JP2004093653A - プロジェクタ用光源及びプロジェクタ - Google Patents
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Abstract
【課題】光の利用効率を低下させずにプロジェクタの小型化が容易なプロジェクタ用光源を提供する。
【解決手段】ランプと、ランプからの放射光を射出開口部から射出させるリフレクタとを有する光源において、前記ランプの周囲に、前記ランプからの放射光をリフレクタの射出方向とは逆の方向に屈折させる光学要素をさらに有することを特徴とするプロジェクタ用光源。前記光学要素としては、円筒状プリズム又は円筒状レンズを好適に用いることができる。
【効果】照明用のリレー光学系や投写レンズに必要なNAが小さいものでよくなり、プロジェクタの小型化が容易になるという効果がある。
【選択図】 図1
【解決手段】ランプと、ランプからの放射光を射出開口部から射出させるリフレクタとを有する光源において、前記ランプの周囲に、前記ランプからの放射光をリフレクタの射出方向とは逆の方向に屈折させる光学要素をさらに有することを特徴とするプロジェクタ用光源。前記光学要素としては、円筒状プリズム又は円筒状レンズを好適に用いることができる。
【効果】照明用のリレー光学系や投写レンズに必要なNAが小さいものでよくなり、プロジェクタの小型化が容易になるという効果がある。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明はプロジェクタ用光源及びプロジェクタに関する。
【0002】
【従来の技術】
図8は、従来のプロジェクタの光学系を示す図である。図8に示されるように、このプロジェクタ90は、照明装置100と、色分離装置200と、リレー光学装置240と、反射ミラー220と、2つのフィールドレンズ280R、280Gと、3つの液晶パネル300R,300G,300Bと、ダイクロイックプリズム400と、投写レンズ500とを備えている。色分離装置200は、ダイクロイックミラー210,212を備えている。リレー光学装置240は、入射側レンズ262、反射ミラー252、リレーレンズ264、反射ミラー254及びフィールドレンズ266Bを備えている。
【0003】
このプロジェクタ90の照明装置100は、照明領域である液晶パネル300R,300G,300Bの有効領域をほぼ均一に照明するためのインテグレータ光学系であって、略平行な光束を出射する光源110と、第1のレンズアレイ120と、第2のレンズアレイ130と、偏光変換素子140と、重畳レンズ150とを備えている。
【0004】
図9は、光源110の構成を示す図である。図9に示されるように、光源110は、光源ランプ112と、この光源ランプ112から出射された放射光をほぼ平行な光線束として出射するリフレクタ114とを備えている。リフレクタ114としては内面が回転放物面形状を有するものや内面が回転楕円面形状を有するものが用いられている。また、光源ランプ112としては、輝度の高い高圧水銀ランプ等が用いられている。
【0005】
第1のレンズアレイ120は、複数の第1の小レンズを備え、これら複数の第1の小レンズによって光源110から出射された光束を複数の部分光束に分割する機能を有している。
【0006】
第2のレンズアレイ130は、複数の第2の小レンズを備え、これら複数の部分光束が集光される位置近傍に配置されている。第2のレンズアレイ130も、第1のレンズアレイ120の小レンズに対応するように、小レンズが配列された構成を有している。第2のレンズアレイ130は、第1のレンズアレイ120から出射された各部分光束の中心軸(主光線)が重畳レンズ150の入射面に垂直に入射するように構成されている。
【0007】
偏光変換素子140は、第2のレンズアレイ130から出射された光束をほぼ一種類の偏光光束(例えばS偏光光束)に変換する機能を有している。このため、従来利用されていなかったP偏光成分又はS偏光成分のいずれか一方の偏光成分をも利用することができ、照度の高い光を、液晶パネル300R,300G,300Bに照射することが可能となり、その結果、スクリーン上には輝度の高い画像を表示することができる。
【0008】
重畳レンズ150は、偏光変換素子140を出射したほぼ一種類の偏光光束(例えばS偏光光束)を、液晶パネル300R,300G,300Bに重畳させる機能を有している。このため、第1のレンズアレイ120、第2のレンズアレイ130の作用とあいまって、液晶パネル300R,300G,300Bの有効領域をほぼ均一に照明することができる。
【0009】
照明装置100から出射された光は色分離装置200によって赤、緑及び青の3つの色光に分離され、それぞれの色光は3つの液晶パネル300R、300G、300Bによって変調され、ダイクロイックプリズム400によって合成され、この合成光は投写レンズ400を介してスクリーンS上などに投写されることになる。
【0010】
ところで、近年、プロジェクタにおいては、高輝度化、高画質化とともに装置の小型化が強く求められている。この小型化を達成するための技術の一つに、リフレクタに副鏡を配置する従来技術がある。図10は、そのような従来技術に係る光源を説明するための図である。図10に示されるように、この従来技術に係る光源110aは、ランプ112と、ランプ112からの放射光を射出開口部から射出させるリフレクタ114と、リフレクタの射出面外周部に配置された副鏡116とを有している。
【0011】
この副鏡116は、リフレクタが内面が回転放物面形状を有するリフレクタである場合には、リフレクタの周辺部分から射出する光をリフレクタ側に反射することによって、リフレクタの周辺部分から射出する光をリフレクタのより内側から射出する光に変換する働きをする。また、この副鏡116は、リフレクタが内面が回転楕円面形状を有するリフレクタである場合には、リフレクタの周辺部分から射出する配光角度の大きい光をリフレクタ側に反射することによって、配光角度の大きい光を配光角度の小さい光に変換する働きをする。このため、リフレクタの内面が回転放物面の場合であっても回転楕円面の場合であっても、照明用のリレー光学装置や投写レンズに必要なNAが小さいものでよくなり、プロジェクタの小型化が容易になるという効果がある。さらに、この副鏡116は、リフレクタ114で拾えなかった成分の光をも有効に利用することが可能となるため、光の利用効率が高まるという効果もある。
