JP5387330B2 - 中空状無機粒子の前駆体、中空状無機粒子及びこの製造方法、並びに中空状無機粒子を用いた光学部材及び光学部材体 - Google Patents

中空状無機粒子の前駆体、中空状無機粒子及びこの製造方法、並びに中空状無機粒子を用いた光学部材及び光学部材体 Download PDF

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Description

本発明は、中空状無機粒子の前駆体、中空状無機粒子及びこの製造方法、並びに中空状無機粒子を用いた光学部材及び光学部材体に関する。
近年、粒子の形態制御による機能性材料の研究開発が盛んに行われており、そのひとつに中空状粒子の開発が挙げられる。特に、粒径が0.1〜300μm程度の中空シリカ粒子は公知である(例えば、特許文献1、2等参照)。
中空状粒子は、医薬や化粧品の分野では、その内部に有効成分を内包した徐放性医薬や徐放性化粧品の他、外環境との接触により分解又は劣化してしまう成分の保護、ドラッグデリバリーシステムのための担体等へ適用すべく、種々の検討がなされている。
また、光学分野では、フッ化カルシウムに代わる低屈折率材料として用いられ、反射防止膜等に応用されている。
例えば、特許文献1においては、シリコンアルコキシド等の有機ケイ素化合物と発泡剤とを混合噴霧した後に加水分解することにより中空シリカ粉末が得られることが記載されている。
特許文献2においては、シリコンアルコキシドに、アルコール、水及び酸触媒を加えて部分加水分解を行った後、フタル酸ジメチルを添加し、この溶液を、界面活性剤を含んだアンモニア水溶液中で混合撹拌、乳化し、重縮合反応させることにより球状多孔質シリカ粒子を製造する方法が提案されている。
また、特許文献3においては、特定条件下でケイ酸アルカリから、シリカ以外の支持体上に活性シリカを沈殿させた後、該支持体を除去することによって、緻密シリカシェルからなる中空シリカ粒子を製造する方法も提案されている。
また、特許文献4においては合成した炭酸カルシウム粒子をシリカで被覆することによって中空粒子を製造する方法が提案されている。
メソポーラス又はマクロポーラス材料の作製方法として、界面活性剤の分子集合体や、界面活性剤分子と所定有機分子を共存させた集合体又は異種の界面活性剤の分子集合体を鋳型として用い、該集合体とセラミック材料又は該セラミック材料の前駆体とを混合して無機−有機構造を有するセラミックス多孔体の前駆体を形成した後、熱や酸処理により、該前駆体中の界面活性剤を取り除く方法が提案されている。このような方法は、一般に「超分子鋳型法」と呼ばれる(例えば、非特許文献1参照)。
一般に、シリカ系多孔質体の製造法としては、アルコキシシランの加水分解及び脱水縮合により得られるシリカ系樹脂にポリマー、界面活性剤等を添加した組成物を加熱処理することにより多孔質化する方法(例えば、特許文献5、6及び非特許文献2参照)、キセロゲル又はエアロゲル等の気体の発泡によって多孔質化する方法又は超臨界法により多孔質化する方法等が知られている。
特開平06−091194号公報 特許第2590428号公報 特許第3419787号公報 特開2005−263550号公報 特開平11−310411号公報 特開平11−322992号公報
小川誠「超分子鋳型法」色材、71(10)、646〜655頁、1998年 Journa of Non−crystalline Solids2003, 325,124−132.
上記の通り、シリカの殻からなる中空状粒子については幾つかの検討がなされてきているものの、特許文献1及び2のような界面反応を利用した方法では、ミクロンオーダー以上の粒子径のものしか得られない。
さらに、特許文献3においては、20nm以上の中空シリカ粒子が製造できるとの記述はあるものの、特許文献4の発明者等の実験によれば、ナノオーダーになると凝集が激しくなり、結果的にはミクロンオーダー以上の凝集粒子となってしまうことが確認されている。
特許文献4においては合成した炭酸カルシウム粒子をシリカで被覆することによって30〜300nmのサブミクロンオーダー中空粒子を合成できるとの記述はあるものの、テンプレートとする炭酸カルシウムの合成を行うと、100nm以上の炭酸カルシウム粒子が混在したスラリーを生成してしまうため、100nm以下の中空粒子を作製することは難しく光学材料用途への応用が困難である。
非特許文献1に記載される超分子鋳型法においては、コア粒子が凝集された塊の周りに、無機膜が形成されるため、粒子径が100nm以下の中空粒子を作製することは難しく光学材料用途への応用が困難である。
特許文献5、6及び非特許文献2記載の参照)、キセロゲル又はエアロゲル等の気体の発泡によって多孔質化する方法又は超臨界法により多孔質化する方法においては、コアが中空となる構造を作製できないという問題がある。
サブミクロンサイズの中空粒子については、100nm未満の粒子を作製することが難しく、光学用途に用いた場合、中空粒子を混練した樹脂の透明度低下、膜形成能が低いという課題があった。
このような状況の中、中空状無機粒子を製造する方法について、中空状無機粒子(好ましくは動的散乱法による平均粒子径100nm未満)の安定的な製造方法が嘱望されており、本発明は、それを提供することを目的とするものである。
また、本発明の中空状無機微粒子を用いて、樹脂等との密着性、強度、光学性等に優れた光学部材及び反射防止機能を有する光学部材体を提供することを目的とするものである。
本発明者等は鋭意検討した結果、中空状無機粒子の前駆体として、熱分解性コア体の表面の少なくとも一部に加水分解促進触媒を吸着又は結合させた後に、最外層として無機膜とを有する構成とし、前記熱分解性コア体を除去することで、平均粒子径100nm未満の中空状無機粒子を安定的に得られることを見出した。
即ち、本発明は以下の通りである。
(1)熱分解性コア体と、該熱分解性コア体の表面の少なくとも一部に吸着又は結合された加水分解促進触媒と、最外層として無機膜と、を有し、
前記熱分解性コア体が、表面の少なくとも一部に前記加水分解促進触媒と親和性がある極性基を有し、該極性基に前記加水分解促進触媒が吸着又は結合されている中空状無機粒子の前駆体。
(2)熱分解性コア体と、該熱分解性コア体の表面の少なくとも一部に吸着又は結合された加水分解促進触媒と、最外層として無機膜と、を有し、
前記熱分解性コア体が、表面の少なくとも一部に前記加水分解促進触媒と親和性がある極性基を有する化合物を有し、該極性基を有する化合物に前記加水分解促進触媒が吸着又は結合されている中空状無機粒子の前駆体。
(3)前記熱分解性コア体は、前記無機膜の溶融温度よりも低い温度で熱分解する元素、化合物又はそれらの混合物である上記(1)又は(2)に記載の中空状無機粒子の前駆体。
