JP5381688B2 - 半導体装置及びその製造方法 - Google Patents

半導体装置及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5381688B2
JP5381688B2 JP2009292154A JP2009292154A JP5381688B2 JP 5381688 B2 JP5381688 B2 JP 5381688B2 JP 2009292154 A JP2009292154 A JP 2009292154A JP 2009292154 A JP2009292154 A JP 2009292154A JP 5381688 B2 JP5381688 B2 JP 5381688B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
hydrogen
diffusion preventing
semiconductor device
capacitor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2009292154A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010135804A (ja
Inventor
直也 佐次田
康孝 尾崎
孝一 永井
秀明 菊池
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujitsu Semiconductor Ltd
Original Assignee
Fujitsu Semiconductor Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujitsu Semiconductor Ltd filed Critical Fujitsu Semiconductor Ltd
Priority to JP2009292154A priority Critical patent/JP5381688B2/ja
Publication of JP2010135804A publication Critical patent/JP2010135804A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5381688B2 publication Critical patent/JP5381688B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Semiconductor Memories (AREA)

Description

本発明は、半導体装置及びその製造方法に係り、特に誘電体膜として高誘電体又は強誘電体を用いたキャパシタを有する半導体装置及びその製造方法に関する。
近時、キャパシタの誘電体膜として高誘電体や強誘電体を用いることが注目されている。
しかしながら、誘電体膜として高誘電体や強誘電体を単に用いた場合には、誘電体膜を形成した後の工程において、誘電体膜中の酸素が水素により還元されてしまう場合があり、電気的特性の良好なキャパシタが得られないことがあった。また、層間絶縁膜等に含まれる水分がキャパシタに達することによっても、誘電体膜中の酸素が水素によって還元されてしまい、電気的特性の良好なキャパシタが得られないことがあった。
水素や水分による誘電体膜の劣化を防止する技術として、キャパシタを覆うように酸化アルミニウム膜を形成する技術や、キャパシタ上に形成された層間絶縁膜上に酸化アルミニウム膜を形成する技術が提案されている。酸化アルミニウム膜は、水素及び水分の拡散を防止する機能を有している。このため、提案されている技術によれば、水素や水分が誘電体膜に達するのを防止することができ、水素や水分による誘電体膜の劣化を防止することが可能となる。このような技術は、例えば特許文献1、2において提案されている。
特開2002−176149号公報 特開2003−197878号公報 特開2003−100994号公報 特許第3114710号公報 特開2003−229542号公報
しかしながら、酸化アルミニウム膜を単に形成した場合には、水素や水分による誘電体膜の劣化を確実に防止することは困難であった。水素や水分による誘電体膜の劣化は、製造歩留りの低下を招いてしまうこととなる。
本発明の目的は、キャパシタを有する信頼性の高い半導体装置を高い歩留りで製造し得る半導体装置及びその製造方法を提供することにある。
発明の観点によれば、半導体基板上に形成され、下部電極と、前記下部電極上に形成された誘電体膜と、前記誘電体膜上に形成された上部電極とを有するキャパシタと、前記半導体基板上及び前記キャパシタ上に形成され、研磨することにより、表面が平坦化された絶縁膜と、前記絶縁膜上に形成され、水素及び水分の拡散を防止する平坦なバリア膜とを有する半導体装置であって、前記バリア膜は、水素及び水分の拡散を防止する第1の膜と、前記第1の膜上に形成された絶縁体より成る第2の膜と、前記第2の膜上に形成された水素及び水分の拡散を防止する第3の膜とを有することを特徴とする半導体装置が提供される。
また、本発明の他の観点によれば、半導体基板上に、下部電極と、前記下部電極上に形成された誘電体膜と、前記誘電体膜上に形成された上部電極とを有するキャパシタを形成する工程と;前記半導体基板上及び前記キャパシタ上に、絶縁膜を形成する工程と;前記絶縁膜の表面を研磨することにより、前記絶縁膜の表面を平坦化する工程と;前記絶縁膜上に、水素及び水分の拡散を防止する平坦なバリア膜を形成する工程とを有する半導体装置の製造方法であって、前記バリア膜を形成する工程は、水素及び水分の拡散を防止する第1の膜を形成する工程と、前記第1の膜上に絶縁体より成る第2の膜を形成する工程と、前記第2の膜上に水素及び水分の拡散を防止する第3の膜を形成する工程とを有することを特徴とする半導体装置の製造方法が提供される。
本発明によれば、平坦化された第2の絶縁膜上に第2の水素拡散防止膜が形成されているため、第2の水素拡散防止膜は平坦になっている。平坦な第2の水素拡散防止膜は被覆性が極めて良好であるため、第2の水素拡散防止膜により水素等を確実にバリアすることができる。従って、本発明によれば、キャパシタの誘電体膜に水素等が達するのを確実に防止することができ、キャパシタの誘電体膜を構成する金属酸化物が水素により還元されるのを防止することができる。しかも、本発明によれば、ソース/ドレイン拡散層に接続された第1の導体プラグを第1の絶縁膜に予め埋め込んでおき、第1の導体プラグに接続される第3の導体プラグを第2の絶縁膜に埋め込むため、第2の絶縁膜上、配線下に第2の水素拡散防止膜を形成する場合であっても、ソース/ドレイン拡散層にダメージを与えることなく、配線とソース/ドレイン拡散層とを電気的に接続することができる。従って、本発明によれば、キャパシタを有する信頼性の高い半導体装置を高い製造歩留りで提供することができる。
また、本発明によれば、水素及び水分の拡散を防止する第1の膜と、第1の膜によるストレスを緩和する第2の膜とを積層することによりバリア膜を構成しているため、バリア膜によるストレスを小さくすることができ、キャパシタに大きなストレスが加わるのを防止することができる。このため、本発明によれば、キャパシタのスイッチングチャージ量QSWの低下を確実に防止しつつ、水素や水分がキャパシタに達するのを防止することが可能となる。従って、本発明によれば、電気的特性が良好なキャパシタを有する半導体装置を高い歩留りで提供することができる。
また、本発明によれば、水素及び水分の拡散を防止する複数の第1の膜を、絶縁体より成る第2の膜を介して積層することによりバリア膜を構成しているため、水素や水分の拡散をより確実に防止することができる。しかも、本発明によれば、比較的薄い第1の膜を第2の膜を介して積層することによりバリア膜を構成しているため、第1の膜の総膜厚を比較的厚く確保しつつ、バリア膜によるストレスを比較的小さくすることができる。このため、本発明によれば、水素や水分がキャパシタに達するのを確実に防止しつつ、キャパシタのスイッチングチャージ量QSWの低下を防止することができる。
本発明の第1実施形態による半導体装置を示す断面図である。 昇温離脱分析法による水素拡散防止膜の評価結果を示すグラフである。 キャパシタのスイッチングチャージ量QSWの変化を示すグラフである。 下部電極のコンタクト抵抗のばらつきを示すグラフである。 本発明の第1実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その1)である。 本発明の第1実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その2)である。 本発明の第1実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その3)である。 本発明の第1実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その4)である。 本発明の第1実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その5)である。 本発明の第1実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その6)である。 本発明の第1実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その7)である。 本発明の第1実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その8)である。 本発明の第1実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その9)である。 本発明の第1実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その10)である。 本発明の第1実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その11)である。 本発明の第1実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その12)である。 本発明の第1実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その13)である。 本発明の第1実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その14)である。 本発明の第1実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その15)である。 本発明の第1実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その16)である。 本発明の第1実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その17)である。 水素拡散防止膜における膜応力を示すグラフである。 本発明の第1実施形態の変形例(その1)による半導体装置を示す断面図である。 本発明の第1実施形態の変形例(その2)による半導体装置を示す断面図である。 本発明の第1実施形態の変形例(その3)による半導体装置を示す断面図である。 本発明の第2実施形態による半導体装置を示す断面図である。 本発明の第2実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その1)である。 本発明の第2実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その2)である。 本発明の第2実施形態の変形例(その1)による半導体装置を示す断面図である。 本発明の第2実施形態の変形例(その2)による半導体装置を示す断面図である。 本発明の第2実施形態の変形例(その3)による半導体装置を示す断面図である。 本発明の第2実施形態の変形例(その4)による半導体装置を示す断面図である。 本発明の第2実施形態の変形例(その5)による半導体装置を示す断面図である。 本発明の第2実施形態の変形例(その6)による半導体装置を示す断面図である。 本発明の第3実施形態による半導体装置を示す断面図である。 本発明の第3実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その1)である。 本発明の第3実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その2)である。 本発明の第3実施形態の変形例(その1)による半導体装置を示す断面図である。 本発明の第3実施形態の変形例(その2)による半導体装置を示す断面図である。
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態による半導体装置及びその製造方法を図1乃至図22を用いて説明する。
(半導体装置)
まず、本実施形態による半導体装置を図1乃至図4を用いて説明する。図1は、本実施形態による半導体装置を示す断面図である。図1において、紙面左側はメモリセル領域2を示しており、紙面右側は周辺回路領域4を示している。
図1に示すように、例えばシリコンより成る半導体基板10上には、素子領域を画定する素子分離領域12が形成されている。素子分離領域12が形成された半導体基板10内には、ウェル14a、14bが形成されている。
ウェル14a、14bが形成された半導体基板10上には、ゲート絶縁膜16を介してゲート電極(ゲート配線)18が形成されている。ゲート電極18の側壁部分には、サイドウォール絶縁膜20が形成されている。
サイドウォール絶縁膜20が形成されたゲート電極18の両側には、ソース/ドレイン拡散層22が形成されている。こうして、ゲート電極18とソース/ドレイン拡散層22とを有するトランジスタ24が構成されている。
トランジスタ24が形成された半導体基板10上には、層間絶縁膜26が形成されている。層間絶縁膜26の表面は平坦化されている。
層間絶縁膜26には、ソース/ドレイン拡散層22に達するコンタクトホール28aが形成されている。また、層間絶縁膜26には、ゲート配線(ゲート電極)18に達するコンタクトホール28bが形成されている。
コンタクトホール28a、28b内には、例えば膜厚20〜60nmのTi膜が形成されている。Ti膜が形成されたコンタクトホール内には、例えば膜厚30〜50nmのTiN膜が形成されている。Ti膜とTiN膜とによりバリアメタル膜30が構成されている。
バリアメタル膜30が形成されたコンタクトホール28a、28b内には、タングステン(W)より成る導体プラグ32が埋め込まれている。
導体プラグ32が埋め込まれた層間絶縁膜26上には、例えば膜厚100nmのSiON膜34が形成されている。SiON膜34は、導体プラグ32を埋め込んだ後に導体プラグ32の表面が酸化されるのを防止するためのものである。
なお、ここでは酸化防止膜34として、SiON膜を形成する場合を例に説明したが、酸化防止膜34はSiON膜に限定されるものではない。例えば、酸化防止膜34として、シリコン窒化膜を形成してもよい。
酸化防止膜34上には、例えば膜厚130nmのシリコン酸化膜36が形成されている。
シリコン酸化膜36上には、キャパシタ44の下部電極38が形成されている。下部電極38は、例えば、膜厚20nm〜100nmの酸化アルミニウム膜38aと膜厚100〜300nmのPt膜38bとを順次積層して成る積層膜により構成されている。ここでは、Pt膜38bの膜厚は、175nmに設定されている。
下部電極38上には、キャパシタ44の誘電体膜40が形成されている。誘電体膜40は、例えば膜厚150nmの強誘電体膜により構成されている。強誘電体膜としては、例えばPbZr1−XTi膜(PZT膜)が用いられている。
誘電体膜40上には、キャパシタ44の上部電極42が形成されている。上部電極42は、例えば膜厚10〜100nmのIrO膜42aと、膜厚100〜300nmのIrO膜42bと、膜厚20〜100nmのPt膜42cとを順次積層して成る積層膜により構成されている。ここでは、IrO膜42bの膜厚は50nmに設定されている。また、ここでは、Pt膜42cの膜厚は、75nmに設定されている。IrO膜42bの酸素の組成比Yは、IrO膜42aの酸素の組成比Xより高く設定されている。
なお、Pt膜42cは、導体プラグと上部電極42とのコンタクト抵抗を低減するためのものである。導体プラグと上部電極42とのコンタクト抵抗をあまり低くする必要がない場合には、Pt膜42cを形成しなくてもよい。
こうして、下部電極38と誘電体膜40と上部電極42とから成るキャパシタ44が構成されている。
誘電体膜40上及び上部電極42上には、誘電体膜40及び上部電極42の上面及び側面を覆うように水素拡散防止膜(バリア膜)46が形成されている。水素拡散防止膜46としては、例えば酸化アルミニウム(Al)が用いられている。水素拡散防止膜46の膜厚は、例えば20〜150nmに設定されている。水素拡散防止膜46は、水素の拡散を防止する機能を有する膜である。酸化アルミニウム膜より成るバリア膜46は、水素の拡散を防止する機能のみならず、水分の拡散を防止する機能をも有している。キャパシタ44の誘電体膜40に水素や水分が達すると、誘電体膜40を構成する金属酸化物が水素により還元されてしまい、キャパシタ44の電気特性が劣化してしまう。誘電体膜40及び上部電極42の上面及び側面を覆うように水素拡散防止膜46を形成することにより、誘電体膜40に水素や水分が達するのが抑制されるため、キャパシタ44の電気的特性の劣化を抑制することが可能となる。
水素拡散防止膜46により覆われたキャパシタ44上及びシリコン酸化膜36上には、水素拡散防止膜48が形成されている。水素拡散防止膜48としては、例えば膜厚20〜50nmの酸化アルミニウム膜が用いられている。
水素拡散防止膜48上には、例えば膜厚1000nmのシリコン酸化膜より成る層間絶縁膜50が形成されている。層間絶縁膜50の表面は、平坦化されている。
なお、ここでは層間絶縁膜50として材料としてシリコン酸化膜を用いる場合を例に説明したが、層間絶縁膜50の材料はシリコン酸化膜に限定されるものではない。例えば、絶縁性を有する無機膜を層間絶縁膜50として適宜用いることができる。
シリコン酸化膜50上には、水素拡散防止膜(バリア膜)52が形成されている。水素拡散防止膜52としては、例えば膜厚50〜100nmの酸化アルミニウム膜が用いられている。酸化アルミニウム膜より成る水素拡散防止膜52は、水素の拡散を防止する機能を有しているのみならず、水分の拡散をも防止する機能をも有している。平坦化されたシリコン酸化膜50上に水素拡散防止膜52が形成されているため、水素拡散防止膜52は平坦となっている。
本実施形態において層間絶縁膜50上に平坦な水素拡散防止膜52を形成するようにしているのは、以下のような理由によるものである。
即ち、表面に段差が生じている層間絶縁膜上に水素拡散防止膜を形成した場合には、水素拡散防止膜の被覆性があまり良好ではないため、水素拡散防止膜において水素や水分の拡散を十分に防止し得ない。水素や水分がキャパシタの誘電体膜に達すると、誘電体膜を構成する金属酸化物が水素により還元されてしまい、キャパシタの電気的特性の劣化を招いてしまう。
これに対し、本実施形態では、平坦化された層間絶縁膜50に水素拡散防止膜52が形成されているため、水素拡散防止膜52は平坦になっている。平坦な水素拡散防止膜52は被覆性が極めて良好であるため、水素拡散防止膜52により水素や水分を確実にバリアすることが可能となる。しかも、本実施形態では、後述する第1金属配線層64の下に水素拡散防止膜52が形成されているため、後述する層間絶縁膜70を形成する際に水素や水分がキャパシタ44に達してしまうのを水素拡散防止膜52により防止することができる。従って、本実施形態によれば、キャパシタ44の誘電体膜40に水素や水分が達するのを確実に防止することができ、キャパシタ44の誘電体膜40を構成する金属酸化物が水素により還元されるのを防止することができる。従って、本実施形態によれば、キャパシタ44の電気的特性の劣化を確実に防止することができる。
このような理由により、本実施形態では、キャパシタ44の上方に平坦な水素拡散防止膜52を形成するようにしている。
水素拡散防止膜52における膜応力は、例えば5×10dyn/cm以下に設定されている。本実施形態で水素拡散防止膜52における膜応力をこのように低く設定しているのは、以下のような理由によるものである。
即ち、水素拡散防止膜52における膜応力が比較的高い場合には、キャパシタ44に応力が加わり、キャパシタ44のスイッチングチャージ量QSWが劣化してしまう場合がある。スイッチングチャージ量QSWとは、分極によるスイッチングの電荷量と、非スイッチングの電荷量との差のことである。
水素拡散防止膜52上には、例えばシリコン酸化膜より成る絶縁膜54が形成されている。絶縁膜54の膜厚は、例えば200〜300nmに設定されている。
なお、ここでは、絶縁膜54としてシリコン酸化膜を形成する場合を例に説明したが、絶縁膜54はシリコン酸化膜に限定されるものではない。例えば、絶縁膜54として、SiON膜やシリコン窒化膜(Si膜)等を形成してもよい。
本実施形態で水素拡散防止膜52上に絶縁膜54を形成しているのは、以下のような理由によるものである。
即ち、水素拡散防止膜52上に絶縁膜54を形成しない場合には、水素拡散防止膜52を形成した後の工程において水素拡散防止膜52が劣化する場合があり、水素拡散防止膜52において十分な水素拡散防止機能が得られなくなる場合がある。また、水素拡散防止膜52上に絶縁膜54を形成しない場合には、配線をパターニングする際に、水素拡散防止膜52までもがエッチングされてしまう場合がある。また、水素拡散防止膜52上に配線を直接形成した場合には、配線の信頼性が低くなる場合がある。このような不都合を回避するため、本実施形態では、水素拡散防止膜52上に絶縁膜54を形成している。
絶縁膜54、水素拡散防止膜52及び層間絶縁膜50には、上部電極42に達するコンタクトホール56が形成されている。また、絶縁膜54、水素拡散防止膜52及び層間絶縁膜50には、下部電極38に達するコンタクトホール(図示せず)が形成されている。また、絶縁膜54、水素拡散防止膜52及び層間絶縁膜50には、導体プラグ32に達するコンタクトホール58が形成されている。
コンタクトホール58内には、例えば膜厚20〜100nmのTiN膜より成るバリアメタル膜60が形成されている。
バリアメタル膜60が形成されたコンタクトホール56、58内には、タングステンより成る導体プラグ62が埋め込まれている。
コンタクトホール56、58内にTi膜を形成することなくTiN膜60のみを形成し、TiN膜60のみが形成されたコンタクトホール56、58内にタングステンより成る導体プラグ62を埋め込んでいるのは、以下のような理由によるものである。
即ち、導体プラグとしてタングステンを用いる場合には、Ti膜とTiN膜とから成る積層膜をコンタクトホール内に形成し、Ti膜とTiN膜とから成る積層膜が形成されたコンタクトホール内に、タングステンより成る導体プラグが埋め込むのが一般的である。しかし、キャパシタの上部電極にTi膜が接触すると、キャパシタの上部電極に用いられているIrO膜の中の酸素原子がTi膜中のチタン原子と反応してTiOが生じてしまい、上部電極と導体プラグとの間のコンタクト抵抗が高くなってしまう。
ところで、Ti膜は、導体プラグの下地に対する密着性を確保するためのものであるため、導体プラグの下地に対する密着性がTi膜を形成することなく確保できる場合には、Ti膜を敢えて形成する必要はない。
本実施形態では、導体プラグ62の下地がタングステンより成る導体プラグ32であるため、コンタクトホール56、58内にTi膜を形成しなくても、導体プラグ62の下地に対する密着性を確保することが可能である。このため、本実施形態では、コンタクトホール56、58内に敢えてTi膜を形成せずに、コンタクトホール56、58内にTiN膜60のみを形成し、TiN膜60が形成されたコンタクトホール56、58内にタングステンより成る導体プラグ62を埋め込んでいる。このため、本実施形態によれば、キャパシタ44の上部電極42に用いられているIrO膜42a中やIrO膜42b中の酸素原子がTi膜中のTi原子と反応してTiOが生じてしまうことはなく、上部電極42と導体プラグ62との間のコンタクト抵抗が高くなってしまうこともない。このため、本実施形態によれば、電気的特性の良好な半導体装置を提供することが可能となる。
絶縁膜54上には、導体プラグ62に接続された配線(第1金属配線層)64が形成されている。配線64は、例えば、膜厚60nmのTi膜、膜厚30nmのTiN膜、膜厚360nmのAlCu合金膜、膜厚5nmのTi膜、及び膜厚70nmのTiN膜を順次積層して成る積層膜により構成されている。
本実施形態において、配線64をキャパシタ44の上部電極42や下部電極38に直接接続することなく、導体プラグ62を介して接続しているのは、以下のような理由によるものである。
即ち、配線をキャパシタの上部電極や下部電極に直接接続した場合には、配線の材料として用いられているAlと、キャパシタの上部電極や下部電極の材料として用いられているPtとが反応して、反応生成物が生じてしまう虞がある。AlとPtとが反応して体積の大きい反応生成物が生じると、層間絶縁膜等に亀裂が生じる場合があり、半導体装置の信頼性が低下する要因となる。
