JP4067828B2 - ズームレンズ及びそれを用いた電子撮像装置 - Google Patents

ズームレンズ及びそれを用いた電子撮像装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ズームレンズ及びそれを用いた電子撮像装置に関し、特に、ズームレンズ等の光学系部分の工夫により奥行き方向の薄型化を実現したズームレンズ及びそれを用いたビデオカメラやデジタルカメラ等の電子撮像装置に関するものである。また、そのズームレンズはリアフォーカスを可能にならしめたものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、銀塩35mmフィルム(通称ライカ版)カメラに代わる次世代カメラとしてデジタルカメラ(電子カメラ)が注目されてきている。さらに、それは業務用高機能タイプからポータブルな普及タイプまで幅広い範囲でいくつものカテゴリーを有するようになってきている。
【0003】
本発明においては、特にポータブルな普及タイプのカテゴリーに注目し、高画質を確保しながら奥行きの薄いビデオカメラ、デジタルカメラを実現する技術を提供することをねらっている。カメラの奥行き方向を薄くするのに最大のネックとなっているのは、光学系、特にズームレンズ系の最も物体側の面から撮像面までの厚みである。最近では、撮影時に光学系をカメラボディ内からせり出し携帯時に光学系をカメラボディ内に収納するいわゆる沈胴式鏡筒を採用することが主流になっている。
【0004】
しかしながら、使用するレンズタイプやフィルターによって光学系沈胴時の厚みが大きく異なる。特にズーム比やF値等、仕様を高く設定するには、最も物体側のレンズ群が正の屈折力を有するいわゆる正先行型ズームレンズは、各々のレンズエレメントの厚みやデッドースペースが大きく、沈胴してもたいして厚みが薄くならない(特開平11−258507号)。負先行型で特に2乃至3群構成のズームレンズはその点有利であるが、群内構成枚数が多かったり、エレメントの厚みが大きかったり、最も物体側のレンズが正レンズの場合も沈胴しても薄くならない(特開平11−52246号)。現在知られている中で電子撮像素子用に適しかつズーム比、画角、F値等を含めた結像性能が良好で沈胴厚を最も薄くできる可能性を有するものの例として、特開平11−194274号、特開平11−287953号、特開2000−9997等のものがある。
【0005】
奥行きの薄いカメラボディにするためには、まずトータルの構成枚数を少なくすること、そして、第2レンズ群以降全てのレンズ群の合成倍率を高くして、広角側での入射瞳位置を浅くして第1レンズ群を薄くすること、さらに、合焦時のレンズ移動を、前群ではなくいわゆるリアフォーカス方式とし、合焦時の収差変動が少ない光学系を選択すること、があげられる。また、撮像素子を小さくするという方法もあるが、同じ画素数とするためには画素ピッチを小さくする必要があり、感度不足を光学系でカバーしなければならない。回折の影響も然りである。そのためには、F値を明るくしなくてはならない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は従来技術のこのような状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、構成枚数が少なく、リアフォーカス方式等機構レイアウト上小型で簡素にしやすく、無限遠から近距離まで安定した高い結像性能を有するズーム方式あるいはズーム構成を選択し、さらには、レンズエレメントを薄くして各群の総厚を薄くしたり、フィルター類の選択をも考慮して、徹底的にレンズ系収納時の奥行き方向の薄型化を図ることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明のズームレンズは、物体側より順に、負の屈折力を有する第1レンズ群と、全体として正の屈折力を有する第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群とからなり、
無限遠物点合焦点時に広角端から望遠端へ変倍する際に少なくとも前記第2レンズ群が物体側へ移動し、
前記第2レンス群が、物体側から順に、非球面を有する正レンズL21と負レンズL22と正レンズL23とからなる第2レンズ群前群と、負レンズL24からなる第2レンズ群後群とにて構成され、
前記第2レンズ群後群は単独でフォーカスのために移動可能であり、
以下の条件を満足することを特徴とすることを特徴とするものである。
【0008】
(1) 1.2<(R24F +R24R )/(R24F −R24R )<10
(2) 0.3<1/β24<0.9
但し、R24F 、R24R はそれぞれ負レンズL24の物体側の面、像側の面の光軸上の曲率半径、β24は無限遠物点合焦時の広角端における負レンズL24の倍率である。
【0009】
なお、本発明において、レンズとは、単一の媒質からなるレンズを一単位とし、接合レンズは複数のレンズからなるものとする。また、レンズ成分は、間に空気間隔を配さないレンズ群を意味し、単レンズ又は接合レンズを意味する。
【0010】
以下、本発明において、上記構成をとる理由と作用を説明する。
【0011】
電子撮像装置全体からみた場合、フォーカシングレンズが軽量かつ小さいことが望ましい。負の第1レンズ群、正の第2レンズ群、正の3レンズ群からなるズームレンズにおいて、第3レンズ群を1枚で構成しフォーカシングレンズとして使うことがこれまで提案されていたが、より絞りに近い第2レンズ群の像側のレンズをフォーカシングに使うことによりさらにフォーカシングレンズを軽量かつ小さくすることができる。
【0012】
第2レンズ群の全体の主点を像側に配置し、かつ、第2レンズ群後群1枚でフォーカシングする場合、第2レンズ群前群を、物体側から順に、正レンズL21と負レンズL22と正レンズL23とから構成し、第2レンズ群後群を条件式(1)、(2)を満たすように構成すると、コンパクトな構成でかつ効率的な収差補正が可能になる。
【0013】
また、第2レンズ群の像側のレンズをフォーカシングに使うことにより、第3レンズ群の収差補正力を向上させることができるというメリットもある。すなわち、第3レンズ群をフォーカシング群とする場合、フォーカシングによる収差変動を少なくするために特に非球面効果による収差補正に制約を受ける。第2レンズ群の像側のレンズをフォーカシングに使う場合は、条件式(1)、(2)を満足させることにより、第3レンズ群の収差補正力を十分に引き出しつつ、第2レンズ群での収差補正も確保できる。
【0014】
条件式(1)は、フォーカス時の収差変動を抑えるために不可欠な条件である。また、本発明のレンズ系では、レンズをカメラ本体に収納する際に少なくとも変倍やフォーカス時の可変間隔について機械的干渉が生ずる直前まで詰めることでカメラ本体を極めて薄くする関係上、できるだけデッドスペースの発生を抑えなくてはならない。条件式(1)の上限の10を越えると、負レンズL24の形状自身により嵩張りやすく好ましくない。下限の1.2を越えると、フォーカスによる球面収差の発生が著しく好ましくない。
【0015】
条件式(2)は、負レンズL24によるフォーカスの成立性を示すもので、その上限の0.9、下限の0.3を越えると、負レンズL24を移動してもフォーカス位置を満足に移動することができない。
【0016】
なお、条件(1)、(2)の何れかあるいは両方を以下のようにするとよりよい。
【0017】
(1)’ 1.6<(R24F +R24R )/(R24F −R24R )<8.0
