JP2010105867A - 粒子の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来の中空粒子に比較して小粒径の中空粒子を得るのに好適な粒子(中空粒子前駆体)の安定な製造方法、及び、従来の中空粒子に比較して小粒径の中空粒子の安定な製造方法を提供すること。
【解決手段】溶解性核粒子原料を分散剤の共存下で媒体分散手段により粉砕・分散させて、50%積算粒子径が90nm以下の溶解性核粒子を得る第1工程、及び、シリカを主成分とする薄膜で前記溶解性核粒子を被覆して被覆粒子を得る第2工程、を含むことを特徴とする粒子の製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、粒子の製造方法に関し、詳しくは微細な中空粒子前駆体の製造方法及び微細な中空粒子の製造方法に関する。
近年、粒子の形態制御による機能性材料の研究開発が盛んに行われており、そのひとつに中空粒子(「中空状粒子」ともいう。)の開発が挙げられる。粒径が0.11μmから300μm程度の中空シリカ粒子は公知である(特許文献1、特許文献2参照)。
中空状粒子は、医薬や化粧品の分野では、その内部に有効成分を内包した徐放性医薬や徐放性化粧品のほか、外環境との接触により分解あるいは劣化してしまう成分の保護、ドラッグデリバリーシステムのための担体などへ適用すべく、種々の検討がなされている。
また、光学分野では、フッ化カルシウムに代わる低屈折率材料として用いられ、反射防止膜などに応用されている。
例えば、特許文献1には、中空シリカ粉末に応力を加えて粒径の大きな粉末を選択的に破壊した後、該粉末を溶解中に分散させ、浮上した粉末のみを回収することを特徴とする中空シリカ粉末の製造方法が開示されている。また、中空シリカ粉末をメトキシシリケートやエトキシシリケートなどの有機硅素化合物と発泡剤を混合霧化した後に加熱分解することにより、中空シリカ粒子を得ることが記載されている。
さらに、特許文献2には、オルトケイ酸テトラエチルに、アルコール、水及び酸触媒を加えて部分加水分解を行わせた後、フタル酸ジブチルを添加し、この溶液を界面活性剤を含んだアンモニア水溶液中で混合撹拌し、乳化し、重縮合反応させることにより球状中空多孔質シリカ粒子を製造する方法が記載されている。
また、特許文献3には、活性シリカを珪酸アルカリ金属の水溶液から、酸性化剤を使用してpHを調節して、シリカ以外の材料からできた支持体上に沈殿させ、該支持体を除去することを特徴とする稠密シリカシェルからなる中空粒子の製造方法が記載されている。
さらに、特許文献4には、緻密なシリカ殻からなる高分散の中空状粒子であって、透過型電子顕微鏡による一次粒子径が30〜300nm、静的光散乱法による粒子径が30〜800nm、水銀圧入法により測定される細孔分布において2〜20nmの細孔が検出されないことを特徴とする高分散シリカなの中空粒子が開示されている。
また、メソポーラス又はマクロポーラス材料の作製方法としては、界面活性剤の分子集合体や、界面活性剤分子と所定有機分子を共存させた集合体、又は、異種の界面活性剤の分子集合体を鋳型として用い、該集合体とセラミック材料又は該セラミック材料の前駆体とを混合して無機−有機構造を有するセラミックス多孔体の前駆体を形成した後、熱や酸処理により、該前駆体中の界面活性剤を取り除く方法が提案されている。このような方法は、一般に「超分子鋳型法」と呼ばれる(非特許文献1参照。)。
シリカ系多孔質体の製造法としては、アルコキシシランの加水分解、及び、縮合反応により得られるシリカ系樹脂にポリマー、界面活性剤等を添加した組成物を加熱処理することにより多孔質化する方法(例えば特許文献5、6、非特許文献2参照。)、キセロゲル又はエアロゲル等の気体の発泡によって多孔質化する方法、あるいは超臨界法により多孔質化する方法などが知られている。
特開平6−91194号公報 特許第2590428号公報 特許第3419787号公報 特開2005−263550号公報 特開平11−310411号公報 特開平11−322992号公報 小川誠「超分子鋳型法」色材、71(10)、646−655頁、1998年 Journa1 of Non−crysta11ine Solids 2003, 325, 124−132.
