JP5371875B2 - 冷却装置、及び画像表示装置 - Google Patents

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Description

本発明は、冷却装置、及び画像表示装置に関する。
従来から、複数のペルチェ素子を用いて冷却を行う冷却装置が提案されている。
特許文献1には、熱交換装置において、入口配管から供給された熱媒を、直列に接続された複数の熱交換器によって冷却(又は加熱)し所定の温度の熱媒を出口配管から出力することが記載されている。各熱交換器では、中心に熱媒を通すプレート型熱交換器の両側面に複数のペルチェ素子が設置されている。プレート型熱交換器に面した側が吸熱(又は放熱)となるように各ペルチェ素子へ供給する電流の向きを制御することにより、各熱交換器を流れる熱媒が冷却(又は加熱)される。また、ペルチェ素子に電力を供給する直流電源回路を熱交換器ごとに設け、制御部は、熱負荷に応じて、各直流電源回路をオンオフ制御し有効となる熱交換器の台数を制御する。これにより、特許文献1によれば、熱媒の温度制御のために稼動する直流電源回路の数を少なくすることが可能となり、直流電源回路に起因する電力損失を少なくすることができるとされている。
特許文献2には、複数のサーモ・モジュールを制御する温度制御装置が記載されている。具体的には、各サーモ・モジュールには、ペルチェ素子が用いられている。温度制御装置は、1つのサーモ・モジュールを選択してその温度を検出し、そのサーモ・モジュールの温度が設定温度より上昇(又は下降)したとき、冷却(又は加熱)する方向のパルス電圧を可変電源ユニットからサーモ・モジュールのペルチェ素子へ供給する。これにより、特許文献2によれば、複数のサーモ・モジュールを単一の可変電源でパルス駆動するようにしたので、装置の小型軽量化を図ることができるとされている。
特開2001−108328号公報 特開2001−153485号公報
特許文献1及び2には、作動液が内部に封入されたヒートパイプを設けることに関して記載がない。
一方、ヒートパイプを設けた冷却装置においては、ヒートパイプの熱輸送量の限界に近い熱量を熱源側から冷却部側へ輸送した場合に、ヒートパイプ内部に封入された作動液が冷却部側の先端部に溜まる現象が発生することがある。この現象はヒートパイプの複数の冷却部が水平に近い姿勢又は熱源より下方にあると発生しやすい。この現象が発生した場合、ヒートパイプ内部の作動液の循環が滞り、熱源側に作動液が還流しなくなる。さらに作動液が溜まった部分(先端部)は、蒸気が到達しなくなるために熱流が供給されない状態で先端部側の冷却部により冷却され、他の冷却部が冷却している部分より低温になる。この部分(先端部)は熱源の冷却に寄与せずに過剰に冷却される為にペルチェ素子の電力効率は著しく低下する。低温になった先端部で蒸気の凝縮が促進されるために作動液がさらに戻らなくなる悪循環が発生し、最終的に熱源付近の作動液が枯渇することで熱源の温度が急激に上昇する可能性がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、作動液の循環が滞ることを低減できる冷却装置及び画像表示装置を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の1つの側面にかかる冷却装置は、冷却ブロックと、作動液が内部に封入され、外壁の一端側が熱源に接続され前記外壁の他端側が前記冷却ブロックに接続されたヒートパイプと、前記冷却ブロックを介して前記ヒートパイプを冷却するように、前記ヒートパイプの長手方向に沿って配された複数のペルチェ素子ユニットと、前記ヒートパイプの前記熱源側から前記冷却ブロック側への熱輸送量に応じて、前記複数のペルチェ素子ユニットを前記熱源に近い側から順次に駆動するように前記複数のペルチェ素子ユニットの駆動を制御する制御部とを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、複数のペルチェ素子ユニットによる冷却側の吸熱量がヒートパイプの最大熱輸送量に近い場合に、ヒートパイプの内部における冷却側の先端部が過剰に冷却されることが低減される。これにより、ヒートパイプの内部における冷却側の先端部に作動液が滞留する現象が抑制され、作動液の循環が滞ることを低減できる。
