JP2007213832A - 光源装置、およびプロジェクタ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】光源装置10は、放電空間を有する発光管、および発光管の放電空間に配置される一対の電極を有する光源ランプ11と、断面略凹状に拡がり光源ランプ11から放射された光束を反射する主反射鏡とを備える。主反射鏡の光射出前方側には、光源ランプ11から射出された光束のうち主反射鏡から外れた非利用光R3を反射する非利用光反射面1621を有する非利用光反射部材16が設けられている。非利用光反射面1621は、第1焦点位置F3が光源ランプ11のアーク像の中心位置Oとなり、光源ランプ11から射出され主反射鏡から外れた非利用光R3を反射して第2焦点位置F4に集光させ光源装置10外部に導く回転楕円面で構成され、第2焦点位置F4と非利用光反射面1621とを結ぶ空間S内に光源ランプ11および主反射鏡が入らないように設定されている。
【選択図】図12
Description
このようなプロジェクタの光源装置としては、メタルハライドランプ、高圧水銀ランプ等の放電型の光源ランプと、光源ランプから射出された光束を反射するリフレクタと、これら光源ランプおよびリフレクタを内部に収納するランプハウジングとを備えた構成が多用される(例えば、特許文献1参照)。
ここで、リフレクタとしては、パラボラリフレクタおよび楕円面リフレクタのいずれを採用してもよい。
また、非利用光反射部材としては、リフレクタ等を支持する支持部材(ランプハウジング)の内壁に一体的に形成する、すなわち、支持部材の内壁に非利用光反射面を形成する構成としてもよいし、支持部材とは別体として設ける構成としても構わない。
本発明によれば、光源装置は、非利用光反射部材を備えているので、光源ランプ(第1焦点位置)から射出された光束のうちリフレクタから外れた非利用光を非利用光反射面にて反射して第2焦点位置に集光させ光源装置外部(例えば、支持部材(ランプハウジング)外部)に導くことができる。このため、従来のように非利用光がランプハウジング等の内壁にて吸収されて熱に変換されることがなく、光源装置内部の温度を低く維持することができ、ランプハウジングの劣化や光源ランプの劣化を抑制し光源装置の長寿命化が図れる。
また、非利用光反射面が回転楕円面で構成されているので、非利用光を反射することで第2焦点位置に集光させることができ、簡単な構成で非利用光を光源装置外部に導くことができる。
本発明では、非利用光反射面は、第2焦点位置と該非利用光反射面とを結ぶ空間内に光源ランプおよびリフレクタが入らないように設定されているので、非利用光反射面にて反射された非利用光は、光源ランプやリフレクタに照射されることなく、第2焦点位置に集光されることとなる。このため、非利用光の一部の照射により光源ランプやリフレクタの温度上昇が引き起こされることがなく、光源装置内部の温度を低く維持することができる。
ところで、光源装置において、非利用光反射面を単体で構成した場合には、非利用光反射面を、第2焦点位置と該非利用光反射面とを結ぶ空間内に光源ランプおよびリフレクタが入らないように設定するためには、非利用光反射面が非常に小さい形状となってしまう。このため、非利用光反射面にてより多くの非利用光を反射させて光源装置外部に導くことができない。
本発明によれば、非利用光反射面が複数形成されているので、各非利用光反射面にて反射された非利用光を光源ランプやリフレクタに照射させることなく各第2焦点位置に集光させ、より多くの非利用光を光源装置外部に導くことができる。また、種々の形状で非利用光反射部材を形成でき、非利用光反射部材の設計の自由度が向上する。
本発明によれば、非利用光反射面は、第2焦点位置が光源装置外部、例えば、支持部材(ランプハウジング)外部に位置するように設定されているので、例えば、非利用光を吸収して熱に変換する吸収部材を第2焦点位置に配置する構成を採用した場合に、吸収部材と前記支持部材とを所定間隔、離間した状態で配置できる。このため、上述した構成を採用した場合には、吸収部材にて生じる熱が支持部材に伝達されることを抑制でき、光源装置内部の温度を低く維持することができる。また、上述した構成を採用した場合には、吸収部材の形状を大きくする必要がなく、吸収部材の小型化が図れる。