上記の通り、シリカの殻からなる中空粒子については幾つかの検討がなされてきているものの、特許文献1及び2のような界面反応を利用した方法では、ミクロンオーダー以上の粒子径のものしか得られない。
さらに、その特許文献3においては、20nm以上の中空シリカ粒子が製造できるとの記述はあるものの、特許文献4の発明者らの実験によれば、ナノオーダーになると凝集が激しくなり、結果的にはミクロンオーダー以上の凝集粒子となってしまうことが確認されている。
また、特許文献4においては合成した炭酸カルシウム粒子をシリカで被覆することによって30から300nmのサブミクロンオーダー中空粒子を合成できるとの記述はあるものの、テンプレートとする炭酸カルシウムの合成を行うと、100nm以上の炭酸カルシウム粒子が混在したスラリーを生成してしまうため、100nm以下の中空粒子を作製することは難しく光学材料用途への応用が困難である。
サブミクロンサイズの中空粒子については、前述したとおり特許文献4の方法により製造できるが、その製造方法では、100nm以下さらには50nm以下の粒子を作製することが難しく、光学用途に用いた場合、中空粒子を混練した樹脂の透明度低下、膜形成能が低いという課題があった。
本発明が解決しようとする課題は、従来の中空粒子に比較して小粒径の中空粒子を得るのに好適な粒子(中空粒子前駆体)の安定な製造方法、及び、従来の中空粒子に比較して小粒径の中空粒子の安定な製造方法を提供することである。
上記課題は、以下の<1>に記載の手段により解決された。好ましい実施態様である<2>〜<11>と共に以下に列記する。
<1>溶解性核粒子原料を分散剤の共存下で媒体分散手段により粉砕・分散させて、50%積算粒子径が90nm以下の溶解性核粒子を得る第1工程、及び、シリカを主成分とする薄膜で前記溶解性核粒子を被覆して被覆粒子を得る第2工程、を含むことを特徴とする粒子の製造方法、
<2>第2工程に引き続いて、溶解性核粒子を溶解除去して中空のシリカ薄膜粒子を得る第3工程を含む、<1>に記載の粒子の製造方法、
<3>溶解性核粒子が、アルカリ土類金属炭酸塩又は金属酸化物である、<1>又は<2>に記載の粒子の製造方法、
<4>溶解性核粒子が炭酸カルシウム、チタニア及びアルミナよりなる郡から選ばれた、<1>〜<3>いずれか1つに記載の粒子の製造方法、
<5>媒体分散手段がビーズミルである、<1>〜<4>いずれか1つに記載の粒子の製造方法、
<6>分散剤が水溶性高分子である、<1>〜<5>いずれか1つに記載の粒子の製造方法、
<7>水溶性高分子がポリアクリル酸ナトリウムである、<6>に記載の粒子の製造方法、
<8>シリカを主成分とする薄膜が、珪酸ナトリウム水溶液からの析出物、又は式(1)で表される加水分解性シリコン化合物の加水分解生成物である、<1>〜<7>いずれか1つに記載の粒子の製造方法、
nSiX(4-n) ・・・(1)
(ただし、Rは、炭素数1から10の炭化水素基、アクリロキシ基、メタクリロキシ基、エポキシ基又はアミノ基を表し、Xは、炭素数1から4のアルコキシ基、水酸基、ハロゲン原子又は水素原子を表し、nは、0から3の整数を表す。)
<9>第2工程が、珪酸ナトリウムの脱アルカリ水溶液を添加する工程である、<1>〜<8>いずれか1つに記載の粒子の製造方法、
<10>第3工程において、酸によって溶解性核粒子を除去する、<2>〜<9>いずれか1つに記載の粒子の製造方法、
<11>シリカ薄膜粒子の50%積算粒子径が60nm以下である、<2>〜<10>いずれか1つに記載の粒子の製造方法。
本発明によれば、従来の中空粒子に比較して小粒径の中空粒子を得るに好適な粒子(中空粒子前駆体)の安定な製造方法、及び、従来の中空粒子に比較して小粒径の中空粒子の安定な製造方法を提供することができた。
本発明の粒子の製造方法は、<1>に記載したように、溶解性核粒子原料を分散剤の共存下で媒体分散手段により粉砕・分散させて、50%積算粒子径が90nm以下の溶解性核粒子を得る第1工程、及び、シリカを主成分とする薄膜で前記溶解性核粒子を被覆して、被覆粒子を得る第2工程、を含むことを特徴とする。
上記の第1工程及び第2工程からなる製造方法により、被覆粒子(以下、「中空粒子前駆体」ともいう。)が得られる。すなわち、得られた中空粒子前駆体に以下の第3工程を施すことにより中空のシリカ薄膜粒子(以下、「中空粒子」ともいう。)に変換することができる。
換言すれば、本発明の好ましい一実施態様は、第2工程に引き続いて、溶解性核粒子を溶解除去して中空のシリカ薄膜粒子(中空粒子)を得る第3工程を含む、上記<2>に記載した、粒子の製造方法である。
以下に、本発明の粒子の製造方法<1>及び上記の好ましい実施態様<2>について説明する。
本発明において、上記<1>に記載の方法により得られる粒子は、被覆粒子(中空粒子前駆体)であって、溶解性核粒子(コア)をシリカを主成分とする薄膜(シェル)によって被覆したコア・シェル構造を有する。この中空粒子前駆体のコアのみを溶解除去することによって中空粒子を製造できる。本発明よれば、好ましくは50%積算粒子径が100nm以下、より好ましくは60nm以下の中空粒子を製造することができる。この中空粒子は、光学材料などの透明性が要求される分野へ応用することができる。
本発明の上記<2>に記載の製造方法によれば、被覆粒子を経由して中空粒子を極めて簡易な製造工程により製造することができる。また、この製造方法は、従来法に比べて、製造再現性や生産性の点で優れている。
本発明において、溶解性核粒子原料(例えば炭酸カルシウム粒子)を水又はアルコール、若しくは、それらの混合溶媒の液中(分散媒中)で分散剤(例えば、カルボキシル基を有する分散剤)の存在下でビーズミル等の媒体分散手段により湿式粉砕して、動的散乱法による50%積算粒子径で50nm以下に粉砕および分散された溶解性核粒子を用いることにより、動的散乱法による50%積算粒子径で60nm以下の分散性の高い中空粒子前駆体を合成でき、さらにこの前駆体を酸処理することで容易に所望の中空粒子が得られる。
