JP5382725B2 - 燃料電池 - Google Patents
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Description
CH3OH+H2O → CO2↑+6H++6e-
の酸化反応により二酸化炭素が燃料極側で発生する。
3/2O2+6H++6e- → 3H2O
の還元反応を起こし、水が生成する。このときに電子が外部の電子機器(負荷)を通過して燃料極から空気極に移動し、電力が取り出される。
図1は本発明の燃料電池の一例を示す概略断面図であり、図2は当該燃料電池の概略上面図である。また、図1に示されるIII−III線、IV−IV線、V−V線およびVI−VI線における断面図をそれぞれ図3〜図6に示している。これらの図面に示されるように、図1に示される燃料電池100は、燃料極11、電解質膜10および空気極12をこの順で積層してなる膜電極複合体20と、燃料極11上に積層され、これに電気的に接続されたアノード集電層21と、空気極12上に積層され、これに電気的に接続されたカソード集電層22とを備える単位電池セル30;燃料極11(より具体的にはアノード集電層21)の下方に配置され、燃料極11側が開放された空間からなる燃料供給室60;燃料極11に供給される液体燃料(図示せず)を保持するための燃料貯蔵室70;および、一端(図1における左側端部)が燃料貯蔵室70内に保持される液体燃料に接触可能な位置に配置されるとともに、その他端が燃料供給室60内部に配置され、燃料極11(ただし、アノード集電層21が介在している)に対向するように延びる燃料輸送部材61とを備える。燃料輸送部材61は、燃料貯蔵室70に保持される液体燃料に対して毛細管作用を示す材料からなる。
CH3OH+H2O → CO2↑+6H++6e-
の式で表される酸化反応を起こし消費される。一方、空気極12においては、蓋筺体50の開口51およびカソード集電層21の開口を通って到達した空気中の酸素と、電解質膜10を介して燃料極11から空気極12に伝達されたプロトンとが、
3/2O2+6H++6e- → 3H2O
の式で表される還元反応を起こす。かかる酸化還元反応により、電子が、燃料極11→アノード集電層21→外部の電子機器(負荷)→カソード集電層22→空気極12のルートで移動し、外部の電子機器に対して電力が供給される。
(燃料輸送部材)
燃料輸送部材61は、その少なくとも一部が燃料供給室60内に配置され、燃料貯蔵室70から燃料供給室60に毛細管現象を利用して液体燃料を輸送するための部材であり、用いる液体燃料に対して毛細管作用を示す材料からなる。このような毛細管作用を示す材料としては、アクリル系樹脂、ABS樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタラート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂、セルロースなどの高分子材料(プラスチック材料)および、ステンレス、チタン、タングステン、ニッケル、アルミニウム、スチールなどの金属材料からなる不規則な細孔を有する多孔質体が挙げられる。多孔質体としては、上記材料からなる不織布、発泡体、焼結体などを挙げることができる。また、上記高分子材料または金属材料からなり、毛細管として表面に規則的なまたは不規則なスリットパターン(溝パターン)を有する基板を燃料輸送部材61として用いることもできる。
ガス透過層62は、燃料輸送部材61の表面の少なくとも一部を被覆する、液体燃料の蒸気を透過可能な層である。「液体燃料の蒸気を透過可能」とは、燃料輸送部材61内の液体燃料を、ガス透過層62の外表面からガス状態で放出できることを意味している。ガス透過層62内に存在する液体燃料は、液体状態であってもよいし、ガス状態であってもよい。ガス透過層62を燃料輸送部材61の表面に形成することにより、燃料輸送部材61とガス透過層62との界面にも毛細管が形成されることとなるため、非常に大きな毛管力を得ることが可能となり、これにより、吸い上げ高および吸い上げ速度を向上させることができる。また、ガス透過層62は、液体燃料それ自体を透過させることなく、液体燃料の蒸気を透過させる層であることから、燃料輸送部材61から燃料供給室60、ひいては燃料極11にガス状態の液体燃料を輸送する機能を有している。