【0012】
しかしながら、このリフレクタに副鏡を配置する従来技術においては、副鏡で反射された光の一部はランプのガラス面で不規則に反射してしまう。また、副鏡で反射された光の一部はランプ内部で吸収されてしまう。また、副鏡で反射された光の一部はランプ内部の電極間で蹴られてしまう。さらにまた、リフレクタで反射される回数が多くなるため、反射損が生じてしまう。これらのため、このリフレクタに副鏡を配置する従来技術においては、光利用効率が必ずしも高くならないという問題点があった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、光の利用効率を低下させずにプロジェクタの小型化が容易なプロジェクタ用光源を提供することを目的とする。また、本発明は、そのような優れたプロジェクタ用光源を備えた明るく小型のプロジェクタを提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意努力した結果、ランプの周囲に、前記ランプからの放射光をリフレクタの射出方向とは逆の方向に屈折させる光学要素を配置することによって、照明用のリレー光学装置や投写レンズに必要なNAを小さいものにできることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0015】
(1)本発明のプロジェクタ用光源は、ランプと、ランプからの放射光を射出開口部から射出させるリフレクタとを有する光源において、前記ランプの周囲に、前記ランプからの放射光をリフレクタの射出方向とは逆の方向に屈折させる光学要素をさらに有することを特徴とする。
【0016】
このため、本発明のプロジェクタ用光源によれば、前記光学要素がランプの放射光を射出方向とは逆の方向に屈折させるため、リフレクタが内面が回転放物面形状を有するリフレクタである場合には、リフレクタの周辺部分から射出する光をリフレクタのより内側から射出する光に変換する働きをする。また、リフレクタが内面が回転楕円面形状を有するリフレクタである場合には、配光角度の大きい光を配光角度の小さい光に変換する働きをする。このため、リフレクタの内面が回転放物面の場合であっても回転楕円面の場合であっても、照明用のリレー光学装置や投写レンズに必要なNA(Numerical Aperture:開口数)が小さいものでよくなり、プロジェクタの小型化が容易になるという効果がある。さらに、この光学要素の働きにより、リフレクタで拾えなかった成分の光をも有効に利用することが可能となるため、光の利用効率が高まるという効果もある。
このため、本発明のプロジェクタ用光源によれば、光の利用効率を低下させずにプロジェクタの小型化を容易にすることができる。
【0017】
(2)上記(1)に記載のプロジェクタ用光源においては、前記光学要素は、円筒状プリズムであることが好ましい。
【0018】
円筒状プリズムは、ランプの放射光をリフレクタの射出方向とは逆の方向に屈折させることができるため、上述した(1)の効果を確実なものとすることができる。また、形状が比較的単純であるために、円筒状プリズムの製造は比較的容易であるという効果もある。
【0019】
(3)上記(1)に記載のプロジェクタ用光源においては、前記光学要素は、円筒状レンズであることも好ましい。
【0020】
円筒状レンズもランプの放射光をリフレクタの射出方向とは逆の方向に屈折させることができるため、上述した(1)の効果を確実なものとすることができる。また、光の屈折の度合いをレンズ形状で調整することが可能となるために、照明用のリレー光学装置や投写レンズに必要なNAをより小さいものにすることができるという効果もある。
【0021】
(4)本発明のプロジェクタ用光源は、ランプと、ランプからの放射光を射出開口部から射出させるリフレクタとを有する光源において、前記ランプのガラスは、前記ランプ発光部からの放射光をリフレクタの射出方向とは逆の方向に屈折させる作用を有することを特徴とする。
【0022】
このように構成することにより、ランプ発光部からの放射光をリフレクタの射出方向とは逆の方向に屈折させる光学要素をさらに設ける必要がなくなり、部品点数が少なくなることによる信頼性向上、製造コスト低減が図られる。
【0023】
(5)上記(1)乃至(4)のいずれかに記載のプロジェクタ用光源においては、前記リフレクタは内面が回転放物面形状を有するリフレクタであるものとすることができる。
【0024】
このように前記リフレクタが内面が回転放物面形状を有するリフレクタである場合には、リフレクタの周辺部分から射出する光はリフレクタのより内側から射出する光に変わるため、照明用のリレー光学装置や投写レンズに必要なNAが小さいものでよくなる。
【0025】
(6)上記(1)乃至(4)のいずれかに記載のプロジェクタ用光源においては、前記リフレクタは内面が回転楕円面形状を有するリフレクタであるものとすることができる。
【0026】
このように前記リフレクタが内面が回転楕円面形状を有するリフレクタである場合には、配光角度の大きい光は配光角度の小さい光に変わるため、照明用のリレー光学装置や投写レンズに必要なNAが小さいものでよくなる。
【0027】
(7)本発明のプロジェクタは、上記(1)乃至(6)のいずれかに記載の光源と、この光源からの射出光を変調するための電気光学変調装置と、この電気光学変調装置により変調された画像光を投写するための投写レンズと、を備えたことを特徴とする。
【0028】
このため、本発明のプロジェクタにおいては、照明用のリレー光学装置や投写レンズに必要なNAが小さいものでよくなるため、これらに含まれる光学要素を小型化でき、小型化が容易なプロジェクタとなる。また、光の利用効率が高まるため、高輝度化が容易なプロジェクタとなる。
【0029】
(8)本発明のプロジェクタは、上記(1)乃至(6)のいずれかに記載の光源と、この光源からの射出光を複数の色光に分離するための色分離手段と、この色分離手段により分離された複数の色光をそれぞれ変調するための複数の電気光学変調装置と、これら複数の電気光学変調装置により変調された複数の変調光を投写するための投写レンズと、を備えたことを特徴とする。
【0030】