以下に上記<1>及び<2>に記載の粒子の製造方法を、工程順に説明する。
(第1工程)
第1工程は、溶解性核粒子原料を分散剤の共存下で媒体分散手段により湿式で粉砕・分散させて、50%積算粒子径で90nm以下の溶解性核粒子を得る工程である。
分散剤の存在下で媒体分散手段により溶解性核粒子原料を粉砕及び分散させて得られた溶解性核粒子は、分散媒の共存により凝集を防止することができる上に、分散性を向上させることができ、後工程でのシリカを主成分とする薄膜で被覆する後続工程において、一次粒子の状態を維持したまま、被覆することが可能である。
<溶解性核粒子原料>
溶解性核粒子原料とは、粉砕・分散させることにより溶解性核粒子を与えることができる物質をいう。
ここで、溶解性核粒子とは、水、有機溶剤又はそれら混合物などの媒質中に安定に分散することができる微細な粒子であって、酸により溶解する、すなわち、酸により可溶性物質又は気体となって分散媒から粒子としては消失するものが好ましい。本発明において、溶解性核粒子は、後続工程により得られるコア・シェル構造の被覆粒子のシリカを主成分とする薄膜(シェル)を破壊することなく、コアとしての核粒子を、酸性溶液などにより、シェルの外部に溶出するような粒子であり、酸性溶液などにより溶解して、可溶性物質又は気体となってシェル内部から消失する物質が好ましい。
溶解性核粒子を用いることによって、溶解性核粒子をシリカを主成分とする薄膜で被覆した後、溶解性核粒子であるコア粒子を除去することにより、中空粒子を製造することが可能となる。
なお、溶解性核粒子原料とは、微粒子に分散して溶解性核粒子を与える原料であり、無機化合物が好ましく、金属炭酸塩、金属リン酸塩、金属酸化物等がより好ましく例示できる。
金属炭酸塩としては、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸カルシウム、炭酸水素カルシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸銅、炭酸鉄、炭酸銀などが例示でき、アルカリ土類金属炭酸塩が好ましく、炭酸カルシウムが粉砕・分散が容易なために溶解性核粒子としてより好ましい。
金属リン酸塩としては、リン酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸バリウムなどが例示できる。
金属酸化物としては、酸により溶解可能なものが好ましく、入手が容易な点から、チタニア、アルミナ、ジルコニア、マグネシア、カルシア、セリア、酸化亜鉛などが好ましく例示できる。特に、チタニア、アルミナは分散が容易な観点から溶解性核粒子として好ましく、チタニアがより好ましい。
金属炭酸塩、金属リン酸塩又は金属酸化物をコア・シェル構造の被覆粒子(中空粒子前駆体)のコアとした場合、酸性水溶液によって、シェルの外部に溶出して中空粒子を得ることができる。
これらの中でも、被覆粒子(中空粒子前駆体)のコアに用いる溶解性核粒子の原料としては、金属炭酸塩が好ましく、アルカリ土類金属の炭酸塩がより好ましく、炭酸カルシウムが特に好ましい。
溶解性核粒子の粒子径は溶媒中における、動的散乱法による50%積算粒子径で90nm以下であり、好ましくは50nm以下であり、40nm以下であることがより好ましく、30nm以下であることがさらに好ましい、また、溶解性核粒子の粒子径は凝集を防止する観点から、5nm以上であることが好ましく、より好ましくは10nm以上である。
<分散剤>
分散媒とは、溶解性核粒子を媒質中に安定に分散するために使用する物質をいい、使用する媒体に可溶性であることが好ましい。
溶解性核粒子原料を分散剤の共存下で媒体分散手段により湿式で粉砕・分散させる。詳述すれば、溶解性核粒子原料を水又はアルコールなどの水性有機溶媒、若しくは、それらの混合溶媒の液中で、分散剤の共在下で、媒体分散手段により粉砕・分散させて、50%積算粒子径で好ましくは90nm以下、より好ましくは、50nm以下の溶解性核粒子を得る。この場合、後続する第2工程により、50%積算粒子径で好ましくは60nm以下の分散性の高い中空粒子前駆体を製造でき、さらに前駆体の核粒子を溶解除去することにより同じ粒子径の中空粒子が得られる。
媒体分散手段により溶解性核粒子原料を溶解性核粒子に粉砕・分散させる場合、分散剤を用いる。特に、本発明の溶解性核粒子(コア)として好ましい、粒子サイズが50nm以下とするような粉砕・分散を行うためには、凝集を抑えるために分散剤を添加する。
分散剤としては、低分子分散剤、高分子分散剤、シランカップリング剤等を用いることが好ましい。また、複数の分散剤を適宜組み合わせて用いることができる。
〔低分子分散剤〕
低分子分散剤としては、各種アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤等が含まれる。
−アニオン性界面活性剤−
アニオン性界面活性剤としては、スルホン酸塩、リン酸塩、珪酸塩、カルボン酸塩等が好ましく使用される。スルホン酸塩としてはアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルフェニルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩が好ましく、具体例としてドデシルベンゼンスルホン酸塩、イソプロピルナフタレンスルホン酸塩、モノブチルフェニルフェノールモノスルホン酸塩、モノブチルビフェニルスルホン酸塩、モノブチルビフェニルスルホン酸塩、ジブチルフェニルフェノールジスルホン酸塩等が例示できる。
リン酸塩としてはポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩等のアルキルリン酸塩の他トリリン酸塩やヘキサメタリン酸塩が用いられ、特にヘキサメタリン酸ナトリウムが金属酸化物を溶解性核粒子に用いた場合に好ましく用いられる。
珪酸塩としては珪酸ナトリウムが好ましく用いられる。
カルボン酸塩としては高級アルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸塩、ラウリル酸塩等が例示できる。
