JP5373373B2 - ランプ装置 - Google Patents
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Description
高圧放電ランプ52は、発光部54を挟んで管軸方向前後両端に封止部55A、55Bが形成された発光管56に、その両側封止部55A,55Bから一対の電極アセンブリ57が挿通されている。
電極アセンブリ57は、タングステンでなる先端電極部58とモリブデン箔59とモリブデン線60とを直列的に溶接して形成され、その先端電極部58が前記発光部54内に対向された状態で封止部55A,55Bが気密封止されている。
これにより、発光部54からその周囲に向かって前後方向に所定の角度範囲で照射される光を前記凹面反射鏡53で反射させ、ランプ前方に配されたロッドレンズなど光量分布均一化光学系61の光入射面など所定の大きさの集光エリアSPに集光照射させるようになっている。
すなわち、凹面反射鏡53を小型化すると、発光部54から所定角度θ21で放射される光のうち、後方側に所定角度θ22で放射される光のみが凹面反射鏡53で反射されて集光エリアSPに達し、前方側に所定角度θ23で放射される光は周囲に漏洩して集光エリアSPに届かず、その結果、光の利用効率が低下するだけでなく、その光が液晶プロジェクタ機器内のケーシング部品等に照射されるため、劣化し破損したり変質したりするという問題があった。
図6は、光の放射方向に対する配光分布を示すグラフである。横軸が高圧放電ランプ52の管軸Zの方向、縦軸が管軸Z上にある発光点を通り管軸Zと直交する方向、同心円目盛が縦軸方向の光を100%としたときの光量比を示す。
これによれば、高圧放電ランプ52から放射される光のうち、有効に利用されるのは後方側に所定角度θ22(82〜145°)で放射される光のみであり、角度θ23(45〜82°)で放射される光量60〜100%の光は全く利用されていないことがわかる。
これによれば、後方側に所定角度θ24で放射される光は凹面反射鏡53で反射されて集光エリアSPに届き、前方側に所定角度θ25で放射される光は副反射鏡62により反射されて、再び発光部54の中心(発光点)を通り背面側の反射鏡53で反射されて集光エリアSPに至る。したがって、前方に照射された光の漏洩が抑えられ、光の利用効率も高い。
この場合も、後方側に所定角度θ26で放射される光は凹面反射鏡53で反射されて集光エリアSPに達し、前方側に所定角度θ27で放射される光は補助反射鏡63により反射されて集光エリアSPに達する。したがって、前方に放射された光の漏洩が抑えられ、光の利用効率も高い。
さらに、このような補助反射鏡63は金属製のスポーク64により支持せざるを得ず、したがってランプ52を点灯させたときに、スポーク64の影が写り込んだり、過熱によりスポーク64が歪んで配光が崩れたり、酸化して錆びるなどの問題を生じていた。
しかし、設計の都合上、照明光学系の収納スペースを長方形にせざるを得ない場合があり、この場合、反射鏡の有効面積は直径の3乗に比例するため、収納スペースを1辺5cmの正方形断面から、幅×縦=5×4cmの長方形とする場合に、反射鏡を5cmから4cmに20%減するだけで、有効反射面積は約64/125と、約50%まで低下してしまう。
この凹面反射鏡は、その光軸をZ軸とし、これに直交する二軸をX軸及びY軸としたときに、当該反射鏡の周面がZ軸を対称軸とし且つZX面に平行な二つの平面で切断したもので、反射鏡周面とY軸が交差する部分に二つのアーチ状の切欠部が対向形成され、水平断面で見たときは反射鏡の奥行きが深く、垂直断面で見たときは反射鏡が浅くなる。
これによれば、直径を小さくする場合に比して有効反射面積の低下が少なく光の利用効率の低下を抑えることができる。
ただし、アーチ状の切欠部が対向形成されることから、当然のことながら、切欠部がなければ、その部分で反射されて有効に利用できた光を利用することができなくなり、その分だけは、光の利用効率が低下するという問題を生ずる。
この場合、発光部から切欠部が形成されていない部分に向かって照射された光は、直接、反射鏡で反射され、ランプ前方に形成された所定の大きさの集光エリアに達し、その反射面積は直径を小さくした場合よりも大きいので、光学系の収納スペースを長方形断面にせざるを得ない場合であっても、比較的高い光の反射光率を確保することができる。
したがって、反射鏡に切欠部を形成しても、プリズムを設けたことにより切欠部に向かって照射された光が集光エリアに向かって反射されることとなるので、切欠部を形成したことによる光の利用効率の低下はほとんどなく、光学系の収納スペースを長方形断面に形成しなければならない場合であっても、その長軸を一辺の長さとする正方形断面の収納スペースを確保した場合と同じ光量を確保することができる。
図1(a)及び(b)は本発明に係るランプ装置の正面図及び垂直−水平断面図、図2はその全体外観図、図3はプリズムの製造工程を示す説明図である。
そして、例えば、液晶プロジェクタの光源として使用され、ロッドレンズやアレイレンズなどの光量分布均一化光学系(ホモジナイザー)11を透過した光が、画像生成部となる液晶パネル(図示せず)に照射されるように配されている。
電極アセンブリ7は、タングステンでなる先端電極部8とモリブデン箔9とモリブデン線10とを直列的に溶接して形成され、その先端電極部8が前記発光部4内に対向された状態で封止部5A、5Bが気密封止されている。