本発明によれば、非利用光反射部材が支持部材とは別に設けられているので、例えば、支持部材の内壁に非利用光反射部材を一体的に形成する、すなわち、支持部材の内壁に非利用光反射面を形成する構成と比較して、支持部材を簡素な形状で構成でき、光源装置を容易に製造できる。
本発明によれば、光源装置は、副反射鏡を備えているので、光源ランプからリフレクタとは反対側に放射される光束を副反射鏡にて放電空間に向けて反射させ、再度、リフレクタにて反射させることができる。このため、光源ランプから射出される光の利用効率を向上できる。また、光源ランプからリフレクタとは反対側に放射される光束を副反射鏡にて放電空間に向けて反射させることができるため、例えば副反射鏡を設けない場合と比較して、リフレクタの光軸方向寸法および開口径を小さくすることができる。すなわち、光源装置の小型化が図れる。
ところで、副反射鏡としては、照射される光束による副反射鏡の過熱を防止するために、赤外線や紫外線を透過させるコールドミラーで構成することが好ましい。このような構成では、非利用光反射部材の非利用光反射面には、副反射鏡を透過した赤外線や紫外線の非利用光が照射される。また、上述したように、副反射鏡を設けた場合には、光源装置の小型化を目的としてリフレクタの光軸方向寸法および開口径を小さくするため、副反射鏡を透過した非利用光が多くなる。したがって、光源装置に副反射鏡を設けた構成において、例えば非利用光反射部材を設けない構成と比較して、上述した効果をより好適に図れる。
本発明によれば、光源装置が吸収部材を備えていることにより、非利用光反射部材にて光源装置外部に導かれる光束を吸収部材により吸収して熱に変換できる。このため、例えば吸収部材を設けない構成と比較して、光源装置外部に配置される部材に非利用光が照射されることがなく、吸収部材を局部的に冷却すれば光源装置が搭載される光学機器を効率的に冷却できる。
本発明では、吸収部材は、付勢部材により支持部材に対して付勢固定される。そして、付勢部材は、熱伝導性を有する材料で構成される付勢部および放熱部を備えているので、吸収部材〜付勢部〜放熱部の熱伝達経路を辿って伝達された熱を放熱部にて放熱でき、吸収部材を効果的に冷却できる。
本発明によれば、プロジェクタは、上述した光源装置を備えているので、上述した光源装置と同様の作用・効果を享受できる。
〔プロジェクタの構成〕
図1は、本実施形態におけるプロジェクタ1の概略構成を示す平面図である。
プロジェクタ1は、光源から射出された光束を画像情報に応じて変調して画像光を形成し、該画像光をスクリーン等の投射面上に拡大投射する光学機器である。このプロジェクタ1は、図1に示すように、略直方体状の外装筺体2と、この外装筺体2内部に収納配置される光学ユニット3とで大略構成される。
なお、具体的な図示は省略するが、外装筺体2内部には、光学ユニット3の他、プロジェクタ1の構成部材に外部からの電力を供給する電源ユニット、プロジェクタ1内部を冷却する冷却ユニット、プロジェクタ1全体を制御する制御装置等が配置されるものとする。
なお、外装筺体2は、合成樹脂製に限らず、その他の材料にて形成してもよく、例えば、金属等により構成してもよい。
そして、光源ランプ11から放射された光束は、主反射鏡12により光源装置10の前方側に射出方向を揃えて集束光として射出され、平行化凹レンズ14によって平行化され、均一照明光学系20に射出される。
なお、図1では主反射鏡12が楕円面リフレクタとして構成されている場合を示しており、主反射鏡12がパラボラリフレクタとして構成されている場合には平行化凹レンズ14を省略する。
第1レンズアレイ21は、光源装置10から射出された光束を複数の部分光束に分割する光束分割光学素子としての機能を有し、照明光軸Aと直交する面内にマトリクス状に配列される複数の小レンズを備えて構成される。
第2レンズアレイ22は、上述した第1レンズアレイ21により分割された複数の部分光束を集光する光学素子であり、第1レンズアレイ21と同様に照明光軸Aに直交する面内にマトリクス状に配列される複数の小レンズを備えた構成を有している。