図1は、実施の形態1にかかる冷却装置の構成を示す図である。 図2は、実施の形態1にかかる冷却装置の熱輸送量に対するペルチェ素子ユニットの駆動状態の一例を示すグラフである。 図3は、実施の形態2にかかる冷却装置を示す斜視図である。 図4は、実施の形態3にかかる冷却装置を示す断面図である。 図5は、実施の形態4にかかる冷却装置を示す断面図である。 図6は、実施の形態5にかかる冷却装置を示す断面図である。 図7は、実施の形態6にかかる冷却装置を示す断面図である。 図8は、実施の形態7及び実施の形態8にかかる画像表示装置を示す図である。 図9は、比較例にかかる冷却装置の熱輸送量に対するペルチェ素子ユニットの駆動状態の一例を示すグラフである。
以下に、本発明にかかる冷却装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
実施の形態1にかかる冷却装置100の構成を、図1を用いて説明する。図1は、実施の形態1にかかる冷却装置100の構成(断面構成又は機能構成)を示す図である。
冷却装置100は、ヒートパイプ1、冷却部ブロック(冷却ブロック)3、複数のペルチェ素子ユニット4a〜4d、放熱部ブロック5、制御装置(制御部)7、及び温度センサ8、9を備える。
ヒートパイプ1は、その一方に熱源2が設けられ、その他方に冷却部ブロック3が取り付けられている。すなわち、ヒートパイプ1は、外壁1a及び内部流路1bを有する。外壁1aは、図1における横方向に延びている。外壁1aの一端側1a1は、熱源2に接続されている。外壁1aの他端側1a2は、冷却部ブロック3に接続されている。内部流路1bは、外壁1aに囲まれた閉じた空間となっている。内部流路1bには、作動液が封入されている。作動液は、熱源2の温度と冷却部ブロック3の温度とに応じた所定の温度範囲内で蒸発と凝縮とを行い内部流路1b内を循環する液体である。
冷却部ブロック3は、ヒートパイプ1の長手方向に沿って延びている。冷却部ブロック3の1つの主面は、外壁1aの一端側1a1に接続されている。冷却部ブロック3における1つの主面と反対側の主面には、複数のペルチェ素子ユニット4a〜4dが接続されている。これにより、冷却部ブロック3は、ヒートパイプ1をそれぞれ冷却するための複数の冷却部3a〜3dを有する。
複数のペルチェ素子ユニット4a〜4dは、冷却部ブロック3を介してヒートパイプ1を冷却するように、ヒートパイプ1の長手方向に沿って配されている。すなわち、各ペルチェ素子ユニット4a〜4dの吸熱面には、冷却部ブロック3が取り付けられている(接続されている)。各ペルチェ素子ユニット4a〜4dの放熱面には、放熱部ブロック5が取り付けられている(接続されている)。なお、図1においてはペルチェ素子ユニットが4個配置されているが、2個以上であれば個数は限定されない。
放熱部ブロック5は、ヒートパイプ1の長手方向に沿って延びている。放熱部ブロック5の1つの主面には、複数のペルチェ素子ユニット4a〜4dが接続されている。
制御装置7は、複数の制御線6a〜6dを介して複数のペルチェ素子ユニット4a〜4dに接続されている。制御装置7は、各制御線6a〜6dを介して対応するペルチェ素子ユニット4a〜4dへ電力を供給することにより、各ペルチェ素子ユニット4a〜4dを駆動する。
