した場合(例えば、板厚:0.8、内R:8、h1:6で加工したとき)、曲げフランジ2の上面端面が図15のように破断する。
図16は曲げフランジの破断原因を説明する金属部材の平面図である。曲げフランジ2が破断する原因は、図16のように曲げフランジ2の底面部展開寸法4に比べ曲げフランジ2の上面部の展開寸法5が短いことにある。
図17は曲げフランジの破断原因を説明する金属部材の斜視図である。図16で示した理由により、曲げフランジ加工時に曲げフランジ2の底面部の長さ6は変化しないが、曲げフランジ2上面部が曲げフランジ2の底面部と同じ長さになる必要があるため、hが高くなるにしたがってより多くの引張り応力7がかかることになる。
この引張り応力7の限界値を超えると破断が発生する。図18は金属部材の応力−ひずみ線(ストレッチャーストレイン)図である。引張り応力7の限界値は、金属部材により異なるが、図18の応力−ひずみ線図から把握することできる。
図19は金属部材を示す断面図である。図20は図19の金属部材の側面図である。上記問題の対応としてh1(図20)を低くすること、内R(図19)を大きくして引張り応力を減少させるか金属部材の板厚を厚くするにより加工限界値を向上させること(図14参照)により対応することができる。
しかしながら、製品レイアウト上、h1の高さを低くすることおよび内Rを大きくすることができない場合や、重量の増大が製品規格上できない場合や、金属部材を厚くすることによりコストアップになることから金属部材を厚くすることができない場合は、図14に示す値で設計している状況である。
図21は曲げフランジを備えた金属部材を用いた複写機構造体を示す概略図である。図において、金属部材1の先端部には重量物が載置されるため強度が必要である。この強度を得るために、従来は、曲げフランジ高さとして約10mm程度しか加工できなかったため、別部材を溶接で取り付けるなどの技術を用いていた。
本発明の第1の目的は、曲げフランジの加工限界を超えて内Rの大きさを変えることなく、金属部材の厚さを変えないで、現状の1.5倍以上の曲げフランジ高さを確保でき、なおかつ破断の発生がない曲げフランジを備えた金属部材を提供することにある。
本発明の第2の目的は、曲げフランジの加工限界を超えて内Rの大きさを変えることなく、金属部材の厚さを変えないで、現状の1.5倍以上の曲げフランジ高さを確保でき、なおかつ破断の発生がない曲げフランジを備えた金属部材を加工する金型構造を提供することにある。
本発明の第3の目的は、複写機構造体の部品として使用される、曲げフランジの加工限界を超えて内Rの大きさを変えることなく、金属部材の厚さを変えないで、現状の1.5倍以上の曲げフランジ高さを確保でき、なおかつ破断の発生がない曲げフランジを備えた金属部材を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決するために、請求項1記載の発明では、曲線と直線をつなげた形状を含んでいる曲げフランジを備えた金属部材において、前記曲げフランジの1部分の肉厚を他の部分の板厚よりも薄くすることを特徴とする曲げフランジを備えた金属部材を最も主要な特徴とする。
請求項2記載の発明では、前記曲げフランジのR部内側に一部肉厚を薄くするようにくぼみを形成したことを特徴とする請求項1記載の曲げフランジを備えた金属部材を主要な特徴とする。
請求項3記載の発明では、前記曲げフランジのR部外側に一部肉厚を薄くするようにくぼみを形成したことを特徴とする請求項1記載の曲げフランジを備えた金属部材を主要な特徴とする。
請求項4記載の発明では、曲線と直線をつなげた形状を含んでいる曲げフランジを備えた金属部材を加工する金型構造において、前記曲げフランジ1部分の肉厚を他の部分の肉厚よりも薄くするような曲げフランジのクリアランスを有することを特徴とする金型構造を最も主要な特徴とする。
請求項5記載の発明では、前記曲げフランジのR部内側に一部肉厚を薄くするようにくぼみを形成するために、R部に突起を持つパンチを備えたことを特徴とする請求項4記載の金型構造を主要な特徴とする。
請求項6記載の発明では、前記曲げフランジのR部外側に一部肉厚を薄くするようにくぼみを形成するために、R部に突起を持つダイを備えたことを特徴とする請求項4記載の金型構造を主要な特徴とする。