(2)’ 0.35<1/β24<0.85
さらに、条件(1)、(2)の何れかあるいは両方を以下のようにするとさらによい。特に両方を以下のようにすると最もよい。
【0018】
(1)” 2.0<(R24F +R24R )/(R24F −R24R )<6.0
(2)” 0.4<1/β24<0.8
また、以下の条件を満足するとなおよい。
【0019】
(3) ν24>30
(4) 0.2<−L/f24<0.6
ただし、ν24は負レンズL24の媒質のd線基準アッベ数、f24は負レンズL24の焦点距離、Lは撮像素子の有効撮像領域の対角長(mm)である。
【0020】
条件(3)は、負レンズL24のアッベ数を規定したものである。フォーカス時に色収差の変動が発生しないようにできるだけ低分散であることが望ましい。下限値の30を越えると、軸上色収差、倍率色収差のバランスを崩す。
【0021】
条件(4)は、負レンズL24のパワーを規定したものであり、上限の0.6を越えると、特に広角端で射出瞳位置が像面に近くなりシェーディングが発生しやすく好ましくない。
【0022】
なお、条件(3)、(4)の何れかあるいは両方を以下のようにするとよりよい。
【0023】
(3)’ ν24>32
(4)’ 0.25<−L/f24<0.5
さらに、条件(3)、(4)の何れかあるいは両方を以下のようにするとさらによい。特に両方を以下のようにすると最もよい。
【0024】
(3)” ν24>34
(4)” 0.3<−L/f24<0.4
なお、本発明のリアフォーカス方式は、特に広角端から望遠端にかけて変倍する際に物体側に単調に移動する正の屈折力のレンズ群を有するズームレンズにおいては、広角端から望遠端までの変倍全域での収差変動やそれを小さく補正した後の残存収差、特に非点収差やコマ収差が大きい傾向にある。それを補正するために、最終群に非球面を導入して補正を行うと効果的である。この群はフォーカスのために移動すると収差変動が大きく、かつ、変倍時に移動しても格別な効果を得ることはない。したがって、変倍時、フォーカス時は光軸方向には固定しておくのが望ましい。構成は単レンズ成分で十分である。また、形状に関して以下の条件を満足すると、収差補正には有利である。
【0025】
(5) 0.5<(R3F+R3R)/(R3F−R3R)<3.0
ただし、R3F、R3Rは第3レンズ群の最も物体側の面、最も像側の面の光軸上の曲率半径である。
【0026】
条件(5)の上限の3.0を越えると、球面収差補正、下限の0.5を越えると、非点収差等の軸外収差補正が困難となる。
【0027】
なお、以下のようにするとよりよい。
【0028】
(5)’ 0.7<(R3F+R3R)/(R3F−R3R)<2.7
さらに、以下のようにすると最もよい。
【0029】
(5)” 0.9<(R3F+R3R)/(R3F−R3R)<2.4
次に、第2レンズ群前群に関して、以下の条件を満足するとよい。
【0030】
(6) −1.0<(R23F +R23R )/(R23F −R23R )<0.5
(7) 0.04<t22/t2F<0.2
(8) ν22<26.5
ただし、R23F 、R23R はそれぞれ正レンズL23の物体側の面、像側の面の光軸上の曲率半径、t22は正レンズL21の像側の面から負レンズL22の像側の面までの光軸上の距離、t2Fは正レンズL21の物体側の面から正レンズL23の像側の面までの光軸上の距離、ν22は負レンズL22の媒質のd線基準アッベ数である。
【0031】
条件(6)は、正レンズL23の形状ファクターに関する規定である。下限の−1.0を越えると、第2レンズ群前群内の空気間隔d22を薄くしやすいが、コマ収差・非点収差の補正が困難になる。上限の0.5を越えると、負レンズL22(第2レンズ群前群の負レンズ)と正レンズL23(第2レンズ群前群の正レンズ)の機械的干渉でd22が大きくなりがちで、カメラ本体へのレンズの収納、いわゆる沈胴時のレンズ系奥行き厚を薄くするのに足枷となる。
【0032】
条件(7)は、正レンズL21の像側の面から負レンズL22の像側の面までの光軸上の距離t22を規定したものである。この部位はある程度厚くしないと非点収差が補正し切れないが、光学系の各エレメントの厚みを薄くする目的の場合、これが足枷になる。したがって、非点収差の補正は、第1レンズ群あるいは第3レンズ群の何れかの面に非球面を導入して補正する。それでも下限値の0.04を越えると、非点収差は補正し切れなくなる。上限値の0.2を越えると、厚さが許容できない。
【0033】
条件(8)は、軸上・倍率色収差の補正に関する規定であって、条件の上限の26.5を越えると、軸上色収差の補正不足を招く。下限はそれ以下に現実に適した媒質が存在しないため特に設けない。なお、レンズ材料を安価にするため、条件(8)について下限値を設けて、22<ν22としてもよい。
【0034】
なお、条件(6)〜(8)の何れか1つ以上あるいは全てを以下のようにするとよりよい。
【0035】
(6)’ −0.9<(R23F +R23R )/(R23F −R23R )<0.4
(7)’ 0.06<t22/t2F<0.18
(8)’ ν22<26
さらに、条件(6)〜(8)の何れか1つ以上を以下のようにするとさらによい。特に全てを以下のようにすると最もよい。
【0036】
(6)” −0.8<(R23F +R23R )/(R23F −R23R )<0.3
(7)” 0.08<t22/t2F<0.16
(8)” ν22<25.5
また、第2レンズ群に関し、正レンズL21と負レンズL22を接合レンズで構成し、以下の条件を満足するとよい。
【0037】
(9) 0.6<R22R /R21F <1.2
(10) 0.0<L/R22F <0.8
ただし、R21F は第2レンズ群前群における正レンズL21の物体側面の光軸上の曲率半径、R22F は第2レンズ群前群における接合面の光軸上の曲率半径、R22R は第2レンズ群前群における負レンズL22の像側面の光軸上の曲率半径である。
【0038】
条件(9)の上限の1.2を越えると、全系収差の球面収差・コマ収差・非点収差の補正には有利だが、接合による偏心敏感度の緩和の効果が少ない。下限の0.6を越えると、全系収差の球面収差・コマ収差・非点収差の補正が困難になりやすい。
【0039】
条件(10)も、軸上・倍率色収差の補正に関する規定であって、条件(10)の上限の0.8を越えると、第2レンズ群の接合レンズの厚みを薄くしやすいが、軸上色収差の補正が困難になる。下限の0.0を越えると、軸上色収差の補正には有利だが、接合レンズの厚みを厚くせざるを得ず、沈胴厚を薄くするのに足枷となる。
【0040】
なお、条件(9)、(10)の何れかあるいは両方を以下のようにするとよりよい。
【0041】
(9)’ 0.7<R22R /R21F <1.1
(10)’ 0.05<L/R22F <0.7
さらに、条件(9)、(10)の何れかあるいは両方を以下のようにするとさらによい。特に両方を以下のようにすると最もよい。
【0042】
(9)’ 0.8<R22R /R21F <1.0
(10)’ 0.1<L/R22F <0.6
最後に、第1レンズ群を薄くするための条件について、第1レンズ群は、以下の条件を満足しつつ、非球面を含む負レンズと正レンズの2枚のみで構成すれば、色収差や各ザイデル軸外収差は良好に補正可能であるため、薄型化に貢献する。
【0043】
(11) 0.6<R11R /L<1.3
ただし、R11R は第1レンズ群の屈折面に非球面を含む負レンズの像側の面の光軸上の曲率半径である。
【0044】
条件(11)の下限値の0.6を越えると、非球面を導入しても歪曲収差とコマ収差の補正バランスが難しく、上限値の1.3を越えると、倍率色収差の補正が困難となる。
