JP5390841B2 - スロッタナイフ - Google Patents
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Description
上クリーザ軸10Uにはリング状の上クリーザヘッド11Uが、下クリーザ軸10Lにはリング状の下クリーザヘッド11Lがそなえられている。また、上スロッタ軸20Uには上スロッタヘッド21がそなえられ、この上スロッタヘッド21には2枚のスロッタナイフ22,23が取り付けられている。また、下スロッタ軸20Lには下スロッタヘッド24がそなえられている。そして、2枚のスロッタナイフ22,23によって、図9に示すように、段ボールシート1の前後の溝Sが加工される。
22により、段ボールシート1の進行方向後ろ側の溝SRを加工する。
このようなスロッタナイフ22,23には、その先端又は後端に突起部をそなえたものが使われる。例えば、図10(a)に示すように、段ボールシート1の進行方向後ろ側の溝を加工するスロッタナイフ22には、その先端に突起部22aがそなえられ、段ボールシート1の進行方向前側の溝を加工するスロッタナイフ23には、その後端に突起部23aがそなえられている。
しかしながら、特に、段ボールシート1の進行方向後ろ側の溝SRを加工する上スロッタナイフ22の端面22bが半径方向に向いている一般的な構造の場合、図10(b)に示すように、溝SRの端部S2の角部SCに破れ25が発生する。
前記端面の前記突起部側の左右角部は、面取り加工されていることが好ましい(請求項3)。
本発明のもう一つのスロッタナイフ(請求項4)は、段ボールシートに溝を加工するスロッタナイフであって、前記スロッタナイフの回転方向の先端部に、前記溝の奥端に当接する端面と、前記端面から外方に突出した突起部とをそなえ、前記端面の前記突起部側の左右角部は、面取り加工されることによって前記突起部側である径方向外方側に対して軸心側が次第に回転方向前方に位置するように、前記軸心に向かう直径方向面に対して傾斜した傾斜面を形成していることを特徴としている。
さらに、前記スロッタナイフが、スロッタナイフ本体と、該スロッタナイフ本体に対して着脱可能な前記先端部とから構成されていることが好ましい(請求項6)。
本発明のスロッタナイフ(請求項3,4)によれば、スロッタナイフが回転しながら段ボールシートに溝を加工する際、回転方向の先端部では、端面が、その突起部から段ボールシートに食い込み、その後、スロッタナイフが段ボールシートから抜けていく際に、突起部がスロッタナイフの軸心から最も離隔していることから、突起部が溝の端部に相対的に接近して溝の周囲の段ボールシート表面側を掬い上げるよう作用しても、突起部側の左右角部は面取り加工されているので、突起部側の左右角部による溝端部の角部の破れが発生し難くなり、溝の端部の角部に破れが発生することを抑制することができ、段ボール箱の良好な品質を確保することができる。
さらに、スロッタナイフを、スロッタナイフ本体と、該スロッタナイフ本体に対して着脱可能な先端部とから構成すれば、先端部の磨耗に対して先端部のみを交換すればよいので、スロッタナイフ全体を交換する場合に比べて交換作業が容易になり、交換部品コストも低減される(請求項6)。
[第1実施形態]
図1〜図4は本発明の第1実施形態にかかるスロッタナイフを示すもので、図1はその要部構成図、図2はその要部変形例を示す図、図3はその作用を示す側面図、図4はその効果を従来技術と対比して示す溝端部の斜視図である。なお、本スロッタナイフは、製函機のクリーザスロッタ部に備えられるが、クリーザスロッタ部の構成については図8を流用し、一部符号を差し替えて説明する。また、段ボールシート1の形状も図9を流用する。
まず、本スロッタナイフを装備した製函機のクリーザスロッタ部を説明すると、図8に示すように、クリーザスロッタ部は、上下クリーザ軸10U,10L及び上下スロッタ軸20U,20Lと、段ボールシート1を搬送する上下駆動ローラ31U,31L、32U,32Lがそなえられている。
本実施形態の特徴的なスロッタナイフは、段ボールシート1の進行方向後ろ側の溝SRを加工する(図9参照)上スロッタナイフ122であって、特に、その回転方向の先端部の形状に特徴がある。
