JP5387331B2 - 中空状無機粒子の前駆体、中空状無機粒子及びこの製造方法、並びに中空状無機粒子を用いた光学部材及び光学部材体 - Google Patents

中空状無機粒子の前駆体、中空状無機粒子及びこの製造方法、並びに中空状無機粒子を用いた光学部材及び光学部材体 Download PDF

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Description

本発明は、中空状無機粒子の前駆体、中空状無機粒子及びこの製造方法、並びに中空状無機粒子を用いた光学部材及び光学部材体に関する。
近年、粒子の形態制御による機能性材料の研究開発が盛んに行われており、そのひとつに中空状粒子の開発が挙げられる。特に、粒径が0.1〜300μm程度の中空シリカ粒子は公知である(例えば、特許文献1、2等参照)。
中空状粒子は、医薬や化粧品の分野では、その内部に有効成分を内包した徐放性医薬や徐放性化粧品の他、外環境との接触により分解又は劣化してしまう成分の保護、ドラッグデリバリーシステムのための担体等へ適用すべく、種々の検討がなされている。
また、光学分野では、フッ化カルシウムに代わる低屈折率材料として用いられ、反射防止膜等に応用されている。
例えば、特許文献1においては、シリコンアルコキシド等の有機ケイ素化合物と発泡剤とを混合噴霧した後に加水分解することにより中空シリカ粉末が得られることが記載されている。
特許文献2においては、シリコンアルコキシドに、アルコール、水及び酸触媒を加えて部分加水分解を行った後、フタル酸ジメチルを添加し、この溶液を、界面活性剤を含んだアンモニア水溶液中で混合撹拌、乳化し、重縮合反応させることにより球状多孔質シリカ粒子を製造する方法が提案されている。
また、特許文献3においては、特定条件下でケイ酸アルカリから、シリカ以外の支持体上に活性シリカを沈殿させた後、該支持体を除去することによって、緻密シリカシェルからなる中空シリカ粒子を製造する方法も提案されている。
また、特許文献4においては合成した炭酸カルシウム粒子をシリカで被覆することによって中空粒子を製造する方法が提案されている。
メソポーラス又はマクロポーラス材料の作製方法として、界面活性剤の分子集合体や、界面活性剤分子と所定有機分子を共存させた集合体又は異種の界面活性剤の分子集合体を鋳型として用い、該集合体とセラミック材料又は該セラミック材料の前駆体とを混合して無機−有機構造を有するセラミックス多孔体の前駆体を形成した後、熱や酸処理により、該前駆体中の界面活性剤を取り除く方法が提案されている。このような方法は、一般に「超分子鋳型法」と呼ばれる(例えば、非特許文献1参照)。
一般に、シリカ系多孔質体の製造法としては、アルコキシシランの加水分解及び脱水縮合により得られるシリカ系樹脂にポリマー、界面活性剤等を添加した組成物を加熱処理することにより多孔質化する方法(例えば、特許文献5、6及び非特許文献2参照)、キセロゲル又はエアロゲル等の気体の発泡によって多孔質化する方法又は超臨界法により多孔質化する方法等が知られている。
特開平06−091194号公報 特許第2590428号公報 特許第3419787号公報 特開2005−263550号公報 特開平11−310411号公報 特開平11−322992号公報
小川誠「超分子鋳型法」色材、71(10)、646〜655頁、1998年 Journa of Non−crystalline Solids2003, 325,124−132.
上記の通り、シリカの殻からなる中空状粒子については幾つかの検討がなされてきているものの、特許文献1及び2のような界面反応を利用した方法では、ミクロンオーダー以上の粒子径のものしか得られない。
さらに、特許文献3においては、20nm以上の中空シリカ粒子が製造できるとの記述はあるものの、特許文献4の発明者等の実験によれば、ナノオーダーになると凝集が激しくなり、結果的にはミクロンオーダー以上の凝集粒子となってしまうことが確認されている。
特許文献4においては合成した炭酸カルシウム粒子をシリカで被覆することによって30〜300nmのサブミクロンオーダー中空粒子を合成できるとの記述はあるものの、テンプレートとする炭酸カルシウムの合成を行うと、100nm以上の炭酸カルシウム粒子が混在したスラリーを生成してしまうため、100nm以下の中空粒子を作製することは難しく光学材料用途への応用が困難である。
非特許文献1に記載される超分子鋳型法においては、鋳型分子ごと大きな塊として溶液を硬化させるため100nm以下の粒子を得るためには物理的粉砕が必要となる。
特許文献5、6及び非特許文献2記載の参照)、キセロゲル又はエアロゲル等の気体の発泡によって多孔質化する方法又は超臨界法により多孔質化する方法においては、粒子の空洞のサイズ制御が困難である。また、非特許文献1と同様に溶液ごと硬化させるため100nm以下の粒子として得るためには物理的粉砕が必要となる問題がある。
サブミクロンサイズの中空粒子については、100nm未満の粒子を作製することが難しく、光学用途に用いた場合、中空粒子を混練した樹脂の透明度低下、膜形成能が低いという課題があった。
このような状況の中、中空状無機粒子を製造する方法について、中空状無機粒子(好ましくは動的光散乱法による平均粒子径100nm未満)の安定的な製造方法が嘱望されており、本発明は、それを提供することを目的とするものである。
また、本発明の中空状無機微粒子を用いて、樹脂等との密着性、強度、光学性等に優れた光学部材及び反射防止機能を有する光学部材体を提供することを目的とするものである。
本発明者等は鋭意検討した結果、中空状無機粒子の前駆体として、溶解性コア体の表面の少なくとも一部に加水分解促進触媒を吸着又は結合させた後に、最外層として無機膜とを有する構成とし、前記溶解性体を除去することで、平均粒子径100nm未満の中空状無機粒子を安定的に得られることを見出した。
即ち、本発明は以下の通りである。
(1)溶解性コア体と、該溶解性コア体の表面の少なくとも一部に吸着又は結合された加水分解促進触媒と、最外層として無機膜と、を有し、
前記溶解性コア体が、表面の少なくとも一部に前記加水分解促進触媒と親和性がある極性基を有し、該極性基に前記加水分解促進触媒が吸着又は結合されている中空状無機粒子の前駆体。
(2)溶解性コア体と、該溶解性コア体の表面の少なくとも一部に吸着又は結合された加水分解促進触媒と、最外層として無機膜と、を有し、
前記溶解性コア体が、表面の少なくとも一部に前記加水分解促進触媒と親和性がある極性基を有する化合物を有し、該極性基を有する化合物に前記加水分解促進触媒が吸着又は結合されている中空状無機粒子の前駆体。
(3)前記溶解性コア体は、金属炭酸塩粒子、ポリマー粒子、金属粒子、シリカアルミナ複合物粒子のいずれかである上記(1)又は(2)に記載の中空状無機粒子の前駆体。
(4)前記加水分解促進触媒が、アンモニア、アミン化合物又はアミノ基を分子内に有する化合物である上記(1)〜(3)のいずれか一つに記載の中空状無機粒子の前駆体。
(5)前記無機膜が、下記一般式(1)
で表される化合物の加水分解生成物である上記(1)〜(4)のいずれか一つに記載の中空状無機粒子の前駆体。
(但し、式(1)中、R1は、H原子、F原子及び炭素数1〜12の1価の有機基からなる群から選ばれ、Mは、IVa、Vb、Ib、IIb、IIIa、IIIb、Va及びIVb族に属する原子からなる群より選ばれる原子であってC原子を除く原子を示し、Xは、加水分解性基を示し、mは2以上の整数を示し、nは0〜2の整数を示し、m−n≧1であり、nが2のとき、各R1は互いに同一でも異なっていてもよく、m−n≧2のとき、各Xは互いに同一でも異なっていてもよい。また、R1とXは同一でも異なっていても良い。)
(6)前記溶解性コア体の平均粒子径が、動的光散乱法による測定で4〜80nmである上記(1)〜(5)のいずれか一つに記載の中空状無機粒子の前駆体。
(7)前記溶解性コア体のゼータ電位の絶対値が、1〜80mVである上記(1)〜(6)のいずれか一つに記載の中空状無機粒子の前駆体。
(8)上記(1)〜(7)のいずれか一つに記載の中空状無機粒子の前駆体から、前記溶解性コア体を溶解除去して得られる中空状無機粒子。
(9)前記中空状無機粒子の平均粒子径が、動的光散乱法による測定で5〜90nmである上記(8)に記載の中空状無機粒子。
(10)溶解性コア体に、加水分解促進触媒を吸着又は結合させる第1工程と、
前記加水分解促進触媒が吸着又は結合した溶解性コア体を、一般式(I)で表される化合物の加水分解生成物でコーティングし、無機膜を形成し、中空状無機粒子の前駆体を得る第2工程と、
