JP5379784B2 - 固定焦点レンズ - Google Patents

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Description

この発明は、35mmカメラ、ビデオカメラ、電子スチルカメラなどに用いる固定焦点レンズに関する。
一眼レフカメラでは、撮影画像とファインダー画像とを一致させるために、撮影用レンズを通った光をフィルムの手前に置いたミラーで反射させ、その光を光学式ファインダーに導く機構を備えていた。このため、一眼レフカメラに用いる固定焦点レンズには、長いバックフォーカスが必要となり、設計の自由度が制限されていた。一方、デジタルカメラでは、撮像素子で捉えた画像を電子式ファインダーに表示するだけで従来の一眼レフカメラと同等のことを実現できる。このため、光学式ファインダーやこれに撮影像を導くためのミラーを省くことで装置の小型化を実現する、いわゆる「ミラーレス一眼カメラ」が登場してきた。ミラーレス一眼カメラでは、撮影用レンズのバックフォーカスを短くすることができるため、これに用いる固定焦点レンズの設計自由度も向上するという利点がある。そこで、ミラーレス一眼カメラに搭載可能な固定焦点レンズも多くなってきている(たとえば、特許文献1〜3を参照。)。
特許第3950571号公報 特許第3445554号公報 特開2003−43348号公報
特許文献1に開示されている光学系は、1枚の負レンズでフォーカス群を構成している点では簡素化が実現されているものの、フォーカス群以外のレンズ群の構成はレンズ枚数が多く簡素化が図れていない。また、フォーカスストロークを短くするためと考えられるが、絞りよりも物体側にフォーカス群を配置したままでは、入射瞳位置が深くなることによる前玉径の拡大が避けられない。以上のような理由で、特許文献1に開示された光学系は十分な小型化が図られているとは云えず、近年、さらなる小型化が要求されているミラーレス一眼カメラには不向きである。
また、特許文献2に開示されている光学系は、特許文献1に開示された光学系に比べ簡素な構成となっているが、フォーカスストロークに対する撮像上のピント感度が小さいため至近距離撮影時にフォーカス群を大きく移動させる必要が生じ、光学系の小型化が図れていないという問題がある。
また、特許文献3に開示されている光学系は、フォーカス群を2枚のレンズで構成することで簡素化が図れているが、やはりピント敏感度が小さいため至近距離撮影時にフォーカス群を大きく移動させる必要が生じ、光学系の小型化が図れていないという問題がある。
このように、上記各特許文献に記載の技術をはじめとする従来の固定焦点レンズでは、十分な小型、軽量化が達成されたと云えるものはなかった。
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、小型、軽量で、優れた結像性能を備えたインナーフォーカス方式の固定焦点レンズを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、この発明にかかる固定焦点レンズは、物体側から順に配置された、正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群と、からなり、前記第1レンズ群は開口絞りを含み構成されるとともに、前記開口絞りは該開口絞りの結像面側に負レンズが隣接する位置に配置され、前記第2レンズ群は単体のレンズ要素で構成されており、フォーカシング時に、前記第2レンズ群が光軸に沿って移動し、前記第1レンズ群および前記第3レンズ群は結像面に対して固定され、以下の条件式を満足することを特徴とする。
(2) 0.4<F3/F<1.8
ただし、F3は前記第3レンズ群の焦点距離、Fは光学系全系の焦点距離を示す。
この発明によれば、小型、軽量で、結像性能に優れたインナーフォーカス方式の固定焦点レンズを提供することができる。
さらに、この発明にかかる固定焦点レンズは、前記発明において、以下の条件式を満足することを特徴とする。
(1) 0.7<|(1−β2G)×β3G|<7.0
ただし、β2Gは無限遠合焦状態における前記第2レンズ群の近軸結像倍率、β3Gは無限遠合焦状態における前記第3レンズ群の近軸結像倍率を示す。
この発明によれば、光学系全長の短縮化を達成しつつ、結像性能の向上を図ることができる。
さらに、この発明にかかる固定焦点レンズは、前記発明において、前記第3レンズ群が1枚の正レンズ、または正レンズと負レンズにより構成されていることを特徴とする。
この発明によれば、光学系の構成の簡素化を図って、光学系全長の短縮化を達成することができる。
さらに、この発明にかかる固定焦点レンズは、前記発明において、以下の条件式を満足することを特徴とする。
(3) 0.2<FR2/F<0.6
ただし、FR2は前記第2レンズ群の結像面側の曲率半径、Fは光学系全系の焦点距離を示す。
この発明によれば、光学系の小型化を阻害せず、より良好な結像性能が得られる。
さらに、この発明にかかる固定焦点レンズは、前記発明において、以下の条件式を満足することを特徴とする。
(4) 1.50<nd<2.0
(5) 25<νd<68
ただし、ndは前記第2レンズ群のd線に対する平均屈折率、νdは前記第2レンズ群のd線に対する平均アッベ数を示す。
この発明によれば、光学系の小型化を阻害せず、より良好な収差補正が可能になる。
さらに、この発明にかかる固定焦点レンズは、前記発明において、以下の条件式を満足することを特徴とする。
