JP5390998B2 - コネクタ - Google Patents

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Description

本発明は、コネクタに係り、特に、パッキンを用いて防止性を備えたものに関する。
図5は、従来のコネクタ200を斜め後方から見た斜視図であり、図6は、コネクタ200を斜め前方から見た斜視図であり、図7は、図6におけるコネクタ200の断面斜視図である。
従来のコネクタ200は、たとえば、HEV(Hybrid Electric Vehicle;ハイブリッド電気自動車)のインバータに直接取り付けられるインバータ用コネクタであり、アルミケース202とパッキン204と端子206とを備えている。
HEVのインバータは車両のエンジンルーム内に配置されており確実に防水する必要があるので、コネクタ200(アルミケース202)前面のインバータ筐体に接する部分に、環状のパッキン204が設けられている。そして、パッキン204により、端子206が設けられているアルミケース202の内部を防水している。なお、アルミケース202は、樹脂成形と同様にして金型を用いダイキャストで成形されているので、抜き勾配が必要である。
アルミケース202は、大電流が流れる電気接続部分等で発生するノイズを除去するために、アルミニウムもしくはこの合金で構成されている。
また、アルミケース202の内側には、コネクタ設置部208が形成されており、コネクタ設置部208では、接続用コネクタ210を介して端子212が一体的に設けられている。
なお、従来の技術に関連する特許文献として、たとえば、特許文献1、特許文献2を掲げることができる。
特開2004−327169号公報 特開2006−48998号公報
ところで、パッキン204をアルミケース202で確実に保持するためのロック部を設定するためには、アルミケース202に、たとえば、穴を設けたりロックビークを設けたりする必要がある。これによって発生するアルミケース202のアンダーカット部に対処するために、金型にコマを設定する必要があり、金型の構成が煩雑になる。
また、アルミケース202内を確実に防水する必要があるので、端子206が設置されるアルミケース202内に、パッキン204を固定する為の穴を設けることは困難である。
したがって、従来のコネクタ200では、パッキン204を固定・保持することが困難であり、インバータ(電気機器)からコネクタ200を外してあるとき(コネクタ200を梱包して輸送するときを含む)に、パッキン204がアルミケース202から外れてしまうという問題がある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、コネクタの内部を防水することができると共に、電気機器から取り外されているときに、ケースからパッキンが外れてしまうことを防止できるコネクタを提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、環状に形成されたパッキン本体部と、このパッキン本体部から外側に延出している少なくとも一対の耳部と、これらの耳部に設けられた被係止部とを具備したパッキンと、開口部を備えたケース本体部の前記開口部周辺に設けられ前記パッキン本体部が設置されている環状のパッキン設置部と、前記ケース本体部のパッキン設置部を囲むようにして前記ケース本体部に一体的に設けられたフランジ部と、前記パッキン設置部と前記フランジ部の背面とをお互いにつなぐようにして前記ケース本体部に設けられ、前記耳部のそれぞれが通り抜けている少なくとも一対のケース貫通孔と、前記フランジ部の背面に設けられ、前記耳部の被係止部のそれぞれが係止されている少なくとも一対の係止部とを具備したケースとを有し、前記一対の耳部の被係止部はパッキン貫通孔で構成されており、前記ケースの一対の係止部は、前記パッキン貫通孔を貫通している突起で構成されており、前記ケースから前記パッキンが分離されている状態では、前記一対の突起の間の距離が、前記一対のパッキン貫通孔の間の距離よりも大きくなっており、前記ケースに前記パッキンを設置した状態では、前記一対のパッキン貫通孔の間で、前記パッキンが弾性変形し、前記パッキンに引っ張り応力が発生しているコネクタである。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のコネクタにおいて、前記パッキン本体部は、長円状に形成されており、前記各耳部は、前記パッキン本体部の長手方向の両端部に設けられているコネクタである。
