JP5387330B2 - 中空状無機粒子の前駆体、中空状無機粒子及びこの製造方法、並びに中空状無機粒子を用いた光学部材及び光学部材体 - Google Patents
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Description
また、光学分野では、フッ化カルシウムに代わる低屈折率材料として用いられ、反射防止膜等に応用されている。
非特許文献1に記載される超分子鋳型法においては、コア粒子が凝集された塊の周りに、無機膜が形成されるため、粒子径が100nm以下の中空粒子を作製することは難しく光学材料用途への応用が困難である。
即ち、本発明は以下の通りである。
前記熱分解性コア体が、表面の少なくとも一部に前記加水分解促進触媒と親和性がある極性基を有し、該極性基に前記加水分解促進触媒が吸着又は結合されている中空状無機粒子の前駆体。
前記熱分解性コア体が、表面の少なくとも一部に前記加水分解促進触媒と親和性がある極性基を有する化合物を有し、該極性基を有する化合物に前記加水分解促進触媒が吸着又は結合されている中空状無機粒子の前駆体。
(但し、式(1)中、R1は、H原子、F原子及び炭素数1〜12の1価の有機基からなる群から選ばれ、Mは、IVa、Vb、Ib、IIb、IIIa、IIIb、Va及びIVb族に属する原子からなる群より選ばれる原子であってC原子を除く原子を示し、Xは、加水分解性基を示し、mは2以上の整数を示し、nは0〜2の整数を示し、m−n≧1であり、nが2のとき、各R1は互いに同一でも異なっていてもよく、m−n≧2のとき、各Xは互いに同一でも異なっていてもよい。また、R1とXは同一でも異なっていてもよい。)
(7)前記熱分解性コア体のゼータ電位の絶対値が、1〜80mVである上記(1)〜(6)のいずれか一つに記載の中空状無機粒子の前駆体。
(8)上記(1)〜(7)のいずれか一つに記載の中空状無機粒子の前駆体から、前記熱分解性コア体を除去して得られる中空状無機粒子。
(9)前記中空状無機粒子の平均粒子径が、動的光散乱法による測定で5〜90nmである上記(8)に記載の中空状無機粒子。
(10)熱分解性コア体に、加水分解促進触媒を吸着又は結合させる第1工程と、
前記加水分解促進触媒が吸着又は結合した熱分解性コア体を、一般式(I)で表される化合物の加水分解生成物でコーティングし、無機膜を形成し、中空状無機粒子の前駆体を得る第2工程と、
前記中空状無機粒子の前駆体を熱処理することで、前記熱分解性コア体を除去して中空状無機粒子を得る第3工程と、を含むことを特徴とする上記(8)又は(9)に記載の中空状無機粒子の製造方法。
(12)上記(8)又は(9)に記載の中空状無機粒子を含む光学部材。
(13)上記(12)記載の光学部材に反射防止機能を有する光学部材体。
本発明によれば、極めて簡易な製造工程により中空状無機粒子を得ることができ、また製造再現性や生産性の点でも優れている。
さらに、上記の中空状無機粒子を樹脂へ混合、塗布することにより透明性の高い反射防止膜を作製することが可能となる。
本発明の中空状無機粒子の前駆体は、熱分解性コア体と、該熱分解性コア体の表面の少なくとも一部に吸着又は結合された加水分解促進触媒と、最外層として無機膜と、を有し、且つ前記熱分解性コア体が、表面の少なくとも一部に前記加水分解促進触媒と親和性がある極性基又は該極性基を有する化合物を有し、該極性基に前記加水分解促進触媒が吸着又は結合されていることが重要である。
また、前記加水分解促進触媒と親和性がある極性基は、加水分解促進触媒をより吸着又は結合させ易くすることができる。
本発明において「熱分解性コア体」とは、中空状無機粒子を構成する無機膜の溶融温度よりも低い温度で熱分解する元素、化合物又はそれらの混合物であれば特に制限はない。
熱分解性コア体は、動的光散乱法による測定で平均粒子径が4〜80nmであるものを適宜選択して使用すればよい。
動的光散乱法による測定とは、具体的には以下の通りである。分散用媒体中の粒子がブラウン運動により拡散する速度(拡散係数)を計測することで粒子径を測定する方法で、粒度分布測定装置によって測定できる。例えば、ベックマンコールター社製のN−5サブミクロン粒子アナライザーを用いて測定する。
ゼータ電位は、粒子の分散性を示すパラメータであり、絶対値の値が高いほど粒子の分散性が高く、分散している粒子同士には静電的な斥力が強く働き凝集を防ぐことができる。本発明においても熱分解性コア体のゼータ電位が高い状態で無機膜を形成させることによって、安定に中空状無機粒子を合成することができる。
