JP5034755B2 - 発光管、光源装置及びプロジェクタ - Google Patents

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本発明は、内部に一対の電極が配置され、当該一対の電極間で放電発光する発光部を有する発光管、当該発光管を備える光源装置及びプロジェクタに関する。
従来、内部に一対の電極が配置され、かつ、水銀及び希ガス等の発光物質が封入される放電空間が形成された発光部と、当該発光部を挟んで互いに離間する方向に延出し、かつ、内部に各電極に接続される電極引出線が設けられた一対の封止部とを有する発光管が知られている。このような発光管では、電極引出線を介して電極に電圧を印加すると、当該電極間で放電が開始され、放電空間内の発光物質が反応して光を射出する。
ここで、発光管の点灯始動時にアーク放電が開始されるアーク放電起点は、各電極の先端ではなく、電極の中心軸から離れた位置にある段差部分等に位置する。これは、電圧印加時に、段差部分に電場(電界)が集中し、希ガスであるアルゴン(Ar)等のイオンが電極の外表面に衝突することにより、当該段差部分の温度が上昇するためである。この放電起点である段差部分でアーク放電が生じると、当該放電により更に熱が発生し、当該熱は、放電起点から電極の先端に向かって伝導される。そして、各電極の先端が所定の温度域に達すると、当該各先端間でアーク放電が開始される。
しかしながら、アーク放電起点が電極の後端側(他方の電極から離間する側)に位置する場合には、当該放電起点で生じたアークが発光部の内壁に衝突して、当該内壁を損傷してしまうという問題がある。これは、一般的な発光管の発光部の内壁面が、電極間の略中央を中心とする略球状に形成されていることに起因するものであり、電極の後端側は、先端側に比べて内壁に近接している。このため、電極の後端側に放電起点が位置すると、当該放電起点で生じたアークが内壁に衝突する確率が高くなる。このように内壁にアークが衝突すると、当該内壁を形成する酸化ケイ素が蒸発して発光部の白濁の要因となるだけでなく、前述の放電空間内の環境が変化して電極の消耗及び変形が激しくなり、発光部の黒化を招くなど、発光管の寿命を短くしてしまう。
このような問題に対して、軸部と、当該軸部の先端側に線材(導線)を巻回することにより形成されたコイル部とを備え、当該コイル部の後端側で導線(線材)を密に巻回し、かつ、先端側で疎に巻回することで、軸部との接触面積を変えることにより、先端側に放電起点を位置させる電極が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1に記載の直流点灯方式の発光管(ランプ)の電極では、コイル部の後端部は軸部との接触面積が大きくなり、発光管の点灯始動時のコイル部から軸部への熱流出が良好となる一方で、コイル部の先端部は軸部との接触面積が比較的小さくなり、コイル部から軸部への熱流出が抑制される。このため、コイル部の先端側にて、温度上昇に応じてアーク放電が生じやすくなる。
特開2006−269165号公報
しかしながら、前述の特許文献1に記載の電極は、直流点灯方式の発光管に採用される構成であり、当該構成を交流点灯方式の発光管の電極に採用した場合には、前述の効果を必ずしも得られないという問題がある。
すなわち、交流点灯方式の発光管の各電極は、電圧印加時の極性反転により、陽極及び陰極を交互に受け持つこととなる。このため、陽極時の熱負荷を低減するために、各電極の先端部分(コイル部より更に先端部分)にドーム状の本体部を形成するなどして、電極先端部分の熱容量を大きくする必要がある。このような場合、コイル部の後端側を密に形成し、先端側を疎に形成しても、コイル部の先端部分で生じた熱は本体部に流出してしまうため、当該先端部分が放電起点とならない場合があり、結果として、放電起点の位置が特定できないという問題がある。
本発明の目的は、コイル部の略中央に放電起点を位置付けることができる発光管、光源装置及びプロジェクタを提供することである。
前記した目的を達成するために、本発明の発光管は、内部に一対の電極が配置され、当該一対の電極間で放電発光する発光部を有する交流点灯方式の発光管であって、前記一対の電極のうち、少なくともいずれか一方は、軸部と、当該軸部における他方の電極に近接する側である先端側に形成され、かつ、前記軸部より径寸法の大きな大径部とを備え、前記大径部は、前記先端側に形成され、かつ、当該発光管の定常点灯状態で放電する本体部と、前記本体部における前記他方の電極から離間する側である後端側に設けられ、かつ、線材を複数層巻回して形成されるコイル部とを備え、前記コイル部における最外層に接する内側の層である内層は、前記線材の1巻きに相当する内層巻回部を複数有し、前記コイル部の略中央に位置する少なくとも1つの前記内層巻回部のピッチは、他の前記内層巻回部のピッチに比べて大きいことを特徴とする。
本発明によれば、コイル部の略中央に位置する内層巻回部のピッチが、他の内層巻回部のピッチより大きいことにより、内層と、当該内層の外側に形成される最外層との接触面積が、コイル部の中央において小さくなる。これによれば、発光管の点灯始動時に、コイル部の略中央に対応する最外層の部位の熱伝導性を低下させることができ、当該部位から内層への熱流出を抑制することができる。
ここで、発光管の発光部の内壁面が、各電極の略中央を中心とする略球状に形成されている場合で、かつ、他の内層巻回部のピッチより大きい内層巻回部が、他方の電極から離間する側である電極後端側に位置している場合には、発光管の点灯始動時に、当該内層巻回部に応じた最外層の外表面で放電が生じてしまい、前述のように、アークが発光部の内壁に衝突する確率が高くなってしまう。
一方、当該内層巻回部が、電極先端側に位置している場合には、発光管の点灯始動時に生じた熱が本体部に流出してしまうため、当該内層巻回部に応じた最外層の外表面での放電が開始されない可能性がある。
これに対し、本発明では、ピッチの大きい内層巻回部が、コイル部の略中央に位置していることにより、当該内層巻回部に応じた最外層の外表面の部位を加熱しやすくすることができ、当該部位での放電を生じさせやすくすることができる。従って、発光管の点灯始動時の放電起点を、コイル部の外表面における当該コイル部の略中央に位置付けることができる。また、これにより、発光部の内壁へのアークの衝突確率を下げることができるので、発光管の長寿命化を図ることができる。