(4)前記加水分解促進触媒が、アンモニア、アミン化合物又はアミノ基を分子内に有する化合物である上記(1)〜(3)のいずれか一つに記載の中空状無機粒子の前駆体。
(5)前記無機膜が、下記一般式(1)
で表される化合物の加水分解生成物である上記(1)〜(4)のいずれか一つに記載の中空状無機粒子の前駆体。
(但し、式(1)中、R1は、H原子、F原子及び炭素数1〜12の1価の有機基からなる群から選ばれ、Mは、IVa、Vb、Ib、IIb、IIIa、IIIb、Va及びIVb族に属する原子からなる群より選ばれる原子であってC原子を除く原子を示し、Xは、加水分解性基を示し、mは2以上の整数を示し、nは0〜2の整数を示し、m−n≧1であり、nが2のとき、各R1は互いに同一でも異なっていてもよく、m−n≧2のとき、各Xは互いに同一でも異なっていてもよい。また、R1とXは同一でも異なっていてもよい。)
(6)前記熱分解性コア体の平均粒子径が、動的光散乱法による測定で4〜80nmである上記(1)〜(5)のいずれか一つに記載の中空状無機粒子の前駆体。
(7)前記熱分解性コア体のゼータ電位の絶対値が、1〜80mVである上記(1)〜(6)のいずれか一つに記載の中空状無機粒子の前駆体。
(8)上記(1)〜(7)のいずれか一つに記載の中空状無機粒子の前駆体から、前記熱分解性コア体を除去して得られる中空状無機粒子。
(9)前記中空状無機粒子の平均粒子径が、動的光散乱法による測定で5〜90nmである上記(8)に記載の中空状無機粒子。
(10)熱分解性コア体に、加水分解促進触媒を吸着又は結合させる第1工程と、
前記加水分解促進触媒が吸着又は結合した熱分解性コア体を、一般式(I)で表される化合物の加水分解生成物でコーティングし、無機膜を形成し、中空状無機粒子の前駆体を得る第2工程と、
(但し、式(1)中、R1は、H原子、F原子及び炭素数1〜12の1価の有機基からなる群から選ばれ、Mは、IVa、Vb、Ib、IIb、IIIa、IIIb、Va及びIVb族に属する原子からなる群より選ばれる原子であってC原子を除く原子を示し、Xは、加水分解性基を示し、mは2以上の整数を示し、nは0〜2の整数を示し、m−n≧1であり、nが2のとき、各R1は互いに同一でも異なっていてもよく、m−n≧2のとき、各Xは互いに同一でも異なっていてもよい。また、R1とXは同一でも異なっていてもよい。)
前記中空状無機粒子の前駆体を熱処理することで、前記熱分解性コア体を除去して中空状無機粒子を得る第3工程と、を含むことを特徴とする上記(8)又は(9)に記載の中空状無機粒子の製造方法。
(11)前記熱分解性コア体の平均粒子径が、動的光散乱法による測定で4〜80nmである上記(10)に記載の中空状無機粒子の製造方法。
(12)上記(8)又は(9)に記載の中空状無機粒子を含む光学部材。
(13)上記(12)記載の光学部材に反射防止機能を有する光学部材体。
本発明の中空状無機粒子は、熱分解性コア体を無機膜によって被覆し、その後熱分解性コア体を熱分解することによって、100nm未満の中空状無機粒子を合成することを可能にする技術であり、光学材料等の透明性が要求される分野へ応用することができる。
本発明によれば、極めて簡易な製造工程により中空状無機粒子を得ることができ、また製造再現性や生産性の点でも優れている。
また、本発明によれば、熱分解性コア体となる、入手が容易なナノ粒子を用いることにより中空状無機粒子合成を実現する技術である。
熱分解性コア体の表面が前記加水分解促進触媒と親和性がある極性基で修飾されているか、前記加水分解促進触媒と親和性がある極性基を含む化合物によって吸着されている場合、溶液中における凝集を防止することができ、分散性をさらに向上させることができ、後工程での無機膜形成において一次粒子の状態で被覆することができる。またその状態のスラリーに加水分解促進触媒を添加し、加水分解促進触媒を吸着又は結合させた熱分解性コア体を形成させることにより、該コア体表面上に無機膜を選択的に形成させることが可能になる。
また、熱分解性コア体を用いることによって無機膜形成後、熱処理によって容易に熱分解性コア粒子を除去することが可能であり、中空状無機粒子を容易に合成することが可能となる。
さらに、上記の中空状無機粒子を樹脂へ混合、塗布することにより透明性の高い反射防止膜を作製することが可能となる。
実施例1で作製した中空状無機粒子の透過型電子顕微鏡写真である。 比較例1で作製した中空状無機粒子の透過型電子顕微鏡写真である。 熱分解性コア体への加水分解促進触媒(アンモニア)の結合の様子を示す概念図である。 本発明の製造方法の工程の一例を示す概念図である。 比較例1の製造方法の工程の一例を示した概念図である。
以下に、発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
<中空状無機粒子の前駆体>
本発明の中空状無機粒子の前駆体は、熱分解性コア体と、該熱分解性コア体の表面の少なくとも一部に吸着又は結合された加水分解促進触媒と、最外層として無機膜と、を有し、且つ前記熱分解性コア体が、表面の少なくとも一部に前記加水分解促進触媒と親和性がある極性基又は該極性基を有する化合物を有し、該極性基に前記加水分解促進触媒が吸着又は結合されていることが重要である。
本発明における熱分解性コア体には加水分解性触媒が備わっている。これを有していないと、中空状無機粒子の前駆体の最外層として無機膜を形成する際に、熱分解性コア体の周りに選択的に無機膜が形成され難く、中空状無機粒子が複数個で集合した状態で無機膜が形成されて、独立した中空状無機粒子の前駆体を得ることが困難である。
また本発明において、中空無機粒子の前駆体は、前記熱分解性コア体が表面の少なくとも一部に前記加水分解促進触媒と親和性がある極性基を有していることが重要であり、該極性基に前記加水分解促進触媒が吸着又は結合されている。
さらに本発明において、中空無機粒子の前駆体は、前記熱分解性コア体が表面の少なくとも一部に前記加水分解促進触媒と親和性がある極性基を有する化合物を有していてもよく、該極性基を有する化合物に前記加水分解促進触媒が吸着又は結合されている。
なお、前記極性基は、前記加水分解促進触媒と親和性があることが重要である。そのような極性基を有することにより、中空状無機粒子の前駆体を製造する際に、溶媒中での分散安定性を保つことが可能となり、凝集が起こりにくく、100nm以上の粒子集合体の生成を回避できる。その結果、本発明の中空状無機粒子の前駆体を用いて、平均粒子径が5〜90nmである中空状無機粒子を得ることができる。
また、前記加水分解促進触媒と親和性がある極性基は、加水分解促進触媒をより吸着又は結合させ易くすることができる。