本発明によれば、コネクタの内部を防水することができると共に、電気機器から取り外されているときに、ケースからパッキンが外れてしまうことを防止できるコネクタを提供することができるという効果を奏する。
本発明の実施形態に係るコネクタの概略構成を示す図であってコネクタを斜め後方から見た斜視図である。 コネクタの概略構成を示す図であってコネクタを斜め前方から見た斜視図である。 コネクタの断面の一部を示す図である。 コネクタにおいて、ケースからパッキンを取り外した状態を示す図であって、斜め後方からケースとパッキンとを見た斜視図である。 従来のコネクタを斜め後方から見た斜視図である。 従来のコネクタを斜め前方から見た斜視図である。 従来のコネクタの断面斜視図である。
図1は、本発明の実施形態に係るコネクタ1の概略構成を示す図であってコネクタ1を斜め後方から見た斜視図である。図2は、コネクタ1の概略構成を示す図であってコネクタ1を斜め前方から見た斜視図である。図3は、コネクタ1の断面の一部を示す図である。図4は、コネクタ1において、ケース3からパッキン5を取り外した状態を示す図であって、斜め後方からケース3とパッキン5とを見た斜視図である。
コネクタ1は、従来のコネクタ200と同様に、たとえば、HEVのインバータに直接取り付けられるインバータ用コネクタであり、ケース3とパッキン5とを備えて構成されている。
ここで、説明に便宜のために、コネクタ1(ケース3、パッキン5)における一方向(コネクタ1をインバータに設置したときインバータの筐体表面に対して直交する方向)を前後方向とし、特に、コネクタ1のインバータ側を前側とし、コネクタ1のインバータとは反対側を後側とする。また、前後方向に対して直交する1つの方向をコネクタ1等の横方向とし、前後方向および横方向に直交する方向をコネクタ1等の縦方向とする。
パッキン(パッキング)5は、ゴム等の弾性体で構成されており、環状に形成された本体部7と、この本体部7から外側に延出している一対の耳部9(9A,9B)とを備えて構成されている。なお、耳部9は、少なくとも一対設けられていればよい。すなわち、耳部9が、複数もしくは複数対設けられていてもよい。
一対の耳部9(9A,9B)それぞれの先端部側には、たとえば貫通孔で構成された被係止部11(11A,11B)が設けられている。
ケース3は、たとえば、アルミニム、アルミニウム合金等の金属、もしくは、導電性を備えた剛性の高い樹脂等の材料で構成されており、本体部13とフランジ部15とを備えて構成されている。
ケース3の本体部13は、たとえば方形な枡状で前側に開口部17を備えた形状に形成されている。開口部17の周辺には、パッキン5の本体部7が設置されている環状のパッキン設置部19が設けられている。
ケース3のフランジ部15は、たとえば、平板状で環状に形成されており、ケース3の本体部13のパッキン設置部19を囲むようにして(開口部17を囲むようにして)、本体部13に一体で設けられている。なお、平板状のフランジ部15の厚さ方向がケース3の前後方向になっている。
ケース3の本体部13には、パッキン5の耳部9に対応した一対の貫通孔21(21A,21B)が設けられている。貫通孔21は、パッキン設置部19とフランジ部15の背面(後面;コネクタ1をインバータに設置したときインバータの筐体表面に接するフランジ部15の面とは反対側の面)とをお互いにつなぐようにして本体部13の側部(横方向における両側部)に設けられている。そして、一対の耳部9(9A,9B)のそれぞれが一対の貫通孔21(21A,21B)のそれぞれを通り抜けて、耳部9の先端部側の部位が、フランジ部15の背面に達している。
なお、コネクタ1には、従来のコネクタ200と同様にして、コネクタ設置部208と接続用コネクタ210と端子212が設けられている。
また、ケース3の枡状の本体部13の側部の一部(縦方向の一方の側部)が開口しており(開口部25が形成されており)、枡状の本体部13の内側につながっている。したがって、コネクタ設置部は、枡状の本体部13に形成された貫通孔23内に形成されていることになる。そして、枡状の本体部13に設置された端子の一端部が、枡状の本体部13の開口部17から突出している。なお、枡状の本体部13の側部(縦方向の一方の側に位置している側部)に設けられている開口部25からは、本体部13に設置された端子の他端部、もしくは、この他端部に接続されている電線が突出もしくは延出していることもある。