そのために、熱分解性コア体のゼータ電位の絶対値は、1〜80mVであることが望ましい。
熱分解性コア体のゼータ電位の絶対値を上記範囲とするには、熱分解性コア体が表面の少なくとも一部に加水分解促進触媒と親和性のある極性基を有するか、該極性基を有する化合物を有すればよい。
熱分解性コア体のゼータ電位は、熱分解性コア体濃度1質量%に調整した水溶液をベックマンコールター社製のDELSA440SXを用いて測定できる。
ここでいう「極性基」とは、前記加水分解促進触媒と親和性があるものであり、非イオン性基、カチオン性基、アニオン性基が挙げられるが、例えば、イオン性基又はイオン化可能基で置換された有機基も含まれる。イオン化可能基は、中空状無機粒子の前駆体を生成するために使用する媒体中でイオン性基を作ることができる基である。イオン性基は、アニオン性基又はカチオン性基でよく、イオン化可能基はアニオン又はカチオンを作ることができる。
酸性基は、スルホン酸基、スルフィン酸基、ホスホン酸基、又はカルボン酸基、スルホニウム基等である。
塩とする場合は、スルホン酸ナトリウム、スルホン酸カリウム、スルフィン酸ナトリウム、スルフィン酸カリウム、ホスホン酸ナトリウム、ホスホン酸カリウム、又はカルボン酸ナトリウム、カルボン酸カリウム等が挙げられる。
アミン置換基を有する有機基もカチオン性基を作るイオン化可能極性基である。
第4級アンモニウム基(−NR3 +)及び第4級ホスホニウム基(−PR3 +)も、カチオン性基の例である(Rは、1価の基)。
水酸基、シラノール基、ホルムアミド基等、非イオン性の極性の大きな親水基も含まれる。
これらの組み合わせで、中でもカルボキシル基、アミノ基、シラノール基が好ましく用いられる。
極性基を有する化合物とは、上記極性基を分子内に少なくとも一種類以上含む化合物の中で、特に、熱分解性コア体と、分子間力、静電的引力、水素結合等により、物理的、化学的に吸着又は結合するものが望ましい。その中で、低分子界面活性剤、高分子分散剤を用いることが望ましい。
低分子界面活性剤としては、各種アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。
以下、界面活性剤の具体例を列挙する。
アニオン性界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルフェニルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、高級脂肪酸塩、高級脂肪酸エステルの硫酸エステル塩、高級脂肪酸エステルのスルホン酸塩、高級アルコールエーテルの硫酸エステル塩及びスルホン酸塩、高級アルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩等が使用でき、好ましくは、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、イソプロピルナフタレンスルホン酸塩、モノブチルフェニルフェノールモノスルホン酸塩、モノブチルビフェニルスルホン酸塩、モノブチルビフェニルスルホン酸塩、ジブチルフェニルフェノールジスルホン酸塩等が用いられる。
ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、アルキルアルカノールアミド、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールブロックコポリマー、アセチレングリコール、アセチレングリコールのポリオキシエチレン付加物等が挙げられ、好ましくは、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸アルキロールアミド、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールブロックコポリマー、アセチレングリコール、アセチレングリコールのポリオキシエチレン付加物が用いられる。
その他、ポリシロキサンオキシエチレン付加物等のシリコーン系界面活性剤や、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、オキシエチレンパーフルオロアルキルエーテル等のフッ素系界面活性剤、スピクリスポール酸やラムノリピド、リゾレシチン等のバイオサーファクタント等も使用できる。