具体的には、制御装置7は、ヒートパイプ1の熱源2側から冷却ブロック3側への熱輸送量に応じて、複数のペルチェ素子ユニット4a〜4dを熱源2に近い側から優先して順次に駆動し始めるように複数のペルチェ素子ユニット4a〜4dの駆動を制御する。また、制御装置7は、ヒートパイプ1の熱源2側から冷却ブロック3側への熱輸送量に応じて、複数のペルチェ素子ユニット4a〜4dを熱源2から遠い側から優先して順次に駆動し終えるように複数のペルチェ素子ユニット4a〜4dの駆動を制御する。
温度センサ8は、ヒートパイプ1の例えば冷却部3a近辺の温度を測定し、その測定結果を制御装置7へ供給する。温度センサ9は、ヒートパイプ1の熱源2近辺の温度を測定し、その測定結果を制御装置7へ供給する。これにより、制御装置7は、温度センサ8又は9の測定結果から各ペルチェ素子ユニット4a〜4dへ供給する電力を決定し、各ペルチェ素子ユニット4a〜4dの駆動を制御する。
なお、温度センサ8および温度センサ9は、少なくとも一方が取り付けられていれば制御装置7による制御が可能である。例えば、レーザ素子を使用した投射型の画像表示装置の場合、ヒートパイプ1とレーザ素子(熱源2)との間の熱抵抗が一定であれば、レーザ素子(熱源2)に温度センサ9を取り付けずに、例えば冷却部3a近辺に温度センサ8を配置しても良い。
ここで、仮に、制御装置7が複数のペルチェ素子ユニット4a〜4dを同時に駆動し始めるように複数のペルチェ素子ユニット4a〜4dの駆動を制御する場合について考える。この場合、制御装置7による駆動の開始後、ヒートパイプ1の内部流路1bに封入された作動液による外壁1aの一端側1a1から他端側1a2への熱輸送量が徐々に増えていく。このとき、図9に示すように、各ペルチェ素子ユニット4a〜4dによる吸熱量Qa1〜Qd1は、同時に増加していく。そして、ヒートパイプ1の熱輸送量の限界に近い(例えば、図9に示す熱輸送量80〜100%の領域R1の)熱量を熱源側から冷却部側へ輸送した場合に、ヒートパイプ1内部に封入された作動液が内部流路1b内における冷却部3d側の先端部1b1に溜まる現象が発生することがある。この現象はヒートパイプ1の複数の冷却部3a〜3dが水平に近い姿勢又は加熱部が上方にあると発生しやすい。この現象が発生した場合、ヒートパイプ1内部の作動液の循環が滞り、熱源2側に作動液が還流しなくなる。さらに作動液が溜まった部分(先端部1b1)は、蒸気が到達しなくなるために熱流が供給されない状態で先端部1b1側の冷却部3dにより最大電力近傍(例えば、吸熱量80〜100%に対応した電力)で冷却され、他の冷却部3a〜3cが冷却している部分より低温になる。この部分(先端部1b1)は熱源2の冷却に寄与せずに過剰に冷却される為にペルチェ素子の電力効率は著しく低下する。低温になった先端部1b1で蒸気の凝縮が促進されるために作動液がさらに戻らなくなる悪循環が発生し、最終的に熱源2付近の作動液が枯渇することで熱源2の温度が急激に上昇する可能性がある。
それに対し、実施の形態1では、ヒートパイプ1の熱源2側から冷却ブロック3側への熱輸送量に応じて、複数のペルチェ素子ユニット4a〜4dを熱源2に近い側から順次に駆動し始めるように複数のペルチェ素子ユニット4a〜4dの駆動を制御する。この場合、制御装置7による駆動の開始後、ヒートパイプ1の内部流路1bに封入された作動液による外壁1aの一端側1a1から他端側1a2への熱輸送量が徐々に増えていく。このとき、図2に示すように、各ペルチェ素子ユニット4a〜4dによる吸熱量Qa〜Qdは、順次に増加していく。