これにより、発光部4からその周囲に向かって前後方向に所定の角度範囲で放射される光の一部(主として後方に向かう光)を凹面反射鏡3で反射させ、ランプ前方に配されたロッドレンズなど光量分布均一化光学系11の光入射面など所定の大きさの集光エリアSPに集光照射させるようになっている。
本例では、プリズム反射面13A、13Bを有する反射プリズム14にリング状の装着部15が形成されており、プリズム反射面13A,13Bが発光部4の外周面に位置するように発光管6の封止部5Aに外装され、隙間に充填されたフリットガラス24を溶融させることにより固定している。
より具体的には、図1(a)で示す正面図において、発光部4の発光点P0を中心に切欠部12A及び12Bに対応するXY1−XY2及びXY3−XY4に向かってα1の角度範囲で照射される光束と交差する部分にプリズム反射面13A、13Bが形成され、発光部4から照射された光を集光エリアSPに向かって反射させるようになっている。また、発光部4の発光点P0を中心に切欠部12A及び12Bが形成されていない部分XY2−XY3及びXY4−XY1に向かってα2の角度範囲で照射される光束は、反射プリズム14に入射されることなく反射鏡3で直接反射されるようになっている。
また、図1(b)の中心線上方に示す垂直断面図において、発光部4の発光点P0を中心に有効反射面ZY1−ZY2に向かってβ1の角度範囲で照射される光は凹面反射鏡3で直接反射されるように、その光路中には反射プリズム14が配置されていない。また、発光点P0を中心に切欠部12A及び12Bに対応するZY2−ZY3に向かってβ2の角度範囲で照射される光束と交差する部分には反射プリズム14が配され、そのプリズム反射面13A、13Bが形成され、発光部4から照射された光を集光エリアSPに向かって反射させるようになっている。
さらに、図1(b)の中心線下方に示す水平断面図において、発光部4の発光点P0を中心に有効反射面ZX1−ZX2に向かってγの角度範囲で照射される光束と交差する部分に反射プリズム14はなく、その光は全て反射鏡3で反射され、集光エリアSPに達する。
プリズム14は石英微粒子21を型22に入れ、加圧して焼結用成形体16を形成し、型バラシして取り出した後に、これを焼結して環状プリズム18を形成する。
型22は、図3(a)に示すように、左右に分割された外枠23R、23Lと、プリズム14の孔を形成する中子を兼用するベース23Bと、前記外枠23R、23L及びベース23Bで形成されるキャビティに充填された石英微粒子21を加圧する二重円筒状の加圧子23P、23Qからなる。
次いで、図3(d)に示すように内側の加圧子23Qで加圧して、焼結用成形体16を形成した後、型バラシして焼結用成形体16を取り出し焼結すると、図3(e)に示すようにリング状の装着部15の周囲に環状のプリズム面17が形成された環状プリズム18が完成する。
なお、環状プリズム18を切断する平行面の間隔は、反射鏡3に形成された切欠部12A、12Bの大きさに応じて決定される。
すなわち、図1(a)で見て、切欠部12A及び12Bに対応するXY1−XY2及びXY3−XY4に向かってα1の角度範囲で照射される光束と交差する部分にプリズム反射面13A、13Bが形成されるように、平行面の間隔を選定する。
また、切欠部12A及び12Bに対応するZY2−ZY3に向かってβ2の角度範囲で出射された光は、この光束と交差する部分に配されたプリズム14に入射されてプリズム反射面13A,13Bで反射され、集光エリアSPに達する。
したがって、切欠部12A及び12Bを形成したことにより反射鏡3で反射されない光も、プリズム14で反射されて集光エリアにSPに達するので、この光束の反射効率は、切欠部12A、12Bが形成されていない場合の同径の反射鏡における反射効率に等しい。
ランプ装置
2
高圧放電ランプ
3
凹面反射鏡
4
発光部
5A
封止部
5B
封止部
6
発光管
7
電極アセンブリ
SP
集光エリア
12A
切欠部
12B
切欠部
13A
プリズム反射面
13B
プリズム反射面
14
反射プリズム
Claims (2)
- 高圧放電ランプと、光軸を中心軸とする回転凹曲面状の反射面を有する凹面反射鏡とを備え、
高圧放電ランプは、発光部を挟んで管軸方向前後両端に封止部が形成された発光管に、その両側封止部から電極アセンブリが挿通され、先端電極部を前記発光部内で対向させた状態で当該封止部が気密封止されると共に、その管軸を凹面反射鏡の光軸に一致させた状態に配され、
前記発光部からその周囲に向かって前後方向に所定の角度範囲で放射される光の一部を前記凹面反射鏡で反射させてランプ前方に形成された所定の大きさの集光エリアに照射させるランプ装置において、
前記凹面反射鏡は、その光軸をZ軸とし、これに直交する二軸をX軸及びY軸としたときに、当該反射鏡の周面がZ軸を対称軸とし且つZX面に平行な二つの平面で切断されて、反射鏡周面とY軸が交差する部分に二つのアーチ状の切欠部が対向形成され、
前記発光部の外周面には、発光部から前記切欠部に向ってY軸方向に所定の角度範囲で照射される光束と交差する部分に反射プリズムが設けられ、
当該反射プリズムには、その光をランプ前方に形成された前記集光エリアに向かって反射させるプリズム反射面がZX面に対して対称に形成されていることを特徴とするランプ装置。 - 前記反射プリズムが、発光部外周面に位置するように発光管に装着されて成る請求項1記載のランプ装置。
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