この偏光変換素子23は、図示を略したが、照明光軸Aに対して傾斜配置される偏光分離膜および反射膜を交互に配列した構成を具備する。偏光分離膜は、各部分光束に含まれるP偏光光束およびS偏光光束のうち、一方の偏光光束を透過し、他方の偏光光束を反射する。反射された他方の偏光光束は、反射膜によって曲折され、一方の偏光光束の射出方向、すなわち照明光軸Aに沿った方向に射出される。射出された偏光光束のいずれかは、偏光変換素子23の光束射出面に設けられる位相差板によって偏光変換され、略全ての偏光光束の偏光方向が揃えられる。このような偏光変換素子23を用いることにより、光源ランプ11から射出される光束を、略一方向の偏光光束に揃えることができるため、光学装置40で利用する光源光の利用率を向上することができる。
ダイクロイックミラー31,32は、基板上に所定の波長領域の光束を反射し、他の波長領域の光束を透過する波長選択膜が形成された光学素子である。そして、光路前段に配置されるダイクロイックミラー31は、青色光を反射し、その他の色光を透過するミラーである。また、光路後段に配置されるダイクロイックミラー32は、緑色光を反射し、赤色光を透過するミラーである。
クロスダイクロイックプリズム43は、射出側偏光板45から射出された色光毎に変調された光学像を合成してカラー画像を形成する光学素子である。このクロスダイクロイックプリズム43は、4つの直角プリズムを貼り合わせた平面視略正方形状をなし、直角プリズム同士を貼り合わせた界面には、誘電体多層膜が形成されている。略X字状の一方の誘電体多層膜は、赤色光を反射するものであり、他方の誘電体多層膜は、青色光を反射するものであり、これらの誘電体多層膜によって赤色光および青色光は曲折され、緑色光の進行方向と揃えられることにより、3つの色光が合成される。
そして、クロスダイクロイックプリズム43から射出されたカラー画像は、投射光学系50によって拡大投射され、図示を略したスクリーン上で大画面画像を形成する。
図2ないし図4は、光源装置10の概略構成を示す図である。具体的に、図2は、光源装置10を光射出前方側から見た斜視図である。図3は、光源装置10を光射出後方側から見た斜視図である。図4は、光源装置10を光射出後方側から見た分解斜視図である。
なお、以下では、説明の便宜上、光源装置10から射出される光束の中心軸(照明光軸A)をZ軸とし、このZ軸に直交する2軸をそれぞれX軸(水平軸)およびY軸(垂直軸)とする。
光源装置10は、図2ないし図4に示すように、光源装置本体10Aと、平行化凹レンズ14(図2、図4)と、ランプハウジング10Bとを備える。
図5は、光源装置本体10Aの概略構成を示す断面図である。
光源装置本体10Aは、光源ランプ11、主反射鏡12、および副反射鏡13が一体化された構成である。
光源ランプ11は、図5に示すように、石英ガラス管から構成される発光管111と、この発光管111内に配置される一対の電極112および図示しない封入物とを備える。
ここで、光源ランプ11としては、高輝度発光する種々の光源ランプを採用でき、例えば、メタルハライドランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ等を採用できる。
発光部1111には、略球状の放電空間が形成され、この放電空間内に、一対の電極112と、水銀、希ガス、および少量のハロゲンが封入される。
一対の封止部1112,1113の内部には、一対の電極112と電気的に接続されるモリブデン製の金属箔112Aが挿入され、ガラス材料等で封止されている。各金属箔112Aには、さらに電極引出線としてのリード線113が接続され、このリード線113は、光源ランプ11の外部まで延出している。
そして、リード線113に電圧を印加すると、図5に示すように、金属箔112Aを介して電極112間に電位差が生じて放電が生じ、アーク像Dが生成して発光部1111内部が発光する。なお、以下では、発光中心を電極112間に生成されるアーク像Dの中心位置Oとして説明する。また、アーク像Dの中心位置Oは、一対の電極112間の略中央に位置する。さらに、アーク像Dの中心位置Oは、封止部1112,1113の延出方向に沿った発光管111の中心軸(図5では照明光軸Aと一致)と、発光部1111が最も膨出している部位の照明光軸Aに直交する平面に沿った断面との交点(発光管111の中心)に略一致するものとする。
首状部121には、図5に示すように、略円筒状となるように中央に挿入孔123が成形加工により形成されており、この挿入孔123の中心に封止部1112が配置される。
反射部122は、回転曲線形状のガラス面に金属薄膜を蒸着形成して構成された反射面122Aを備える。そして、この反射面122Aは、可視光を反射して赤外線および紫外線を透過するコールドミラーとなっている。
