JP2011146533A - 沸騰式冷却装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】接合破壊を防止することができる沸騰式冷却装置を提供する。
【解決手段】冷却プレート16の内部に冷却水を供給し、冷却プレート16に半田を介して熱的に接続されたパワーデバイス21を冷却する沸騰式冷却装置1であって、パワーデバイス21の温度Tfを検出する温度センサ11と、冷却水の温度Twaterを検出する水温センサ12と、パワーデバイス21の温度Tf及び冷却水の温度Twaterに基づいて、過熱度ΔTsatを算出し、過熱度ΔTsatが所定値以上となった場合には、冷却水の流量Qwを増加するコントローラ10と、を備えることにより、接合部の温度推定を行い冷却水を制御することができるため、接合破壊を防止することが可能となる。
【選択図】図1
【解決手段】冷却プレート16の内部に冷却水を供給し、冷却プレート16に半田を介して熱的に接続されたパワーデバイス21を冷却する沸騰式冷却装置1であって、パワーデバイス21の温度Tfを検出する温度センサ11と、冷却水の温度Twaterを検出する水温センサ12と、パワーデバイス21の温度Tf及び冷却水の温度Twaterに基づいて、過熱度ΔTsatを算出し、過熱度ΔTsatが所定値以上となった場合には、冷却水の流量Qwを増加するコントローラ10と、を備えることにより、接合部の温度推定を行い冷却水を制御することができるため、接合破壊を防止することが可能となる。
【選択図】図1
Description
本発明は、沸騰式冷却装置に関するものである。
従来、半導体素子の故障を検出するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1記載のシステムは、複数の半導体搭載基板が隣接配置されて構成された半導体モジュールの半田クラック(接合破壊)の有無を検出する故障検知手段を有している。このシステムは、半導体搭載基板と同一平面上に位置するように配置された温度センサを有し、当該温度センサにより検出された温度に基づいて半田クラック(接合破壊)が発生したか否かを判断する。
しかしながら、特許文献1記載のシステムにあっては、接合破壊が発生したことを判断することはできるが、接合破壊を予防することはできない。そこで、本発明はこのような技術課題を解決するためになされたものであって、接合破壊を防止することができる沸騰式冷却装置を提供することを目的とする。
すなわち本発明に係る沸騰式冷却装置は、放熱部材の内部に冷媒を供給し、前記放熱部材に接合材を介して熱的に接続された半導体素子を冷却する沸騰式冷却装置であって、前記半導体素子の温度を検出する素子温度検出手段と、前記冷媒の温度を検出する冷媒温度検出手段と、前記半導体素子の温度及び前記冷媒の温度に基づいて、過熱度を算出する過熱度算出手段と、前記過熱度が所定値以上となった場合には、前記冷媒の流量を増加する流量制御手段とを備えて構成される。
本発明に係る沸騰式冷却装置では、素子温度検出手段により半導体素子の温度が検出され、冷媒温度検出手段により冷媒の温度が検出され、過熱度算出手段により半導体素子及び冷媒の温度に基づいて過熱度が算出される。そして、流量制御手段により、過熱度が所定値以上となった場合には冷媒の流量が増加される。過熱度は半導体素子と冷媒との間の熱抵抗すなわち接合部の温度に依存するため、過熱度に基づいて冷媒の流量を制御することで接合部の温度に応じて冷媒の流量を制御することができる。このため、接合破壊を防止することが可能となる。
ここで、前記過熱度算出手段は、前記冷媒の流量に応じて前記過熱度を補正することが好適である。このように構成することでより正確に過熱度を算出することができるので、接合破壊をより適切に防止することが可能となる。
また、前記冷媒の流量を所定値以上増加させても前記過熱度が所定値以上である場合には、前記半導体素子の動作を制限する制限手段を備えることが好適である。このように構成することで、核沸騰領域から膜沸騰領域に移行することなく冷却をすることができるので、適切に冷却することが可能となる。
本発明によれば、接合破壊を防止することができる。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、各図において同一又は相当部分には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
