JP5389571B2 - 巻弛み防止装置、およびサーマルプリンタ - Google Patents
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サーマルプリンタは、ロール紙がセットされるロール紙ホルダと、多数の発熱素子を有するサーマルヘッドと、サーマルヘッドとの間にロール紙を挟むプラテンローラと、歯車を介してプラテンローラを回転させ、ロール紙を送り出す電動モータとを備えている。
一方、印刷終了時には、電動モータの駆動を停止させてプラテンローラの回転を停止させる。これにより、プラテンローラによるロール紙の引出しも停止するので、ロール紙の回転も停止する。
このように構成することで、回転抑制部をロール紙の外周面に接触させ、ロール紙と回転抑制部との摩擦によりロール紙の回転を減衰させることができる。このため、プラテンローラ停止時のロール紙の惰性回転を抑制し、ロール紙の弛みを防止できる。
例えば、ロール紙の巻径が所定値以下となり、ロール紙が所定位置まで降下した際、ロール紙ホルダ側に向かって変位するように付勢された揺動部材と、この揺動部材の変位に伴って出力が切り替わるスイッチを備えたものがある(例えば、特許文献2参照)。
また、ロール紙の軸方向端部近傍であって所定の巻径に対応する位置に光電センサを設け、ロール紙の巻径が所定値まで縮径すると、光電センサによって検出されるように構成したものがある(例えば、特許文献3参照)。
ロール紙が回転しないと、プラテンローラを駆動させる電動モータに負荷がかかり、モータが脱調する虞がある。これに対して、プラテンローラを回転させるための電動モータを大型化させることで、大径のロール紙であっても容易に記録紙を供給することも考えられる。しかしながら、プリンタが大型化すると共に、製造コストが嵩む。
さらに、上述の特許文献3にあっては、ロール紙の巻弛みが発生した場合、光電センサの検出精度が悪化する虞がある。このため、ロール紙の残量を高精度に検出できないという課題がある。
また、ロール紙の残量を高精度に検出可能にしつつ、製造コストの低減化を図ることができる巻弛み防止装置、およびサーマルプリンタを提供するものである。
また、回転ローラがロール紙に従動して回転するので、回転ローラとロール紙との間に無駄な摩擦が生じることがなく、ロール紙の損傷を防止できる。
さらに、ロール紙に向かって傾動可能な稼動バーにローラユニットが設けられているので、ロール紙の巻径が小さくなるに従って、稼動バーがロール紙に向かって大きく傾くことになる。このため、ロール紙の巻径が小さくなるに従って、稼動バー、およびローラユニットの自重によって作用する回転ローラのロール紙側への付勢力が大きくなる。
すなわち、ロール紙の巻径が大きい場合、回転ローラのロール紙への負荷が小さく、印刷初動動作を確実にスムーズに行うができる一方、ロール紙の巻径が小さく場合、回転ローラのロール紙への負荷が大きく、ロール紙の惰性回転を確実に防止できる。この結果、小型化、低コスト化を図ることも可能になる。
このように構成することで、稼動バー全体の重量化を図ることなく、回転ローラにロール紙への付勢力を確実に付与することができる。このため、製造コストのさらなる低減化を図ることができる。
また、稼動バーの重量を錘によって容易に変化させることができる。このため、稼動バーの自重によって作用する回転ローラのロール紙側への付勢力を容易に調整することが可能になる。
このように構成することで、ロール紙の外周面に複数の回転ローラを確実に密着させることができる。このため、ロール紙に回転抵抗力を確実に付勢することができ、より確実にロール紙の惰性回転を防止することが可能になる。
このように構成することで、ロール紙の外周面に回転ローラをさらに確実に密着させることができる。
このように構成することで、使用開始時のロール紙の高さ位置と、使用終了時のロール紙の高さ位置との差が大きい場合であっても簡素な構造で確実にロール紙の外周面に回転ローラを密着させることができる。