そして、光源ランプ11を点灯すると、図5に示すように、発光部1111から放射された光束のうち主反射鏡12に向った光束R1は、主反射鏡12の反射部122の反射面122Aで反射して、回転曲線形状の第2焦点位置F2に集束する集束光となる。
また、反射部122における光射出前方側端部は、図4または図5に示すように、発光管111の中心軸(図5では照明光軸Aに一致)に略直交して外側に延出し、平面視矩形枠形状を有する。そして、反射部122における光射出前方側端部が、光源装置本体10Aをランプハウジング10Bに位置決めするための位置決め部122Bとして機能する。
首状部131は、光源ランプ11に対して副反射鏡13を固着する部分であり、筒状の挿通孔131Aに光源ランプ11の封止部1113を挿通することで、図5に示すように、光源ランプ11に対して副反射鏡13が設置される。そして、この挿通孔131Aの内周面は、封止部1113との固定用接着剤が充填される接着面とされる。このように、副反射鏡13に首状部131を設けることで、首状部131を設けない構成と比較して、光源ランプ11に対する副反射鏡13の固着領域を大きくとることができ、光源ランプ11に対する副反射鏡13の固着状態を良好に維持できる。
この反射部132は、その内面が光源ランプ11の発光部1111の球面に倣う球面状に形成された反射面132Aとなる。なお、この反射面132Aは、主反射鏡12の反射面122Aと同様に、可視光を反射して赤外線および紫外線を透過するコールドミラーとなっている。
上述した副反射鏡13は、低熱膨張材および/または高熱伝導材である、例えば石英、アルミナセラミックス等の無機系材料から構成される。
ランプハウジング10Bは、光源装置本体10Aおよび平行化凹レンズ14を一体化し、アウターハウジング10Cに対する所定位置に設置する部材である。このランプハウジング10Bは、図2ないし図4に示すように、支持部材としてのランプハウジング本体(インナーハウジング)15と、非利用光反射部材16(図4)と、吸収部材17と、付勢部材18とを備える。
図6および図7は、ランプハウジング本体15の概略構成を示す斜視図である。具体的に、図6は、ランプハウジング本体15を光射出前方側から見た斜視図である。図7は、ランプハウジング本体15を光射出後方側から見た斜視図である。
ランプハウジング本体15は、合成樹脂を射出成型等することにより形成された成形品であり、表面に反射防止処理が施され、図2または図3に示すように、光源装置本体10Aおよび平行化凹レンズ14を支持し、これら各部材10A,14を一体化する。このランプハウジング本体15は、図6または図7に示すように、基体151と、光源装置本体支持部152と、反射部材取付部153と、平行化凹レンズ支持部154とで構成される。
この基体151において、−X軸方向端縁には、図6または図7に示すように、図示しないコネクタを配設するためのコネクタ配設部1511が上方に向けて立設されている。
前記コネクタは、光源ランプ11に接続される各リード線113と接続し、光源装置10をアウターハウジング10Cに収納配置した状態で、アウターハウジング10Cに設けられたコネクタ(図示略)と接続する。そして、前記各コネクタが接続することで、前記電源ユニットから光源ランプ11に電力が供給される。
この光源装置本体支持部152において、筒形状の内側面のZ軸方向略中央部分には、図7に示すように、筒状内側に突出し、光源装置本体支持部152を位置決めする複数(図7では2つのみ図示している)の突出部1521が形成されている。これら突出部1521の光射出後方側端面(図7中、−Z軸方向端面)は略面一となるように形成されている。そして、光源装置本体10Aは、各突出部1521の光射出後方側端面に主反射鏡12の位置決め部122Bを当接することでランプハウジング本体15に対する所定位置に位置決めされ、3つのばね部材1522(図4)にて位置決め部122Bを各突出部1521に向けて付勢することでランプハウジング本体15に対して支持固定される。このような状態では、光源装置本体支持部152における筒形状の一方の開口部分が光源装置本体10Aにより閉塞される。
開口部1523には、図6に示すように、導入ダクト1523Aが一体的に形成されている。