フランジ部15の背面には、パッキン5の耳部9に対応した一対の係止部27が設けられている。係止部27は、たとえば、フランジ部15の背面から後方に突出している突起27(27A、27B)で構成されている。そして、各突起27(27A、27B)のそれぞれが、各貫通孔21(21A,21B)を貫通している各耳部9(9A,9B)の各貫通孔11(11A,11B)に入り込んで、パッキン5の被係止部が、ケース3の係止部に係止されている。
ところで、ケース3からパッキン5が分離されている状態では、フランジ部15に形成されている一対の突起27(27A,27B)の間の距離(ピッチp2)が、パッキン5に形成されている一対の貫通孔11(11A,11B)の間の距離(ピッチp1)よりもたとえば僅かに大きくなっている(図4参照)。
そして、ケース3にパッキン5を設置した状態では、一対の貫通孔11(11A,11B)の間でパッキン5が弾性変形し、パッキン5に引っ張り応力が発生している。
パッキン5の本体部7は、長円状に形成されており、パッキン設置部19も、同様に長円状に形成されている。各耳部9(9A,9B)は、パッキン5の本体部7の長手方向の両端部に設けられている。
長円状で環状のパッキン本体部7は、紐状に形成されている素材の長手方向の両端部同士をつないだ形態に形成されている。なお、紐状の素材は、この長手方向に直交する平面による断面が、所定形状の多角形(たとえば、一部の内角の大きさが180°よりも大きい「コ」字状の多角形;円形や楕円形でもよい。)に形成されている。
環状のパッキン本体部7では、前記素材断面の多角形の中心の軌跡で構成されるの環状の曲線(たとえば、長円状の曲線)が、ほぼ1つの平面上に位置するようになっている。環状のパッキン本体部7の直線状の中心軸は、前記環状の曲線の中心を通り、前記環状の曲線が存在している前記1つの平面に対して直交する方向(パッキン5をケース3に設置した状態では前後方向)に延びている。
ケース3のパッキン設置部19は、ケース3の開口部17(貫通孔23)を囲んで長円状に形成されている。そして、長円状のパッキン設置部19の長手方向が、コネクタ1等の横方向と一致している。また、パッキン設置部19は、フランジ部15の前面よりも後方に凹んで設けられており、パッキン設置部19の底面は、所定の幅の長円状で環状の平面で形成されている。パッキン設置部19の底面29からは、長円状で環状の突起31が、コネクタ1の前側に突出して設けられている。
そして、パッキン5(本体部7)をパッキン設置部19に設置した状態では、断面が「コ」字状のパッキン本体部7の凹部に、突起31が入り込んでおり、パッキン本体部7が、ケース3に支持されている。なお、パッキン本体部7は、フランジ部15の前面より僅かに前側に突出している。
各耳部9(9A,9B)は、基端部が矩形状で先端部が半円形状である平板状に形成されており、厚さ方向が、パッキン5の前後方向と一致するようにして、長円状のパッキン本体部7の長手方向でパッキン本体部7の両端部から突出している。また、各耳部(9A,9B)は、パッキン5の後方でパッキン本体部7から突出している。
そして、パッキン5をパッキン設置部19に設置した状態では、ケース3の貫通孔21(21A,21B)を耳部9(9A,9B)が貫通しており、耳部9(9A,9B)の厚さ方向の一方の面(前側の面)がフランジ部15の背面に接触し、耳部9(9A,9B)半円状部の中心部に設けられている貫通孔11(11A,11B)に、フランジ部15に設けられている突起27(27A,27B)が貫通している。
次に、ケース3とパッキン5とが分離されている状態から、ケース3にパッキン5を組み付ける(設置する)手順について説明する。
まず、パッキン5の本体部7をパッキン設置部19に設置する。この後、耳部9Aを貫通孔21Aに通し、耳部9Bを貫通孔21Bに通し、フランジ部15の突起27Aを耳部9Aの貫通孔11Aに通し、フランジ部15の突起27Bを耳部9Bの貫通孔11Bに通す。
すなわち、パッキン本体部7のパッキン設置部19への設置工程と、耳部9(9A,9B)やこの被係止部の係止部(フランジ部15の係止部)への設置工程とを同時に行うことなく、別工程で行う。
なお、ケース3のパッキン設置部19へのパッキン本体部7の設置は、パッキン本体部7の中心軸が前後方向に延びており、パッキン5がケース3の前側に位置してケース3から離れている状態で、パッキン5を後側に移動しケース3に近づけることによりなされる。
この後、前述したように、耳部9(9A,9B)を貫通孔21(21A,21B)に通し耳部9(9A,9B)の被係止部をフランジ部の係止部で係止することによって、ケース3へのパッキン5の設置がなされる。