そして、燃料供給室60への液体状態での液体燃料の輸送を抑制し、ガス状態の液体燃料を透過する結果、ガス透過層62は、燃料極11への液体燃料の過度の供給を抑制する機能をも果たしている。これにより、液体燃料の空気極12へのクロスオーバーによる出力低下および燃料利用効率の低下を効果的に抑制することができる。このような液体燃料供給抑制機能は、液体燃料の水分含有量が低い場合、具体的には、液体燃料がアルコール水溶液であり、アルコール濃度が数十mol/L〜アルコール100重量%と高濃度である場合に特に有効であり、このような高濃度の液体燃料を用いる場合であっても、本発明に従うガス透過層62の形成により、液体燃料のクロスオーバーを効果的に抑制することができる。したがって、本発明の燃料電池は、高濃度の液体燃料(水分含有量が低い液体燃料)を使用する場合に特に好適である。
膜電極複合体20を構成する電解質膜10は、本発明の膜電極複合体における電解質膜は、燃料極11から空気極12へプロトンを伝達する機能と、燃料極11と空気極12との電気的絶縁性を保ち、短絡を防止する機能を有する。電解質膜の材質は、プロトン伝導性を有し、かつ電気的絶縁性を有する材質であれば特に限定されず、高分子膜、無機膜またはコンポジット膜を用いることができる。高分子膜としては、たとえば、パーフルオロスルホン酸系電解質膜である、ナフィオン(登録商標、デュポン社製)、アシプレックス(登録商標、旭化成社製)、フレミオン(登録商標、旭硝子社製)などが挙げられる。また、スチレン系グラフト重合体、トリフルオロスチレン誘導体共重合体、スルホン化ポリアリーレンエーテル、スルホン化ポリエーテルエーテルケトン、スルホン化ポリイミド、スルホン化ポリベンゾイミダゾール、ホスホン化ポリベンゾイミダゾール、スルホン化ポリフォスファゼンなどの炭化水素系電解質膜なども挙げられる。
電解質膜10の一方の表面に積層される燃料極11および他方の表面に積層される空気極12には、少なくとも触媒と電解質とを有する多孔質層からなる触媒層が設けられる。燃料極11用の触媒は、メタノール水溶液等の液体燃料をプロトンと電子に分解し、電解質は、生成した該プロトンを電解質膜10へ伝導する機能を有する。空気極12用の触媒は、電解質を伝導してきたプロトンと空気中の酸素から水を生成する機能を有する。
アノード集電層21、カソード集電層22はそれぞれ、燃料極11上、空気極12上に積層され、膜電極複合体20とともに単位電池セル30を構成する。アノード集電層21およびカソード集電層22はそれぞれ、燃料極11、空気極12における電子を集電する機能と、電気的配線を行なう機能とを有する。集電層の材質は、比抵抗が小さく、面方向に電流を取り出しても電圧の低下が抑制されることから、金属であることが好ましく、なかでも、電子伝導性を有し、酸性雰囲気下で耐腐食性を有する金属であることがより好ましい。このような金属としては、Au、Pt、Pd等の貴金属;Ti、Ta、W、Nb、Ni、Al、Cu、Ag、Zn等の遷移金属;およびこれらの金属の窒化物または炭化物等;ならびに、ステンレスに代表されるこれらの金属を含有する合金などが挙げられる。Cu、Ag、Zn等の、酸性雰囲気下で耐腐食性に乏しい金属を用いる場合には、Au、Pt、Pdなどの耐腐食性を有する貴金属、導電性高分子、導電性窒化物、導電性炭化物、導電性酸化物等により表面処理(皮膜形成)を行なってもよい。なお、アノード導電性多孔質層およびカソード導電性多孔質層が、たとえば金属等からなり、導電性が比較的高い場合には、アノード集電層およびカソード集電層は省略されてもよい。
燃料供給室60は、好ましくは燃料極11の直下に配置され、その内部空間に上述のガス透過層62で表面が被覆された燃料輸送部材61を備えている。燃料供給室60の内部空間は、好ましくは、燃料極11の燃料貯蔵室70側端部からこれと反対側の端部までの長さと同じかまたはそれ以上の長さを有しており、燃料極11の幅と同じかまたはそれ以上の幅を有している。燃料供給室60の内部空間の高さ(深さ)は特に制限されず、ガス透過層62で表面が被覆された燃料輸送部材61を設置できる高さを有していればよい。