例えば、各ペルチェ素子ユニット4a〜4dの設計上の最大吸熱量を100%とした場合、冷却に必要なヒートパイプ1の熱輸送量が増大するに従い、ペルチェ素子ユニット4aの駆動電力を吸熱量0%に対応した値から吸熱量100%に対応した値まで増やす。その後、ペルチェ素子ユニット4bの駆動電力を吸熱量0%に対応した値から吸熱量100%に対応した値まで増やす。その後、ペルチェ素子ユニット4cの駆動電力を吸熱量0%に対応した値から吸熱量100%に対応した値まで増やす。その後、ペルチェ素子ユニット4dの駆動電力を吸熱量0%に対応した値から吸熱量100%に対応した値まで増やす。このように、熱源2に近いペルチェ素子ユニットから順次に駆動電力を増やす。
なお、最大駆動電力の状態から電力を減らす場合は、ペルチェ素子ユニット4aの駆動電力を吸熱量100%に対応した値から吸熱量0%に対応した値まで減らす。その後、ペルチェ素子ユニット4bの駆動電力を吸熱量100%に対応した値から吸熱量0%に対応した値まで減らす。その後、ペルチェ素子ユニット4cの駆動電力を吸熱量100%に対応した値から吸熱量0%に対応した値まで減らす。その後、ペルチェ素子ユニット4dの駆動電力を吸熱量100%に対応した値から吸熱量0%に対応した値まで減らす。このように、熱源2から遠いペルチェ素子ユニットから順次に駆動電力を減らす。
図2に示すように、ペルチェ素子ユニット4dの電力を制御することによりヒートパイプ1の内部流路1bにおける先端部1b1近辺が最大電力近傍(例えば、吸熱量80〜100%に対応した電力)で駆動されるのは、ペルチェ素子ユニット4dの設計上の最大熱輸送量近傍(例えば、図2に破線で示す熱輸送量95〜100%の領域R)に達した時に限定される。従って、最大電力近傍を下回る電力(すなわち、他のペルチェ素子ユニット4a〜4cが最大吸熱量近傍に達した時)においては、先端部1b1近辺が過剰に冷却されることが低減される。すなわち、複数のペルチェ素子ユニット4a〜4dによる冷却側の吸熱量がヒートパイプ1の最大熱輸送量に近づいていった場合でも、ヒートパイプ1の内部流路1bにおける冷却側の先端部1b1が過剰に冷却されることが低減される。これにより、ヒートパイプ1の内部流路1bにおける冷却側の先端部1b1に作動液が滞留する現象が抑制され、作動液の循環が滞ることを低減できる。
したがって、作動液の滞留が無い状態で各ペルチェ素子ユニットを駆動することで、ヒートパイプ1の内部流路1b内の蒸気が冷却部3a〜3dに対応した外壁1aの他端側1a2の全体に均等に行き渡り、過剰に冷却される部分が発生しにくいため、作動液は容易に還流して熱源2を冷却する。これにより、ペルチェ素子ユニットの表裏の温度差が少なくなり、ペルチェ素子ユニットの電力効率が改善される。この結果、比較例に比べて冷却装置の熱輸送量の限界が増大し、電力効率も改善される。
なお、図2に示す制御は一例であり、熱輸送量とペルチェ素子の吸熱量との関係は任意の曲線で構成してもよく、各ペルチェ素子ユニットが動作を開始する熱輸送量も自由に決定できる。
実施の形態2.
次に、実施の形態2にかかる冷却装置200について図3を用いて説明する。図3は、実施の形態2にかかる冷却装置200の構成の一部を示す斜視図である。以下では、実施の形態1と異なる点を中心に説明する。
冷却装置200は、複数のヒートパイプ201−1〜201−3、及び冷却部ブロック203を備える。複数設けられたヒートパイプ201−1〜201−3は、互いに(例えば、互いに平行に)並んでいる。各ヒートパイプ201−1〜201−3は、冷却部ブロック203の内部を貫通するように延びている。すなわち、冷却部ブロック203は、各ヒートパイプ201−1〜201−3の長手方向に垂直な断面で見た場合に、各ヒートパイプ201−1〜201−3の外壁を囲むように接続されている。
実施の形態2では、ヒートパイプの本数の増加により熱輸送量を増やすことができると共に、ペルチェ素子ユニットの冷却面及び熱源に対して熱流を分散させ、冷却効率を向上させることができる。
実施の形態3.