本実施形態に係る沸騰式冷却装置は、例えばSiC等の高温動作するパワーデバイスに冷却水を強制循環させて冷却する装置であって、例えばIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、FWD(Free WheelingDiode)又はダイオードによりインバータを構成するパワーモジュールを冷却する際に好適に採用されるものである。このようなパワーモジュールは、例えばハイブリット車両に代表されるモータ駆動の車両システム等に採用されている。
最初に、本実施形態に係る沸騰式冷却装置の概要から説明する。図1は、本実施形態に係る沸騰式冷却装置の構成図、図2は、本実施形態に係る沸騰式冷却装置の冷却機構を示す概要図である。図1に示すように、沸騰式冷却装置1は、パワーモジュール20と熱的に接続された冷却プレート(放熱部材)16へ、ラジエータ14により大気と熱交換した冷却水(冷媒)をポンプ15により供給し循環させることで、パワーモジュール20を冷却する沸騰式の冷却装置である。図2に示すように、パワーモジュール20は、箱状の筐体25の内部に基板23及びパワーデバイス(半導体素子)21を備えている。パワーデバイス21は、基板23上に半田22を介して配置されている。基板23は、冷却プレート16上に半田24を介して配置されている。すなわち、冷却プレート16上に、半田24、基板23、半田22、パワーデバイス21の順に配置されている。上記の各層は、熱的に接続されている。すなわち、パワーデバイス21で発生した熱は、半田22、基板23、半田24を介して冷却プレート16へ伝導される。冷却プレート16の内部には空間が設けられており、熱交換する冷却水の水蒸気Wを流通可能に構成されている。
また、図1に示すように、沸騰式冷却装置1は、パワーデバイス21の温度を検出する温度センサ(素子温度検出手段)11、冷却プレート16内の冷却水の温度を検出する水温センサ(冷媒温度検出手段)12、冷却プレート16へ供給する冷却水の流量を検出する流量センサ13及びポンプ15を制御可能なコントローラ(過熱度算出手段、流量制御手段、制限手段)10を備えている。
温度センサ11としては、熱電対、サーモカメラ、温度センスダイオード出力等が用いられる。水温センサ12は、パワーモジュール20の伝熱面近傍の冷却水温度を代表温度として検出するものであり、例えば熱電対が用いられる。流量センサ13としては、例えば浮きを用いたものやファラデーの法則を応用した電磁式のものが用いられる。
コントローラ10は、電子制御するコンピュータであり、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random AccessMemory)等のメモリ、及び入出力インターフェイスなどを備えて構成されている。このコントローラ10は、温度センサ11、水温センサ12及び流量センサ13に接続されており、パワーデバイス21の温度、冷却水の温度及び流量を入力可能に構成されている。また、コントローラ10は、温度センサ11及び水温センサ12から入力したパワーデバイス21の温度及び冷却水の温度に基づいて、過熱度を算出する機能を有している。さらに、コントローラ10は、算出した過熱度が所定値以上である場合には、冷却水の流量に基づいてポンプ15を制御して冷却水の流量を増加する機能を有している。また、コントローラ10は、パワーデバイス21のキャリア周波数又は昇圧の目標電圧を低減する制御を行う機能を有している。
ここで、コントローラ10が行う過熱度の算出方法の詳細を説明する。過熱度は、過熱蒸気の温度と飽和蒸気の温度(沸騰点)との差である。なお、以下では、説明理解の容易性を考慮して、パワーデバイス21は、ハイブリット車両に代表されるモータ駆動の車両システム等に採用されているものとし、インバータとして機能するものとする。過熱度は、伝熱面温度Twall(すなわちパワーモジュール20下主面側に配置されたフィンの根元温度Tf)及び冷却水の温度Twaterに基づいて算出することができる。
まず、伝熱面温度Twallについて説明する。伝熱面温度Twallは、パワーデバイス21の温度をTj、熱流束(発熱密度)[W/m2]をq、熱伝導率[W/(m・K)]をk、距離(厚さ)[m]をLとすると、以下の式1で表すことができる。
熱流束qは、パワーデバイス21で発生する損失によってもたらされる熱流束を示し、インバータの電流に依存する。インバータの電流は、駆動モータの動作すなわち車両状態に依存する。車両が定常状態(例えば、高速道路の走行等)時には、インバータに流れる電流はほぼ一定となり、発生する損失も一定値となる。よって、ある一定の走行環境においてパワーデバイス21の温度Tjはインバータの電流値によって一義的に決定することができる。