このため、本発明のプロジェクタにおいては、フルカラーのプロジェクタにおいても、上記した(7)の場合と同様に、小型化及び高輝度化が容易なプロジェクタとなる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて、本発明の実施の形態を説明する。
【0032】
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係るプロジェクタ用光源を説明するための図である。図1(a)は、プロジェクタ用光源の断面図であり、図1(b)は、プロジェクタ用光源の要部を拡大した図である。図1に示されるように、このプロジェクタ用光源10は、ランプ12と、ランプ12からの放射光を射出開口部から射出させるリフレクタ14とを有している。そして、このプロジェクタ用光源10は、ランプ12の周囲に、ランプ12からの放射光をリフレクタ14の射出方向とは逆の方向に屈折させる円筒状プリズム16をさらに有している。なお、プロジェクタ用光源10のリフレクタ14は内面が回転放物面形状をしたリフレクタである。
【0033】
図2は、実施形態1に係るプロジェクタ用光源10の作用を説明するための図である。図2において、符号fは回転放物面の焦点を示し、符号18は照明領域を示す。図2に示されるように、実施形態1に係るプロジェクタ用光源10においては、円筒状プリズム16がランプ12の放射光を射出方向とは逆の方向に屈折させるため、リフレクタ14の周辺部分から射出する光(破線で表示)をリフレクタ14のより内側から射出する光(実線で表示)に変換する働きをする。このため、照明用のリレー光学装置や投写レンズに必要なNAが小さいものでよくなり、プロジェクタの小型化が容易になるという効果がある。さらに、この円筒状プリズム16の働きにより、リフレクタ14で拾えなかった成分の光をも有効に利用することが可能となるため、光の利用効率が高まるという効果もある。このため、実施形態1に係るプロジェクタ用光源10によれば、光の利用効率を低下させずにプロジェクタの小型化を容易にすることができる。円筒状プリズム16は形状が比較的単純であるために、製造は比較的容易である。
【0034】
(実施形態2)
図3は、実施形態2に係るプロジェクタ用光源を説明するための図である。図3(a)は、プロジェクタ用光源の断面図であり、図3(b)は、プロジェクタ用光源の要部を拡大した図である。図3に示されるように、このプロジェクタ用光源20は、ランプ22と、ランプ22からの放射光を射出開口部から射出させるリフレクタ24とを有している。そして、このプロジェクタ用光源20は、ランプ22の周囲に、ランプ22からの放射光をリフレクタ24の射出方向とは逆の方向に屈折させる円筒状レンズ26をさらに有している。なお、プロジェクタ用光源20のリフレクタ24は内面が回転放物面形状をしたリフレクタである。
【0035】
このため、実施形態2に係るプロジェクタ用光源20においては、円筒状レンズ26がランプ22の放射光を射出方向とは逆の方向に屈折させるため、リフレクタ24の周辺部分から射出する光をリフレクタ24のより内側から射出する光に変換する働きをする。このため、照明用のリレー光学装置や投写レンズに必要なNAが小さいものでよくなり、プロジェクタの小型化が容易になるという効果がある。さらに、この円筒状レンズ26の働きにより、リフレクタ24で拾えなかった成分の光をも有効に利用することが可能となるため、光の利用効率が高まるという効果もある。このため、実施形態2に係るプロジェクタ用光源20によれば、光の利用効率を低下させずにプロジェクタの小型化を容易にすることができる。円筒状レンズ26は、光の屈折の度合いをレンズ形状で調整することが可能となるために、照明用のリレー光学装置や投写レンズに必要なNAをより小さいものにすることができる。
【0036】
(実施形態3)
図4は、実施形態3に係るプロジェクタ用光源を説明するための図である。図4(a)は、プロジェクタ用光源の断面図であり、図4(b)は、プロジェクタ用光源の要部を拡大した図である。図4に示されるように、このプロジェクタ用光源30は、ランプ32と、ランプ32からの放射光を射出開口部から射出させるリフレクタ34とを有している。そして、このプロジェクタ用光源30は、ランプ32の周囲に、ランプ32からの放射光をリフレクタ34の射出方向とは逆の方向に屈折させる円筒状プリズム36をさらに有している。なお、プロジェクタ用光源30のリフレクタ34は内面が回転楕円面形状をしたリフレクタである。
【0037】
図5は、実施形態3に係るプロジェクタ用光源30の作用を説明するための図である。図5において、符号f1は回転楕円面の第1焦点を示し、符号f2は回転楕円面の第2焦点を示し、符号36はレンズを示し、符号38は照明領域を示す。図5に示されるように、実施形態3に係るプロジェクタ用光源30においては、円筒状プリズム36がランプ32の放射光を射出方向とは逆の方向に屈折させるため、配光角度の大きい光(破線で表示)を配光角度の小さい光(実線で表示)に変換する働きをする。このため、照明用のリレー光学装置や投写レンズに必要なNAが小さいものでよくなり、プロジェクタの小型化が容易になるという効果がある。さらに、この円筒状プリズム36の働きにより、リフレクタ34で拾えなかった成分の光をも有効に利用することが可能となるため、光の利用効率が高まるという効果もある。このため、実施形態3に係るプロジェクタ用光源30によれば、光の利用効率を低下させずにプロジェクタの小型化を容易にすることができる。円筒状プリズム36は形状が比較的単純であるために、製造は比較的容易である。
【0038】
(実施形態4)
図6は、実施形態4に係るプロジェクタ用光源を説明するための図である。図6(a)は、プロジェクタ用光源の断面図であり、図6(b)は、プロジェクタ用光源の要部を拡大した図である。図6に示されるように、このプロジェクタ用光源40は、ランプ42と、ランプ42からの放射光を射出開口部から射出させるリフレクタ44とを有している。そして、このプロジェクタ用光源40は、ランプ42の周囲に、ランプ42からの放射光をリフレクタ44の射出方向とは逆の方向に屈折させる円筒状レンズ46をさらに有している。なお、プロジェクタ用光源40のリフレクタ44は内面が回転楕円面形状をしたリフレクタである。
【0039】