(熱分解性コア体)
本発明において「熱分解性コア体」とは、中空状無機粒子を構成する無機膜の溶融温度よりも低い温度で熱分解する元素、化合物又はそれらの混合物であれば特に制限はない。
熱分解性コア体は、水、アルコール等の溶剤又はそれら混合物等の分散用媒体中に分散可能なものが選ばれる。分散用媒体中における、動的光散乱法による測定で、平均粒子径が4〜80nmであることが望ましい。平均粒子径が4〜80nmであることで、中空粒子の平均粒子径が100nm以下にすることが可能となり、透明な光学材料用途への応用するために、散乱が起こりにくい。
熱分解性コア体は、動的光散乱法による測定で平均粒子径が4〜80nmであるものを適宜選択して使用すればよい。
動的光散乱法による測定とは、具体的には以下の通りである。分散用媒体中の粒子がブラウン運動により拡散する速度(拡散係数)を計測することで粒子径を測定する方法で、粒度分布測定装置によって測定できる。例えば、ベックマンコールター社製のN−5サブミクロン粒子アナライザーを用いて測定する。
さらに、熱分解性コア体として、熱分解温度以上で加熱すると分解し、分解生成物は、中空状無機粒子の最外層として形成される無機膜の外側に、ガス、プラズマ、低分子量体等として、除去される物質を用いることができる。熱分解温度は、TG/DTA法で5%質量減の温度で求めることができる。
より具体的には、熱分解性コア体を熱分解する前の製造工程における溶媒中での温度、例えば、150℃以下で粒子として安定な元素又は化合物若しくはそれらの混合物が用いられる。
また、無機膜が溶融する温度よりも低温で熱分解してガス状のイオン、ガス、低分子量体として、粒子外に排出する元素又は化合物若しくはそれらの混合物が用いられる。熱分解温度が、1,000℃以下のものが好適である。
熱分解性コア体としては、例えば、粒子状のリン、イオウ、有機性モノマー、有機ポリマー等が挙げられる。形態としては、好ましくは粒子が選択できる。有機ポリマーの一般的な熱分解温度は450℃近辺であるので、600℃以上の加熱によって、酸化され、二酸化炭素又は一酸化炭素として排出される。
有機ポリマー粒子としては、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ乳酸、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリエステル、アクリル系ポリマー、スチレン系ポリマー又はそれらの共重合体からなる粒子が挙げられる。
熱分解性コア体が、有機物の場合、熱分解温度以上の加熱により、コア体中のC−C、C−H等の結合が切断され、活性化された酸素とこれらが化学反応し、二酸化炭素や水等の形となって、中空状無機粒子の前駆体中から排出して、消失し、無機膜のみからなる中空状無機粒子が形成される。
(熱分解性コア体のゼータ電位)
ゼータ電位は、粒子の分散性を示すパラメータであり、絶対値の値が高いほど粒子の分散性が高く、分散している粒子同士には静電的な斥力が強く働き凝集を防ぐことができる。本発明においても熱分解性コア体のゼータ電位が高い状態で無機膜を形成させることによって、安定に中空状無機粒子を合成することができる。
そのために、熱分解性コア体のゼータ電位の絶対値は、1〜80mVであることが望ましい。
熱分解性コア体のゼータ電位の絶対値を上記範囲とするには、熱分解性コア体が表面の少なくとも一部に加水分解促進触媒と親和性のある極性基を有するか、該極性基を有する化合物を有すればよい。
熱分解性コア体のゼータ電位は、熱分解性コア体濃度1質量%に調整した水溶液をベックマンコールター社製のDELSA440SXを用いて測定できる。
(極性基)
ここでいう「極性基」とは、前記加水分解促進触媒と親和性があるものであり、非イオン性基、カチオン性基、アニオン性基が挙げられるが、例えば、イオン性基又はイオン化可能基で置換された有機基も含まれる。イオン化可能基は、中空状無機粒子の前駆体を生成するために使用する媒体中でイオン性基を作ることができる基である。イオン性基は、アニオン性基又はカチオン性基でよく、イオン化可能基はアニオン又はカチオンを作ることができる。
アニオンを作るイオン化可能極性基としては、例えば、酸性基又は酸性基の塩を挙げることができる。
酸性基は、スルホン酸基、スルフィン酸基、ホスホン酸基、又はカルボン酸基、スルホニウム基等である。
塩とする場合は、スルホン酸ナトリウム、スルホン酸カリウム、スルフィン酸ナトリウム、スルフィン酸カリウム、ホスホン酸ナトリウム、ホスホン酸カリウム、又はカルボン酸ナトリウム、カルボン酸カリウム等が挙げられる。
アミンは、カチオン性基を作るイオン化可能極性基の例を示している。例えば、酸性媒体中では、アミンはプロトン化されてアンモニウム基を作ることができる。
アミン置換基を有する有機基もカチオン性基を作るイオン化可能極性基である。
第4級アンモニウム基(−NR )及び第4級ホスホニウム基(−PR )も、カチオン性基の例である(Rは、1価の基)。
水酸基、シラノール基、ホルムアミド基等、非イオン性の極性の大きな親水基も含まれる。
これらの組み合わせで、中でもカルボキシル基、アミノ基、シラノール基が好ましく用いられる。
なお、熱分解性コア体の表面の一部に前記加水分解促進触媒と親和性がある極性基を有するためには、熱分解性コア体自体が、加水分解促進触媒と親和性を有する極性基を有する構成であればよい。熱分解性コア体が該極性基を有さない場合には、熱分解性コア体に加水分解促進触媒と親和性を有する極性基を有する化合物を吸着させるか、熱分解性コア体を合成する際に、熱分解性コア体と反応し、加水分解促進触媒と親和性を有する極性基を有する化合物を反応させればよい。
(極性基を有する化合物)
極性基を有する化合物とは、上記極性基を分子内に少なくとも一種類以上含む化合物の中で、特に、熱分解性コア体と、分子間力、静電的引力、水素結合等により、物理的、化学的に吸着又は結合するものが望ましい。その中で、低分子界面活性剤、高分子分散剤を用いることが望ましい。
(a)低分子界面活性剤
低分子界面活性剤としては、各種アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。
以下、界面活性剤の具体例を列挙する。
・アニオン性界面活性剤