【0045】
なお、以下のようにするとよりよい。
【0046】
(11)’ 0.65<R11R /L<1.2
さらに、以下のようにすると最もよい。
【0047】
(11)” 0.7<R11R /L<1.1
さらに、第1レンズ群に関して、以下の条件を満たすとよい。
【0048】
(12) 20<ν11−ν12
(13) −12<(R12F +R12R )/(R12F −R12R )<−4
ただし、ν11、ν12はそれぞれ第1レンズ群の負レンズ、正レンズの媒質のd線基準アッベ数、R12F 、R12R はそれぞれ第1レンズ群正レンズの物体側の面、像側の面の光軸上の曲率半径である。
【0049】
条件(12)は、変倍時における軸上・倍率色収差の変動に関して規定したものである。その下限値の20を越えると、軸上・倍率色収差の変動が大きくなりやすい。上限はそれ以上に現実に適した媒質が存在しないため特に設けない。この条件ついて、レンズ材料を安価にするため、上限値を設け、ν11−ν12<60としてもよい。
【0050】
条件(13)は、第1レンズ群正レンズのシェープファクターを規定したものである。その下限の−12を越えると、非点収差の補正上不利になる他、変倍時の機械的干渉を回避するために第2レンズ群との間隔を余分に必要とする点も不利になる。その上限の−4を越えると、歪曲収差の補正が不利になりやすい。
【0051】
なお、条件(12)、(13)の何れかあるいは両方を以下のようにするとよりよい。
【0052】
(12)’ 22<ν11−ν12
(13)’ −11<(R12F +R12R )/(R12F −R12R )<−4.5
さらに、条件(12)、(13)の何れかあるいは両方を以下のようにするとさらによい。特に両方を以下のようにすると最もよい。
【0053】
(12)” 24<ν11−ν12
(13)” −10<(R12F +R12R )/(R12F −R12R )<−5
なお、本発明のズームレンズは、広角域を含む電子撮像装置を構成する上で有利である。特に、広角端における対角方向の半画角ωW が以下の条件を満足する電子撮像装置に用いることが好ましい(後記の各実施例に記載の広角端半画角はωW に相当する。)。
【0054】
27°<ωW <42°
この条件の下限値の27°を越えて広角端半画角が狭くなると、収差補正上は有利になるが、実用的な広角端での画角ではなくなる。一方、上限値の42°を越えると、歪曲収差、倍率の色収差が発生しやすくなり、レンズ枚数が増加する。
【0055】
また、本願発明の電子撮像装置に用いるズームレンズは、軸外主光線を垂直に近い状態で撮像素子に導けるので、画像の周辺部まで良好な像が得られる。そのとき、撮像素子の有効撮像領域の対角長Lが3.0mm乃至12.0mmであることが、良好な画質と小型化を両立する上でより好ましい。
【0056】
この条件の下限値の3.0mmを越えて撮像素子が小さくなると、感度不足がカバーし難くなる。一方、上限値の12.0mmを越えて撮像素子が大きくなると、それに付随してズームレンズも大きくなる傾向にあり、薄型化の効果が薄れる。
【0057】
以上、ズームレンズ部について沈胴厚を薄くしつつも結像性能を良好にする手段を提供した。
【0058】
次に、フィルター類を薄くする件について言及する。電子撮像装置には、通常、赤外光が撮像面に入射しないように一定の厚みのある赤外吸収フィルターを撮像素子よりも物体側に挿入している。これを厚みのないコーティングに置き換えることを考える。当然その分薄くなる訳だが、副次的効果がある。ズームレンズ系後方にある撮像素子よりも物体側に、波長600nmでの透過率(τ600 )が80%以上、700nmでの透過率(τ700 )が8%以下の近赤外シャープカットコートを導入すると、吸収タイプよりも700nm以上の近赤外領域の透過率が低く、かつ、相対的に赤側の透過率が高くなり、補色モザイクフィルターを有するCCD等の固体撮像素子の欠点である青紫側のマゼンタ化傾向がゲイン調整により緩和され、原色フィルターを有するCCD等の固体撮像素子並みの色再現を得ることができる。
【0059】
すなわち、
(14) τ600 /τ550 ≧0.8
(15) τ700 /τ550 ≦0.08
を満たすことが望ましい。ただし、τ550 は波長550nmでの透過率である。
【0060】
なお、条件(14)、(15)の何れかあるいは両方を以下のようにするとよりよい。
【0061】
(14)’ τ600 /τ550 ≧0.85
(15)’ τ700 /τ550 ≦0.05
さらに、条件(14)、(15)の何れかあるいは両方を以下のようにするとさらによい。特に両方を以下のようにすると最もよい。
【0062】
(14)” τ600 /τ550 ≧0.9
(15)” τ700 /τ550 ≦0.03
CCD等の固体撮像素子のもう1つの欠点は、近紫外域の波長550nmに対する感度が人間の眼のそれよりもかなり高いことである。これも、近紫外域の色収差による画像のエッジ部の色にじみを目立たせている。特に光学系を小型化すると致命的である。したがって、波長400nmでの透過率(τ400 )の550nmでのそれ(τ550 )に対する比が0.08を下回り、440nmでの透過率(τ440 )の550nmでのそれ(τ550 )に対する比が0.4を上回るような吸収体あるいは反射体を光路上に挿入すれば、色再現上必要な波長域を失わず(良好な色再現を保ったまま)、色にじみなどのノイズがかなり軽減される。
【0063】
すなわち、
(16) τ400 /τ550 ≦0.08
(17) τ440 /τ550 ≧0.4
を満たすことが望ましい。
【0064】
なお、条件(16)、(17)の何れかあるいは両方を以下のようにするとよりよい。
【0065】
(16)’ τ400 /τ550 ≦0.06
(17)’ τ440 /τ550 ≧0.5
さらに、条件(16)、(17)の何れかあるいは両方を以下のようにするとさらによい。特に両方を以下のようにすると最もよい。
【0066】
(16)” τ400 /τ550 ≦0.04
(17)” τ440 /τ550 ≧0.6
なお、これらのフィルターの設置場所は結像光学系と撮像素子の間がよい。
【0067】
一方、補色フィルターの場合、その透過光エネルギーの高さから、原色フィルター付きCCDと比べ実質的感度が高く、かつ、解像的にも有利であるため、小型CCDを使用したときのメリットが大である。もう一方のフィルターである光学的ローパスフィルターについても、その総厚tLPF (mm)が以下の条件を満たすようにするとよい。
【0068】
(18) 0.15<tLPF /a<0.45
ただし、aは撮像素子の水平画素ピッチ(単位μm)であり、5μm以下である。
【0069】
沈胴厚を薄くするには、光学的ローパスフィルターを薄くすることも効果的であるが、一般的にはモアレ抑制効果が減少して好ましくない。一方、画素ピッチが小さくなるにつれて結像レンズ系の回折の影響により、ナイキスト限界以上の周波数成分のコントラストは減少し、モアレ抑制効果の現象はある程度許容されるようになる。例えば、像面上投影時の方位角度が水平(=0°)と±45°方向にそれぞれ結晶軸を有する3種類のフィルターを光軸方向に重ねて使用する場合、かなりモアレ抑制効果があることが知られている。この場合のフィルターが最も薄くなる仕様としては、水平にaμm、±45°方向にそれぞれSQRT(1/2) *aμmだけずらせるものが知られている。このときのフィルター厚は、凡そ[1+2*SQRT(1/2) ]*a/5.88(mm)となる。ここで、SQRTはスクエアルートであり平方根を意味する。これは、丁度ナイキスト限界に相当する周波数においてコントラストをゼロにする仕様である。これよりは数%乃至数十%程度薄くすると、ナイキスト限界に相当する周波数のコントラストが少し出てくるが、上記回折の影響で抑えるることが可能になる。