このように構成することで、ロール紙の巻弛みに関わらず確実にロール紙の残量を検出することができる。このため、ロール紙の巻径を検出する場合と比較して、ロール紙の残量を高精度に検出することができる。
また、ロール紙の巻弛みを防止するための稼動バーを利用してロール紙の残量を検出することができるので、巻弛み防止装置と別途ロール紙の残量を検出する装置を設ける必要がなく、部品点数を減少できる。このため、製造コストの低減化、装置の小型化を図ることが可能になる。
このように構成することで、ロール紙を傷付けることなくロール紙の弛みを確実に防止することができると共に、ロール紙の初動動作を確実にスムーズに行うことができるサーマルプリンタを提供できる。
また、ロール紙の残量を高精度に検出可能にしつつ、製造コストの低減化を図ることができるサーマルプリンタを提供できる。
また、回転ローラがロール紙に従動して回転するので、回転ローラとロール紙との間に無駄な摩擦が生じることがなく、ロール紙の損傷を防止できる。
さらに、ロール紙に向かって傾動可能な稼動バーにローラユニットが設けられているので、ロール紙の巻径が小さくなるに従って、稼動バーがロール紙に向かって大きく傾くことになる。このため、ロール紙の巻径が小さくなるに従って、稼動バー、およびローラユニットの自重によって作用する回転ローラのロール紙側への付勢力が大きくなる。
すなわち、ロール紙の巻径が大きい場合、回転ローラのロール紙への負荷が小さく、印刷初動動作を確実にスムーズに行うができる一方、ロール紙の巻径が小さく場合、回転ローラのロール紙への負荷が大きく、ロール紙の惰性回転を確実に防止できる。この結果、小型化、低コスト化を図ることも可能になる。
また、ロール紙の巻弛みを防止するための稼動バーを利用してロール紙の残量を検出することができるので、巻弛み防止装置と別途ロール紙の残量を検出する装置を設ける必要がなく、部品点数を減少できる。このため、製造コストの低減化、装置の小型化を図ることが可能になる。
次に、この発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係るニヤエンド検出付巻弛み防止装置1(以下、単に巻弛み防止装置という)が適用されたサーマルプリンタ100の概略構成図である。なお、以下の説明において、図1における上下方向が重力方向であり、サーマルプリンタ100は、床面Gに載置して使用されるものとして説明する。
なお、カバー6は、閉じたときに不図示のロック機構によって自動的にケーシング2に対してロックがかかるようになっている。また、このロック機構はケーシング2の外側からワンタッチで解除できるようになっており、カバー6を速やかに開けることができるようになっている。
印刷ユニット4は、サーマルヘッド9とプラテンローラ10とを備えている。サーマルヘッド9は、断面略矩形状に構成されたものであって、その長手方向と記録紙Pの幅方向とが一致した状態で、ケーシング2側に配置されている。
可動刃11bは、制御部(不図示)からの信号に基づいて駆動する不図示の電動モータによって、固定刃11a側に向かってスライド移動可能に設けられている。そして、印刷ユニット4での印刷作業が終了すると、不図示の制御部から切断信号を受信して可動刃11bがスライド移動し、記録紙Pが切断されるようになっている。
すなわち、サーマルプリンタ100は、ロール紙Rをケーシング2内に投入し、単に載置台12上に置く、所謂ドロップイン方式のプリンタである。
ケーシング2の内部には、ロール紙収納部3よりもヒンジ部7側(図1における左側)に、巻弛み防止装置1が設けられている。
巻弛み防止装置1は、ケーシング2の深さ方向(図1における上下方向)に沿って延在する板状の稼動バー13と、稼動バー13の長手方向に沿ってスライド移動可能、かつ揺動可能に設けられたローラユニット14と、ケーシング2の底面2b側であって稼動バー13とロール紙Rとの間に設けられたリミットスイッチ17とを備えている。