本実施形態では、配線64が導体プラグ62を介してキャパシタ44の上部電極42や下部電極38に接続されているため、配線64の材料として用いられているAlと、キャパシタ44の上部電極42や下部電極38の材料として用いられているPtとが、反応して反応生成物が生じてしまうことはない。従って、本実施形態によれば、AlとPtとの反応生成物が生じて層間絶縁膜50等に亀裂が生じるのを防止することができ、半導体装置の信頼性が低下するのを防止することができる。
配線64が形成された絶縁膜54上には、シリコン酸化膜66が形成されている。シリコン酸化膜66上には、更にシリコン酸化膜68が形成されている。シリコン酸化膜68の表面は平坦化されている。シリコン酸化膜66とシリコン酸化膜68とにより層間絶縁膜70が構成されている。層間絶縁膜70の総膜厚は、例えば1275nmに設定されている。
層間絶縁膜66、68には、配線64に達するコンタクトホール72が形成されている。
コンタクトホール72内には、例えば膜厚10nmのTi膜が形成されている。Ti膜が形成されたコンタクトホール72内には、膜厚3.5〜7nmのTiN膜が形成されている。Ti膜とTiN膜とにより、バリアメタル膜74が構成されている。
バリアメタル膜72が形成されたコンタクトホール72内には、タングステンより成る導体プラグ76が埋め込まれている。
導体プラグ76が埋め込まれた層間絶縁膜66、68上には、導体プラグ76に接続された配線(第2金配線層)78が形成されている。配線78は、例えば、膜厚60nmのTi膜、膜厚30nmのTiN膜、膜厚360nmのAlCu合金膜、膜厚5nmのTi膜、及び膜厚70nmのTiN膜を順次積層して成る積層膜により構成されている。
層間絶縁膜70上及び配線78上には、シリコン酸化膜80が形成されている。シリコン酸化膜80上には、シリコン酸化膜82が形成されている。シリコン酸化膜82の表面は平坦化されている。シリコン酸化膜80とシリコン酸化膜82とにより層間絶縁膜84が構成されている。
層間絶縁膜84には、配線78に達するコンタクトホール86が形成されている。
コンタクトホール86内には、例えば膜厚10nmのTi膜が形成されている。Ti膜が形成されたコンタクトホール86内には、膜厚3.5〜7nmのTiN膜が形成されている。Ti膜とTiN膜とにより、バリアメタル膜88が構成されている。
バリアメタル膜88が形成されたコンタクトホール86内には、タングステンより成る導体プラグ90が埋め込まれている。
導体プラグ90が埋め込まれた層間絶縁膜84上には、導体プラグ90に接続された配線(第3金属配線層)92が形成されている。配線92は、例えば、膜厚60nmのTi膜、膜厚30nmのTiN膜、膜厚360nmのAlCu合金膜、膜厚5nmのTi膜、及び膜厚70nmのTiN膜を順次積層して成る積層膜により構成されている。
層間絶縁膜84上及び配線92上には、例えば膜厚200〜300nmのシリコン酸化膜94が形成されている。
シリコン酸化膜94上には、例えば膜厚500nmのシリコン窒化膜96が形成されている。
シリコン窒化膜96上には、例えば膜厚2〜10μmのポリイミド樹脂膜98が形成されている。
ポリイミド樹脂膜98、シリコン窒化膜96、シリコン酸化膜94には、電極パッド(図示せず)に達する開口部(図示せず)が形成されている。
こうして本実施形態による半導体装置が構成されている。
本実施形態による半導体装置は、キャパシタ44と第1金属配線層64との間に平坦な水素拡散防止膜52が形成されていることに主な特徴の一つがある。
表面に段差が生じている層間絶縁膜上に水素拡散防止膜を形成した場合には、水素拡散防止膜の被覆性があまり良好ではないため、水素拡散防止膜において水素や水分の拡散を十分に防止し得ない。水素や水分がキャパシタの誘電体膜に達すると、誘電体膜を構成する金属酸化物が水素により還元されてしまい、キャパシタの電気的特性の劣化を招いてしまうこととなる。
これに対し、本実施形態では、平坦化された層間絶縁膜50に水素拡散防止膜52が形成されているため、水素拡散防止膜52は平坦になっている。平坦な水素拡散防止膜52は被覆性が極めて良好であるため、水素拡散防止膜52により水素や水素を確実にバリアすることができる。しかも、本実施形態では、第1金属配線層64の下に水素拡散防止膜52が形成されているため、層間絶縁膜70を形成する際に水素や水分がキャパシタ44に達してしまうのを水素拡散防止膜52により防止することができる。従って、本実施形態によれば、キャパシタ44の誘電体膜40に水素や水分が達するのを確実に防止することができ、キャパシタ44の誘電体膜40を構成する金属酸化物が水素により還元されるのを防止することができる。従って、本実施形態によれば、キャパシタ44の電気的特性の劣化を確実に防止することができる。
また、本実施形態による半導体装置は、導体プラグ62が、ソース/ドレイン拡散層22に直接接続されておらず、導体プラグ32を介してソース/ドレイン拡散層22に接続されていることにも主な特徴の一つがある。
導体プラグ62をソース/ドレイン拡散層22に直接接続する場合には、層間絶縁膜50、26等のみならず水素拡散防止膜52をもエッチングして、ソース/ドレイン拡散層22に達するコンタクトホールを形成しなければならない。しかし、水素拡散防止膜52のエッチング特性は層間絶縁膜52、26等のエッチング特性と大きく異なるため、ソース/ドレイン拡散層22にダメージを与えることなく、ソース/ドレイン拡散層22に達するコンタクトホールを形成することは極めて困難である。
本実施形態では、ソース/ドレイン拡散層22に接続された導体プラグ32を層間絶縁膜26に予め埋め込んでおき、導体プラグ32に接続される導体プラグ62を層間絶縁膜50等に埋め込むため、ソース/ドレイン拡散層22にダメージを与えることなく、配線64とソース/ドレイン拡散層22とを電気的に接続することができる。従って、本実施形態によれば、信頼性の高い半導体装置を高い製造歩留りで提供することができる。
また、本実施形態による半導体装置は、コンタクトホール56、58内にTi膜を形成することなくTiN膜60のみを形成し、TiN膜60のみが形成されたコンタクトホール56、58内にタングステンより成る導体プラグ62が埋め込まれていることにも主な特徴の一つがある。
導体プラグとしてタングステンを用いる場合には、Ti膜とTiN膜とから成る積層膜をコンタクトホール内に形成し、Ti膜とTiN膜とから成る積層膜が形成されたコンタクトホール内に、タングステンより成る導体プラグを埋め込むのが一般的である。しかし、キャパシタの上部電極にTi膜が接触すると、キャパシタの上部電極に用いられているIrO膜の中の酸素原子がTi膜中のチタン原子と反応してTiOが生じてしまい、上部電極と導体プラグとの間のコンタクト抵抗が高くなってしまう。
これに対し、本実施形態では、コンタクトホール56、58内に敢えてTi膜を形成せずに、コンタクトホール56、58内にTiN膜60のみを形成し、TiN膜60が形成されたコンタクトホール56、58内にタングステンより成る導体プラグ62を埋め込んでいる。このため、本実施形態によれば、キャパシタ44の上部電極42に用いられているIrO膜42a中やIrO膜42b中の酸素原子がTi膜中のTi原子と反応してTiOが生じてしまうのを防止することができる。このため、本実施形態によれば、上部電極42と導体プラグ62との間のコンタクト抵抗が高くなってしまうのを防止することができ、電気的特性の良好な半導体装置を提供することができる。
なお、Ti膜は、導体プラグ62の下地に対する密着性を確保するためのものであるため、導体プラグ62の下地に対する密着性がTi膜を形成することなく確保できる場合には、Ti膜を敢えて形成する必要はない。本実施形態では、導体プラグ62の下地がタングステンより成る導体プラグ32であるため、コンタクトホール56、58内にTi膜を形成しなくても、導体プラグ62の下地に対する密着性を確保することが可能である。このため、本実施形態では、コンタクトホール56、58内にTi膜を形成しなくても、特段の問題は生じない。
また、本実施形態による半導体装置は、配線64がキャパシタ44の上部電極42や下部電極38に直接接続されておらず、配線64が導体プラグ62を介してキャパシタ44の上部電極42や下部電極38に電気的に接続されていることにも主な特徴の一つがある。
配線をキャパシタの上部電極や下部電極に直接接続した場合には、配線の材料として用いられているAlと、キャパシタの上部電極や下部電極の材料として用いられているPtとが反応して、反応生成物が生じてしまう虞がある。AlとPtとが反応して体積の大きい反応生成物が生じると、層間絶縁膜等に亀裂が生じる場合があり、半導体装置の信頼性が低下する要因となる。
本実施形態では、配線64が導体プラグ62を介してキャパシタ44の上部電極42や下部電極38に接続されているため、配線64の材料として用いられているAlと、キャパシタ44の上部電極42や下部電極38の材料として用いられているPtとが、反応して反応生成物が生じてしまうことはない。従って、本実施形態によれば、AlとPtとの反応生成物が生じて層間絶縁膜50等に亀裂が生じるのを防止することができ、半導体装置の信頼性が低下するのを防止することができる。
また、本実施形態による半導体装置は、導体プラグ32が埋め込まれた層間絶縁膜26上に、導体プラグ32の表面が酸化されるのを防止するための酸化防止膜34が形成されていることにも、主な特徴の一つがある。
本実施形態によれば、層間絶縁膜26上に酸化防止膜34が形成されているため、シリコン酸化膜36等を形成する際に導体プラグ32の表面が酸化されるのを防止することができ、導体プラグ62と導体プラグ32との間のコンタクト抵抗を低く抑えることができる。
また、本実施形態による半導体装置は、水素拡散防止膜52上に絶縁膜54が形成されており、絶縁膜54上に配線64が形成されていることにも主な特徴の一つがある。
本実施形態によれば、水素拡散防止膜52上に絶縁膜54が形成されているため、水素拡散防止膜52が劣化するのを防止することができ、水素拡散防止膜52において十分な水素拡散防止機能を得ることができる。また、本実施形態によれば、水素拡散防止膜52上に絶縁膜54を形成されているため、配線64をパターニングする際に水素拡散防止膜52までもがエッチングされてしまうのを防止することができる。また、本実施形態によれば、水素拡散防止膜52上に絶縁膜54を介して配線64を形成しているため、配線64の信頼性を向上することもできる。
なお、特許文献1には、キャパシタ上に形成された層間絶縁膜上に酸化アルミニウム膜を形成する技術が開示されている。特許文献1では、層間絶縁膜の表面が平坦化されていないため、酸化アルミニウム膜は平坦になっていない。このため、引用文献1の酸化アルミニウム膜の被覆性はあまり良好ではない。従って、引用文献1では、酸化アルミニウム膜を形成した後に行われるプラズマCVD法によるSiN膜の成膜の際に、水素がキャパシタの誘電体膜に達してしまい、キャパシタの誘電体膜が水素により還元されてしまう。従って、引用文献1に記載された技術では、高い信頼性を有する半導体装置を高い歩留りで製造することは困難である。
また、特許文献2には、キャパシタを覆うように有機膜を形成し、その有機膜上に酸化アルミニウム膜を形成する技術が開示されている。特許文献2では、キャパシタを覆う有機膜に大量の水分が含まれており、しかも、有機膜中の水分を除去する処理も行っていないため、キャパシタの誘電体膜が水素や水分により劣化してしまう。しかも、特許文献2では、Alより成る配線がキャパシタの上部電極や下部電極に直接接続されているため、配線の材料として用いられているAlと、キャパシタの上部電極や下部電極の材料として用いられているPtとが反応して反応生成物が生じてしまう。このように、特許文献2に記載されている技術は、本願発明とは明らかに異なるものである。
(評価結果)
次に、本実施形態による半導体装置の評価結果について説明する。
まず、表面が平坦な下地上に水素拡散防止膜を形成した場合と表面に凹凸が存在する下地上に水素拡散防止膜を形成した場合との比較結果を図2を用いて説明する。図2は、昇温離脱分析法(Thermal Desorption Spectroscopy、TDS)による水素拡散防止膜の評
価結果を示すグラフである。図2において、横軸は基板温度を示しており、縦軸は試料から脱離したガスの量を示している。
図2(a)は、表面が平坦な下地上に水素拡散防止膜を形成した場合を示している。試料としては、シリコン基板上に、水素(H)や水分(HO)を多く含んだシリコン酸化膜をプラズマTEOSCVD法により形成し、この後、熱処理を行うことなく全面に酸化アルミニウム膜を形成したものを用いた。図2(a)において、○印は、酸化アルミニウム膜を形成しない場合を示している。△印は、酸化アルミニウム膜の膜厚が10nmの場合を示している。□印は、酸化アルミニウム膜の膜厚が30nmの場合を示している。◇印は、酸化アルミニウム膜の膜厚が50nmの場合を示している。
図2(b)は、表面に凹凸が存在している下地上に水素拡散防止膜を形成した場合を示している。試料としては、シリコン基板上に、水素や水分を多く含んだシリコン酸化膜をプラズマTEOSCVD法により形成し、そのシリコン酸化膜をキャパシタに近似した形状にパターニングし、この後、熱処理を行うことなく全面に酸化アルミニウム膜を形成したものを用いた。図2(b)において○印は、酸化アルミニウム膜を形成しない場合を示している。△印は、酸化アルミニウム膜の膜厚が20nmの場合を示している。□印は、酸化アルミニウム膜の膜厚が50nmの場合を示している。◇印は、酸化アルミニウム膜の膜厚が100nmの場合を示している。
図2(b)から分かるように、表面に凹凸が存在する下地上に水素拡散防止膜を形成した場合における脱離ガスの量は、水素拡散防止膜を形成しない場合における脱離ガスの量とあまり差がない。このことから、表面に凹凸が存在する下地上に水素拡散防止膜を形成した場合には、水素や水分が拡散するのを水素拡散防止膜により殆ど防止し得ないことがわかる。
これに対し、図2(a)から分かるように、表面が平坦な下地上に水素拡散防止膜を形成した場合における脱離ガスの量は、水素拡散防止膜を形成しない場合における脱離ガスの量に比べて著しく少なくなっている。このことから、本実施形態の場合、即ち、表面が平坦な下地上に水素拡散防止膜を形成した場合には、水素や水分が拡散するのを水素拡散防止膜により確実に防止し得ることが分かる。
しかも、図2(a)から分かるように、水素拡散防止膜の膜厚が比較的薄い場合における脱離ガスの量と、水素拡散防止膜の膜厚が比較的厚い場合における脱離ガスの量とで、ほとんど差がない。このことから、本実施形態の場合、即ち、表面が平坦な下地上に水素拡散防止膜を形成した場合には、水素拡散防止膜が比較的薄い場合であっても水素や水分が拡散するのを確実に防止し得ることが分かる。
次に、水素イオンによるキャパシタの劣化の評価結果について図3を用いて説明する。図3は、キャパシタのスイッチングチャージ量QSWの変化を示すグラフである。
図3において◇印及び◆印は、本実施形態の場合、即ち、キャパシタ上に平坦な水素拡散防止膜が形成されている場合を示している。○印及び●印は、キャパシタ上に平坦な水素拡散防止膜が形成されていない場合を示している。水素イオンに対する耐性の評価は、NHガスを用いて発生させたプラズマ雰囲気に試料を暴露し、キャパシタのスイッチングチャージ量QSWの変化を測定することにより行った。
図3において、横軸は水素イオンを含むプラズマ雰囲気に試料を暴露した時間を示しており、縦軸はスイッチングチャージ量QSWを示している。○印及び◇印は、キャパシタに印加する電圧が3Vの場合を示している。●印及び◆印は、キャパシタに印加する電圧が1.5Vの場合を示している。
○印及び●印を用いて示すように、キャパシタ上に平坦な水素拡散防止膜が形成されていない場合には、水素イオンを含むプラズマ雰囲気に暴露する時間が10分を超えると、スイッチングチャージ量QSWが急激に減少してしまう。
これに対し、◇印及び◆印を用いて示すように、本実施形態の場合、即ち、キャパシタ上に平坦な水素拡散防止膜が形成されている場合には、水素イオンを含むプラズマ雰囲気に長時間暴露しても、スイッチング電荷量QSWは殆ど減少しない。
これらのことから、本実施形態によれば、キャパシタ上に平坦な水素拡散防止膜を形成することにより、水素イオンによるキャパシタの劣化を確実に防止し得ることが分かる。
次に、キャパシタの下部電極のコンタクト抵抗の評価結果について図4を用いて説明する。図4は、下部電極のコンタクト抵抗のばらつきを示すグラフである。
図4(a)は、本実施形態の場合、即ち、タングステンより成る導体プラグを介して配線を下部電極に電気的に接続した場合を示している。図4(b)は、アルミニウムより成る配線を下部電極に直接接続した場合を示している。図4において、横軸は配線と下部電極との間のコンタクト抵抗を示しており、縦軸は累積確率を示している。□印は熱処理前におけるコンタクト抵抗を示しており、●印は熱処理後におけるコンタクト抵抗を示している。なお、熱処理としては、N雰囲気にて、420℃、30分の熱処理を行った。
図4(b)から分かるように、アルミニウムより成る配線を下部電極に直接接続した場合には、コンタクト抵抗のばらつきが大きい。しかも、熱処理の前後で、コンタクト抵抗のバラツキが著しく拡大している。
これに対し、図4(a)から分かるように、本実施形態の場合、即ち、タングステンより成る導体プラグを介して配線を下部電極に電気的に接続した場合には、コンタクト抵抗のばらつきは極めて小さい。しかも、熱処理の前後でコンタクト抵抗のバラツキは殆ど変化していない。
これらのことから、本実施形態によれば、導体プラグを介して配線をキャパシタの下部電極や上部電極に接続することにより、コンタクトの信頼性を十分に確保し得ることが分かる。
次に、ソース/ドレイン拡散層に対するコンタクトの信頼性の評価結果について説明する。
層間絶縁膜26に導体プラグ32を予め埋め込んでおくことなく、ソース/ドレイン拡散層22に達するコンタクトホールを形成し、そのコンタクトホール内に導体プラグ62を形成した場合には、導体プラグ62とソース/ドレイン拡散層22とのコンタクト抵抗は著しくばらついていた。この場合には、導体プラグ62とソース/ドレイン拡散層22とが電気的に接続されていない状態、即ち、オープン状態になってしまう場合もあった。
これに対し、本実施形態の場合、即ち、層間絶縁膜26に導体プラグ32を予め埋め込んでおき、導体プラグ32に達するコンタクトホール58を形成し、コンタクトホール58内に導体プラグ62を形成した場合には、導体プラグ62とソース/ドレイン拡散層22との間における電気抵抗のばらつきは極めて小さかった。
これらのことから、本実施形態によれば、ソース/ドレイン拡散層22に接続された導体プラグ32を予め形成しておくことにより、酸化アルミニウム膜52を貫くコンタクトホール58を形成する場合であっても、ソース/ドレイン拡散層22に対するコンタクトの信頼性を十分に確保し得ることが分かる。
次に、水素拡散防止膜を形成する位置についての評価結果を説明する。
キャパシタ44と第1金属配線層64との間に平坦な水素拡散防止膜52を形成せず、層間絶縁膜70、84中の水分を除去するための熱処理も行わずに、層間絶縁膜84上に水素拡散防止膜を形成した場合には、キャパシタの1セル当たりのスイッチングチャージ量QSWは約100fC/cellと非常に小さくなっていた。スイッチングチャージ量QSWがこのように非常に小さくなってしまうのは、以下のような理由によるものと考えられる。第1に、キャパシタ44と第1金属配線層64との間に平坦な水素拡散防止膜52が形成されていないため、水素や水分がキャパシタ44の誘電体膜40に達するのを水素拡散防止膜により防止し得ないためと考えられる。第2に、層間絶縁膜70、84中の水分を除去するための熱処理を行うことなく、層間絶縁膜84上に水素拡散防止膜を形成したため、水素拡散防止膜により閉じ込められた水素や水分がキャパシタ44の誘電体膜40に大量に達したためと考えられる。
これに対し、本実施形態の場合、即ち、第1金属配線層64の下に平坦な水素拡散防止膜52を形成した場合には、キャパシタの1セル当たりのスイッチングチャージ量QSWは、約450fC/cellと比較的大きかった。
これらのことから、本実施形態によれば、キャパシタ44と第1金属配線層52との間に平坦な水素拡散防止膜52を形成することにより、水素や水分がキャパシタ44の誘電体膜40に達するのを確実に防止し得ることが分かる。また、本実施形態によれば、層間絶縁膜70、84中の水素や水分を除去するための熱処理を適宜行うため、層間絶縁膜70、84中から水素や水分を確実に除去することができる。従って、本実施形態によれば、水素や水分がキャパシタ44の誘電体膜40に達するのを確実に防止することができ、信頼性の高い半導体装置を高い製造歩留りで提供することができる。
(半導体装置の製造方法)
次に、本実施形態による半導体装置の製造方法を図5乃至図22を用いて説明する。図5乃至図21は、本実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。
まず、図5(a)に示すように、例えばシリコンより成る半導体基板10に、LOCOS(LOCal Oxidation of Silicon)法により、素子領域を画定する素子分離領域12を形成する。
次に、イオン注入法により、ドーパント不純物を導入することにより、ウェル14a、14bを形成する。
次に、例えば熱酸化法により、素子領域上に膜厚9nmのゲート絶縁膜16を形成する。
次に、例えばCVD法により、膜厚120nmのポリシリコン膜18を形成する。ポリシリコン膜18は、ゲート電極等となるものである。
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、ポリシリコン膜18をパターニングする。こうして、図5(b)に示すように、ポリシリコン膜より成るゲート電極(ゲート配線)18が形成される。
次に、ゲート電極18をマスクとし、イオン注入法により、ゲート電極18の両側の半導体基板10内にドーパント不純物を導入する。これにより、エクステンションソース/ドレインの浅い領域を構成するエクステンション領域(図示せず)が形成される。
次に、全面に、例えばCVD法により、膜厚150nmのシリコン酸化膜20を形成する。
次に、シリコン酸化膜20を異方性エッチングする。こうして、ゲート電極18の側壁部分に、シリコン酸化膜より成るサイドウォール絶縁膜20が形成される。
次に、サイドウォール絶縁膜20が形成されたゲート電極18をマスクとし、イオン注入法により、ゲート電極18の両側の半導体基板10内にドーパント不純物を導入する。これにより、エクステンションソース/ドレインの深い領域を構成する不純物拡散層(図示せず)が形成される。エクステンション領域と深い不純物拡散層とによりソース/ドレイン拡散層22が構成される。
こうして、図6(a)に示すように、ゲート電極18とソース/ドレイン拡散層22とを有するトランジスタ24が形成される。
次に、全面に、例えば膜厚200nmのSiON膜(シリコン窒化酸化膜)と膜厚1000nmのシリコン酸化膜とを順次積層する。SiON膜とシリコン酸化膜とにより層間絶縁膜26が構成される。
次に、例えばCMP法により、層間絶縁膜26の表面を平坦化する(図6(b)参照)。
次に、図7(a)に示すように、フォトリソグラフィ技術を用い、層間絶縁膜26に、ソース/ドレイン拡散層22に達するコンタクトホール28aと、ゲート電極(ゲート配線)18に達するコンタクトホール28bとを形成する。
次に、全面に、例えばスパッタ法により、膜厚20〜60nmのTi膜を形成する。
次に、全面に、例えばスパッタ法又はCVD法により、膜厚30〜50nmのTiN膜を形成する。Ti膜とTiN膜とによりバリアメタル膜30が構成される。
次に、全面に、例えばCVD法により、膜厚500nmのタングステン膜32を形成する。
次に、例えばCMP法により、層間絶縁膜26の表面が露出するまで、タングステン膜32及びバリアメタル膜30を研磨する。こうして、コンタクトホール28a、28b内に、タングステンより成る導体プラグ32が埋め込まれる(図7(b)参照)。
次に、図8(a)に示すように、全面に、例えばプラズマCVD法により、膜厚100nmの酸化防止膜34を形成する。酸化防止膜34としては、例えばSiON膜やシリコン窒化膜を形成する。
次に、全面に、例えばプラズマTEOSCVD法により、膜厚130nmのシリコン酸化膜36を形成する。
次に、窒素(N)雰囲気にて、熱処理を行う。熱処理温度は例えば650℃とし、熱処理時間は例えば30分とする。
次に、図8(b)に示すように、全面に、例えばスパッタ法又はCVD法により、膜厚20〜100nmの酸化アルミニウム膜38aを形成する。
次に、全面に、例えばスパッタ法により、膜厚100〜300nmのPt膜38bを形成する。ここでは、Pt膜38bの膜厚を例えば175nmとする。こうして、酸化アルミニウム膜38aとPt膜38bとから成る積層膜38が形成される。積層膜38は、キャパシタ44の下部電極となるものである。
次に、全面に、例えばスパッタ法により、誘電体膜40を形成する。誘電体膜40としては、例えば強誘電体膜を形成する。より具体的には、例えば膜厚150nmのPZT膜を形成する。