本発明では、前記コイル部の略中央に位置する前記少なくとも1つの内層巻回部と、当該内層巻回部に隣り合う前記他の内層巻回部との間には、隙間が形成されていることが好ましい。
本発明によれば、ピッチの大きな内層巻回部とピッチの小さな内層巻回部との間に、充填材等が設けられている場合に比べ、これら内層巻回部の間の隙間に応じた位置の最外層の部位の熱伝導性を一層低下させることができる。これによれば、発光管の点灯始動時に、当該部位の温度上昇を一層速やかに行うことができる。従って、放電起点をコイル部の略中央に確実に位置させることができる。
本発明では、前記コイル部の軸方向に沿う方向における前記隙間の最大寸法は、前記内層を形成する前記線材の線径以上に設定されていることが好ましい。
ここで、ピッチの大きな内層巻回部と、ピッチの小さな内層巻回部との隙間の最大寸法が、線材の線径より小さい場合で、かつ、最外層が、ピッチの小さな内層巻回部と同様の巻回部を有している場合には、当該最外層の巻回部のそれぞれは、内層巻回部に接触してしまい、熱伝導性の低下があまり大きくない。これに対し、本発明では、当該隙間の最大寸法が、線材の線径以上に設定されていることにより、外層の各巻回部において、内層に接しない部位を形成することができる。従って、当該部位の熱伝導性をより低下させて、当該部位における発光管の点灯始動時の温度上昇を一層速やかに行うことができるので、コイル部の略中央に応じた外表面に、放電起点を一層確実に位置させることができる。
本発明では、前記最外層は、前記線材の1巻きに相当し、かつ、前記内層に内側で接する外層巻回部を複数有し、前記外層巻回部は、それぞれ前記コイル部の軸方向に沿って隙間無く連続して形成されていることが好ましい。
本発明によれば、外層巻回部が、それぞれ隙間無く連続して形成されていることにより、コイル部の外表面を密に形成することができるので、発光管の定常駆動時には、電極先端部の熱を効率よく電極後端側に伝え、当該電極先端部の温度の低下をすることができる。従って、電極の消耗及び変形を抑制することができ、当該電極の長寿命化を図ることができる。
あるいは、本発明では、前記最外層における前記線材の巻き方向は、前記内層における前記線材の巻き方向とは反対方向であり、前記最外層は、前記線材の1巻きに相当し、かつ、前記内層に内側で接する外層巻回部を複数有し、前記コイル部の略中央に位置する少なくとも1つの前記外層巻回部のピッチは、他の前記外層巻回部のピッチに比べて大きいことが好ましい。
本発明によれば、内層及び最外層における線材の巻き方向は、それぞれ反対方向であり、当該最外層は、コイル部の中央に位置し、かつ、ピッチの大きな外層巻回部を有することにより、当該外層巻回部と、当該外層巻回部の内側に位置するピッチの大きな内層巻回部とは、互いに交差するように接触することとなる。これによれば、当該中央に位置し、かつ、ピッチの大きな外層巻回部において、隣接する内層及び最外層の各線材との接触面積を小さくすることができ、当該外層巻回部の一部の熱伝導性を一層確実に低下させることができる。従って、発光管の点灯始動時に、当該一部に放電起点を位置付けることができる。
また、本発明の光源装置は、前述の発光管と、当該発光管から射出された光を一方向に揃えて光束として射出する反射鏡とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、前述の発光管と同様の効果を奏することができる。また、発光管の長寿命化を図ることができるので、発光管を頻繁に交換する手間を省くことができる。
また、本発明のプロジェクタは、前述の光源装置と、当該光源装置から射出された光束を画像情報に応じて変調する光変調装置と、変調された前記光束を投射する投射光学装置とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、前述の光源装置と同様の効果を奏することができる。また、発光管の長寿命化を図ることができるので、長時間使用による投射画像の輝度低下を抑制することができるほか、光源装置を交換する等のメンテナンスの手間を省くことができる。
〔1.第1実施形態〕
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
〔プロジェクタ1の構成〕
図1は、本実施形態に係るプロジェクタ1の概略構成を示す模式図である。
プロジェクタ1は、内部に設けられた光源装置411から射出される光束を画像情報に応じて変調して画像光を形成し、当該画像光に係る画像をスクリーン(図示省略)等の投射面上に拡大投射するものである。このプロジェクタ1は、図1に示すように、外装筐体2と、投射レンズ3と、光学ユニット4等を備えている。
また、これらの他に、プロジェクタ1は、当該プロジェクタ1内部を冷却する冷却ファン等で構成される冷却ユニット91、プロジェクタ1内部の各構成部材に電力を供給する電源ユニット92、及び、プロジェクタ1全体を制御する制御ユニット93等を備え、これらは、外装筐体2内に配置されている。
このうち、電源ユニット92は、後述する光源装置411を構成する発光管51Aの電極引出線514,515に交流矩形波電圧を印加する。
〔外装筐体2及び投射レンズ3の構成〕
外装筐体2は、投射レンズ3及び光学ユニット4等を内部に収納配置する全体略直方体状に形成されている。この外装筐体2は、本実施形態では合成樹脂により形成したが、これに限らず、例えば金属等の他の材料にて形成してもよい。
投射レンズ3は、光学ユニット4にて形成された画像光を、スクリーン(図示省略)等の投射面上に結像させるとともに、当該画像光に係る画像を拡大投射する投射光学装置である。この投射レンズ3は、筒状の鏡筒内に複数のレンズが収納された組レンズとして構成されている。
〔光学ユニット4の構成〕
光学ユニット4は、前述の制御ユニット93による制御の下、光源から射出された光束を、光学的に処理して画像情報に対応した画像光を形成するユニットである。この光学ユニット4は、図1に示すように、外装筐体2の背面に沿って延出するとともに、外装筐体2の側面に沿って延出する平面視略L字形状を有している。
この光学ユニット4は、照明光学装置41と、色分離光学装置42と、リレー光学装置43と、電気光学装置44と、これら光学部品41〜44を内部に収納配置するとともに、投射レンズ3を所定位置で支持固定する光学部品用筐体45とを備えている。
照明光学装置41は、電気光学装置44を構成する後述する液晶パネル442の画像形成領域をほぼ均一に照明するものである。この照明光学装置41は、光源装置411と、第1レンズアレイ412と、第2レンズアレイ413と、偏光変換素子414と、重畳レンズ415とを備えて構成されている。
光源装置411は、放射状の光線を射出する放電ランプ5と、当該放電ランプ5から射出された放射光を反射して、所定位置に収束させる主反射鏡6と、主反射鏡6にて反射されて収束される光束を照明光軸Aに対して平行化する平行化凹レンズ7と、これらを内部に収納するハウジング(図示省略)とを備えている。なお、放電ランプ5及び主反射鏡6の構成については、後に詳述する。
第1レンズアレイ412は、照明光軸Aに略直交する面内に複数の小レンズが、マトリクス状に配列された構成を有している。これら小レンズは、照明光軸A方向から見て略矩形状の輪郭を有している。そして、これら各小レンズは、光源装置411から射出される光束を、複数の部分光束に分割する。
第2レンズアレイ413は、第1レンズアレイ412と同様の構成を有しており、第1レンズアレイ412の小レンズに対応する小レンズがマトリクス状に配列された構成を有している。この第2レンズアレイ413は、重畳レンズ415とともに、第1レンズアレイ412の各小レンズの像を、電気光学装置44の後述する液晶パネル442の画像形成領域に結像させる機能を有している。
偏光変換素子414は、第2レンズアレイ413と重畳レンズ415との間に配置され、当該第2レンズアレイ413からの光を略1種類の直線偏光に変換するものである。
具体的に、偏光変換素子414によって略1種類の直線偏光に変換された各部分光は、重畳レンズ415によって最終的に後述する液晶パネル442の画像形成領域にほぼ重畳される。偏光光を変調するタイプの液晶パネルを用いたプロジェクタでは、1種類の偏光光しか利用できないため、ランダムな偏光光を発する光源装置411からの光の略半分を利用できない。このため、偏光変換素子414を用いることで、光源装置411からの射出光を略1種類の直線偏光に変換し、電気光学装置44での光の利用効率を高めている。
色分離光学装置42は、2枚のダイクロイックミラー421,422と、反射ミラー423とを備え、ダイクロイックミラー421,422により照明光学装置41から射出された複数の部分光束を赤(R)、緑(G)、青(B)の3色の色光に分離する。
リレー光学装置43は、入射側レンズ431、リレーレンズ433及び反射ミラー432,434を備え、色分離光学装置42で分離された赤色光を赤色光用の液晶パネル442Rまで導く機能を有している。
この際、色分離光学装置42のダイクロイックミラー421では、照明光学装置41から射出された光束の赤色光成分と緑色光成分とが透過するとともに、青色光成分が反射する。ダイクロイックミラー421によって反射した青色光は、反射ミラー423で反射し、フィールドレンズ441を通って青色光用の液晶パネル442Bに達する。このフィールドレンズ441は、第2レンズアレイ413から射出された各部分光束をその中心軸(主光線)に対して平行な光束に変換する。他の緑色光及び赤色光用の液晶パネル442G,442Rの光入射側に設けられたフィールドレンズ441も同様である。
ダイクロイックミラー421を透過した赤色光と緑色光のうち、緑色光はダイクロイックミラー422によって反射され、フィールドレンズ441を通って緑色光用の液晶パネル442Gに達する。一方、赤色光はダイクロイックミラー422を透過してリレー光学装置43を通り、さらにフィールドレンズ441を通って赤色光用の液晶パネル442Rに達する。なお、赤色光にリレー光学装置43が用いられているのは、赤色光の光路の長さが他の色光の光路の長さよりも長いため、光の拡散等による光の利用効率の低下を防止するためである。すなわち、入射側レンズ431に入射した部分光束をそのまま、フィールドレンズ441に伝えるためである。なお、リレー光学装置43には、3つの色光のうち赤色光を通す構成としたが、これに限らず、例えば、青色光を通す構成としてもよい。
電気光学装置44は、色分離光学装置42から射出される3つの色光を画像情報に応じてそれぞれ変調し、変調した各色光を合成して光学像(カラー画像)を形成する。
この電気光学装置44は、図1に示すように、前述のフィールドレンズ441と、光変調装置としての液晶パネル442(赤色光用の液晶パネルを442R、緑色光用の液晶パネルを442G、及び、青色光用の液晶パネルを442Bとする)と、これら各液晶パネル442の光束入射側にそれぞれ配置される3つの入射側偏光板443と、各液晶パネル442の光束射出側にそれぞれ配置される3つの視野角補償板444と、当該3つの視野角補償板444の光束射出側にそれぞれ配置される3つの射出側偏光板445と、色合成光学装置としてのクロスダイクロイックプリズム446とを備えて構成されている。
入射側偏光板443には、偏光変換素子414で偏光方向が略一方向に揃えられた各色光が入射し、当該入射側偏光板443は、入射した光束のうち、偏光変換素子414で揃えられた光束の偏光方向と略同一方向の偏光光のみ透過させ、その他の光束を吸収する。このような入射側偏光板443は、例えば、サファイアガラスまたは水晶等の透光性基板上に偏光層が貼付された構成を有している。
光変調装置としての液晶パネル442は、詳しい図示を省略するが、一対の透明なガラス基板間に電気光学物質である液晶が密閉封入した構成を有している。そして、当該液晶パネル442では、前述の制御ユニットから入力する画像情報である駆動信号に応じて、液晶の配向状態が制御され、入射側偏光板443から射出された偏光光束の偏光方向が変調されることで、画像光が形成される。
視野角補償板444は、フィルム状に形成され、液晶パネル442に光束が斜方入射した場合(パネル面の法線方向に対して傾斜して入射した場合)の当該液晶パネル442で生じる複屈折による常光と異常光との間に生じる位相差を補償する。この視野角補償板444は、負の一軸性を有する光学異方体であり、その光学軸がフィルム面内の所定方向に向きかつ、該フィルム面から面外方向に所定角度傾斜するように配向している。
この視野角補償板444としては、例えば、トリアセチルセルロース(TAC)等の透明支持体上に配向層を介してディスコティック(円盤状)化合物層を形成したもので構成でき、WVフィルム(富士写真フィルム社製)を採用できる。
射出側偏光板445は、液晶パネル442から射出され視野角補償板444を介した光束のうち、入射側偏光板443における光束の透過軸と直交する偏光方向を有する光束のみ透過させ、その他の光束を吸収するものである。このような射出側偏光板445は、前述の入射側偏光板443と同様の構成とすることができる。
クロスダイクロイックプリズム446は、射出側偏光板445から射出された色光毎に変調された変調光を合成して光学像(カラー画像)を形成する。このクロスダイクロイックプリズム446は、4つの直角プリズムを貼り合わせた平面視正方形状をなし、直角プリズム同士を貼り合わせた界面には、2つの誘電体多層層が形成されている。これら誘電体多層層は、投射レンズ3と対向する側(G色光側)に配置された射出側偏光板445を介した色光を透過し、残り2つの射出側偏光板445(R色光側及びB色光側)を介した色光を反射する。このようにして、各入射側偏光板443、各液晶パネル442、各視野角補償板444、及び、各射出側偏光板445にて変調された各色光が合成されてカラー画像が形成される。
〔放電ランプ5の構成〕
図2は、光源装置411の放電ランプ5及び主反射鏡6を示す縦断面図である。
放電ランプ5は、電圧印加によって発光する光源であり、図2に示すように、石英ガラスにより形成された発光管51Aと、当該発光管51Aに取り付けられる副反射鏡52及びトリガー線53とを備えている。なお、このような放電ランプ5としては、高輝度発光する種々の放電光源ランプを採用することができ、例えば、メタルハライドランプ、高圧水銀ランプ及び超高圧水銀ランプ等を採用することができる。
〔発光管51Aの構成〕
発光管51Aは、交流点灯方式の発光管である。この発光管51Aは、当該発光管51Aの中央部分に形成され、かつ、略球状に膨出する発光部511と、発光部511を挟み、かつ、当該発光部511の両端から互いに離間する方向に延出する一対の封止部512,513(図2における左側の封止部を512、右側の封止部を513とする)とを備えている。
このうち、発光部511の内部には、一対の電極8A(封止部512側の電極を8AL、封止部513側の電極を8ARとする)が配置され、当該一対の電極8A間には、水銀、希ガス及び少量のハロゲンを含む発光物質が封入された放電空間Sが形成されている。
一対の封止部512,513の内部には、電極8AL,8ARにそれぞれ電気的に接続されるモリブデン製の金属箔5121,5131が挿入され、当該一対の封止部512,513における発光部511とは反対側の端部は、ガラス材料等で封止されている。これら各金属箔5121,5131には、さらに電極引出線514,515がそれぞれ接続され、当該電極引出線514,515は、発光管51Aの外部まで延出している。そして、これら電極引出線514,515に対して、前述の電源ユニット92により電圧が印加されると、金属箔5121,5131を介して電極8AL,8AR間に電位差が生じて放電が発生し、アーク像Dが形成されて発光部511内部が発光する。
〔主反射鏡6の構成〕
ここで、主反射鏡6について説明する。
主反射鏡6は、本発明の反射鏡に相当し、入射した光を反射して、照明光軸A上の第2焦点に収束させるガラス製の一体成形品である。この主反射鏡6は、放電ランプ5の一方の封止部512(光源装置411における光束射出方向の基端側に位置する封止部512)に接着剤Bにより固定されている。このような主反射鏡6には、封止部512が挿通される略円筒状の首状部61と、当該首状部61から拡がる凹曲面状の反射部62とが形成されている。
このうち、反射部62において発光部511に対向する側の回転曲線形状の面には、金属薄膜が蒸着された反射面621が形成されている。この反射面621は、可視光を反射し、かつ、赤外線及び紫外線を透過するコールドミラーとして形成されている。
首状部61には、封止部512が挿通される平面視略円形状の開口611が形成されており、封止部512が挿通された状態で接着剤Bが当該開口611内に注入され、これにより、封止部512と主反射鏡6とが接着固定される。この際、放電ランプ5と主反射鏡6との位置は、当該放電ランプ5の発光部511におけるアーク像D(電極8Aの後述する本体部824間での放電によって生じるアーク像D)の中心位置Cが、当該主反射鏡6の反射面621の第1焦点近傍となるように設定されている。
なお、本実施形態では、主反射鏡6は、回転楕円面を有する楕円面リフレクタで構成されているが、回転放物面を有する放物面リフレクタで構成してもよい。この場合には、平行化凹レンズ7を省略した構成とする。さらに、主反射鏡6は、自由曲面リフレクタで構成してもよい。
〔副反射鏡52の構成〕
副反射鏡52は、発光管51Aの封止部513(主反射鏡6が装着される側とは反対側の封止部513)に装着されるガラス製の成形品であり、発光管51Aと同様の素材により形成されている。この副反射鏡52には、封止部513が挿通される開口5211を有する略円筒状の首状部521と、当該首状部521から拡がる反射部522とが形成されている。
このうち、反射部522は、封止部513に副反射鏡52が取り付けられた際、発光部511における封止部513側(光源装置411の光束射出方向の先端側)を覆うように配置され、当該発光部511の外形に沿うように略椀状に形成されている。この反射部522における発光部511と対向する面には、反射面5221が形成されており、当該反射面5221は、可視光を反射し、かつ、赤外線及び紫外線を透過するコールドミラーとして形成されている。
このような副反射鏡52を発光管51Aに取り付けることにより、発光部511から射出された光のうち、主反射鏡6側とは反対側に射出された光は、反射面5221により反射されて、主反射鏡6の反射面621に入射する。このため、当該光は、発光部511から反射面621に直接入射する光と同様に、当該反射面621にて反射され、第2焦点に集束する。これにより、発光部511から光源装置411の光束射出方向の先端側に直接射出され、かつ、当該光源装置411の光路後段に位置する第1レンズアレイ412に入射しない光の発生を抑えることができる。
〔トリガー線53の構成〕
トリガー線53は、発光管51Aの点灯性を向上するための始動補助線であり、一端が封止部512にコイル状に巻回され、中央が発光部511、副反射鏡52及び封止部513に沿ってこれらの外側に配置され、他端が接続部516を介して電極引出線515に接続される。この接続部516には、主反射鏡6の反射部62における端縁近傍に形成された挿通孔622を介して、当該主反射鏡6の外部に延出するリード線517の一端が接続され、当該リード線517の他端は、電極引出線515及びトリガー線53に電圧を印加するための端子54に接続されている。
このようなトリガー線53を設け、当該トリガー線53に高電圧を印加することにより、発光管51Aの点灯性を向上することができる。
〔電極8Aの構成〕
図3は、電極8ALを示す側面図である。
一対の電極8Aは、前述のように、封止部512側に配置される電極8ALと、封止部513側に配置される電極8ARとから構成され、当該電極8AL,8ARは、それぞれ同じ構成を有している。
このうち、電極8ALは、図3に示すように、後端側(電極8ARから離間する側)が前述の金属箔5121に接続される芯棒である軸部81と、当該軸部81の先端側(電極8ARに近接する側)に設けられ、かつ、軸部81より直径寸法の大きな大径部82Aとを備えている。このうち、軸部81は、タングステンにより形成されている。
大径部82Aは、軸部81の先端側に、当該軸部81にタングステン製の線材Lを巻回することで形成されたコイル部821と、当該コイル部821及び軸部81の先端側をレーザ照射等により融解させることで形成されたドーム状を有する本体部824とを備えて構成されている。すなわち、大径部82Aは、先端側に形成された本体部824と、当該本体部824の後端側に設けられ、かつ、線材Lを複数層巻回されて形成されたコイル部821とを備えている。このうち、本体部824の径寸法は、コイル部821の径寸法と略同じである。
図4は、電極8ALを示す断面図である。
コイル部821は、本実施形態では、図3及び図4に示すように、内層822及び外層823を有する2層のコイルとして形成されている。
具体的に、内層822は、図4に示すように、軸部81における先端側から後端側に向かって、当該軸部81に線材Lを所定回数(本実施形態では、本体部824を形成する前で8巻き)巻回することによって形成されており、前述の本体部824を形成した後では、内層822は5回巻きのコイルとなる。すなわち、内層822は、本体部824の形成後には、軸部81の外周に沿う線材の1巻きに相当する巻回部を5つ(電極8ALの先端側から順に、それぞれ巻回部8221,8222,8223,8224,8225とする)有している。これら巻回部8221〜8225は、本発明の内層巻回部に相当する。
このような巻回部8221〜8225のうち、先端側に位置する巻回部8221は、本体部824の形成前では、当該巻回部8221より先端側に位置し、かつ、当該巻回部8221と同じピッチ(コイル部821の軸方向に沿う方向の1つの巻回部の寸法)を有する巻回部(図示省略)と、外表面にてコイル部821の軸方向に沿う方向で互いに接触する。また、巻回部8221と隣り合う巻回部8222、及び、後端側に位置する巻回部8224,8225は、それぞれ巻回部8221と同じピッチ及びピッチ角を有しており、コイル部821の軸方向に沿う方向で、巻回部8222と巻回部8221とは外表面にて互いに接触し、また、当該巻回部8224と巻回部8225とは外表面にて互いに接触している。すなわち、内層822における先端側及び後端側は、密に形成されている。
一方、コイル部821の略中央に位置する巻回部8223のピッチ及びピッチ角は、他の巻回部(例えば、巻回部8221)より大きく設定されている。詳述すると、巻回部8223のピッチは、巻回部8221のピッチの2倍に設定されている。このため、内層822の略中央部分には、一条の隙間SP1が形成されている。この隙間SP1は、巻回部8223の略中央部分、すなわち、内層822の中央部分にて、コイル部821の軸方向に沿う方向の寸法が最大となり、当該最大寸法は、本実施形態では、内層822を形成する線材Lの線径に相当する。この最大寸法を有する位置は、前述のトリガー線53に対向する位置に設定される。
このような隙間SP1が巻回部8223と、当該巻回部8223と隣り合う巻回部8222,8224との間に介在することにより、コイル部821の軸方向に沿う方向において、当該巻回部8223の略中央部分は、巻回部8222,8224と外表面で、それぞれ接触しない。
外層823は、本発明の最外層に相当し、内層822を形成した線材Lを、電極8ALの後端側から先端側に向かって巻き返すことで形成されている。この外層823は、5つの外層巻回部としての巻回部8231〜8235(電極8ALの先端側から順に、巻回部8231,8232,8233,8234,8235とする)を有し、それぞれの巻回部8231〜8235は、外表面でコイル部821の軸方向に沿う方向で互いに接触するとともに、内側で内層822と接触している。すなわち、外層823は、全体で密に形成されている。そして、当該外層823を形成する線材Lの先端側の端部は、前述のように、軸部81の先端部とともにレーザにより溶融されて本体部824となる。
〔電極8Aの点灯始動時の放電起点〕
以下、電極8Aの点灯始動時の放電起点の位置について説明する。
各電極8Aに電圧を印加すると、大径部82Aの外表面に希ガス等のイオンが衝突し、当該大径部82Aが加熱される。この後、電極8Aにおけるアーク放電起点となる位置は、コイル部821の外層823を形成する巻回部8231〜8235のいずれかの外表面となる。
ここで、後端側の巻回部8235は、巻回部8234及び内層822の巻回部8225との接触面積が大きいため、熱容量が大きい。同じく、先端側の巻回部8231は、内層822の巻回部8221及び本体部824との接触面積が大きいため、熱容量が大きい。一方、略中央に位置する外層823の巻回部8232〜8234のうち、先端側の巻回部8232は、巻回部8231,8233及び内層822との接触面積が大きく、また、後端側の巻回部8234は、巻回部8233,8235及び内層822との接触面積が大きいため、それぞれ熱容量が比較的大きい。
これに対し、外層823の中央に位置する巻回部8233は、巻回部8231,8233と接触するものの、隙間SP1によって内層822の巻回部8223との接触面積が小さいため、熱容量が他の巻回部8231,8232,8234,8235に比べて小さい。特に、隙間SP1における前述の最大寸法を有する位置に対応する巻回部8233の部位は、内層822と接触しないため熱容量が最も小さく、当該部位で生じた熱は流出しにくい。このため、巻回部8233は、コイル部821の外層823において、前述の電圧印加及びイオンの衝突により加熱されやすく、アーク放電の生じる温度域に達しやすいので、当該巻回部8233の外表面にて、放電が開始される。このように、発光管51Aの点灯始動時においては、巻回部8234の外表面が放電起点となる。
以上説明した本実施形態のプロジェクタ1によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)コイル部821の内層822において略中央に位置する巻回部8223のピッチが、内層822の他の巻回部(例えば、巻回部8221)のピッチより大きいことにより、外層823の略中央に位置する巻回部8233と、内層822との接触面積が小さくなる。
これによれば、発光管51Aの点灯始動時に、巻回部8233から内層822への熱の流出を抑制することができるので、巻回部8233の外表面を加熱しやすくすることができ、当該外表面での放電を促進させることができる。従って、発光管51Aの点灯始動時の放電起点を、コイル部821の略中央に位置する巻回部8233に放電起点を位置付けることができる。また、これにより、発光部511の内壁へのアークの衝突確率を下げることができるので、発光管51Aの長寿命化を図ることができ、プロジェクタ1においては、光源装置411の交換を頻繁に行う手間を省くことができる。
(2)また、内層822を構成する巻回部8223と、当該巻回部8223を挟む巻回部8222,8224との間には、隙間SP1が形成されている。これによれば、当該隙間SP1を埋めるような充填材が設けられている場合に比べ、隙間SP1の外側に位置する巻回部8233の熱伝導性を一層低下させることができるので、発光管51Aの点灯始動時に、当該巻回部8233の温度上昇を一層速やかに行うことができる。従って、コイル部821の略中央に位置する巻回部8233の外表面に、放電起点を確実に位置させることができる。
(3)内層822を構成する巻回部8223のピッチは、他の巻回部(例えば、巻回部8221)のピッチの2倍に設定されており、当該巻回部8223と巻回部8222,8224との間には、コイル部821の軸方向に沿う方向における最大寸法が、線材Lの線径に相当する寸法となる隙間SP1が形成されている。これによれば、外層823の巻回部8233において、内層822と接触しない部位を大きく(内層822との接触面積を小さく)することができ、これにより、当該巻回部8233の熱伝導性をより低下させることができる。従って、巻回部8233の温度上昇を一層速やかに行うことができ、当該巻回部8233に放電起点を一層確実に位置させることができる。
(4)外層823を構成する巻回部8231〜8235は、コイル部821の軸方向に沿ってそれぞれ隙間無く連続して形成されている。これによれば、コイル部821の外表面を密に形成することができるので、定常駆動時には、本体部824の熱を電極後端側に効率よく伝導させ、当該本体部824の温度を低下させることができる。従って、電極8Aの消耗及び変形を抑制することができ、当該電極8Aひいては発光管51Aの長寿命化を図ることができる。
〔2.第2実施形態〕
以下、本発明の第2実施形態に係るプロジェクタについて説明する。
本実施形態のプロジェクタは、前述のプロジェクタと同様の構成を備えるが、当該プロジェクタ1の電極8Aでは、大径部82Aのコイル部821を構成する外層823は、当該外層823を構成する各巻回部8231〜8235が互いに接触するように、密に形成されていたが、本実施形態のプロジェクタが備える発光管51Bの電極8Bでは、内層及び外層における略中央の各巻回部と、当該各巻回部に隣り合う巻回部との間に隙間が形成されている点において、本実施形態のプロジェクタとプロジェクタ1とは相違する。なお、以下の説明では、既に説明した部分と同一または略同一である部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態のプロジェクタは、発光管51Aに代えて発光管51Bを備えるほかは、前述のプロジェクタ1と同様の構成を有している。
発光管51Bは、発光部511、一対の封止部512,513及び電極引出線514,515を備え、当該発光部511の内部には、一対の封止部512,513に設けられた金属箔5121,5131にそれぞれ接続される一対の電極8Bが配置されている。
図5は、本実施形態に係る発光管51Bの電極8B(封止部512側の電極8B)を示す側面図である。また、図6は、当該電極8Bを示す断面図である。
一対の電極8Bは、封止部512側に配置される電極8BLと、封止部513側に配置される電極(図示省略)とから構成され、それぞれ同じ構成を有している。
このうち、電極8BLは、図5及び図6に示すように、軸部81と、当該軸部81の先端側(他方の電極(図示省略)に近接する側)に形成され、かつ、軸部81より径寸法の大きい大径部82Bとを備えて構成されている。大径部82Bは、コイル部825と、当該コイル部825及び軸部81の先端側を溶解して形成された本体部824とを備えて構成されている。
コイル部825は、1本の線材Lを先端側から後端側に向かって軸部81に巻回して形成された内層826と、当該内層826を形成した線材Lを巻き返し、かつ、内層826に巻回して形成された最外層としての外層827とを有している。すなわち、内層826を形成する線材Lの巻き方向と、外層827を形成する線材Lの巻き方向とは、それぞれ反対方向となる。換言すると、内層826を形成する線材Lと、外層827を形成する線材Lとが、軸部81の長手方向である軸方向において、交差している。