次に、実施の形態3にかかる冷却装置300について図4を用いて説明する。図4は、実施の形態3にかかる冷却装置300の構成を示す図である。以下では、実施の形態1と異なる点を中心に説明する。
冷却装置300は、冷却部ブロック(冷却ブロック)303、複数のペルチェ素子ユニット304a〜304d、放熱部ブロック305、制御装置307を備える。2つの冷却ブロック3、303は、ヒートパイプ1を挟むように配されている。複数のペルチェ素子ユニット4a〜4d、304a〜304dは、2つの冷却ブロック3、303、及びヒートパイプ1を挟むように配されている。
放熱部ブロック305は、ヒートパイプ1の長手方向に沿って延びている。放熱部ブロック305の1つの主面には、複数のペルチェ素子ユニット304a〜304dが接続されている。
制御装置307は、複数の制御線306a〜306dを介して複数のペルチェ素子ユニット304a〜304dに接続されている。制御装置307は、各制御線306a〜306dを介して対応するペルチェ素子ユニット304a〜304dへ電力を供給することにより、各ペルチェ素子ユニット304a〜304dを駆動する。
具体的には、制御装置307は、ヒートパイプ1の熱源2側から冷却ブロック3、303側への熱輸送量に応じて、複数のペルチェ素子ユニット4a〜4d、304a〜304dを熱源2に近い側から優先して順次に駆動し始めるように複数のペルチェ素子ユニット4a〜4d、304a〜304dの駆動を制御する。また、制御装置307は、ヒートパイプ1の熱源2側から冷却ブロック3、303側への熱輸送量に応じて、複数のペルチェ素子ユニット4a〜4d、304a〜304dを熱源2から遠い側から優先して順次に駆動し終えるように複数のペルチェ素子ユニット4a〜4d、304a〜304dの駆動を制御する。
実施の形態3では、ヒートパイプ1の単位長さ当りに対してペルチェ素子ユニットの個数をより多く取り付けることができるので、ヒートパイプ1の熱輸送量を容易に増やすことができる。
実施の形態4.
次に、実施の形態4にかかる冷却装置400について図5を用いて説明する。図5は、実施の形態4にかかる冷却装置400の構成を示す図である。以下では、実施の形態1と異なる点を中心に説明する。
冷却装置400は、複数のペルチェ素子ユニット404a〜404d、及び制御装置407を備える。複数のペルチェ素子ユニット404a〜404dのそれぞれは、複数の冷却回路を有する。例えば、ペルチェ素子ユニット404aは、複数の冷却回路404a1〜404a4を有する。制御装置407は、複数のペルチェ素子ユニット404a〜404dのそれぞれにおける複数の冷却回路を個別に駆動する。例えば、制御装置407は、複数の制御線406a1〜406a4を介して複数の冷却回路404a1〜404a4に接続されている。これにより、制御装置407は、ペルチェ素子ユニット404aにおける複数の冷却回路404a1〜404a4を個別に駆動する。なお、各冷却回路は、例えば、P型半導体とN型半導体とが交互に電気的に直列に接続されたものである。
実施の形態4では、各ペルチェ素子ユニットにおける複数の冷却回路を個別に駆動するので、ペルチェ素子ユニット内の任意の位置を部分的に冷却することが容易になる。また、ひとつのペルチェ素子ユニットが複数の位置に分解して制御されることで、冷却領域を細分化して制御することが可能になる。すなわち、ペルチェ素子ユニットの個数より多くの自由度で冷却回路の位置に応じた冷却領域を制御することが可能になる。
実施の形態5.