(但し、式(1)中、R1は、H原子、F原子及び炭素数1〜12の1価の有機基からなる群から選ばれ、Mは、IVa、Vb、Ib、IIb、IIIa、IIIb、Va及びIVb族に属する原子からなる群より選ばれる原子であってC原子を除く原子を示し、Xは、加水分解性基を示し、mは2以上の整数を示し、nは0〜2の整数を示し、m−n≧1であり、nが2のとき、各R1は互いに同一でも異なっていてもよく、m−n≧2のとき、各Xは互いに同一でも異なっていてもよい。また、R1とXは同一でも異なっていても良い。)
前記中空状無機粒子の前駆体を溶解処理することで、前記溶解性コア体を除去して中空状無機粒子を得る第3工程と、を含むことを特徴とする上記(8)又は(9)記載の中空状無機粒子の製造方法。
(11)前記溶解性コア体の平均粒子径が、動的光散乱法による測定で4〜80nmである上記(10)に記載の中空状無機粒子の製造方法。
(12)上記(8)又は(9)に記載の中空状無機粒子を含む光学部材。
(13)上記(12)記載の光学部材に反射防止機能を有する光学部材体。
本発明の中空状無機粒子は、溶解性コア体を無機膜によって被覆し、その後溶解性コア体を溶解することによって、100nm未満の中空状無機粒子を合成することを可能にする技術であり、光学材料等の透明性が要求される分野へ応用することができる。
本発明によれば、極めて簡易な製造工程により中空状無機粒子を得ることができ、また製造再現性や生産性の点でも優れている。
また、本発明によれば、溶解性コア体となる、入手が容易なナノ粒子を用いることにより中空状無機粒子合成を実現する技術である。
溶解性コア体の表面が前記加水分解促進触媒と親和性がある極性基で修飾されているか、前記加水分解促進触媒と親和性がある極性基を含む化合物によって吸着されている場合、溶液中における凝集を防止することができ、分散性をさらに向上させることができ、後工程での無機膜形成において一次粒子の状態で被覆することができる。またその状態のスラリーに加水分解促進触媒を添加し、加水分解促進触媒を吸着又は結合させた溶解性コア体を形成させることにより、該コア体表面上に無機膜を選択的に形成させることが可能になる。そのため100nm未満の中空状無機粒子を合成することが可能となる。
また、溶解性コア体を用いることによって無機膜形成後、溶解処理によって容易に溶解性コア体を除去することが可能であり、中空状無機粒子を容易に合成することが可能となる。
さらに、上記の中空状無機粒子を樹脂へ混合、塗布することにより透明性の高い反射防止膜を作製することが可能となる。
実施例2で作製した中空状無機粒子の透過型電子顕微鏡写真である。 溶解性コア体への加水分解促進触媒(アンモニア)の結合の様子を示す概念図である。 本発明の製造方法の工程の一例を示す概念図である。 比較例2の製造方法の工程の一例を示す概念図である。
以下に、発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
<中空状無機粒子の前駆体>
本発明の中空状無機粒子の前駆体は、溶解性コア体と、該溶解性コア体の表面の少なくとも一部に吸着又は結合された加水分解促進触媒と、最外層として無機膜と、を有し、且つ前記溶解性コア体が、表面の少なくとも一部に前記加水分解促進触媒と親和性がある極性基又は該極性基を有する化合物を有し、該極性基に前記加水分解促進触媒が吸着又は結合されていることが重要である。
本発明における溶解性コア体には加水分解性触媒が備わっている。これを有していないと、中空状無機粒子の前駆体の最外層として無機膜を形成する際に、溶解性コア体の周りに選択的に無機膜が形成され難く、中空状無機粒子が複数個で集合した状態で無機膜が形成されて、独立した中空状無機粒子の前駆体を得ることが困難である。
また本発明において、中空無機粒子の前駆体は、前記溶解性コア体が表面の少なくとも一部に前記加水分解促進触媒と親和性がある極性基を有していることが重要であり、該極性基に前記加水分解促進触媒が吸着又は結合されている。
さらに本発明において、中空無機粒子の前駆体は、前記溶解性コア体が表面の少なくとも一部に前記加水分解促進触媒と親和性がある極性基を有する化合物を有していてもよく、該極性基を有する化合物に前記加水分解促進触媒が吸着又は結合されている。
なお、前記極性基は、前記加水分解促進触媒と親和性があることが重要である。そのような極性基を有することにより、中空状無機粒子の前駆体を製造する際に、溶媒中での分散安定性を保つことが可能となり、凝集が起こりにくく、100nm以上の粒子集合体の生成を回避できる。その結果、本発明の中空状無機粒子の前駆体を用いて、平均粒子径が5〜90nmである中空状無機粒子を得ることができる。
また、前記加水分解促進触媒と親和性がある極性基は、加水分解促進触媒をより吸着又は結合させ易くすることができる。
(溶解性コア体)
本発明において「溶解性コア体」とは、特定の溶剤、酸、アルカリ等の溶解用媒体によって溶解し、液体又は気体となって消失する物質であり、その溶解用媒体が本発明における無機膜を溶解せず、溶解性コア体が一次粒子に近い状態で分散できる分散用媒体を用いることが好ましい。溶解性コア体の具体例としては、炭酸カルシウムや金属粒子のように塩酸等の溶解用媒体で溶解する物質、未架橋ポリマー粒子のようなメチルエチルケトン、テトラヒドロフラン等の有機溶剤に溶解する物質、シリカアルミナ複合体のような塩酸等の溶解用媒体に溶解する物質等が挙げられる。
溶解性コア体は、水、アルコール等の溶剤又はそれら混合物等の分散用媒体中に分散可能なものが選ばれる。
分散用媒体中における、動的光散乱法による測定で、平均粒子径が4〜80nmであることが望ましい。平均粒子径が4〜80nmであることで、無機膜を形成した際の粒子径を100nm以下にすることが可能となり、粒子の透明性を向上させることが可能となる。
動的光散乱法による測定で平均粒子径が4〜80nmであるものを適宜選択して使用すればよい。
動的光散乱法による測定とは、具体的には以下の通りである。溶解性コア体濃度を調整した分散液の粒度分布をベックマンコールター社製のN−5サブミクロン粒子アナライザーを用いて測定する。
溶解性コア体として具体的には、金属炭酸塩粒子、ポリマー粒子、金属粒子、シリカアルミナ複合物粒子等が挙げられる。
金属炭酸塩粒子としては、炭酸アンモニウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸カルシウム、炭酸水素カルシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸銅、炭酸鉄、炭酸銀等の粒子が挙げられ、炭酸カルシウム粒子を溶解性コア体として用いることが好ましい。
金属炭酸塩粒子を溶解性コア体に用いた場合、溶解処理に用いる溶解用媒体としては、金属炭酸塩粒子を溶解し且つ無機膜を溶解しない酸、アルカリ等を用いる。溶解用媒体の選定については、具体的には中空状無機粒子の製造方法において説明する。
金属炭酸塩粒子は中空状無機粒子の前駆体を溶解処理する際に、酸、アルカリ等の溶解用媒体によってイオン化し、溶解された溶解性コア体成分は無機膜の外の媒体中に溶解させることができる。
ポリマー粒子としては、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタラート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ乳酸、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリエステル、アクリル系ポリマー、スチレン系ポリマー又はいずれかの共重合体の粒子が挙げられ、スチレン系ポリマー、アクリル系ポリマーを用いることが好ましい。ポリマー粒子の場合、溶解処理に用いる溶解用媒体としては、ポリマー粒子を溶解し且つ無機膜を溶解しない溶媒を用いる。溶解用媒体の選定については、具体的には中空状無機粒子の製造方法において説明する。
ポリマー粒子は中空状無機粒子の前駆体を溶解処理する際に、溶解用媒体によって高分子鎖が溶媒和され、溶解された溶解性コア体成分は無機膜の外の溶解用媒体中に溶出することができる。
金属粒子としては、金、白金、パラジウム、銀、銅、ニッケル、インジウム、アルミニウム、珪素、チタン、クロム、マンガン、鉄、ニッケル、亜鉛、ゲルマニウム、ルテニウム、カドミウム、スズ等又はこれらいずれかの合金の粒子が挙げられる。金属粒子を溶解性コア体に用いた場合、溶解処理に用いる溶解用媒体としては、金属粒子を溶解し且つ無機膜を溶解しない酸、アルカリを用いる。溶解用媒体の選定については、具体的には中空状無機粒子の製造方法において説明する。