(6) 0.3<F1/F<1.1
ただし、F1は前記第1レンズ群の焦点距離、Fは光学系全系の焦点距離を示す。
この発明によれば、高い光学性能を維持したまま、簡素で小型の固焦点レンズを実現できる。
この発明によれば、小型、軽量で、優れた結像性能を備えたインナーフォーカス方式の固定焦点レンズを提供することができるという効果を奏する。
実施例1にかかる固定焦点レンズの構成を示す光軸に沿う断面図である。 実施例1にかかる固定焦点レンズの無限遠合焦状態における諸収差図である。 実施例1にかかる固定焦点レンズの撮影倍率0.025倍合焦状態における諸収差図である。 実施例1にかかる固定焦点レンズの最至近距離合焦状態における諸収差図である。 実施例2にかかる固定焦点レンズの構成を示す光軸に沿う断面図である。 実施例2にかかる固定焦点レンズの無限遠合焦状態における諸収差図である。 実施例2にかかる固定焦点レンズの撮影倍率0.025倍合焦状態における諸収差図である。 実施例2にかかる固定焦点レンズの最至近距離合焦状態における諸収差図である。 実施例3にかかる固定焦点レンズの構成を示す光軸に沿う断面図である。 実施例3にかかる固定焦点レンズの無限遠合焦状態における諸収差図である。 実施例3にかかる固定焦点レンズの撮影倍率0.025倍合焦状態における諸収差図である。 実施例3にかかる固定焦点レンズの最至近距離合焦状態における諸収差図である。 実施例4にかかる固定焦点レンズの構成を示す光軸に沿う断面図である。 実施例4にかかる固定焦点レンズの無限遠合焦状態における諸収差図である。 実施例4にかかる固定焦点レンズの撮影倍率0.025倍合焦状態における諸収差図である。 実施例4にかかる固定焦点レンズの最至近距離合焦状態における諸収差図である。
以下、この発明にかかる固定焦点レンズの好適な実施の形態を詳細に説明する。
この発明にかかる固定焦点レンズは、物体側から順に配置された、正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群と、からなる
光学系の全長を短くするためには、前記第1レンズ群に後続する前記第2レンズ群と前記第3レンズ群合成の結像倍率を大きくして、前記第1レンズ群の焦点距離を短くすることが好ましい。しかし、前記第2レンズ群と前記第3レンズ群の結像倍率をむやみに大きくすると、前記第1レンズ群で生じる収差を後続群でさらに拡大させてしまう。この弊害を避けるため、前記第1レンズ群自身で、群内で発生する収差を極力小さくしなくてはならない。前記第1レンズ群自身で収差を良好に補正できるようにするためには、前記第1レンズ群に正レンズおよび負レンズをそれぞれ少なくとも2枚以上配置するとよい。そこで、この発明にかかる固定焦点レンズでは、前記第1レンズ群内に、正レンズおよび負レンズをそれぞれ少なくとも2枚以上配置する。なお、前記第1レンズ群は、フォーカシング時にも結像面に対して固定されている。
また、この発明にかかる固定焦点レンズでは、開口絞りを前記第1レンズ群内に配置する。そして、35mmカメラ換算の焦点距離で35mmから50mm近辺の標準レンズ域では、前記第1レンズ群を前群と後群とに分割しその中間に開口絞りを配置することが好ましい。開口絞りに対してレンズが略対称に配置されていると、諸収差を適切に補正することが容易になる。一方、35mmカメラ換算の焦点距離で90mmから150mm近辺の中望遠域で用いる場合には、必ずしも前記前群と前記後群の中間部に開口絞りを配置する必要はない。この場合には、開口絞りを前記第1レンズ群内の結像面寄りに配置してもよい。なお、開口絞りより隣接して結像面側に負レンズを配置するとよい。このようにすると、特に、サジタル像面湾曲の補正に優れた効果が期待できる。また、開口絞りを、前記第2レンズ群よりも物体側の、前記第1レンズ群内に配置することは、諸収差を適度に補正することのみならず、前玉径を縮小することもできるので有用である。
前記第2レンズ群は、単体のレンズ要素で構成されることが好ましい。前記第2レンズ群を光軸に沿う方向に移動させることにより、フォーカシングを行う。フォーカス群を軽量化することは、オートフォーカス機構の負荷を減らし、低消費電力、鏡筒外径の縮小化を図ることができる。なお、単体のレンズ要素とは、単一の研磨レンズや、非球面レンズ、複合非球面レンズ、接合レンズを含み、空気層をもち互いに接着されていないたとえば正負の2枚レンズなどは含まない。
前記第3レンズ群は、結像面に対して固定されている。これは、移動を可能にして差し支えないが、鏡筒外部からたとえば指などの進入によりレンズ保持機構を破壊することを防ぐため、固定とすることが好ましい。
以上のような特徴を備えることで、この発明にかかる固定焦点レンズは、少ないレンズ枚数で構成されているため軽量で、かつ光学系全長も短くすることができる。また、開口絞りを前記第1レンズ群内の適切な位置に配置することにより、諸収差の補正に優れた効果を発揮するとともに、光学系の前玉径を小さくすることもできる。
この発明は、小型、軽量で、優れた結像性能を備えたインナーフォーカス方式の固定焦点レンズを提供することを目的としている。そこで、かかる目的をより確実に達成するため、上記の特徴に加え、以下に示すような各種条件を設定している。
まず、この発明にかかる固定焦点レンズでは、無限遠合焦状態における前記第2レンズ群の近軸結像倍率をβ2G、無限遠合焦状態における前記第3レンズ群の近軸結像倍率β3Gとするとき、次の条件式を満足することが好ましい。