段ボールシート1の上面に沿って走行するスロッタナイフ122の基部122Bから、このような突起部122aが突出形成される先端部の端面122bは、先端の突起部122aを除いて平面状或いは微少に湾曲した略平面状に形成される。スロッタナイフ122による段ボールシート1の切断時には、まず、突起部122aの複数のピン状突起126がそれぞれ段ボールシート1に突き刺さって食い込んでいきって、溝Sの奥端S2についてはその後、端面122bの平面状(略平面状を含む)の部分が段ボールシート1内に食い込んでいって切断が行われるようになっている。
本発明の第1実施形態にかかるスロッタナイフは上述のように構成されているので、スロッタナイフ122による段ボールシート1への溝加工は、図3に示すように行われる。
つまり、スロッタナイフ122は、その基部22B外周の周速が段ボールシート1の走行速度と等速で回転しながら、図3(a)に示すように、スロッタナイフ122は段ボールシート1に食い込む。この際、突起部122a先端が段ボールシート1に食い込んだ後、傾斜した端面122bが、溝Sの奥端S2の面を、段ボールシート1の下面側よりも上面側の方が次第に回転方向前方に位置するように、段ボールシート1の厚み方向に対して傾斜した状態に加工する[図3(b)参照]。
図4はスロッタナイフにより加工された溝Sの端部S2を示す斜視図であり、(a)は従来技術のスロッタナイフによる加工結果を示し、(b)は本実施形態のスロッタナイフによる加工結果を示す。図示するように、本実施形態のスロッタナイフによると、従来技術のスロッタナイフの場合に発生していた破れ25の発生が防止されることがわかる。
なお、溝Sの奥端S2が傾斜することになるが、これによる段ボール箱の形状への影響や強度不足のおそれはない。
また、本実施形態の場合、端面122bの傾斜に加えて、突起部122a側の左右角部123が面取り加工されておりエッジが立っていないので、突起部122a側の左右角部123による溝端部S2の角部の破れが発生し難くなり、溝の端部S2の角部における破れの発生を抑制することができ、この点からも、段ボール箱の良好な品質を確保することができる。また、面取り加工箇所123が滑らかな曲面124で形成されているため、溝端部S2の破れの発生をより一層抑制することができる。
例えば、上記の第1実施形態では、図1(e)に示すように、スロッタナイフ122の端面122bの突起部122a側の左右角部123を部分的に面取り加工しているが、図2(a)に示すように、スロッタナイフ122の端面122bの基部122B側から突起部122a側にわたる左右角部123bを略全体にわたって面取り加工してもよい。また、この面取り加工箇所123bも、滑らかな曲面により形成されることがより好ましい。
図5(a)は本発明の第2実施形態にかかるスロッタナイフを示す側面図であり、図5(b)はその変形例にかかるスロッタナイフを示す側面図である。
図5(a)に示すように、本実施形態にかかるスロッタナイフ122Aは、スロッタナイフ122Aの回転方向の先端部の主要部分(特に、切断に寄与する部分)である突起部122aと端面122bの突起部122a側の部分122A2とが、スロッタナイフ122Aの他の部分(スロッタナイフ本体)122A1に対して着脱可能になっている。つまり、スロッタナイフ122Aは、この着脱可能な先端部122A2と、スロッタナイフ本体122A1とからなり、先端部(着脱可能部)12A2は図示しないボルトの締結によってスロッタナイフ本体122A1に固定される。
また、先端部122A2や着脱可能部122B2の形状は、ここでは、第1実施形態と同様なものとするが、後述の第3実施形態と同様なものとしてもよい。
図6,図7は本発明の第3実施形態にかかるスロッタナイフを示すもので、図6はその要部構成図、図7はその要部斜視図である。なお、本実施形態にかかるスロッタナイフ222は、第1実施形態に対して、その端面222bが傾斜しておらず、つまり、傾斜角度(掬い角)αは設けられておらず、軸心に向かう直径方向面127[図1(b)参照]と略同方向に向くように設定されている。