このため、実施形態4に係るプロジェクタ用光源40においては、円筒状レンズ46がランプ42の放射光を射出方向とは逆の方向に屈折させるため、配光角度の大きい光を配光角度の小さい光に変換する働きをする。このため、照明用のリレー光学装置や投写レンズに必要なNAが小さいものでよくなり、プロジェクタの小型化が容易になるという効果がある。さらに、この円筒状レンズ46の働きにより、リフレクタ44で拾えなかった成分の光をも有効に利用することが可能となるため、光の利用効率が高まるという効果もある。このため、実施形態4に係るプロジェクタ用光源40によれば、光の利用効率を低下させずにプロジェクタの小型化を容易にすることができる。円筒状レンズ46は、光の屈折の度合いをレンズ形状で調整することが可能となるために、照明用のリレー光学装置や投写レンズに必要なNAをより小さいものにすることができる。
【0040】
なお、上記した実施形態1乃至4においては、ランプの放射光はランプの中心部から放射されるものとして簡略して図示されているが、実際は電極と電極との間の比較的広い所定領域から放射されている。しかしながら、実施形態1乃至4における円筒状プリズムや円筒状レンズの働きによりランプの放射光を射出方向とは逆の方向に屈折させる作用は、ランプの放射光がランプの中心部から放射される場合と同じであり、光の利用効率を低下させずにプロジェクタの小型化を容易にすることができるという効果は変わらない。
【0041】
(実施形態5)
図7は、実施形態5に係るプロジェクタ用光源を説明するための図である。図7(a)は、プロジェクタ用光源の断面図であり、図7(b)は、プロジェクタ用光源の要部を拡大した図である。図7に示されるように、このプロジェクタ用光源50は、ランプ52と、ランプ52からの放射光を射出開口部から射出させるリフレクタ54とを有している。そして、このプロジェクタ用光源50は、ランプ52のガラスが、ランプ発光部からの放射光をリフレクタの射出方向とは逆の方向に屈折させる作用を有する。なお、プロジェクタ用光源のリフレクタ54は内面が回転放物面形状をしたリフレクタである。
【0042】
このため、実施形態5に係るプロジェクタ用光源50においては、ランプ52のガラスがランプの放射光を射出方向とは逆の方向に屈折させるため、リフレクタ54の周辺部分から射出する光を、リフレクタ54のより内側から射出する光に変換する働きをする。このため、照明用のリレー光学装置や投写レンズに必要なNAが小さいものでよくなり、プロジェクタの小型化が容易になるという効果がある。さらに、このランプ52のガラスの働きにより、リフレクタ54で拾えなかった成分の光をも有効に利用することが可能となるため、光の利用効率が高まるという効果もある。このため、実施形態5に係るプロジェクタ用光源50によれば、光の利用効率を低下させずにプロジェクタの小型化を容易にすることができる。
また、実施形態5に係るプロジェクタ用光源50においては、ランプ発光部からの放射光をリフレクタの射出方向とは逆の方向に屈折させる光学要素(円筒状プリズムや円筒状レンズ)をさらに設ける必要がなくなり、部品点数が少なくなることによる信頼性向上、製造コスト低減を図ることができるという効果もある。
なお、プロジェクタ用光源のリフレクタとして内面が回転楕円面形状をしたリフレクタを用いた場合であっても、同様の効果が得られる。
【0043】
(実施形態6)
本発明の実施形態6に係るプロジェクタは、図8に示されたプロジェクタ90の光源110として、実施形態1又は3に係るプロジェクタ用光源10,30を用いたものである。このため、実施形態6に係るプロジェクタは、小型化及び高輝度化が容易なプロジェクタとなる。
【0044】
(実施形態7)
本発明の実施形態7に係るプロジェクタは、プロジェクタの光源として、実施形態2又は4に係るプロジェクタ用光源20,40を用いたものである。このため、実施形態7に係るプロジェクタも、明るく小型化の容易なプロジェクタとなる。
【0045】
(実施形態8)
本発明の実施形態8に係るプロジェクタは、プロジェクタの光源として、実施形態5に係るプロジェクタ用光源を用いたものである。このため、実施形態8に係るプロジェクタも、明るく小型化の容易なプロジェクタとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係るプロジェクタ用光源を説明するための図である。
【図2】本発明の実施形態1に係るプロジェクタ用光源の作用を説明するための図である。
【図3】本発明の実施形態2に係るプロジェクタ用光源を説明するための図である。
【図4】本発明の実施形態3に係るプロジェクタ用光源を説明するための図である。
【図5】本発明の実施形態3に係るプロジェクタ用光源の作用を説明するための図である。
【図6】本発明の実施形態4に係るプロジェクタ用光源を説明するための図である。
【図7】本発明の実施形態5に係るプロジェクタ用光源を説明するための図である。
【図8】プロジェクタの光学系を示す図である。
【図9】従来のプロジェクタ用光源を説明するための図である。
【図10】従来のプロジェクタ用光源を説明するための図である。
【符号の説明】
10,20,30,40,50・・・プロジェクタ用光源
12,22,32,42,52・・・ランプ
14,24,34,44,54・・・リフレクタ
16,36・・・円筒状プリズム
26,46・・・円筒状レンズ
90・・・プロジェクタ
100・・・照明装置
110・・・光源
200・・・色分離装置
220・・・反射ミラー
240・・・リレー光学装置
280R、280G、266B・・・フィールドレンズ
300R、300G、300B・・・液晶パネル
400・・・ダイクロイックプリズム
500・・・投写レンズ
S・・・スクリーン
【発明が属する技術分野】
本発明はプロジェクタ用光源及びプロジェクタに関する。
【0002】
【従来の技術】
図8は、従来のプロジェクタの光学系を示す図である。図8に示されるように、このプロジェクタ90は、照明装置100と、色分離装置200と、リレー光学装置240と、反射ミラー220と、2つのフィールドレンズ280R、280Gと、3つの液晶パネル300R,300G,300Bと、ダイクロイックプリズム400と、投写レンズ500とを備えている。色分離装置200は、ダイクロイックミラー210,212を備えている。リレー光学装置240は、入射側レンズ262、反射ミラー252、リレーレンズ264、反射ミラー254及びフィールドレンズ266Bを備えている。