燃料貯蔵室70は、好ましくは単位電池セル30および燃料供給室60の側方に配置される、液体燃料を保持するための室である。燃料貯蔵室70の大きさや形状は特に制限されないが、燃料供給室60内に配置されたガス透過層62で被覆された燃料輸送部材61の一端と燃料貯蔵室70内に保持された液体燃料とが接触可能となるよう、その側壁面に開口を有する必要がある。その開口は、燃料供給室60と燃料貯蔵室70とを仕切る箱筺体40の一部分を構成する壁を貫通する穴から形成されるものであってもよく、この場合、燃料輸送部材61は、その一端が当該穴の内部に位置するか(図1)または燃料貯蔵室70内部に位置する(図8)ように、当該穴に挿入される。
以下の手順で図1〜6に示される燃料電池と同様の構成を有する燃料電池を作製した。
繊維径R 20μm、厚さ0.8mm、目付量700g/m2、空隙率81%、細孔径200μmのチタン繊維不織布の焼結品(ベキニット社製)を用意し、これを幅約30mm、長さ約60mmに切断して燃料輸送部材61とした。また、細孔径0.1μm、膜厚125μm、空隙率85%の多孔質体であるポリフッ化ビニリデン製メンブレンフィルタ(親水性デュラポア、ミリポア社製)を用意し、これを同じく約30mm、長さ約60mmに切断して、2枚のガス透過層62を作製した。ついで、燃料輸送部材61の両面に、ガス透過層62を、それらの中心が完全に一致するように重ね合わせた後、厚さ0.5mmのステンレス製の隙間ゲージを用いて完全に燃料輸送部材61がつぶれてしまうのを防止しながら、ホットプレス(130℃、5kN)により、燃料輸送部材61とガス透過層62とを熱圧着した。得られた積層体を幅18mm、長さ50mmに切断し、厚さ0.5mmの、両面がガス透過層62で被覆された燃料輸送部材61(以下、ガス透過層付き燃料輸送部材Aと称する)を得た。得られたガス透過層付き燃料輸送部材Aを、メタノール、エタノール、アセトンのそれぞれに24時間浸漬する浸漬試験を行なったところ、ガス透過層の剥離は生じず、高濃度燃料を使用する場合においても構造的に問題がないことがわかった。
Pt担持量32.5重量%、Ru担持量16.9重量%の触媒担持カーボン粒子(TEC66E50、田中貴金属社製)と、電解質である20重量%のナフィオン(登録商標)のアルコール溶液(アルドリッチ社製)と、n−プロパノールと、イソプロパノールと、ジルコニアボールとを、所定の割合でフッ素系樹脂製の容器に入れ、攪拌機を用いて500rpmで50分間の混合を行なうことにより、燃料極11用の触媒ペーストを作製した。また、Pt担持量46.8重量%の触媒担持カーボン粒子(TEC10E50E、田中貴金属社製)を用いて、燃料極11用の触媒ペーストと同様にして、空気極12用の触媒ペーストを作製した。
厚さ100μm、幅20mm、長さ60mmのステンレス板(NSS445M2、日新製鋼社製)を用意し、この中央領域に、開孔径φ0.6mmである複数の開孔(開孔パターン:千鳥60°ピッチ0.8mm)を、フォトレジストマスクを用いたウェットエッチングにて両面から加工することにより、厚み方向に貫通する貫通孔を複数備えるステンレス板を2枚作製し、これらをアノード集電層21およびカソード集電層22とした。
幅25mm、長さ80mm、厚さ3mmのポリフェニレンサルファイド製の樹脂基板(PPS)に、燃料貯蔵室70を形成する幅23mm、長さ15mm、深さ2mmの凹部を切削加工するとともに、燃料供給室60を形成する幅18mm、長さ45mm、深さ2mmの凹部を切削加工し、箱筺体40とした。また、燃料貯蔵室70を形成する凹部と燃料供給室60を形成する凹部との間に位置する仕切り壁の上部を、深さ1mm、幅18mmで切削した。
幅25mm、長さ80mm、厚さ3mmのポリフェニレンサルファイド(PPS)製の樹脂基板を用意し、切削加工により、空気極12の直上に配置される領域に23×2mmの開口51を20個形成するとともに、燃料貯蔵室70の天井壁を構成する部位に第2の開孔71として直径0.2mmの貫通孔を形成した。