(1) 0.7<|(1−β2G)×β3G|<7.0
条件式(1)は、無限遠合焦状態から最至近距離合焦状態にかけてのフォーカス群のストローク量を決定し、光学系のピント敏感度を規定するものである。この条件式(1)で規定される値は、光学系のサイズ、結像性能を決定する重要な要素である。条件式(1)においてその下限を下回ると、フォーカス群のストローク量が増え、所望の最至近距離合焦状態を確保しようとすると光学全長の拡大が不可避となってしまい、好ましくない。一方、条件式(1)においてその上限を超えると、前記第2レンズ群以降の結像倍率が増大し、特に軸外の倍率色収差の悪化を招く。この不都合を回避するためには、前記第1レンズ群を構成するレンズの枚数を増やす必要が生じ、光学系を簡素な構成とすることが困難となるため、好ましくない。
なお、上記条件式(1)は、次に示す範囲を満足すると、より好ましい効果が期待できる。
(1)’ 0.8<|(1−β2G)×β3G|<6.5
この条件式(1)’で規定する範囲を満足することにより、より光学系全長の短縮化を達成しつつ、より結像性能の向上を図ることができる。
さらに、上記条件式(1)’は、次に示す範囲を満足すると、さらなる好ましい効果が期待できる。
(1)’’ 0.9<|(1−β2G)×β3G|<6.0
この条件式(1)’’で規定する範囲を満足することにより、光学系全長のさらなる短縮化を達成しつつ、結像性能のさらなる向上を図ることができる。
さらに、この発明にかかる固定焦点レンズでは、光学系の構成の簡素化を図るため、前記第3レンズ群を1枚の正レンズ、または正レンズと負レンズにより構成するとよい。そして、前記第3レンズ群には、結像面への主光線の入射角を大きくするために正の屈折力を持たせる必要がある。そこで、この発明にかかる固定焦点レンズでは、前記第3レンズ群の焦点距離F3、光学系全系の焦点距離をFとするとき、次の条件式を満足することが好ましい。
(2) 0.4<F3/F<1.8
条件式(2)は、光学系全長の短縮化と結像性能の維持とを両立させるための条件を示すものである。条件式(2)においてその下限を下回ると、光学系のバックフォーカスが短くなってピント敏感度を大きくすることができなくなり、光学系全長の大型化が避けられなくなるので好ましくない。一方、条件式(2)においてその上限を超えると、ピント敏感度を大きくすることができる反面、光学系のバックフォーカスが長くなりすぎるため好ましくない。
なお、上記条件式(2)は、次に示す範囲を満足すると、より好ましい効果が期待できる。
(2)’ 0.45<F3/F<1.65
この条件式(2)’で規定する範囲を満足することにより、より光学系全長の短縮化を達成しつつ、より結像性能の向上を図ることができる。
さらに、上記条件式(2)’は、次に示す範囲を満足すると、さらなる好ましい効果が期待できる。
(2)’’ 0.5<F3/F<1.5
この条件式(2)’’で規定する範囲を満足することにより、光学系全長のさらなる短縮化を達成しつつ、結像性能のさらなる向上を図ることができる。
また、この発明にかかる固定焦点レンズでは、前記第2レンズ群の結像面側の面に、前記第1レンズ群および前記第2レンズ群で発生したアンダー側の像面湾曲をオーバー側に補正する役目を担っている。そこで、この発明にかかる固定焦点レンズでは、前記第2レンズ群の結像面側面の曲率半径をFR2、光学系全系の焦点距離をFとするとき、次の条件式を満足することが好ましい。
(3) 0.2<FR2/F<0.6
条件式(3)は、前記第2レンズ群の結像面側面の曲率半径を規定し、結像性能を維持させるためのものである。条件式(3)においてその下限を下回ると、像面湾曲がオーバー側に過大となり過ぎ、軸上と軸外との結像性能をバランスさせることが困難となる。一方、条件式(3)においてその上限を超えると、上記とは逆に像面湾曲がアンダー側に過大となり過ぎ、特に最至近距離における像面湾曲が大きくなって最至近距離合焦状態の結像性能が劣化するため、好ましくない。
なお、上記条件式(3)は、次に示す範囲を満足すると、より好ましい効果が期待できる。
(3)’ 0.25<FR2/F<0.55
この条件式(3)’で規定する範囲を満足することにより、光学系の小型化を阻害せず、より良好な結像性能が得られる。
さらに、上記条件式(3)’は、次に示す範囲を満足すると、さらなる好ましい効果が期待できる。
(3)’’ 0.30<FR2/F<0.5
この条件式(3)’’で規定する範囲を満足することにより、光学系の小型化を阻害せず、結像性能のさらなる向上を図ることができる。
さらに、この発明にかかる固定焦点レンズでは、前記第2レンズ群のd線に対する平均屈折率をnd、前記第2レンズ群のd線に対する平均アッベ数をνdとするとき、次の条件式を満足することが好ましい。
(4) 1.50<nd<2.0
(5) 25<νd<68
条件式(4)は前記第2レンズ群のd線に対する平均屈折率を、条件式(5)は前記第2レンズ群のd線に対する平均アッベ数を規定するものである。前記第2レンズ群を高屈折率レンズで構成すると、収差が小さく抑えながらピント敏感度を大きくすることができるため有利である。第2レンズ群を高分散レンズで構成すると、前記第1レンズ群で発生した色収差、特に倍率の色収差の補正に効果的である。ここで、条件式(4),(5)で規定した条件を逸脱して低屈折率、低分散のレンズで前記第2レンズ群を構成すると、前記第1レンズ群で補正しきれない収差を前記第2レンズ群で補正することができなくなる。