また、稼動バー13の先端は、ケーシング2からカバー6内に臨まされるように延出している。稼動バー13の先端には、錘16が設けられている。この錘16の比重は、稼動バー13の比重よりも重く設定されている。
図1、図2に示すように、ローラユニット14は、ロール紙Rの軸方向に延在する2つの回転ローラ18,18を有している。各回転ローラ18は、ロール紙Rの軸方向に延びるシャフト19と、このシャフト19に回転可能に外嵌されたローラ本体20とで構成されており、ロール紙Rの外周面に沿って並設されている。シャフト19の両端は、ローラ本体20から突出している。
各板バネ21a,21bの長手方向端部は、例えば、溶接等によって各シャフト19,19に固定されている。
ステー22は、各シャフト19,19の軸方向に沿うように配置された板状の部材である。ステー22の長手方向略中央には、稼動バー13にローラユニット14を取り付けるためのブラケット23が回転ローラ18とは反対側に向かって突設されている。
稼動バー13は、ロール紙Rの紙送り方向(図1の矢印Y1参照)に向かって傾動可能に設けられているので、ローラユニット14は、稼動バー13に対してロール紙Rの紙送り方向に向かってスライド移動可能に構成されていることになる。また、ローラユニット14は、稼動バー13の長手方向に沿って揺動可能に取り付けられていることから、ロール紙Rの外周面に沿って揺動可能に構成されていることになる。
次に、図1、図3〜図5に基づいて、サーマルプリンタ100、および巻弛み防止装置1の作用について説明する。
図3〜図5は、巻弛み防止装置1の挙動を示す説明図である。
図3に示すように、まず、サーマルプリンタ100にロール紙Rをセットするにあたって、カバー6を開く。その後、ケーシング2内の稼動バー13をヒンジ部7側へ向かって起こし、ロール紙収納部3のスペースを確保する。そして、このスペースにロール紙Rを投げ込み、ロール紙Rが載置台12の載置面12aに載置される。これにより、ロール紙Rのセットが完了する。
この状態のとき、ローラユニット14の揺動中心Cは、ロール紙Rの軸心よりも重力方向上側に位置している。この後、カバー6を閉じ、記録紙Pへの印刷準備が完了する。
すると、記録紙Pの印刷面(下面)には、サーマルヘッド9を通過する際にプラテンローラ10により排出口8へ送り出されながら熱を発している発熱素子によって所望の文字や図形等が明瞭に印刷される。
また、稼動バー13がローラユニット14を介してロール紙Rに寄り掛かっているので、稼動バー13、および錘16の自重やローラユニット14の自重が作用して、回転ローラ18がロール紙Rを押圧する。このため、この押圧力がロール紙Rの回転方向に対する抵抗力として作用する。このとき、回転ローラ18は、ロール紙Rの回転に従動して回転している。
しかしながら、ローラユニット14の2つの回転ローラ18,18がロール紙Rの外周面を押圧しているので、ロール紙Rに回転方向に対する抵抗力が作用している。このため、ロール紙Rの惰性回転が減衰され、ロール紙Rと印刷ユニット4との間の記録紙Pが弛むことがない。
しかしながら、ロール紙Rの巻径が小さくなるに従い稼動バー13の傾き角度θが大きくなり、2つの回転ローラ18,18がロール紙Rの外周面に強く押し当てられる。このため、ロール紙Rの回転方向に対する抵抗力が大きくなるので、ロール紙Rの惰性回転を防止できる。
また、ロール紙Rの巻径が小さくなるに伴い、2つの回転ローラ18,18を連結する板バネ21a,21bに復元力が作用し、2つの回転ローラ18,18間の間隔L1が短くなる。
したがって、上述の実施形態によれば、稼動バー13、錘16、およびローラユニット14の自重を利用してロール紙Rに回転ローラ18を押圧するので、ロール紙Rに回転方向に対する抵抗力を作用させることができる。このため、印刷停止時のロール紙Rの惰性回転を防止でき、ロール紙Rの弛みを防止できる。また、回転ローラ18がロール紙Rに従動して回転するので、回転ローラ18とロール紙Rとの間に無駄な摩擦が生じることがなく、ロール紙Rの損傷を防止できる。