【0003】
このプロジェクタ90の照明装置100は、照明領域である液晶パネル300R,300G,300Bの有効領域をほぼ均一に照明するためのインテグレータ光学系であって、略平行な光束を出射する光源110と、第1のレンズアレイ120と、第2のレンズアレイ130と、偏光変換素子140と、重畳レンズ150とを備えている。
【0004】
図9は、光源110の構成を示す図である。図9に示されるように、光源110は、光源ランプ112と、この光源ランプ112から出射された放射光をほぼ平行な光線束として出射するリフレクタ114とを備えている。リフレクタ114としては内面が回転放物面形状を有するものや内面が回転楕円面形状を有するものが用いられている。また、光源ランプ112としては、輝度の高い高圧水銀ランプ等が用いられている。
【0005】
第1のレンズアレイ120は、複数の第1の小レンズを備え、これら複数の第1の小レンズによって光源110から出射された光束を複数の部分光束に分割する機能を有している。
【0006】
第2のレンズアレイ130は、複数の第2の小レンズを備え、これら複数の部分光束が集光される位置近傍に配置されている。第2のレンズアレイ130も、第1のレンズアレイ120の小レンズに対応するように、小レンズが配列された構成を有している。第2のレンズアレイ130は、第1のレンズアレイ120から出射された各部分光束の中心軸(主光線)が重畳レンズ150の入射面に垂直に入射するように構成されている。
【0007】
偏光変換素子140は、第2のレンズアレイ130から出射された光束をほぼ一種類の偏光光束(例えばS偏光光束)に変換する機能を有している。このため、従来利用されていなかったP偏光成分又はS偏光成分のいずれか一方の偏光成分をも利用することができ、照度の高い光を、液晶パネル300R,300G,300Bに照射することが可能となり、その結果、スクリーン上には輝度の高い画像を表示することができる。
【0008】
重畳レンズ150は、偏光変換素子140を出射したほぼ一種類の偏光光束(例えばS偏光光束)を、液晶パネル300R,300G,300Bに重畳させる機能を有している。このため、第1のレンズアレイ120、第2のレンズアレイ130の作用とあいまって、液晶パネル300R,300G,300Bの有効領域をほぼ均一に照明することができる。
【0009】
照明装置100から出射された光は色分離装置200によって赤、緑及び青の3つの色光に分離され、それぞれの色光は3つの液晶パネル300R、300G、300Bによって変調され、ダイクロイックプリズム400によって合成され、この合成光は投写レンズ400を介してスクリーンS上などに投写されることになる。
【0010】
ところで、近年、プロジェクタにおいては、高輝度化、高画質化とともに装置の小型化が強く求められている。この小型化を達成するための技術の一つに、リフレクタに副鏡を配置する従来技術がある。図10は、そのような従来技術に係る光源を説明するための図である。図10に示されるように、この従来技術に係る光源110aは、ランプ112と、ランプ112からの放射光を射出開口部から射出させるリフレクタ114と、リフレクタの射出面外周部に配置された副鏡116とを有している。
【0011】
この副鏡116は、リフレクタが内面が回転放物面形状を有するリフレクタである場合には、リフレクタの周辺部分から射出する光をリフレクタ側に反射することによって、リフレクタの周辺部分から射出する光をリフレクタのより内側から射出する光に変換する働きをする。また、この副鏡116は、リフレクタが内面が回転楕円面形状を有するリフレクタである場合には、リフレクタの周辺部分から射出する配光角度の大きい光をリフレクタ側に反射することによって、配光角度の大きい光を配光角度の小さい光に変換する働きをする。このため、リフレクタの内面が回転放物面の場合であっても回転楕円面の場合であっても、照明用のリレー光学装置や投写レンズに必要なNAが小さいものでよくなり、プロジェクタの小型化が容易になるという効果がある。さらに、この副鏡116は、リフレクタ114で拾えなかった成分の光をも有効に利用することが可能となるため、光の利用効率が高まるという効果もある。
【0012】
しかしながら、このリフレクタに副鏡を配置する従来技術においては、副鏡で反射された光の一部はランプのガラス面で不規則に反射してしまう。また、副鏡で反射された光の一部はランプ内部で吸収されてしまう。また、副鏡で反射された光の一部はランプ内部の電極間で蹴られてしまう。さらにまた、リフレクタで反射される回数が多くなるため、反射損が生じてしまう。これらのため、このリフレクタに副鏡を配置する従来技術においては、光利用効率が必ずしも高くならないという問題点があった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、光の利用効率を低下させずにプロジェクタの小型化が容易なプロジェクタ用光源を提供することを目的とする。また、本発明は、そのような優れたプロジェクタ用光源を備えた明るく小型のプロジェクタを提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意努力した結果、ランプの周囲に、前記ランプからの放射光をリフレクタの射出方向とは逆の方向に屈折させる光学要素を配置することによって、照明用のリレー光学装置や投写レンズに必要なNAを小さいものにできることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0015】
(1)本発明のプロジェクタ用光源は、ランプと、ランプからの放射光を射出開口部から射出させるリフレクタとを有する光源において、前記ランプの周囲に、前記ランプからの放射光をリフレクタの射出方向とは逆の方向に屈折させる光学要素をさらに有することを特徴とする。
【0016】