この導入ダクト1523Aは、開口部1523周縁部分から+X軸方向に突出し、先端部分が曲折して光射出前方側(図6中、+Z軸方向側)に延出し、導入口1523A1(図6)が光射出前方側に向くように形成されている。そして、前記冷却ユニットを構成する冷却ファン等により導入口1523A1に向けて冷却空気が送風されると、冷却空気は、導入ダクト1523Aにより−Z軸方向から−X軸方向へと略90°曲折して流通し、開口部1523を介して光源装置本体支持部152内に導入される。光源装置本体支持部152内に冷却空気が導入されることで、光源装置本体10Aの光源ランプ11に冷却空気が送風されて冷却される。
この排出ダクト1524Aは、図6または図7に示すように、開口部1524の一部を囲う部分から−X軸方向に突出し、排出口1524A1が−X軸方向に向くように形成されている。そして、排出口1524A1近傍に配設される前記冷却ユニットを構成する排気ファン等により排出口1524A1を介して光源装置本体支持部152内の空気が吸入され、プロジェクタ1外部へと排気される。
また、各開口部1525には、図6または図7に示すように、開口内側に向けて突出する突出部1525Aがそれぞれ形成されている。そして、各突出部1525Aに吸収部材17を支持させることで各開口部1525内に吸収部材17をそれぞれ配置可能に構成されている。
なお、図6および図7では、上方側端面に形成される開口部1525および突出部1525Aのみを図示しているが、下方側端面にも開口部1525および突出部1525Aが形成されているものとする。
反射部材取付部153は、非利用光反射部材16が取り付けられる部分であり、図6または図7に示すように、接続部1526から光射出前方側(図6および図7中、+Z軸方向)に向けて突出し、平面視略矩形状に形成された筒形状を有する。
この反射部材取付部153において、筒形状の内側面は、図8に示すように、平面視略円形状を有する。そして、反射部材取付部153の内側面における上下両側(図8中、Y軸方向両側)には、図8に示すように、外側に向けて窪む凹部1531がそれぞれ形成されている。なお、図8では、下方側に位置する凹部1531のみ図示しているが、上方側にも同様の凹部1531が形成されているものとする。
この平行化凹レンズ支持部154において、筒形状の内側面は、図6に示すように、平面視略円形状を有する。また、筒形状の内側面には、図6に示すように、筒状内側に突出し、平行化凹レンズ14を位置決めする平面視円形状の突出部1541が形成されている。この突出部1541の光射出前方側端面は、図6に示すように、平坦状に形成されている。そして、平行化凹レンズ14は、突出部1541の光射出前方側端面に当接することでランプハウジング本体15に対する所定位置に位置決めされ、付勢部材18により突出部1541の光射出前方側端面に付勢固定される。このような状態では、平行化凹レンズ支持部154における筒形状の一方の開口部分が平行化凹レンズ14により閉塞される。
図9および図10は、非利用光反射部材16の概略構成を示す図である。具体的に、図9は、非利用光反射部材16を光射出後方側から見た斜視図である。図10(A)は、非利用光反射部材16を光射出後方側から見た図である。図10(B)は、非利用光反射部材16を側方(X軸方向)から見た側面図である。図10(C)は、非利用光反射部材16を非利用光反射面側から見た平面図である。
非利用光反射部材16は、図4に示すように、光源装置本体10Aにおける主反射鏡12の光射出前方側(図4中、+Z軸方向)に配置され、光源ランプ11から射出された光束のうち主反射鏡12から外れた非利用光R3(図11、図12参照)を反射して光源装置10外部(ランプハウジング本体15外部)に導く部材である。そして、この非利用光反射部材16は、図4に示すように、2つで構成され、上下方向(図4中、Y軸方向)に各非利用光反射面1621が対向するように配置される。なお、2つの非利用光反射部材16は、同様の構成であり、以下では、1つの非利用光反射部材16のみを説明する。
基体161は、ランプハウジング本体15の反射部材取付部153内部に取り付けられる部分であり、図9または図10に示すように、側面視略L字形状を有する。
この基体161において、L字形状垂直部分1611には、図9または図10に示すように、非利用光反射部材16を反射部材取付部153に取り付けた際に光源装置本体10Aから射出され平行化凹レンズ14に向う光束が透過するように、平面視略円弧状の切り欠き1611Aが形成されている。