−ノニオン性界面活性剤−
ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、アルキルアルカノールアミド、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールブロックコポリマー、アセチレングリコール、アセチレングリコールのポリオキシエチレン付加物等が挙げられ、好ましくは、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸アルキロールアミド、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールブロックコポリマー、アセチレングリコール、アセチレングリコールのポリオキシエチレン付加物が用いられる。
−その他−
その他、ポリシロキサンオキシエチレン付加物等のシリコーン系界面活性剤や、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、オキシエチレンパーフルオロアルキルエーテル等のフッ素系界面活性剤、スピクリスポール酸やラムノリピド、リゾレシチン等のバイオサーファクタント等も使用できる。
〔高分子分散剤〕
高分子分散剤は、周知であり、分子量が千〜数千のオリゴマー領域の化合物も含まれ、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルメチルエーテル、ポリエチレンイミン、完全けん化PVA、部分けん化PVA、ポリメタクリル酸ジメチルアミノエチル、ポリメタクリル酸ジメチルアミノエチル四級塩、ポリアクリル酸ジメチルアミノエチル、ポリアクリル酸テトラメチルアンモニウム塩、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸、ポリアリルアミン、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリウレタン、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム、アクリル酸ナトリウムとポリアリルアミン共重合ポリマ一、などが例示できる。
高分子電解質も好ましく使用でき、ポリアクリル酸、及び/又は、ポリアクリル酸ナトリウムがより好ましく使用できる。
また、疎水基と親水基とを含む高分子分散剤としては、親水性基と疎水性基とを有する重合体が好適に用いられる。親水性基と疎水性基とを有する重合体としては、縮合系重合体と付加重合体とのいずれも使用することができる。
縮合系重合体としては、公知のポリエステル系分散剤が挙げられる。
付加重合体としては、α,β−エチレン性不飽和化合物の付加重合体が挙げられる。親水性基を有するα,β−エチレン性不飽和化合物と疎水性基を有するα,β−エチレン性不飽和化合物を適宜組み合わせて共重合することにより目的の高分子分散剤を得ることもできる。また、親水性基を有するα,β−エチレン性不飽和化合物の単独重合体も用いることができる。
親水性基を有するα,β−エチレン性不飽和化合物(モノマー)としては、カルボキシル基、スルホン酸基、水酸基、リン酸基等を有するモノマー、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、イタコン酸モノエステル、マレイン酸、マレイン酸モノエステル、フマル酸、フマル酸モノエステル、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、スルホン化ビニルナフタレン、ビニルアルコール、アクリルアミド、メタクリロキシエチルホスフェート、ビスメタクリロキシエチルホスフェート、メタクリロオキシエチルフェニルアシドホスフェート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート等が挙げられる。
疎水性基を有するα,β−エチレン性不飽和化合物(モノマー)としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等のスチレン誘導体、ビニルシクロヘキサン、ビニルナフタレン、ビニルナフタレン誘導体、アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸フェニルエステル、メタクリル酸シクロアルキルエステル、クロトン酸アルキルエステル、イタコン酸ジアルキルエステル、マレイン酸ジアルキルエステル等が挙げられる。
高分子分散剤として用いられる、好ましい共重合体の例としては、スチレン−スチレンスルホン酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、ビニルナフタレン−メタクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、アクリル酸アルキルエステル−アクリル酸共重合体、メタクリル酸アルキルエステル−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸アルキルエステル−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸アルキルエステル−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸フェニルエステル−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸シクロヘキシルエステル−メタクリル酸共重合体等が挙げられる。また、これらの重合体に、ポリオキシエチレン基、水酸基を有するモノマーを適宜共重合させてもよい。これら高分子分散剤は、単独で用いても、二種類以上を併用しても構わない。
〔シランカップリング剤〕