請求項7記載の発明では、複写機構造体の部品として使用されることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項記載の曲げフランジを備えた金属部材を主要な特徴とする。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に示した形態例により詳細に説明する。図1は本発明による金属部材の曲げフランジの第1の実施の形態を示す概略図である。金属部材1の曲げフランジ2の肉厚を不均一にした形状、すなわち、曲げフランジを部分的に狭くした形状である。
図2は本発明による金属部材の曲げフランジの第2の実施の形態を示す概略図である。図2において、曲げフランジ2のR部3内側に一部肉厚を薄くするようにくぼみ3aを設けている。曲げフランジ2のR部3が他の部分より狭くなっている。
図3は本発明による金属部材の曲げフランジの第3の実施の形態を示す概略図である。曲げフランジ2のR部3外側に一部肉厚を薄くするようにくぼみ3bを設けている。
図4は第2および第3の実施の形態の曲げフランジのR部のくぼみの第1の実施例を示す概略図である。図5は第2および第3の実施の形態の曲げフランジのR部のくぼみの第2の実施例を示す概略図である。図6は第2および第3の実施の形態の曲げフランジのR部のくぼみの第3の実施例を示す概略図である。
図4において、くぼみ3aの形状はV字状である。図5において、くぼみ3aの形状は丸形である。図6において、くぼみ3aの形状は矩形である。
図2の金属部材1の曲げフランジ2のR部3内側に一部肉厚を薄くするようにくぼみ3aを設けている。このくぼみ3aは、数が多いほど良い。くぼみ3aの形状としては、V字状のもの(図4)が一番効果的であるが、丸いもの(図5)、四角いもの(図6)、4角以上の多角形でも良い。
これらのくぼみ3aは引張り応力を部分的に分断し、曲げフランジ2全体を伸ばす効果があると共にくぼみ3aの肉が曲げフランジ加工時に発生する引張り応力により金属部材1の肉が足りなくなる部分に供給され加工限界が向上する。
図3の金属部材1の曲げフランジ2のR部3外側に一部肉厚を薄くするようにくぼみ3bを設けている。このくぼみ3bも図2の実施の形態のくぼみ3aと同じ効果を有しており、その内容は図2の実施の形態と同じであるので説明は省略する。
上記した3つの実施の形態は単独で実施しても効果は高いが、第1の実施の形態と第2の実施の形態、第1の実施の形態と第3の実施の形態と組み合わせて実施した場合は、なお効果が高い。
【0006】
図7は金属部材の曲げフランジを形成する形成工程を示す図である。図7では、例えば、プレス加工工程を示している。ノックアウトプレート8の上に金属部材1を載置した状態で、所望のダイ10に対しパンチR中心をダイR中心より先端部(約20%程度狭くなるように)に設定したパンチ9が下降する。
ノックアウトプレート8とダイ10に対しパンチR中心をダイR中心より先端部に設定したパンチ9にて金属部材1を押えることによって固定し、この状態にてダイ10に対しパンチR中心をダイR中心より先端部に設定したパンチ9は、なお下降しダイ10に接触して曲げフランジ加工が開始される。
金属部材1は、ダイ10に対しパンチR中心をダイR中心より先端部に設定したパンチ9とダイ10にて徐々に挟み込まれながら下降する。この時、R先端部で約20%程度クリアランスが狭いため、その余った肉は、金属部材1が足りなくなった部分に供給されるため、その分加工限界が向上する。
図8は、金属部材の曲げフランジ形状の肉厚を不均一にする金型構造の第1の実施の形態を示す概略図である。図8において、パンチ9とダイ10との間の直線部に近いところの曲げのクリアランスCは、加工される金属部材1の板厚とほぼ同等であり、曲げの頂点部に近づく程、曲げのクリアランスC1を狭くしている。
基本的には、この実施の形態では、板厚の20%程度狭く(t=1の場合、0.8程度)している。これにより曲げフランジ加工時に発生する引張り応力で金属部材1の肉が足りなくなる部分に板厚が狭くなった部分の肉が供給され加工限界が向上する。
【0007】
図9は金属部材の曲げフランジ形状の肉厚を不均一にする金型構造の第2の実施の形態を示す概略図である。図において、パンチ9は金属部材1の曲げフランジ形状のR部にくぼみを形成する突起形状部分9aを有している。
図10は金属部材の曲げフランジ形状の肉厚を不均一にする金型構造の第3の実施の形態を示す概略図である。図において、ダイ10は金属部材1の曲げフランジ形状のR部にくぼみを形成する突起形状部分10aを有している。
図11は曲げフランジ形状を有する金属部材を用いた複写機構造体を示す概略図である。図において、金属部材1の先端部には重量物が載置されるため強度が必要である。このような部分への金属部材の使用も本発明の金属部材1の曲げフランジであれば、曲げ高さを20mm程度まで増大させたため、重量物の載置のための強度に対応できる。