なお、上記条件式(4),(5)は、次に示す範囲を満足すると、より好ましい効果が期待できる。
(4)’ 1.53<nd<1.95
(5)’ 30<νd<65
この条件式(4)’,(5)’で規定する範囲を満足することにより、光学系の小型化を阻害せず、より良好な収差補正を実現することができる。
さらに、上記条件式(4)’,(5)’は、次に示す範囲を満足すると、さらなる好ましい効果が期待できる。
(4)’’ 1.55<nd<1.90
(5)’’ 31<νd<65
この条件式(4)’’,(5)’’で規定する範囲を満足することにより、光学系の小型化を阻害せず、さらに良好な収差補正を実現することができるようになる。
尚、平均屈折率とは、例えば複合非球面レンズなど複数の材料からなる単体レンズ要素の場合、その平均値をいう。また、平均アッベ数とは、同様に、例えば複合非球面レンズなど複数の材料からなる単体レンズ要素の場合、その平均値をいう。また、この発明にかかる固定焦点レンズにおいて、前記第1レンズ群の焦点距離は光学系全長に与える影響が大きい。光学系全長の短縮のためには、前記第1レンズ群の焦点距離の適切化が必要になる。そこで、この発明にかかる固定焦点レンズでは、前記第1レンズ群の焦点距離をF1、光学系全系の焦点距離をFとするとき、次の条件式を満足することが好ましい。
(6) 0.3<F1/F<1.1
条件式(6)は、前記第1レンズ群の焦点距離を規定するためのものである。条件式(6)においてその下限を下回ると、前記第1レンズ群に後続する各レンズ群の結像倍率を大きくせざるを得ず、多くのレンズが必要となって、少ないレンズ構成で結像性能の良好な光学系を実現させることが困難となる。一方、条件式(6)においてその上限を超えると、光学全長が長くなりすぎ、光学系の小型化を損なう。
なお、上記条件式(6)は、次に示す範囲を満足すると、より好ましい効果が期待できる。
(6)’ 0.35<F1/F<1.0
この条件式(6)’で規定する範囲を満足することにより、高い光学性能を維持したまま、簡素で小型の固焦点レンズを実現できる。
さらに、上記条件式(6)’は、次に示す範囲を満足すると、さらなる好ましい効果が期待できる。
(6)’’ 0.40<F1/F<0.9
この条件式(6)’’で規定する範囲を満足することにより、高い光学性能を維持したまま、より簡素で小型の固焦点レンズを実現できる。
以上説明したように、この発明にかかる固定焦点レンズは、少ないレンズ枚数で構成されているため軽量で、かつ光学系全長も短くすることができる。また、開口絞りを前記第1レンズ群内の適切な位置に配置することにより、諸収差の補正に優れた効果を発揮するとともに、光学系の前玉径を小さくすることもできる。さらに、上記各条件式を満足することにより、より小型、軽量で、かつ優れた結像性能を備えたインナーフォーカス式の固定焦点レンズを実現することができる。
以下、この発明にかかる固定焦点レンズの実施例を図面に基づき詳細に説明する。なお、以下の実施例によりこの発明が限定されるものではない。
図1は、実施例1にかかる固定焦点レンズの構成を示す光軸に沿う断面図である。この固定焦点レンズは、図示しない物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G11、負の屈折力を有する第2レンズ群G12、正の屈折力を有する第3レンズ群G13が配置されて構成される。なお、第3レンズ群G13の後方(図面右側)の結像面IMGには、CCDやCMOSなどの撮像素子の受光面が配置される。
第1レンズ群G11は、前記物体側から順に、正レンズL111、正レンズL112、負レンズL113、負レンズL114、および正レンズL115が配置されて構成される。負レンズL113と負レンズL114との間には、所定の口径を規定する開口絞りSTが配置されている。また、負レンズL114の前記物体側面には、非球面が形成されている。なお、第1レンズ群G11は固定されており、フォーカシング時に移動しない。
第2レンズ群G12は、負レンズL121により構成されている。負レンズL121の結像面IMG側の面には、非球面が形成されている。第2レンズ群G12は、光軸に沿って前記物体側から結像面IMG側へ移動することにより、無限遠合焦状態から最至近距離合焦状態までのフォーカシングを行う。
第3レンズ群G13は、正レンズL131により構成されている。この第3レンズ群G13も固定されており、フォーカシング時に移動しない。
以下、実施例1にかかる固定焦点レンズに関する各種数値データを示す。
(レンズデータ)
0=∞(物体面)
0=D(0)
1=56.088
1=2.941 nd1=1.91082 νd1=35.2
2=-78.854
2=0.200
3=16.767
3=2.831 nd2=1.91082 νd2=35.2
4=60.401
4=0.879
5=-153.141
5=0.800 nd3=1.84666 νd3=23.8
6=13.386
6=3.013
7=∞(開口絞り)
7=1.600
8=-123.515(非球面)
8=0.800 nd4=1.68893 νd4=31.2
9=66.188
9=5.540
10=48.146
10=2.497 nd5=1.91082 νd5=35.2
11=-30.362
11=D(11)
12=69.746
12=0.800 nd6=1.68893 νd6=31.2
13=12.168(非球面)
13=D(13)
14=18.127
14=2.638 nd7=1.72916 νd7=54.7