上記箱筺体40の切削加工を施した仕切り壁上に、ガス透過層付き燃料輸送部材Aの一端が当該仕切り壁上に配置されるとともに、その他端が、およそ燃料極11の燃料貯蔵室70側とは反対側の端部の直下に位置するようにガス透過層付き燃料輸送部材Aを配置した。この際、ガス透過層付き燃料輸送部材Aは、燃料極11の直下の位置に、燃料極11と平行になるように配置した。ついで、ガス透過層付き燃料輸送部材Aの上記仕切り壁上に配置された部分の上に、第1の開孔63としての、幅18mm、長さ10mm、厚さ0.8mm、空隙率80%のポリテトラフルオロエチレン製の多孔質フィルタを重ね合わせた。さらに、シリコンシートからなるガスケットを多孔質フィルタ上に重ねて厚み調整を行ない、燃料供給室60を形成する空間に蓋をするように、上記の単位電池セル30をガスケット上(および、燃料貯蔵室70側とは反対側の領域においては箱筺体40上)に配置した。この際、単位電池セル30は、そのアノード集電層21側がガスケット側(燃料供給室60側)となるように配置した。そして、単位電池セル30のカソード集電層22上に、上記の蓋筺体50を、その複数の開口51が空気極12の直上に配置されるように積層して、燃料電池100を作製した。なお、本実施例では箱筺体40と蓋筺体50とをネジ止めすることにより、各部材の積層方向に押圧をかけ、各部材の固定化を行なったが、箱筺体40とガス透過層付き燃料輸送部材A、ガス透過層付き燃料輸送部材Aと多孔質フィルタ、ガスケットと多孔質フィルタ、単位電池セル30と蓋筺体50は、ホットメルト剤を用いた熱圧着や両面テープによる貼合などの各種方法により接合してもよい。また、図6を参照して、カソード集電層22からガス透過層62に至る各部材の側面と箱筺体40の側面とを、液状シール剤の充填し、これを固化させることにより接合してもよい。
燃料極11に対向する表面にのみガス透過層62を形成したガス透過層付き燃料輸送部材Bを作製し、これを用いること以外は実施例1と同様にして、図10に示される燃料電池と同様の構成を有する燃料電池を作製した。
燃料極11に対向する表面とは反対側の表面にのみガス透過層62を形成したガス透過層付き燃料輸送部材Cを作製し、これを用いること以外は実施例1と同様にして、燃料電池を作製した。
実施例1で用いたチタン繊維不織布の焼結品を300℃のホットプレート上で2時間保持することにより、チタン繊維の表面に厚さ約1μmの酸化皮膜を形成し、ついで、幅約30mm、長さ約60mmに切断することにより燃料輸送部材61作製した。この燃料輸送部材を用いること以外は実施例1と同様にしてガス透過層付き燃料輸送部材Dを作製し、さらにガス透過層付き燃料輸送部材Dを用いること以外は実施例1と同様にして、図11に示される燃料電池と同様の構成を有する燃料電池を作製した。
厚さ1mm、目付量200g/m2、空隙率70%、細孔径50μmのパルプ系不織布(ハトシートSF1)を用意し、これを幅約30mm、長さ約60mmに切断して燃料輸送部材61とした。また、細孔径0.1μm、膜厚125μm、空隙率85%の多孔質体であるポリフッ化ビニリデン製メンブレンフィルタ(親水性デュラポア、ミリポア社製)を用意し、これを同じく約30mm、長さ約60mmに切断して、2枚のガス透過層62を作製した。ついで、2枚のガス透過層62の一方の表面全体に、バーコート法を用いて厚さ5μm程度となるように、ホットメルト剤(PPET1600、東亜合成社製)を塗布した後、燃料輸送部材61の両面にガス透過層62を、それらの中心が完全に一致するように、かつホットメルト剤の塗布面が燃料輸送部材61側となるように重ね合わせた後、厚さ0.5mmのステンレス製の隙間ゲージを用いて完全に燃料輸送部材61がつぶれてしまうのを防止しながら、ホットプレス(100℃、5kN)により、燃料輸送部材61とガス透過層62とを熱圧着した。得られた積層体を幅18mm、長さ50mmに切断し、厚さ0.5mmの、両面がガス透過層62で被覆された燃料輸送部材61(ガス透過層付き燃料輸送部材E)を作製した。ついで、ガス透過層付き燃料輸送部材Eを用いること以外は実施例1と同様にして、図11に示される燃料電池と同様の構成を有する燃料電池を作製した。なお、ホットメルト剤の層もまたガス透過層に属するものであり、したがって、ガス透過層付き燃料輸送部材Eが有するガス透過層は2層構造からなる。
ガス透過層62を有しない燃料輸送部材(この燃料輸送部材の材質およびサイズは、実施例1で使用したものと同じである)用いること以外は実施例1と同様にして、図14に示される燃料電池1400を作製した。