この結果、簡素な構造でロール紙Rの惰性回転を防止することができると共に、プラテンローラ10を回転駆動させる不図示のステッピングモータのサイズを小さく設定することができる。よって、サーマルプリンタ100全体の低コスト化、小形化を図ることが可能になる。
さらに、稼動バー13の重量を錘16によって容易に変化させることができる。つまり、ロール紙Rの材質等に応じて錘16の重量を変化させることにより、回転ローラ18に所望の押圧力を付勢することができる。このため、使い勝手のよい巻弛み防止装置1を提供することが可能になる。
この結果、ロール紙Rの巻径を検出する場合と比較して、ロール紙Rの残量を高精度に検出することができる。さらに、巻弛み防止装置1と別途ロール紙Rの残量を検出する装置を設ける必要がなく、部品点数を減少できる。よって、信頼性が高く、製造コストの低減化、小型化可能なサーマルプリンタ100を提供することが可能になる。
例えば、上述の実施形態では、ロール紙Rを投入して単に載置台12上に置く、所謂ドロップイン方式のサーマルプリンタ100を例に挙げたが、この方式ではなく、ケーシング2の内部にロール紙Rを軸支(回転可能に支持)する軸支機構を設けた軸支式のサーマルプリンタ100にも巻弛み防止装置1を適用することが可能である。
また、上述の実施形態では、ケーシング2にカバー6を設けた場合について説明したが、これに限られるものではなく、サーマルプリンタ100の仕様に応じてカバー6を設けなくてもよい。
例えば、1つのシャフト19に2つの回転ローラ18,18を取り付けたものを2つ設け、各回転ローラ18,18の間を板バネにより連結してもよい。また、板バネ21a,21bに代わってコイルスプリング等の弾性部材により各回転ローラ18を連結するように構成してもよい。
3 ロール紙収納部
4 印刷ユニット
9 サーマルヘッド
10 プラテンローラ
13 稼動バー
14 ローラユニット
16 錘
17 リミットスイッチ(センサ)
18 回転ローラ
21a,21b 板バネ(弾性部材)
100 サーマルプリンタ
P 記録紙
R ロール紙
Claims (6)
- ロール紙収納部に収納され、印刷ユニットに向けて引き出されるロール紙の巻弛み防止装置であって、
前記ロール紙の近傍に設けられ、前記ロール紙に向かって傾動可能な稼動バーと、
前記稼動バーに設けられたローラユニットとを備え、
前記ローラユニットは、
前記ロール紙の軸心よりも重力方向上側で前記ロール紙の外周面に当接して従動する回転ローラを少なくとも2つ有し、
前記各回転ローラは、前記ロール紙の周方向に沿って並設され、それぞれ弾性部材を介して連結され、
前記弾性部材が弾性変形することにより、各回転ローラの間隔が変化するように構成され、
前記稼動バー、およびローラユニットの自重により、前記回転ローラを前記ロール紙側へと付勢するように構成したことを特徴とする巻弛み防止装置。 - 前記稼動バーに錘を設けたことを特徴とする請求項1に記載の巻弛み防止装置。
- 前記稼動バーに、前記ローラユニットを前記ロール紙の外周面に沿って揺動自在に設けたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の巻弛み防止装置。
- 前記稼動バーを前記ロール紙の紙送り方向に向かって傾動可能に設け、
前記ローラユニットを前記稼動バーに対して前記ロール紙の紙送り方向に沿ってスライド移動可能に設けたことを特徴とする請求項1〜請求項3の何れかに記載の巻弛み防止装置。 - 前記稼動バーの近傍に、前記稼動バーの傾動状態を検出するセンサを設けたことを特徴とする請求項1〜請求項4の何れかに記載の巻弛み防止装置。
- 請求項1〜請求項5の何れかに記載の巻弛み防止装置と、
前記印刷ユニットとを備え、
前記印刷ユニットは、
前記ロール紙に印刷を行うサーマルヘッドと、
前記サーマルヘッドとの間に前記ロール紙から引き出された記録紙を挟んだ状態で回転するプラテンローラとを有していることを特徴とするサーマルプリンタ。
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