シランカップリング剤としては、メチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、3−(グリシジルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−トリメトキシシリルプロピルイソシアネート、3−トリエトキシシリルプロピルイソシアネート、メチルトリス(エチルメチルケトオキシム)シランなどが例示でき、3−アミノプロピルトリエトキシシランを用いることが好ましい。
これらの分散剤の中でも、良好な分散性が得られる観点から、高分子分散剤を使用することが好ましく、親水性基であるカルボキシル基、スルホン酸基、水酸基、リン酸基(これらの可溶性塩を含む。)等を有する水溶性高分子化合物を使用することがより好ましい。これらの親水性基の中でもカルボキシル基(その可溶性塩を含む。)を有する水溶性高分子化合物が好ましく、具体的にはポリアクリル酸ナトリウム金属塩を使用することがより好ましく、ポリアクリル酸ナトリウムを使用することがさらに好ましい。
<媒体分散手段>
第1工程において、溶解性核粒子原料を分散剤の存在下で、好ましくは分散剤の溶液中で、媒体分散手段により粉砕・分散させて、50%積算粒子径が90nm以下、好ましくは50nm以下の溶解性核粒子を製造する。
媒体分散手段とは、分散容器中に鋼球、ボール、ビーズなどの粉砕媒体を充填して粉砕・分散する手段をいう。媒体分散手段としては、ビーズミル、サンドミル、ボールミル、ペブルミル、アトライター、ペイントシェーカー等が例示できる。これらのうちビーズミルは、粉砕効果が大きく、溶解性核粒子原料を目的の50%体積粒子径(1次粒子サイズ)を有する溶解性核粒子にまで粉砕するのに適している。また、溶解性核粒子原料の1次粒子が目標のナノ粒子に近く、凝集による2次粒子からなる場合には粉砕の必要は無く穏やかなビーズミル条件で、1次粒子のレベルに分散させることができる。
ビーズミルで用いられるビーズサイズとしては好ましくは0.1mm以下、より好ましくは0.05mm以下である。ビーズサイズは0.01mm以上であることが好ましく、0.02mm以上であることがより好ましい。ビーズの材質としてはジルコニア、シリカ、ガラス、アルミナ、ステンレス等が例示でき、これらの中でもジルコニア、シリカが好ましい。より好ましくはジルコニアビ−ズである。
このように媒体分散手段によって溶解性核粒子原料を湿式で粉砕・分散させる場合、前述した分散剤を溶解性核粒子原料と共存させることが重要である。すなわち、ビーズミル等で原料粒子が粉砕されると活性な表面が生成するため粉砕と同時に凝集現象が生じやすくなる。この凝集を防止するために界面活性剤的な作用をもつ分散剤が使用され、粉砕で生じる活性面を直ちに被覆して不活性化を図る。分散剤の選定は分散媒や溶解性核粒子の材質によるが、金属炭酸塩の場合は、前述したように、高分子分散剤が好ましく使用される。
分散剤の添加量は溶解性核粒子の粒子径が小粒子化するにしたがって増量する必要があるが、溶解性核粒子の重量に対して1〜30%程度の範囲で良好な分散が可能である。分散剤の添加方法としては目標の粒子径に応じた量を粉砕・分散工程の初期から添加してもよいが、粉砕・分散の進行に伴い徐々に添加してもよい。以上の粉砕・分散工程を経て、動的光散乱法による50%積算径が90nm以下、好ましくは以下の溶解性核粒子の分散スラリーが得られる。
<50%積算粒子径>
ここで、50%積算粒子径は、光回折法あるいは動的散乱法により液相中に分散させた際の分散粒子を体積規準で小さな粒子から積算し全体の50%となる径をさす。上記溶解性核粒子については、動的散乱法により液相中に分散させた際の分散粒子について測定した値である。
なお、本発明により得られる被覆粒子及び中空粒子は、透過型電子顕微鏡法による1次粒子径と、動的光散乱法による粒子径とを比較しても明らかなように、液相中においても1次粒子が単独で存在しているか、あるいは、凝集していたとしても数個程度の1次粒子が凝集したものに抑えられている。
(第2工程)
第2工程は、上記第1工程で得られた溶解性核粒子を、シリカを主成分とする薄膜で被覆し、被覆粒子を得る工程である。
第2工程により得られる(被覆)粒子は、溶解性核粒子(コア)がシリカを主成分とする被膜(シェル)で被覆されており、該被覆粒子は、溶解性粒子を除去することにより中空粒子を製造可能な中空粒子前駆体として好適である。
該被覆粒子の動的散乱法による50%積算粒子径は、好ましくは100nm以下であり、より好ましくは60nm以下であり、さらに好ましくは50nm以下である。50%積算粒子径の下限は好ましくは、10nmである。
第2工程において、第1工程で得られた粒子スラリーのpHを必要に応じて調整することが好ましい。即ち、好ましくはpHを10以上、より好ましくは11以上になるようにアルカリを添加する。その後、シリコンアルコキシド等のシリカ原料を添加して、溶解性核粒子の粒子表面にシリカを主成分とする被覆層を形成する。この際、シリコンアルコキシド等の加水分解性シリコン化合物と水との親和性を改善するため、アルコールに溶解した状態で徐々に添加することが好ましい。また、加水分解性シリコン化合物を予め酸性条件で加水分解したゾル液となし、これをシリカ原料として添加することもできる。さらに、珪酸ナトリウムなどの珪酸塩水溶液から脱アルカリ処理して得られるシリカ液をシリカ原料として上記スラリーに添加することができる。この場合、スラリー温度を90℃以上の高温に保つことが好ましい。以上の方法により薄膜でコーティングされた中空粒子前駆体がスラリーの状態で得られる。
<シリカを主成分とする薄膜>
シリカを主成分とする薄膜は、分散剤の存在下で機械的手段によってナノサイズまで粉砕・分散させた溶解性核粒子の表面に形成させるシリカを主成分とする膜のことを指す。この薄膜を形成後、溶解性核粒子を溶出させることによって、シリカを主成分とする薄膜からなる中空粒子を得ることができる。
ナノサイズに粉砕・分散された溶解性核粒子スラリーは必要に応じてアンモニア等のアルカリを添加することでpHを10以上に調整する。これにアルコール、加水分解性シリコン化合物を、好ましくは加水分解性シリコン化合物/溶解性核粒子の重量比が1から20となる量で滴下しながら添加する。加水分解反応後、所望の薄膜でコーティングされた溶解性核粒子を調製することができ、水による洗浄を行うことが好ましい。