アニオン性界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルフェニルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、高級脂肪酸塩、高級脂肪酸エステルの硫酸エステル塩、高級脂肪酸エステルのスルホン酸塩、高級アルコールエーテルの硫酸エステル塩及びスルホン酸塩、高級アルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩等が使用でき、好ましくは、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、イソプロピルナフタレンスルホン酸塩、モノブチルフェニルフェノールモノスルホン酸塩、モノブチルビフェニルスルホン酸塩、モノブチルビフェニルスルホン酸塩、ジブチルフェニルフェノールジスルホン酸塩等が用いられる。
・ノニオン性界面活性剤
ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、アルキルアルカノールアミド、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールブロックコポリマー、アセチレングリコール、アセチレングリコールのポリオキシエチレン付加物等が挙げられ、好ましくは、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸アルキロールアミド、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールブロックコポリマー、アセチレングリコール、アセチレングリコールのポリオキシエチレン付加物が用いられる。
・その他の低分子界面活性剤
その他、ポリシロキサンオキシエチレン付加物等のシリコーン系界面活性剤や、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、オキシエチレンパーフルオロアルキルエーテル等のフッ素系界面活性剤、スピクリスポール酸やラムノリピド、リゾレシチン等のバイオサーファクタント等も使用できる。
(b)高分子分散剤
高分子分散剤としてはヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルメチルエーテル、ポリエチレンイミン、完全けん化PVA、部分けん化PVA、ポリメタクリル酸ジメチルアミノエチル、ポリメタクリル酸ジメチルアミノエチル四級塩、ポリアクリル酸ジメチルアミノエチル、ポリアクリル酸ジメチル四級塩、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸、ポリアリルアミン、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリウレタン、ポリスルホン酸ナトリウム、アクリル酸ナトリウムとポリアリルアミン共重合ポリマー、水溶性天然高分子等が挙げられ、ポリアクリル酸又はポリアクリル酸ナトリウムを用いることが望ましい。
また、疎水基と親水基とを含む高分子分散剤を、極性基を有する化合物として用いることが熱分解性コア体への吸着性と分散性を両立させる点から好ましい。疎水基と親水基とを含む高分子分散剤としては、親水性基と疎水性基とを有する重合体が好適に用いられる。
親水基と疎水基とを有する重合体としては、縮合系重合体と付加重合体とが使用できる。
縮合系重合体としては、公知のポリエステル系分散剤が挙げられる。付加重合体としては、α,β−エチレン性不飽和基を有するモノマーの付加重合体が挙げられる。
親水基を有するα,β−エチレン性不飽和基を有するモノマーと疎水基を有するα,β−エチレン性不飽和基を有するモノマーを適宜組み合わせて共重合することにより目的の高分子分散剤が得られる。
また、親水基を有するα,β−エチレン性不飽和基を有するモノマーの単独重合体も用いることができる。
親水基を有するα,β−エチレン性不飽和基を有するモノマーとしては、カルボキシル基、スルホン酸基、水酸基、りん酸基等を有するモノマー、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、イタコン酸モノエステル、マレイン酸、マレイン酸モノエステル、フマル酸、フマル酸モノエステル、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、スルホン化ビニルナフタレン、ビニルアルコール、アクリルアミド、メタクリロキシエチルホスフェート、ビスメタクリロキシエチルホスフェート、メタクリロオキシエチルフェニルアシドホスフェート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート等が挙げられる。
疎水基を有するα,β−エチレン性不飽和基を有するモノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等のスチレン誘導体、ビニルシクロヘキサン、ビニルナフタレン、ビニルナフタレン誘導体、アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸フェニルエステル、メタクリル酸シクロアルキルエステル、クロトン酸アルキルエステル、イタコン酸ジアルキルエステル、マレイン酸ジアルキルエステル等が挙げられる。
高分子分散剤として用いられる、好ましい共重合体の例としては、スチレン−スチレンスルホン酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、ビニルナフタレン−メタクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、アクリル酸アルキルエステル−アクリル酸共重合体、メタクリル酸アルキルエステル−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸アルキルエステル−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸アルキルエステル−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸フェニルエステル−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸シクロヘキシルエステル−メタクリル酸共重合体等が挙げられる。
また、これらの重合体に、ポリオキシエチレン基、水酸基を有するモノマーを適宜共重合させてもよい。これら高分子分散剤は、単独で用いても、2種類以上を併用しても差し支えない。
(加水分解促進触媒)
加水分解促進触媒としては、酸触媒、アルカリ触媒がある。アルカリ触媒としては、アンモニア、アミン化合物、アミノ基を分子内に有する化合物、アルカリ金属の水酸化物等を用いることができる。