【0070】
上記以外のフィルター仕様、例えば2枚重ねあるいは1枚で実施する場合も含めて、条件(18)を満足するのがよい。その上限値の0.45を越えると、光学的ローパスフィルターが厚すぎ薄型化の妨げになる。下限値の0.15を越えると、モアレ除去が不十分になる。ただし、これを実施する場合のaの条件は5μm以下である。
【0071】
aが4μm以下なら、より回折の影響を受けやすいので
(18)’ 0.13<tLPF /a<0.42
としてもよい。
【0072】
また、水平画素ピッチと重ねるローパスフィルターの枚数に応じて、以下のようにしてもよい。
【0073】
(18)” 0.3<tLPF /a<0.4
ただし、3枚重ねかつ4≦a<5(μm)のとき、
0.2<tLPF /a<0.28
ただし、2枚重ねかつ4≦a<5(μm)のとき、
0.1<tLPF /a<0.16
ただし、1枚のみかつ4≦a<5(μm)のとき、
0.25<tLPF /a<0.37
ただし、3枚重ねかつa<4(μm)のとき、
0.16<tLPF /a<0.25
ただし、2枚重ねかつa<4(μm)のとき、
0.08<tLPF /a<0.14
ただし、1枚のみかつa<4(μm)のとき。
【0074】
画素ピッチの小さな電子撮像素子を使用する場合、絞り込みによる回折効果の影響で画質が劣化する。したがって、開口サイズが固定の複数の開口を有し、その中の1つを第1レンズ群の最も像側のレンズ面と第3レンズ群の最も物体側のレンズ面の間の何れかの光路内に挿入でき、かつ、他の開口と交換可能とすることで像面照度の調節することができる電子撮像装置としておき、その複数の開口の中、一部の開口内に550nmに対する透過率がそれぞれ異なり、かつ、80%未満であるような媒体を有するようにして光量調節を行なうのがよい。あるいは、a(μm)/Fナンバー<0.4となるようなF値に相当する光量になるように調節を実施する場合は、開口内に550nmに対する透過率がそれぞれ異なりかつ80%未満の媒体を有する電子撮像装置とするのがよい。例えば、開放値から上記条件の範囲外ではその媒体なしかあるいは550nmに対する透過率が91%以上のダミー媒質としておき、範囲内のときは回折の影響が出る程に開口絞り径を小さくするのではなく、NDフィルターのようなもので光量調節するのがよい。
【0075】
また、その複数の開口をそれぞれ径をF値に反比例して小さくしたものにして揃えておき、NDフィルターの代わりにそれぞれ周波数特性の異なる光学的ローパスフィルターを開口内に入れておくのでもよい。絞り込むにつれて回折劣化が大きくなるので、開口径が小さくなる程光学的ローパスフィルターの周波数特性を高く設定しておく。
【0076】
なお、以上において、各条件式について、それぞれ個別に後記の〔1〕〜〔14〕に記載した構成に限定しても、小型化、高性能化何れかにも効果がある。
【0077】
さらに、各条件式限定について、限定した条件式の下限値のみ若しくは上限値のみに限定しても当然に同様の効果があり、さらに、後記の実施例の各条件式に対応する値も各条件式の境界値近傍に変更することができる。
【0078】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の電子撮像装置に用いられるズームレンズの実施例1〜3について説明する。実施例1の無限遠物点合焦時の広角端(a)、中間状態(b)、望遠端(c)でのレンズ断面図を図1に示す。実施例2、3については、実施例1と同様であるので図示は省く。図1中、第1レンズ群はG1、絞りはS、第2レンズ群はG2、第3レンズ群はG3、赤外カット吸収フィルターはIF、ローパスフィルターはLF、電子撮像素子であるCCDのカバーガラスはCG、CCDの像面はIで示してあり、第2レンズ群G2の前群はG2Fで、後群はG2Rで示してある。なお、赤外カット吸収フィルターIFに代えて、透明平板の入射面に近赤外シャープカットコートとしたものを用いてもよいし、ローパスフィルターLFに直接近赤外シャープカットコートを施してもよい。
【0079】
実施例1〜3のズームレンズは、図1に示すように、物体側に凸の負メニスカスレンズと、物体側に凸の正メニスカスレンズとからなる負屈折力の第1レンズ群G1、開口絞りS、物体側に凸の正メニスカスレンズと物体側に凸の負メニスカスレンズの接合レンズと、両凸レンズとからなる第2レンズ群前群G2F、及び、両凸正レンズ1枚からなる第2レンズ群後群G2Rからなる第2レンズ群G2、像面側に凸の正メニスカスレンズ1枚からなる正屈折力の第3レンズ群G3からなり、広角端から望遠端に変倍する際は、第1レンズ群G1は物体側に凹の軌跡を描いて移動し、望遠端では広角端より像面側の位置になり、第2レンズ群G2は開口絞りSと一体に物体側に移動し、第3レンズ群G3は固定されている。近距離の被写体にフォーカシングするために、第2レンズ群後群G2Rは像面側に引き込まれる。
【0080】
非球面は、第1レンズ群G1の負メニスカスレンズの像面側の面、第2レンズ群前群G2Fの最も物体側の面、第3レンズ群G3の像面側の面の3面に用いられている。
【0081】
以下に、上記各実施例の数値データを示すが、記号は上記の外、fは全系焦点距離、ωは半画角、FNOはFナンバー、WEは広角端、STは中間状態、TEは望遠端、r1 、r2 …は各レンズ面の曲率半径、d1 、d2 …は各レンズ面間の間隔、nd1、nd2…は各レンズのd線の屈折率、νd1、νd2…は各レンズのアッベ数である。なお、非球面形状は、xを光の進行方向を正とした光軸とし、yを光軸と直交する方向にとると、下記の式にて表される。
【0082】
x=(y2 /r)/[1+{1−(K+1)(y/r)2 1/2 ]+A44 +A66 +A88 + A1010
ただし、rは近軸曲率半径、Kは円錐係数、A4、A6、A8、A10 はそれぞれ4次、6次、8次、10次の非球面係数である。
【0083】
実施例1
1 = 39.8669 d1 = 0.7000 nd1 =1.74320 νd1 =49.34
2 = 5.1507(非球面) d2 = 1.5976
3 = 6.1172 d3 = 1.8000 nd2 =1.80518 νd2 =25.42
4 = 8.3237 d4 = (可変)
5 = ∞(絞り) d5 = 1.2000
6 = 4.4582(非球面) d6 = 2.0000 nd3 =1.80610 νd3 =40.92
7 = 18.0000 d7 = 0.6000 nd4 =1.84666 νd4 =23.78
8 = 4.1046 d8 = 0.3500
9 = 8.0088 d9 = 1.3000 nd5 =1.77250 νd5 =49.60
10= -13.7769 d10= 0.6000
11= 6.9021 d11= 0.6000 nd6 =1.80100 νd6 =34.97
12= 4.3765 d12= (可変)
13= -22.1389 d13= 1.8000 nd7 =1.58913 νd7 =61.14
14= -6.6283(非球面) d14= 0.8000
15= ∞ d15= 0.8000 nd8 =1.51633 νd8 =64.14
16= ∞ d16= 1.5000 nd9 =1.54771 νd9 =62.84