次に、実施の形態5にかかる冷却装置500について図6を用いて説明する。図6は、実施の形態5にかかる冷却装置500の構成を示す図である。以下では、実施の形態1と異なる点を中心に説明する。
冷却装置500は、温度センサ511及び制御装置507を備える。温度センサ511は、複数のペルチェ素子ユニット4a〜4dの吸熱面の温度を検出する複数の検出端子(複数の検出部)511a〜511dを有する。各検出端子511a〜511dは、例えば、対応する冷却部3a〜3dの温度を検出することにより、対応するペルチェ素子ユニット4a〜4dの吸熱面の温度を検出する。温度センサ511は、検出端子511a〜511dにより検出された温度の情報を制御装置507へ供給する。
制御装置507は、温度センサ511の検出端子511a〜511dにより検出された温度に基づき、他のペルチェ素子ユニットと比較して温度が低下したペルチェ素子ユニットの冷却を抑制する。すなわち、制御装置507は、各検出端子511a〜511dにより検出された温度のうち閾値以下の温度があるか否かを判断する。制御装置507は、閾値以下の温度がある、すなわちいずれかの検出端子により閾値以下の温度が検出された場合、複数のペルチェ素子ユニット4a〜4dのうち閾値以下の温度を検出した検出端子に対応したペルチェ素子ユニットの駆動を他のペルチェ素子ユニットの駆動に比べて抑制する。これにより、ヒートパイプ1の内部流路1bにおける冷却が抑制された部分では過剰に作動液が凝縮することが抑制される。
実施の形態5では、ヒートパイプ1の各冷却部3a〜3dの温度を監視し、ヒートパイプ1の内部流路1bにおける液溜まりが発生した部分の冷却を停止するといった制御が可能になる。このように制御することでヒートパイプ1の内部流路1bにおける冷却部分全体で最適な蒸気凝縮が維持され、ヒートパイプ1の最大熱輸送能力が向上する。
実施の形態6.
次に、実施の形態6にかかる冷却装置600について図7を用いて説明する。図7は、実施の形態6にかかる冷却装置600の構成を示す図である。以下では、実施の形態1と異なる点を中心に説明する。
冷却装置600は、起電力測定装置612、制御装置607、及び温度センサ609を備える。複数のペルチェ素子ユニット4a〜4dによりヒートパイプ1の冷却を一定時間行った後に瞬間的に複数のペルチェ素子ユニット4a〜4dの動作を停止させると、各ペルチェ素子ユニット4a〜4dでは、外部からの電力供給(電圧印加)が無い状態において、表裏の温度差に応じた起電力が発生する。起電力測定装置612はこの起電力を測定する。すなわち、起電力測定装置612は、制御装置607により複数のペルチェ素子ユニット4a〜4dの駆動が同時に停止された場合に、複数のペルチェ素子ユニット4a〜4dにおける起電力を検出する複数の検出ノード(複数の第2の検出部)612a〜612dを有する。各検出ノード612a〜612dは、例えば、対応する制御線6a〜6dの電圧を検出することにより、対応するペルチェ素子ユニット4a〜4dにおける起電力を検出する。起電力測定装置612は、検出ノード612a〜612dにより検出された起電力の情報を制御装置607へ供給する。温度センサ609は、熱源2の温度を計測する。
制御装置607は、温度センサ609により計測された熱源2の温度と目標温度との差に応じてペルチェ素子への出力を設定する。さらに、制御装置607は、起電力測定装置612の複数の検出ノード612a〜612dにより検出された起電力から、複数のペルチェ素子ユニット4a〜4dの表裏(吸熱面と放熱面と)の温度差を推計する。制御装置607は、この推計した値により冷却再開時の各ペルチェ素子ユニットの駆動電力(駆動電圧)を決定する。すなわち、制御装置607は、各検出ノード612a〜612dにより検出された起電力から推計された温度差のうち閾値以上の温度差があるか否かを判断する。複数のペルチェ素子ユニット4a〜4dは共通の放熱ブロック5と接触しており、ペルチェ素子ユニット4a〜4dの放熱面の温度はほぼ同じである。したがって、吸熱面と放熱面との温度差が閾値以上と推計されたペルチェ素子ユニットでは、吸熱面の温度が所定の下限以下に低下していると考えられる。制御装置607は、閾値以上の温度差が推計された場合、複数のペルチェ素子ユニット4a〜4dのうち閾値以上の温度差が推計されたペルチェ素子ユニットの駆動を他のペルチェ素子ユニットの駆動に比べて抑制する。これにより、ヒートパイプ1の内部流路1bにおける冷却が抑制された部分では過剰に作動液が凝縮することが抑制される。
実施の形態6では、温度センサ511(図6参照)を用いずに、すなわちペルチェ素子ユニット近辺の温度測定のためのセンサ及びその配線を省略し、ヒートパイプ1の各冷却部3a〜3dの温度を監視し、ヒートパイプ1の内部流路1bにおける液溜まりが発生した部分の冷却を停止するといった制御が可能になる。このように制御することによっても、ヒートパイプ1の内部流路1bにおける冷却部分全体で最適な蒸気凝縮が維持され、ヒートパイプ1の最大熱輸送能力が向上する。
実施の形態7.