なお、ここでは、誘電体膜40を構成する強誘電体膜をスパッタ法により形成する場合を例に説明したが、強誘電体膜の形成方法はスパッタ法に限定されるものではない。例えば、ゾル・ゲル法、MOD(Metal Organic Deposition)法、MOCVD法等により強誘電体膜を形成してもよい。
次に、例えばRTA(Rapid Thermal Annealing)法により、酸素雰囲気中にて熱処理を行う。熱処理温度は例えば650〜800℃とし、熱処理時間は例えば30〜120秒とする。ここでは、熱処理温度を750℃とし、熱処理時間を60秒とする。
次に、例えばスパッタ法又はMOCVD法により、膜厚10〜100nmのIrO膜42aを形成する。ここでは、IrO膜42aの膜厚を50nmとする。
次に、例えばスパッタ法又はMOCVD法により、膜厚100〜300nmのIrO膜42bを形成する。この際、IrO膜42bの酸素の組成比Yが、IrO膜42aの酸素の組成比Xより高くなるように、IrO膜42bを形成する。
次に、例えばスパッタ法又はMOCVD法により、膜厚20〜100nmのPt膜42cを形成する。ここでは、Pt膜42cの膜厚を75nmとする。Pt膜42cの成膜温度は、例えば450℃とする。こうして、IrO膜42aとIrO膜42bとPt膜42cとから成る積層膜42が形成される。積層膜42は、キャパシタ44の上部電極となるものである。
なお、Pt膜42cは、上部電極42の表面が還元されるのを防止し、導体プラグ62と上部電極42との間のコンタクト抵抗を低減するためのものである。導体プラグ62と上部電極42との間のコンタクト抵抗をあまり低減する必要がない場合には、Pt膜42cを形成しなくてもよい。
次に、全面に、スピンコート法により、フォトレジスト膜100を形成する。
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、フォトレジスト膜100をキャパシタ44の上部電極42の平面形状にパターニングする。
次に、フォトレジスト膜100をマスクとして、積層膜42をエッチングする。エッチングガスとしては、ArガスとClガスとを用いる。こうして、積層膜より成る上部電極42が形成される(図9(a)参照)。この後、フォトレジスト膜100を剥離する。
次に、RTA法により、酸素雰囲気中にて、例えば650℃以上、1〜3分の熱処理を行う。この熱処理は、上部電極42の表面に異常が生ずるのを防止するためのものである。
次に、酸素雰囲気中にて、例えば650℃、60分の熱処理を行う。この熱処理は、誘電体膜40の膜質を向上するためのものである。
次に、全面に、スピンコート法により、フォトレジスト膜102を形成する。
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、フォトレジスト膜102をキャパシタ44の誘電体膜40の平面形状にパターニングする。
次に、フォトレジスト膜102をマスクとして、誘電体膜40をエッチングする(図9(b)参照)。この後、フォトレジスト膜102を剥離する。
次に、酸素雰囲気にて、例えば350℃、60分の熱処理を行う。
次に、図10(a)に示すように、例えばスパッタ法又はCVD法により、水素拡散防止膜46を形成する。水素拡散防止膜46としては、膜厚20〜150nmの酸化アルミニウム膜を形成する。水素拡散防止膜46を形成する際には、水素拡散防止膜46における膜応力が5×10dyn/cm以下となるような条件で、水素拡散防止膜46を形成することが望ましい。水素拡散防止膜46における膜応力がこのように比較的小さくなるような条件で水素拡散防止膜46を形成するのは、上述したように、キャパシタ44のスイッチングチャージ量QSWが小さくなってしまうのを防止するためである。
図22は、水素拡散防止膜における膜応力を示すグラフである。比較例1は、成膜温度を室温とし、Arガスの流量を12sccmとした場合を示している。比較例2は、成膜温度を室温とし、Arガスの流量を20sccmとした場合を示している。比較例3は、成膜温度を室温とし、Arガスの流量を30sccmとした場合を示している。比較例4は、成膜温度を350℃とし、Arガスの流量を30sccmとした場合を示している。比較例5は、成膜温度を350℃とし、Arガスの流量を50sccmとした場合を示している。実施例1は、成膜温度を350℃とし、Arガスの流量を70sccmとした場合を示している。
図22から分かるように、水素拡散防止膜を形成する際における成膜温度を比較的高めに設定し、Arガスの流量を比較的大きめに設定すると、水素拡散防止膜における膜応力が比較的小さくなる傾向がある。例えば、成膜温度を350℃以上とし、Ar流量を70sccm以上とすれば、水素拡散防止膜に生じる応力を5×10dyn/cm以下とすることが可能である。ここでは、成膜温度を例えば400℃とし、Ar流量を例えば100sccmとし、成膜時間を例えば40〜50秒とする。
なお、MOCVD法を用いればステップカバレージの良好な水素拡散防止膜46を形成することは可能であるが、MOCVD法を用いて水素拡散防止膜46を形成した場合には、水素によるダメージが誘電体膜40に加わってしまう。従って、水素拡散防止膜46を形成する際にMOCVD法を用いるのは好ましくない。
次に、全面に、スピンコート法により、フォトレジスト膜104を形成する。
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、フォトレジスト膜104をキャパシタ44の下部電極38の平面形状にパターニングする。
次に、フォトレジスト膜104をマスクとして、水素拡散防止膜46及び積層膜38をエッチングする(図10(b)参照)。こうして、積層膜より成る下部電極38が形成される。また、水素拡散防止膜46が、上部電極42及び誘電体膜40を覆うように残存する。この後、フォトレジスト膜104を剥離する。
次に、酸素雰囲気にて、例えば350℃、30〜60分の熱処理を行う。
次に、図11(a)に示すように、全面に、例えばスパッタ法又はCVD法により、水素拡散防止膜48を形成する。水素拡散防止膜48としては、膜厚20〜50nmの酸化アルミニウム膜を形成する。水素拡散防止膜48を形成する際には、水素拡散防止膜48に生じる応力が5×10dyn/cm以下となるような条件で、水素拡散防止膜48を形成することが望ましい。水素拡散防止膜48における膜応力がこのように比較的小さくなるような条件で水素拡散防止膜48を形成するのは、上述したように、キャパシタ44のスイッチングチャージ量QSWが小さくなってしまうのを防止するためである。
こうして、水素拡散防止膜46により覆われたキャパシタ44を更に覆うように水素拡散防止膜48が形成される。
次に、図11(b)に示すように、全面に、プラズマTEOSCVD法により、例えば膜厚1500nmのシリコン酸化膜より成る層間絶縁膜50を形成する。層間絶縁膜50としてシリコン酸化膜を形成する場合には、原料ガスとして、例えば、TEOSガスと酸素ガスとヘリウムガスとの混合ガスを用いる。
なお、ここでは、層間絶縁膜50としてシリコン酸化膜を形成する場合を例に説明したが、層間絶縁膜50はシリコン酸化膜に限定されるものではない。例えば、絶縁性を有する無機膜を層間絶縁膜50として用いることができる。
次に、図12(a)に示すように、例えばCMP法により、層間絶縁膜50の表面を平坦化する。
次に、NOガス等を用いて発生させたプラズマ雰囲気にて、熱処理を行う。この熱処理は、層間絶縁膜50中の水分を除去するとともに、層間絶縁膜50の膜質を変化させ、層間絶縁膜50中に水分が入りにくくするためのものである。熱処理を行う際の基板温度は、例えば350℃とする。NOガスの流量は、例えば1000sccmとする。Nガスの流量は、例えば285sccmとする。対向電極のギャップは、例えば300milsとする。印加する高周波電力は、例えば525Wとする。チャンバ内の気圧は、例えば3Torrとする。
なお、ここでは、NOガス等を用いて発生させたプラズマ雰囲気にて、熱処理を行う場合を例に説明したが、熱処理を行った後に、NOガス等を用いて発生させたプラズマ雰囲気に層間絶縁膜50を暴露してもよい。熱処理の際には、層間絶縁膜50中に存在する水分が除去される。NOガス等を用いて発生させたプラズマ雰囲気に層間絶縁膜50を暴露すると、層間絶縁膜50の膜質が変化し、層間絶縁膜50中に水分が入り込みにくくなる。
次に、図12(b)に示すように、例えばスパッタ法又はCVD法により、水素拡散防止膜52を形成する。水素拡散防止膜52としては、膜厚50〜100nmの酸化アルミニウム膜を形成する。水素拡散防止膜52を形成する際には、水素拡散防止膜52に生じる応力が5×10dyn/cm以下となるような条件で、水素拡散防止膜52を形成することが望ましい。水素拡散防止膜52における膜応力がこのように比較的小さくなるような条件で水素拡散防止膜52を形成するのは、上述したように、キャパシタ44のスイッチングチャージ量QSWが小さくなってしまうのを防止するためである。平坦化された層間絶縁膜50上に水素拡散防止膜52を形成するため、水素拡散防止膜52は平坦となる。
次に、プラズマTEOSCVD法により、絶縁膜54を形成する。絶縁膜54としては、例えば膜厚200〜300nmのシリコン酸化膜を形成する。
なお、ここでは、絶縁膜54としてシリコン酸化膜を形成する場合を例に説明したが、絶縁膜54はシリコン酸化膜に限定されるものではない。例えば、絶縁膜54としてSiON膜やシリコン窒化膜を形成してもよい。
次に、図13(a)に示すように、フォトリソグラフィ技術を用い、絶縁膜54、水素拡散防止膜52及び層間絶縁膜50に、キャパシタ44の上部電極42に達するコンタクトホール56と、キャパシタ44の下部電極38に達するコンタクトホール(図示せず)とを形成する。
次に、酸素雰囲気中にて熱処理を行う。この熱処理は、キャパシタ44の誘電体膜40に酸素を供給し、キャパシタ44の電気的特性を回復するためのものである。熱処理を行う際の基板温度は、例えば500〜600℃とする。熱処理時間は、例えば60分とする。
なお、ここでは酸素雰囲気中にて熱処理を行う場合を例に説明したが、オゾン雰囲気中にて熱処理を行ってもよい。オゾン雰囲気中にて熱処理を行った場合にも、キャパシタの誘電体膜40に酸素を供給することができ、キャパシタ44の電気的特性を回復することが可能である。
次に、図13(b)に示すように、フォトリソグラフィ技術を用い、絶縁膜54、水素拡散防止膜52、層間絶縁膜50、水素拡散防止膜48、シリコン酸化膜36及び酸化防止膜34に、導体プラグ32に達するコンタクトホール58を形成する。
次に、アルゴンガスを用いたプラズマ洗浄を行う。これにより、導体プラグ32表面に存在する自然酸化膜等が除去される。プラズマ洗浄の条件は、例えば熱酸化膜が10nm除去されるような条件とする。
次に、図14(a)に示すように、全面に、例えばスパッタ法により、膜厚20〜100nmのTiN膜を形成する。こうして、TiN膜より成るバリアメタル膜60が形成される。
次に、全面に、例えばCVD法により、膜厚300〜600nmのタングステン膜62を形成する。
次に、例えばCMP法により、絶縁膜54の表面が露出するまで、タングステン膜62及びバリアメタル膜60を研磨する。こうして、コンタクトホール56、58内に、タングステンより成る導体プラグ62が埋め込まれる。
次に、NOガス等を用いて発生させたプラズマ雰囲気にて、熱処理を行う。この熱処理は、タングステン膜62等をCMP法により研磨する際に層間絶縁膜54、50中に入り込んだ水分を除去するとともに、層間絶縁膜54の膜質を変化させ、層間絶縁膜54中に水分が入り込みにくくするためのものである。熱処理を行う際の基板温度は、例えば350℃とする。NOガスの流量は、例えば1000sccmとする。Nガスの流量は、例えば285sccmとする。対向電極のギャップは、例えば300milsとする。印加する高周波電力は、例えば525Wとする。チャンバ内の気圧は、例えば3Torrとする。
なお、ここでは、NOガス等を用いて発生させたプラズマ雰囲気にて、熱処理を行う場合を例に説明したが、熱処理を行った後に、NOガス等を用いて発生させたプラズマ雰囲気に層間絶縁膜54を暴露してもよい。
次に、アルゴンガスを用いたプラズマ洗浄を行う。これにより、導体プラグ62表面に存在する自然酸化膜等が除去される。プラズマ洗浄の条件は、例えば熱酸化膜が10nm除去されるような条件とする。
次に、例えばスパッタ法により、膜厚60nmのTi膜、膜厚30nmのTiN膜、膜厚360nmのAlCu合金膜、膜厚5nmのTi膜、及び、膜厚70nmのTiN膜を順次成膜する。こうして、Ti膜、TiN膜、AlCu合金膜、Ti膜及びTiN膜より成る積層膜64が形成される。
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、積層膜64をパターニングする。こうして、積層膜より成る配線(第1金属配線層)64が形成される(図14(b)参照)。
次に、図15に示すように、例えば高密度プラズマCVD(High Density Plasma enhanced Chemical Vapor Deposition)法により、膜厚750nmのシリコン酸化膜66を形成する。
次に、プラズマTEOSCVD法により、例えば膜厚1100nmのシリコン酸化膜68を形成する。原料ガスとしては、例えば、TEOSガスと酸素ガスとヘリウムガスとの混合ガスを用いる。シリコン酸化膜66とシリコン酸化膜68とにより層間絶縁膜70が構成される。
なお、ここでは、高密度プラズマCVD法によりシリコン酸化膜66を形成した後に、プラズマTEOSCVD法によりシリコン酸化膜68を形成する場合を例に説明したが、シリコン酸化膜66とシリコン酸化膜68の成膜方法はこれに限定されるものではない。例えば、シリコン酸化膜66とシリコン酸化膜68の両方を、プラズマTEOSCVD法により形成してもよい。
次に、図16に示すように、例えばCMP法により、シリコン酸化膜68の表面を平坦化する。
次に、NOガス等を用いて発生させたプラズマ雰囲気にて、熱処理を行う。この熱処理は、層間絶縁膜70中の水分を除去するとともに、層間絶縁膜70の膜質を変化させ、層間絶縁膜70中に水分が入り込みにくくするためのものである。熱処理を行う際の基板温度は、例えば350℃とする。NOガスの流量は、例えば1000sccmとする。Nガスの流量は、例えば285sccmとする。対向電極のギャップは、例えば300milsとする。印加する高周波電力は、例えば525Wとする。チャンバ内の気圧は、例えば3Torrとする。
なお、ここでは、NOガス等を用いて発生させたプラズマ雰囲気にて、熱処理を行う場合を例に説明したが、熱処理を行った後に、NOガス等を用いて発生させたプラズマ雰囲気に層間絶縁膜70を暴露してもよい。
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、層間絶縁膜70に、配線64に達するコンタクトホール74を形成する。
次に、アルゴンガスを用いたプラズマ洗浄を行う。これにより、配線64の表面に存在する自然酸化膜等が除去される。プラズマ洗浄の条件は、例えば熱酸化膜が25nm除去されるような条件とする。
次に、例えばスパッタ法により、膜厚10nmのTi膜を形成する。
次に、例えばMOCVD法により、膜厚3.5〜7mのTiN膜を形成する。Ti膜とTiN膜とによりバリアメタル膜74が構成される。
次に、例えばCVD法により、膜厚300〜600nmのタングステン膜76を形成する。
次に、例えばCMP法により、層間絶縁膜70の表面が露出するまで、タングステン膜76及びバリアメタル膜74を研磨する。こうして、コンタクトホール72内にタングステンより成る導体プラグ76が埋め込まれる(図17参照)。
次に、NOガス等を用いて発生させたプラズマ雰囲気にて、熱処理を行う。この熱処理は、タングステン膜76等をCMP法により研磨する際に層間絶縁膜70中に入り込んだ水分を除去するとともに、層間絶縁膜70の膜質を変化させ、層間絶縁膜70中に水分が入り込みにくくするためのものである。熱処理を行う際の基板温度は、例えば350℃とする。NOガスの流量は、例えば1000sccmとする。Nガスの流量は、例えば285sccmとする。対向電極のギャップは、例えば300milsとする。印加する高周波電力は、例えば525Wとする。チャンバ内の気圧は、例えば3Torrとする。
なお、ここでは、NOガス等を用いて発生させたプラズマ雰囲気にて、熱処理を行う場合を例に説明したが、熱処理を行った後に、NOガス等を用いて発生させたプラズマ雰囲気に層間絶縁膜70を暴露してもよい。
次に、例えばスパッタ法により、膜厚60nmのTi膜、膜厚30nmのTiN膜、膜厚360nmのAlCu合金膜、膜厚5nmのTi膜、及び、膜厚70nmのTiN膜を順次成膜する。こうして、Ti膜、TiN膜、AlCu合金膜、Ti膜及びTiN膜より成る積層膜78が形成される。
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、積層膜78をパターニングする。こうして、積層膜より成る配線(第2金属配線層)78が形成される(図18参照)。
次に、例えば高密度プラズマCVD法により、膜厚750nmのシリコン酸化膜80を形成する。
次に、プラズマTEOSCVD法により、膜厚1100nmのシリコン酸化膜82を形成する。シリコン酸化膜80とシリコン酸化膜82とにより層間絶縁膜84が構成される。
なお、ここでは、高密度プラズマCVD法によりシリコン酸化膜80を形成した後に、プラズマTEOSCVD法によりシリコン酸化膜82を形成する場合を例に説明したが、シリコン酸化膜80及びシリコン酸化膜82の成膜方法はこれに限定されるものではない。例えばシリコン酸化膜80とシリコン酸化膜82の両方をプラズマTEOSCVD法により形成してもよい。
次に、例えばCMP法により、シリコン酸化膜82の表面を平坦化する(図19参照)。
次に、NOガス等を用いて発生させたプラズマ雰囲気にて、熱処理を行う。この熱処理は、層間絶縁膜84中の水分を除去するとともに、層間絶縁膜84の膜質を変化させ、層間絶縁膜84中に水分が入り込みにくくするためのものである。熱処理を行う際の基板温度は、例えば350℃とする。NOガスの流量は、例えば1000sccmとする。Nガスの流量は、例えば285sccmとする。対向電極のギャップは、例えば300milsとする。印加する高周波電力は、例えば525Wとする。チャンバ内の気圧は、例えば3Torrとする。
なお、ここでは、NOガス等を用いて発生させたプラズマ雰囲気にて、熱処理を行う場合を例に説明したが、熱処理を行った後に、NOガス等を用いて発生させたプラズマ雰囲気に層間絶縁膜84を暴露してもよい。
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、層間絶縁膜84に、配線78に達するコンタクトホール86を形成する。
次に、アルゴンガスを用いたプラズマ洗浄を行う。これにより、配線78の表面に存在する自然酸化膜等が除去される。プラズマ洗浄の条件は、例えば熱酸化膜が25nm除去されるような条件とする。
次に、例えばスパッタ法により、膜厚10nmのTi膜を形成する。
次に、例えばMOCVD法により、膜厚3.5〜7mのTiN膜を形成する。Ti膜とTiN膜とによりバリアメタル膜88が構成される。
次に、例えばCVD法により、膜厚300〜600nmのタングステン膜90を形成する。
次に、例えばCMP法により、層間絶縁膜84の表面が露出するまで、タングステン膜90及びバリアメタル膜88を研磨する。こうして、コンタクトホール86内にタングステンより成る導体プラグ90が埋め込まれる。
次に、NOガス等を用いて発生させたプラズマ雰囲気にて、熱処理を行う。この熱処理は、タングステン膜90等をCMP法により研磨する際に層間絶縁膜84中に入り込んだ水分を除去するとともに、層間絶縁膜84の膜質を変化させ、層間絶縁膜84中に水分が入り込みにくくするためのものである。熱処理を行う際の基板温度は、例えば350℃とする。NOガスの流量は、例えば1000sccmとする。Nガスの流量は、例えば285sccmとする。対向電極のギャップは、例えば300milsとする。印加する高周波電力は、例えば525Wとする。チャンバ内の気圧は、例えば3Torrとする。
なお、ここでは、NOガス等を用いて発生させたプラズマ雰囲気にて、熱処理を行う場合を例に説明したが、熱処理を行った後に、NOガス等を用いて発生させたプラズマ雰囲気に層間絶縁膜84を暴露してもよい。
次に、例えばスパッタ法により、膜厚60nmのTi膜、膜厚30nmのTiN膜、膜厚360nmのAlCu合金膜、膜厚5nmのTi膜、及び、膜厚70nmのTiN膜を順次成膜する。こうして、Ti膜、TiN膜、AlCu合金膜、Ti膜及びTiN膜より成る積層膜92が形成される。
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、積層膜92をパターニングする。こうして、積層膜より成る配線(第3金属配線層)92が形成される(図20参照)。
次に、例えば高密度プラズマCVD法により、膜厚700nmのシリコン酸化膜94を形成する。
なお、ここでは、シリコン酸化膜94を高密度プラズマCVD法により形成する場合を例に説明したが、シリコン酸化膜94の形成方法は高密度プラズマCVD法に限定されるものではない。例えば、プラズマTEOSCVD法によりシリコン酸化膜94を形成してもよい。
次に、NOガス等を用いて発生させたプラズマ雰囲気にて、熱処理を行う。この熱処理は、絶縁膜94中の水分等を除去するとともに、絶縁膜94の膜質を変化させ、絶縁膜9中に水分が入り込みにくくするためのものである。熱処理を行う際の基板温度は、例えば350℃とする。NOガスの流量は、例えば1000sccmとする。Nガスの流量は、例えば285sccmとする。対向電極のギャップは、例えば300milsとする。印加する高周波電力は、例えば525Wとする。チャンバ内の気圧は、例えば3Torrとする。
なお、ここでは、NOガス等を用いて発生させたプラズマ雰囲気にて、熱処理を行う場合を例に説明したが、熱処理を行った後に、NOガス等を用いて発生させたプラズマ雰囲気に絶縁膜94を暴露してもよい。
次に、例えばCVD法により、膜厚500nmのシリコン窒化膜96を形成する。シリコン窒化膜96は、水分を遮断し、水分により配線64、78、96等が腐食するのを防止するためのものである。
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、シリコン窒化膜96及びシリコン酸化膜94に、電極パッド(図示せず)に達する開口部(図示せず)を形成する。
次に、例えばスピンコート法により、例えば膜厚2〜10μmのポリイミド膜98を形成する。
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、ポリイミド膜79に、電極パッド(図示せず)に達する開口部(図示せず)を形成する。
こうして、本実施形態による半導体装置が製造される。
(変形例(その1))
次に、本実施形態による半導体装置の変形例(その1)を図23を用いて説明する。図23は、本変形例による半導体装置を示す断面図である。
本変形例による半導体装置は、積層膜より成る水素拡散防止膜107が形成されていることに主な特徴がある。
図23に示すように、層間絶縁膜50上には、水素拡散防止膜52が形成されている。水素拡散防止膜52としては、例えば膜厚50nmの酸化アルミニウム膜が形成されている。
水素拡散防止膜52上には、他の水素拡散防止膜106が形成されている。水素拡散防止膜106としては、例えば膜厚50〜100nmのシリコン窒化膜が形成されている。こうして、水素拡散防止膜52と水素拡散防止膜106との積層膜より成る積層構造の水素拡散防止膜107が構成されている。
水素拡散防止膜106上には、絶縁膜54が形成されている。
このように、積層膜より成る水素拡散防止膜107を形成するようにしてもよい。本変形例によれば、水素拡散防止膜が積層膜107により構成されているため、水素や水分がキャパシタ44の誘電体膜40に達するのをより確実に防止することができる。従って、本変形例によれば、キャパシタ44を有する半導体装置をより高い歩留りで提供することが可能となる。
なお、ここでは、水素拡散防止膜52上に他の水素拡散防止膜106を積層する場合を例に説明したが、水素拡散防止膜52の下に水素拡散防止膜106を形成するようにしてもよい。水素拡散防止膜52の下に水素拡散防止膜106を形成することにより積層構造の水素拡散防止膜107を構成した場合にも、図23に示す半導体装置と同様に、水素や水分がキャパシタ44の誘電体膜40に達するのを確実に防止することができる。
(変形例(その2))
次に、本実施形態による半導体装置の変形例(その2)を図24を用いて説明する。図24は、本変形例による半導体装置を示す断面図である。
本変形例による半導体装置は、層間絶縁膜70と第2金属配線層78との間に水素拡散防止膜108が更に形成されていること、また、層間絶縁膜84と第3金属配線層92との間に水素拡散防止膜112が更に形成されていることに主な特徴がある。
図24に示すように、平坦化された層間絶縁膜70上には、水素拡散防止膜108が形成されている。水素拡散防止膜108としては、例えば膜厚50nmの酸化アルミニウム膜が用いられている。表面が平坦化された層間絶縁膜70上に水素拡散防止膜108が形成されているため、水素拡散防止膜108は平坦になっている。