中空状無機粒子の前駆体において、熱分解性コア体の表面の少なくとも一部に加水分解促進触媒が吸着又は結合することにより、無機膜を形成する工程で分散性がよくなり、一次粒子の状態で無機膜が形成される。この理由としては、加水分解促進触媒が、熱分解性コア体表面に吸着又は結合することによって、熱分解性コア体表面で加水分解反応がより進行されるためであると発明者等は考えている。
上述しているように、加水分解促進触媒で処理する前に、熱分解性コア体が表面の少なくとも一部に極性基を直接有するか、極性基を有する化合物を吸着又は結合させることは、分散性をよくし、また加水分解促進触媒を熱分解性コア体の表面により吸着又は結合させ易くすることができる。
また、加水分解促進触媒としての酸触媒としては、各種の無機酸と有機酸を用いることができる。
特に、アンモニア、第一級又は第二級アミンから水素を除去した1価の官能基を含むアミン化合物を用いることができる。具体的には、メチルアミン、エーテルアミン、エチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、キヌクリジン、1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン(DABCO)、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、エチレンジアミン、テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)、ヘキサメチレンジアミン、アニリン、カテコールアミン、フェネチルアミン、1,8−ビス(ジメチルアミノ)ナフタレン(プロトンスポンジ)、アミノ酸、アマンタジン、スペルミジン、スペルミン等が挙げられる。
また、ポリマーであってもよい。アミノ基等の正荷電を帯びることのできる官能基を有するもの、例えば、ポリエチレンイミン(PEI)、ポリアリルアミン塩酸塩(PAH)、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリド(PDDA)、ポリビニルピリジン(PVP)、ポリリジン及びこれらの構造を含む、共重合体を用いることができる。
これらの、加水分解促進触媒を、熱分解性コア体に吸着又は結合された前記加水分解促進触媒と親和性のある極性基と、又は熱分解性コア体に吸着又は結合された前記加水分解促進触媒と親和性のある極性基を有する化合物と、物理的、化学的に吸着又は結合させて、熱分解性コア体上に備えさせる。吸着又は結合させる方法として、熱分解性コア体が含有される分散用媒体中に、上記の加水分解促進触媒を添加することで行う。加水分解促進触媒を均一に熱分解性コア体上に結合させるために、適宜、加熱、攪拌、しんとうを行う。
また、図3に、極性基を介して熱分解性コア体への加水分解促進触媒(アンモニア)の結合の様子を示す概念図を示す。
具体的には、熱分解性コア体を溶解させない分散用媒体中に熱分解性コア体10質量部を分散させ、加水分解促進触媒を1質量部添加することで行う。加水分解促進触媒が熱分解性コア体に吸着又は結合したか否かの確認は、処理した熱分解性コア体のスラリーを乾燥させ、エネルギー分散型X線により化学分析をすることで行う。
(無機膜)
無機膜は、熱分解性コア体表面に直接、若しくは、極性基又は極性基を有する化合物を表面に有する熱分解性コア体に加水分解促進触媒を吸着又は結合させた後、形成させる膜のことを指す。この無機膜を形成後、熱分解性コア体を熱分解させることによって中空状無機粒子を得ることができる。中空状無機粒子の前駆体を被覆する無機膜としては、下記一般式(1)
で表される化合物の加水分解生成物が好ましい。
(但し、式(1)中、R1は、H原子若しくはF原子又は炭素数1〜12の一価の有機基を示し、Mは、IVa、Vb、Ib、IIb、IIIa、IIIb、Va及びIVb族に属する原子からなる群より選ばれる原子であってC原子を除く原子を示し、Xは、加水分解性基を示し、mは、2以上の整数を示し、nは、0〜2の整数を示し、m−n≧1であり、nが2のとき、各R1は互いに同一でも異なっていてもよく、m−n≧2のとき、各Xは互いに同一でも異なっていてもよい。また、R1とXは同一でも異なっていても良い。)
一般には、金属アルコキシドの加水分解生成物を用いることができる。
金属アルコキシドとしては、ケイ素、チタン、アルミニウムのアルコキシドを用いることが好ましい。
その中でも特にシリコンアルコキシドを用いることが屈折率を下げる点からより好ましい。
無機膜の形成は、具体的には以下のように行なう。
加水分解促進触媒が表面に吸着又は結合された熱分解性コア体をアルコール等の分散用媒体に分散させ熱分解性コア体スラリーを得、上記一般式(1)で表される化合物、より好ましくは金属アルコキシドを、金属アルコキシド/熱分解性コア体の質量比を1〜20の量で滴下しながら添加し、加水分解反応後、金属アルコキシドの加水分解生成物でコーティングされた熱分解性コア体を調製し、水による洗浄を行う。
ここで分散用媒体として使用するアルコールについては特段の制約はなく、メタノール、エタノール、プロパノール等が利用可能である。
加水分解反応は、通常の方法で行えばよく、例えば、金属アルコキシドの場合は、塩酸、硫酸、硝酸などの酸、又は、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ等の触媒を用いることも好ましい。
無機膜の厚さは1〜50nm、特に、3〜20nmの範囲とすることが好ましい。無機膜の厚さが1nm未満では、熱分解性コア体の構成成分の一部を除去する際に粒子形状を保持することが困難となる傾向がある。一方、無機膜の厚さが50nmを超える厚い場合は、熱分解性コア体を熱分解させる際にコア体を構成する成分の除去が困難となる傾向がある。また、得られる中空状無機粒子中の空洞の割合が減少して屈折率の低下が不十分となることがある。
さらに、無機膜の厚さは、中空状無機粒子の平均粒子径の1/50〜1/5の範囲にあることが好ましい。これは、熱分解性コア体の構成成分の一部を除去する際、粒子径が大きいと、破壊されて形状を保持することができなくなるからである。
無機膜の厚さを上記範囲とするには、熱分解性コア体表面に形成させる物質の量を調整すればよい。
次に、主に無機膜形成に好ましく用いられるシリコンアルコキシドを下記一般式(2)に示し、その種類を以下に示す。
(但し、Rは、炭素数1〜10の非置換又は置換炭化水素基、アクリル基、エポキシ基、メタクリル基、アミノ基、CF基、Xは、炭素数1〜4のアルコキシ基、シラノール基、ハロゲン又は水素、nは、0〜3の整数を示す。)