熱流束qは、パワーデバイス21で発生する損失によってもたらされる熱流束を示し、インバータの電流に依存する。インバータの電流は、駆動モータの動作すなわち車両状態に依存する。車両が定常状態(例えば、高速道路の走行等)時には、インバータに流れる電流はほぼ一定となり、発生する損失も一定値となる。よって、ある一定の走行環境においてパワーデバイス21の温度Tjはインバータの電流値によって一義的に決定することができる。
過熱度ΔTsatは、式1により求めた伝熱面温度Twall、冷却水の温度Twaterを用いて以下の式2で表すことができる。
δは補正係数であり、詳細は後述する。数式1,2を用いることで過熱度を算出することができる。
δは補正係数であり、詳細は後述する。数式1,2を用いることで過熱度を算出することができる。
ここで、式1及び図3に示すように、伝熱面温度Twallは、パワーデバイス21とその下面側に設けられたフィンとの間の介在物(ここでは基板23、半田22,24)の熱伝導率kや厚さLに依存する。高温で動作させる際には、介在物並びに介在物間の界面の状態が劣化したり、部材が熱変形したりすることにより、熱伝導率kが変化したり厚さLが変化したりする場合がある。熱伝導率k又は厚さLが変化する場合には、式1に示すように伝熱面温度Twallに影響する。このため、高温動作の場合には、伝熱面温度Twallが増加することが予測され、水温も僅かに上昇するものと考えられる。すなわち、高温動作の場合には、パワーデバイス21と冷却水との間の熱抵抗が増加して冷却性能が低下する場合がある。そして、このような場合においては、沸騰特性を考慮しないと冷却性能が大きく低下するおそれがある。図4は、一般的な沸騰曲線を示すグラフであり、横軸が過熱度ΔTsat、縦軸が熱伝達率(熱流束q)である。図4に示すように、膜沸騰領域(過熱度A以上の領域)に移行することなく、核沸騰領域T1(最初の立ち上がりに対応する過熱度から熱流束qの極大値に対応する過熱度Aまでの領域)内になるように制御することにより、最大の冷却性能が得られる範囲で制御することができる。このため、コントローラ10は、冷却異常が発生していると判定した場合には、パワーデバイス21の動作を抑制して発熱を抑えることで過熱度の範囲を核沸騰領域T1に納めるように動作する機能を有している。
次に、本実施形態に係る沸騰式冷却装置1の動作について説明する。図5は、本実施形態に係る沸騰式冷却装置1の動作を示すフローチャートである。図5に示す制御処理は、コントローラ10により実行され、例えば車両がイグニッションオンされたタイミングから所定の間隔で繰り返し実行される。また、制御処理で用いるカウンタCNT(冷却異常の判定に用いるカウンタ)は初期値としてNがセットされているものとする。
図5に示すように、コントローラ10は、流量センサ13及び水温センサ12から冷却水流量Qw及び冷却水の温度Twaterを読み込む(S10)。S10の処理が終了すると、コントローラ10は、モータ電流Imを読み込む(S12)。S12の処理が終了すると、コントローラ10は、温度センサ11からパワーデバイス21の温度Tjを読み込む(S14)。
S14の処理が終了すると、コントローラ10は、過熱度ΔTsatの理論値を算出する(S16)。S16の処理では、コントローラ10が、例えば予め冷却水の温度Twaterごとに算出された理論的な過熱度ΔTsat_sの冷却水流量Qw依存性を示すマップ、及びS10の処理で読み込んだ冷却水の温度Twater及び冷却水流量Qwを用いて、理論的な過熱度ΔTsat_sを算出する。図8は、冷却水の温度Twaterごとの理論的な過熱度ΔTsat_sの冷却水流量Qw依存性を示すマップの一例であり、縦軸が理論的な過熱度ΔTsat_s、横軸が冷却水流量Qwである。コントローラ10は、例えばS10の処理で読み込んだ冷却水の温度TwaterがA1であり、冷却水流量QwがXであるとすると、図8に示すマップから過熱度ΔTsat_sをYと算出する。S16の処理が終了すると、過熱度ΔTsat算出処理へ移行する(S18)。