水素拡散防止膜108上には、絶縁膜110が形成されている。絶縁膜110としては、例えば膜厚100nmのシリコン酸化膜が形成されている。
配線78は、絶縁膜110上に形成されている。
平坦化された層間絶縁膜84上には、水素拡散防止膜112が形成されている。水素拡散防止膜112としては、例えば膜厚50nmの酸化アルミニウム膜が用いられている。表面が平坦化された層間絶縁膜84上に水素拡散防止膜112が形成されているため、水素拡散防止膜112は平坦になっている。
水素拡散防止膜112上には、絶縁膜114が形成されている。絶縁膜114としては、例えば膜厚100nmのシリコン酸化膜が形成されている。
配線92は、絶縁膜114上に形成されている。
こうして本実施形態による半導体装置が構成されている。
本変形例によれば、層間絶縁膜50と第1金属配線層64との間のみならず、層間絶縁膜70と第2金属配線層78との間、及び、層間絶縁膜84と第3金属配線層92との間にも、水素拡散防止膜108、112がそれぞれ形成されているため、水素や水分がキャパシタ44の誘電体膜40に達するのをより確実に防止することができる。従って、本変形例によれば、キャパシタ44を有する半導体装置をより高い歩留りで提供することが可能となる。
(変形例(その3))
次に、本実施形態による半導体装置の変形例(その3)を図25を用いて説明する。図25は、本変形例による半導体装置を示す断面図である。
本変形例による半導体装置は、最上層の配線92を覆う層間絶縁膜118の表面までもが平坦化されており、平坦化された層間絶縁膜118上に更に水素拡散防止膜120が形成されていることに主な特徴がある。
図25に示すように、最上層の配線92を覆うように形成されたシリコン酸化膜94上には、シリコン酸化膜116が形成されている。シリコン酸化膜94とシリコン酸化膜116とにより層間絶縁膜118が構成されている。層間絶縁膜118の表面は平坦化されている。
平坦化された層間絶縁膜118上には、水素拡散防止膜120が形成されている。水素拡散防止膜120としては、例えば膜厚50nmの酸化アルミニウム膜が形成されている。平坦化された層間絶縁膜118上に水素拡散防止膜120が形成されているため、水素拡散防止膜120は平坦になっている。
水素拡散防止膜120上には、絶縁膜122が形成されている。絶縁膜122としては、例えば膜厚100nmのシリコン酸化膜が形成されている。
絶縁膜122上には、シリコン窒化膜96が形成されている。
シリコン窒化膜96上には、ポリイミド膜98が形成されている。
こうして本変形例による半導体装置が構成されている。
本変形例によれば、最上層の配線92を覆う層間絶縁膜118上にも、平坦な水素拡散防止膜120が形成されているため、水素や水分がキャパシタ44の誘電体膜40に達するのをより確実に防止することができる。従って、本変形例によれば、キャパシタ44を有する半導体装置を更に高い歩留りで提供することが可能となる。
[第2実施形態]
上述したように、水素及び水分の拡散を防止するバリア膜(水素拡散防止膜)52をキャパシタの上方に平坦に形成すれば、水素や水分がキャパシタ44に達するのをバリア膜52により確実に防止することが可能となる。
しかし、かかるバリア膜52を単に形成した場合には、キャパシタ44のスイッチングチャージ量QSWが低下してしまう場合がある。キャパシタ44のスイッチングチャージ量QSWが低下してしまうのは、バリア膜52を形成することにより生じる大きなストレスがキャパシタ44に加わり、キャパシタ44の強誘電体膜40における分極が阻害されるためと考えられる。
本願発明者らは鋭意検討した結果、水素及び水分の拡散を防止する機能を有する水素・水分拡散防止膜と、水素・水分拡散防止膜によるストレスを緩和するストレス緩和膜とを積層して、バリア膜を構成することに想到した。水素及び水分の拡散を防止する水素・水分拡散防止膜と、水素・水分拡散防止膜によるストレスを緩和するストレス緩和膜とを積層すれば、バリア膜によるストレスを小さくすることができ、キャパシタに大きなストレスが加わるのを防止することが可能となる。そうすると、キャパシタの誘電体膜における分極が阻害されにくくなり、スイッチングチャージ量QSWの低下を防止することが可能となる。従って、本願発明によれば、キャパシタのスイッチングチャージ量QSWの低下を防止しつつ、高い信頼性を有する半導体装置を提供することが可能となる。
本発明の第2実施形態による半導体装置及びその製造方法を図26乃至図28を用いて説明する。図26は、本実施形態による半導体装置を示す断面図である。図1乃至図25に示す第1実施形態による半導体装置及びその製造方法と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明を省略または簡潔にする。
(半導体装置)
まず、本実施形態による半導体装置について図26を用いて説明する。
図26に示すように、平坦化された層間絶縁膜50上には、水分及び水素の拡散を防止する水素・水分拡散防止膜52が形成されている。水素・水分拡散防止膜52としては、例えば、金属酸化物より成る水素・水分拡散防止膜を用いる。金属酸化物より成る水素・水分拡散防止膜52としては、例えば酸化アルミニウム膜を用いる。水素・水分拡散防止膜52の膜厚は、例えば20nm〜30nm程度とする。水素・水分拡散防止膜52の膜厚をこのように比較的薄く設定しているのは、水素・水分拡散防止膜52によるストレスを小さくするためである。
なお、ここでは、水素・水分拡散防止膜52として酸化アルミニウム膜を用いる場合を例に説明したが、水素・水分拡散防止膜52は酸化アルミニウム膜に限定されるものではない。例えば、他の金属酸化物を水素・水分拡散防止膜52の材料として用いることができる。例えば、水素・水分拡散防止膜として、酸化チタン膜等を用いてもよい。
水素・水分拡散防止膜52上には、ストレス緩和膜124が形成されている。ストレス緩和膜124は、水素・水分拡散防止膜52、126によるストレスを緩和するためのものである。例えば、水素・水分拡散防止膜52、126の熱膨張係数が層間絶縁膜50等の熱膨張係数より大きい場合には、層間絶縁膜50の熱膨張係数より小さい材料をストレス緩和膜124の材料として用いる。また、水素拡散防止膜52、126の熱膨張係数が層間絶縁膜50の熱膨張係数より小さい場合には、層間絶縁膜50等の熱膨張係数より大きい材料をストレス緩和膜124の材料として用いる。水素拡散防止膜52、126とストレス緩和膜124とを適宜組み合わせることにより、層間絶縁膜50等とバリア膜128との間の熱膨張係数の差が小さくなり、バリア膜128によるストレスを小さくすることができる。
水素・水分拡散防止膜52、126の材料として酸化アルミニウム膜を用いる場合には、ストレス緩和膜124として例えばシリコン窒化酸化膜を用いることができる。シリコン窒化酸化膜は、ストレス緩和膜として機能するのみならず、水分の拡散を防止する水分拡散防止膜としても機能し得る。ストレス緩和膜124の膜厚は、例えば50〜100nm程度とする。
なお、ここでは、ストレス緩和膜124としてシリコン窒化酸化膜を用いる場合を例に説明したが、ストレス緩和膜124は、シリコン窒化酸化膜に限定されるものではない。例えば、ストレス緩和膜124としてシリコン窒化膜を用いてもよい。シリコン窒化膜は、シリコン窒化酸化膜と同様に、水分の拡散を防止する水分拡散防止膜としても機能し得る。
ストレス緩和膜124上には、水素及び水分の拡散を防止する水素・水分拡散防止膜126が形成されている。水素・水分拡散防止膜126としては、水素・水分拡散防止膜52と同様に、金属酸化膜が用いられている。金属酸化膜としては、上記と同様に、例えば酸化アルミニウム膜が用いられている。水素・水分拡散防止膜126の膜厚は、例えば20〜30nm程度とする。水素・水分拡散防止膜126の膜厚をこのように比較的薄く設定しているのは、水素・水分拡散防止膜126によるストレスを小さくするためである。水素・水分拡散防止膜52の上方に水素・水分拡散防止膜126を更に形成しているのは、水素及び水分の拡散を防止する水素・水分拡散防止膜の総膜厚を十分に確保するためである。
なお、ここでは、水素・水分拡散防止膜126として酸化アルミニウム膜を用いる場合を例に説明したが、水素・水分拡散防止膜126は酸化アルミニウム膜に限定されるものではない。例えば、他の金属酸化物を水素・水分拡散防止膜126の材料として用いることができる。例えば、水素・水分拡散防止膜126として、酸化チタン膜を用いてもよい。
水素・水分拡散防止膜52とストレス緩和膜124と水素・水分拡散防止膜126とにより、バリア膜128が構成されている。表面が平坦化された層間絶縁膜50上にバリア膜128が形成されているため、バリア膜128は平坦になっている。
バリア膜128上には、シリコン酸化膜54が形成されている。シリコン酸化膜54の膜厚は、例えば50〜100nm程度とする。
こうして本実施形態による半導体装置が構成されている。
(評価結果)
本実施形態による半導体装置の評価結果について説明する。
まず、キャパシタの1セル当たりのスイッチングチャージ量QSWを測定した。キャパシタの電極の形状は、2μm×2μmとした。
キャパシタの上方に平坦なバリア膜を形成することなく製造した半導体装置についてスイッチングチャージ量QSWの測定を行ったところ、1セル当たりのスイッチングチャージ量QSWは480fC程度であった。
キャパシタの上方に膜厚50nmの平坦なバリア膜を形成した場合には、1セル当たりのスイッチングチャージ量QSWは430fC程度であった。このことから、キャパシタの上方に比較的厚いバリア膜を形成した場合には、キャパシタの上方に平坦なバリア膜を形成しない場合と比較して、1セル当たりのスイッチングチャージ量QSWが10%程度低下することが分かる。
これに対し、本実施形態の場合、即ち、キャパシタ44の上方に、膜厚20nmの水素・水分拡散防止膜52と膜厚50nmのストレス緩和膜124と膜厚20nmの水素・水分拡散防止膜126とを積層して成る平坦なバリア膜128を形成した場合には、1セル当たりのスイッチングチャージ量QSWは480fC程度であった。このことから、本実施形態によれば、キャパシタ44のスイッチングチャージ量QSWの低下を確実に防止し得ることが分かる。
また、検査用のキャパシタのスイッチングチャージ量QSWについても測定を行った。検査用のキャパシタの電極面積は、50μm□とした。
キャパシタの上方に平坦なバリア膜を形成することなく製造した半導体装置の場合には、検査用キャパシタのスイッチングチャージ量QSWは24μC程度であった。
キャパシタの上方に膜厚50nmの平坦なバリア膜を形成した場合には、検査用キャパシタのスイッチングチャージ量QSWは8.0μC程度であった。このことから、キャパシタの上方に平坦なバリア膜を比較的厚く形成した場合には、キャパシタの上方に平坦なバリア膜を形成しない場合と比較して、検査用キャパシタのスイッチングチャージ量QSWが66%程度低下してしまうことが分かる。
これに対し、本実施形態の場合、即ち、キャパシタ44の上方に、膜厚20nmの水素・水分拡散防止膜52と膜厚50nmのストレス緩和膜124と膜厚20nmの水素・水分拡散防止膜126とを積層して成る平坦なバリア膜128を形成した場合には、検査用キャパシタのスイッチングチャージ量QSWは22μCであった。このことから、本実施形態によれば、検査用キャパシタのスイッチングチャージ量QSWの低下をも確実に防止し得ることが分かる。
本実施形態による半導体装置は、上述したように、平坦化された層間絶縁膜50上に、水素・水分拡散防止膜52とストレス緩和膜124と水素・水分拡散防止膜126とを積層して成る平坦なバリア膜128が形成されていることに主な特徴がある。
上述したように、キャパシタ44の上方に平坦なバリア膜を単に形成した場合には、バリア膜による大きなストレスがキャパシタ44に加わり、キャパシタ44のスイッチングチャージ量QSWが低下してしまう場合があった。
これに対し、本実施形態によれば、水素・水分拡散防止膜52、126とストレス緩和膜124とが積層されているため、バリア膜128によるストレスを小さくすることができ、キャパシタ44に大きなストレスが加わるのを防止することができる。しかも、比較的薄い水素・水分拡散防止膜52、126を積層しているため、水素・水分拡散防止膜52、126の総膜厚を比較的厚く確保することもできる。
このため、本実施形態によれば、キャパシタ44のスイッチングチャージ量QSWの低下を確実に防止しつつ、水素や水分がキャパシタ44に達するのを防止することが可能となる。従って、本実施形態によれば、電気的特性が良好なキャパシタを有する半導体装置を高い歩留りで提供することができる。
なお、特許文献3には、キャパシタの上方にシリコン窒化膜等より成る水分拡散防止膜を形成し、水分拡散防止膜上に酸化アルミニウム膜等より成る水素拡散防止膜を形成した半導体装置が開示されている。特許文献3では、金属配線を覆うように水分拡散防止膜を形成しているため、水分拡散防止膜の表面を平坦に形成することは技術的に困難である。特許文献3には、水素拡散防止膜の表面を平坦化する技術は一切開示も示唆もされていない。特許文献3では、水素拡散防止膜の表面を平坦にすることは技術的に困難であるため、水分拡散防止膜上に形成された水素拡散防止膜を平坦することも困難である。このため、特許文献3では、水素や水分の拡散を水素拡散防止膜や水分拡散防止膜により確実に防止することは困難である。また、引用文献3のように、アルミニウムより成る金属配線上にシリコン窒化膜を形成した場合には、アルミニウムより成る金属配線の寿命が極めて短くなってしまう。しかも、引用文献3には、キャパシタに加わるストレスを緩和することによりキャパシタのスイッチングチャージ量QSWの低下を防止する本願発明の技術は、一切開示も示唆もされていない。
(半導体装置の製造方法)
次に、本実施形態による半導体装置の製造方法を図27及び図28を用いて説明する。図27及び図28は、本実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。
まず、層間絶縁膜50を平坦化する工程までは、図5(a)乃至図12(a)を用いて説明した半導体装置の製造方法と同様であるので、説明を省略する(図27(a)参照)。
次に、窒素雰囲気中にて熱処理を行う。窒素雰囲気としては、例えばNOプラズマを用いる。熱処理温度は、例えば300〜400℃程度とする。ここでは、熱処理温度を例えば350℃とする。熱処理時間は、例えば2〜6分程度とする。ここでは、熱処理時間を例えば2分とする。このような熱処理を行うのは、層間絶縁膜50中に存在する水分を除去するとともに、層間絶縁膜50の表面を窒化するためである。層間絶縁膜50の表面を窒化することにより、外部から層間絶縁膜50中に水分が入り込むのを防止することが可能となり、ひいては、キャパシタ42の電極的特性の劣化を防止することが可能となる。
次に、図27(b)に示すように、例えばスパッタ法又はCVD法により、水素・水分拡散防止膜52を形成する。水素・水分拡散防止膜52としては、例えば、膜厚20〜30nmの酸化アルミニウム膜を形成する。
酸化アルミニウムより成る水素・水分拡散防止膜52をスパッタ法により形成する際の成膜条件は、例えば以下の通りとする。ターゲットとしては、酸化アルミニウムより成るターゲットを用いる。成膜室内に導入するガスとしては、例えばArガスを用いる。Arガスの流量は、20sccmとする。成膜室内の圧力は、例えば1Paとする。印加電力は、例えば2kWとする。基板温度は、例えば20℃とする。成膜時間は、例えば40〜60秒程度とする。成膜時間を適宜設定することにより、水素・水分拡散防止膜52の膜厚を制御することが可能である。平坦化された層間絶縁膜50上に水素・水分拡散防止膜52を形成するため、水素・水分拡散防止膜52は平坦となる。
次に、例えばCVD法により、ストレス緩和膜124を形成する。ストレス緩和膜124としては、例えば50〜100nmのシリコン窒化酸化膜を形成する。
シリコン窒化酸化膜より成るストレス緩和膜124をCVD法により形成する際の成膜条件は、例えば以下の通りとする。成膜室内に導入するガスとしては、SiHガスとNOガスとを用いる。SiHガスの流量は、例えば38sccmとする。NOガスの流量は、例えば90sccmとする。成膜時間は、例えば20秒とする。成膜室内の圧力は、例えば1.5Torrとする。対向電極のギャップは、例えば350milsとする。印加電力は、例えば50Wとする。基板温度は、例えば350℃とする。平坦な水素・水分拡散防止膜52上にストレス緩和膜124を形成するため、ストレス緩和膜124は平坦となる。
次に、例えばスパッタ法又はCVD法により、水素・水分拡散防止膜126を形成する。水素・水分拡散防止膜126としては、例えば、膜厚20〜30nmの酸化アルミニウム膜を形成する。水素・水分拡散防止膜126を形成する際の成膜条件は、例えば、水素・水分拡散防止膜52を形成する際の成膜条件と同様とする。平坦なストレス緩和膜124上に水素・水分拡散防止膜126を形成するため、水素・水分拡散防止膜126は平坦となる。
こうして、水素・水分拡散防止膜52とストレス緩和膜124と水素・水分拡散防止膜126とから成るバリア膜128が形成される。平坦化された層間絶縁膜50上にバリア膜128が形成されるため、バリア膜128は平坦となる。
次に、バリア膜128上に絶縁膜54を形成する。
この後の半導体装置の製造方法は、図13(a)乃至図21を用いて上述した半導体装置の製造方法と同様であるので、説明を省略する。
こうして、本実施形態による半導体装置が製造される(図28参照)。
(変形例(その1))
次に、本実施形態による半導体装置の変形例(その1)を図29を用いて説明する。図29は、本変形例による半導体装置を示す断面図である。
本変形例による半導体装置は、水素・水分拡散防止膜52の上下にそれぞれストレス緩和膜124、130が形成されていることに主な特徴がある。
図29に示すように、平坦化された層間絶縁膜50上には、ストレス緩和膜124が形成されている。ストレス緩和膜124としては、例えばシリコン窒化酸化膜が用いられている。ストレス緩和膜124の膜厚は、例えば50〜100nm程度とする。平坦化された層間絶縁膜50上にストレス緩和膜124が形成されているため、ストレス緩和膜124は平坦になっている。
ストレス緩和膜124上には、水素・水分拡散防止膜52が形成されている。水素・水分拡散防止膜52としては、例えば酸化アルミニウム膜が用いられている。水素・水分拡散防止膜52の膜厚は、例えば20nm〜30nm程度とする。平坦なストレス緩和膜124上に水素・水分拡散防止膜52が形成されているため、水素・水分拡散防止膜52は平坦になっている。なお、水素・水分拡散防止膜52は酸化アルミニウム膜に限定されるものではない。例えば、水素・水分拡散防止膜52として、他の金属酸化物を用いてもよい。例えば水素・水分拡散防止膜52として、酸化チタン膜等を用いることができる。
水素・水分拡散防止膜52上には、ストレス緩和膜130が形成されている。ストレス緩和膜130としては、例えばシリコン窒化酸化膜が用いられている。平坦な水素・水分拡散防止膜52上にストレス緩和膜130が形成されているため、ストレス緩和膜130は平坦になっている。ストレス緩和膜130の膜厚は、例えば50〜100nm程度とする。
こうして、ストレス緩和膜124と水素・水分拡散防止膜52とストレス緩和膜130とから成るバリア膜128aが形成されている。平坦化された層間絶縁膜50上にバリア膜128aが形成されているため、バリア膜128aは平坦になっている。
このように、水素・水分拡散防止膜52の上下にそれぞれストレス緩和膜124、130を形成するようにしてもよい。本変形例によれば、水素・水分拡散防止膜52によるストレスを緩和するストレス緩和膜124、130が、水素・水分拡散防止膜52の上下に形成されているため、バリア膜128aによりキャパシタ44に加わるストレスを極めて小さくすることが可能となる。従って、本変形例によれば、水素や水分がキャパシタ44に達するのを防止しつつ、キャパシタ44のスイッチングチャージ量QSWの低下をより確実に防止することができる。
(変形例(その2))
次に、本実施形態による半導体装置の変形例(その2)を図30を用いて説明する。図30は、本変形例による半導体装置を示す断面図である。
本変形例による半導体装置は、水素・水分拡散防止膜52の上側に形成するストレス緩和膜130aの材料として、シリコン窒化膜が用いられていることに主な特徴がある。
図30に示すように、水素・水分拡散防止膜52上には、シリコン窒化膜より成るストレス緩和膜130aが形成されている。ストレス緩和膜130aの膜厚は、例えば50〜100nmとする。シリコン窒化酸化膜より成るストレス緩和膜130aをCVD法により形成する際の成膜条件は、例えば以下の通りとする。成膜室内に導入するガスとしては、SiHガス、NHガス、Nガス及びHガスを用いる。SiHガスの流量は、例えば55sccmとする。NHガスの流量は、例えば500sccmとする。Nガスの流量は、例えば250sccmとする。Hガスの流量は、例えば250sccmとする。成膜室内の圧力は、例えば4.0Torrとする。基板温度は、例えば400℃とする。対向電極間のギャップは、例えば600milsとする。印加する高周波電力は、例えば100Wとする。印加する低周波電力は、例えば55Wとする。ストレス緩和膜130aの膜厚を100nmとする場合には、成膜時間は例えば18秒とする。平坦な水素・水分拡散防止膜52上にストレス緩和膜130aが形成されているため、ストレス緩和膜130aは平坦になっている。
こうして、ストレス緩和膜124と水素・水分拡散防止膜52とストレス緩和膜130aとから成るバリア膜128bが構成されている。平坦化された層間絶縁膜50上にバリア膜128bが形成されているため、バリア膜128bは平坦になっている。
なお、水素・水分拡散防止膜52の上側に形成するストレス緩和膜130aの材料のみをシリコン窒化膜とし、水素・水分拡散防止膜52の下側に形成するストレス緩和膜124の材料についてはシリコン窒化酸化膜を用いているのは、以下のような理由によるものである。
即ち、シリコン窒化膜を形成する際には、水素を含む雰囲気中で成膜するのが一般的である。このため、層間絶縁膜50上にシリコン窒化膜を直接形成した場合には、成膜雰囲気中の水素が層間絶縁膜50中を通ってキャパシタ44に達してしまう。そうすると、キャパシタ44の誘電体膜40が水素により還元されてしまい、キャパシタ44の電気的特性の劣化を招いてしまう。このため、水素・水分拡散防止膜52の下側に形成するストレス緩和膜124の材料としてはシリコン窒化膜を用いずに、シリコン窒化酸化膜を用いている。 なお、水素・水分拡散防止膜52の上側にシリコン窒化膜を形成する場合には、層間絶縁膜50が既に水素・水分拡散防止膜52により覆われており、成膜雰囲気中の水素が層間絶縁膜50中に達するのが水素・水分拡散防止膜52により確実に防止し得るため、特段の問題はない。
このように、水素・水分拡散防止膜52の上側に形成するストレス緩和膜130aの材料として、シリコン窒化膜を用いてもよい。
(変形例(その3))
次に、本実施形態による半導体装置の変形例(その3)を図31を用いて説明する。図31は、本変形例による半導体装置を示す断面図である。
本変形例による半導体装置は、ストレス緩和膜124と、ストレス緩和膜124上に形成された水素・水分拡散防止膜52とによりバリア膜128cが構成されていることに主な特徴がある。
図31に示すように、平坦化された層間絶縁膜50上には、ストレス緩和膜124が形成されている。ストレス緩和膜124としては、例えばシリコン窒化酸化膜を用いる。ストレス緩和膜の膜厚は、例えば50〜100nm程度とする。
ストレス緩和膜124上には、金属酸化物より成る水素・水分拡散防止膜52が形成されている。水素・水分拡散防止膜52の膜厚は、例えば20〜30nm程度とする。
こうして、ストレス緩和膜124と水素・水分拡散防止膜52とから成るバリア膜128cが構成されている。平坦化された層間絶縁膜50上にバリア膜128cが形成されているため、バリア膜128cは平坦になっている。
こうして本変形例による半導体装置が構成されている。
本変形例のように、ストレス緩和膜124と、ストレス緩和膜124上に形成された水素・水分拡散防止膜52とによりバリア膜128cを構成してもよい。
(変形例(その4))
次に、本実施形態による半導体装置の変形例(その4)を図32を用いて説明する。図32は、本変形例による半導体装置を示す断面図である。
本変形例による半導体装置は、水素・水分拡散防止膜52と、水素・水分拡散防止膜52上に形成されたストレス緩和膜124とによりバリア膜128dが構成されていることに主な特徴がある。
図32に示すように、平坦化された層間絶縁膜50上には、水素・水分拡散防止膜52が形成されている。水素・水分拡散防止膜52の膜厚は、例えば20〜30nm程度とする。
水素・水分拡散防止膜52上には、例えばシリコン窒化酸化膜より成るストレス緩和膜124が形成されている。ストレス緩和膜124の膜厚は、例えば50〜100nm程度とする。
なお、ここでは、ストレス緩和膜124の材料としてシリコン窒化酸化膜を用いる場合を例に説明したが、ストレス緩和膜124の材料はシリコン窒化酸化膜に限定されるものではない。例えば、ストレス緩和膜124の材料としてシリコン窒化膜を用いてもよい。