ここで溶媒として使用するアルコールについては特段の制約はなく、メタノール、エタノール、プロパノールなどが利用可能である。
薄膜の厚さは1〜30nmであることが好ましく、3〜10nmであることが好ましい。薄膜の厚さが1nm以上であると、溶解性粒子の構成成分の一部を除去する際に、中空形状を保持することができるので好ましい。また、薄膜の厚さが30nm以下であると、溶解性核粒子を溶解させる際に核粒子を構成する成分の除去が容易であるので好ましい。また、得られる中空粒子中の空洞の割合が適当であり、低い屈折率が得られ、中空粒子として機能が向上するので好ましい。
さらに中空粒子径に対する薄膜の厚さは、中空粒子の50%積算粒子径の1/50から1/2の範囲にあることが好ましい。比が1/50以上であると、核粒子の構成成分の一部を除去する際、粒子径が大きくても破壊されず、形状を維持することができるので好ましい。また、1/2以下であると、中空粒子中の空洞の割合が適当であり、中空粒子としての優れた機能を有するので好ましい。
溶解性核粒子を被覆する薄膜が、珪酸ナトリウム水溶液からの析出物、又は、下記式(1)で表される化合物の加水分解性生物であることが好ましい。
すなわち、溶解性核粒子を被覆する薄膜の1つとしては下記式(1)で表される加水分解性シリコン化合物の加水分解生成物が好ましく使用される。
nSiX(4-n) ・・・(1)
〔式中、Rは、炭化水素基、アクリロキシ基(アクリロイルオキシ基ともいう。)、メタクリロキシ基(メタクリロイルオキシ基ともいう。)、エポキシ基、又はアミノ基を表し、Xは炭素数1〜4のアルコキシ基、水酸基、ハロゲン原子又は水素原子を表し、nは0〜3の整数を表す。〕
式(1)におけるRは、炭化水素基、アクリロキシ基、メタクリロキシ基、エポキシ基、又はアミノ基であり、前記炭化水素基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基が例示でき、いずれも置換基を有していてもよい。
前記アルキル基は、炭素数1〜20であることが好ましく、炭素数1〜10であることがより好ましい。前記アルケニル基は、炭素数2〜20であることが好ましく、炭素数2〜10であることがより好ましい。アルキニル基は炭素数2〜20であることが好ましく、炭素数2〜10であることがより好ましい。また、前記アルキル基、アルケニル基、アルキニル基は、直鎖状、分岐状又は環状のいずれであってもよく、さらにアリール基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜10)で置換されて、アラルキル基等を形成していてもよい。
前記アリール基は、炭素数6〜20であることが好ましく、より好ましくは炭素数6〜10である。前記アリール基は、さらにアルキル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜10)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜10)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜10)で置換されていてもよい。
アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基が例示でき、アルケニル基としては、ビニル基が例示できる。アリール基としては、フェニル基が例示できる。
さらに、前記アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基は、フッ素原子等のハロゲン原子で一部又は全部が置換されていてもよく、アミノ基、エポキシ基、グリシジルオキシ基(グリシドキシ基)、アクリロキシ基、メタクリロキシ基、メルカプト基で置換されていてもよく、前記炭化水素基の一部が、酸素原子と共にエポキシ基を形成していてもよい。
また、前記アミノ基は置換アミノ基であってもよく、置換アミノ基としては、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基が例示できる。
前記置換基は可能であれば、さらに前記置換基の中から選択される任意の置換基で置換されていてもよい。例えば、3−アミノプロピル基は、アミノ基がエチル基で置換されたN−エチル−3−アミノプロピル基であってもよく、さらにエチル基がアミノ基で置換された、N−2−アミノエチル−3−アミノプロピル基であってもよい。
これらの中でも、Rとしては炭素数1〜10の非置換又は置換の炭化水素基であることが好ましく、より好ましくは炭素数1〜5の、非置換又は置換の、炭化水素基であり、さらに好ましくは炭素数1〜3の非置換又は置換の炭化水素基である。
nが2又は3の時、複数のRはそれぞれ同一でもよく、異なっていてもよい。
上記Xは、炭素数1〜4のアルコキシ基、水酸基、ハロゲン原子又は水素原子を表す。炭素数1〜4のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基が例示でき、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が例示できる。
これらの中でも、Xが炭素数1〜4のアルコキシ基、又は、ハロゲン原子であることが好ましい。
nが0〜2の場合、複数存在するXはそれぞれ同一でも異なっていてもよいが、入手が容易である観点から、Xが同一であることが好ましい。
以下に本発明で薄膜形成に用いられる加水分解性シリコン化合物を列挙する。