そして、このL字形状水平部分1612において、X軸方向両端縁には、図9または図10に示すように、水平面(XZ平面)に平行に延出し、反射部材取付部153の一対の溝部1532に挿通される挿通部1612Aがそれぞれ形成されている。
また、各挿通部1612Aの光射出後方側端縁(図9中、−Z軸方向端縁)には、L字形状垂直部分1611に略平行となるように曲折する位置決め用突起1612Bがそれぞれ形成されている。これら位置決め用突起1612Bは、非利用光反射部材16を反射部材取付部153に取り付ける際に凹部1531の光射出後方側端面(図8中、−Z軸方向端面)に当接し、ランプハウジング本体15に対する所定位置に非利用光反射部材16を位置決めする部分である。
反射部162は、光源ランプ11から射出され主反射鏡12から外れた非利用光R3(本実施形態では、副反射鏡13を設けているため、副反射鏡13を透過した赤外線や紫外線の非可視光)を反射してランプハウジング本体15外部に導く部分であり、図9または図10に示すように、基体161のL字形状水平部分1612の光射出後方側端縁(図9中、−Z軸方向端縁)から光射出後方側に向けて延出する。
また、2つの非利用光反射部材16に形成された4つの各非利用光反射面1621は、各回転楕円面の各回転軸Ax(図11)が空間的に一致しないように設定されている。
さらに、非利用光反射面1621は、図12に示すように、該非利用光反射面1621と第2焦点位置F4とを結ぶ空間S内に光源ランプ11および主反射鏡12が入らないように設定されている。なお、図12では、4つの各非利用光反射面1621のうち1つのみの空間Sを図示しているが、他の3つの非利用光反射面1621も同様に空間S内に光源ランプ11および主反射鏡12が入らないように設定されている。
そして、光源ランプ11(第1焦点位置F3)から射出された光束のうち主反射鏡12から外れた非利用光R3は、図11または図12に示すように、各非利用光反射面1621にてそれぞれ反射され、光源ランプ11や主反射鏡12にて遮光されずに、ランプハウジング本体15の各開口部1525を介してランプハウジング本体15外部の第2焦点位置F4にそれぞれ集光する。
吸収部材17は、図4に示すように、ランプハウジング本体15の各開口部1525の数に応じた数だけ設けられ(本実施形態では4つ)、各開口部1525と略同一の形状を有し、各開口部1525内に付勢部材18を介して配設される。そして、これら吸収部材17は、各非利用光反射部材16の各非利用光反射面1621にてそれぞれ反射され各開口部1525を介して通過する非利用光R3を吸収して熱に変換する。
この吸収部材17の材料としては、例えば、セラミックスや、アルマイト処理が施されたアルミニウム等の部材を採用できる。なお、吸収部材17としては、セラミックスや、アルマイト処理が施されたアルミニウム等の部材の他、入射した光束を吸収して熱に変換する材料であればいずれの材料で構成しても構わない。
図13は、付勢部材18の概略構成を示す斜視図である。
付勢部材18は、図13に示すように、側面視略コ字形状を有し、ランプハウジング本体15に対して取り付けられることで、平行化凹レンズ14をランプハウジング本体15に対して付勢固定するとともに、各吸収部材17をランプハウジング本体15に対して付勢固定する部材である。この付勢部材18は、金属等の熱伝導性を有する材料にて形成される。
このコ字状基端部分181には、図13に示すように、略中央部分に円形状の開口部1811が形成されている。この開口部1811は、平行化凹レンズ14の平面形状よりも小さい形状を有する。
また、コ字状基端部分181のX軸方向両端縁には、図13に示すように、光射出後方側(図13中、−Z軸方向側)に向けて突出し、ランプハウジング本体15の各フック1542に係合するフック係合部1812がそれぞれ形成されている。すなわち、各フック係合部1812を各フック1542に係合することで、開口部1811周縁部分が平行化凹レンズ14の光射出前方側端面に当接しつつ、平行化凹レンズ支持部154の突出部1541の光射出前方側端面に付勢する。