こうして、水素・水分拡散防止膜52とストレス緩和膜124とから成るバリア膜128dが構成されている。平坦化された層間絶縁膜50上にバリア膜128dが形成されているため、バリア膜128dは平坦になっている。
こうして本変形例による半導体装置が構成されている。
本変形例のように、水素・水分拡散防止膜52と、水素・水分拡散防止膜52上に形成されたストレス緩和膜124とによりバリア膜128dを構成してもよい。
(変形例(その5))
次に、本実施形態による半導体装置の変形例(その5)を図33を用いて説明する。図33は、本変形例による半導体装置を示す断面図である。
本変形例による半導体装置は、第1金属配線層64と第2金属配線層78との間にバリア膜138が更に形成されていること、また、第2金属配線層78と第3金属配線層92との間にバリア膜146が更に形成されていることに主な特徴がある。
図33に示すように、平坦化された層間絶縁膜70上には、水素・水分拡散防止膜132とストレス緩和膜134と水素・水分拡散防止膜136とを順次積層して成るバリア膜138が形成されている。水素・水分拡散防止膜132、136としては、例えば膜厚20〜30nmの酸化アルミニウム膜が用いられている。ストレス緩和膜134としては、例えば膜厚50〜100nmのシリコン窒化酸化膜が用いられている。表面が平坦化された層間絶縁膜70上にバリア膜138が形成されているため、バリア膜138は平坦になっている。
なお、ここでは、水素・水分拡散防止膜132、136の材料として酸化アルミニウム膜を用いる場合を例に説明したが、水素・水分拡散防止膜132、136の材料は酸化アルミニウム膜に限定されるものではない。例えば他の金属酸化物を水素・水分拡散防止膜132、136の材料として用いてもよい。例えば、水素・水分拡散防止膜132、136の材料として、酸化チタン膜等を用いてもよい。
また、ここでは、ストレス緩和膜134としてシリコン窒化酸化膜を用いる場合を例に説明したが、ストレス緩和膜134は、シリコン窒化酸化膜に限定されるものではない。例えば、ストレス緩和膜134としてシリコン窒化膜を用いてもよい。シリコン窒化膜は、上述したように、水分の拡散を防止する水分拡散防止膜としても機能し得る。
バリア膜138上には、絶縁膜110が形成されている。絶縁膜110としては、例えば膜厚100nmのシリコン酸化膜が用いられている。
絶縁膜110上には、第2金属配線層78が形成されている。
平坦化された層間絶縁膜84上には、水素・水分拡散防止膜130とストレス緩和膜142と水素・水分拡散防止膜144とを順次積層して成るバリア膜146が形成されている。水素・水分拡散防止膜140、144としては、例えば膜厚20〜30nmの酸化アルミニウム膜が用いられている。ストレス緩和膜142としては、例えば膜厚50〜100nmのシリコン窒化酸化膜が用いられている。表面が平坦化された層間絶縁膜84上にバリア膜146が形成されているため、バリア膜146は平坦になっている。
なお、ここでは、水素・水分拡散防止膜140、144の材料として酸化アルミニウム膜を用いる場合を例に説明したが、水素・水分拡散防止膜140、144の材料は酸化アルミニウム膜に限定されるものではない。例えば他の金属酸化物を水素・水分拡散防止膜140、144の材料として用いてもよい。例えば、水素・水分拡散防止膜140、144の材料として、酸化チタン膜等を用いてもよい。
また、ここでは、ストレス緩和膜142としてシリコン窒化酸化膜を用いる場合を例に説明したが、ストレス緩和膜142はシリコン窒化酸化膜に限定されるものではない。例えば、ストレス緩和膜142としてシリコン窒化膜を用いてもよい。シリコン窒化膜は、上述したように、水分の拡散を防止する水分拡散防止膜としても機能し得る。
バリア膜146上には、絶縁膜114が形成されている。絶縁膜114としては、例えば膜厚100nmのシリコン酸化膜が形成されている。
絶縁膜114上には、第3金属配線層92が形成されている。
こうして本変形例による半導体装置が構成されている。
本変形例によれば、キャパシタ44と第1金属配線層64との間のみならず、第1金属配線層64と第2金属配線層78との間、及び、第2金属配線層78と第3金属配線層92との間にも、バリア膜138、146がそれぞれ形成されているため、水素や水分がキャパシタ44に達するのをより確実に防止することができる。
(変形例(その6))
次に、本実施形態による半導体装置の変形例(その6)を図34を用いて説明する。図34は、本変形例による半導体装置を示す断面図である。
本変形例による半導体装置は、スタック型のメモリセル構造を有していることに主な特徴がある。
図34に示すように、半導体基板10上には、素子領域を画定する素子分離領域12が形成されている。素子分離領域12が形成された半導体基板10内には、ウェル14a、14bが形成されている。
ウェル14a、14bが形成された半導体基板10上には、ゲート絶縁膜16を介してゲート電極18が形成されている。ゲート電極18上には、シリコン酸化膜148が形成されている。ゲート電極18及びシリコン酸化膜148の側壁部分には、サイドウォール絶縁膜20が形成されている。
サイドウォール絶縁膜20が形成されたゲート電極18の両側には、ソース/ドレイン拡散層22が形成されている。こうして、ゲート電極18とソース/ドレイン拡散層22とを有するトランジスタ24が構成されている。トランジスタ24のゲート長は、例えば0.18μmに設定されている。
トランジスタ24が形成された半導体基板10上には、シリコン窒化酸化膜150とシリコン酸化膜152とを順次積層して成る層間絶縁膜154が形成されている。層間絶縁膜154の表面は平坦化されている。
層間絶縁膜154上には、水素及び水分の拡散を防止する機能を有する水素・水分拡散防止膜156が形成されている。水素・水分拡散防止膜156としては、例えば酸化アルミニウム膜や酸化チタン膜等の金属酸化膜が用いられている。
水素・水分拡散防止膜156及び層間絶縁膜154には、ソース/ドレイン拡散層22に達するコンタクトホール28が形成されている。
コンタクトホール28内には、Ti膜とTiN膜とを順次積層して成るバリアメタル膜(図示せず)が形成されている。
バリアメタル膜が形成されたコンタクトホール28内には、タングステンより成る導体プラグ32が埋め込まれている。
水素・水分拡散防止膜156上には、導体プラグ32に電気的に接続されたIr膜158が形成されている。
Ir膜158上には、キャパシタ44の下部電極38が形成されている。下部電極38上には、キャパシタ44の誘電体膜40が形成されている。誘電体膜40としては、例えばPZT膜等の強誘電体膜が用いられている。誘電体膜40上には、キャパシタ44の上部電極42が形成されている。上部電極42、誘電体膜40、下部電極38及びIr膜158は、エッチングにより一括してパターニングされており、互いにほぼ同じ平面形状となっている。
こうして、下部電極38と誘電体膜40と上部電極42とを有するキャパシタ44が構成されている。キャパシタ44の下部電極38は、Ir膜158を介して導体プラグ32に電気的に接続されている。
Ir膜158が形成されていない領域における水素・水分拡散防止膜156上には、シリコン窒化酸化膜160が形成されている。
キャパシタ44上及びシリコン窒化酸化膜160上には、水素及び水分の拡散を防止する機能を有するバリア膜48が形成されている。バリア膜48としては、例えば、酸化アルミニウム膜や酸化チタン膜等の金属酸化膜が用いられている。
水素・水分拡散防止膜48上には、シリコン酸化膜より成る層間絶縁膜50が形成されている。層間絶縁膜50の表面は平坦化されている。
平坦化された層間絶縁膜50上には、水素・水分拡散防止膜52とストレス緩和膜124と水素・水分拡散防止膜126とを順次積層して成るバリア膜128が形成されている。表面が平坦化された層間絶縁膜50上にバリア膜128が形成されているため、バリア膜128は平坦になっている。
バリア膜128上には、シリコン酸化膜54が形成されている。
シリコン酸化膜54、バリア膜128、シリコン酸化膜50及び水素・水分拡散防止膜48には、キャパシタ44の上部電極42に達するコンタクトホール56が形成されている。また、シリコン酸化膜54、バリア膜128、シリコン酸化膜50、水素・水分拡散防止膜48及びシリコン窒化酸化膜160には、導体プラグ32に達するコンタクトホール58が形成されている。
コンタクトホール56、58内には、Ti膜とTiN膜とを順次積層して成るバリアメタル膜(図示せず)が形成されている。
バリアメタル膜が形成されたコンタクトホール56、58内には、タングステンより成る導体プラグ62がそれぞれ埋め込まれている。
シリコン酸化膜54上には、導体プラグ62に電気的に接続された配線(第1金属配線層)64が形成されている。
配線64が形成されたシリコン酸化膜54上には、例えばシリコン酸化膜より成る層間絶縁膜70が形成されている。層間絶縁膜70の表面は平坦化されている。
平坦化された層間絶縁膜70上には、水素・水分拡散防止膜132とストレス緩和膜134と水素・水分拡散防止膜136とから成る平坦なバリア膜138が形成されている。
バリア膜138上には、シリコン酸化膜110が形成されている。
シリコン酸化膜110、バリア膜138及びシリコン酸化膜70には、配線64に達するコンタクトホール72が形成されている。
コンタクトホール72内には、Ti膜とTiN膜とを順次積層して成るバリアメタル膜(図示せず)が形成されている。
バリアメタル膜が形成されたコンタクトホール内72には、タングステンより成る導体プラグ76が埋め込まれている。
シリコン酸化膜110上には、導体プラグ76に電気的に接続された配線78が形成されている。
配線78が形成されたシリコン酸化膜110上には、シリコン酸化膜より成る層間絶縁膜84が形成されている。層間絶縁膜84の表面は平坦化されている。
平坦化された層間絶縁膜84上には、水素・水分拡散防止膜140とストレス緩和膜142と水素・水分拡散防止膜144とから成る平坦なバリア膜146が形成されている。
バリア膜146上には、シリコン酸化膜114が形成されている。
シリコン酸化膜114上には、図示しない配線(第3金属配線層)が形成されている。
本変形例のように、メモリセル構造をスタック型にしてもよい。
[第3実施形態]
本発明の第3実施形態による半導体装置及びその製造方法を図35乃至図37を用いて説明する。図35は、本実施形態による半導体装置を示す断面図である。図1乃至図34に示す第1又は第2実施形態による半導体装置及びその製造方法と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明を省略または簡潔にする。
本実施形態による半導体装置は、複数の水素・水分拡散防止膜を中間層を介して積層することによりバリア膜が構成されていることに主な特徴がある。
図35に示すように、層間絶縁膜50上には、水素及び水分の拡散を防止する機能を有する水素・水分拡散防止膜52が形成されている。水素・水分拡散防止膜52としては、例えば金属酸化膜を用いる。金属酸化膜より成る水素・水分拡散防止膜52としては、例えば酸化アルミニウム膜を用いる。水素・水分拡散防止膜52の膜厚は、例えば20〜30nm程度とする。水素・水分拡散防止膜52の膜厚をこのように比較的薄く設定しているのは、水素・水分拡散防止膜52によるストレスを小さくするためである。
なお、ここでは、水素・水分拡散防止膜52として酸化アルミニウム膜を用いる場合を例に説明したが、水素・水分拡散防止膜52は酸化アルミニウム膜に限定されるものではない。例えば、他の金属酸化物を水素・水分拡散防止膜52の材料として用いてもよい。例えば、水素・水分拡散防止膜52の材料として酸化チタン膜等を用いることができる。
水素・水分拡散防止膜52上には、絶縁体より成る中間層162が形成されている。中間層162としては、例えばシリコン酸化膜を用いる。中間層162の厚さは、例えば20〜30nm程度とする。
なお、ここでは、中間層162としてシリコン酸化膜を用いる場合を例に説明したが、中間層162はシリコン酸化膜に限定されるものではない。例えば、中間層162の材料として、シリコン窒化酸化膜やシリコン窒化膜等を用いてもよい。シリコン窒化酸化膜やシリコン窒化膜は、上述したようにストレス緩和膜として機能し得るため、中間層162の材料としてシリコン窒化酸化膜やシリコン窒化膜を用いれば、水素・水分拡散防止膜52、164によるストレスを緩和することが可能となる。また、シリコン窒化酸化膜やシリコン窒化膜は、水分の拡散を防止する水分拡散防止膜としても機能し得るため、中間層162の材料としてシリコン窒化酸化膜やシリコン窒化膜を用いれば、キャパシタ44に水分が達するのをより確実に防止することが可能になる。
中間層162上には、水素及び水分の拡散を防止する機能を有する水素・水分拡散防止膜164が形成されている。水素・水分拡散防止膜164としては、上記と同様に、例えば酸化アルミニウム膜を用いる。水素・水分拡散防止膜164の膜厚は、例えば20〜30nm程度とする。水素・水分拡散防止膜164の膜厚をこのように比較的薄く設定しているのは、水素・水分拡散防止膜164によるストレスを小さくするためである。
なお、ここでは、水素・水分拡散防止膜164として酸化アルミニウム膜を用いる場合を例に説明したが、水素・水分拡散防止膜164は酸化アルミニウム膜に限定されるものではない。例えば、他の金属酸化物を水素・水分拡散防止膜164の材料として用いてもよい。例えば、水素・水分拡散防止膜164の材料として酸化チタン膜等を用いることができる。
水素・水分拡散防止膜164上には、絶縁体より成る中間層166が形成されている。中間層166としては、例えばシリコン酸化膜を用いる。中間層166の厚さは、例えば50〜100nm程度とする。
なお、ここでは、中間層166としてシリコン酸化膜を用いる場合を例に説明したが、中間層166の材料はシリコン酸化膜に限定されるものではない。例えば、中間層166の材料としてシリコン窒化酸化膜やシリコン窒化膜を用いてもよい。
中間層166上には、水素及び水分の拡散を防止する機能を有する水素・水分拡散防止膜168が形成されている。水素・水分拡散防止膜168としては、上記と同様に、例えば酸化アルミニウム膜を用いる。水素・水分拡散防止膜168の膜厚は、例えば20〜30nm程度とする。水素・水分拡散防止膜168の膜厚をこのように比較的薄く設定しているのは、水素・水分拡散防止膜168によるストレスを小さくするためである。
なお、ここでは、水素・水分拡散防止膜168として酸化アルミニウム膜を用いる場合を例に説明したが、水素・水分拡散防止膜168は酸化アルミニウム膜に限定されるものではない。例えば、他の金属酸化物を水素・水分拡散防止膜168の材料として用いてもよい。例えば、水素・水分拡散防止膜168の材料として酸化チタン膜等を用いることができる。
こうして、水素・水分拡散防止膜52、中間層162、水素・水分拡散防止膜164、中間層166及び水素・水分拡散防止膜168により、バリア膜170が構成されている。表面が平坦化された層間絶縁膜50上にバリア膜170が形成されているため、バリア膜170は平坦になっている。
本実施形態において複数の水素・水分拡散防止膜52、164、168を中間層162、166を介して積層しているのは、以下のような理由によるものである。
即ち、層間絶縁膜50の表面はCMP法等により平坦化されているため、層間絶縁膜50の表面にはスクラッチが生じている場合がある。表面にスクラッチが形成されている層間絶縁膜50上に水素・水分拡散防止膜52を形成した場合には、スクラッチによる段差に起因して、水素・水分拡散防止膜52の一部に亀裂が生じる場合がある。水素・水分拡散防止膜52に亀裂が生じている場合には、水素・水分拡散防止膜52の亀裂を介して水素や水分がキャパシタ44に達してしまう場合があり、キャパシタ44の電気的特性の劣化を招いてしまう。また、層間絶縁膜50のスクラッチに起因する亀裂が水素・水分拡散防止膜52に形成されていない場合であっても、水素・水分拡散防止膜52にピンホールが形成されてしまう場合があり得る。この場合には、水素・水分拡散防止膜52に形成されたピンホールを介して水素や水分がキャパシタ44に達してしまうこととなる。
本実施形態では、水素・水分拡散防止膜52の上方に他の水素・水分拡散防止膜164が更に積層されており、しかも、他の水素・水分拡散防止膜164は中間層162を介して水素・水分拡散防止膜52上に形成されているため、水素・水分拡散防止膜52に亀裂が生じている場合であっても、他の水素・水分拡散防止膜164にまで亀裂が生じる可能性は極めて低い。また、他の水素・水分拡散防止膜164にもピンホールが形成される可能性はあるが、水素・水分拡散防止膜52に形成されるピンホールと他の水素・水分拡散防止膜164に形成されるピンホールとが、互いに近い箇所に位置する可能性は極めて低い。従って、本実施形態によれば、単層の水素・水分拡散防止膜を形成した場合と比較して、水素や水分の拡散をより確実に防止することが可能となる。
しかも、本実施形態によれば、他の水素・水分拡散防止膜164の上方に、更に他の水素・水分拡散防止膜168が形成されているため、水素や水分がキャパシタ44に達するのをより確実に防止することができる。
また、キャパシタ44の上方に単層の水素・水分拡散防止膜を形成する場合、水素や水分の拡散を十分に防止するためには、水素・水分拡散防止膜の膜厚を50nm以上に設定する必要がある。水素・水分拡散防止膜をこのように比較的厚く形成した場合には、水素・水分拡散防止膜によるストレスが比較的大きいため、キャパシタに比較的大きいストレスが加わってしまう。そうすると、キャパシタのスイッチングチャージ量QSWの低下を招いてしまう虞がある。
これに対し、本実施形態では、膜厚20nm程度の比較的薄い水素・水分拡散防止膜52、164、168が中間層162、166を介して積層されている。このような比較的薄い水素・水分拡散防止膜52、164、168によるストレスは、比較的厚い水素・水分拡散防止膜によるストレスと比較して、極めて小さい。そして、比較的薄い水素・水分拡散防止膜52、164、168を中間層162、166を介して積層して成るバリア膜170によるストレスは、単層の水素・水分拡散防止膜を比較的厚く形成した場合におけるストレスより小さい。しかも、バリア膜170における複数の水素・水分拡散防止膜52、164、168の総膜厚は、比較的厚い。このため、本実施形態によれば、水素・水分拡散防止膜52、164、168の総膜厚を比較的厚く確保しつつ、バリア膜170によるストレスを小さくすることが可能となる。このため、本実施形態によれば、水素及び水分がキャパシタ44に達するのを確実に防止しつつ、キャパシタ44のスイッチングチャージ量QSWの低下をも防止することが可能となる。
バリア膜170上には、シリコン酸化膜54が形成されている。シリコン酸化膜54の膜厚は、例えば50〜100nm程度とする。
こうして本実施形態による半導体装置が構成されている。
本実施形態による半導体装置は、上述したように、複数の水素・水分拡散防止膜52、164、168が中間層162、166を介して積層されていることに主な特徴がある。
本実施形態によれば、水素・水分拡散防止膜52の上方に中間層162を介して他の水素・水分拡散防止膜164が積層されているため、水素・水分拡散防止膜52に亀裂が生じている場合であっても、他の水素・水分拡散防止膜164にまで亀裂が生じる可能性は極めて低い。また、水素・水分拡散防止膜52に形成されるピンホールと他の水素・水分拡散防止膜164に形成されるピンホールとが、互いに近い箇所に位置する可能性は極めて低い。従って、本実施形態によれば、キャパシタ44の上方に単層の水素・水分拡散防止膜を形成した場合と比較して、水素や水分の拡散をより確実に防止することができる。しかも、本実施形態によれば、他の水素・水分拡散防止膜164の上方に、更に他の水素・水分拡散防止膜168が形成されているため、水素や水分の拡散をより確実に防止することができる。
また、本実施形態によれば、比較的薄い水素・水分拡散防止膜52、164、168を中間層162、166を介して積層することによりバリア膜170を構成しているため、水素・水分拡散防止膜52、164、168の総膜厚を比較的厚く確保しつつ、バリア膜170によるストレスを比較的小さくすることができる。このため、本実施形態によれば、水素や水分がキャパシタ44に達するのを確実に防止しつつ、キャパシタ44のスイッチングチャージ量QSWの低下をも防止することができる。
(半導体装置の製造方法)
次に、本実施形態による半導体装置の製造方法を図36及び図37を用いて説明する。図36及び図37は、本実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。
まず、層間絶縁膜50を平坦化する工程までは、図5(a)乃至図12(a)を用いて説明した半導体装置の製造方法と同様であるので、説明を省略する(図36(a)参照)。
次に、窒素雰囲気中にて熱処理を行う。窒素雰囲気としては、例えばNOプラズマを用いる。熱処理温度は、例えば300〜400℃程度とする。ここでは、熱処理温度を、例えば350℃とする。熱処理時間は、例えば2〜6分程度とする。ここでは、熱処理温度を例えば2分とする。このような熱処理を行うのは、層間絶縁膜50中に存在する水分を除去するとともに、層間絶縁膜50の表面を窒化するためである。層間絶縁膜50の表面を窒化することにより、外部から層間絶縁膜50中に水分が入り込むのを防止することが可能となり、ひいては、キャパシタ42の電極的特性の劣化を防止することが可能となる。
次に、図36(b)に示すように、例えばスパッタ法又はCVD法により、水素・水分拡散防止膜52を形成する。水素・水分拡散防止膜52としては、例えば、膜厚20〜30nmの金属酸化膜を形成する。金属酸化膜より成る水素・水分拡散防止膜52としては、例えば酸化アルミニウム膜を形成する。
酸化アルミニウムより成る水素・水分拡散防止膜52をスパッタ法により形成する際の成膜条件は、例えば上記と同様とする。平坦化された層間絶縁膜50上に水素・水分拡散防止膜52を形成するため、水素・水分拡散防止膜52は平坦となる。
次に、例えばCVD法により、中間層162を形成する。中間層162としては、例えば、膜厚20〜30nmのシリコン酸化膜を形成する。中間層162を成膜する際の成膜条件は、例えば以下の通りとする。成膜室内に導入するガスとしては、TEOSガス及びOガスを用いる。TEOSガスの流量は、例えば1.8ml/分とする。Oガスの流量は、例えば8リットル/分とする。成膜室内の圧力は、例えば2.2Torrとする。成膜温度は、例えば350℃とする。印加する高周波電力は、例えば350Wとする。印加する低周波電力は、例えば650Wとする。中間層162の膜厚を20nmとする場合には、成膜時間は例えば3.6秒とする。平坦な水素・水分拡散防止膜52上に中間層162を形成するため、中間層162は平坦となる。
次に、例えばスパッタ法又はCVD法により、水素・水分拡散防止膜164を形成する。水素・水分拡散防止膜164としては、例えば、膜厚20〜30nmの金属酸化膜を形成する。金属酸化膜より成る水素・水分拡散防止膜164としては、例えば酸化アルミニウム膜を形成する。水素・水分拡散防止膜164を形成する際の成膜条件は、例えば水素・水分拡散防止膜52を形成する際の成膜条件と同様とする。平坦な中間層162上に水素・水分拡散防止膜164を形成するため、水素・水分拡散防止膜164は平坦となる。
次に、例えばCVD法により、中間層166を形成する。中間層166としては、例えば、膜厚20〜30nmのシリコン酸化膜を形成する。中間層166を形成する際の成膜条件は、例えば中間層162を形成する際の成膜条件と同様とする。平坦な水素・水分拡散防止膜164上に中間層166を形成するため、中間層166は平坦となる。
次に、例えばスパッタ法又はCVD法により、水素・水分拡散防止膜168を形成する。水素・水分拡散防止膜168としては、例えば、膜厚20〜30nmの酸化アルミニウム膜を形成する。水素・水分拡散防止膜168を形成する際の成膜条件は、例えば水素・水分拡散防止膜52を形成する際の成膜条件と同様とする。酸化アルミニウム膜より成る水素・水分拡散防止膜168をスパッタ法により形成する際の成膜条件は、例えば上記と同様とする。
こうして、水素・水分拡散防止膜52、中間層162、水素・水分拡散防止膜164、中間層166及び水素・水分拡散防止膜168から成るバリア膜170が形成される。平坦化された層間絶縁膜50上にバリア膜170が形成されるため、バリア膜170は平坦となる。
次に、バリア膜170上に絶縁膜54を形成する。
この後の半導体装置の製造方法は、図13(a)乃至図21を用いて上述した半導体装置の製造方法と同様であるので、説明を省略する。
こうして、本実施形態による半導体装置が製造される(図37参照)。
(変形例(その1))
次に、本実施形態による半導体装置の変形例(その1)を図38を用いて説明する。図38は、本変形例による半導体装置を示す断面図である。
本変形例による半導体装置は、第1金属配線層64と第2金属配線層78との間にバリア膜182が更に形成されていること、また、第2金属配線層78と第3金属配線層92との間にバリア膜194が更に形成されていることに主な特徴がある。