金属粒子は中空状無機粒子の前駆体を溶解処理する際に、酸、アルカリによってイオン化し、溶解された溶解性コア体成分は無機膜の外に溶出する。
シリカアルミナ複合物粒子としては、水溶液中で珪酸ナトリウムとアルミン酸ナトリウムを混合し、共沈することによって得られるナノ粒子等が挙げられる。溶解処理に用いる溶解用媒体としては、シリカアルミナ複合物粒子を溶解し且つ無機膜を溶解しない有機酸を用いる。
(溶解性コア体のゼータ電位)
ゼータ電位は、粒子の分散性を示すパラメータであり、絶対値の値が高いほど溶解性コア体の分散性が高く、分散している溶解性コア体同士には静電的な斥力が強く働き凝集を防ぐことができる。本発明においても溶解性コア体のゼータ電位が高い状態で無機膜を形成させることによって、安定に中空状無機粒子の前駆体を合成することができる。
そのために、溶解性コア体のゼータ電位の絶対値は、1〜80mVであることが望ましい。なお、100nm未満の中空状無機粒子を得るためには、ゼータ電位の絶対値を1〜80mVとするだけでなく、溶解性コア体表面の少なくとも一部に加水分解促進触媒が吸着又は結合されていることが重要である。
溶解性コア体のゼータ電位の絶対値を上記範囲とするには、溶解性コア体が表面の少なくとも一部に加水分解促進触媒と親和性のある極性基を有するか、該極性基を有する化合物を有すればよい。
溶解性コア体のゼータ電位は、溶解性コア体濃度1質量%に調整した水溶液をベックマンコールター社製のDELSA440SXを用いて測定できる。
(極性基)
ここでいう「極性基」とは、前記加水分解促進触媒と親和性があるものであり、非イオン性基、カチオン性基、アニオン性基が挙げられるが、例えば、イオン性基又はイオン化可能基で置換された有機基も含まれる。イオン化可能基は、中空状無機粒子の前駆体を生成するために使用する媒体中でイオン性基を作ることができる基である。イオン性基は、アニオン性基又はカチオン性基でよく、イオン化可能基はアニオン又はカチオンを作ることができる。
アニオンを作るイオン化可能極性基としては、例えば、酸性基又は酸性基の塩を挙げることができる。
酸性基は、スルホン酸基、スルフィン酸基、ホスホン酸基、又はカルボン酸基、スルホニウム基等である。
塩とする場合は、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩等が挙げられる。
アミンは、カチオン性基を作るイオン化可能極性基の例を示している。例えば、酸性媒体中では、アミンはプロトン化されてアンモニウム基を作ることができる。
アミン置換基を有する有機基もカチオン性基を作るイオン化可能極性基として使用することが可能である。
第4級アンモニウム基(−NR )及び第4級ホスホニウム基(−PR )も、カチオン性基の例である(Rは、1価の基)。
水酸基、シラノール基、ホルムアミド基等、非イオン性の極性の大きな親水基も含まれる。
これらの組み合わせで、中でもカルボキシル基、アミノ基、シラノール基が好ましく用いられる。
なお、溶解性コア体の表面の一部に前記加水分解促進触媒と親和性がある極性基を有するには、溶解性コア体自体が、加水分解促進触媒と親和性を有する極性基を有する構成であればよい。溶解性コア体が該極性基を有さない場合には、溶解性コア体に加水分解促進触媒と親和性を有する極性基を有する化合物を吸着させるか、溶解性コア体を合成する際に、溶解性コア体と反応し、加水分解促進触媒と親和性を有する極性基を有する化合物を反応させればよい。
(極性基を有する化合物)
極性基を有する化合物とは、上記極性基を分子内に少なくとも一種類以上含む化合物の中で、特に、溶解性コア体と、分子間力、静電的引力、水素結合等により、物理的、化学的に吸着又は結合するものが望ましい。その中で、低分子界面活性剤、高分子分散剤を用いることが望ましい。
(a)低分子界面活性剤
低分子界面活性剤としては、各種アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。
以下、界面活性剤の具体例を列挙する。
・アニオン性界面活性剤
アニオン性界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルフェニルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、高級脂肪酸塩、高級脂肪酸エステルの硫酸エステル塩、高級脂肪酸エステルのスルホン酸塩、高級アルコールエーテルの硫酸エステル塩及びスルホン酸塩、高級アルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩等が使用でき、好ましくは、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、イソプロピルナフタレンスルホン酸塩、モノブチルフェニルフェノールモノスルホン酸塩、モノブチルビフェニルスルホン酸塩、モノブチルビフェニルスルホン酸塩、ジブチルフェニルフェノールジスルホン酸塩等が用いられる。
・ノニオン性界面活性剤
ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、アルキルアルカノールアミド、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールブロックコポリマー、アセチレングリコール、アセチレングリコールのポリオキシエチレン付加物等が挙げられ、好ましくは、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸アルキロールアミド、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールブロックコポリマー、アセチレングリコール、アセチレングリコールのポリオキシエチレン付加物が用いられる。
・その他の低分子界面活性剤
その他、ポリシロキサンオキシエチレン付加物等のシリコーン系界面活性剤や、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、オキシエチレンパーフルオロアルキルエーテル等のフッ素系界面活性剤、スピクリスポール酸やラムノリピド、リゾレシチン等のバイオサーファクタント等も使用できる。
(b)高分子分散剤
高分子分散剤としてはヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルメチルエーテル、ポリエチレンイミン、完全けん化PVA、部分けん化PVA、ポリメタクリル酸ジメチルアミノエチル、ポリメタクリル酸ジメチルアミノエチル四級塩、ポリアクリル酸ジメチルアミノエチル、ポリアクリル酸ジメチル四級塩、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸、ポリアリルアミン、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリウレタン、ポリスルホン酸ナトリウム、アクリル酸ナトリウムとポリアリルアミン共重合ポリマー、水溶性天然高分子等が挙げられ、ポリアクリル酸又はポリアクリル酸ナトリウムを用いることが望ましい。
また、疎水基と親水基とを含む高分子分散剤を、極性基を有する化合物として用いることによって溶解性コア体への吸着性と分散性の向上の点から好ましい。疎水基と親水基とを含む高分子分散剤としては、親水性基と疎水性基とを有する重合体が好適に用いられる。
親水基と疎水基とを有する重合体としては、縮合系重合体と付加重合体とが使用できる。
縮合系重合体としては、公知のポリエステル系分散剤が挙げられる。付加重合体としては、α,β−エチレン性不飽和基を有するモノマーの付加重合体が挙げられる。
親水基を有するα,β−エチレン性不飽和基を有するモノマーと疎水基を有するα,β−エチレン性不飽和基を有するモノマーを適宜組み合わせて共重合することにより目的の高分子分散剤が得られる。
また、親水基を有するα,β−エチレン性不飽和基を有するモノマーの単独重合体も用いることができる。
