JP2006140080A - 防水コネクタ - Google Patents
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Abstract
【課題】 シール部材の座屈変形を防止できる防水コネクタを提供することにある。
【解決手段】 ハウジング10側に係止突起18が設けられ、シールリング30にはこの係止突起18を係止するための係止孔33を備えた係止部32が設けられている。このように、弾性のある材料で構成されるシールリング30ではなく、比較的硬い材料で構成されるハウジング10側に係止突起18が設けられているから、係止突起18に強度を持たせることができる。したがって、シールリング30の取り付け時に係止突起18が座屈することを防止し、取り付け作業を円滑かつ確実に行うことができる。
【選択図】 図9
Description
本発明は、防水コネクタに関する。
図10には、実開昭63−162470号公報に開示された防水コネクタ100を示した。この防水コネクタ100は、端子収容部101の外周に相手側コネクタ110のフード部111を受け入れ可能な嵌合空間102が設けられ、この嵌合空間102内部に筒状のシール部材103が装着されたものである。そして、このシール部材103によって端子収容部101の外壁面とフード部111の内周面との隙間がシールされるようになっている。
ところで、この種の防水コネクタ100では、メンテナンス等の必要により相手側コネクタ110を取り外す際に、シール部材103が一緒になって嵌合空間102から脱落してしまうことがある。そこで、これを防止する手段として、嵌合空間102の奥壁に保持孔104を設けるともに、シール部材103の後端には先端に径大の突起頭部105Aを設けた係止突起105を形成している。そして、この係止突起105における突起頭部105Aを保持孔104の孔縁に係止させることによって、シール部材103の前方への遊動、即ち嵌合空間102からの離脱を規制するようになっている。
実開昭63−162470号公報
ところが、上記のような構成では、シール部材103を嵌合空間102内に取り付ける際に、係止突起105の突起頭部105Aを潰しつつ保持孔104に通す必要がある。このため、大きな挿入抵抗を受けて係止突起105が座屈し、挿入作業に手間取るおそれがあった。
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、シール部材の座屈変形を防止できる防水コネクタを提供することにある。
上記の課題を解決するための請求項1の発明に係る防水コネクタは、端子金具を収容可能な端子収容部とこの端子収容部を取り囲むように設けられるフード部とが備えられたハウジングと、前記端子収容部と前記フード部との間に設けられて相手側ハウジングを収容可能な嵌合空間と、この嵌合空間内に装着されて前記ハウジングと前記相手側ハウジングとの間に挟み付けられることで両ハウジング間をシールするシール部材とを備えた防水コネクタであって、前記シール部材の外周面または内周面には係止孔を備えた係止部が張り出し形成される一方、前記嵌合空間の奥壁面には前記ハウジングの前記相手側ハウジングとの嵌合方向に突設されるとともに前記係止孔に挿入されて前記係止部と係止することで前記シール部材を抜止めする係止突起が設けられていることを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載の防水コネクタであって、前記係止突起が前記シール部材の外周面または内周面のうち前記係止部が設けられた側の面に沿って立ち上げられていることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、ハウジング側に係止突起が設けられ、シール部材にはこの係止突起を係止するための係止孔を備えた係止部が設けられている。このように、弾性のある材料で構成されるシール部材ではなく、比較的硬い材料で構成されるハウジング側に係止突起が設けられているから、係止突起に強度を持たせることができる。したがって、シール部材の取り付け時に係止突起が座屈することを防止し、取り付け作業を円滑かつ確実に行うことができる。
請求項2の発明によれば、係止突起が前記シール部材の外周面または内周面のうち前記係止部が設けられた側の面に沿って立ち上げられている。このような構成によれば、係止突起と嵌合空間の内壁部とでシール部材が挟み込まれ、支えられることとなるので、嵌合空間に相手側ハウジングが進入してくる際に、この相手側ハウジングによってシール部材が押されて座屈変形することを防止できる。
以下、本発明の防水コネクタを具体化した実施形態について、図1〜図9を参照しつつ詳細に説明する。本実施形態の防水コネクタ1には、相手側ハウジング40と嵌合可能なハウジング10が備えられ、このハウジング10の内部にはシールリング30が装着されている。なお、以下の説明において、両ハウジング10、40の嵌合面側をそれぞれ前方とする。