17= ∞ d17= 0.8000
18= ∞ d18= 0.7500 nd10=1.51633 νd10=64.14
19= ∞ d19= 1.2099
20= ∞(像面)
非球面係数
第2面
K = 0
A4 =-3.2710 ×10-4
A6 = 8.9857 ×10-6
A8 =-1.0659 ×10-6
A10= 0.0000
第6面
K = 0
A4 =-8.8235 ×10-4
A6 =-1.9523 ×10-5
A8 =-1.1656 ×10-6
A10= 0.0000
第14面
K = 0
A4 = 7.1404 ×10-4
A6 =-3.1000 ×10-5
A8 = 1.4092 ×10-6
A10= 0.0000
ズームデータ(∞)
Figure 0004067828

【0084】
実施例2
1 = 39.2884 d1 = 0.7000 nd1 =1.74320 νd1 =49.34
2 = 5.1730(非球面) d2 = 1.7073
3 = 6.1925 d3 = 1.8000 nd2 =1.84666 νd2 =23.78
4 = 8.0968 d4 = (可変)
5 = ∞(絞り) d5 = 1.2000
6 = 4.4250(非球面) d6 = 2.0000 nd3 =1.80610 νd3 =40.92
7 = 30.0000 d7 = 0.6000 nd4 =1.84666 νd4 =23.78
8 = 4.0575 d8 = 0.4000
9 = 7.8656 d9 = 1.3000 nd5 =1.77250 νd5 =49.60
10= -13.8882 d10= 0.6000
11= 6.9391 d11= 0.6000 nd6 =1.77250 νd6 =49.60
12= 4.3418 d12= (可変)
13= -26.7590 d13= 1.8000 nd7 =1.58913 νd7 =61.14
14= -6.9905(非球面) d14= 0.8000
15= ∞ d15= 0.8000 nd8 =1.51633 νd8 =64.14
16= ∞ d16= 1.5000 nd9 =1.54771 νd9 =62.84
17= ∞ d17= 0.8000
18= ∞ d18= 0.7500 nd10=1.51633 νd10=64.14
19= ∞ d19= 1.2090
20= ∞(像面)
非球面係数
第2面
K = 0
A4 =-3.2364 ×10-4
A6 = 7.4783 ×10-6
A8 =-1.0065 ×10-6
A10= 0.0000
第6面
K = 0
A4 =-8.8639 ×10-4
A6 =-1.8671 ×10-5
A8 =-1.3631 ×10-6
A10= 0.0000
第14面
K = 0
A4 = 6.1728 ×10-4
A6 =-3.2702 ×10-5
A8 = 1.4592 ×10-6
A10= 0.0000
ズームデータ(∞)
Figure 0004067828

【0085】
実施例3
1 = 37.5972 d1 = 0.7000 nd1 =1.74320 νd1 =49.34
2 = 5.1720(非球面) d2 = 1.7110
3 = 6.1583 d3 = 1.8000 nd2 =1.84666 νd2 =23.78
4 = 7.9790 d4 = (可変)
5 = ∞(絞り) d5 = 1.2000
6 = 4.2907(非球面) d6 = 2.0000 nd3 =1.74320 νd3 =49.34
7 = 30.0000 d7 = 0.6000 nd4 =1.76182 νd4 =26.52
8 = 3.9714 d8 = 0.4000
9 = 7.9628 d9 = 1.3000 nd5 =1.77250 νd5 =49.60
10= -14.7155 d10= 0.6000
11= 6.9359 d11= 0.6000 nd6 =1.77250 νd6 =49.60
12= 4.3405 d12= (可変)
13= -33.3096 d13= 1.8000 nd7 =1.58913 νd7 =61.14
14= -7.3448(非球面) d14= 0.8000
15= ∞ d15= 0.8000 nd8 =1.51633 νd8 =64.14
16= ∞ d16= 1.5000 nd9 =1.54771 νd9 =62.84
17= ∞ d17= 0.8000
18= ∞ d18= 0.7500 nd10=1.51633 νd10=64.14
19= ∞ d19= 1.2092
20= ∞(像面)
非球面係数
第2面
K = 0
A4 =-3.2243 ×10-4
A6 = 7.7664 ×10-6
A8 =-1.0098 ×10-6
A10= 0.0000
第6面
K = 0
A4 =-9.9956 ×10-4
A6 =-2.1892 ×10-5
A8 =-1.8234 ×10-6
A10= 0.0000
第14面
K = 0
A4 = 5.1717 ×10-4
A6 =-3.3961 ×10-5
A8 = 1.5070 ×10-6
A10= 0.0000
ズームデータ(∞)
Figure 0004067828

【0086】
上記実施例1の無限遠にフォーカシングした場合の収差図を図2に、第2レンズ群G2の後群G2Rを像面側に移動することで撮影距離10cmにフォーカシングした場合の収差図を図3にそれぞれ示す。実施例2の同様の収差図を図4と図5に、実施例3の同様の収差図を図6と図7にそれぞれ示す。これら収差図の(a)は広角端、(b)は中間状態、(c)は望遠端での収差を表し、“SA”は球面収差、“AS”は非点収差、“DT”は歪曲収差、“CC”は倍率色収差を示す。また、各収差図中、“FIY”は像高を示す。
【0087】
次に、上記各実施例における条件(1)〜(18)の値、及び、Lの値を示す。
Figure 0004067828
【0088】
なお、実施例1〜3のローパスフィルターの総厚tLPF は何れも1.500(mm)で3枚重ねで構成している。もちろん、上述の実施例は、例えばローパスフィルターLFを1枚で構成する等、前記した構成の範囲内で種々変更可能である。
【0089】
ここで、有効撮像面の対角長Lと画素間隔aについて説明しておく。図8は、撮像素子の画素配列の1例を示す図であり、画素間隔aでR(赤)、G(緑)、B(青)の画素あるいはシアン、マゼンダ、イエロー、グリーン(緑)の4色の画素(図8)がモザイク状に配されている。有効撮像面は撮影した映像の再生(パソコン上での表示、プリンターによる印刷等)に用いる撮像素子上の光電変換面内における領域を意味する。図中に示す有効撮像面は、光学系の性能(光学系の性能が確保し得るイメージサークル)に合わせて、撮像素子の全光電変換面よりも狭い領域に設定されている。有効撮像面の対角長Lは、この有効撮像面の対角長である。なお、映像の再生に用いる撮像範囲を種々変更可能としてよいが、そのような機能を有する撮像装置に本発明のズームレンズを用いる際は、その有効撮像面の対角長Lが変化する。そのような場合は、本発明における有効撮像面の対角長Lは、Lのとり得る範囲における最大値とする。
【0090】
また、赤外カット手段については、赤外カット吸収フィルターIFと赤外シャープカットコートとがあり、赤外カット吸収フィルターIFはガラス中に赤外吸収体が含有される場合で、赤外シャープカットコートは吸収でなく反射によるカットである。したがって、前記したように、この赤外カット吸収フィルターIFを除去して、ローパスフィルターLFに直接赤外シャープカットコートを施してもよいし、ダミー透明平板上に施してもよい。