親水基を有するα,β−エチレン性不飽和基を有するモノマーとしては、カルボキシル基、スルホン酸基、水酸基、りん酸基等を有するモノマー、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、イタコン酸モノエステル、マレイン酸、マレイン酸モノエステル、フマル酸、フマル酸モノエステル、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、スルホン化ビニルナフタレン、ビニルアルコール、アクリルアミド、メタクリロキシエチルホスフェート、ビスメタクリロキシエチルホスフェート、メタクリロオキシエチルフェニルアシドホスフェート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート等が挙げられる。
疎水基を有するα,β−エチレン性不飽和基を有するモノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等のスチレン誘導体、ビニルシクロヘキサン、ビニルナフタレン、ビニルナフタレン誘導体、アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸フェニルエステル、メタクリル酸シクロアルキルエステル、クロトン酸アルキルエステル、イタコン酸ジアルキルエステル、マレイン酸ジアルキルエステル等が挙げられる。
高分子分散剤として用いられる、好ましい共重合体の例としては、スチレン−スチレンスルホン酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、ビニルナフタレン−メタクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、アクリル酸アルキルエステル−アクリル酸共重合体、メタクリル酸アルキルエステル−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸アルキルエステル−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸アルキルエステル−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸フェニルエステル−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸シクロヘキシルエステル−メタクリル酸共重合体等が挙げられる。
また、これらの重合体に、ポリオキシエチレン基、水酸基を有するモノマーを適宜共重合させてもよい。これら高分子分散剤は、単独で用いても、2種類以上を併用しても差し支えない。
なお、溶解性コア体の表面の一部に、極性基を有する化合物を有するようにするには、溶解性コア体スラリーに直接添加することで行う。
溶解性コア体の表面の一部に、極性基を有するか、極性基を有する化合物が吸着又は結合されていると、静電反発力や、立体反発の力により、溶解性コア体の凝集を防止することができ分散性がよくなる。また、極性基が加水分解促進触媒と親和性があることで、加水分解促進触媒が極性基の周りに対イオンとして溶解性コア体近傍に吸着することができると考えられる。
なお、極性基を有する化合物と共に珪酸ナトリウム等の分散助剤を用いることも好ましい。
(加水分解促進触媒)
加水分解促進触媒としては、酸触媒、アルカリ触媒がある。アルカリ触媒としては、アンモニア、アミン化合物、アミノ基を分子内に有する化合物、アルカリ金属の水酸化物等を用いることができる。
中空状無機粒子の前駆体において、溶解性コア体の表面の少なくとも一部に(極性基を介して)加水分解促進触媒が吸着又は結合することにより、無機膜の形成を溶解性コア体表面で選択的に起こるようにすることができ、二次粒子の形成を防止することが可能となる。この理由としては、加水分解促進触媒が、溶解性コア体表面に吸着又は結合することによって溶解性コア体表面で加水分解反応がより進行されるためであると発明者等は考えている。
上述しているように加水分解促進触媒で処理する前に、溶解性コア体が表面の少なくとも一部に極性基を直接有するか、極性基を有する化合物を吸着又は結合させることは、分散性をよくし、また加水分解促進触媒を溶解性コア体の表面により吸着又は結合させ易くすることができる。
加水分解促進触媒としての酸触媒としては、各種の無機酸と有機酸を用いることができる。
特に、アンモニア、第一級又は第二級アミンから水素を除去した1価の官能基を含むアミン化合物を用いることができる。具体的には、メチルアミン、エーテルアミン、エチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、キヌクリジン、1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン(DABCO)、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、エチレンジアミン、テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)、ヘキサメチレンジアミン、アニリン、カテコールアミン、フェネチルアミン、1,8−ビス(ジメチルアミノ)ナフタレン(プロトンスポンジ)、アミノ酸、アマンタジン、スペルミジン、スペルミン等が挙げられる。
また、ポリマーであってもよい。アミノ基等の正荷電を帯びることのできる官能基を有するもの、例えば、ポリエチレンイミン(PEI)、ポリアリルアミン塩酸塩(PAH)、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリド(PDDA)、ポリビニルピリジン(PVP)、ポリリジン及びこれらの構造を含む、共重合体を用いることができる。
これらの、加水分解促進触媒を、溶解性コア体に吸着又は結合された前記加水分解促進触媒と親和性のある極性基と、又は溶解性コア体に吸着又は結合された前記加水分解促進触媒と親和性のある極性基を有する化合物と、物理的、化学的に吸着又は結合させて、溶解性コア体上に備えさせる。吸着又は結合させる方法として、溶解性コア体が含有される分散用媒体(溶解性コア体が溶解しない溶媒)中に、上記の加水分解促進触媒を添加することで行う。加水分解促進触媒を均一に溶解性コア体上に結合させるために、適宜、加熱、攪拌、しんとうを行う。
また、図2に、極性基を介して溶解性コア体への加水分解促進触媒(アンモニア)の結合の様子を示す概念図を示す。
具体的には、分散用媒体中に溶解性コア体10質量部を分散させ、加水分解促進触媒を1質量部添加することで行う。加水分解促進触媒が溶解性コア体に吸着又は結合したか否かの確認は、処理した溶解性コア体のスラリーを乾燥させ、エネルギー分散型X線により化学分析をすることで行う。
(無機膜)
無機膜は、溶解性コア体表面に直接、若しくは、極性基又は極性基を有する化合物を表面に有する溶解性コア体に加水分解促進触媒を吸着又は結合させた後、形成させる膜のことを指す。この無機膜を形成後、溶解性コア体を溶解除去することによって中空状無機粒子を得ることができる。なお、無機膜は、溶解性コア体を溶解する溶解用媒体には溶解しない材質であることが必須である。その選定は用いられる溶解性コア体、溶解用媒体によるが、無機膜を形成している素材を溶解用媒体に浸漬し、溶解するかどうかを確認すればよい。
具体的には、中空状無機粒子の前駆体を被覆する無機膜としては、下記一般式(1)
で表される化合物の加水分解生成物が好ましい。
(但し、式(1)中、R1は、H原子若しくはF原子又は炭素数1〜12の一価の有機基を示し、Mは、IVa、Vb、Ib、IIb、IIIa、IIIb、Va及びIVb族に属する原子からなる群より選ばれる原子であってC原子を除く原子を示し、Xは、加水分解性基を示し、mは、2以上の整数を示し、nは、0〜2の整数を示し、m−n≧1であり、nが2のとき、各R1は互いに同一でも異なっていてもよく、m−n≧2のとき、各Xは互いに同一でも異なっていてもよい。また、R1とXは同一でも異なっていても良い。)
一般には、金属アルコキシドの加水分解生成物を用いることができる。
金属アルコキシドとしては、ケイ素、チタン、アルミニウムのアルコキシドを用いることが好ましい。
その中でも特にシリコンアルコキシドを用いることが屈折率が低い点からより好ましい。
無機膜の形成は、具体的には以下のように行う。
極性基を介して加水分解促進触媒が表面に吸着又は結合された溶解性コア体を、アルコール等の溶解性コア体が溶解しない分散用媒体に分散させ溶解性コア体スラリーを得、上記一般式(1)で表される化合物、より好ましくは金属アルコキシドを、金属アルコキシド/溶解性コア体の質量比を1〜20の量で滴下しながら添加し、加水分解反応後、金属アルコキシドの加水分解生成物でコーティングされた溶解性コア体を調製し、水による洗浄を行う。