このため、本発明のプロジェクタ用光源によれば、前記光学要素がランプの放射光を射出方向とは逆の方向に屈折させるため、リフレクタが内面が回転放物面形状を有するリフレクタである場合には、リフレクタの周辺部分から射出する光をリフレクタのより内側から射出する光に変換する働きをする。また、リフレクタが内面が回転楕円面形状を有するリフレクタである場合には、配光角度の大きい光を配光角度の小さい光に変換する働きをする。このため、リフレクタの内面が回転放物面の場合であっても回転楕円面の場合であっても、照明用のリレー光学装置や投写レンズに必要なNA(Numerical Aperture:開口数)が小さいものでよくなり、プロジェクタの小型化が容易になるという効果がある。さらに、この光学要素の働きにより、リフレクタで拾えなかった成分の光をも有効に利用することが可能となるため、光の利用効率が高まるという効果もある。
このため、本発明のプロジェクタ用光源によれば、光の利用効率を低下させずにプロジェクタの小型化を容易にすることができる。
【0017】
(2)上記(1)に記載のプロジェクタ用光源においては、前記光学要素は、円筒状プリズムであることが好ましい。
【0018】
円筒状プリズムは、ランプの放射光をリフレクタの射出方向とは逆の方向に屈折させることができるため、上述した(1)の効果を確実なものとすることができる。また、形状が比較的単純であるために、円筒状プリズムの製造は比較的容易であるという効果もある。
【0019】
(3)上記(1)に記載のプロジェクタ用光源においては、前記光学要素は、円筒状レンズであることも好ましい。
【0020】
円筒状レンズもランプの放射光をリフレクタの射出方向とは逆の方向に屈折させることができるため、上述した(1)の効果を確実なものとすることができる。また、光の屈折の度合いをレンズ形状で調整することが可能となるために、照明用のリレー光学装置や投写レンズに必要なNAをより小さいものにすることができるという効果もある。
【0021】
(4)本発明のプロジェクタ用光源は、ランプと、ランプからの放射光を射出開口部から射出させるリフレクタとを有する光源において、前記ランプのガラスは、前記ランプ発光部からの放射光をリフレクタの射出方向とは逆の方向に屈折させる作用を有することを特徴とする。
【0022】
このように構成することにより、ランプ発光部からの放射光をリフレクタの射出方向とは逆の方向に屈折させる光学要素をさらに設ける必要がなくなり、部品点数が少なくなることによる信頼性向上、製造コスト低減が図られる。
【0023】
(5)上記(1)乃至(4)のいずれかに記載のプロジェクタ用光源においては、前記リフレクタは内面が回転放物面形状を有するリフレクタであるものとすることができる。
【0024】
このように前記リフレクタが内面が回転放物面形状を有するリフレクタである場合には、リフレクタの周辺部分から射出する光はリフレクタのより内側から射出する光に変わるため、照明用のリレー光学装置や投写レンズに必要なNAが小さいものでよくなる。
【0025】
(6)上記(1)乃至(4)のいずれかに記載のプロジェクタ用光源においては、前記リフレクタは内面が回転楕円面形状を有するリフレクタであるものとすることができる。
【0026】
このように前記リフレクタが内面が回転楕円面形状を有するリフレクタである場合には、配光角度の大きい光は配光角度の小さい光に変わるため、照明用のリレー光学装置や投写レンズに必要なNAが小さいものでよくなる。
【0027】
(7)本発明のプロジェクタは、上記(1)乃至(6)のいずれかに記載の光源と、この光源からの射出光を変調するための電気光学変調装置と、この電気光学変調装置により変調された画像光を投写するための投写レンズと、を備えたことを特徴とする。
【0028】
このため、本発明のプロジェクタにおいては、照明用のリレー光学装置や投写レンズに必要なNAが小さいものでよくなるため、これらに含まれる光学要素を小型化でき、小型化が容易なプロジェクタとなる。また、光の利用効率が高まるため、高輝度化が容易なプロジェクタとなる。
【0029】
(8)本発明のプロジェクタは、上記(1)乃至(6)のいずれかに記載の光源と、この光源からの射出光を複数の色光に分離するための色分離手段と、この色分離手段により分離された複数の色光をそれぞれ変調するための複数の電気光学変調装置と、これら複数の電気光学変調装置により変調された複数の変調光を投写するための投写レンズと、を備えたことを特徴とする。
【0030】
このため、本発明のプロジェクタにおいては、フルカラーのプロジェクタにおいても、上記した(7)の場合と同様に、小型化及び高輝度化が容易なプロジェクタとなる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて、本発明の実施の形態を説明する。
【0032】
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係るプロジェクタ用光源を説明するための図である。図1(a)は、プロジェクタ用光源の断面図であり、図1(b)は、プロジェクタ用光源の要部を拡大した図である。図1に示されるように、このプロジェクタ用光源10は、ランプ12と、ランプ12からの放射光を射出開口部から射出させるリフレクタ14とを有している。そして、このプロジェクタ用光源10は、ランプ12の周囲に、ランプ12からの放射光をリフレクタ14の射出方向とは逆の方向に屈折させる円筒状プリズム16をさらに有している。なお、プロジェクタ用光源10のリフレクタ14は内面が回転放物面形状をしたリフレクタである。
【0033】
図2は、実施形態1に係るプロジェクタ用光源10の作用を説明するための図である。図2において、符号fは回転放物面の焦点を示し、符号18は照明領域を示す。図2に示されるように、実施形態1に係るプロジェクタ用光源10においては、円筒状プリズム16がランプ12の放射光を射出方向とは逆の方向に屈折させるため、リフレクタ14の周辺部分から射出する光(破線で表示)をリフレクタ14のより内側から射出する光(実線で表示)に変換する働きをする。このため、照明用のリレー光学装置や投写レンズに必要なNAが小さいものでよくなり、プロジェクタの小型化が容易になるという効果がある。さらに、この円筒状プリズム16の働きにより、リフレクタ14で拾えなかった成分の光をも有効に利用することが可能となるため、光の利用効率が高まるという効果もある。このため、実施形態1に係るプロジェクタ用光源10によれば、光の利用効率を低下させずにプロジェクタの小型化を容易にすることができる。円筒状プリズム16は形状が比較的単純であるために、製造は比較的容易である。
【0034】
(実施形態2)