防水コネクタ1のハウジング10は雌側のコネクタハウジングであって、合成樹脂によって一体に形成されており、端子収容部11と、この端子収容部11の周囲に設けられたフード部12とを備えている(図1、図2参照)。
端子収容部11は、全体として横長のブロック状に形成されており、その内部には、雌側端子金具21を受入可能な複数のキャビティ14が前後方向に貫通して設けられている。各キャビティ14内の天井面には、それぞれ前方へ片持ち状に延出された形態のランス15が設けられている。
このキャビティ14に収容される雌側端子金具21には、角筒状に形成されて後述の雄側端子金具44と接合可能な角筒部22が形成され、その後部には、連結部23を介して電線Wの一端部を圧着するためのバレル部24が形成されている(図7を併せて参照)。バレル部24には、電線Wの端末とともに防水ゴム栓25が圧着されており、この防水ゴム栓25がキャビティ14の内壁に密着することにより、キャビティ14内の防水が図られるようになっている。そして、角筒部22の後端面にランス15の先端が係合することでこの雌側端子金具21の後方への抜け止めが図られている。
フード部12は、端子収容部11における前後方向の中央部分が外側へ向かって張り出されるとともにその張り出し端が前方へ突出されて、端子収容部11の前半部分の周囲を囲うとともに前方に開口した筒状に形成されている。端子収容部11の外周面11Aとフード部12の内周面12Aとの間の空間は、前方に開口するとともに後述する相手側ハウジング40のスカート部42を嵌め入れ可能な有底の嵌合空間16とされている。
このフード部12の上面には、上下方向に弾性変形可能なロックアーム17が設けられている。このロックアーム17は、詳細には図示しないが、前後方向に細長く、フード部12の底部とほぼ一致する位置に設けられた支点を中心としてシーソー状に傾動可能とされているとともに、その前端より少し後方の位置には下側に突出したロック爪が形成されている。両ハウジング10、40が嵌合する際には、このロック爪が相手側ハウジング40に突設されたロック突起(図示せず)に係合することにより、両ハウジング10、40が離間不能に保持される。
嵌合空間16内には、例えばゴム等の弾性部材からなるシールリング30(本発明のシール部材に該当する)が装着されている(図3〜図5参照)。シールリング30は全体として横長の矩形枠状に形成されて嵌合空間16の奥端位置に収容されており、その内周面30Aが端子収容部11の外周面11Aに密着されている。また、シールリング30の内周面30Aおよび外周面30Bには、複数条のリップ31が設けられている。
このシールリング30の外周面30Bには、左右一対の係止部32が対称位置に設けられている。これらの係止部32は、全体としてシールリング30の周方向に幅広い平板状をなすとともに、シールリング30における外周面30Bの後端部から径方向外側に向かって張り出し形成されており、その張り出し先端がフード部12の内周面12Aに達している。そして、この係止部32には、相手側ハウジング40との嵌合方向に貫通するとともにシールリング30の外周面30Bに沿って細長に形成された係止孔33が設けられている。
また、嵌合空間16の奥端面からは、左右一対の係止突起18が、端子収容部11を挟んで対称位置に設けられている。この係止突起18は、嵌合空間16の奥端面から前方(ハウジング10の相手側ハウジング40との嵌合方向)に向かって突設された幅広板状の基板部19と、この基板部19の突出端に設けられてハウジング10の外周側に向かって突設された鉤部20とが備えている。各係止突起18は、端子収容部11の外周面11Aからシールリング30の厚さ分だけ外周方向に離間した位置に設けられていて、シールリング30の係止部32に設けられた係止孔33に挿入可能とされているとともに、シールリング30が取り付けられた状態では、基板部19において端子収容部11と対向する側の板面19Aがシールリング30の外周面30Bに沿うようにされている。
このハウジング10と嵌合される相手側ハウジング40は、雄側のコネクタハウジングであって、ブロック状に形成された端子収容部41を備え、この端子収容部41の前側に筒状のスカート部42が前方に開口して設けられている(図8参照)。スカート部42は、雌側のハウジング10における嵌合空間16内に進入可能であるとともに、その内部に雌側の端子収容部11を収容可能とされている。
この相手側ハウジング40の端子収容部41には、電線Wの端末に接続された雄側端子金具44を後方から挿入可能なキャビティ43が雌側のキャビティ14に合わせた位置に設けられている。雄側端子金具44は、雌側端子金具21と同様に角筒状に形成された角筒部45と、その後部に連結部46を介して接続されたバレル部47を備え、バレル部47には電線Wの端末とともに防水ゴム栓48が圧着接続されている。そして、角筒部45の前部には雌側端子金具21の角筒部22内に進入可能なタブ部51が備えられている。
次に、上記のように構成された本実施形態の作用および効果について説明する。