ところで、インバータにコネクタ1を設置した状態では、フランジ部15の前面とパッキン本体部7とが、インバータの筐体に接触している。そして、パッキン本体部7が前後方向で弾性変形し、ケース3内部への水の浸入を防いでいる。なお、コネクタ1のインバータへの設置は、ケース3に設けられている貫通孔にボルトを貫通させてなされるようになっている。
コネクタ1によれば、ケース3のパッキン設置部19の周辺に設けられている貫通孔21(21A,21B)をパッキン5の耳部9(9A,9B)が通り抜け、ケース3のフランジ部15の背面に設けられている係止部に、パッキン5の耳部9(9A,9B)に設けられている被係止部が係合して、パッキン5がケース3に保持されているので、コネクタ1の内部(端子が設けられている内部)を防水することができると共に、インバータ等の電気機器から取り外されているときにおいて、ケース3からパッキン5が外れてしまうことを防止できる。
すなわち、パッキン本体部7の外側に位置している一対の耳部9(9A,9B)とフランジ部15の背面と一対の係止部と一対の被係止部とによってパッキン5がケース3に固定されているので、パッキン5がケース3の前側に外れようとしても、ケース3の被係止部に係止されているパッキン5の係止部やフランジ部15の背面によって、パッキン5の耳部(9A,9B)がフランジ部15の背面に引っ掛かって保持され、パッキン5がケース3の前側に外れないようになっている。
また、パッキン5をケース3に設置するときには、まず、パッキン本体部7をケース3のパッキン設置部19に設置し、この後の耳部9(9A,9B)を貫通孔21(21A,21B)に通し、被係止部を係止部に係止すればよいので、ケース3へのパッキン5の設置が容易になっている。
また、コネクタ1によれば、各被係止部(各貫通孔11A,11B)の間でパッキン5に引っ張り応力が発生しているので、ケース3に設置されているパッキン5が緩む(弛む)ことを防止することができ、コネクタ1を電気機器の筐体に設置するときや設置し終えたときに、パッキン本体部7が捩れる等して変形することを防止でき、防水性を一層確実に確保することができる。
また、コネクタ1によれば、一対の耳部9(9A,9B)がパッキン本体部7の長手方向の両端部に設けられているので、パッキン5への引っ張り応力の付与が安定してなされ、パッキン5が緩む(弛む)ことを一層的確に防止することができる。
1 コネクタ
3 ケース
5 パッキン
7 (パッキンの)本体部
9,9A,9B 耳部
11,11A,11B 被係止部(貫通孔)
13 (ケースの)本体部
15 フランジ部
17 開口部
19 パッキン設置部
21,21A,21B 貫通孔
27,27A,27B 係止部(突起)
p1,p2 距離

Claims (2)

  1. 環状に形成されたパッキン本体部と、このパッキン本体部から外側に延出している少なくとも一対の耳部と、これらの耳部に設けられた被係止部とを具備したパッキンと、
    開口部を備えたケース本体部の前記開口部周辺に設けられ前記パッキン本体部が設置されている環状のパッキン設置部と、前記ケース本体部のパッキン設置部を囲むようにして前記ケース本体部に一体的に設けられたフランジ部と、前記パッキン設置部と前記フランジ部の背面とをお互いにつなぐようにして前記ケース本体部に設けられ、前記耳部のそれぞれが通り抜けている少なくとも一対のケース貫通孔と、前記フランジ部の背面に設けられ、前記耳部の被係止部のそれぞれが係止されている少なくとも一対の係止部とを具備したケースと、
    を有し、前記一対の耳部の被係止部はパッキン貫通孔で構成されており、前記ケースの一対の係止部は、前記パッキン貫通孔を貫通している突起で構成されており、
    前記ケースから前記パッキンが分離されている状態では、前記一対の突起の間の距離が、前記一対のパッキン貫通孔の間の距離よりも大きくなっており、
    前記ケースに前記パッキンを設置した状態では、前記一対のパッキン貫通孔の間で、前記パッキンが弾性変形し、前記パッキンに引っ張り応力が発生していることを特徴とするコネクタ。
  2. 請求項1に記載のコネクタにおいて、
    前記パッキン本体部は、長円状に形成されており、
    前記各耳部は、前記パッキン本体部の長手方向の両端部に設けられていることを特徴とするコネクタ。
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