図3は、実施形態2に係るプロジェクタ用光源を説明するための図である。図3(a)は、プロジェクタ用光源の断面図であり、図3(b)は、プロジェクタ用光源の要部を拡大した図である。図3に示されるように、このプロジェクタ用光源20は、ランプ22と、ランプ22からの放射光を射出開口部から射出させるリフレクタ24とを有している。そして、このプロジェクタ用光源20は、ランプ22の周囲に、ランプ22からの放射光をリフレクタ24の射出方向とは逆の方向に屈折させる円筒状レンズ26をさらに有している。なお、プロジェクタ用光源20のリフレクタ24は内面が回転放物面形状をしたリフレクタである。
【0035】
このため、実施形態2に係るプロジェクタ用光源20においては、円筒状レンズ26がランプ22の放射光を射出方向とは逆の方向に屈折させるため、リフレクタ24の周辺部分から射出する光をリフレクタ24のより内側から射出する光に変換する働きをする。このため、照明用のリレー光学装置や投写レンズに必要なNAが小さいものでよくなり、プロジェクタの小型化が容易になるという効果がある。さらに、この円筒状レンズ26の働きにより、リフレクタ24で拾えなかった成分の光をも有効に利用することが可能となるため、光の利用効率が高まるという効果もある。このため、実施形態2に係るプロジェクタ用光源20によれば、光の利用効率を低下させずにプロジェクタの小型化を容易にすることができる。円筒状レンズ26は、光の屈折の度合いをレンズ形状で調整することが可能となるために、照明用のリレー光学装置や投写レンズに必要なNAをより小さいものにすることができる。
【0036】
(実施形態3)
図4は、実施形態3に係るプロジェクタ用光源を説明するための図である。図4(a)は、プロジェクタ用光源の断面図であり、図4(b)は、プロジェクタ用光源の要部を拡大した図である。図4に示されるように、このプロジェクタ用光源30は、ランプ32と、ランプ32からの放射光を射出開口部から射出させるリフレクタ34とを有している。そして、このプロジェクタ用光源30は、ランプ32の周囲に、ランプ32からの放射光をリフレクタ34の射出方向とは逆の方向に屈折させる円筒状プリズム36をさらに有している。なお、プロジェクタ用光源30のリフレクタ34は内面が回転楕円面形状をしたリフレクタである。
【0037】
図5は、実施形態3に係るプロジェクタ用光源30の作用を説明するための図である。図5において、符号f1は回転楕円面の第1焦点を示し、符号f2は回転楕円面の第2焦点を示し、符号36はレンズを示し、符号38は照明領域を示す。図5に示されるように、実施形態3に係るプロジェクタ用光源30においては、円筒状プリズム36がランプ32の放射光を射出方向とは逆の方向に屈折させるため、配光角度の大きい光(破線で表示)を配光角度の小さい光(実線で表示)に変換する働きをする。このため、照明用のリレー光学装置や投写レンズに必要なNAが小さいものでよくなり、プロジェクタの小型化が容易になるという効果がある。さらに、この円筒状プリズム36の働きにより、リフレクタ34で拾えなかった成分の光をも有効に利用することが可能となるため、光の利用効率が高まるという効果もある。このため、実施形態3に係るプロジェクタ用光源30によれば、光の利用効率を低下させずにプロジェクタの小型化を容易にすることができる。円筒状プリズム36は形状が比較的単純であるために、製造は比較的容易である。
【0038】
(実施形態4)
図6は、実施形態4に係るプロジェクタ用光源を説明するための図である。図6(a)は、プロジェクタ用光源の断面図であり、図6(b)は、プロジェクタ用光源の要部を拡大した図である。図6に示されるように、このプロジェクタ用光源40は、ランプ42と、ランプ42からの放射光を射出開口部から射出させるリフレクタ44とを有している。そして、このプロジェクタ用光源40は、ランプ42の周囲に、ランプ42からの放射光をリフレクタ44の射出方向とは逆の方向に屈折させる円筒状レンズ46をさらに有している。なお、プロジェクタ用光源40のリフレクタ44は内面が回転楕円面形状をしたリフレクタである。
【0039】
このため、実施形態4に係るプロジェクタ用光源40においては、円筒状レンズ46がランプ42の放射光を射出方向とは逆の方向に屈折させるため、配光角度の大きい光を配光角度の小さい光に変換する働きをする。このため、照明用のリレー光学装置や投写レンズに必要なNAが小さいものでよくなり、プロジェクタの小型化が容易になるという効果がある。さらに、この円筒状レンズ46の働きにより、リフレクタ44で拾えなかった成分の光をも有効に利用することが可能となるため、光の利用効率が高まるという効果もある。このため、実施形態4に係るプロジェクタ用光源40によれば、光の利用効率を低下させずにプロジェクタの小型化を容易にすることができる。円筒状レンズ46は、光の屈折の度合いをレンズ形状で調整することが可能となるために、照明用のリレー光学装置や投写レンズに必要なNAをより小さいものにすることができる。
【0040】
なお、上記した実施形態1乃至4においては、ランプの放射光はランプの中心部から放射されるものとして簡略して図示されているが、実際は電極と電極との間の比較的広い所定領域から放射されている。しかしながら、実施形態1乃至4における円筒状プリズムや円筒状レンズの働きによりランプの放射光を射出方向とは逆の方向に屈折させる作用は、ランプの放射光がランプの中心部から放射される場合と同じであり、光の利用効率を低下させずにプロジェクタの小型化を容易にすることができるという効果は変わらない。
【0041】
(実施形態5)
図7は、実施形態5に係るプロジェクタ用光源を説明するための図である。図7(a)は、プロジェクタ用光源の断面図であり、図7(b)は、プロジェクタ用光源の要部を拡大した図である。図7に示されるように、このプロジェクタ用光源50は、ランプ52と、ランプ52からの放射光を射出開口部から射出させるリフレクタ54とを有している。そして、このプロジェクタ用光源50は、ランプ52のガラスが、ランプ発光部からの放射光をリフレクタの射出方向とは逆の方向に屈折させる作用を有する。なお、プロジェクタ用光源のリフレクタ54は内面が回転放物面形状をしたリフレクタである。
【0042】