S18の処理では、コントローラ10が、S12の処理で読み込んだモータ電流Imに基づいて熱流束qを算出する。図9は、熱流束qのモータ電流Im依存性を示すマップであり、縦軸が熱流束q、横軸がモータ電流Imである。コントローラ10は、例えば図9に示すマップを用いて熱流束qを算出する。そして、算出した熱流束q、S10の処理で読み込んだ冷却水の温度Twater及びS14の処理で読み込んだパワーデバイス21の温度Tjを式1,2に当てはめて実際の過熱度ΔTsatを算出する。ここで、式2のδは冷却水流量Qwに応じて設けられた補正係数であり、例えば図10に示すマップを用いて算出される。図10は、補正係数δの冷却水流量Qw依存性を示すマップであり、縦軸が補正係数δ、横軸が冷却水流量Qwである。コントローラ10が実測値の過熱度ΔTsatを算出すると、差分α算出処理へ移行する(S20)。
S20の処理では、コントローラ10が、S16の処理で算出した理論的な過熱度ΔTsat_sと、S18の処理で算出した実測値の過熱度ΔTsatとの差分を算出する。S20の処理が終了すると、冷却異常判定処理へ移行する(S22)。
S22の処理では、コントローラ10が、冷却異常が発生しているか否かを判定する。この判定は、冷却異常フラグF_errが1であるか否かによって判定される。なお、冷却異常フラグの初期値は0であり、後述する処理で更新される。S22の処理において、冷却異常が発生していないと判定した場合には、差分判定処理へ移行する(S24)。
S24の処理では、コントローラ10が、S20の処理で算出した差分αが所定の値α(th)以上であるか否かを判定する。閾値α(th)は例えば予め定められた定数であって、差分αが理論値と実測値との許容される差を超えているか否かを判定するために設定されたものである。S24の処理において、S20の処理で算出した差分αが所定の値α(th)以上でないと判定した場合には、差分αが理論値と実測値との許容される差を超えていないので、図5に示す制御処理を終了する。一方、S24の処理において、S20の処理で算出した差分αが所定の値α(th)以上であると判定した場合には、過熱度の理論値と実測値との差が大きいため冷却性能が低下しているので、冷却水流量Qwを増加する処理へ移行する(S26)。
S26の処理では、コントローラ10が、ポンプ15を制御して冷却水流量QwをΔQだけ増加させて冷却性能を増加させる。例えば、コントローラ10は、図11に示すマップを用いて冷却水流量Qwの増加量ΔQを算出する。図11は、冷却水流量Qwの増加量ΔQと過熱度の増加量との関係を示すマップである。コントローラ10は、図11に示すマップを参照し、S20の処理で算出した差分αが大きいほど、すなわち過熱度の増加量が大きいほど冷却水流量Qwの増加量ΔQを大きくする。S26の処理が終了すると、カウントダウン処理へ移行する(S28)。
S28の処理では、コントローラ10が、カウンタCNTの値をデクリメントする。S28の処理が終了すると、カウンタ判定処理へ移行する(S30)。
S30の処理では、コントローラ10が、カウンタCNTの値が0か否かを判定する。カウンタCNTの値が0でなければ、図5に示す制御処理を終了する。一方、カウンタCNTの値が0である場合には、冷却能力をこれ以上向上させても過熱度が下がらないため異常冷却であるとみなし、冷却異常フラグF_errを0から1にセットする。S30の処理が終了すると、図5に示す制御処理を終了する。
一方、S22の処理において、冷却異常が発生していると判定した場合、すなわち、冷却異常フラグF_errが1の場合には、冷却異常処理へ移行する(S34)。冷却異常処理の詳細を図6に示す。まず、コントローラ10は、パワーデバイス21のキャリア周波数を所定値低減する(S36)。これにより、インバータの損失を低減して発熱を抑制し、核沸騰領域から膜沸騰領域への移行を防止する。
そして、コントローラ10は、低減後のキャリア周波数が予め定められた下限値であるか否かを判定する(S38)。S38の処理において、低減後のキャリア周波数が予め定められた下限値である場合には、これ以上発熱を抑制することができないので、冷却異常である旨を出力して図6に示す冷却異常処理を終了する。
一方、S38の処理において、低減後のキャリア周波数が予め定められた下限値でない場合には、S24の処理と同様に、S20の処理で算出した差分αが所定の値α(th)以上であるか否かを判定する(S40)。S40の処理において、S20の処理で算出した差分αが所定の値α(th)以上でないと判定した場合には、差分αが理論値と実測値との許容される差を超えていないので、キャリア周波数の低減により冷却異常は回避されたものとして、冷却異常フラグを0にリセットし(S42)、図6に示す冷却異常処理を終了する。一方、S40の処理において、S20の処理で算出した差分αが所定の値α(th)以上であると判定した場合には、キャリア周波数を低減しても冷却異常は回避されていないと判定し、冷却異常フラグを0にリセットすることなく図6に示す冷却異常処理を終了する。図6に示す冷却異常処理が終了すると、図5のS34の処理に戻り、図5の制御処理を終了する。