(1)燃料電池の開回路電圧および電流密度の測定
実施例1〜5および比較例1の燃料電池に、15mol/Lのメタノール水溶液を燃料室に充填した後、燃料電池を作動させ、60秒後の開回路電圧と、電圧0.2V時に得られた電流密度を測定した。結果を表1に示す。なお、表1における比較例1の数値「<10」は、装置の分解能下限界を示している。すなわち、比較例1の燃料電池の電圧0.2V時の電流密度については、時間の経過とともに、電流密度が低下し続けて評価できなかった。
実施例1〜3および比較例1において、燃料極11および空気極12の長さを変更した燃料電池を作製し、電圧0.2V時に得られる電流密度の燃料極および空気極の長さ依存性を評価した。結果を図15に示す。なお、実施例1〜3および比較例1の燃料電池の燃料極11および空気極12の長さはいずれも45mmであり、この長さを10mmから最大70mmまで増減させて(比較例1については、安定した電流密度の測定が可能な長さまでとした)、燃料極11および空気極12の長さを変更した燃料電池を作製した。燃料極11の長さと空気極12の長さとは、変更後のいずれの燃料電池においても同じであり、また、燃料極11および空気極12の長さを変更した燃料電池においては、燃料極11および空気極12の長さの増減と同じ分だけガス透過層付き燃料輸送部材(比較例においては燃料輸送部材)の長さを増減させた。
Claims (11)
- 燃料極、電解質膜および空気極をこの順で積層してなる膜電極複合体を備える単位電池セルと、
前記燃料極の下方に配置され、前記燃料極側が開放された空間からなる燃料供給室と、
前記燃料極に供給される液体燃料を保持するための燃料貯蔵室と、
前記液体燃料に対して毛細管作用を示す材料からなる部材であって、その一端が前記燃料貯蔵室内に保持される前記液体燃料に接触可能な位置に配置されるとともに、その他端が前記燃料供給室内部に配置され、前記燃料極に対向するように延びる燃料輸送部材と、を含み、
前記燃料供給室は、その内部と前記燃料貯蔵室の内部とを連通する、または、その内部と燃料電池外部とを連通する第1の開孔を備え、
前記燃料貯蔵室は、その内部と燃料電池外部とを連通する第2の開孔を備え、
前記燃料輸送部材は、その表面の少なくとも一部を被覆する層であって、前記液体燃料の蒸気を透過させるガス透過層を備え、
前記ガス透過層は、細孔径が0.01〜10μmである細孔を有する多孔質樹脂層からなる、燃料電池。 - 前記ガス透過層は、前記燃料輸送部材における、前記燃料極に対向する表面を被覆する、請求項1に記載の燃料電池。
- 前記ガス透過層は、前記燃料輸送部材における、前記燃料極に対向する表面とは反対側の表面をさらに被覆する、請求項2に記載の燃料電池。
- 前記ガス透過層は、2以上の層の積層構造からなる、請求項1〜3のいずれかに記載の燃料電池。
- 前記燃料輸送部材は、前記液体燃料に対して毛細管作用を示す金属多孔質体からなる、請求項1〜4のいずれかに記載の燃料電池。
- 前記金属多孔質体は、繊維表面が酸化皮膜で被覆された金属繊維不織布の焼結体からなる、請求項5に記載の燃料電池。
- 前記燃料貯蔵室は、前記単位電池セルおよびその下方に配置される燃料供給室の側方に配置され、
前記燃料輸送部材は、その一端が燃料貯蔵室内に保持される前記液体燃料に接触可能な位置に配置されるとともに、その他端が前記燃料極における前記燃料貯蔵室側とは反対側の端部の略直下の位置に配置される、請求項1〜6のいずれかに記載の燃料電池。 - 前記第1の開孔は、前記燃料供給室の内部と燃料電池外部とを連通する開孔であり、前記燃料輸送部材の前記他端近傍に配置される、請求項1〜7のいずれかに記載の燃料電池。
- 前記単位電池セルは、前記燃料極上に積層されるアノード集電層と、前記空気極上に積層されるカソード集電層とをさらに備える、請求項1〜8のいずれかに記載の燃料電池。
- 前記単位電池セルを2以上含む、請求項1〜9のいずれかに記載の燃料電池。
- 2以上の前記単位電池セルのそれぞれに対向するように配置される2以上の前記燃料輸送部材を備える、請求項10に記載の燃料電池。
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