本発明の第3実施形態にかかるスロッタナイフは上述のように構成されているので、スロッタナイフ222による段ボールシート1への溝加工をする際には、スロッタナイフ222が段ボールシート1から離れる直前に、突起部(刃先)222aが溝Sの奥端S2に対して段ボールシート1の下面側よりも上面側の方が次第に回転方向前方に食い込んで段ボールシート1の上部を掬い上げるような動きをしても、端面222bの突起部222a側の左右角部223エッジが立っていないので、突起部222a側の左右角部223による溝端部S2の角部の破れが発生し難くなり、溝の端部S2の角部における破れの発生を抑制することができ、段ボール箱の良好な品質を確保することができる。また、面取り加工箇所223が滑らかな曲面224で形成されているため、この点からも、溝端部S2の破れの発生をより一層抑制することができる。
なお、本発明は、上述の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲でかかる実施形態を種々変形したり適宜組み合わせたりして実施しうるものである。
例えば、第1実施形態では、端面122bの傾斜に加えて、突起部122a側の左右角部123が面取り加工され、さらに、面取り加工箇所123が滑らかな曲面124で形成されているが、左右角部123を面取り加工のみして曲面124で形成しなくても、また、面取り加工自体を行なわなくても、端面122bの傾斜により、溝端部S2の破れの発生を抑制することができる。
部222a先端と干渉しない程度に切削されることになる。つまり、左右角部223においてのみ、実質的に傾斜角(掬い角)が形成されていることになる。これにより、左右角部223において、突起部222a先端が段ボールシート1の上部を掬い上げるようなこともなく、この点からも、溝端部S2の破れの発生をより一層抑制することができる。
10U 上クリーザ軸
10L 下クリーザ軸
20U 上スロッタ軸
20L 下スロッタ軸
31U,32U 上駆動ローラ
31L,32L 下駆動ローラ
11U 上クリーザヘッド
11L 下クリーザヘッド
21 上スロッタヘッド
22,23,122,222 スロッタナイフ
24 下スロッタヘッド
25 破れ
122A1,122B1 スロッタナイフ本体
122A2,122B1 スロッタナイフの着脱可能部
122B,222B スロッタナイフの基部
122a,222a 突起部
122b,222b 端面
122c,222c 刃先面
122d 凹部
123,123b,223 左右角部(面取り加工箇所)
124,224 曲面
126,226 ピン状突起
127 直径方向面
SF 段ボールシート1の進行方向前側の溝
SR 段ボールシート1の進行方向後ろ側の溝
S2 溝Sの奥端(端部)
α 傾斜角度(掬い角)
Claims (6)
- 段ボールシートに溝を加工するスロッタナイフであって、
前記スロッタナイフの回転方向の先端部に、前記溝の奥端に当接する端面と、前記端面から径方向外方に突出した突起部とをそなえ、
前記端面は、前記突起部側である径方向外方側に対して軸心側が次第に回転方向前方に位置するように、前記軸心に向かう直径方向面に対して傾斜した傾斜面に形成されていることを特徴とする、スロッタナイフ。 - 前記端面の前記直径面に対する傾斜角度は、1〜20度に設定されている
ことを特徴とする、請求項1記載のスロッタナイフ。 - 前記端面の前記突起部側の左右角部は、面取り加工されている
ことを特徴とする、請求項1又は2記載のスロッタナイフ。 - 段ボールシートに溝を加工するスロッタナイフであって、
前記スロッタナイフの回転方向の先端部に、前記溝の奥端に当接する端面と、前記端面から外方に突出した突起部とをそなえ、
前記端面の前記突起部側の左右角部は、面取り加工されることによって前記突起部側である径方向外方側に対して軸心側が次第に回転方向前方に位置するように、前記軸心に向かう直径方向面に対して傾斜した傾斜面を形成している
ことを特徴とする、スロッタナイフ。 - 前記端面の前記左右角部の面取り加工箇所は、滑らかな曲面で形成されている
ことを特徴とする、請求項1〜4の何れか1項に記載のスロッタナイフ。 - 前記スロッタナイフが、スロッタナイフ本体と、該スロッタナイフ本体に対して着脱可能な前記先端部とから構成されている
ことを特徴とする、請求項1〜5の何れか1項に記載のスロッタナイフ。
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