図38に示すように、平坦化された層間絶縁膜70上には、水素・水分拡散防止膜172、中間層174、水素・水分拡散防止膜176、中間層178及び水素・水分拡散防止膜180を順次積層して成るバリア膜182が形成されている。水素・水分拡散防止膜172、176、180としては、例えば膜厚20〜30nmの酸化アルミニウム膜が用いられている。中間層174、178としては、例えば膜厚20〜30nmのシリコン酸化膜が用いられている。表面が平坦化された層間絶縁膜70上にバリア膜182が形成されているため、バリア膜182は平坦になっている。
なお、ここでは、水素・水分拡散防止膜172、176、180の材料として酸化アルミニウム膜を用いる場合を例に説明したが、水素・水分拡散防止膜172、176、180の材料は酸化アルミニウム膜に限定されるものではない。例えば他の金属酸化物を水素・水分拡散防止膜172、176、180の材料として用いてもよい。例えば、水素・水分拡散防止膜172、176、180の材料として、酸化チタン膜等を用いてもよい。
また、ここでは、中間層174、178の材料としてシリコン酸化膜を用いる場合を例に説明したが、中間層174、178の材料はシリコン酸化膜に限定されるものではない。例えば、中間層174、178の材料として、シリコン窒化酸化膜やシリコン窒化膜を用いてもよい。シリコン窒化酸化膜やシリコン窒化膜は、上述したように、ストレス緩和膜や水分拡散防止膜としても機能し得る。
バリア膜182上には、絶縁膜110が形成されている。絶縁膜110としては、例えば膜厚100nmのシリコン酸化膜が用いられている。
絶縁膜110上には、第2金属配線層78が形成されている。
平坦化された層間絶縁膜84上には、水素・水分拡散防止膜184、中間層186、水素・水分拡散防止膜188、中間層180及び水素・水分拡散防止膜192を順次積層して成るバリア膜194が形成されている。水素・水分拡散防止膜184、188、192は、水素及び水分の拡散を防止する機能を有する膜である。水素・水分拡散防止膜184、188、192としては、例えば膜厚20〜30nmの酸化アルミニウム膜が用いられている。中間層186、190としては、例えば膜厚20〜30nmのシリコン酸化膜が用いられている。表面が平坦化された層間絶縁膜84上にバリア膜194が形成されているため、バリア膜194は平坦になっている。
なお、ここでは、水素・水分拡散防止膜184、188、192の材料として酸化アルミニウム膜を用いる場合を例に説明したが、水素・水分拡散防止膜184、188、192の材料は酸化アルミニウム膜に限定されるものではない。例えば他の金属酸化物を水素・水分拡散防止膜184、188、192の材料として用いてもよい。例えば、水素・水分拡散防止膜184、188、192の材料として、酸化チタン膜等を用いてもよい。
また、ここでは、中間層186、190の材料としてシリコン酸化膜を用いる場合を例に説明したが、中間層186、190の材料はシリコン酸化膜に限定されるものではない。例えば、中間層186、190としてシリコン窒化酸化膜やシリコン窒化膜を用いてもよい。シリコン窒化酸化膜やシリコン窒化膜は、上述したように、ストレス緩和膜や水分拡散防止膜としても機能し得る。
バリア膜194上には、絶縁膜114が形成されている。絶縁膜114としては、例えば膜厚100nmのシリコン酸化膜が用いられている。
絶縁膜114上には、第3金属配線層92が形成されている。
こうして本変形例による半導体装置が構成されている。
本変形例によれば、キャパシタ44と第1金属配線層64との間のみならず、第1金属配線層64と第2金属配線層78との間、及び、第2金属配線層78と第3金属配線層92との間にも、バリア膜182、194がそれぞれ形成されているため、キャパシタ44のスイッチングチャージ量QSWが低下するのを防止しつつ、水素や水分がキャパシタ44に達するのをより確実に防止することができる。
(変形例(その2))
次に、本実施形態による半導体装置の変形例を図39を用いて説明する。図39は、本変形例による半導体装置を示す断面図である。
本変形例による半導体装置は、スタック型のメモリセル構造を有していることに主な特徴がある。
図39に示すように、平坦化されたシリコン酸化膜50上には、水素・水分拡散防止膜52、中間層162、水素・水分拡散防止膜164、中間層166及び水素・水分拡散防止膜168を順次積層して成るバリア膜170が形成されている。
バリア膜170上には、シリコン酸化膜54が形成されている。
シリコン酸化膜54上には、配線(第1金属配線層)64が形成されている。
平坦化された層間絶縁膜70上には、水素・水分拡散防止膜172、中間層174、水素・水分拡散防止膜176、中間層178及び水素・水分拡散防止膜180を順次積層して成るバリア膜182が形成されている。
バリア膜182上には、シリコン酸化膜110が形成されている。
シリコン酸化膜110上には、配線(第2金属配線層)78が形成されている。
平坦化された層間絶縁膜84上には、水素・水分拡散防止膜184、中間層186、水素・水分拡散防止膜188、中間層190及び水素・水分拡散防止膜192を順次積層して成るバリア膜194が形成されている。
バリア膜194上には、シリコン酸化膜114が形成されている。
シリコン酸化膜114の上には、図示しない配線(第3金属配線層)が形成されている。
本変形例のように、メモリセル構造をスタック型にしてもよい。
[変形実施形態]
本発明は上記実施形態に限らず種々の変形が可能である。
例えば、上記実施形態では、誘電体膜40を構成する強誘電体膜としてPZT膜を用いる場合を例に説明したが、誘電体膜40を構成する強誘電体膜はPZT膜に限定されるものではなく、他のあらゆる強誘電体膜を適宜用いることができる。例えば、誘電体膜40を構成する強誘電体膜として、Pb1−XLaZr1−YTi膜(PLZT膜)、SrBi(TaNb1−X膜、BiTi12膜等を用いてもよい。
また、上記実施形態では、誘電体膜40として強誘電体膜を用いる場合を例に説明したが、誘電体膜40は強誘電体膜に限定されるものではない。例えば、DRAM等を構成する場合には、誘電体膜40として高誘電体膜を用いればよい。誘電体膜40を構成する高誘電体膜としては、例えば、(BaSr)TiO膜(BST膜)、SrTiO膜(STO膜)、Ta膜等を用いることができる。なお、高誘電体膜とは、比誘電率が二酸化シリコンより高い誘電体膜のことである。
また、上記実施形態では、IrO膜とIrO膜とPt膜との積層膜により上部電極42を構成したが、上部電極42の材料はかかる材料に限定されるものではない。例えば、SrRuO膜(SRO膜)により上部電極42を構成してもよい。
また、第1実施形態では、水素拡散防止膜として酸化アルミニウム膜を用いる場合を例に説明したが、水素拡散防止膜は酸化アルミニウム膜に限定されるものではない。水素の拡散を防止する機能を有する膜を、水素拡散防止膜として適宜用いることができる。水素拡散防止膜としては、例えば金属酸化物より成る膜を適宜用いることができる。金属酸化物より成る水素拡散防止膜としては、例えば、タンタル酸化物やチタン酸化物等を用いることができる。また、水素拡散防止膜は、金属酸化物より成る膜に限定されるものではない。例えば、シリコン窒化膜(Si膜)やシリコン窒化酸化膜(SiON膜)等を水素拡散防止膜として用いることもできる。但し、金属酸化物より成る膜は緻密であるため、比較的薄く形成した場合であっても、水素の拡散を確実に防止することが可能である。従って、微細化の観点からは水素拡散防止膜として金属酸化物より成る膜を用いることが有利である。
また、第2及び第3実施形態では、水素・水分拡散防止膜として酸化アルミニウム膜を用いる場合を例に説明したが、水素・水分拡散防止膜は酸化アルミニウム膜に限定されるものではない。水素及び水分の拡散を防止しうる機能を有する膜を、水素・水分拡散防止膜として適宜用いることができる。水素及び水分の拡散を防止する機能を有する膜としては、例えば、金属酸化物より成る膜を適宜用いることができる。金属酸化物より成る水素・水分拡散防止膜としては、例えばチタン酸化物やタンタル酸化物等を用いることができる。また、水素・水分拡散防止膜は、金属酸化物に限定されるものではない。水素及び水分の拡散を防止しうる他のあらゆる材料より成る膜を適宜用いることが可能である。但し、金属酸化物より成る膜は緻密であるため、比較的薄く形成した場合であっても、水素や水分の拡散を確実に防止することが可能である。従って、微細化の観点からは水素・水分拡散防止膜の材料として金属酸化膜を用いることが有利である。
以上詳述したように、本発明の特徴をまとめると以下のようになる。
(付記1)
半導体基板上にゲート絶縁膜を介して形成されたゲート電極と、前記ゲート電極の両側の前記半導体基板内に形成されたソース/ドレイン拡散層とを有するトランジスタと、
前記半導体基板上及び前記トランジスタ上に形成された第1の絶縁膜と、
前記ソース/ドレイン拡散層に達する第1のコンタクトホール内に埋め込まれた第1の導体プラグと、
前記第1の絶縁膜上に形成され、下部電極と、前記下部電極上に形成された誘電体膜と、前記誘電体膜上に形成された上部電極とを有するキャパシタと、
前記第1の絶縁膜上に、前記キャパシタを覆うように形成され、水素の拡散を防止する第1の水素拡散防止膜と、
前記第1の水素拡散防止膜上に形成され、表面が平坦化された第2の絶縁膜と、
前記第2の絶縁膜上に形成され、水素の拡散を防止する第2の水素拡散防止膜と、
前記下部電極又は前記上部電極に達する第2のコンタクトホール内に埋め込まれた第2の導体プラグと、
前記第1の導体プラグに達する第3のコンタクトホール内に埋め込まれた第3の導体プラグと、
前記第2の水素拡散防止膜上に形成され、前記第2の導体プラグ又は前記第3の導体プラグに接続された配線と
を有することを特徴とする半導体装置。
(付記2)
付記1記載の半導体装置において、
前記第2の水素拡散防止膜は、積層膜より成る
ことを特徴とする半導体装置。
(付記3)
付記1又は2記載の半導体装置において、
前記第2の水素拡散防止膜上、前記配線下に形成された第3の絶縁膜を更に有する
ことを特徴とする半導体装置。
(付記4)
付記1乃至3のいずれかに記載の半導体装置において、
前記第2の絶縁膜は、無機膜である
ことを特徴とする半導体装置。
(付記5)
付記4記載の半導体装置において、
前記無機膜は、シリコン酸化膜である
ことを特徴とする半導体装置。
(付記6)
付記1又は2記載の半導体装置において、
前記第1の絶縁膜上、前記第1の水素拡散防止膜下に形成された第3の絶縁膜を更に有する
ことを特徴とする半導体装置。
(付記7)
付記1乃至6のいずれかに記載の半導体装置において、
前記第2のコンタクトホール内の前記上部電極上又は前記下部電極上に直接形成されたTiN膜を更に有し、
前記第2の導体プラグは、前記TiN膜が形成された前記第2のコンタクトホール内に埋め込まれている
ことを特徴とする半導体装置。
(付記8)
付記7記載の半導体装置において、
前記第2の導体プラグは、タングステンより成る
ことを特徴とする半導体装置。
(付記9)
付記1又は2記載の半導体装置において、
前記第2の絶縁膜上及び前記配線上に形成され、表面が平坦化された第3の絶縁膜と、
前記第3の絶縁膜上に形成され、水素の拡散を防止する第3の水素拡散防止膜と、
前記第3の水素拡散防止膜上に形成された他の配線とを更に有する
ことを特徴とする半導体装置。
(付記10)
付記1乃至9のいずれかに記載の半導体装置において、
前記第2の水素拡散防止膜は、金属酸化膜を含む
ことを特徴とする半導体装置。
(付記11)
付記10記載の半導体装置において、
前記金属酸化膜は、酸化アルミニウム膜、酸化チタン膜、又は酸化タンタル膜である
ことを特徴とする半導体装置。
(付記12)
付記1乃至9のいずれかに記載の半導体装置において、
前記第2の水素拡散防止膜は、シリコン窒化膜又はシリコン窒化酸化膜を含む
ことを特徴とする半導体装置。
(付記13)
付記1乃至12のいずれかに記載の半導体装置において、
前記誘電体膜は、強誘電体膜又は高誘電体膜である
ことを特徴とする半導体装置。
(付記14)
付記13記載の半導体装置において、
前記強誘電体膜は、PbZr1−XTi膜、Pb1−XLaZr1−YTi膜、SrBi(TaNb1−X膜、又はBiTi12膜である
ことを特徴とする半導体装置。
(付記15)
付記13記載の半導体装置において、
前記高誘電体膜は、(BaSr)TiO膜、SrTiO膜、又はTa膜である
ことを特徴とする半導体装置。
(付記16)
付記1乃至15のいずれかにに記載の半導体装置において、
前記第2の水素拡散防止膜における膜応力は、5×10dyn/cm以下である
ことを特徴とする半導体装置。
(付記17)
半導体基板上にゲート絶縁膜を介してゲート電極を形成する工程と、
前記ゲート電極の両側の前記半導体基板内にソース/ドレイン拡散層を形成する工程と、
前記半導体基板上、前記ゲート電極上及び前記ソース/ドレイン拡散層上に、第1の絶縁膜を形成する工程と、
前記第1の絶縁膜に、前記ソース/ドレイン拡散層に達する第1のコンタクトホールを形成する工程と、
前記第1のコンタクトホール内に第1の導体プラグを埋め込む工程と、
前記第1の絶縁膜上に、下部電極と、前記下部電極上に形成された誘電体膜と、前記誘電体膜上に形成された上部電極とを有するキャパシタを形成する工程と、
前記第1の絶縁膜上及び前記キャパシタ上に、水素の拡散を防止する第1の水素拡散防止膜を形成する工程と、
前記第1の水素拡散防止膜上に、第2の絶縁膜を形成する工程と、
前記第2の絶縁膜の表面を研磨することにより、前記第2の絶縁膜の表面を平坦化する工程と、
前記第2の絶縁膜上に、水素の拡散を防止する第2の水素拡散防止膜を形成する工程と、
前記第1の水素拡散防止膜、前記第2の絶縁膜及び前記第2の水素拡散防止膜に、前記下部電極又は前記上部電極に達する第2のコンタクトホールを形成する工程と、
前記第1の水素拡散防止膜、前記第2の絶縁膜及び前記第2の水素拡散防止膜に、前記第1の導体プラグに達する第3のコンタクトホールを形成する工程と、
前記第2のコンタクトホール内に第2の導体プラグを埋め込むとともに、前記第3のコンタクトホール内に第3の導体プラグを埋め込む工程と、
前記第2の水素拡散防止膜上に、前記第2の導体プラグ又は前記第3の導体プラグに接続された配線を形成する工程と
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記18)
付記17記載の半導体装置の製造方法において、
前記第2の絶縁膜を形成する工程の後、前記第2の水素拡散防止膜を形成する工程の前に、熱処理を行う工程を更に有する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記19)
付記18記載の半導体装置の製造方法において、
前記熱処理を行う工程では、少なくともNOガスを用いて発生させたプラズマ雰囲気にて熱処理を行う
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記20)
付記18記載の半導体装置の製造方法において、
前記熱処理を行う工程の後、前記第2の水素拡散防止膜を形成する工程の前に、少なくともNOガスを用いて発生させたプラズマ雰囲気に前記第2の絶縁膜を暴露する工程を更に有する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記21)
付記17乃至20のいずれかに記載の半導体装置の製造方法において、
前記第1の導体プラグを埋め込む工程の後、前記キャパシタを形成する工程の前に、前記第1の絶縁膜上及び前記第1の導体プラグ上に、第3の絶縁膜を形成する工程を更に有する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記22)
付記21記載の半導体装置の製造方法において、
前記第3の絶縁膜は、シリコン窒化膜又はシリコン窒化酸化膜である
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記23)
付記17乃至20のいずれかに記載の半導体装置の製造方法において、
前記第2の水素拡散防止膜を形成する工程の後、前記配線を形成する工程の前に、前記第2の水素拡散防止膜上に第3の絶縁膜を形成する工程を更に有する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記24)
付記17乃至23のいずれかに記載の半導体装置の製造方法において、
前記第2のコンタクトホールを形成する工程の後、前記第3のコンタクトホールを形成する工程の前に、酸素又はオゾンを含む雰囲気中で前記キャパシタを熱処理する工程を更に有する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記25)
半導体基板上に形成され、下部電極と、前記下部電極上に形成された誘電体膜と、前記誘電体膜上に形成された上部電極とを有するキャパシタと、
前記半導体基板上及び前記キャパシタ上に形成され、表面が平坦化された絶縁膜と、
前記絶縁膜上に形成され、水素及び水分の拡散を防止する平坦なバリア膜とを有する半導体装置であって、
前記バリア膜は、水素及び水分の拡散を防止する第1の膜と、前記第1の膜によるストレスを緩和する第2の膜とを有する
ことを特徴とする半導体装置。
(付記26)
付記25記載の半導体装置において、
前記バリア膜は、前記第1の膜を複数有しており、
前記第2の膜は、複数の前記第1の膜の間に形成されている
ことを特徴とする半導体装置。
(付記27)
付記25記載の半導体装置において、
前記バリア膜は、前記第2の膜を複数有しており、
複数の前記第2の膜は、前記第1の膜の上下にそれぞれ形成されている
ことを特徴とする半導体装置。
(付記28)
付記25乃至27のいずれかに記載の半導体装置において、
前記第1の膜は、金属酸化物より成る
ことを特徴とする半導体装置。
(付記29)
付記28記載の半導体装置において、
前記金属酸化物は、酸化アルミニウム又は酸化チタンである
ことを特徴とする半導体装置。
(付記30)
付記25乃至29のいずれかに記載の半導体装置において、
前記第2の膜は、シリコン窒化膜又はシリコン窒化酸化膜である
ことを特徴とする半導体装置。
(付記31)
付記25乃至30のいずれかに記載の半導体装置において、
前記キャパシタの上方に形成され、前記下部電極又は前記上部電極に電気的に接続された配線を更に有し、
前記バリア膜は、前記キャパシタと前記配線との間に形成されている
ことを特徴とする半導体装置。
(付記32)
付記25乃至30のいずれかに記載の半導体装置において、
前記キャパシタの上方に形成され、前記下部電極又は前記上部電極に電気的に接続された第1の配線と、
前記第1の配線の上方に形成された第2の配線とを有し、
前記バリア膜は、前記第1の配線と前記第2の配線との間に形成されている
ことを特徴とする半導体装置。
(付記33)
付記25乃至30のいずれかに記載の半導体装置において、
前記キャパシタの上方に形成され、前記下部電極又は前記上部電極に電気的に接続された第1の配線と、
前記第1の配線の上方に形成された第2の配線と、
前記第2の配線の上方に形成された第3の配線とを更に有し、
前記バリア膜は、前記第2の配線と前記第3の配線との間に形成されている
ことを特徴とする半導体装置。
(付記34)
付記25乃至31のいずれかに記載の半導体装置において、
前記キャパシタの上方に形成され、前記下部電極又は前記上部電極に電気的に接続された第1の配線と、
前記第1の配線の上方に形成された第2の配線と、
前記第2の配線の上方に形成された第3の配線とを更に有し、
前記バリア膜は、前記キャパシタと前記第1の配線との間、前記第1の配線と前記第2の配線との間、及び、前記第2の配線と前記第3の配線との間に、それぞれ形成されている
ことを特徴とする半導体装置。
(付記35)
半導体基板上に、下部電極と、前記下部電極上に形成された誘電体膜と、前記誘電体膜上に形成された上部電極とを有するキャパシタを形成する工程と;前記半導体基板上及び前記キャパシタ上に、絶縁膜を形成する工程と;前記絶縁膜の表面を研磨することにより、前記絶縁膜の表面を平坦化する工程と;前記絶縁膜上に、水素及び水分の拡散を防止するバリア膜を形成する工程とを有する半導体装置の製造方法であって、
前記バリア膜を形成する工程は、水素及び水分の拡散を防止する第1の膜を形成する工程と、前記第1の膜によるストレスを緩和する第2の膜を形成する工程とを有する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記36)
付記35記載の半導体装置の製造方法において、
前記絶縁膜の表面を平坦化する工程の後、前記バリア膜を形成する工程の前に、窒素雰囲気にて熱処理を行うことにより、前記絶縁膜の表面を窒化する工程を更に有する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記37)
半導体基板上に形成され、下部電極と、前記下部電極上に形成された誘電体膜と、前記誘電体膜上に形成された上部電極とを有するキャパシタと、
前記半導体基板上及び前記キャパシタ上に形成され、表面が平坦化された絶縁膜と、
前記絶縁膜上に形成され、水素及び水分の拡散を防止する平坦なバリア膜とを有する半導体装置であって、
前記バリア膜は、水素及び水分の拡散を防止する複数の第1の膜を、絶縁体より成る第2の膜を介して積層して成る
ことを特徴とする半導体装置。
(付記38)
付記37記載の半導体装置において、
前記第1の膜は、金属酸化物より成る
ことを特徴とする半導体装置。
(付記39)
付記38記載の半導体装置において、
前記金属酸化物は、酸化アルミニウム又は酸化チタンである
ことを特徴とする半導体装置。
(付記40)
付記37乃至39のいずれかに記載の半導体装置において、
前記第2の膜は、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜又はシリコン窒化酸化膜である
ことを特徴とする半導体装置。
(付記41)
半導体基板上に、下部電極と、前記下部電極上に形成された誘電体膜と、前記誘電体膜上に形成された上部電極とを有するキャパシタを形成する工程と;前記半導体基板上及び前記キャパシタ上に、絶縁膜を形成する工程と;前記絶縁膜の表面を研磨することにより、前記絶縁膜の表面を平坦化する工程と;前記絶縁膜上に、水素及び水分の拡散を防止する平坦なバリア膜を形成する工程とを有する半導体装置の製造方法であって、
前記バリア膜を形成する工程では、水素及び水分の拡散を防止する複数の第1の膜を、絶縁体より成る第2の膜を介して積層する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記42)
付記41記載の半導体装置の製造方法において、
前記絶縁膜の表面を平坦化する工程の後、前記バリア膜を形成する工程の前に、窒素雰囲気にて熱処理を行うことにより、前記絶縁膜の表面を窒化する工程を更に有する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
2…メモリセル領域
4…周辺回路領域
10…半導体基板
12…素子分離領域
14a、14b…ウェル
16…ゲート絶縁膜
18…ゲート電極
20…サイドウォール絶縁膜
22…ソース/ドレイン拡散層
24…トランジスタ
26…層間絶縁膜
28、28a、28b…コンタクトホール
30…バリアメタル膜
32…導体プラグ
34…酸化防止膜
36…絶縁膜
38…下部電極
38a…酸化アルミニウム膜
38b…Pt膜
40…誘電体膜
42…上部電極
42a…IrO
42b…IrO
42c…Pt膜
44…キャパシタ
46…水素拡散防止膜
48…水素拡散防止膜
50…層間絶縁膜
52…水素拡散防止膜、水素・水分拡散防止膜
54…絶縁膜
56…コンタクトホール
58…コンタクトホール
60…バリアメタル膜
62…導体プラグ
64…配線
66…シリコン酸化膜
68…シリコン酸化膜
70…層間絶縁膜
72…コンタクトホール
74…バリアメタル膜
76…導体プラグ
78…配線
80…シリコン酸化膜
82…シリコン酸化膜
84…層間絶縁膜
86…コンタクトホール
88…バリアメタル膜
90…導体プラグ
92…配線
94…絶縁膜
96…シリコン窒化膜
98…ポリイミド膜
100…フォトレジスト膜
102…フォトレジスト膜
104…フォトレジスト膜
106…水素拡散防止膜
107…積層膜
108…水素拡散防止膜
110…絶縁膜
112…水素拡散防止膜
114…絶縁膜
116…シリコン酸化膜
118…層間絶縁膜
120…水素拡散防止膜
122…絶縁膜
124…ストレス緩和膜
126…水素・水分拡散防止膜
128、128a〜128d…バリア膜
130、130a…ストレス緩和膜
132…水素・水分拡散防止膜
134…ストレス緩和膜
136…水素・水分拡散防止膜
138…バリア膜
140…水素・水分拡散防止膜
142…ストレス緩和膜
144…水素・水分拡散防止膜
146…バリア膜
148…シリコン酸化膜
150…シリコン窒化酸化膜
152…シリコン酸化膜
154…層間絶縁膜
156…水素・水分拡散防止膜
158…Ir膜
160…シリコン窒化酸化膜
162…中間層
164…水素・水分拡散防止膜
166…中間層
168…水素・水分拡散防止膜
170…バリア膜
172…水素・水分拡散防止膜
174…中間層
176…水素・水分拡散防止膜
178…中間層
180…水素・水分拡散防止膜
182…バリア膜
184…水素・水分拡散防止膜
186…中間層
188…水素・水分拡散防止膜
190…中間層
192…水素・水分拡散防止膜
194…バリア膜