次に、実施の形態7として、実施の形態1〜実施の形態6にかかる冷却装置を画像表示装置に適用した例について図8を用いて説明する。図8は、一例として、実施の形態2の冷却装置200を画像表示装置700のレーザ素子の冷却に用いた例を示す。
画像表示装置700は、レーザ素子714、画像投影装置715、スクリーン716、及び冷却装置200を備える。画像表示装置700では、レーザ素子714より出射された光は画像投影装置715内の画像変調装置(図示せず)及び光学装置(図示せず)を経てスクリーン716に画像として投射される。スクリーン716には、投射された画像(例えば、動画像)が表示される。レーザ素子714は、例えば、半導体レーザ素子が用いられる。これら半導体レーザ素子には、熱源となる冷却装置が取り付けられている。レーザ素子714は、例えば、カラー表示を目的として複数(714r、714g、714b)配置される。
冷却装置200では、目標温度に対して現在の(冷却部3a近辺及び/又は熱源2近辺の)温度が大幅に高い場合、その能力(駆動電力)を上げ、目標温度に近づくに従い能力(駆動電力)を下げるように制御される。この制御の調整量は制御装置7(図1参照)により決定される。
実施の形態7では、この冷却装置200に、実施の形態1〜実施の形態6の何れか構成を用いることで冷却装置200の最大熱輸送能力が向上する。レーザ素子714の近傍にその駆動回路を配置する必要が有る場合、レーザ素子714に、ヒートパイプの熱輸送能力を高めた冷却装置200を接続することにより、設計自由度が向上する。また、ペルチェ素子ユニットの電力効率改善がされ、画像表示装置700全体の消費電力を低減できる。
なお、図8においては温度センサの図示を省略したが、温度センサの各種配置又は実施の形態6の起電力検出回路は画像表示装置の設計に応じて最適なものを選択すれば良い。また、実施の形態2のように複数のヒートパイプを用いてもよい。さらに、放熱部ブロック5における、複数のペルチェ素子ユニット4a〜4dが接続されている1つの主面と反対側の主面には、放熱の効率を高めるために、放熱フィン713が接続されていてもよい。
実施の形態8.
次に、実施の形態8として、実施の形態1〜実施の形態6にかかる冷却装置を画像表示装置に適用した他の例について図8を用いて説明する。以下では、実施の形態7と異なる点を中心に説明する。
図8の画像表示装置700において、複数色のレーザ素子714r、714g、714bをそれぞれの出力を投射される画像(例えば、動画像)の色バランスに応じて動的に制御し、表示画像を改善する機能を持たせることがある。すなわち、レーザ制御部(図示せず)は、複数色のレーザ素子714r、714g、714bによりスクリーン(表示画面)716に投射される画像の色バランスに応じて、すなわち適正な色バランスを有する画像がスクリーン716に表示されるように、複数色のレーザ素子714r、714g、714bのそれぞれの出力を動的に制御する。このとき、画像表示装置700においては、その動作状態に応じて、複数色のレーザ素子714r、714g、714bによる発熱量が変化する。
実施の形態8では、複数色のレーザ素子714r、714g、714bの冷却に実施の形態1〜実施の形態6の何れかの構成を用いることで、ヒートパイプ本数とペルチェ素子の個数とが等しい構成の場合と比較して、レーザ素子の最大出力制御範囲をより広く取ることができる。また、出力が低い状態から高い状態に変化した場合においてもヒートパイプの冷却部分の温度が均一に保たれる為、熱輸送量の増大に伴うペルチェ素子の効率の低下幅が改善し、画像表示装置の消費電力を低減できる。
以上のように、本発明にかかる冷却装置、及び画像表示装置は、複数のペルチェ素子を用いて冷却を行う装置に有用である。
1、201−1〜201−3 ヒートパイプ
2 熱源