高分子分散剤としてはヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルメチルエーテル、ポリエチレンイミン、完全けん化PVA、部分けん化PVA、ポリメタクリル酸ジメチルアミノエチル、ポリメタクリル酸ジメチルアミノエチル四級塩、ポリアクリル酸ジメチルアミノエチル、ポリアクリル酸ジメチル四級塩、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸、ポリアリルアミン、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリウレタン、ポリスルホン酸ナトリウム、アクリル酸ナトリウムとポリアリルアミン共重合ポリマー、水溶性天然高分子等が挙げられ、ポリアクリル酸又はポリアクリル酸ナトリウムを用いることが望ましい。
親水基と疎水基とを有する重合体としては、縮合系重合体と付加重合体とが使用できる。
また、親水基を有するα,β−エチレン性不飽和基を有するモノマーの単独重合体も用いることができる。
加水分解促進触媒としては、酸触媒、アルカリ触媒がある。アルカリ触媒としては、アンモニア、アミン化合物、アミノ基を分子内に有する化合物、アルカリ金属の水酸化物等を用いることができる。
また、加水分解促進触媒としての酸触媒としては、各種の無機酸と有機酸を用いることができる。
特に、アンモニア、第一級又は第二級アミンから水素を除去した1価の官能基を含むアミン化合物を用いることができる。具体的には、メチルアミン、エーテルアミン、エチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、キヌクリジン、1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン(DABCO)、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、エチレンジアミン、テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)、ヘキサメチレンジアミン、アニリン、カテコールアミン、フェネチルアミン、1,8−ビス(ジメチルアミノ)ナフタレン(プロトンスポンジ)、アミノ酸、アマンタジン、スペルミジン、スペルミン等が挙げられる。
また、図3に、極性基を介して熱分解性コア体への加水分解促進触媒(アンモニア)の結合の様子を示す概念図を示す。
無機膜は、熱分解性コア体表面に直接、若しくは、極性基又は極性基を有する化合物を表面に有する熱分解性コア体に加水分解促進触媒を吸着又は結合させた後、形成させる膜のことを指す。この無機膜を形成後、熱分解性コア体を熱分解させることによって中空状無機粒子を得ることができる。中空状無機粒子の前駆体を被覆する無機膜としては、下記一般式(1)
金属アルコキシドとしては、ケイ素、チタン、アルミニウムのアルコキシドを用いることが好ましい。
その中でも特にシリコンアルコキシドを用いることが屈折率を下げる点からより好ましい。
無機膜の形成は、具体的には以下のように行なう。
ここで分散用媒体として使用するアルコールについては特段の制約はなく、メタノール、エタノール、プロパノール等が利用可能である。
加水分解反応は、通常の方法で行えばよく、例えば、金属アルコキシドの場合は、塩酸、硫酸、硝酸などの酸、又は、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ等の触媒を用いることも好ましい。
無機膜の厚さを上記範囲とするには、熱分解性コア体表面に形成させる物質の量を調整すればよい。
次に、主に無機膜形成に好ましく用いられるシリコンアルコキシドを下記一般式(2)に示し、その種類を以下に示す。
無機膜の形成工程において各物質を添加した後は、シリコンアルコキシドの加水分解によるシリカの析出が完了するまで撹拌を続けることが望ましい。
そのようになると、最終的に得られる中空状無機粒子も凝集体となって、本発明の課題のひとつである高分散状態が達成できなくなることもある。
次に、本発明の中空状無機粒子の製造方法について説明する。
本発明の中空状無機粒子の製造方法は、前記した通り熱分解性コア体に加水分解促進触媒を吸着又は結合させる第1工程と、