Claims (5)

  1. 半導体基板上に形成され、下部電極と、前記下部電極上に形成された誘電体膜と、前記誘電体膜上に形成された上部電極とを有するキャパシタと、
    前記半導体基板上及び前記キャパシタ上に形成され、研磨することにより、表面が平坦化された絶縁膜と、
    前記絶縁膜上に形成され、水素及び水分の拡散を防止する平坦なバリア膜とを有する半導体装置であって、
    前記バリア膜は、水素及び水分の拡散を防止する第1の膜と、前記第1の膜上に形成された絶縁体より成る第2の膜と、前記第2の膜上に形成された水素及び水分の拡散を防止する第3の膜とを有する
    ことを特徴とする半導体装置。
  2. 請求項記載の半導体装置において、
    前記第1の膜は、金属酸化物より成る
    ことを特徴とする半導体装置。
  3. 請求項又は記載の半導体装置において、
    前記絶縁膜及び前記バリア膜を貫いて形成され、前記下部電極又は前記上部電極に達するコンタクトホールと、
    前記コンタクトホール内に埋め込まれた導体プラグと、
    前記バリア膜上に形成され、前記導体プラグに接続された配線とを更に有する
    ことを特徴とする半導体装置。
  4. 半導体基板上に、下部電極と、前記下部電極上に形成された誘電体膜と、前記誘電体膜上に形成された上部電極とを有するキャパシタを形成する工程と
    前記半導体基板上及び前記キャパシタ上に、絶縁膜を形成する工程と
    前記絶縁膜の表面を研磨することにより、前記絶縁膜の表面を平坦化する工程と
    前記絶縁膜上に、水素及び水分の拡散を防止する平坦なバリア膜を形成する工程とを有する半導体装置の製造方法であって、
    前記バリア膜を形成する工程は、水素及び水分の拡散を防止する第1の膜を形成する工程と、前記第1の膜上に絶縁体より成る第2の膜を形成する工程と、前記第2の膜上に水素及び水分の拡散を防止する第3の膜を形成する工程とを有する
    ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  5. 請求項記載の半導体装置の製造方法において、
    前記絶縁膜及び前記バリア膜を貫き、前記下部電極又は前記上部電極に達するコンタクトホールを形成する工程と、
    前記コンタクトホール内に導体プラグを埋め込む工程と、
    前記バリア膜上に、前記導体プラグに接続された配線を形成する工程とを更に有する
    ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
JP2009292154A 2004-06-28 2009-12-24 半導体装置及びその製造方法 Expired - Fee Related JP5381688B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009292154A JP5381688B2 (ja) 2004-06-28 2009-12-24 半導体装置及びその製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004189365 2004-06-28
JP2004189365 2004-06-28
JP2009292154A JP5381688B2 (ja) 2004-06-28 2009-12-24 半導体装置及びその製造方法