3、203、303 冷却部ブロック
4a〜4d、304a〜304d、404a〜404d ペルチェ素子ユニット
5、305 放熱部ブロック
6a〜6d、306a〜306d、406a1〜406a4 制御線
7、307、407、507、607 制御装置
8 温度センサ
9 温度センサ
404a1〜404a4 冷却回路
511 温度センサ
511a〜511d 検出端子
612 起電力測定装置
612a〜612d 検出ノード
713 放熱フィン
714、714r、714g、714b レーザ素子
715 画像投影装置
716 スクリーン

Claims (8)

  1. 冷却ブロックと、
    作動液が内部に封入され、外壁の一端側が熱源に接続され前記外壁の他端側が前記冷却ブロックに接続されたヒートパイプと、
    前記冷却ブロックを介して前記ヒートパイプを冷却するように、前記ヒートパイプの長手方向に沿って配された複数のペルチェ素子ユニットと、
    前記ヒートパイプの前記熱源側から前記冷却ブロック側への熱輸送量に応じて、前記複数のペルチェ素子ユニットを前記熱源に近い側から順次に駆動するように前記複数のペルチェ素子ユニットの駆動を制御する制御部と、
    を備えたことを特徴とする冷却装置。
  2. 前記ヒートパイプは、複数設けられている
    ことを特徴とする請求項1に記載の冷却装置。
  3. 2つの前記冷却ブロックを備え、
    2つの前記冷却ブロックは、前記ヒートパイプを挟むように配され、
    前記複数のペルチェ素子ユニットは、2つの前記冷却ブロック及び前記ヒートパイプを挟むように配されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の冷却装置。
  4. 前記複数のペルチェ素子ユニットのそれぞれは、複数の冷却回路を有し、
    前記制御部は、前記複数のペルチェ素子ユニットのそれぞれにおける前記複数の冷却回路を個別に駆動する
    ことを特徴とする請求項1に記載の冷却装置。
  5. 前記複数のペルチェ素子ユニットの吸熱面の温度をそれぞれ検出する複数の検出部をさらに備え、
    前記制御部は、前記検出部により閾値以下の温度が検出された場合、前記複数のペルチェ素子ユニットのうち前記閾値以下の温度を検出した前記検出部に対応したペルチェ素子ユニットの駆動を他のペルチェ素子ユニットの駆動に比べて抑制する
    ことを特徴とする請求項1に記載の冷却装置。
  6. 前記制御部により前記複数のペルチェ素子ユニットの駆動が同時に停止されたときに、前記複数のペルチェ素子ユニットにおける起電力を検出する複数の第2の検出部をさらに備え、
    前記制御部は、前記複数の第2の検出部により検出された前記複数のペルチェ素子ユニットにおける起電力から前記複数のペルチェ素子ユニットの吸熱面と放熱面との温度差を推計し、推計した温度差が閾値以下である場合、前記複数のペルチェ素子ユニットのうち前記閾値以上の温度差が推計されたペルチェ素子ユニットの駆動を他のペルチェ素子ユニットの駆動に比べて抑制する
    ことを特徴とする請求項1に記載の冷却装置。
  7. レーザ素子と、
    前記レーザ素子を冷却する請求項1から6のいずれか1項に記載の冷却装置と、
    を備えたことを特徴とする画像表示装置。
  8. 複数色のレーザ素子と、
    前記複数色のレーザ素子により表示画面に投射される画像の色バランスに応じて、前記複数色のレーザ素子のそれぞれの出力を動的に制御するレーザ制御部と、
    前記複数色のレーザ素子を冷却する請求項1から6のいずれか1項に記載の冷却装置と、
    を備えたことを特徴とする画像表示装置。
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