前記加水分解促進触媒が吸着又は結合した熱分解性コア体を、一般式(I)で表される化合物の加水分解生成物でコーティングし、無機膜を形成し、中空状無機粒子の前駆体を得る第2工程と、
前記中空状無機粒子の前駆体を熱処理することで、前記熱分解性コア体を除去して中空状無機粒子を得る第3工程と、を含み、
前記第1工程における前記熱分解性コア体の平均粒子径が、動的光散乱法による測定で4〜80nmであることを特徴とする。
第1工程は、熱分解性コア体に加水分解促進触媒を吸着又は結合させる。
第1工程において用いられる熱分解性コア体は前述したものが用いられる。なお、熱分解性コア体が前記加水分解促進触媒と親和性がある極性基を有さない場合は、加水分解促進触媒を処理する前に、該極性基を有する化合物を熱分解性コア体に吸着又は結合させる工程を追加する。
熱分解性コア体は、動的光散乱法による測定で4〜80nmの粒子径であることが好ましい。
熱分解性コア体がポリマー粒子の場合は、ポリマーの原料となるモノマー等を用い、マイクロエマルション重合、ミニエマルション重合、ソープフリー乳化重合、乳化重合等の重合法により、動的光散乱法による測定で4〜80nmの粒子径の熱分解性コア体を得ることができる。無機粒子の場合、分散剤存在下での酸化還元反応によって合成することが可能である。
第2工程は、前記加水分解促進触媒が吸着又は結合した熱分解性コア体を、上記一般式(1)で表される化合物の加水分解生成物でコーティングし、無機膜を形成し、中空状無機粒子の前駆体を得る。
第3工程は、中空状無機粒子の前駆体を熱処理することで、前記熱分解性コア体を除去し、中空状無機粒子を得る。
第2工程で得られた中空状無機粒子の前駆体を乾燥し、熱分解性コア体が分解する温度で焼成を行い、最外層の無機膜の外に除去することにより、中空状無機粒子を得る。
中空無機微粒子の前駆体を熱処理することで熱分解性コア体を除去することにより本発明の中空状無機粒子とすることができる。
また、無機膜の溶融温度よりも高温では、無機膜の溶融が起こり、中空状無機粒子間が融着し、独立した中空状無機粒子を得ることが困難となる。
焼成は、Air、N2、Ar、He等の雰囲気下で行うことが好ましい。
なお、図4に本発明の中空状無機粒子の製造方法の一部の工程をイメージで示す。
本発明の中空状無機粒子は、動的光散乱法による粒子径が5〜90nmである。
本発明において「動的光散乱法による平均粒子径」は、液相中に分散させた際の分散粒子径をさす。
また、ナノサイズのカプセル粒子として、リリースコントロール素材、選択吸着剤等としての利用も期待されるものである。
本発明の中空状無機粒子は、薄膜化することにより、反射防止膜等の光学部材とすることができる。
また、上記光学部材に反射防止機能を設けることで光学部材体とすることができる。反射防止機能の設け方としては、中空状無機粒子分散液をフィルムに塗布または、ディップする方法穂などが挙げられる。
<合成方法>
・熱分解性コア体の合成
熱分解性コア体として、以下の合成方法で合成したアクリル系ポリマー粒子を用いた。
上記のアクリル系ポリマー粒子を水中に希釈してアクリル系ポリマー粒子0.5質量%の分散液とし、次いで、この希釈したアクリル系ポリマー粒子分散液20gに対し、加水分解促進触媒として28質量%アンモニア水を2mL添加した。
続いて、触媒を添加したスラリーを35℃に昇温し、テトラエトキシシランのエタノール溶液1.6質量%、60gを1時間にわたって添加し、そのまま5時間撹拌した。
その後、50℃、90℃での乾燥を経て、空気中1℃/分で600℃まで昇温して熱分解性コア体を除去し、中空状無機粒子を得た。
加水分解促進触媒として、アンモニア水の代わりに、ポリエチレンイミン(濃度30質量%、(株)日本触媒製、商品名:エポミンP1000)を超純水(18MΩ・cm)で希釈して、濃度0.3質量%に調整したもの33gを、実施例1のアクリル系ポリマー粒子分散液(0.5質量%)20gに添加し、その他は実施例1と同様の工程を経て、中空状無機粒子を得た。
加水分解促進触媒としてのアンモニア水を添加しないこと以外は、実施例1と同様にして中空状無機粒子の前駆体を得た後に熱分解性コア体を除去した。得られた生成物を透過型電子顕微鏡で観察したところ、中空状構造は観察されたが、独立した中空状無機粒子は観察されなかった(得られた粒子の透過型電子顕微鏡写真を図2に示す)。
なお、図5に比較例1における製造方法の工程の一部をイメージで示す。