ここで分散用媒体として使用するアルコールについては、溶解性コア体を溶解しないものであれば特段の制約はないが、無機膜を金属アルコキシドの加水分解生成物を用いる場合、分散媒溶媒としては、金属アルコキシドに対して溶解性の高いメタノール、エタノール、プロパノール等が利用可能である。
加水分解反応は、通常の方法で行えばよく、例えば、金属アルコキシドの場合は、酸、アンモニア等の触媒を用いることも好ましい。
無機膜の厚さは1〜50nm、特に、3〜20nmの範囲とすることが好ましい。無機膜の厚さが1nm未満では、溶解性コア体の構成成分の一部を除去する際に粒子形状を保持することが困難となる傾向がある。一方、無機膜の厚さが50nmを超える厚い場合は、溶解性コア体を溶解除去する際に溶解性コア体を構成する成分の除去が困難となる傾向がある。また、得られる中空状無機粒子中の空洞の割合が減少して屈折率の低下が不十分となることがある。
さらに、無機膜の厚さは、中空状無機粒子の平均粒子径の1/50〜1/5の範囲にあることが好ましい。これは、溶解性コア体の構成成分の一部を除去する際、粒子径が大きいと、破壊されて形状を保持することができなくなるからである。
無機膜の厚さを上記範囲とするには、溶解性コア体表面に形成させる物質の量を調整すればよい。
次に、主に無機膜形成に好ましく用いられるシリコンアルコキシドを下記一般式(2)に示し、その種類を以下に示す。
(但し、Rは、炭素数1〜10の非置換又は置換炭化水素基、アクリル基、エポキシ基、メタクリル基、アミノ基、CF基、Xは、炭素数1〜4のアルコキシ基、シラノール基、ハロゲン又は水素、nは、0〜3の整数を示す。)
なお、本工程で使用する上記一般式(2)に示すシリコンアルコキシドは、その加水分解によりシリカを析出し得るものであれば特段の制約はなく、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(βメトキシエトキシ)シラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、メチル−3,3,3−トリフルオロプロピルジメトキシシラン、β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシトリプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、トリメチルシラノール、メチルトリクロロシラン、メチルジクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、ビニルトリクロルシラン、トリメチルブロモシラン、ジエチルシラン等が挙げられる。
上記シリコンアルコキシドから形成される無機膜(「シリカ被覆膜」ともいう)は緻密であるために、内部が屈折率の低い気相又は液層に保たれることから、被膜の形成等に用いる場合、屈折率の高い物質、例えば塗料用樹脂等が内部に進入することがなく、低屈折率効果の高い被膜を形成することができる。
また、上記において、シリカ被覆層の形成にn=1〜3の有機珪素化合物を用いる場合は、有機溶媒への分散性が良く、樹脂との親和性の高い中空状無機粒子の分散液を得ることができる。
また、シリカ被覆層の形成に含フッ素有機珪素化合物を用いる場合は、F原子を含む被覆層が形成されるために、得られる粒子はより低屈折率となると共に有機溶媒への分散性が良く、樹脂との親和性の高い中空状無機粒子の分散液を得ることができる。
このような含フッ素有機珪素化合物としては、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、メチル−3,3,3−トリフルオロプロピルジメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルメチルジメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリクロロシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン等が挙げられる。
無機膜の形成工程において各物質を添加した後は、シリコンアルコキシドの加水分解によるシリカの析出が完了するまで撹拌を続けることが望ましい。
未反応のシリコンアルコキシドが大量に含まれる場合、後の洗浄の際に無機膜によりコーティングされた中空状無機粒子の前駆体が凝集する傾向がある。
そのようになると、最終的に得られる中空状無機粒子も凝集体となって、本発明の課題のひとつである高分散状態が達成できなくなることもある。
<中空状無機粒子及びその製造方法>
次に、本発明の中空状無機粒子の製造方法について説明する。
本発明の中空状無機粒子の製造方法は、前記した通り溶解性コア体に加水分解促進触媒を吸着又は結合させる第1工程と、
前記加水分解促進触媒が吸着又は結合した溶解性コア体を、一般式(I)で表される化合物の加水分解生成物でコーティングし、無機膜を形成し、中空状無機粒子の前駆体を得る第2工程と、
(但し、式(1)中、R1は、H原子、F原子及び炭素数1〜12の1価の有機基からなる群から選ばれ、Mは、IVa、Vb、Ib、IIb、IIIa、IIIb、Va及びIVb族に属する原子からなる群より選ばれる1種以上の原子であってC原子を除く原子を示し、Xは、加水分解性基を示し、mは2以上の整数を示し、nは0〜2の整数を示し、m−n≧1であり、nが2のとき、各R1は互いに同一でも異なっていてもよく、m−n≧2のとき、各Xは互いに同一でも異なっていてもよい。また、R1とXは同一でも異なっていても良い。)
前記中空状無機粒子の前駆体を溶解処理することで、前記溶解性コア体を除去して中空状無機粒子を得る第3工程と、を含み、
前記第1工程における前記溶解性コア体の平均粒子径が、動的光散乱法による測定で4〜80nmであることを特徴とする。
(第1工程)
第1工程は、溶解性コア体に加水分解促進触媒を吸着又は結合させる。
第1工程において用いられる溶解性コア体は前述したものが用いられる。なお、溶解性コア体が前記加水分解促進触媒と親和性がある極性基を有さない場合は、加水分解促進触媒を処理する前に、該極性基を有する化合物を溶解性コア体に吸着又は結合させる工程を追加する。
溶解性コア体は、動的光散乱法による測定で4〜80nmの粒子径であることが好ましい。
溶解性コア体がポリマー粒子の場合は、ポリマーの原料となるモノマー等を用い、マイクロエマルション重合、ミニエマルション重合、ソープフリー乳化重合、乳化重合等の重合法により、動的光散乱法による測定で4〜80nmの粒子径の溶解性コア体を得ることができる。それによって100nm以下の粒子を得ることができる。金属粒子の場合、分散剤存在下での酸化還元反応によって合成することが可能である。
溶解性コア体に前記加水分解促進触媒と親和性がある極性基を有する化合物を吸着又は結合させる方法としては、溶解性コア体を含む分散用媒体中に、前記加水分解促進触媒と親和性がある極性基を有する化合物を添加し、ビーズミル、超音波、ナノマイザー等を用いた分散工程を経て、分散させるか又は従来の方法を用いて溶解性コア体を合成する方法が挙げられる。
上記のようにして得られた表面に前記加水分解促進触媒と親和性がある極性基又は該極性基を有する化合物を有する溶解性コア体を水、アルコール等の分散用媒体に分散させて得られた溶解性コア体スラリーに、加水分解促進触媒を添加し、適宜、加熱、攪拌、しんとうすることで、溶解性コア体の表面の少なくとも一部に加水分解促進触媒を吸着又は結合させる。
(第2工程)
第2工程は、前記加水分解促進触媒が吸着又は結合した溶解性コア体を、上記一般式(1)で表される化合物の加水分解生成物でコーティングし、無機膜を形成し、中空状無機粒子の前駆体を得る。
(第3工程)
第3工程は、中空状無機粒子前駆体を溶剤、酸、アルカリ等の溶解用媒体で溶解処理することで、前記溶解性コア体を除去し、中空状無機粒子を得る。
第3工程の溶解処理に用いる溶解性コア体を溶解するための溶解用媒体は、用いる溶解性コアの材質により適宜選択される。例えば、炭酸カルシウム等の金属炭酸塩粒子を溶解性コア体に用いる場合は、酸、アルカリを溶解用媒体として用いる。
また、ポリマー粒子を溶解性コア体に用いる場合は、ポリマーが溶解する有機溶剤を溶解用媒体に用いる。