このため、実施形態5に係るプロジェクタ用光源50においては、ランプ52のガラスがランプの放射光を射出方向とは逆の方向に屈折させるため、リフレクタ54の周辺部分から射出する光を、リフレクタ54のより内側から射出する光に変換する働きをする。このため、照明用のリレー光学装置や投写レンズに必要なNAが小さいものでよくなり、プロジェクタの小型化が容易になるという効果がある。さらに、このランプ52のガラスの働きにより、リフレクタ54で拾えなかった成分の光をも有効に利用することが可能となるため、光の利用効率が高まるという効果もある。このため、実施形態5に係るプロジェクタ用光源50によれば、光の利用効率を低下させずにプロジェクタの小型化を容易にすることができる。
また、実施形態5に係るプロジェクタ用光源50においては、ランプ発光部からの放射光をリフレクタの射出方向とは逆の方向に屈折させる光学要素(円筒状プリズムや円筒状レンズ)をさらに設ける必要がなくなり、部品点数が少なくなることによる信頼性向上、製造コスト低減を図ることができるという効果もある。
なお、プロジェクタ用光源のリフレクタとして内面が回転楕円面形状をしたリフレクタを用いた場合であっても、同様の効果が得られる。
【0043】
(実施形態6)
本発明の実施形態6に係るプロジェクタは、図8に示されたプロジェクタ90の光源110として、実施形態1又は3に係るプロジェクタ用光源10,30を用いたものである。このため、実施形態6に係るプロジェクタは、小型化及び高輝度化が容易なプロジェクタとなる。
【0044】
(実施形態7)
本発明の実施形態7に係るプロジェクタは、プロジェクタの光源として、実施形態2又は4に係るプロジェクタ用光源20,40を用いたものである。このため、実施形態7に係るプロジェクタも、明るく小型化の容易なプロジェクタとなる。
【0045】
(実施形態8)
本発明の実施形態8に係るプロジェクタは、プロジェクタの光源として、実施形態5に係るプロジェクタ用光源を用いたものである。このため、実施形態8に係るプロジェクタも、明るく小型化の容易なプロジェクタとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係るプロジェクタ用光源を説明するための図である。
【図2】本発明の実施形態1に係るプロジェクタ用光源の作用を説明するための図である。
【図3】本発明の実施形態2に係るプロジェクタ用光源を説明するための図である。
【図4】本発明の実施形態3に係るプロジェクタ用光源を説明するための図である。
【図5】本発明の実施形態3に係るプロジェクタ用光源の作用を説明するための図である。
【図6】本発明の実施形態4に係るプロジェクタ用光源を説明するための図である。
【図7】本発明の実施形態5に係るプロジェクタ用光源を説明するための図である。
【図8】プロジェクタの光学系を示す図である。
【図9】従来のプロジェクタ用光源を説明するための図である。
【図10】従来のプロジェクタ用光源を説明するための図である。
【符号の説明】
10,20,30,40,50・・・プロジェクタ用光源
12,22,32,42,52・・・ランプ
14,24,34,44,54・・・リフレクタ
16,36・・・円筒状プリズム
26,46・・・円筒状レンズ
90・・・プロジェクタ
100・・・照明装置
110・・・光源
200・・・色分離装置
220・・・反射ミラー
240・・・リレー光学装置
280R、280G、266B・・・フィールドレンズ
300R、300G、300B・・・液晶パネル
400・・・ダイクロイックプリズム
500・・・投写レンズ
S・・・スクリーン
Claims (8)
- ランプと、ランプからの放射光を射出開口部から射出させるリフレクタとを有する光源において、前記ランプの周囲に、前記ランプからの放射光をリフレクタの射出方向とは逆の方向に屈折させる光学要素をさらに有することを特徴とするプロジェクタ用光源。
- 請求項1に記載のプロジェクタ用光源において、前記光学要素は、円筒状プリズムであることを特徴とするプロジェクタ用光源。
- 請求項1に記載のプロジェクタ用光源において、前記光学要素は、円筒状レンズであることを特徴とするプロジェクタ用光源。
- ランプと、ランプからの放射光を射出開口部から射出させるリフレクタとを有する光源において、前記ランプのガラスは、前記ランプ発光部からの放射光をリフレクタの射出方向とは逆の方向に屈折させる作用を有することを特徴とするプロジェクタ用光源。
- 請求項1乃至4のいずれかに記載のプロジェクタ用光源において、前記リフレクタは内面が回転放物面形状を有するリフレクタであることを特徴とするプロジェクタ用光源。
- 請求項1乃至4のいずれかに記載のプロジェクタ用光源において、前記リフレクタは内面が回転楕円面形状を有するリフレクタであることを特徴とするプロジェクタ用光源。
- 請求項1乃至6のいずれかに記載の光源と、この光源からの射出光を変調するための電気光学変調装置と、この電気光学変調装置により変調された画像光を投写するための投写レンズと、を備えたことを特徴とするプロジェクタ。
- 請求項1乃至6のいずれかに記載の光源と、この光源からの射出光を複数の色光に分離するための色分離手段と、この色分離手段により分離された複数の色光をそれぞれ変調するための複数の電気光学変調装置と、これら複数の電気光学変調装置により変調された複数の変調光を投写するための投写レンズと、を備えたことを特徴とするプロジェクタ。
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Cited By (2)
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---|---|---|---|---|
JP2006292903A (ja) * | 2005-04-08 | 2006-10-26 | Casio Comput Co Ltd | 光源装置及びプロジェクタ |
JP2010122532A (ja) * | 2008-11-20 | 2010-06-03 | Iwasaki Electric Co Ltd | ランプ装置 |
-
2002
- 2002-08-29 JP JP2002251302A patent/JP2004093653A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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