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004330438A Division JP4803995B2 (ja) 2004-06-28 2004-11-15 半導体装置及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010135804A JP2010135804A (ja) 2010-06-17
JP5381688B2 true JP5381688B2 (ja) 2014-01-08

Family

ID=35822226

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009292154A Expired - Fee Related JP5381688B2 (ja) 2004-06-28 2009-12-24 半導体装置及びその製造方法

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP5381688B2 (ja)
CN (2) CN100431155C (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5981711B2 (ja) * 2011-12-16 2016-08-31 ルネサスエレクトロニクス株式会社 半導体装置および半導体装置の製造方法
KR102628719B1 (ko) * 2016-02-12 2024-01-24 가부시키가이샤 한도오따이 에네루기 켄큐쇼 반도체 장치 및 그 제작 방법
WO2019221797A1 (en) * 2018-05-17 2019-11-21 Sandisk Technologies Llc Three-dimensional memory device containing hydrogen diffusion blocking structures and method of making the same
CN109935530B (zh) * 2018-10-31 2023-05-12 湘潭大学 一种用于铁电器件中铁电薄膜可靠性评估的实验方法
CN112071268B (zh) * 2020-08-12 2022-02-22 武汉华星光电半导体显示技术有限公司 显示面板和显示装置
KR20220145978A (ko) * 2021-04-22 2022-11-01 삼성전자주식회사 반도체 소자

Family Cites Families (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3331334B2 (ja) * 1999-05-14 2002-10-07 株式会社東芝 半導体装置の製造方法
JP3950290B2 (ja) * 1999-09-10 2007-07-25 三星電子株式会社 キャパシタ保護膜を含む半導体メモリ素子及びその製造方法
DE10041685C2 (de) * 2000-08-24 2002-06-27 Infineon Technologies Ag Verfahren zur Herstellung eines mikroelektronischen Bauelements
JP2003100994A (ja) * 2001-09-27 2003-04-04 Oki Electric Ind Co Ltd 強誘電体メモリおよびその製造方法
JP2003197878A (ja) * 2001-10-15 2003-07-11 Hitachi Ltd メモリ半導体装置およびその製造方法
JP2003152165A (ja) * 2001-11-15 2003-05-23 Fujitsu Ltd 半導体装置およびその製造方法
JP2003243626A (ja) * 2002-02-19 2003-08-29 Seiko Epson Corp 強誘電体メモリ装置の製造方法
JP2003273325A (ja) * 2002-03-15 2003-09-26 Oki Electric Ind Co Ltd 半導体装置およびその製造方法
JP2004039816A (ja) * 2002-07-02 2004-02-05 Matsushita Electric Ind Co Ltd 半導体装置及びその製造方法
JP2004095861A (ja) * 2002-08-30 2004-03-25 Fujitsu Ltd 半導体装置及びその製造方法
CN1284242C (zh) * 2002-11-13 2006-11-08 松下电器产业株式会社 半导体器件及其制造方法
JP4105656B2 (ja) * 2004-05-13 2008-06-25 株式会社東芝 半導体装置及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010135804A (ja) 2010-06-17
CN100431155C (zh) 2008-11-05
CN101299429A (zh) 2008-11-05
CN101299429B (zh) 2010-12-15
CN1716609A (zh) 2006-01-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4803995B2 (ja) 半導体装置及びその製造方法
US6740531B2 (en) Method of fabricating integrated circuit devices having dielectric regions protected with multi-layer insulation structures
JP4946287B2 (ja) 半導体装置及びその製造方法
JP2007165350A (ja) 半導体装置の製造方法
JP5381688B2 (ja) 半導体装置及びその製造方法
US7655531B2 (en) Semiconductor device and method for fabricating the same
JP4930371B2 (ja) 半導体装置及びその製造方法
JP5170101B2 (ja) 半導体装置とその製造方法
US20050002266A1 (en) Semiconductor device and its manufacturing method
JPWO2006134663A1 (ja) 半導体装置及びその製造方法
JP5168273B2 (ja) 半導体装置とその製造方法
JP4800711B2 (ja) 半導体装置の製造方法
US7728370B2 (en) Semiconductor device and manufacturing method of the same
US20090206379A1 (en) Semiconductor device and manufacturing method thereof
US20080179645A1 (en) Semiconductor device and method of producing the same
KR100943011B1 (ko) 반도체 장치 및 그 제조 방법
JP2017123388A (ja) 半導体装置及びその製造方法
KR100698866B1 (ko) 반도체 장치의 제조 방법
JP5998844B2 (ja) 半導体装置およびその製造方法
KR20070031278A (ko) 반도체 장치 및 그 제조 방법
JP2007207970A (ja) 半導体装置及び半導体装置の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120605

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120606

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120806

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20130226

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130527

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20130603

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130903

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130916

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5381688

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees