JP2008243640A - 光源装置、プロジェクタ及び光源ランプ - Google Patents

光源装置、プロジェクタ及び光源ランプ Download PDF

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Abstract

【課題】光源ランプの黒化現象の発生を抑制することのできる光源装置、プロジェクタ及び光源ランプを提供すること。
【解決手段】内部に一対の電極が配置される放電空間Sが形成された発光部511、及び、当該発光部511を挟み、かつ、互いに離間する方向に延出した一対の封止部512,513を有する発光管51を備える光源ランプ5と、封止部512側に取り付けられ、かつ、入射した光を一方向に反射する主反射鏡6とを備えた光源装置411であって、発光管51は、発光部511における封止部513側を覆うように設けられ、主反射鏡6に対向し、かつ、入射した光を発光部511に向かって反射する反射面を有する副反射鏡52と、封止部512における発光部511と主反射鏡6との間に巻き付けられ、かつ、発光管51を保温するコイル部材53とを備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、光源装置、プロジェクタ及び光源ランプに関する。
従来、光源装置と、当該光源装置から射出された光束を画像情報に応じて変調する光変調装置と、変調された光束をスクリーン等に投射して、当該光束に係る画像を結像させる投射光学装置とを備えたプロジェクタが知られている。このような光源装置としては、超高圧水銀ランプ等の放電型の光源ランプと、当該光源ランプから入射した光を一方向に反射するリフレクタ(主反射鏡)とを備えた光源装置が採用される場合がある。
このような光源ランプは、光を射出する発光部と、当該発光部の両端から互いに離間する方向に延出した一対の封止部とを有する発光管を備えている。このうち、発光部の内部には、一対の電極と、アルゴン及びキセノン等の希ガス並びにハロゲンを含む発光物質とが封入された放電空間が形成され、当該一対の電極には、封止部内に配置されたモリブデン箔を介してリード線が接続され、当該リード線は封止部外に延出している。このような光源ランプは、各リード線を介して電極に所定の電圧を印加すると、放電空間内に放電が生じ、発光物質が反応して発光する構成となっている。
ところで、近年、プロジェクタには、投射画像の高輝度化が求められている。このような要望に対して、光源ランプから射出された光のうち、光変調装置に入射する光の光量を増加させ、当該光変調装置による画像形成に供される光の利用効率を高める構成が数多く提案されている。このような構成として、光源ランプの発光管に、リフレクタとは異なる反射鏡(副反射鏡)を設けた光源装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1に記載の光源装置は、光源ランプのリフレクタから離間する側の封止部に、当該リフレクタに対向し、かつ、発光部における当該封止部側を覆うように設けられた略椀状の副反射鏡を備えている。そして、副反射鏡は、光源ランプの発光部から射出された光のうち、発光部から当該封止部側(光源装置の前方側)に射出された光を、リフレクタに向かって反射する。このような副反射鏡により、発光部から射出され、かつ、光源装置の光路後段に配置された光学部品に入射しない光が生じることを抑えることができ、光変調装置に入射する光量を増加させることができる。
特開2005−148293号公報
しかしながら、特許文献1に記載の光源装置では、光源ランプの発光時に、発光部における副反射鏡が設けられた一方の封止部側と、他方の封止部側とで温度差が生じやすいという問題がある。
具体的に、光が照射されることによる副反射鏡に生じる熱により、当該副反射鏡が設けられた側の封止部は、温度が上昇しやすい一方で、放熱による温度降下が生じにくいため、当該封止部側の温度は、他方の封止部側の温度に比べて高くなる。このため、発光管内に温度差が生じ、蒸発した電極材料が発光管の内壁に付着する黒化現象が生じる可能性が高くなる。このような黒化現象が生じた場合、光源ランプの照度低下及び寿命の短期化を生じさせてしまうという問題がある。
本発明の目的は、光源ランプの黒化現象の発生を抑制することのできる光源装置、プロジェクタ及び光源ランプを提供することである。
前記した目的を達成するために、本発明の光源装置は、内部に一対の電極が配置される放電空間が形成された発光部、及び、当該発光部を挟み、かつ、互いに離間する方向に延出した一対の封止部を有する発光管を備える光源ランプと、前記一対の封止部のうちの一方の封止部側に取り付けられ、かつ、入射した光を一方向に反射する主反射鏡とを備えた光源装置であって、前記発光管は、前記発光部における他方の封止部側を覆うように設けられ、前記主反射鏡に対向し、かつ、入射した光を前記発光部に向かって反射する反射面を有する副反射鏡と、前記一方の封止部における前記発光部と前記主反射鏡との間に巻き付けられ、かつ、前記発光管を保温するコイル部材とを備えることを特徴とする。
このようなコイル部材としては、銅等の熱伝導性のよい金属により形成することができる。また、主反射鏡としては、楕円面リフレクタ、放物面リフレクタ、及び、自由曲面リフレクタ等を例示することができる。
本発明によれば、発光管を構成する一対の封止部のうち、副反射鏡が設けられた一方の封止部とは反対側に位置する他方の封止部に、当該発光管を保温するコイル部材が設けられている。これによれば、当該コイル部材が設けられた他方の封止部を保温することができるので、光源ランプを点灯させた際に、当該他方の封止部と、発光部から射出された光が入射することにより温度が上昇する副反射鏡が設けられた側の封止部との温度差を小さくすることができる。従って、発光管内に黒化現象が生じることを抑制することができ、当該光源ランプの長寿命化を図ることができる。
本発明では、前記コイル部材は、前記発光部と前記一方の封止部との接続部近傍に位置するように付勢されたコイルばねで構成されていることが好ましい。
本発明によれば、発光管を保温するコイル部材が、コイルばねで構成され、当該コイルばねは、当該コイルばねが設けられた一方の封止部と発光部との接続部近傍に位置するように付勢されている。これによれば、光源装置の姿勢に依らずに、当該接続部近傍にコイルばねを位置させておくことができる。このため、一方の封止部において、他方の封止部における副反射鏡が設けられた位置と同様の位置をコイル部材により保温することができるので、発光管内における温度分布の偏りの発生を一層抑制することができる。従って、当該発光管内での黒化現象の発生を一層抑制することができ、光源ランプを確実に長寿命化することができる。
本発明では、前記コイル部材は、略隙間無く連続して巻き付けられていることが好ましい。
ここで、コイル部材の巻き数が少ないと、コイル部材を介して発光管が露出する面積が大きくなり、当該コイル部材による保温効率が低下してしまう。さらに、冷却空気を送風して光源ランプを冷却するファン等が設けられている場合には、当該コイル部材による発光管の保温効果が一層低下してしまう。
これに対し、本発明では、コイル部材は、封止部に略隙間無く連続して巻き付けられていることにより、当該コイル部材を介して発光管が露出する面積を小さくすることができる。従って、コイル部材による保温効果を確実に発揮することができ、発光管内での黒化現象の発生を一層確実に抑制することができる。
本発明では、前記コイル部材のコイル径は、前記発光部から射出され、かつ、前記主反射鏡の有効反射領域に入射する光を遮らないように設定されていることが好ましい。
ここで、主反射鏡の有効反射領域とは、発光管、主反射鏡及び副反射鏡の外形寸法等により設定される主反射鏡の反射面における領域であり、主反射鏡が、例えば、回転曲線形状を有する楕円面リフレクタで構成されている場合には、反射面に入射した光のうち、当該反射面の第2焦点に集束する光が入射する反射面の領域を示す。
本発明によれば、コイル部材により、主反射鏡の有効反射領域に入射する光が遮られないようにすることができるので、発光部から射出され、かつ、光源装置外に射出される光が減光されることを防ぐことができる。従って、コイル部材による発光部からの光の損失を防ぐことができる。
また、本発明のプロジェクタは、光源装置と、当該光源装置から射出された光束を画像情報に応じて変調する光変調装置と、当該光変調装置により変調された光束を投射する投射光学装置とを備えたプロジェクタであって、前記光源装置は、前述の光源装置であることを特徴とする。
本発明によれば、前述の光源装置と同様の効果を奏することができる。
すなわち、光源ランプにおける副反射鏡が設けられた封止部とは反対側の封止部に、コイル部材が巻き付けられていることにより、光源ランプ内に温度分布の偏りが生じることを抑えることができる。従って、光源ランプ内に黒化現象が生じることを抑制することができ、当該光源ランプの長寿命化を図ることができる。
また、本発明の光源ランプは、内部に一対の電極を有する放電空間が形成された発光部、及び、当該発光部を挟む一対の封止部を有する発光管を備えた光源ランプであって、前記一対の封止部の一方には、前記発光部の少なくとも一部を覆い、かつ、当該発光部から射出された光を一方向に反射する反射鏡が設けられ、前記一対の封止部の他方には、前記発光管を保温するコイル部材が設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、前述の光源装置と同様の効果を奏することができる。
すなわち、光源ランプの発光管における反射鏡が設けられた封止部とは反対側の封止部に、当該発光管を保温するコイル部材が設けられていることにより、発光管を点灯させた際の当該発光管内部に温度分布の偏りが生じることを抑制することができる。従って、前述の黒化現象の発生を抑制することができ、光源ランプの長寿命化を図ることができる。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
〔プロジェクタ1の構成〕
図1は、本実施形態に係るプロジェクタ1の概略構成を示す模式図である。
プロジェクタ1は、内部に設けられた光源装置411から射出される光束を画像情報に応じて変調して画像光を形成し、当該画像光に係る画像をスクリーン(図示省略)等の投射面上に拡大投射するものである。このプロジェクタ1は、図1に示すように、外装筺体2と、投射レンズ3と、光学ユニット4等を備えている。
なお、図1において、図示は省略するが、外装筺体2内における投射レンズ3及び光学ユニット4以外の空間には、プロジェクタ1内部を冷却する冷却ファン等で構成される冷却ユニット、プロジェクタ1内部の各構成部材に電力を供給する電源ユニット、及び、プロジェクタ1全体を制御する制御ユニット等が配置されるものとする。
〔外装筐体2及び投射レンズ3の構成〕
外装筺体2は、合成樹脂等から構成され、図1に示すように、投射レンズ3及び光学ユニット4等を内部に収納配置する全体略直方体状に形成されている。この外装筺体2は、詳しい図示を省略するが、プロジェクタ1の天面、前面、背面及び左右両側面をそれぞれ構成するアッパーケースと、プロジェクタ1の底面、前面及び背面をそれぞれ構成するロアーケースとにより構成され、これらアッパーケース及びロアーケースは、互いにねじ等で固定されている。なお、外装筺体2は、合成樹脂等に限らず、その他の材料にて形成してもよく、例えば、金属等により構成してもよい。
投射レンズ3は、光学ユニット4にて形成された画像光を、スクリーン(図示省略)等の投射面上に結像させるとともに、当該画像光に係る画像を拡大投射する投射光学装置である。この投射レンズ3は、筒状の鏡筒内に複数のレンズが収納された組レンズとして構成されている。
〔光学ユニット4の構成〕
光学ユニット4は、前述の制御ユニットによる制御の下、光源から射出された光束を、光学的に処理して画像情報に対応した画像光を形成するユニットである。この光学ユニット4は、図1に示すように、外装筺体2の背面に沿って延出するとともに、外装筺体2の側面に沿って延出する平面視略L字形状を有している。
この光学ユニット4は、照明光学装置41と、色分離光学装置42と、リレー光学装置43と、電気光学装置44と、これら光学部品41〜44を内部に収納配置するとともに、投射レンズ3を所定位置で支持固定する光学部品用筐体45とを備えている。
照明光学装置41は、電気光学装置44を構成する後述する液晶パネル442の画像形成領域をほぼ均一に照明するものである。この照明光学装置41は、光源装置411と、第1レンズアレイ412と、第2レンズアレイ413と、偏光変換素子414と、重畳レンズ415とを備えて構成されている。
光源装置411は、放射状の光線を射出する光源ランプ5と、当該光源ランプ5から射出された放射光を反射して、所定位置に収束させる主反射鏡6と、平行化凹レンズ7と、これらを内部に収納するハウジング8とを備えている。なお、光源ランプ5及び主反射鏡6の構成については、後に詳述する。
平行化凹レンズ7は、主反射鏡6にて反射されて収束される光束を照明光軸Aに対して平行化する。
ハウジング8は、合成樹脂により形成された筐体であり、前述のように、光源ランプ5、主反射鏡6及び平行化凹レンズ7を内部に収納して、光源装置411をユニットとして構成する。
第1レンズアレイ412は、照明光軸Aに略直交する面内に複数の小レンズが、マトリクス状に配列された構成を有している。これら小レンズは、照明光軸A方向から見て略矩形状の輪郭を有している。そして、これら各小レンズは、光源装置411から射出される光束を、複数の部分光束に分割する。
第2レンズアレイ413は、第1レンズアレイ412と同様の構成を有しており、第1レンズアレイ412の小レンズに対応する小レンズがマトリクス状に配列された構成を有している。この第2レンズアレイ413は、重畳レンズ415とともに、第1レンズアレイ412の各小レンズの像を、電気光学装置44の後述する液晶パネル442の画像形成領域に結像させる機能を有している。
偏光変換素子414は、第2レンズアレイ413と重畳レンズ415との間に配置され、当該第2レンズアレイ413からの光を略1種類の直線偏光に変換するものである。
具体的に、偏光変換素子414によって略1種類の直線偏光に変換された各部分光は、重畳レンズ415によって最終的に後述する液晶パネル442の画像形成領域にほぼ重畳される。偏光光を変調するタイプの液晶パネルを用いたプロジェクタでは、1種類の偏光光しか利用できないため、ランダムな偏光光を発する光源装置411からの光の略半分を利用できない。このため、偏光変換素子414を用いることで、光源装置411からの射出光を略1種類の直線偏光に変換し、電気光学装置44での光の利用効率を高めている。
色分離光学装置42は、2枚のダイクロイックミラー421,422と、反射ミラー423とを備え、ダイクロイックミラー421,422により照明光学装置41から射出された複数の部分光束を赤(R)、緑(G)、青(B)の3色の色光に分離する。
リレー光学装置43は、入射側レンズ431、リレーレンズ433及び反射ミラー432,434を備え、色分離光学装置42で分離された赤色光を赤色光用の液晶パネル442Rまで導く機能を有している。
この際、色分離光学装置42のダイクロイックミラー421では、照明光学装置41から射出された光束の赤色光成分と緑色光成分とが透過するとともに、青色光成分が反射する。ダイクロイックミラー421によって反射した青色光は、反射ミラー423で反射し、フィールドレンズ441を通って青色光用の液晶パネル442Bに達する。このフィールドレンズ441は、第2レンズアレイ413から射出された各部分光束をその中心軸(主光線)に対して平行な光束に変換する。他の緑色光及び赤色光用の液晶パネル442G,442Rの光入射側に設けられたフィールドレンズ441も同様である。
ダイクロイックミラー421を透過した赤色光と緑色光のうち、緑色光はダイクロイックミラー422によって反射され、フィールドレンズ441を通って緑色光用の液晶パネル442Gに達する。一方、赤色光はダイクロイックミラー422を透過してリレー光学装置43を通り、さらにフィールドレンズ441を通って赤色光用の液晶パネル442Rに達する。なお、赤色光にリレー光学装置43が用いられているのは、赤色光の光路の長さが他の色光の光路の長さよりも長いため、光の拡散等による光の利用効率の低下を防止するためである。すなわち、入射側レンズ431に入射した部分光束をそのまま、フィールドレンズ441に伝えるためである。なお、リレー光学装置43には、3つの色光のうち赤色光を通す構成としたが、これに限らず、例えば、青色光を通す構成としてもよい。
電気光学装置44は、色分離光学装置42から射出される3つの色光を画像情報に応じてそれぞれ変調し、変調した各色光を合成して光学像(カラー画像)を形成する。
この電気光学装置44は、図1に示すように、前述のフィールドレンズ441と、光変調装置としての液晶パネル442(赤色光用の液晶パネルを442R、緑色光用の液晶パネルを442G、及び、青色光用の液晶パネルを442Bとする)と、これら各液晶パネル442の光束入射側にそれぞれ配置される3つの入射側偏光板443と、各液晶パネル442の光束射出側にそれぞれ配置される3つの視野角補償板444と、当該3つの視野角補償板444の光束射出側にそれぞれ配置される3つの射出側偏光板445と、色合成光学装置としてのクロスダイクロイックプリズム446とを備えて構成されている。
入射側偏光板443には、偏光変換素子414で偏光方向が略一方向に揃えられた各色光が入射し、当該入射側偏光板443は、入射した光束のうち、偏光変換素子414で揃えられた光束の偏光方向と略同一方向の偏光光のみ透過させ、その他の光束を吸収する。このような入射側偏光板443は、例えば、サファイアガラスまたは水晶等の透光性基板上に偏光層が貼付された構成を有している。
光変調装置としての液晶パネル442は、詳しい図示を省略するが、一対の透明なガラス基板間に電気光学物質である液晶が密閉封入した構成を有している。そして、当該液晶パネル442では、前述の制御ユニットから入力する画像情報である駆動信号に応じて、液晶の配向状態が制御され、入射側偏光板443から射出された偏光光束の偏光方向が変調されることで、画像光が形成される。
視野角補償板444は、フィルム状に形成され、液晶パネル442に光束が斜方入射した場合(パネル面の法線方向に対して傾斜して入射した場合)の当該液晶パネル442で生じる複屈折による常光と異常光との間に生じる位相差を補償する。この視野角補償板444は、負の一軸性を有する光学異方体であり、その光学軸がフィルム面内の所定方向に向きかつ、該フィルム面から面外方向に所定角度傾斜するように配向している。
この視野角補償板444としては、例えば、トリアセチルセルロース(TAC)等の透明支持体上に配向層を介してディスコティック(円盤状)化合物層を形成したもので構成でき、WVフィルム(富士写真フィルム社製)を採用できる。
射出側偏光板445は、液晶パネル442から射出され視野角補償板444を介した光束のうち、入射側偏光板443における光束の透過軸と直交する偏光方向を有する光束のみ透過させ、その他の光束を吸収するものである。このような射出側偏光板445は、前述の入射側偏光板443と同様の構成とすることができる。
クロスダイクロイックプリズム446は、射出側偏光板445から射出された色光毎に変調された変調光を合成して光学像(カラー画像)を形成する。このクロスダイクロイックプリズム446は、4つの直角プリズムを貼り合わせた平面視正方形状をなし、直角プリズム同士を貼り合わせた界面には、2つの誘電体多層層が形成されている。これら誘電体多層層は、投射レンズ3と対向する側(G色光側)に配置された射出側偏光板445を介した色光を透過し、残り2つの射出側偏光板445(R色光側及びB色光側)を介した色光を反射する。このようにして、各入射側偏光板443、各液晶パネル442、各視野角補償板444、及び、各射出側偏光板445にて変調された各色光が合成されてカラー画像が形成される。
〔光源ランプ5の構成〕
図2は、光源装置411の光源ランプ5及び主反射鏡6を示す縦断面図である。なお、図2においては、平行化凹レンズ7及びハウジング8の図示を省略している。
光源ランプ5は、前述のように、光源装置411を構成し、電圧印加によって発光する光源である。この光源ランプ5は、図2に示すように、石英ガラスにより形成された発光管51と、当該発光管51に取り付けられる副反射鏡52と、コイルばね53とを備えて構成されている。なお、このような光源ランプ5としては、高輝度発光する種々の光源ランプを採用することができ、例えば、メタルハライドランプ、高圧水銀ランプ及び超高圧水銀ランプ等を採用することができる。
発光管51には、中央部分が略球状に膨出する発光部511と、発光部511を挟み、かつ、当該発光部511の両端から互いに離間する方向に延出する一対の封止部512,513(図2における左側の封止部を512、右側の封止部を513とする)とが形成されている。
このうち、発光部511の内部には、一対の電極5111,5112が配置され、当該一対の電極5111,5112間には、水銀、希ガス及び少量のハロゲンを含む発光物質が封入された放電空間Sが形成されている。
一対の封止部512,513の内部には、発光部511内の一対の電極5111,5112と電気的に接続されるモリブデン製の金属箔5121,5131がそれぞれ挿入され、当該一対の封止部512,513における発光部511とは反対側の端部は、ガラス材料等で封止されている。これら各金属箔5121,5131には、さらに電極引出線としてのリード線514,515がそれぞれ接続され、当該リード線514,515は、発光管51の外部まで延出している。そして、これらリード線514,515に対して電圧を印加すると、金属箔5121,5131を介して電極5111,5112間に電位差が生じて放電が発生し、アーク像Dが形成されて発光部511内部が発光する。
ここで、主反射鏡6について説明する。
主反射鏡6は、光源ランプ5の一方の封止部512(光源装置411における光束射出方向の基端側に位置する封止部512)に接着剤Bにより固定されるガラス製の一体成形品であり、入射した光を反射して、照明光軸A上の第2焦点F2に収束させる。この主反射鏡6には、封止部512が挿通される略円筒状の首状部61と、当該首状部61から拡がる凹曲面状の反射部62とが形成されている。
このうち、反射部62における光源ランプ5に対向する側の回転曲線形状の面には、金属薄膜が蒸着された反射面621が形成されている。この反射面621は、可視光を反射し、かつ、赤外線及び紫外線を透過するコールドミラーとして形成されている。
首状部61には、封止部512が挿通される平面視略円形状の開口611が形成されており、封止部512が挿通された状態で接着剤Bが当該開口611内に注入され、これにより、封止部512と主反射鏡6とが接着固定される。この際、光源ランプ5の主反射鏡6に対する位置は、当該光源ランプ5の発光部511におけるアーク像Dの中心位置Cと、当該主反射鏡6の反射面621の第1焦点F1近傍となるように設定されている。
このような主反射鏡6では、光源ランプ5の発光部511から射出された光のうち、主反射鏡6の反射面621に入射した光R1は、当該反射面621にて反射され、照明光軸上に設定された回転曲線形状の第2焦点F2に集束する。
なお、本実施形態では、主反射鏡6は、回転楕円面を有する楕円面リフレクタで構成されているが、回転放物面を有する放物面リフレクタで構成してもよい。この場合には、平行化凹レンズ7を省略した構成とする。さらに、主反射鏡6は、自由曲面リフレクタで構成してもよい。
〔副反射鏡52の構成〕
副反射鏡52は、光源ランプ5の封止部513(主反射鏡6が装着される側とは反対側の封止部513)に装着されるガラス製の成形品であり、発光管51と同様の素材により形成されている。この副反射鏡52には、封止部513が挿通される略円筒状の首状部521と、当該首状部521から拡がる反射部522とが形成されている。
首状部521には、封止部513が挿通される開口5211が形成され、当該封止部513が挿通された状態で開口5211内に接着剤が注入され、副反射鏡52が封止部513に取り付けられる。
反射部522は、封止部513に副反射鏡52が取り付けられた際、発光部511の封止部513側(光源装置411の光束射出方向の先端側)を覆うように配置され、当該発光部511の外形に沿うように略椀状に形成されている。この反射部522における発光部511と対向する面には、前述の反射面621と同様に、金属薄膜が蒸着された反射面5221が形成されており、当該反射面5221も、可視光を反射し、かつ、赤外線及び紫外線を透過するコールドミラーとして形成されている。
このような副反射鏡52を発光管51に取り付けることにより、発光部511から射出された光のうち、主反射鏡6側とは反対側に射出された光R2、すなわち、副反射鏡52の反射面5221に入射する光R2は、当該反射面5221により発光部511に向かって反射され、発光部511を通過して主反射鏡6の反射面621に入射する。このため、当該光R2は、発光部511から反射面621に直接入射する前述の光R1と同様に、当該反射面621にて反射され、第2焦点F2に集束する。これにより、発光部511から光源装置411の光束射出方向の先端側に直接射出され、かつ、当該光源装置411の光路後段に位置する第1レンズアレイ412に入射しない光の発生を抑えることができる。従って、副反射鏡52を設けない場合に比べ、発光部511から射出され、かつ、前述の液晶パネル442に入射する光の光量を増加させることができ、当該液晶パネル442による画像形成における光の利用効率を向上することができる。
〔コイルばね53の構成〕
コイルばね53は、本発明のコイル部材に相当し、封止部512における発光部511と主反射鏡6との間に設けられている。
詳述すると、コイルばね53は、銅製の圧縮ばねで構成され、内径が封止部512の外径寸法と略同じとなるように構成されている。そして、封止部512に主反射鏡6を取り付ける際には、コイルばね53は、圧縮された状態で維持され、接着剤Bにより封止部512と主反射鏡6とが固定された後、当該圧縮状態が解除される。このため、コイルばね53は、接着剤B方向に付勢力を作用させるとともに発光部511側に付勢力を作用させ、当該コイルばね53の位置が、発光部511と主反射鏡6との間(詳しくは、発光部511と、主反射鏡6を封止部512に固定する接着剤Bとの間)に維持される。
また、このコイルばね53は、発光部511と主反射鏡6との間に、コイル部を構成する銅線が略隙間無く連続して配列される。このため、発光管51の表面から放射される熱を帯びた空気が、封止部512とコイルばね53との間にこもりやすくすることができ、これにより、封止部512と発光部511との接続部が冷えにくくなっている。
ここで、主反射鏡6の反射面621の有効反射領域Arについて説明する。
図3は、コイルばね53と主反射鏡6の反射面621の有効反射領域Arとの位置関係を示す図である。
発光管51の発光部511から射出された光は、全て液晶パネル442の画像形成に利用されるのではなく、主反射鏡6の有効反射領域Arに入射し、かつ、当該主反射鏡6により第2焦点F2に集束される光が、第1レンズアレイ412等を介して液晶パネル442に入射して画像形成に利用される。
この有効反射領域Arは、発光管51、副反射鏡52及び主反射鏡6の外形寸法や、当該主反射鏡6の第1焦点F1及び第2焦点F2の各位置に応じて設定される。
具体的に、有効反射領域Arは、図3に示すように、発光部511から射出され、かつ、反射面621により反射されて第2焦点F2に集束される光のうち、反射面621における開口611から最も離れた位置に入射する光R3の入射位置P3から、開口611に最も近接する位置に入射する光R4の入射位置P4までの範囲とされる。なお、光R4は、反射面621に入射し、かつ、副反射鏡52に入射せずに、第2焦点F2に集束する光である。そして、コイルばね53のコイル径及び線径は、当該有効反射領域Arに入射する光を遮らない寸法に設定されている。
以上説明した本実施形態のプロジェクタ1によれば、以下の効果を奏することができる。
すなわち、光源ランプ5の発光管51を構成する一対の封止部512,513のうち、副反射鏡52が取り付けられた封止部513とは反対側に位置し、かつ、主反射鏡6が取り付けられる封止部513には、当該発光管51を保温するコイルばね53が取り付けられている。これによれば、コイルばね53が設けられた封止部512を保温することができる。このため、光源ランプ5の発光時に、当該光源ランプ5の発光部511から射出された光及び輻射熱等により温度が上昇する副反射鏡52が設けられた位置の発光管51内の温度と、コイルばね53が設けられた位置の発光管51内の温度との温度差を小さくすることができる。従って、発光管51内に黒化現象が生じることを抑制することができ、光源ランプ5の長寿命化を図ることができる。
ここで、発光管51の黒化現象は、発光部511と各封止部512,513との接続部近傍で生じることが確認されている。
これに対し、コイルばね53は、圧縮ばねで構成され、発光部511、及び、主反射鏡6の開口611内の接着剤Bに付勢力を作用させるように、封止部512に取り付けられている。すなわち、コイルばね53の位置は、当該付勢力により、封止部512と発光部511との接続部近傍に維持されている。これによれば、当該接続部と、副反射鏡52が設けられた側の封止部513及び発光部511の接続部との温度差を小さくすることができる。従って、発光管51内での黒化現象の発生を一層効果的に抑制することができ、光源ランプ5の長寿命化を一層確実に図ることができる。
また、コイルばね53は、封止部512における発光部511と、主反射鏡6を固定する接着剤Bとの間に、略隙間無く巻き付けられており、当該コイルばね53が設けられた封止部512の位置では、発光管51がほぼ露出しない。これによれば、コイルばね53による発光管51の保温性を向上することができる。
また、図3に示すように、光源ランプ5を冷却するファン(図示省略)からの冷却空気Wが、主反射鏡6の反射面621に沿って流通している場合でも、当該冷却空気Wによって、コイルばね53が設けられた側の封止部512が急激に冷却されることを防ぐことができる。従って、発光管51内での温度分布の偏りの発生を確実に抑制することができ、発光管51内で黒化現象が生じることを一層確実に抑制することができる。
また、コイルばね53のコイル径は、発光部511から主反射鏡6の反射面621における有効反射領域Arに入射する光を遮らないように設定されている。これによれば、コイルばね53により、当該有効反射領域Arに入射する光の光量が減少することを防ぐことができる。従って、当該有効反射領域Arに入射し、各光学部品を介して液晶パネル442に入射する光の光量が減少することを防ぐことができるので、画像形成に係る光の利用効率が低下することを防ぐことができる。
〔実施形態の変形〕
本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
前記実施形態では、コイルばね53は、発光管51の封止部512において発光部511側に付勢されているとしたが、本発明はこれに限らない。すなわち、コイルばね53の位置が、封止部512における発光部511側に位置していればよく、当該位置に固定されていてもよい。
また、前記実施形態では、コイル部材を、コイルばね53で構成したが、本発明はこれに限らない。すなわち、線材が幾重にも巻かれたコイル部を有する部材であれば、圧縮ばねでなくてもよい。
前記実施形態では、コイルばね53は、封止部512に取り付けられた際に、略隙間無く連続して巻き付けられているとしたが、本発明はこれに限らず、コイル部において線材間に所定の間隔が空いていてもよい。すなわち、発光管51を保温することが可能であれば、本発明のコイル部材の形状は問わない。
また、前記実施形態では、コイルばね53のコイル径は、発光部511から射出され、かつ、主反射鏡6の反射面621の有効反射領域Arに入射する光を遮らないように設定されているとしたが、本発明はこれに限らない。すなわち、コイルばね53によって、有効反射領域Arに入射する光の一部が遮光されてもよい。
前記実施形態では、プロジェクタ1は、3つの液晶パネル442R,442G,442Bを備えるとしたが、本発明はこれに限らない。すなわち、2つ以下、あるいは、4つ以上の液晶パネルを用いたプロジェクタにも、本発明を適用可能である。
また、前記実施形態では、光学ユニット4は平面視略L字形状を有した構成を説明したが、これに限らず、例えば、平面視略U字形状を有した構成を採用してもよい。
さらに、前記実施形態では、光束入射面と光束射出面とが異なる透過型の液晶パネル442を用いていたが、光入射面と光射出面とが同一となる反射型の液晶パネルを用いてもよい。
前記実施形態では、光変調装置として液晶パネル442を備えたプロジェクタ1を例示したが、入射光束を画像情報に応じて変調して光学像を形成する光変調装置であれば、他の構成の光変調装置を採用してもよい。例えば、マイクロミラーを用いたデバイスなど、液晶以外の光変調装置を用いたプロジェクタにも、本発明を適用することも可能である。このような光変調装置を用いた場合、光束入射側及び光束射出側の偏光板443,445は省略することができる。
前記実施形態では、光源ランプ5を備えた光源装置411を、プロジェクタ1に採用したが、本発明はこれに限らない。すなわち、光源ランプ5及び光源装置411を単体で利用することも可能である。このような光源ランプ5は、スタンド等の照明装置に利用することができ、また、光源装置411は、スポットライト等の照明装置に利用することができる。
本発明は、光源装置に利用でき、特にプロジェクタに採用される光源装置に好適に利用することができる。
本発明の一実施形態に係るプロジェクタの構成を示す模式図。 前記実施形態における光源ランプ及び主反射鏡を示す縦断面図。 前記実施形態におけるコイルばね及び有効反射領域の位置関係を示す図。
符号の説明
1…プロジェクタ、3…投射レンズ(投射光学装置)、5…光源ランプ、6…主反射鏡、51…発光管、52…副反射鏡、53…コイルばね(コイル部材)、411…光源装置、442…液晶パネル(光変調装置)、511…発光部、512…封止部(一方の封止部)、513…封止部(他方の封止部)、5111,5112…電極、5221…反射面、Ar…有効反射領域、S…放電空間。

Claims (6)

  1. 内部に一対の電極が配置される放電空間が形成された発光部、及び、当該発光部を挟み、かつ、互いに離間する方向に延出した一対の封止部を有する発光管を備える光源ランプと、前記一対の封止部のうちの一方の封止部側に取り付けられ、かつ、入射した光を一方向に反射する主反射鏡とを備えた光源装置であって、
    前記発光管は、
    前記発光部における他方の封止部側を覆うように設けられ、前記主反射鏡に対向し、かつ、入射した光を前記発光部に向かって反射する反射面を有する副反射鏡と、
    前記一方の封止部における前記発光部と前記主反射鏡との間に巻き付けられ、かつ、前記発光管を保温するコイル部材とを備えることを特徴とする光源装置。
  2. 請求項1に記載の光源装置において、
    前記コイル部材は、前記発光部と前記一方の封止部との接続部近傍に位置するように付勢されたコイルばねで構成されていることを特徴とする光源装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の光源装置において、
    前記コイル部材は、略隙間無く連続して巻き付けられていることを特徴とする光源装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の光源装置において、
    前記コイル部材のコイル径は、
    前記発光部から射出され、かつ、前記主反射鏡の有効反射領域に入射する光を遮らないように設定されていることを特徴とする光源装置。
  5. 光源装置と、当該光源装置から射出された光束を画像情報に応じて変調する光変調装置と、当該光変調装置により変調された光束を投射する投射光学装置とを備えたプロジェクタであって、
    前記光源装置は、請求項1から請求項4のいずれかに記載の光源装置であることを特徴とするプロジェクタ。
  6. 内部に一対の電極を有する放電空間が形成された発光部、及び、当該発光部を挟む一対の封止部を有する発光管を備えた光源ランプであって、
    前記一対の封止部の一方には、
    前記発光部の少なくとも一部を覆い、かつ、当該発光部から射出された光を一方向に反射する反射鏡が設けられ、
    前記一対の封止部の他方には、
    前記発光管を保温するコイル部材が設けられていることを特徴とする光源ランプ。
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