【0008】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1〜3によれば、曲げフランジ加工時に発生する引張り応力で金属部材の肉が足りなくなる部分に肉が供給されかつ引張り応力を分断することにより金属部材にかかる引張り応力が緩和されるので、前述した図の加工限界を超えても内Rの大きさおよび板厚の変動無しに従来に比べて1.5倍以上の曲げフランジ高さを得ることができる。
請求項4〜6によれば、曲げフランジ加工時に発生する引張り応力で金属部材の肉が足りなくなる部分に肉が供給されかつ引張り応力を分断することにより金属部材にかかる引張り応力が緩和される曲げフランジを備えた金属材料を加工し得る金型構造を提供する。
請求項7によれば、複写機構造体の部品として使用するのに適する強度を増大した曲げフランジを備えた金属部材を提供する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による金属部材の曲げフランジの第1の実施の形態を示す概略図。
【図2】本発明による金属部材の曲げフランジの第2の実施の形態を示す概略図。
【図3】本発明による金属部材の曲げフランジの第3の実施の形態を示す概略図。
【図4】第2および第3の実施の形態の曲げフランジのR部のくぼみの第1の実施例を示す概略図。
【図5】第2および第3の実施の形態の曲げフランジのR部のくぼみの第2の実施例を示す概略図。
【図6】第2および第3の実施の形態の曲げフランジのR部のくぼみの第3の実施例を示す概略図。
【図7】金属部材の曲げフランジを形成する形成工程を示す図。
【図8】金属部材の曲げフランジ形状の肉厚を不均一にする金型の構成の第1の実施の形態を示す概略図。
【図9】金属部材の曲げフランジ形状の肉厚を不均一にする金型の構成の第2の実施の形態を示す概略図。
【図10】金属部材の曲げフランジ形状の肉厚を不均一にする金型の構成の第3の実施の形態を示す概略図。
【図11】曲げフランジ形状を有する金属部材を用いた複写機構造体を示す概略図。
【図12】金属部材を示す断面図。
【図13】図12の金属部材を加工する金型構造を示す概略図。
【図14】現状の曲げフランジ加工の限界値を表の形で示す図。
【図15】曲げフランジの破断を示す斜視図。
【図16】曲げフランジの破断原因を説明する金属部材の平面図。
【図17】曲げフランジの破断原因を説明する金属部材の斜視図。
【図18】金属部材の応力−ひずみ線(ストレッチャーストレイン)図。
【図19】金属部材を示す断面図。
【図20】図18の金属部材の側面図。
【図21】曲げフランジを備えた金属部材を用いた複写機構造体を示す概略図。
【符号の説明】
1 金属部材
2 曲げフランジ
3 R部(曲げフランジの1部分)
3a くぼみ
3b くぼみ
9 パンチ
9a 突起(突起形状部分)
10 ダイ
10a 突起(突起形状部分)
Claims (7)
- 曲線と直線をつなげた形状を含んでいる曲げフランジを備えた金属部材において、前記曲げフランジの一部分の肉厚を他の部分の板厚よりも薄くすることを特徴とする曲げフランジを備えた金属部材。
- 前記曲げフランジのR部内側に一部肉厚を薄くするようにくぼみを形成したことを特徴とする請求項1記載の曲げフランジを備えた金属部材。
- 前記曲げフランジのR部外側に一部肉厚を薄くするようにくぼみを形成したことを特徴とする請求項1記載の曲げフランジを備えた金属部材。
- 曲線と直線をつなげた形状を含んでいる曲げフランジを備えた金属部材を加工する金型構造において、前記曲げフランジ一部分の肉厚を他の部分の肉厚よりも薄くするような曲げフランジのクリアランスを有することを特徴とする金型構造。
- 前記曲げフランジのR部内側に一部肉厚を薄くするようにくぼみを形成するために、R部に突起を持つパンチを備えたことを特徴とする請求項4記載の金型構造。
- 前記曲げフランジのR部外側に一部肉厚を薄くするようにくぼみを形成するために、R部に突起を持つダイを備えたことを特徴とする請求項4記載の金型構造。
- 複写機構造体の部品として使用されることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項記載の曲げフランジを備えた金属部材。
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