このうち、内層826は、本体部824を形成した後では、図6に示すように、軸部81に対する線材Lの1巻きに対応し、かつ、内層巻回部に相当する巻回部を7つ(巻回部8261〜8267)有している。これらのうち、先端側から1〜3番目の巻回部8261〜8263、及び、5〜7番目の巻回部8265〜8267は、隣り合う巻回部同士がコイル部825の軸方向に沿う方向で、外表面にて互いに接触するように、隙間無く形成されている。また、これら巻回部8261〜8263,8265〜8267のピッチ及びピッチ角は、それぞれ同じに設定されている。
一方、コイル部825の略中央に位置する巻回部8264は、1つの巻回部(例えば、巻回部8261)のピッチの2倍に設定されており、他の巻回部よりピッチ及びピッチ角が大きい。このため、巻回部8264と巻回部8263,8265との間には、一条の隙間SP2が形成されることとなり、巻回部8264の中央におけるコイル部825の軸方向に沿う方向の当該隙間の寸法は、最大寸法となる。この最大寸法は、線材Lの線径と略同じとなり、当該最大寸法を有する部位は、前述のトリガー線53に対向する部位に設定される。
外層827は、本体部824を形成した後では、外層巻回部に相当する6つの巻回部8271〜8276を有し、これら巻回部8271〜8276は、それぞれ内層826に接触している。
これらのうち、電極8B先端側の2つの巻回部8271,8272、及び、後端側の3つの巻回部8274〜8276は、隣り合う巻回部とコイル部825の軸方向に沿う方向で外表面にて互いに接触するように形成され、これらの巻回部8271,8272,8274〜8276の領域においては、外層827は密に形成されている。そして、これら巻回部8271,8272,8274〜8276は、それぞれ、本体部824及び内層826の巻回部8261〜8263,8265〜8268に接触するように、これらに交差して形成されている。なお、これら巻回部8271,8272,8274〜8276のピッチ及びピッチ角は、それぞれ同じである。
一方、コイル部825の略中央に位置する巻回部8273は、他の巻回部より大きなピッチ及びピッチ角で形成されている。詳述すると、巻回部8273のピッチは、他の巻回部(例えば、巻回部8271)のピッチの2倍に設定されている。このため、巻回部8273と、当該巻回部8273と隣り合う巻回部8272,8274との間には隙間SP3が形成され、巻回部8273の中央部位は、当該巻回部8273と隣り合う巻回部8272,8274とは、コイル部825の軸方向に沿う方向で外表面にて接触しない。
また、巻回部8273は、巻回部8264に交差するように形成され、当該巻回部8273の先端側部分で巻回部8263に、中央部分で巻回部8264に、また、後端側部分で巻回部8265に接触している。このため、巻回部8273の先端側部分と中央部分との間、及び、当該中央部分と後端側部分との間には、内層826に接触しない部位が形成される。
このような電極8Bに電圧を印加すると、前述のように、外層827の温度が上昇する。この際、先端側の巻回部8271,8272は、本体部824及び内層826との接触面積が大きいため、熱容量が大きい。同じく、後端側の巻回部8274〜8276は、内層826との接触面積が大きいため、熱容量が大きい。これに対し、巻回部8273は、内層826の巻回部8263〜8265と一部でのみ接触するため、当該内層826との接触面積が小さく、熱容量が小さい。特に、巻回部8274において、巻回部8263に接触する位置と巻回部8264に接触する位置との中間部位、及び、巻回部8264に接触する位置と巻回部8265に接触する位置との中間部位は、それぞれ内層822に接触しない部位となり、最も熱容量が小さい。このため、当該各中間部位は、熱流出が生じにくいため加熱されやすく、温度上昇が速やかに行われる。これにより、当該各中間部位におけるトリガー線53に近接する位置が放電起点となり、当該放電起点にて、発光管51Bでの点灯始動時に放電が開始される。
以上説明した本実施形態のプロジェクタによれば、前述の効果(1)〜(3)と同様の効果を奏することができるほか、以下の効果を奏することができる。
(5)内層826の巻回部8264及び外層827の巻回部8273は、それぞれ同じ層の他の巻回部より大きなピッチで形成され、当該巻回部8264と巻回部8273とは、交差するように接触する。これによれば、巻回部8273と内層822との接触面積を一層小さくすることができるので、当該巻回部8273を加熱しやすくすることができ、当該巻回部8273での放電を促進させることができる。従って、発光管51Bの点灯始動時に、当該巻回部8273に放電起点を位置付けることができる。
〔3.実施形態の変形〕
本発明を実施するための最良の構成などは、以上の記載で開示されているが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部若しくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
前記各実施形態では、電極8A,8Bのコイル部821,825は、それぞれ内層822,826及び外層823,827の2層を有する構成としたが、本発明はこれに限らない。すなわち、2層以上を有する構成であれば、コイル部の層数は、発光管のワット数等に基づいて、適宜設定してよく、本発明を構成可能であれば、各層の巻回部の数も問わない。
前記第1実施形態では、外層823は、隣り合う巻回部8231〜8235が互いに接触するように密に形成されるとし、前記第2実施形態では、外層827は、隣り合う巻回部8271,8272及び巻回部8274〜8276が互いに接触するように密に形成されるとしたが、本発明はこれに限らない。すなわち、これら各巻回部間において、隙間が形成されていてもよい。
前記各実施形態では、内層822,826は、他の巻回部よりピッチの大きな1つの巻回部8223,8264を備えるとしたが、本発明はこれに限らない。例えば、内層に、コイル部の軸方向に沿って外表面にて互いに接触し、かつ、ピッチの大きな巻回部が複数形成されていてもよい。また、当該ピッチの大きさは、同じ層の他の巻回部のピッチより大きければ、適宜設定してよい。