なお、本工程で使用する上記一般式(2)に示すシリコンアルコキシドは、その加水分解によりシリカを析出し得るものであれば特段の制約はなく、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(βメトキシエトキシ)シラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、メチル−3,3,3−トリフルオロプロピルジメトキシシラン、β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシトリプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、トリメチルシラノール、メチルトリクロロシラン、メチルジクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、ビニルトリクロルシラン、トリメチルブロモシラン、ジエチルシラン等が挙げられる。
上記シリコンアルコキシドから形成される無機膜(「シリカ被覆膜」ともいう)は緻密であるために、内部が屈折率の低い気相又は液層に保たれることから、被膜の形成等に用いる場合、屈折率の高い物質、例えば塗料用樹脂等が内部に進入することがなく、低屈折率効果の高い被膜を形成することができる。
また、上記において、シリカ被覆層の形成にn=1〜3の有機珪素化合物を用いる場合は、有機溶媒への分散性が良く、樹脂との親和性の高い中空状無機粒子の分散液を得ることができる。
また、シリカ被覆層の形成に含フッ素有機珪素化合物を用いる場合は、F原子を含む被覆層が形成されるために、得られる粒子はより低屈折率となると共に有機溶媒への分散性が良く、樹脂との親和性の高い中空状無機粒子の分散液を得ることができる。
このような含フッ素有機珪素化合物としては、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、メチル−3,3,3−トリフルオロプロピルジメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルメチルジメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリクロロシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン等が挙げられる。
無機膜の形成工程において各物質を添加した後は、シリコンアルコキシドの加水分解によるシリカの析出が完了するまで撹拌を続けることが望ましい。
未反応のシリコンアルコキシドが大量に含まれる場合、後の洗浄の際に無機膜によりコーティングされた中空状無機粒子の前駆体が凝集する傾向がある。
そのようになると、最終的に得られる中空状無機粒子も凝集体となって、本発明の課題のひとつである高分散状態が達成できなくなることもある。
<中空状無機粒子及びその製造方法>
次に、本発明の中空状無機粒子の製造方法について説明する。
本発明の中空状無機粒子の製造方法は、前記した通り熱分解性コア体に加水分解促進触媒を吸着又は結合させる第1工程と、
前記加水分解促進触媒が吸着又は結合した熱分解性コア体を、一般式(I)で表される化合物の加水分解生成物でコーティングし、無機膜を形成し、中空状無機粒子の前駆体を得る第2工程と、
(但し、式(1)中、R1は、H原子、F原子及び炭素数1〜12の1価の有機基からなる群から選ばれ、Mは、IVa、Vb、Ib、IIb、IIIa、IIIb、Va及びIVb族に属する原子からなる群より選ばれる原子であってC原子を除く原子を示し、Xは、加水分解性基を示し、mは2以上の整数を示し、nは0〜2の整数を示し、m−n≧1であり、nが2のとき、各R1は互いに同一でも異なっていてもよく、m−n≧2のとき、各Xは互いに同一でも異なっていてもよい。また、R1とXは同一でも異なっていても良い。)
前記中空状無機粒子の前駆体を熱処理することで、前記熱分解性コア体を除去して中空状無機粒子を得る第3工程と、を含み、
前記第1工程における前記熱分解性コア体の平均粒子径が、動的光散乱法による測定で4〜80nmであることを特徴とする。
(第1工程)
第1工程は、熱分解性コア体に加水分解促進触媒を吸着又は結合させる。
第1工程において用いられる熱分解性コア体は前述したものが用いられる。なお、熱分解性コア体が前記加水分解促進触媒と親和性がある極性基を有さない場合は、加水分解促進触媒を処理する前に、該極性基を有する化合物を熱分解性コア体に吸着又は結合させる工程を追加する。
熱分解性コア体は、動的光散乱法による測定で4〜80nmの粒子径であることが好ましい。
熱分解性コア体がポリマー粒子の場合は、ポリマーの原料となるモノマー等を用い、マイクロエマルション重合、ミニエマルション重合、ソープフリー乳化重合、乳化重合等の重合法により、動的光散乱法による測定で4〜80nmの粒子径の熱分解性コア体を得ることができる。無機粒子の場合、分散剤存在下での酸化還元反応によって合成することが可能である。
熱分解性コア体に前記加水分解促進触媒と親和性がある極性基を有する化合物を吸着又は結合させる方法としては、熱分解性コア体を含む分散用媒体中に、前記加水分解促進触媒と親和性がある極性基を有する化合物を添加し、ビーズミル、超音波、ナノマイザー等を用いた分散工程を経て、分散させるか又は従来の方法を用いて熱分解性コア体を合成する方法が挙げられる。
上記のようにして得られた熱分解性コア体、若しくは表面に前記加水分解促進触媒と親和性がある極性基又は該極性基を有する化合物を有する熱分解性コア体を水、アルコール等の分散用媒体に分散させて得られたコア体スラリーに、加水分解促進触媒を添加し、適宜、加熱、攪拌、しんとうすることで、熱分解性コア体の表面の少なくとも一部に加水分解促進触媒を吸着又は結合させる。
(第2工程)
第2工程は、前記加水分解促進触媒が吸着又は結合した熱分解性コア体を、上記一般式(1)で表される化合物の加水分解生成物でコーティングし、無機膜を形成し、中空状無機粒子の前駆体を得る。
(第3工程)
第3工程は、中空状無機粒子の前駆体を熱処理することで、前記熱分解性コア体を除去し、中空状無機粒子を得る。
第2工程で得られた中空状無機粒子の前駆体を乾燥し、熱分解性コア体が分解する温度で焼成を行い、最外層の無機膜の外に除去することにより、中空状無機粒子を得る。
以下、前駆体中の熱分解性コア体の除去方法について詳しく説明する。
中空無機微粒子の前駆体を熱処理することで熱分解性コア体を除去することにより本発明の中空状無機粒子とすることができる。
熱処理の方法としては、焼成、薬液による化学処理、超臨界処理、電磁波処理、超音波処理等が挙げられるが、装置及びプロセスの簡便性等の観点から、焼成が一般的である。また2つ以上の方法を組み合わせて使うことも可能である。