シールリング30を防水コネクタ1のハウジング10に対して組み付けるには、まず、シールリング30を端子収容部11の前端部分に嵌め合わせた状態にセットする。そして、組み付け治具等を利用してこのシールリング30の前端面を押圧し、シールリング30を嵌合空間16の奥方へ向かって押し込んでゆく。
シールリング30の後端部が嵌合空間16の奥端面から突設された係止突起18に達すると、この係止突起18の先端部がシールリング30の係止孔33に進入し、係止部32において係止孔33の外周側の部分がフード部12の内周面12Aとの間で押し潰されながら係止突起18の鉤部20に乗り上げる。そして、さらにシールリング30の後端面が嵌合空間16の奥端面に達するまでこのシールリング30を押し込んでゆくと、押し潰されていた係止部32の外周側部分が鉤部20を乗り越えて復元変形し、この鉤部20の後端面に係止される。これにより、シールリング30が抜け止め状態に保持される(図6および図7参照)。ここで、弾性のあるゴム材料で構成されたシールリング30ではなく、比較的硬い合成樹脂で構成されるハウジング10側に係止突起18が設けられているから、この係止突起18に強度を持たせることができる。したがって、シールリング30を押し込んでゆくときに係止突起30がシールリング30の押し込み力によって座屈することなく係止孔33に進入できるから、シールリング30の取り付け作業を円滑かつ確実に行うことができる。
シールリング30が正規位置に挿入された状態では、係止突起18における基板部19の内周側の板面19Aがシールリング30の外周面30Bに沿うようにされている。
また、このようにシールリング30が組み付けられたハウジング10に相手側コネクタ30を嵌合させる際には、相手側ハウジング40のスカート部42をハウジング10の嵌合空間16内に進入させる(図8参照)。相手側ハウジング40のスカート部42がシールリング30の取り付け位置に達すると、このスカート部42によってシールリング30のリップ31が潰されるように弾性撓みして、その弾性復元力によりリップ31とスカート部42との間に摩擦抵抗が生じ、この摩擦抵抗により、スカート部42からシールリング30に対して後方への押圧力が付与される。しかし、係止突起18がシールリング30の外周面30Bに沿って立ち上げられており、基板部19の板面19Aがシールリング30の外周面30Bに沿うようにされているから、この係止突起18の板面19Aと端子収容部11の外壁面11Aとでシールリング30が挟み込まれ、支持されることとなる。したがって、相手側ハウジング40の押圧力によってシールリング30が座屈変形することが防がれる。これにより、両ハウジング10、40の嵌合を円滑に行うことができる。
両ハウジング10、40が正規の嵌合状態に至ると、雌雄の端子金具21、44が接合されるとともに、防水コネクタ1のフード部12に設けられたロックアーム17が相手側ハウジング40のスカート部42に設けられたロック突起に係合することにより、両コネクタ1、40が抜け止め状態に保持される。また、スカート部42の先端部がシールリング30の外周面30Bとフード部12の内周面12Aとの間に収まり、シールリング30の内周面30Aおよび30Bに設けられたリップ31が押し潰されてスカート部42の内周面42Aおよび端子収容部11の外周面11Aに押し付けられる。これにより、両ハウジング10、40間の防水性が保たれる(図9参照)。
一方、メンテナンスなどの事情により両ハウジング10、40を離脱させる場合がある。その場合には、シールリング30のリップ31と相手側ハウジング40のスカート部42との間の摩擦抵抗によって、シールリング30には前方への引張力が作用する。しかし、シールリング30の係止部32がハウジング10の係止突起18に係合しているため、シールリング30が嵌合空間16から離脱することはない。
以上のように本実施形態によれば、ハウジング10側に係止突起18が設けられ、シールリング30にはこの係止突起18を係止するための係止孔33を備えた係止部32が設けられている。このように、弾性のある材料で構成されるシールリング30ではなく、比較的硬い材料で構成されるハウジング10側に係止突起18が設けられているから、係止突起18に強度を持たせることができる。したがって、シールリング30の取り付け時に係止突起18が座屈することを防止し、取り付け作業を円滑かつ確実に行うことができる。
また、係止突起18がシールリング30の外周面30Bに沿って立ち上げられている。このような構成によれば、係止突起18における基板部19の板面19Aと端子収容部11の外周面11Aとでシールリング30が挟み込まれ、支持されることとなるので、嵌合空間に相手側ハウジング40が進入してくる際に、この相手側ハウジング40によってシールリング30が座屈変形することを防止できる。
本発明の技術的範囲は、上記した実施形態によって限定されるものではなく、例えば、次に記載するようなものも本発明の技術的範囲に含まれる。その他、本発明の技術的範囲は、均等の範囲にまで及ぶものである。