【0091】
この場合の近赤外シャープカットコートは、波長600nmでの透過率が80%以上、波長700nmでの透過率が10%以下となるように構成することが望ましい。具体的には、例えば次のような27層の層構成からなる多層膜である。ただし、設計波長は780nmである。
【0092】
基 板 材質 物理的膜厚(nm) λ/4
───────────────────────────────
第1層 Al2 3 58.96 0.50
第2層 TiO2 84.19 1.00
第3層 SiO2 134.14 1.00
第4層 TiO2 84.19 1.00
第5層 SiO2 134.14 1.00
第6層 TiO2 84.19 1.00
第7層 SiO2 134.14 1.00
第8層 TiO2 84.19 1.00
第9層 SiO2 134.14 1.00
第10層 TiO2 84.19 1.00
第11層 SiO2 134.14 1.00
第12層 TiO2 84.19 1.00
第13層 SiO2 134.14 1.00
第14層 TiO2 84.19 1.00
第15層 SiO2 178.41 1.33
第16層 TiO2 101.03 1.21
第17層 SiO2 167.67 1.25
第18層 TiO2 96.82 1.15
第19層 SiO2 147.55 1.05
第20層 TiO2 84.19 1.00
第21層 SiO2 160.97 1.20
第22層 TiO2 84.19 1.00
第23層 SiO2 154.26 1.15
第24層 TiO2 95.13 1.13
第25層 SiO2 160.97 1.20
第26層 TiO2 99.34 1.18
第27層 SiO2 87.19 0.65
───────────────────────────────
空 気 。
【0093】
上記の近赤外シャープカットコートの透過率特性は図9に示す通りである。 また、ローパスフィルターLFの射出面側には、図10に示すような短波長域の色の透過を低滅する色フィルターを設けるか若しくはコーティングを行うことで、より一層電子画像の色再現性を高めている。
【0094】
具体的には、このフィルター若しくはコーティングにより、波長400nm〜700nmで透過率が最も高い波長の透過率に対する420nmの波長の透過率の比が15%以上であり、その最も高い波長の透過率に対する400nmの波長の透過率の比が6%以下であることが好ましい。
【0095】
それにより、人間の目の色に対する認識と、撮像及び再生される画像の色とのずれを低減させることができる。言い換えると、人間の視覚では認識され難い短波長側の色が、人間の目で容易に認識されることによる画像の劣化を防止することができる。
【0096】
上記の400nmの波長の透過率の比が6%を越えると、人間の目では認識され難い単波長城が認識し得る波長に再生されてしまい、逆に、上記の420nmの波長の透過率の比が15%よりも小さいと、人間の認識し得る波長城の再生が低くなり、色のバランスが悪くなる。
【0097】
このような波長を制限する手段は、補色モザイクフィルターを用いた撮像系においてより効果を奏するものである。
【0098】
上記各実施例では、図10に示すように、波長400nmにおける透過率を0%、420nmにおける透過率を90%、440nmにて透過率のピーク100%となるコーティングとしている。
【0099】
前記した近赤外シャープカットコートとの作用の掛け合わせにより、波長450nmの透過率99%をピークとして、400nmにおける透過率を0%、420nmにおける透過率を80%、600nmにおける透過率を82%、700nmにおける透過率を2%としている。それにより、より忠実な色再現を行っている。
【0100】
また、ローパスフィルターLFは、像面上投影時の方位角度が水平(=0°)と±45°方向にそれぞれ結晶軸を有する3種類のフィルターを光軸方向に重ねて使用しており、それぞれについて、水平にaμm、±45°方向にそれぞれSQRT(1/2) ×aだけずらすことで、モアレ抑制を行っている。ここで、SQRTは前記のようにスクエアルートであり平方根を意味する。
【0101】
また、CCDの撮像面I上には、図11に示す通り、シアン、マゼンダ、イエロー、グリーン(緑)の4色の色フィルターを撮像画素に対応してモザイク状に設けた補色モザイクフィルターを設けている。これら4種類の色フィルターは、それぞれが略同じ数になるように、かつ、隣り合う画素が同じ種類の色フィルターに対応しないようにモザイク状に配置されている。それにより、より忠実な色再現が可能となる。
【0102】
補色モザイクフィルターは、具体的には、図11に示すように少なくとも4種類の色フィルターから構成され、その4種類の色フィルターの特性は以下の通りであることが好ましい。
【0103】
グリーンの色フイルターGは波長GP に分光強度のピークを有し、
イエローの色フィルターYe は波長YP に分光強度のピークを有し、
シアンの色フィルターCは波長CP に分光強度のピークを有し、
マゼンダの色フィルターMは波長MP1とMP2にピークを有し、以下の条件を満足する。
【0104】
510nm<GP <540nm
5nm<YP −GP <35nm
−100nm<CP −GP <−5nm
430nm<MP1<480nm
580nm<MP2<640nm
さらに、グリーン、イエロー、シアンの色フィルターはそれぞれの分光強度のピークに対して波長530nmでは80%以上の強度を有し、マゼンダの色フィルターはその分光強度のピークに対して波長530nmでは10%から50%の強度を有することが、色再現性を高める上でより好ましい。
【0105】
上記各実施例におけるそれぞれの波長特性の一例を図12に示す。グリーンの色フィルターGは525nmに分光強度のビークを有している。イエローの色フィルターYe は555nmに分光強度のピークを有している。シアンの色フイルターCは510nmに分光強度のピークを有している。マゼンダの色フィルターMは445nmと620nmにピークを有している。また、530nmにおける各色フィルターは、それぞれの分光強度のピークに対して、Gは99%、Ye は95%、Cは97%、Mは38%としている。
【0106】
このような補色フイルターの場合、図示しないコントローラー(若しくは、デジタルカメラに用いられるコントローラー)で、電気的に次のような信号処理を行い、
輝度信号
Y=|G+M+Ye +C|×1/4
色信号
R−Y=|(M+Ye )−(G+C)|
B−Y=|(M+C)−(G+Ye )|
の信号処理を経てR(赤)、G(緑)、B(青)の信号に変換される。
【0107】
ところで、上記した近赤外シャープカットコートの配置位置は、光路上のどの位置であってもよい。また、ローパスフィルターLFの枚数も前記した通り2枚でも1枚でも構わない。
【0108】
さて、以上のような本発明の電子撮像装置は、ズームレンズで物体像を形成しその像をCCD等の電子撮像素子に受光させて撮影を行う撮影装置、とりわけデジタルカメラやビデオカメラ、情報処理装置の例であるパソコン、電話、特に持ち運びに便利な携帯電話等に用いることができる。以下に、その実施形態を例示する。
【0109】