15=145.590
15=FB
16=∞(結像面)
(円錐係数(K)および非球面係数(A4,A6,A8,A10))
(第8面)
K=0,
4=1.29983×10-7, A6=8.66172×10-8,
8=-1.05350×10-9, A10=1.64719×10-11
(第13面)
K=0,
4=-1.93195×10-5, A6=-2.22932×10-7,
8=1.22482×10-9, A10=-3.13255×10-11
(各合焦状態の数値データ)
無限遠 0.025倍 最至近距離(0.089倍)
全系の焦点距離(F) 35.270 34.883 33.704
第1レンズ群G11の焦点距離(F1) 27.950
第3レンズ群G13の焦点距離(F3) 28.150
Fno. 2.00 2.01 2.06
半画角(ω) 13.56 13.36 12.85
像高 8.50 8.50 8.50
光学系全長 47.343 47.360 47.414
D(0) ∞ 1414.116 401.999
D(11) 1.500 2.083 3.5945
D(13) 3.795 3.212 1.700
FB(バックフォーカス) 17.50 17.50 17.50
(条件式(1)に関する数値)
無限遠合焦状態における第2レンズ群G12の近軸結像倍率(β2G)= 4.00
無限遠合焦状態における第3レンズ群G13の近軸結像倍率(β3G)= 0.32
|(1−β2G)×β3G|=0.96
(条件式(2)に関する数値)
F3/F=0.80
(条件式(3)に関する数値)
FR2/F=0.35
(条件式(4)に関する数値)
nd=1.68893
(条件式(5)に関する数値)
νd=31.2
(条件式(6)に関する数値)
F1/F=0.80
また、図2は、実施例1にかかる固定焦点レンズの無限遠合焦状態における諸収差図である。図3は、実施例1にかかる固定焦点レンズの撮影倍率0.025倍合焦状態における諸収差図である。図4は、実施例1にかかる固定焦点レンズの最至近距離合焦状態における諸収差図である。図中、gはg線(λ=435.83nm)、dはd線(λ=587.56nm)に相当する波長の収差を表す。そして、非点収差図におけるs,mは、それぞれサジタル像面、メリディオナル像面に対する収差を表す。
図5は、実施例2にかかる固定焦点レンズの構成を示す光軸に沿う断面図である。この固定焦点レンズは、図示しない物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G21、負の屈折力を有する第2レンズ群G22、正の屈折力を有する第3レンズ群G23が配置されて構成される。なお、第3レンズ群G23の後方(図面右側)の結像面IMGには、CCDやCMOSなどの撮像素子の受光面が配置される。
第1レンズ群G21は、前記物体側から順に、正レンズL211、正レンズL212、負レンズL213、負レンズL214、および正レンズL215が配置されて構成される。負レンズL213と負レンズL214との間には、所定の口径を規定する開口絞りSTが配置されている。また、負レンズL214の前記物体側面には、非球面が形成されている。なお、第1レンズ群G21は固定されており、フォーカシング時に移動しない。
第2レンズ群G22は、負レンズL221により構成されている。負レンズL221の結像面IMG側の面には、非球面が形成されている。第2レンズ群G22は、光軸に沿って前記物体側から結像面IMG側へ移動することにより、無限遠合焦状態から最至近距離合焦状態までのフォーカシングを行う。
第3レンズ群G23は、正レンズL231により構成されている。この第3レンズ群G23も固定されており、フォーカシング時に移動しない。
以下、実施例2にかかる固定焦点レンズに関する各種数値データを示す。
(レンズデータ)
0=∞(物体面)
0=D(0)
1=23.220
1=4.219 nd1=1.88300 νd1=40.8
2=218.633
2=0.200
3=17.836
3=2.517 nd2=1.72916 νd2=54.7
4=35.075
4=1.608
5=682.870
5=0.800 nd3=1.80518 νd3=25.5
6=12.539
6=3.317
7=∞(開口絞り)
7=1.600
8=6515.162(非球面)
8=0.800 nd4=1.68893 νd4=31.2
9=41.134
9=2.209
10=24.428
10=2.603 nd5=1.91082 νd5=35.2
11=-97.665
11=D(11)
12=-391.408
12=0.800 nd6=1.56732 νd6=42.8
13=12.687(非球面)
13=D(13)
14=21.841
14=3.552 nd7=1.62041 νd7=60.3
15=-53.109
15=FB
16=∞(結像面)
(円錐係数(K)および非球面係数(A4,A6,A8,A10))
(第8面)
K=0,
4=1.31522×10-6, A6=4.08403×10-8,
8=3.73283×10-10, A10=2.41864×10-12
(第13面)
K=0,
4=-2.17308×10-5, A6=-3.37294×10-7,
8=4.64174×10-9, A10=-6.19872×10-11
(合焦状態の各数値データ)
無限遠 0.025倍 最至近距離(0.105倍)
全系の焦点距離(F) 40.00 39.84 38.72