なお、本発明の前記第2工程で使用する前記式(1)で表される加水分解性シリコン化合物は、その加水分解によりシリカを析出し得るものであれば特段の制約はなく、例えばテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、メチル−3,3,3−トリフルオロプロピルジメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシトリプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、トリメチルシラノール、メチルトリクロロシラン、メチルジクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、トリメチルブロモシラン、ジエチルシラン等が挙げられる。
このようなシリカ被覆層は緻密であるために、内部が屈折率の低い気相あるいは液相に保たれ、被膜の形成等に用いる場合、屈折率の高い物質、例えば塗料用樹脂等が内部に進入することがなく、低屈折率効果の高い被膜を形成することができる。また、上記において、シリカ被覆層の形成にn=lから3の有機珪素化合物を用いる場合は有機溶媒への分散性が良く、樹脂との親和性の高いシリカ系粒子分散液を得ることができる。
また、シリカ被覆層の形成に含フッ素有機珪素化合物を用いる場合、例えば、置換基としてフッ素原子を有する、上記式(1)で表される化合物を使用する場合は、フッ素原子を含む被覆層が形成されるために、得られる粒子はより低屈折率となると共に有機溶媒への分散性に優れ、樹脂との親和性の高いシリカ系粒子分散液を得ることができる。このような含フッ素有機珪素化合物としては、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、メチル−3,3,3−トリフルオロプロピルジメトキシシラン、へプタデカフルオロデシルメチルジメトキシシラン、へプタデカフルオロデシルトリクロロシシラン、へプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン等が挙げられる。
各物質を添加した後は、シリコンアルコキシドの加水分解によるシリカの析出が完了するまで撹拌を続けることが好ましい。
未反応の加水分解性シリコン化合物、特にシリコンアルコキシドが大量に含まれる場合、後の洗浄の際にシリカによりコーティングされた中空粒子前駆体が凝集する傾向にあり、その場合、最終的に得られる中空粒子も凝集体となりやすく、安定な分散状態が得られない場合があるため、加水分解性シリコン化合物の加水分解を十分に行わせることが好ましい。
被覆粒子を被覆する薄膜の他の1つとして珪酸塩を原料にした析出物を用いることができる。珪酸塩としては、珪酸ナトリウム、珪酸カリウムが例示できる。これらの場合、薄膜の成分はほぼ100%シリカとなる。
(第3工程)
第3工程は、第2工程で得られた被覆粒子から、溶解性核粒子を溶解除去して、中空のシリカ薄膜粒子を得る工程である。
第3工程において、上記第2工程で得られた中空粒子前駆体スラリーを必要に応じて濃縮もしくは乾燥し、溶解性核粒子が溶解しうる媒体を添加し、溶解性核粒子を外殻の薄膜の外に除去することにより、中空粒子を得ることができる。さらに、必要に応じて、金属イオン、ハロゲンイオン等の不純物を限外濾過膜又はイオン交換樹脂等の使用により精製し、所望の中空粒子分散スラリーを得る。
<溶解性核粒子の除去方法>
被覆粒子(中空粒子前駆体)を作製した後は、溶解性核粒子を酸性水溶液などで取り除き、中空粒子を作製する。
溶解性核粒子(コア)を溶出する酸性水溶液に用いる酸としては、蟻酸、マレイン酸、フマル酸、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、へプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、シュウ酸、アジピン酸、セバシン酸、酪酸、オレイン酸、ステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸、サリチル酸、安息香酸、p−アミノ安息香酸、p−トルエンスルホン酸、フタル酸、メタンスルホン酸、酒石酸、トリフルオロメタンスルフォン酸等の有機酸、塩酸、燐酸、硝酸、ホウ酸、硫酸等の無機酸などを用いることができる。
<中空粒子(中空のシリカ薄膜粒子)>
本発明により得られる中空粒子は、シリカを主成分とする外殻の内部に空洞が形成されてなる中空球状微粒子であり、該空洞内に、溶媒及び/又は気体を含有する微粒子である。
本発明により得られる中空粒子は、高分散であり、かつ緻密なシリカ主成分の殻からなるため、従来のシリカ中空体とは異なる分野への応用が考えられるほか、近年のナノテクノロジーに代表される超微細化技術にも対応できるものとなる。
このような方法で製造される膜には好ましくは2〜30nmの細孔が存在しないことから、2nm以上の分子、クラスターあるいは粒子が中空粒子内部に浸透することが抑制され、2nm未満の分子等を選択的に中空粒子内部に取り込むことができる。
また、得られる中空粒子は安定に分散させることができるため、ナノ粒子径に伴い種々の優れた特性を発現する。
例えば、ナノサイズであるので、樹脂に混練した際に、樹脂の透明性を損なうことがないため、ウェットプロセスを用いた塗布法によって反射防止膜に応用することが可能である。また、ナノサイズのカプセル粒子として、リリースコントロール素材、選択吸着剤などとしての利用も期待されるものである。
さらに、上記の中空粒子を樹脂へ混合、塗布することによって膜の透明性の高い反射防止膜を作成することが可能となる。
以下において、本発明の実施例及び比較例を示して更に具体的に説明するが、本発明は、該実施例によって何等限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載によって特定されるものであることはいうまでもない。
(実施例1)