溶解性コア体を溶解するための酸としては、蟻酸、マレイン酸、フマル酸、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、シュウ酸、アジピン酸、セバシン酸、酪酸、オレイン酸、ステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸、サリチル酸、安息香酸、p−アミノ安息香酸、p−トルエンスルホン酸、フタル酸、スルホン酸、酒石酸、トリフルオロメタンスルフォン酸等の有機酸、塩酸、燐酸、硝酸、ホウ酸、硫酸、フッ酸等の無機酸等を用いることができる。
第3工程の溶解処理に用いる溶解性コア体を溶解するアルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等が挙げられる。
第3工程の溶解処理に用いる溶解性コア体を溶解する有機溶剤としては、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルスルホキシド等が挙げられる。
アルコール系溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、iso−ブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、n−ペンタノール、iso−ペンタノール、2−メチルブタノール、sec−ペンタノール、t−ペンタノール、3−メトキシブタノール、n−ヘキサノール、2−メチルペンタノール、sec−ヘキサノール、2−エチルブタノール、sec−ヘプタノール、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、sec−オクタノール、n−ノニルアルコール、n−デカノール、sec−ウンデシルアルコール、トリメチルノニルアルコール、sec−テトラデシルアルコール、sec−ヘプタデシルアルコール、フェノール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール等が挙げられる。
ケトン系溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、メチル−iso−ブチルケトン、メチル−n−ペンチルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、ジエチルケトン、ジ−iso−ブチルケトン、トリメチルノナノン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、メチルシクロヘキサノン、2,4−ペンタンジオン、アセトニルアセトン、ジアセトンアルコール、アセトフェノン、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。
エーテル系溶媒としては、例えば、エチルエーテル、iso−プロピルエーテル、n−ブチルエーテル、n−ヘキシルエーテル、2−エチルヘキシルエーテル、エチレンオキシド、1,2−プロピレンオキシド、ジオキソラン、4−メチルジオキソラン、ジオキサン、ジメチルジオキサン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルブチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ヘキシルエーテル、エトキシトリグリコール、テトラエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン等が挙げられる。
エステル系溶媒としては、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸
iso−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸iso−ブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸n
−ペンチル、酢酸sec−ペンチル、酢酸3−メトキシブチル、酢酸メチルペンチル、酢
酸2−エチルブチル、酢酸2−エチルヘキシル、酢酸ベンジル、酢酸シクロヘキシル、酢
酸メチルシクロヘキシル、酢酸ノニル、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、アセ
ト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、酢酸エチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸エ
チレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、
酢酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノ−n−ブ
チルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸プロピレングリコー
ルモノエチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノプロピルエーテル、酢酸ジプロピ
レングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、
ジ酢酸グリコール、酢酸メトキシトリグリコール、プロピオン酸エチル、プロピオン酸n
−ブチル、プロピオン酸i−アミル、シュウ酸ジエチル、シュウ酸ジ−n−ブチル、乳酸
メチル、乳酸エチル、乳酸n−ブチル、乳酸n−アミル等が挙げられる。
これらの溶媒は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
溶解処理の方法としては、例えば以下の通りである。まず、上述したように対象とする溶解性コア体によって適宜溶解用媒体を選定する。その具体的な選定方法としては、まず無機膜を溶解しないことが必須であり、そのためには例えば、金属アルコキシドを無機膜として使用し、溶解性コア体に金属炭酸塩粒子を使用する場合は、酸等を選定し、ポリマー粒子を使用する場合は、溶解用媒体として上記有機溶剤等を用いればよい。金属粒子を使用する場合は、溶解用媒体として酸性度の強い有機酸を用いればよい。そして、いずれの場合も、無機膜を形成している素材を溶解用媒体に浸漬し、溶解しないことを確かめることが重要である。
そして中空状無機粒子の前駆体に対し、溶解用媒体を過剰量用意し、その媒体中に中空状無機粒子の前駆体を添加して行う。必要により、加熱、攪拌等を行う。
なお、図3に本発明の中空状無機粒子の製造方法の一部の工程をイメージで示す。
溶解処理後、限外ろ過等により純水、溶剤等で中空状無機粒子を洗浄し、中空状無機粒子を得る。得られた中空状無機粒子は、ナノ粒子の凝集体として得られるため、再度、水やアルコール等の分散用媒体中に分散してもよい。分散方法は、ビーズミル、超音波、ナノマイザー等の方法を用いることができる。
なお、洗浄用の溶剤については、無機膜の原料成分により変える必要がある。具体的にはアルキル基を有さない金属アルコキシドを無機膜の原料成分とした場合、中空状無機粒子を分散させる場合には無機膜表面にOHを有するため、アルコール等の極性溶媒を洗浄用溶剤とすることが好ましい。逆に無機膜の原料成分がアルキル基を有している場合(無機膜の表面が疎水性の場合)は有機溶剤(例:トルエン、メチルエチルケトン)を洗浄用溶剤とする。
本発明の中空状無機粒子は、動的光散乱法による粒子径が5〜90nmである。
本発明において「動的光散乱法による平均粒子径」は、液相中に分散させた際の分散粒子径をさす。
中空状無機粒子の粒子径を上記範囲とするには、4〜80nmの粒子径を有するコア体粒子を使用すればよい。
ここでいう中空状無機粒子とは、外殻の内部に空洞が形成されてなる中空状粒子であり、該空洞内に溶媒及び/又は気体を含有することが可能となる。
本発明の中空状無機粒子は、高分散であり且つ緻密な無機膜からなるため、従来のシリカ中空体とは異なる分野への応用が考えられる他、近年のナノテクノロジーに代表される超微細化技術にも対応できるものとなる。
また、本発明の中空状無機粒子の無機膜を金属アルコキシドを用いて作製した場合2〜30nmの細孔が存在しない。そのため2nm以上の分子、クラスター又は粒子が中空状無機粒子内部に浸透することはなく、2nm未満の分子等を選択的に中空状無機粒子内部に取り込むことができる。
また、本発明の中空状無機粒子は、高分散であるため、ナノ粒子径に伴い種々の優れた特性を発現する。例えば、ナノサイズであるので、樹脂に混練した際に、樹脂の透明性を損なうことがないため、ウェットプロセスを用いた塗布法によって反射防止膜に応用することが可能である。