第1レンズ群G21の焦点距離(F1) 33.64
第3レンズ群G23の焦点距離(F3) 25.41
Fno. 2.00 2.04 2.16
半画角(ω) 12.09 11.77 10.85
像高 8.50 8.50 8.50
光学系全長 49.337 49.346 49.395
D(0) ∞ 1617.695 400.000
D(11) 1.500 2.225 4.572
D(13) 4.773 4.048 1.700
FB(バックフォーカス) 18.85 18.85 18.85
(条件式(1)に関する数値)
無限遠合焦状態における第2レンズ群G22の近軸結像倍率(β2G)= 6.06
無限遠合焦状態における第3レンズ群G23の近軸結像倍率(β3G)= 0.20
|(1−β2G)×β3G|=1.01
(条件式(2)に関する数値)
F3/F=0.63
(条件式(3)に関する数値)
FR2/F=0.32
(条件式(4)に関する数値)
nd=1.56732
(条件式(5)に関する数値)
νd=42.8
(条件式(6)に関する数値)
F1/F=0.84
また、図6は、実施例2にかかる固定焦点レンズの無限遠合焦状態における諸収差図である。図7は、実施例2にかかる固定焦点レンズの撮影倍率0.025倍合焦状態における諸収差図である。図8は、実施例2にかかる固定焦点レンズの最至近距離合焦状態における諸収差図である。図中、gはg線(λ=435.83nm)、dはd線(λ=587.56nm)に相当する波長の収差を表す。そして、非点収差図におけるs,mは、それぞれサジタル像面、メリディオナル像面に対する収差を表す。
図9は、実施例3にかかる固定焦点レンズの構成を示す光軸に沿う断面図である。この固定焦点レンズは、図示しない物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G31、負の屈折力を有する第2レンズ群G32、正の屈折力を有する第3レンズ群G33が配置されて構成される。なお、第3レンズ群G33の後方(図面右側)の結像面IMGには、CCDやCMOSなどの撮像素子の受光面が配置される。
第1レンズ群G31は、前記物体側から順に、正レンズL311、正レンズL312、負レンズL313、負レンズL314、および正レンズL315が配置されて構成される。正レンズL312と負レンズL313とは接合されている。負レンズL313と負レンズL314との間には、所定の口径を規定する開口絞りSTが配置されている。また、正レンズL312の前記物体側面および負レンズL314の両面には、それぞれ非球面が形成されている。なお、第1レンズ群G31は固定されており、フォーカシング時に移動しない。
第2レンズ群G32は、負レンズL321により構成されている。負レンズL321の結像面IMG側の面には、非球面が形成されている。第2レンズ群G32は、光軸に沿って前記物体側から結像面IMG側へ移動することにより、無限遠合焦状態から最至近距離合焦状態までのフォーカシングを行う。
第3レンズ群G33は、正レンズL331により構成されている。この第3レンズ群G33も固定されており、フォーカシング時に移動しない。
以下、実施例3にかかる固定焦点レンズに関する各種数値データを示す。
(レンズデータ)
0=∞(物体面)
0=D(0)
1=284.746
1=2.440 nd1=1.91082 νd1=35.2
2=-84.740
2=0.150
3=11.199(非球面)
3=4.358 nd2=1.91082 νd2=35.2
4=22.008
4=0.800 nd3=2.00069 νd3=25.5
5=8.198
5=4.000
6=∞(開口絞り)
6=3.095
7=-8.357(非球面)
7=1.000 nd4=1.84666 νd4=23.8
8=-11.150(非球面)
8=0.300
9=22.517
9=3.902 nd5=1.91082 νd5=35.2
10=-29.820
10=D(10)
11=-79.568
11=0.800 nd6=1.84666 νd6=23.8
12=14.000(非球面)
12=D(12)
13=32.737
13=4.253 nd7=1.88300 νd7=40.8
14=-25.745
14=FB
15=∞(結像面)
(円錐係数(K)および非球面係数(A4,A6,A8,A10))
(第3面)
K=0,
4=-3.66301×10-6, A6=-1.21276×10-7,
8=1.69648×10-9, A10=-1.79277×10-11
(第7面)
K=0,
4=3.562023×10-4, A6=1.26121×10-6,
8=3.15187×10-8, A10=-1.50996×10-11
(第8面)
K=0,
4=2.66056×10-4, A6=5.09367×10-8,
8=2.99061×10-8, A10=-3.38903×10-10
(第12面)
K=0,
4=1.13628×10-5, A6=-5.64832×10-7,
8=1.193354×10-9, A10=3.02064×10-11
(各合焦状態の数値データ)
無限遠 0.025倍 最至近距離(0.072倍)
全系の焦点距離(F) 28.33 28.40 28.36
第1レンズ群G31の焦点距離(F1) 23.47
第3レンズ群G33の焦点距離(F3) 16.90
Fno. 2.0 2.0 2.0
半画角(ω) 16.76 16.32 15.55
像高 8.50 8.50 8.50