焼成においては、乾燥工程に引続き400℃以上の温度、好ましくは400〜1200℃、より好ましくは500〜1000℃の温度で焼成することにより、本発明の中空状無機粒子とすることができる。好ましくは、熱分解性コア体の熱分解温度よりも、高く、且つ無機膜の溶融する温度よりも低い温度を設定する。温度の上昇スピードは、無機膜が破壊されないよう、適宜、設定することができる。
熱分解性コア体の熱分解温度よりも低温では、熱分解性コア体の分解が不十分となり、無機膜内部に残留するため、中空構造が得られない可能性がある。
また、無機膜の溶融温度よりも高温では、無機膜の溶融が起こり、中空状無機粒子間が融着し、独立した中空状無機粒子を得ることが困難となる。
なお、熱分解性コア体の熱分解温度はTG/DTA法で5%質量減の温度を測定することで求めることができる。
焼成は、Air、N、Ar、He等の雰囲気下で行うことが好ましい。
また、焼成時の加熱時間は、1時間〜24時間が好ましく、2時間〜12時間であることがより好ましい。加熱時間が24時間を超えると、中空状無機粒子が破壊される傾向があり好ましくない。
また、焼成に用いる装置としては、石英チューブ炉、ホットプレート、ラピッドサーマルアニール炉等の加熱処理装置が好ましい。なお、熱分解性コア体は、上述の乾燥の段階及び/又は焼成の段階で取り除かれ、中空状無機粒子を作製する。焼成を効率よく行うために、攪拌、しんとうを行ってもよい。
なお、図4に本発明の中空状無機粒子の製造方法の一部の工程をイメージで示す。
焼成後、冷却した粒子は、ナノ粒子の凝集体として得られるため、再度、分散用媒体中に分散してもよい。分散方法は、ビーズミル、超音波、ナノマイザー等の方法を用いることができる。
本発明の中空状無機粒子は、動的光散乱法による粒子径が5〜90nmである。
本発明において「動的光散乱法による平均粒子径」は、液相中に分散させた際の分散粒子径をさす。
中空状無機粒子の粒子径を上記範囲とするには、4〜80nmの粒子径を有する熱分解性コア体を使用すればよい。
ここでいう中空状無機粒子とは、外殻の内部に空洞が形成されてなる中空状無機粒子であり、該空洞内に溶媒及び/又は気体を含有することが可能となる。
本発明の中空無機粒子(中空状無機粒子)は、高分散であり且つ緻密な無機膜からなるため、従来のシリカ中空体とは異なる分野への応用が考えられる他、近年のナノテクノロジーに代表される超微細化技術にも対応できるものとなる。
また、本発明の中空状無機粒子の無機膜を金属アルコキシドを用いて作製した場合、2〜30nmの細孔が存在しない。そのため2nm以上の分子、クラスター又は粒子が中空状無機粒子内部に浸透することはなく、2nm未満の分子等を選択的に中空状無機粒子内部に取り込むことができる。
また、本発明の中空状無機粒子は、高分散であるため、ナノ粒子径に伴い種々の優れた特性を発現する。例えば、ナノサイズであるので、樹脂に混練した際に、樹脂の透明性を損なうことがないため、ウェットプロセスを用いた塗布法によって反射防止膜に応用することが可能である。
また、ナノサイズのカプセル粒子として、リリースコントロール素材、選択吸着剤等としての利用も期待されるものである。
<光学部材及び光学部材体>
本発明の中空状無機粒子は、薄膜化することにより、反射防止膜等の光学部材とすることができる。
また、上記光学部材に反射防止機能を設けることで光学部材体とすることができる。反射防止機能の設け方としては、中空状無機粒子分散液をフィルムに塗布または、ディップする方法穂などが挙げられる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。
(実施例1)
<合成方法>
・熱分解性コア体の合成
熱分解性コア体として、以下の合成方法で合成したアクリル系ポリマー粒子を用いた。
メタクリル酸メチル(MMA)2.0g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1.4g、1−ペンタノール0.2g、水72.4gを混合し、40℃に昇温した後、重合開始剤として、N,N,N’,N’−テトラエチレンジアミン0.46質量%水溶液を5g、過硫酸アンモニウム0.91質量%水溶液5gを添加し、重合を始めた。その後、MMA12mLを、4mL/hで滴下した後、5時間反応を続け、熱分解性コア体としてのアクリル系ポリマー粒子を合成した。このアクリル系ポリマー粒子には、極性基として、スルホニウム基が備えてある。得られたスラリーの動的光散乱を測定したところ平均粒子径21nmであった。
・加水分解促進触媒の吸着
上記のアクリル系ポリマー粒子を水中に希釈してアクリル系ポリマー粒子0.5質量%の分散液とし、次いで、この希釈したアクリル系ポリマー粒子分散液20gに対し、加水分解促進触媒として28質量%アンモニア水を2mL添加した。
このスラリーを限外ろ過によって水で洗浄し、乾燥後にエネルギー分散型X線により化学分析を行った所、窒素が検出され、アンモニウムイオンが粒子表面に吸着していることが示された。
また、アンモニア水添加前と添加後のゼータ電位を測定したところ、それぞれ−50mV、−30mVであることから加水分解促進触媒のアンモニウムイオンが表面に吸着し、ゼータ電位を低下させていることを示唆している。
・無機膜のコーティング
続いて、触媒を添加したスラリーを35℃に昇温し、テトラエトキシシランのエタノール溶液1.6質量%、60gを1時間にわたって添加し、そのまま5時間撹拌した。
・熱分解性コア体の除去
その後、50℃、90℃での乾燥を経て、空気中1℃/分で600℃まで昇温して熱分解性コア体を除去し、中空状無機粒子を得た。
得られた中空状無機粒子を透過型電子顕微鏡及び走査型電子顕微鏡で観察したところ、無機膜としてのシリカ殻(厚さ7nm)からなる、動的光散乱による平均粒子径80nmの中空状無機粒子であった。さらに、エネルギー分散型X線検出器により化学分析を行ったところ、Si元素及び酸素のみが検出され、高純度のシリカ中空状無機粒子であることが確認された(得られたシリカ中空状無機粒子の透過型電子顕微鏡写真を図1に示す)。
(実施例2)
加水分解促進触媒として、アンモニア水の代わりに、ポリエチレンイミン(濃度30質量%、(株)日本触媒製、商品名:エポミンP1000)を超純水(18MΩ・cm)で希釈して、濃度0.3質量%に調整したもの33gを、実施例1のアクリル系ポリマー粒子分散液(0.5質量%)20gに添加し、その他は実施例1と同様の工程を経て、中空状無機粒子を得た。
(比較例1)
加水分解促進触媒としてのアンモニア水を添加しないこと以外は、実施例1と同様にして中空状無機粒子の前駆体を得た後に熱分解性コア体を除去した。得られた生成物を透過型電子顕微鏡で観察したところ、中空状構造は観察されたが、独立した中空状無機粒子は観察されなかった(得られた粒子の透過型電子顕微鏡写真を図2に示す)。