また、ナノサイズのカプセル粒子として、リリースコントロール素材、選択吸着剤等としての利用も期待されるものである。
<光学部材及び光学部材体>
本発明の中空状無機粒子は、薄膜化することにより、反射防止膜等の光学部材とすることができる。
また、上記光学部材に反射防止機能を設けることで光学部材体とすることができる。反射防止機能の設け方としては、中空状無機粒子分散液をフィルムに塗布または、ディップする方法穂などが挙げられる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限するものではない。
(実施例1)
<合成方法>
・溶解性コア体の調整
テトラクロロ金酸四水和物0.048質量%100mLにクエン酸三ナトリウム1質量%20mLを添加し、120℃で1時間撹拌を続け、溶解性コア体として金ナノ粒子を合成した。動的光散乱の平均粒子径は20nmであった。
なお、溶解性コア体はカルボキシル基を極性基として有している。
・加水分解促進触媒の吸着
得られたスラリーに加水分解促進触媒として28質量%アンモニア水を2mL添加した。このスラリーを限外ろ過によって水で洗浄し、乾燥後にエネルギー分散型X線により化学分析を行った所、窒素が検出され、アンモニウムイオンが粒子表面に吸着していることを確認した。
また、アンモニア添加前後のゼータ電位を測定したところ、それぞれ−31mV、−23mVであることから加水分解促進触媒のアンモニウムイオンが表面に吸着し、ゼータ電位を低下させていることを示唆している。
・無機膜のコーティング
続いて、上記で得られた金ナノ粒子スラリーに触媒(28質量%アンモニア)2mLを添加したスラリーを35℃に昇温し、テトラエトキシシランのエタノール溶液0.15質量%60gを1時間にわたって添加し、そのまま5時間撹拌した。
無機膜の厚さは、透過型電子顕微鏡(TEM、(株)日立製作所製のH−800)で測定したところ8nmだった。
・溶解性コア体の除去
その後、限外ろ過により純水で洗浄してから、金コロイドスラリー(溶解性コア体として0.1質量部)に王水40質量部を添加し、室温で24時間撹拌し、溶解性コア体としての金コロイドを溶解させた。さらに、再び限外ろ過によって純水で溶液を洗浄し、中空状無機粒子を得た。
得られた中空状無機粒子をTEM及び走査型電子顕微鏡(SEM、(株)フィリップスエレクトロニクス製のXL30 ESEM)で観察したところ、無機膜としてのシリカ殻(厚さ8nm)からなる動的光散乱による平均粒子径65nmの中空状無機粒子であった。さらに、エネルギー分散型X線検出器により化学分析を行ったところ、Si元素及び酸素のみが検出され、高純度のシリカ中空状無機粒子であることが確認された。
(実施例2)
・溶解性コア体の調整及び極性基を有する化合物の吸着
溶解性コア体として一次粒子径20nmの炭酸カルシウム粒子50g、及びイソプロピルアルコール50gを混合後、水656g、及び極性基を有する化合物としてポリアクリル酸ナトリウム(東亜合成(株)製、商品名:T−40)7.5gと分散助剤として珪酸ナトリウム2.5gを添加し、ナノマイザー分散装置(吉田精機(株)製、流速280m/秒、圧力200MPa)で分散を行った。
ナノマイザーを3回通すことで得られたスラリーを、動的光散乱を用いて粒度分布を測定したところ平均粒子径が50nmであった。
・加水分解促進触媒の吸着
次に、上記で得た炭酸カルシウムスラリーを0.5質量%20gに調整し、加水分解促進触媒として28質量%アンモニア水を2mL添加した。このスラリーを限外ろ過によって水で洗浄し、乾燥後にエネルギー分散型X線により化学分析を行った所、窒素が検出され、アンモニウムイオンが粒子表面に吸着していることを確認した。
また、アンモニア添加前後のゼータ電位を測定したところ、それぞれ−52mV、−30mVであることから加水分解促進触媒のアンモニウムイオンが表面に吸着し、ゼータ電位を低下させていることを示唆している。
・無機膜のコーティング
続いて、触媒(28質量%アンモニア)2mLを添加したスラリーを35℃に昇温し、テトラエトキシシランのエタノール溶液1.49質量%60gを1時間にわたって添加し、そのまま5時間撹拌した。
無機膜の厚さは、TEMで測定したところ13nmだった。
・溶解性コア体の除去
その後、限外ろ過により純水で洗浄してから、溶解性コア体として1.5質量部に対して1M塩酸を1mL/分で2mL添加し、室温で24時間撹拌し、炭酸カルシウムを溶解させた。さらに、再び限外ろ過によって純水で溶液を洗浄し、中空状無機粒子を得た。
得られた中空状無機粒子を透過型電子顕微鏡及び走査型電子顕微鏡で観察したところ、無機膜としてのシリカ殻(厚さ13nm)からなる動的光散乱による平均粒子径81nmの中空状無機粒子であった。さらに、エネルギー分散型X線検出器により化学分析を行ったところ、Si元素及び酸素のみが検出され、高純度のシリカ中空状無機粒子であることが確認された(得られたシリカ中空状無機粒子を図1に示す)。
(実施例3)
実施例2において、加水分解触媒としてトリエタノールアミンを1mL、無機膜形成物質としてチタンテトライソプロポキシドのエタノール溶液2質量%60gを用いた以外は同様にして行った。
トリエタノールアミン添加前後の溶解性コア体のゼータ電位はそれぞれ−52mV、−35mVであった。また、溶解性コア体に形成させた無機膜の厚さはTEM観察から12nmであり、溶解性コア体溶出後も12nmであった。
さらに、中空状無機粒子の平均粒子径は75nmであり、エネルギー分散型X線検出器により化学分析を行ったところ、Ti元素及び酸素のみが検出され、高純度の酸化チタン中空状無機粒子であることが確認された。
(実施例4)
実施例2において、加水分解触媒としてトリエタノールアミンを1mL、無機膜形成物質としてアルミニウムプロポキシドのイソプロパノール溶液1.5質量%60gを用いた以外は同様にして行った。
トリエタノールアミン添加前後の溶解性コア体のゼータ電位はそれぞれ−52mV、−36mVであった。
また、溶解性コア体に形成させた無機膜の厚さはTEM観察から10nmであり、溶解性コア体溶出後も10nmであった。
さらに、中空状無機粒子の平均粒子径は78nmであり、エネルギー分散型X線検出器により化学分析を行ったところ、Al元素及び酸素のみが検出され、高純度の酸化アルミニウム中空状無機粒子であることが確認された。
(実施例5)
・溶解性コア体の調整
溶解性コア体としてメタクリル酸メチル(MMA)2.0g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1.4g、1−ペンタノール0.2g及び水72.4gを混合し、40℃に昇温した後、N,N,N’,N’−テトラエチレンジアミン0.46質量%水溶液を5g及び過硫酸アンモニウム0.91質量%水溶液5gを添加し重合を始めた。
その後、MMA12mLを4mL/時間で滴下した後、5時間反応を続け、溶解性コア体(アクリル系ポリマー粒子)を合成した。このアクリル系ポリマー粒子には、極性基としてスルホニウム基が備えてある。
得られたスラリーの動的光散乱を測定したところ平均粒子径は21nmであった。
・加水分解促進触媒の吸着
このスラリー(溶解性コア体として0.5質量部)を用いて実施例2と同様に加水分解促進触媒として28質量%アンモニア水を2mL添加した。分散型X線により化学分析を行った所、窒素が検出され、アンモニウムイオンが粒子表面に吸着していることを確認した。
また、アンモニア水添加前後のゼータ電位を測定したところ、それぞれ−45mV、−34mVであった。
・無機膜のコーティング及び溶解性コア体の除去
続いて、実施例2と同条件で無機膜としてシリカの殻を形成した後、メタノールとメチルエチルケトン混合溶液(7/3質量比)50質量部を添加し、室温で24時間撹拌を行い、コア体を溶解させた。水を用いた限外ろ過にて洗浄し、中空状無機粒子を得た。
得られた中空状無機粒子をTEM及びSEMで観察したところ、無機膜としてのシリカ殻(厚さ6nm)からなる動的光散乱による平均粒子径52nmの中空状無機粒子であった。さらに、エネルギー分散型X線検出器により化学分析を行ったところ、Si元素及び酸素のみが検出され、高純度のシリカ中空状無機粒子であることが確認された。
(比較例1)
加水分解促進触媒としてのアンモニア水を添加しなかったこと以外は実施例2と同様にして中空状無機粒子の前駆体を得た後に溶解性コア体を溶解した。TEMを用いて観察したところ、粒子は観察されなかった。