前記各実施形態では、1本の線材Lにより、コイル部821,825を形成したが、本発明はこれに限らず、コイル部の各層を、それぞれ異なる線材により形成してもよい。更に、各巻回部をそれぞれ別の線材にて形成してもよい。このようにコイル部821,825の各層及び各巻回部を別の線材で形成する場合には、タングステンにトリウム等の始動補助物質を添加した線材により、外層の巻回部を形成してもよい。また、内層822,826及び外層823,827における線材Lの巻き方向を、それぞれ反対方向としたが、本発明はこれに限らず、それぞれ同方向としてもよい。
また、前記各実施形態では、コイル部821,825は、軸部81に線材Lを巻回することで形成されるとしたが、本発明はこれに限らない。例えば、コイル部に応じたコイルを予め製造しておき、当該コイルを軸部81に取り付けることにより、コイル部を形成してもよい。
前記各実施形態では、発光管51A,51Bは、それぞれ同じ構成を有する一対の電極8A(8AL,8AR),8B(8BL)を有するとしたが、本発明はこれに限らない。すなわち、当該一対の電極のうち、少なくともいずれか一方が、前述の構成を有していればよい。
前記各実施形態では、プロジェクタ1は、3つの液晶パネル442R,442G,442Bを備えるとしたが、本発明はこれに限らない。すなわち、2つ以下、あるいは、4つ以上の液晶パネルを用いたプロジェクタにも、本発明を適用可能である。
また、前記各実施形態では、光学ユニット4は平面視略L字形状を有した構成を説明したが、これに限らず、例えば、平面視略U字形状を有した構成を採用してもよい。
更に、前記各実施形態では、光束入射面と光束射出面とが異なる透過型の液晶パネル442を用いていたが、光入射面と光射出面とが同一となる反射型の液晶パネルを用いてもよい。
前記各実施形態では、光変調装置として液晶パネル442を備えたプロジェクタ1を例示したが、入射光束を画像情報に応じて変調して光学像を形成する光変調装置であれば、他の構成の光変調装置を採用してもよい。例えば、マイクロミラーを用いたデバイスなど、液晶以外の光変調装置を用いたプロジェクタにも、本発明を適用することも可能である。このような光変調装置を用いた場合、光束入射側及び光束射出側の偏光板443,445は省略することができる。
前記各実施形態では、発光管51A,51Bを有する放電ランプ5を備えた光源装置411を、プロジェクタ1に採用したが、本発明はこれに限らない。すなわち、このような光源装置411は、他の照明装置に利用することも可能である。更に、放電ランプ5を単体で利用することも可能である。
本発明は、発光管に利用でき、特に光源装置及びプロジェクタに用いられる発光管として、好適に利用することができる。
本発明の第1実施形態に係るプロジェクタの構成を示す模式図。 前記実施形態における放電ランプ及び主反射鏡を示す縦断面図。 前記実施形態における電極を示す側面図。 前記実施形態における電極を示す断面図。 本発明の第2実施形態に係るプロジェクタが備える発光管の電極を示す側面図。 前記実施形態における電極を示す断面図。
符号の説明
1…プロジェクタ、3…投射レンズ(投射光学装置)、6…反射鏡(主反射鏡)、8A(8AL,8AR),8B(8BL)…電極、81…軸部、411…光源装置、442(442R,442G,442B)…液晶パネル(光変調装置)、511…発光部、51A,51B…発光管、82A,82B…大径部、821,825…コイル部、822,826…内層、823,827…外層(最外層)、824…本体部、8221〜8225,8261〜8267…巻回部(内層巻回部)、8231〜8235,8271〜8276…巻回部(外層巻回部)、L…線材、SP1,SP2…隙間。

Claims (7)

  1. 内部に一対の電極が配置され、当該一対の電極間で放電発光する発光部を有する交流点灯方式の発光管であって、
    前記一対の電極のうち、少なくともいずれか一方は、
    軸部と、当該軸部における他方の電極に近接する側である先端側に形成され、かつ、前記軸部より直径寸法の大きな大径部とを備え、
    前記大径部は、
    前記先端側に形成され、かつ、当該発光管の定常点灯状態で放電する本体部と、
    前記本体部における前記他方の電極から離間する側である後端側に設けられ、かつ、線材を複数層巻回して形成されるコイル部とを備え、
    前記コイル部における最外層に接する内側の層である内層は、前記線材の1巻きに相当する内層巻回部を複数有し、
    前記コイル部の略中央に位置する少なくとも1つの前記内層巻回部のピッチは、他の前記内層巻回部のピッチに比べて大きいことを特徴とする発光管。
  2. 請求項1に記載の発光管において、
    前記コイル部の略中央に位置する前記少なくとも1つの内層巻回部と、当該内層巻回部に隣り合う前記他の内層巻回部との間には、隙間が形成されていることを特徴とする発光管。
  3. 請求項2に記載の発光管において、
    記コイル部の軸方向に沿う方向における前記隙間の最大寸法は、前記内層を形成する前記線材の線径以上に設定されていることを特徴とする発光管。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の発光管において、
    前記最外層は、前記線材の1巻きに相当し、かつ、前記内層に内側で接する外層巻回部を複数有し、
    前記外層巻回部は、それぞれ前記コイル部の軸方向に沿って隙間無く連続して形成されていることを特徴とする発光管。
  5. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の発光管において、
    前記最外層における前記線材の巻き方向は、前記内層における前記線材の巻き方向とは反対方向であり、
    前記最外層は、前記線材の1巻きに相当し、かつ、前記内層に内側で接する外層巻回部を複数有し、
    前記コイル部の略中央に位置する少なくとも1つの前記外層巻回部のピッチは、他の前記外層巻回部のピッチに比べて大きいことを特徴とする発光管。
  6. 請求項1から請求項5のいずれかに記載の発光管と、当該発光管から射出された光を一方向に揃えて光束として射出する反射鏡とを備えることを特徴とする光源装置。
  7. 請求項6に記載の光源装置と、当該光源装置から射出された光束を画像情報に応じて変調する光変調装置と、変調された前記光束を投射する投射光学装置とを備えることを特徴とするプロジェクタ。
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