図13〜図15は、本発明によるズームレンズをデジタルカメラの撮影光学系41に組み込んだ構成の概念図を示す。図13はデジタルカメラ40の外観を示す前方斜視図、図14は同後方斜視図、図15はデジタルカメラ40の構成を示す断面図である。デジタルカメラ40は、この例の場合、撮影用光路42を有する撮影光学系41、ファインダー用光路44を有するファインダー光学系43、シャッター45、フラッシュ46、液晶表示モニター47等を含み、カメラ40の上部に配置されたシャッター45を押圧すると、それに連動して撮影光学系41、例えば実施例1のズームレンズを通して撮影が行われる。撮影光学系41によって形成された物体像が、近赤外カットコートをダミー透明平板上に施してなる赤外カット吸収フィルターIF、光学的ローパスフィルターLFを介してCCD49の撮像面上に形成される。このCCD49で受光された物体像は、処理手段51を介し、電子画像としてカメラ背面に設けられた液晶表示モニター47に表示される。また、この処理手段51には記録手段52が接続され、撮影された電子画像を記録することもできる。なお、この記録手段52は処理手段51と別体に設けてもよいし、フロッピーディスクやメモリーカード、MO等により電子的に記録書込を行うように構成してもよい。また、CCD49に代わって銀塩フィルムを配置した銀塩カメラとして構成してもよい。
【0110】
さらに、ファインダー用光路44上にはファインダー用対物光学系53が配置してある。このファインダー用対物光学系53によって形成された物体像は、像正立部材であるポロプリズム55の視野枠57上に形成される。このポリプリズム55の後方には、正立正像にされた像を観察者眼球Eに導く接眼光学系59が配置されている。なお、撮影光学系41及びファインダー用対物光学系53の入射側、接眼光学系59の射出側にそれぞれカバー部材50が配置されている。
【0111】
このように構成されたデジタルカメラ40は、撮影光学系41が広画角で高変倍比であり、収差が良好で、明るく、フィルター等が配置できるバックフォーカスの大きなズームレンズであるので、高性能・低コスト化が実現できる。
【0112】
なお、図15の例では、カバー部材50として平行平面板を配置しているが、パワーを持ったレンズを用いてもよい。
【0113】
以上の本発明のズームレンズ及びそれを用いた電子撮像装置は例えば次のように構成することができる。
【0114】
〔1〕 物体側より順に、負の屈折力を有する第1レンズ群と、全体として正の屈折力を有する第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群とからなり、
無限遠物点合焦点時に広角端から望遠端へ変倍する際に少なくとも前記第2レンズ群が物体側へ移動し、
前記第2レンス群が、物体側から順に、非球面を有する正レンズL21と負レンズL22と正レンズL23とからなる第2レンズ群前群と、負レンズL24からなる第2レンズ群後群とにて構成され、
前記第2レンズ群後群は単独でフォーカスのために移動可能であり、
以下の条件を満足することを特徴とすることを特徴とするズームレンズ。
【0115】
(1) 1.2<(R24F +R24R )/(R24F −R24R )<10
(2) 0.3<1/β24<0.9
ただし、R24F 、R24R はそれぞれ負レンズL24の物体側の面、像側の面の光軸上の曲率半径、β24は無限遠物点合焦時の広角端における負レンズL24の倍率である。
【0116】
〔2〕 無限遠物点合焦点時に広角端から望遠端へ変倍する際に、前記第2レンズ群を含む複数のレンズ群が移動することを特徴とする上記1記載のズームレンズ。
【0117】
〔3〕 前記負レンズL22が、像側に凹面を向けた負メニスカスレンズであることを特徴とする上記1又は2記載のズームレンズ。
【0118】
〔4〕 前記第3レンズ群は、変倍時及びフォーカス時に位置が固定されており、かつ、第3レンズ群の何れかの面に非球面を備えていることを特徴とする上記1から3の何れか1項記載のズームレンズ。
【0119】
〔5〕 前記第3レンズ群は1つのレンズ成分からなり、以下の条件式を満足することを特徴とする上記1から4の何れか1項記載のズームレンズ。
【0120】
(5) 0.5<(R3F+R3R)/(R3F−R3R)<3.0
ただし、R3F、R3Rは第3レンズ群の最も物体側の面、最も像側の面の光軸上の曲率半径である。
【0121】
〔6〕 前記第2レンズ群前群が以下の条件を満足することを特徴とする上記1から5の何れか1項記載のズームレンズ。
【0122】
(6) −1.0<(R23F +R23R )/(R23F −R23R )<0.5
(7) 0.04<t22/t2F<0.2
(8) ν22<26.5
ただし、R23F 、R23R はそれぞれ正レンズL23の物体側の面、像側の面の光軸上の曲率半径、t22は正レンズL21の像側の面から負レンズL22の像側の面までの光軸上の距離、t2Fは正レンズL21の物体側の面から正レンズL23の像側の面までの光軸上の距離、ν22は負レンズL22の媒質のd線基準アッベ数である。
【0123】
〔7〕 前記第1レンズ群は、非球面を含む負レンズと正レンズの2枚で構成されており、以下の条件を満足することを特徴とする上記1から6の何れか1項記載のズームレンズ。
【0124】
(12) 20<ν11−ν12
(13) −12<(R12F +R12R )/(R12F −R12R )<−4
ただし、ν11、ν12はそれぞれ第1レンズ群の負レンズ、正レンズの媒質のd線基準アッベ数、R12F 、R12R はそれぞれ第1レンズ群正レンズの物体側の面、像側の面の光軸上の曲率半径である。
【0125】
〔8〕 ズームレンズ及びその像側に配された撮像素子を備えた電子撮像装置において、前記ズームレンズが、前記上記1から7の何れか1項記載のズームレンズであることを特徴とする電子撮像装置。
【0126】
〔9〕 前記第2レンズ群前群が以下の条件を満足することを特徴とする上記8記載の電子撮像装置。
【0127】
(3) ν24>30
(4) 0.2<−L/f24<0.6
ただし、ν24は負レンズL24の媒質のd線基準アッベ数、f24は負レンズL24の焦点距離、Lは撮像素子の有効撮像領域の対角長である。
【0128】
〔10〕 前記第2レンズ群前群が少なくとも1面の接合面を有することを特徴とする上記8又は9記載の電子撮像装置。
【0129】
〔11〕 前記接合面は、前記正レンズL21と前記負レンズL22とを張り合わせた面であることを特徴とする上記10記載の電子撮像装置。
【0130】
〔12〕 前記第2レンズ群が以下の条件を満足することを特徴とする上記11記載の電子撮像装置。
【0131】
(9) 0.6<R22R /R21F <1.2
(10) 0.0<L/R22F <0.8
ただし、R21F は第2レンズ群前群における正レンズL21の物体側面の光軸上の曲率半径、R22F は第2レンズ群前群における接合面の光軸上の曲率半径、R22R は第2レンズ群前群における負レンズL22の像側面の光軸上の曲率半径、Lは撮像素子の有効撮像領域の対角長である。
【0132】
〔13〕 前記第1レンズ群は、物体側から順に、屈折面に非球面を含む負レンズと、像側よりも物体側の屈折面の方が曲率が強い(曲率半径の絶対値が小さい)正レンズの2枚のレンズからなり、以下の条件を満足することを特徴とする上記8から12の何れか1項記載の電子撮像装置。
【0133】
(11) 0.6<R11R /L<1.3
ただし、R11R は第1レンズ群の屈折面に非球面を含む負レンズの像側の面の光軸上の曲率半径、Lは撮像素子の有効撮像領域の対角長である。
【0134】
〔14〕 前記撮像素子の有効撮像領域の対角長Lが以下の条件を満足することを特徴とする上記8から13の何れか1項記載の電子撮像装置。
【0135】
3.0mm<L<12.0mm
【0136】
【発明の効果】