光学系全長 45.5 45.5 45.5
D(0) ∞ 1143 404
D(10) 1.50 1.97 2.84
D(12) 3.04 2.57 1.70
FB(バックフォーカス) 15.8 15.8 15.8
(条件式(1)に関する数値)
無限遠合焦状態における第2レンズ群G32の近軸結像倍率(β2G)=293.3
無限遠合焦状態における第3レンズ群G33の近軸結像倍率(β3G)=0.004
|(1−β2G)×β3G|=1.17
(条件式(2)に関する数値)
F3/F=0.60
(条件式(3)に関する数値)
FR2/F=0.49
(条件式(4)に関する数値)
nd=1.84663
(条件式(5)に関する数値)
νd=23.8
(条件式(6)に関する数値)
F1/F=0.83
また、図10は、実施例3にかかる固定焦点レンズの無限遠合焦状態における諸収差図である。図11は、実施例3にかかる固定焦点レンズの撮影倍率0.025倍合焦状態における諸収差図である。図12は、実施例3にかかる固定焦点レンズの最至近距離合焦状態における諸収差図である。図中、gはg線(λ=435.83nm)、dはd線(λ=587.56nm)に相当する波長の収差を表す。そして、非点収差図におけるs,mは、それぞれサジタル像面、メリディオナル像面に対する収差を表す。
図13は、実施例4にかかる固定焦点レンズの構成を示す光軸に沿う断面図である。この固定焦点レンズは、図示しない物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G41、負の屈折力を有する第2レンズ群G42、正の屈折力を有する第3レンズ群G43が配置されて構成される。なお、第3レンズ群G43の後方(図面右側)の結像面IMGには、CCDやCMOSなどの撮像素子の受光面が配置される。
第1レンズ群G41は、前記物体側から順に、正レンズL411、正レンズL412、負レンズL413、負レンズL414、および正レンズL415が配置されて構成される。負レンズL413と負レンズL414との間には、所定の口径を規定する開口絞りSTが配置されている。また、負レンズL414の前記物体側面には、非球面が形成されている。なお、第1レンズ群G41は固定されており、フォーカシング時に移動しない。
第2レンズ群G42は、負レンズL421により構成されている。負レンズL421の結像面IMG側の面には、非球面が形成されている。第2レンズ群G42は、光軸に沿って前記物体側から結像面IMG側へ移動することにより、無限遠合焦状態から最至近距離合焦状態までのフォーカシングを行う。
第3レンズ群G43は、前記物体側から順に、正レンズL431、負レンズL432が配置されて構成されている。この第3レンズ群G43も固定されており、フォーカシング時に移動しない。
以下、実施例4にかかる固定焦点レンズに関する各種数値データを示す。
(レンズデータ)
0=∞(物体面)
0=D(0)
1=24.947
1=4.087 nd1=1.88300 νd1=40.8
2=2036.994
2=0.200
3=17.575
3=2.647 nd2=1.72916 νd2=54.7
4=41.758
4=1.252
5=-626.969
5=0.800 nd3=1.80518 νd3=25.5
6=13.096
6=3.118
7=∞(開口絞り)
7=1.600
8=-185.378(非球面)
8=0.800 nd4=1.68893 νd4=31.2
9=45.523
9=2.663
10=28.713
10=2.468 nd5=1.90366 νd5=31.3
11=-62.409
11=D(11)
12=-313.795
12=0.800 nd6=1.56732 νd6=42.8
13=12.347(非球面)
13=D(13)
14=19.939
14=4.372 nd7=1.62041 νd7=60.3
15=-30.346
15=0.977
16=-24.000
16=0.800 nd8=1.90270 νd8=31.0
17=-33.209
17=FB
18=∞(結像面)
(円錐係数(K)および非球面係数(A4,A6,A8,A10))
(第8面)
K=0,
4=1.59362×10-6, A6=7.92123×10-8,
8=-2.39664×10-10, A10=5.01713×10-12
(第13面)
K=0,
4=-3.05079×10-5, A6=-1.28827×10-7,
8=-3.92826×10-9, A10=3.01816×10-11
(合焦状態の各数値データ)
無限遠 0.025倍 最至近距離(0.1倍)
全系の焦点距離(F) 38.53 38.36 37.31
第1レンズ群G41の焦点距離(F1) 32.29
第3レンズ群G43の焦点距離(F3) 24.63
Fno. 2.0 2.0 2.0
半画角(ω) 16.0 15.5 14.2
像高 8.5 8.5 8.5
光学系全長 48.5 48.5 48.5
D(0) ∞ 1557 401
D(11) 1.50 2.20 4.32
D(13) 4.52 3.83 1.70
FB(バックフォーカス) 15.9 15.9 15.9
(条件式(1)に関する数値)
無限遠合焦状態における第2レンズ群G42の近軸結像倍率(β2G)=5.58
無限遠合焦状態における第3レンズ群G43の近軸結像倍率(β3G)=0.21
|(1−β2G)×β3G|=0.98
(条件式(2)に関する数値)
F3/F=0.70
(条件式(3)に関する数値)
FR2/F=0.35