(比較例2)
ポリアクリル酸ナトリウムを添加しなかったこと以外は実施例2と同様に行い、中空状無機粒子の前駆体を得た後に溶解性コア体を溶解した。動的光散乱法では粒子径3μm以上(計測範囲外)であり、ミクロンオーダーの凝集粒子となっていることが確認された。
得られた凝集粒子を透過型電子顕微鏡及び走査型電子顕微鏡で観察したところ、シリカの凝集粒子であった。
なお、図4に比較例2における製造方法の工程の一部をイメージで示す。
比較例2の溶解性コア体は分散型X線により化学分析を行った所、窒素が検出されず、アンモニウムイオンの粒子表面に吸着を確認できなかった。
(比較例3)
・溶解性コア体の調整
走査型電子顕微鏡法による一次粒子径100〜200nmの丸尾カルシウム(株)製の炭酸カルシウム粒子(ルミナス)を溶解性コア体として0.5g用い、これを水19.5g中に投入し超音波分散を行った(動的光散乱平均粒子径440nm)。
・加水分解促進触媒の吸着及び無機膜のコーティング
その後、エタノール17.5g及び28質量%アンモニア水を2mL添加した混合溶液を35℃に昇温し、テトラエトキシシランのエタノール溶液4質量%60gを1時間にわたって添加し、そのまま5時間撹拌した。
分散型X線により化学分析を行った所、窒素が検出され、アンモニウムイオンが粒子表面に吸着していることを確認した。
また、アンモニア水添加前後のゼータ電位を測定したところ、それぞれ−42mV、−30mVであった。
・溶解性コア体の除去
その後、限外ろ過により洗浄してから、1M塩酸を1mL/分で2mL添加し、炭酸カルシウムを溶解させた。さらに、再び限外ろ過によって溶液を洗浄し、中空状無機粒子を得た。
得られた中空状無機粒子を透過型電子顕微鏡及び走査型電子顕微鏡で観察したところ、無機膜としてのシリカ殻(厚さ10nm)からなる動的光散乱による平均粒子径744nmの粒子であった。
実施例1〜5、比較例1〜3で得られた粒子について表1に示す。
<無機薄膜転写材の作製(仮支持体上への中空状無機粒子含有積層膜の形成)>
実施例1〜5、比較例1〜3で得られた粒子の水分散液0.1質量%を微粒子分散液として用い、シグマアルドリッチジャパン(株)製ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド(PDDA)を高分子電解質として用いた。
溶液としては0.3質量%のPDDA水溶液と1.0質量%の微粒子分散液を調製した。微粒子分散液のpHは7に調整し、PDDA水溶液のpHは9に調製した。片面に易接着層とよばれる極性基を付与された樹脂層があるPETフィルム(A4100、東洋紡績(株)製、屈折率1.65、100mm×100mm×125μm厚)を仮支持体として用い、PDDA水溶液に1分間浸漬し、リンス用の超純水に3分間浸漬する工程(ア)、微粒子分散液に1分間浸漬した後、リンス用の超純水に3分間浸漬する工程(イ)をこの順に施した。この工程(ア)1回と工程(イ)1回を順に行うのを1サイクルとし、このサイクルを7回(微粒子交互積層回数)行い、仮支持体表面に中空状無機粒子含有積層膜を約100nmで形成し、これを無機薄膜転写材(A)とした。
<中空状無機粒子含有積層膜が転写された成形品の作製>
永久支持層の材料として光硬化性のハードコート樹脂(日立化成工業(株)製、ヒタロイド)を用いた。このハードコート樹脂97質量部と光重合開始剤(長瀬産業(株)製、イルガキュア184)3質量部とを混ぜた光硬化性樹脂を用いた。別のPETフィルムの易接着層がある面上にアプリケータを用いて光硬化性樹脂を厚さ30μmに塗工した(B)。
光硬化性樹脂の塗膜を有する成形品(B)と上記の無機薄膜転写材(A)とを、光硬化性樹脂の塗膜面と(A)の易接着層のない面上に形成された中空状無機粒子含有積層膜とが向かい合わせになるように配置して、貼り合わせた。
貼り合わせはロールラミネータ(ラミーコーポレーション社製LMP−350EX)を用いて、ロール荷重3kg/cm、送り速度0.5m/min、温度20℃の条件で行なった。この温度における、ハードコート樹脂の粘度は、9,000mP・sであった。(粘度は、E形粘度計(たとえば、東京計器(株)製TV−33が使用できる)により測定した、温度25℃における粘度。以下同様)
この貼り合わせ物に紫外線露光装置(オーク(株)製、HMW−6N−4)を用いて2000mJ/cmの紫外線を照射して光硬化性樹脂層を硬化させ転写膜を作製した。
<中空状無機粒子含有積層膜、転写膜の透明性の評価>
前記で得た中空状無機粒子含有積層膜が形成されたPETフィルムと中空状無機粒子含有積層膜をハードコート樹脂に転写した膜のヘイズ値を、濁度計(日本電色工業(株)製)にてJIS K 7361−1−1997に準拠して測定した結果を表2に示す。
この結果から、実施例で合成した中空状無機粒子は非常に透明性が高い状態で中空状無機粒子を樹脂中に転写できたことが分かった。

Claims (9)

  1. 溶解性コア体と、該溶解性コア体の表面の少なくとも一部に吸着又は結合された加水分解促進触媒と、最外層として無機膜と、を有し、
    前記溶解性コア体が、表面の少なくとも一部に前記加水分解促進触媒と親和性がある極性基を有し、該極性基に前記加水分解促進触媒が吸着又は結合されている中空状無機粒子の前駆体。
  2. 溶解性コア体と、該溶解性コア体の表面の少なくとも一部に吸着又は結合された加水分解促進触媒と、最外層として無機膜と、を有し、
    前記溶解性コア体が、表面の少なくとも一部に前記加水分解促進触媒と親和性がある極性基を有する化合物を有し、該極性基を有する化合物に前記加水分解促進触媒が吸着又は結合されている中空状無機粒子の前駆体。
  3. 前記溶解性コア体は、金属炭酸塩粒子、ポリマー粒子、金属粒子、シリカアルミナ複合物粒子のいずれかである請求項1又は2に記載の中空状無機粒子の前駆体。
  4. 前記加水分解促進触媒が、アンモニア、アミン化合物又はアミノ基を分子内に有する化合物である請求項1〜3のいずれか一項に記載の中空状無機粒子の前駆体。
  5. 前記無機膜が、下記一般式(1)
    で表される化合物の加水分解生成物である請求項1〜4のいずれか一項に記載の中空状無機粒子の前駆体。
    (但し、式(1)中、R1は、H原子、F原子及び炭素数1〜12の1価の有機基からなる群から選ばれ、Mは、IVa、Vb、Ib、IIb、IIIa、IIIb、Va及びIVb族に属する原子からなる群より選ばれる原子であってC原子を除く原子を示し、Xは、加水分解性基を示し、mは2以上の整数を示し、nは0〜2の整数を示し、m−n≧1であり、nが2のとき、各R1は互いに同一でも異なっていてもよく、m−n≧2のとき、各Xは互いに同一でも異なっていてもよい。また、R1とXは同一でも異なっていても良い。)
  6. 前記溶解性コア体の平均粒子径が、動的光散乱法による測定で4〜80nmである請求項1〜5のいずれか一項に記載の中空状無機粒子の前駆体。
  7. 前記溶解性コア体のゼータ電位の絶対値が、1〜80mVである請求項1〜6のいずれか一項に記載の中空状無機粒子の前駆体。
  8. 溶解性コア体に、加水分解促進触媒を吸着又は結合させる第1工程と、
    前記加水分解促進触媒が吸着又は結合した溶解性コア体を、一般式(I)で表される化合物の加水分解生成物でコーティングし、無機膜を形成し、中空状無機粒子の前駆体を得る第2工程と、
    (但し、式(1)中、R1は、H原子、F原子及び炭素数1〜12の1価の有機基からなる群から選ばれ、Mは、IVa、Vb、Ib、IIb、IIIa、IIIb、Va及びIVb族に属する原子からなる群より選ばれる1種以上の原子であってC原子を除く原子を示し、Xは、加水分解性基を示し、mは2以上の整数を示し、nは0〜2の整数を示し、m−n≧1であり、nが2のとき、各R1は互いに同一でも異なっていてもよく、m−n≧2のとき、各Xは互いに同一でも異なっていてもよい。また、R1とXは同一でも異なっていても良い。)
    前記中空状無機粒子の前駆体を溶解処理することで、前記溶解性コア体を除去して中空状無機粒子を得る第3工程と、を含むことを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の中空状無機粒子の前駆体を用いた中空状無機粒子の製造方法。
  9. 前記溶解性コア体の平均粒子径が、動的光散乱法による測定で4〜80nmである請求項に記載の中空状無機粒子の製造方法。
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