熱分解性コア体として電子顕微鏡観察による一次粒径が22nmのカーボンブラック(三菱化学(株)製)を用いた。これは表面に極性基を有してない。これを0.5質量%の濃度になるように水と混合し、超音波洗浄器(BRANSON社製、商品名:2510)を用いて60分間分散を行った。
実施例1〜2及び比較例1〜2で得られた中空状無機粒子の水分散液(0.1質量%)を、超音波洗浄器(BRANSON社製、商品名:2510)で60分間、再分散を行った。この分散液に、ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績(株)製、商品名:A4100、厚さ125μm)を浸漬し、引き上げ、室温で乾燥して、フィルム上に中空状無機粒子含有積層膜を100nm形成し、これを無機薄膜転写材とした。
光硬化性のハードコート樹脂(日立化成工業(株)製、商標名:ヒタロイド)97質量部と光重合開始剤(長瀬産業(株)製、商品名:イルガキュア184)3質量部とを混ぜた光硬化性樹脂を、ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績(株)製、商品名:A4100、厚さ125μm)の易接着層がある面上にアプリケータを用いて光硬化性樹脂を厚さ30μmに塗工した。
前記で得た中空状無機粒子含有積層膜が形成されたPETフィルムと中空状無機粒子含有積層膜をハードコート樹脂に転写した膜のヘイズ値を、濁度計(日本電色工業(株)製)にてJIS K 7361−1−1997に準拠して測定した。
各実施例及び各比較例で作製した中空状無機粒子の平均粒子径を表1に示す。
Claims (9)
- 熱分解性コア体と、該熱分解性コア体の表面の少なくとも一部に吸着又は結合された加水分解促進触媒と、最外層として無機膜と、を有し、
前記熱分解性コア体が、表面の少なくとも一部に前記加水分解促進触媒と親和性がある極性基を有し、該極性基に前記加水分解促進触媒が吸着又は結合されている中空状無機粒子の前駆体。 - 熱分解性コア体と、該熱分解性コア体の表面の少なくとも一部に吸着又は結合された加水分解促進触媒と、最外層として無機膜と、を有し、
前記熱分解性コア体が、表面の少なくとも一部に前記加水分解促進触媒と親和性がある極性基を有する化合物を有し、該極性基を有する化合物に前記加水分解促進触媒が吸着又は結合されている中空状無機粒子の前駆体。 - 前記熱分解性コア体は、前記無機膜の溶融温度よりも低い温度で熱分解する元素、化合物又はそれらの混合物である請求項1又は2に記載の中空状無機粒子の前駆体。
- 前記加水分解促進触媒が、アンモニア、アミン化合物又はアミノ基を分子内に有する化合物である請求項1〜3のいずれか一項に記載の中空状無機粒子の前駆体。
- 前記無機膜が、下記一般式(1)
(但し、式(1)中、R1は、H原子、F原子及び炭素数1〜12の1価の有機基からなる群から選ばれ、Mは、IVa、Vb、Ib、IIb、IIIa、IIIb、Va及びIVb族に属する原子からなる群より選ばれる原子であってC原子を除く原子を示し、Xは、加水分解性基を示し、mは2以上の整数を示し、nは0〜2の整数を示し、m−n≧1であり、nが2のとき、各R1は互いに同一でも異なっていてもよく、m−n≧2のとき、各Xは互いに同一でも異なっていてもよい。また、R1とXは同一でも異なっていてもよい。) - 前記熱分解性コア体の平均粒子径が、動的光散乱法による測定で4〜80nmである請求項1〜5のいずれか一項に記載の中空状無機粒子の前駆体。
- 前記熱分解性コア体のゼータ電位の絶対値が、1〜80mVである請求項1〜6のいずれか一項に記載の中空状無機粒子の前駆体。
- 熱分解性コア体に、加水分解促進触媒を吸着又は結合させる第1工程と、
前記加水分解促進触媒が吸着又は結合した熱分解性コア体を、一般式(I)で表される化合物の加水分解生成物でコーティングし、無機膜を形成し、中空状無機粒子の前駆体を得る第2工程と、
前記中空状無機粒子の前駆体を熱処理することで、前記熱分解性コア体を除去して中空状無機粒子を得る第3工程と、を含むことを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の中空状無機粒子の前駆体を用いた中空状無機粒子の製造方法。 - 前記熱分解性コア体の平均粒子径が、動的光散乱法による測定で4〜80nmである請求項8に記載の中空状無機粒子の製造方法。
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