(条件式(4)に関する数値)
nd=1.56732
(条件式(5)に関する数値)
νd=42.8
(条件式(6)に関する数値)
F1/F=0.92
また、図14は、実施例4にかかる固定焦点レンズの無限遠合焦状態における諸収差図である。図15は、実施例4にかかる固定焦点レンズの撮影倍率0.025倍合焦状態における諸収差図である。図16は、実施例4にかかる固定焦点レンズの最至近距離合焦状態における諸収差図である。図中、gはg線(λ=435.83nm)、dはd線(λ=587.56nm)に相当する波長の収差を表す。そして、非点収差図におけるs,mは、それぞれサジタル像面、メリディオナル像面に対する収差を表す。
なお、上記各実施例中の数値データにおいて、r1,r2,・・・・は各レンズ、絞り面などの曲率半径、d1,d2,・・・・は各レンズ、絞りなどの肉厚またはそれらの面間隔、nd1,nd2,・・・・は各レンズのd線(λ=587.56nm)における屈折率、νd1,νd2,・・・・は各レンズのd線(λ=587.56nm)におけるアッベ数を示している。そして、長さの単位はすべて「mm」、角度の単位はすべて「°」である。
また、上記各非球面形状は、非球面の深さをZ、曲率(1/r)をc、光軸からの高さをhとし、光の進行方向を正とするとき、以下に示す式により表される。
Figure 0005379784
ただし、Kは円錐係数、A4,A6,A8,A10はそれぞれ4次,6次,8次,10次の非球面係数である。
以上説明したように、上記各実施例の固定焦点レンズは、少ないレンズ枚数で構成されているため軽量で、かつ光学系全長も短くすることができる。また、開口絞りを第1レンズ群内の適切な位置に配置することにより、諸収差の補正に優れた効果を発揮するとともに、光学系の前玉径を小さくすることもできる。さらに、上記各条件式を満足することにより、より小型、軽量で、かつ優れた結像性能を備えたインナーフォーカス式の固定焦点レンズを実現することができる。また、上記各実施例の固定焦点レンズは、適宜非球面が形成されたレンズや接合レンズを用いているため、少ないレンズ枚数で、良好な光学性能を維持することができる。
以上のように、この発明の固定焦点レンズは、35mmカメラ、ビデオカメラ、電子スチルカメラなどに有用であり、特に、バックフォーカスが短い、いわゆるミラーレス一眼カメラに最適である。
11,G21,G31,G41 第1レンズ群
12,G22,G32,G42 第2レンズ群
13,G23,G33,G43 第3レンズ群
111,L112,L115,L131,L211,L212,L215,L231,L311,L312,L315,L331,L411,L412,L415,L431 正レンズ
113,L114,L121,L213,L214,L221,L313,L314,L321,L413,L414,L421,L432 負レンズ
IMG 結像面
ST 開口絞り

Claims (6)

  1. 物体側から順に配置された、正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群と、からなり
    前記第1レンズ群は開口絞りを含み構成されるとともに、前記開口絞りは該開口絞りの結像面側に負レンズが隣接する位置に配置され、
    前記第2レンズ群は単体のレンズ要素で構成されており、
    フォーカシング時に、前記第2レンズ群が光軸に沿って移動し、前記第1レンズ群および前記第3レンズ群は結像面に対して固定され
    以下の条件式を満足することを特徴とする固定焦点レンズ。
    (2) 0.4<F3/F<1.8
    ただし、F3は前記第3レンズ群の焦点距離、Fは光学系全系の焦点距離を示す。
  2. 以下の条件式を満足することを特徴とする請求項1に記載の固定焦点レンズ。
    (1) 0.7<|(1−β2G)×β3G|<7.0
    ただし、β2Gは無限遠合焦状態における前記第2レンズ群の近軸結像倍率、β3Gは無限遠合焦状態における前記第3レンズ群の近軸結像倍率を示す。
  3. 前記第3レンズ群は、1枚の正レンズ、または正レンズと負レンズにより構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の固定焦点レンズ。
  4. 以下の条件式を満足することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の固定焦点レンズ。
    (3) 0.2<FR2/F<0.6
    ただし、FR2は前記第2レンズ群の結像面側面の曲率半径、Fは光学系全系の焦点距離を示す。
  5. 以下の条件式を満足することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の固定焦点レンズ。
    (4) 1.50<nd<2.0
    (5) 25<νd<68
    ただし、ndは前記第2レンズ群のd線に対する平均屈折率、νdは前記第2レンズ群のd線に対する平均アッベ数を示す。
  6. 以下の条件式を満足することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の固定焦点レンズ。
    (6) 0.3<F1/F<1.1
    ただし、F1は前記第1レンズ群の焦点距離、Fは光学系全系の焦点距離を示す。
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