各コ字状先端部分182は、図13に示すように、略同様の形状を有する。すなわち、コ字状先端部分182は、光射出後方側(図13中、−Z軸方向側)に向けて2つに分岐して延出する延出部1821と、延出部1821の各延出方向先端部分から付勢部材18のコ字状外側に向けてそれぞれ曲折し、さらに光射出後方側に向けて2つに分岐して延出する付勢部1822および放熱部1823とで構成される。
各放熱部1823(本実施形態では4つ)は、図13に示すように、各付勢部1822の近傍に位置し、略平坦状に形成され、各付勢部1822にて各吸収部材17をランプハウジング本体15に対して付勢した状態で、各吸収部材17から各付勢部1822を介して伝達された熱を放熱する。
本実施形態では、光源装置10は、非利用光反射部材16を備えているので、光源ランプ11(第1焦点位置F3)から射出された光束のうち主反射鏡12から外れた非利用光R3を非利用光反射面1621にて反射して第2焦点位置F4に集光させランプハウジング本体15外部に導くことができる。このため、従来のように非利用光がランプハウジングの内壁にて吸収されて熱に変換されることがなく、光源装置10内部の温度を低く維持することができ、ランプハウジング本体15の劣化や光源ランプ11の劣化を抑制し光源装置10の長寿命化が図れる。
また、非利用光反射面1621が回転楕円面で構成されているので、非利用光R3を反射することで第2焦点位置F4に集光させることができ、簡単な構成で非利用光R3をランプハウジング本体15外部に導くことができる。
本実施形態では、非利用光反射面1621は、第2焦点位置F4と該非利用光反射面1621とを結ぶ空間S内に光源ランプ11および主反射鏡12が入らないように設定されているので、非利用光反射面1621にて反射された非利用光R3は、光源ランプ11や主反射鏡12に照射されることなく、第2焦点位置F4に集光されることとなる。このため、非利用光R3の一部の照射により光源ランプ11や主反射鏡12の温度上昇が引き起こされることがなく、光源装置10内部の温度を低く維持することができる。
さらに、光源装置10内部の温度を低く維持できるため、前記冷却ユニットを構成する冷却ファンによりランプハウジング本体15内部に流通させる空気の量を低減できる。すなわち、前記冷却ファンの回転数を低減でき、プロジェクタ1の低騒音化が図れる。また、前記冷却ファンに印加する電圧を低く設定でき、プロジェクタ1の省電力化が図れる。
本実施形態では、非利用光反射面1621が4つ形成されているので、4つの非利用光反射面1621にて反射された非利用光R3を光源ランプ11や主反射鏡12に照射させることなく各第2焦点位置F4に集光させ、より多くの非利用光R3をランプハウジング本体15外部に導くことができる。また、種々の形状で非利用光反射部材16を形成でき、非利用光反射部材16の設計の自由度が向上する。
ここで、付勢部材18は、吸収部材17をランプハウジング本体15に対して付勢固定するのみならず、平行化凹レンズ14をランプハウジング本体15に対して付勢固定するように形成されているので、例えば吸収部材17および平行化凹レンズ14をそれぞれ別々の付勢部材にてランプハウジング本体15に対して付勢する構成と比較して、部材の省略から光源装置10の低コスト化および軽量化が図れる。
また、付勢部材18は、吸収部材17および平行化凹レンズ14の双方をランプハウジング本体15に対して付勢固定するように形成されているので、放熱部1823だけでなく、付勢部材18全体を放熱部として機能させることができる。このため、吸収部材17から伝達された熱の放熱面積を大きくし、吸収部材17に生じる熱により光源装置10の温度上昇を効果的に回避できる。
前記実施形態では、主反射鏡12が楕円面リフレクタとして構成されていたが、これに限らず、光源ランプ11から射出された光束を略平行光として反射するパラボラリフレクタとして構成しても構わない。このように主反射鏡をパラボラリフレクタとして構成した場合には、例えば、平行化凹レンズ14の代わりに、防爆ガラス等の透光性基板を配置する構成を採用すれば、前記実施形態と同様に、光源ランプ11が破裂等した場合であっても、光源装置10外部に破片が飛散することを回避できる。
前記実施形態では、非利用光反射面1621は、第1焦点位置F3がアーク像Dの中心位置Oに位置するように設定されていたが、これに限らず、アーク像D内に第1焦点位置F3が位置するように設定してもよい。