なお、図5に比較例1における製造方法の工程の一部をイメージで示す。
(比較例2)
熱分解性コア体として電子顕微鏡観察による一次粒径が22nmのカーボンブラック(三菱化学(株)製)を用いた。これは表面に極性基を有してない。これを0.5質量%の濃度になるように水と混合し、超音波洗浄器(BRANSON社製、商品名:2510)を用いて60分間分散を行った。
得られたスラリーの動的光散乱を用いて粒度分布を測定したところ平均粒子径3μmであった。実施例1と同様にして得られた生成物を透過型電子顕微鏡で観察したところ、中空状構造は観察されたが、独立した中空状無機粒子は観察されなかった。
<無機薄膜転写材の作製(仮支持体上への中空状無機粒子含有積層膜の形成)>
実施例1〜2及び比較例1〜2で得られた中空状無機粒子の水分散液(0.1質量%)を、超音波洗浄器(BRANSON社製、商品名:2510)で60分間、再分散を行った。この分散液に、ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績(株)製、商品名:A4100、厚さ125μm)を浸漬し、引き上げ、室温で乾燥して、フィルム上に中空状無機粒子含有積層膜を100nm形成し、これを無機薄膜転写材とした。
<中空状無機粒子含有積層膜が転写された成形品の作製>
光硬化性のハードコート樹脂(日立化成工業(株)製、商標名:ヒタロイド)97質量部と光重合開始剤(長瀬産業(株)製、商品名:イルガキュア184)3質量部とを混ぜた光硬化性樹脂を、ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績(株)製、商品名:A4100、厚さ125μm)の易接着層がある面上にアプリケータを用いて光硬化性樹脂を厚さ30μmに塗工した。
光硬化性樹脂の塗膜を有する成形品と上記の無機薄膜転写材とを、光硬化性樹脂の塗膜面と易接着層のない面上に形成された中空状無機粒子含有積層膜とが向かい合わせになるように配置して、貼り合わせた。貼り合わせはロールラミネータ(ラミーコーポレーション社製、商品名:LMP−350EX)を用いて、ロール荷重3kg/cm、送り速度0.5m/分、温度20℃の条件で行った。
この温度における、ハードコート樹脂の粘度は、9,000mP・sであった。粘度は、E形粘度計(例えば、東京計器(株)製、商品名:TV−33が使用できる)により測定した温度25℃における粘度とする(以下同様)。
この貼り合わせ物に紫外線露光装置((株)オーク製、商品名:HMW−6N−4)を用いて2000mJ/cmの紫外線を照射して光硬化性樹脂層を硬化させ転写膜を作製した。
<中空状無機粒子含有積層膜、転写膜の透明性の評価>
前記で得た中空状無機粒子含有積層膜が形成されたPETフィルムと中空状無機粒子含有積層膜をハードコート樹脂に転写した膜のヘイズ値を、濁度計(日本電色工業(株)製)にてJIS K 7361−1−1997に準拠して測定した。
各実施例及び各比較例で作製した中空状無機粒子の平均粒子径を表1に示す。

Claims (9)

  1. 熱分解性コア体と、該熱分解性コア体の表面の少なくとも一部に吸着又は結合された加水分解促進触媒と、最外層として無機膜と、を有し、
    前記熱分解性コア体が、表面の少なくとも一部に前記加水分解促進触媒と親和性がある極性基を有し、該極性基に前記加水分解促進触媒が吸着又は結合されている中空状無機粒子の前駆体。
  2. 熱分解性コア体と、該熱分解性コア体の表面の少なくとも一部に吸着又は結合された加水分解促進触媒と、最外層として無機膜と、を有し、
    前記熱分解性コア体が、表面の少なくとも一部に前記加水分解促進触媒と親和性がある極性基を有する化合物を有し、該極性基を有する化合物に前記加水分解促進触媒が吸着又は結合されている中空状無機粒子の前駆体。
  3. 前記熱分解性コア体は、前記無機膜の溶融温度よりも低い温度で熱分解する元素、化合物又はそれらの混合物である請求項1又は2に記載の中空状無機粒子の前駆体。
  4. 前記加水分解促進触媒が、アンモニア、アミン化合物又はアミノ基を分子内に有する化合物である請求項1〜3のいずれか一項に記載の中空状無機粒子の前駆体。
  5. 前記無機膜が、下記一般式(1)
    で表される化合物の加水分解生成物である請求項1〜4のいずれか一項に記載の中空状無機粒子の前駆体。
    (但し、式(1)中、R1は、H原子、F原子及び炭素数1〜12の1価の有機基からなる群から選ばれ、Mは、IVa、Vb、Ib、IIb、IIIa、IIIb、Va及びIVb族に属する原子からなる群より選ばれる原子であってC原子を除く原子を示し、Xは、加水分解性基を示し、mは2以上の整数を示し、nは0〜2の整数を示し、m−n≧1であり、nが2のとき、各R1は互いに同一でも異なっていてもよく、m−n≧2のとき、各Xは互いに同一でも異なっていてもよい。また、R1とXは同一でも異なっていてもよい。)
  6. 前記熱分解性コア体の平均粒子径が、動的光散乱法による測定で4〜80nmである請求項1〜5のいずれか一項に記載の中空状無機粒子の前駆体。
  7. 前記熱分解性コア体のゼータ電位の絶対値が、1〜80mVである請求項1〜6のいずれか一項に記載の中空状無機粒子の前駆体。
  8. 熱分解性コア体に、加水分解促進触媒を吸着又は結合させる第1工程と、
    前記加水分解促進触媒が吸着又は結合した熱分解性コア体を、一般式(I)で表される化合物の加水分解生成物でコーティングし、無機膜を形成し、中空状無機粒子の前駆体を得る第2工程と、
    (但し、式(1)中、R1は、H原子、F原子及び炭素数1〜12の1価の有機基からなる群から選ばれ、Mは、IVa、Vb、Ib、IIb、IIIa、IIIb、Va及びIVb族に属する原子からなる群より選ばれる原子であってC原子を除く原子を示し、Xは、加水分解性基を示し、mは2以上の整数を示し、nは0〜2の整数を示し、m−n≧1であり、nが2のとき、各R1は互いに同一でも異なっていてもよく、m−n≧2のとき、各Xは互いに同一でも異なっていてもよい。また、R1とXは同一でも異なっていてもよい。)
    前記中空状無機粒子の前駆体を熱処理することで、前記熱分解性コア体を除去して中空状無機粒子を得る第3工程と、を含むことを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の中空状無機粒子の前駆体を用いた中空状無機粒子の製造方法。
  9. 前記熱分解性コア体の平均粒子径が、動的光散乱法による測定で4〜80nmである請求項に記載の中空状無機粒子の製造方法。
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