以上の本発明により、沈胴厚が薄く、収納性に優れ、かつ、高倍率で、リアフォーカスにおいても結像性能の優れたズームレンズを得ることができ、ビデオカメラやデジタルカメラの徹底的薄型化を図ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子撮像装置に用いられるズームレンズの実施例1の無限遠物点合焦時の広角端(a)、中間状態(b)、望遠端(c)でのレンズ断面図である。
【図2】実施例1の無限遠物点合焦時の収差図である。
【図3】実施例1の被写体距離10cm合焦時の収差図である。
【図4】実施例2の無限遠物点合焦時の収差図である。
【図5】実施例2の被写体距離10cm合焦時の収差図である。
【図6】実施例3の無限遠物点合焦時の収差図である。
【図7】実施例3の被写体距離10cm合焦時の収差図である。
【図8】電子撮像素子にて撮影を行う場合の有効撮像面の対角長について説明するための図である。
【図9】近赤外シャープカットコートの一例の透過率特性を示す図である。
【図10】ローパスフィルターの射出面側に設ける色フィルターの一例の透過率特性を示す図である。
【図11】補色モザイクフィルターの色フィルター配置を示す図である。
【図12】補色モザイクフィルターの波長特性の一例を示す図である。
【図13】本発明によるズームレンズを組み込んだデジタルカメラの外観を示す前方斜視図である。
【図14】図13のデジタルカメラの後方斜視図である。
【図15】図13のデジタルカメラの断面図である。
【符号の説明】
G1…第1レンズ群
G2…第2レンズ群
G3…第3レンズ群
G2F…第2レンズ群前群
G2R…第2レンズ群後群
S…開口絞り
IF…赤外カット吸収フィルター
LF…ローパスフィルター
CG…カバーガラス
I…像面
E…観察者眼球
40…デジタルカメラ
41…撮影光学系
42…撮影用光路
43…ファインダー光学系
44…ファインダー用光路
45…シャッター
46…フラッシュ
47…液晶表示モニター
49…CCD
50…カバー部材
51…処理手段
52…記録手段
53…ファインダー用対物光学系
55…ポロプリズム
57…視野枠
59…接眼光学系

Claims (14)

  1. 物体側より順に、負の屈折力を有する第1レンズ群と、全体として正の屈折力を有する第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群とからなり、
    無限遠物点合焦点時に広角端から望遠端へ変倍する際に少なくとも前記第2レンズ群が物体側へ移動し、
    前記第2レンス群が、物体側から順に、非球面を有する正レンズL21と負レンズL22と正レンズL23とからなる第2レンズ群前群と、負レンズL24からなる第2レンズ群後群とにて構成され、
    前記第2レンズ群後群は単独でフォーカスのために移動可能であり、
    以下の条件を満足することを特徴とすることを特徴とするズームレンズ。
    (1) 1.2<(R24F +R24R )/(R24F −R24R )<10
    (2) 0.3<1/β24<0.9
    ただし、R24F 、R24R はそれぞれ負レンズL24の物体側の面、像側の面の光軸上の曲率半径、β24は無限遠物点合焦時の広角端における負レンズL24の倍率である。
  2. 無限遠物点合焦点時に広角端から望遠端へ変倍する際に、前記第2レンズ群を含む複数のレンズ群が移動することを特徴とする請求項1記載のズームレンズ。
  3. 前記負レンズL22が、像側に凹面を向けた負メニスカスレンズであることを特徴とする請求項1又は2記載のズームレンズ。
  4. 前記第3レンズ群は、変倍時及びフォーカス時に位置が固定されており、かつ、第3レンズ群の何れかの面に非球面を備えていることを特徴とする請求項1から3の何れか1項記載のズームレンズ。
  5. 前記第3レンズ群は1つのレンズ成分からなり、以下の条件式を満足することを特徴とする請求項1から4の何れか1項記載のズームレンズ。
    (5) 0.5<(R3F+R3R)/(R3F−R3R)<3.0
    ただし、R3F、R3Rは第3レンズ群の最も物体側の面、最も像側の面の光軸上の曲率半径である。
  6. 前記第2レンズ群前群が以下の条件を満足することを特徴とする請求項1から5の何れか1項記載のズームレンズ。
    (6) −1.0<(R23F +R23R )/(R23F −R23R )<0.5
    (7) 0.04<t22/t2F<0.2
    (8) ν22<26.5
    ただし、R23F 、R23R はそれぞれ正レンズL23の物体側の面、像側の面の光軸上の曲率半径、t22は正レンズL21の像側の面から負レンズL22の像側の面までの光軸上の距離、t2Fは正レンズL21の物体側の面から正レンズL23の像側の面までの光軸上の距離、ν22は負レンズL22の媒質のd線基準アッベ数である。
  7. 前記第1レンズ群は、非球面を含む負レンズと正レンズの2枚で構成されており、以下の条件を満足することを特徴とする請求項1から6の何れか1項記載のズームレンズ。
    (12) 20<ν11−ν12
    (13) −12<(R12F +R12R )/(R12F −R12R )<−4
    ただし、ν11、ν12はそれぞれ第1レンズ群の負レンズ、正レンズの媒質のd線基準アッベ数、R12F 、R12R はそれぞれ第1レンズ群正レンズの物体側の面、像側の面の光軸上の曲率半径である。
  8. ズームレンズ及びその像側に配された撮像素子を備えた電子撮像装置において、前記ズームレンズが、前記請求項1から7の何れか1項記載のズームレンズであることを特徴とする電子撮像装置。
  9. 前記第2レンズ群前群が以下の条件を満足することを特徴とする請求項8記載の電子撮像装置。
    (3) ν24>30
    (4) 0.2<−L/f24<0.6
    ただし、ν24は負レンズL24の媒質のd線基準アッベ数、f24は負レンズL24の焦点距離、Lは撮像素子の有効撮像領域の対角長である。
  10. 前記第2レンズ群前群が少なくとも1面の接合面を有することを特徴とする請求項8又は9記載の電子撮像装置。
  11. 前記接合面は、前記正レンズL21と前記負レンズL22とを張り合わせた面であることを特徴とする請求項10記載の電子撮像装置。
  12. 前記第2レンズ群が以下の条件を満足することを特徴とする請求項11記載の電子撮像装置。
    (9) 0.6<R22R /R21F <1.2
    (10) 0.0<L/R22F <0.8
    ただし、R21F は第2レンズ群前群における正レンズL21の物体側面の光軸上の曲率半径、R22F は第2レンズ群前群における接合面の光軸上の曲率半径、R22R は第2レンズ群前群における負レンズL22の像側面の光軸上の曲率半径、Lは撮像素子の有効撮像領域の対角長である。
  13. 前記第1レンズ群は、物体側から順に、屈折面に非球面を含む負レンズと、像側よりも物体側の屈折面の方が曲率が強い正レンズの2枚のレンズからなり、以下の条件を満足することを特徴とする請求項8から12の何れか1項記載の電子撮像装置。
    (11) 0.6<R11R /L<1.3
    ただし、R11R は第1レンズ群の屈折面に非球面を含む負レンズの像側の面の光軸上の曲率半径、Lは撮像素子の有効撮像領域の対角長である。
  14. 前記撮像素子の有効撮像領域の対角長Lが以下の条件を満足することを特徴とする請求項8から13の何れか1項記載の電子撮像装置。
    3.0mm<L<12.0mm
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