前記実施形態では、非利用光反射面1621は、回転楕円面で構成されていたが、これに限らず、非利用光R3を反射させて所定位置に集光させて光源装置10外部に導きかつ、非利用光R3を集光させる際に非利用光R3の一部が光源ランプ11や主反射鏡12に照射されない形状であればいずれの形状でも構わない。
前記実施形態では、光源装置10は、吸収部材17を備えていたがこれに限らず、吸収部材17を省略した構成を採用しても構わない。この場合には、非利用光反射部材16にて反射された非利用光R3は、光源装置10の外部に配置される部材、例えば外装筺体2の内壁に拡散した状態で照射されるため、前記部材に与える影響は小さいものである。
前記実施形態では、光入射面と光射出面とが異なる透過型の液晶パネルを用いていたが、光入射面と光射出面とが同一となる反射型の液晶パネルを用いてもよい。
前記実施形態では、光変調装置として液晶パネルを用いていたが、マイクロミラーを用いたデバイスなど、液晶以外の光変調装置を用いてもよい。この場合は、光束入射側および光束射出側の偏光板は省略できる。
前記実施形態では、スクリーンを観察する方向から投射を行なうフロントタイプのプロジェクタの例のみを挙げたが、本発明は、スクリーンを観察する方向とは反対側から投射を行なうリアタイプのプロジェクタにも適用可能である。
前記実施形態では、プロジェクタに本発明の光源装置を採用していたが、本発明はこれに限らず、他の光学機器に本発明の光源装置を採用してもよい。
したがって、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部若しくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
Claims (8)
- 放電空間を有する発光管、および前記発光管の放電空間に配置される一対の電極を有する光源ランプと、断面略凹状に拡がり前記光源ランプから放射された光束を反射するリフレクタとを備えた光源装置であって、
前記リフレクタの光射出前方側には、前記光源ランプから射出され前記リフレクタから外れた非利用光を反射する非利用光反射面を有する非利用光反射部材が設けられ、
前記非利用光反射面は、第1焦点位置が前記光源ランプの発光中心となり、前記非利用光を反射して第2焦点位置に集光させ当該光源装置外部に導く回転楕円面で構成され、前記第2焦点位置と該非利用光反射面とを結ぶ空間内に前記光源ランプおよび前記リフレクタが入らないように設定されていることを特徴とする光源装置。 - 請求項1に記載の光源装置において、
前記非利用光反射面は、複数形成されていることを特徴とする光源装置。 - 請求項1または請求項2に記載の光源装置において、
前記非利用光反射面は、前記第2焦点位置が当該光源装置外部に位置するように形成されていることを特徴とする光源装置。 - 請求項1から請求項3のいずれかに記載の光源装置において、
前記リフレクタの光射出前方側には、前記リフレクタを支持する支持部材が設けられ、
前記非利用光反射部材は、前記支持部材に取り付けられていることを特徴とする光源装置。 - 請求項1から請求項4のいずれかに記載の光源装置において、
反射面が前記リフレクタの反射面と対向配置され、前記光源ランプから放射された光束の一部を前記放電空間に向けて反射する副反射鏡を備えていることを特徴とする光源装置。 - 請求項1から請求項5のいずれかに記載の光源装置において、
前記非利用光反射部材により当該光源装置外部に導かれる光束を吸収する吸収部材を備えていることを特徴とする光源装置。 - 請求項6に記載の光源装置において、
前記リフレクタの光射出前方側には、前記リフレクタを支持する支持部材が設けられ、
前記吸収部材は、前記支持部材に取り付けられ、
前記支持部材に対して前記吸収部材を付勢固定する付勢部材を備え、
前記付勢部材は、熱伝導性を有する材料で構成され、前記支持部材に対して前記吸収部材を付勢固定する付勢部と、前記吸収部材から伝達された熱を外部に放熱する放熱部とを備えていることを特徴とする光源装置。 - 光源装置と、前記光源装置から射出された光束を画像情報に応じて変調する光変調装置と、前記光変調装置にて変調された光束を拡大投射する投射光学装置とを備えたプロジェクタであって、
前記光源装置は、請求項1から請求項7のいずれかに記載の光源装置であることを特徴とするプロジェクタ。
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