電子顕微鏡観察による一次粒径20〜40nmの炭酸カルシウム粒子50gとイソプロピルアルコール50gを混合後、水656g、分散剤として固形分40%のポリアクリル酸ナトリウム水溶液(T−50東亞合成(株)製、分子量:Mw=6,000)を30g(炭酸カルシウムに対する固形分重量比で24%)添加し、ウルトラアスペックミル(寿工業(株)製)を用いてジルコニアビーズ(ビーズ径0.05mm)、周速10m/sで、分散を行った。分散開始45分後、得られたスラリーについて動的光散乱を用いて粒度分布を測定したところ、50%積算粒子径D50で49nmであった。この後さらに分散処理を継続した結果、90分後には50%積算粒子径D50は21nmとなった。このときの90%積算粒子径D90は48nmであった。なお、分散処理開始前の粒度は50%積算粒子径D50で2.4μmであった。
得られた炭酸カルシウムスラリーを固形分濃度0.5重量%に調整した。このスラリー20gにアルカリとして28%アンモニア水を2mL添加した。このときのスラリーのpHは11以上であった。続いて、テトラエトキシシランのエタノール溶液(1.49重量%)60gを1時間にわたって添加し、そのまま5時間撹拌した。その後、限外ろ過により純水で洗浄して中空粒子前駆体(被覆粒子)スラリーを得た。
得られた中空粒子前駆体スラリーに1M塩酸を1mL/minで2mL添加し、炭酸カルシウムを溶解させた。続いて、再び限外ろ過によって純水で、溶液を洗浄し、中空粒子分散スラリーを得た。
得られた中空粒子を透過型電子顕微鏡で観察したところ、厚みが5nm程度で外径が30nm程度の中空粒子が多く確認された。
(実施例2)
実施例1において、分散剤として固形分40%のポリアクリル酸ナトリウム水溶液(T−50東亞合成(株)製)7.5g、及び珪酸ナトリウムの10%水溶液を44.5g(固形分重量比で5%)添加した以外は、実施例1と同条件で炭酸カルシウムの分散処理を行った結果、90分後には50%積算粒子径D50で42nm、90%積算粒子径D90で85nmとなった。ここでさらに分散剤をそれぞれ2%、1.7%(固形分重量比)追加して分散処理を継続した結果、120分後には50%積算粒子径D50で34nm、90%積算粒子径D90で60nmであった。
得られた炭酸カルシウムスラリーを用いて実施例1と同様に中空粒子前駆体スラリー、さらに中空粒子スラリーを得た。得られた中空粒子を透過型電子顕微鏡で観察したところ、厚みが5nm程度で外径が45nm程度の中空粒子が多く確認された。
(実施例3)
実施例1においてジルコニアビーズ径を0.1mmとし、実施例2と同様に2種類の分散剤を用いて炭酸カルシウムの分散処理を行ったところ、150分後に50%積算粒子径D50で48nm、90%積算粒子径D90で105nmのスラリーとなった。さらに分散剤を追加添加し、270分後には50%積算粒子径D50で36nm、90%積算粒子径D90で68nmの炭酸カルシウム分散スラリーを得た。このとき最終的な分散剤添加量は炭酸カルシウムに対して固形分重量比でポリアクリル酸ナトリウムは12%、珪酸ナトリウムは10%であった。
得られた炭酸カルシウムスラリーを用いて実施例1と同様に中空粒子前駆体スラリー、さらに中空粒子スラリーを得た。得られた中空粒子を透過型電子顕微鏡で観察したところ、厚みが5nm程度で外径が45nm程度の中空粒子が多く確認された。
(実施例4)
実施例1において炭酸カルシウムの代わりに一次粒子が20〜40nmのチタニア微粒子を用いて同様に分散処理した。その結果、45分後には50%積算粒子径D50で30nmのチタニア分散スラリーを得た。
得られたチタニア分散スラリーを用いて実施例1と同様に中空粒子前駆体スラリー、さらに中空粒子スラリーを得た。得られた中空粒子を透過型電子顕微鏡で観察したところ、厚みが5nm程度で外径が40nm程度の中空粒子が多く確認された。
(比較例1)
ポリアクリル酸ナトリウムを添加しなかったこと以外は実施例1と同様に行い、炭酸カルシウムの分散処理を試みた。その結果、初期には50%積算粒子径D50で1μm以下となったが分散処理時間経過とともにミクロンオーダーの二次凝集粒子となり、目的の溶解性核粒子の分散スラリーは得られなかった。したがって、第2工程以降は実施しなかった。

Claims (11)

  1. 溶解性核粒子原料を分散剤の共存下で媒体分散手段により粉砕・分散させて、50%積算粒子径が90nm以下の溶解性核粒子を得る第1工程、及び、
    シリカを主成分とする薄膜で前記溶解性核粒子を被覆して被覆粒子を得る第2工程、を含むことを特徴とする
    粒子の製造方法。
  2. 第2工程に引き続いて、溶解性核粒子を溶解除去して中空のシリカ薄膜粒子を得る第3工程を含む、請求項1に記載の粒子の製造方法。
  3. 溶解性核粒子が、アルカリ土類金属炭酸塩又は金属酸化物である、請求項1又は2に記載の粒子の製造方法。
  4. 溶解性核粒子が炭酸カルシウム、チタニア及びアルミナよりなる郡から選ばれた、請求項1〜3いずれか1つに記載の粒子の製造方法。
  5. 媒体分散手段がビーズミルである、請求項1〜4いずれか1つに記載の粒子の製造方法。
  6. 分散剤が水溶性高分子である、請求項1〜5いずれか1つに記載の粒子の製造方法。
  7. 水溶性高分子がポリアクリル酸ナトリウムである、請求項6に記載の粒子の製造方法。
  8. シリカを主成分とする薄膜が、珪酸塩水溶液からの析出物、又は式(1)で表される加水分解性シリコン化合物の加水分解生成物である、請求項1〜7いずれか1つに記載の粒子の製造方法。
    nSiX(4-n) ・・・(1)
    (ただし、Rは、炭素数1から10の炭化水素基、アクリロキシ基、メタクリロキシ基、エポキシ基又はアミノ基を表し、Xは、炭素数1から4のアルコキシ基、水酸基、ハロゲン原子又は水素原子を表し、nは、0から3の整数を表す。)
  9. 第2工程が、珪酸ナトリウムの脱アルカリ水溶液を添加する工程である、請求項1〜8いずれか1つに記載の粒子の製造方法。
  10. 第3工程において、酸によって溶解性核粒子を除去する、請求項2〜9いずれか1つに記載の粒子の製造方法。
  11. シリカ薄膜粒子の50%積算粒子径が60nm以下である、請求項2〜10いずれか1つに記載の粒子の製造方法。
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