(1)上記実施形態では、端子収容部11の外周面11Aにシールリング30が装着され、この端子収容部の外周面11Aとスカート部42の内周面との間でシールリング30が挟み付けられるようにされていたが、フード部の内周面にシール部材が装着され、このフード部の内周面とスカート部の外周面との間でシール部材が挟み付けられるようにされてもよい。この場合、シール部材の内周側に係止部が張り出し形成されていても良い。
(2)上記実施形態では、係止突起が幅広板状に形成されていたが、係止突起の形状は上記実施形態の限りではなく、例えば棒状に形成されていても良い。
(1)上記実施形態では、端子収容部11の外周面11Aにシールリング30が装着され、この端子収容部の外周面11Aとスカート部42の内周面との間でシールリング30が挟み付けられるようにされていたが、フード部の内周面にシール部材が装着され、このフード部の内周面とスカート部の外周面との間でシール部材が挟み付けられるようにされてもよい。この場合、シール部材の内周側に係止部が張り出し形成されていても良い。
(2)上記実施形態では、係止突起が幅広板状に形成されていたが、係止突起の形状は上記実施形態の限りではなく、例えば棒状に形成されていても良い。
1…防水コネクタ
10…ハウジング
11…端子収容部
12…フード部
16…嵌合空間
18…係止突起
21…雌側端子金具(端子金具)
30…シールリング(シール部材)
32…係止部
33…係止孔
40…相手側ハウジング
10…ハウジング
11…端子収容部
12…フード部
16…嵌合空間
18…係止突起
21…雌側端子金具(端子金具)
30…シールリング(シール部材)
32…係止部
33…係止孔
40…相手側ハウジング
Claims (2)
- 端子金具を収容可能な端子収容部とこの端子収容部を取り囲むように設けられるフード部とが備えられたハウジングと、前記端子収容部と前記フード部との間に設けられて相手側ハウジングを収容可能な嵌合空間と、この嵌合空間内に装着されて前記ハウジングと前記相手側ハウジングとの間に挟み付けられることで両ハウジング間をシールするシール部材とを備えた防水コネクタであって、
前記シール部材の外周面または内周面には係止孔を備えた係止部が張り出し形成される一方、前記嵌合空間の奥壁面には前記ハウジングの前記相手側ハウジングとの嵌合方向に突設されるとともに前記係止孔に挿入されて前記係止部と係止することで前記シール部材を抜止めする係止突起が設けられていることを特徴とする防水コネクタ。 - 前記係止突起が前記シール部材の外周面または内周面のうち前記係止部が設けられた側の面に沿って立ち上げられていることを特徴とする請求項1に記載の防水コネクタ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004330194A JP2006140080A (ja) | 2004-11-15 | 2004-11-15 | 防水コネクタ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004330194A JP2006140080A (ja) | 2004-11-15 | 2004-11-15 | 防水コネクタ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2006140080A true JP2006140080A (ja) | 2006-06-01 |
Family
ID=36620765
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004330194A Pending JP2006140080A (ja) | 2004-11-15 | 2004-11-15 | 防水コネクタ |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2006140080A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN102484334A (zh) * | 2009-09-01 | 2012-05-30 | 矢崎总业株式会社 | 连接器 |
-
2004
- 2004-11-15 JP JP2004330194A patent/JP2006140080A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN102484334A (zh) * | 2009-09-01 | 2012-05-30 | 矢崎总业株式会社 | 连接器 |
EP2475050A1 (en) * | 2009-09-01 | 2012-07-11 | Yazaki Corporation | Connector |
EP2475050A4 (en) * | 2009-09-01 | 2013-03-27 | Yazaki Corp | CONNECTOR |
US8747137B2 (en) | 2009-09-01 | 2014-06-10 | Yazaki Corporation | Connector |
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