以上で図5,6に示す制御処理を終了する。図5,6に示す制御処理を実行することにより、パワーデバイス21と冷却プレート16との熱伝導経路において、高温動作によって発生する熱抵抗異常が過熱度から判断され、熱抵抗異常が発生している場合には、冷却能力が増加されるので、早いタイミングで異常を検出・回避することができる。また、冷却異常を検出した場合には、パワーデバイス21から発生する熱量を低減させ、その低減効果が過熱度で評価される。このため、核沸騰領域から膜沸騰領域へ移行することを回避することができる。このように、高温動作環境において、作動中に発生した化合物や空隙によりパワーデバイス21と冷却水との間の熱抵抗(介在物の熱伝導率等)が増加し、冷却性能が劣化した場合であっても、過熱により素子故障を招くことなく異常を検出し回避することが可能となる。
上述のように、本実施形態に係る沸騰式冷却装置1によれば、温度センサ11によりパワーデバイス21の温度Tfが検出され、水温センサ12により冷却水の温度Twaterが検出され、コントローラ10によりパワーデバイス21の温度Tf及び冷却水の温度Twaterに基づいて過熱度ΔTsatが算出される。そして、コントローラ10により、過熱度ΔTsatが所定値以上となった場合には冷却水の流量Qwが増加される。過熱度ΔTsatはパワーデバイス21と冷却水との間の熱抵抗すなわち接合部の温度Twallに依存するため、過熱度ΔTsatに基づいて冷却水の流量Qwを制御することで接合部の温度Twallに応じて冷却水の流量Qwを制御することができる。このため、接合破壊を防止することが可能となる。
また、本実施形態に係る沸騰式冷却装置1によれば、コントローラ10により、冷却水の流量Qwを所定値以上増加させても過熱度ΔTsatが所定値以上である場合には、パワーデバイス21の動作を制限されるので、核沸騰領域から膜沸騰領域に移行することなく冷却をすることができる。
なお、上述した実施形態は本発明に係る沸騰式冷却装置の一例を示すものである。本発明に係る沸騰式冷却装置は、実施形態に係る沸騰式冷却装置1に限られるものではなく、各請求項に記載した要旨を変更しない範囲で、実施形態に係る沸騰式冷却装置を変形し、又は他のものに適用したものであってもよい。
例えば、上述した実施形態では、パワーデバイス21の発熱量をキャリア周波数で制御する例を説明したが、これに限られるものではなく、例えば、昇圧回路の目標電圧を低減する場合であってもよい。図7は、冷却異常処理の他の例を示すフローチャートである。図7に示すように、キャリア周波数でなく昇圧回路の目標電圧を低減し(S46)、昇圧回路の目標電圧が下限値であるか否かを判定する(S48)。なお、S50〜S54の処理は図6のS40〜S44の処理と同様である。このように動作させた場合であっても核沸騰領域から膜沸騰領域へ移行することを回避することができる。
また、上述した実施形態では、コントローラ10が制限手段として機能する例を説明したが、制限手段は要求される性能に応じて適宜備えればよい。また、上述した実施形態では流量センサ13を備える例を説明したが、流量センサ13の検出結果を用いずにポンプ15を制御してもよい。すなわち、流量センサ13は必要に応じて設ければよい。
1…沸騰式冷却装置、10…コントローラ(過熱度算出手段、流量制御手段、制限手段)、11…温度センサ(素子温度検出手段)、12…水温センサ(冷媒温度検出手段)、16…冷却プレート(放熱部材)、21…パワーデバイス(半導体素子)。
Claims (3)
- 放熱部材の内部に冷媒を供給し、前記放熱部材に接合材を介して熱的に接続された半導体素子を冷却する沸騰式冷却装置であって、
前記半導体素子の温度を検出する素子温度検出手段と、
前記冷媒の温度を検出する冷媒温度検出手段と、
前記半導体素子の温度及び前記冷媒の温度に基づいて、過熱度を算出する過熱度算出手段と、
前記過熱度が所定値以上となった場合には、前記冷媒の流量を増加する流量制御手段と、
を備えることを特徴とする沸騰式冷却装置。 - 前記過熱度算出手段は、前記冷媒の流量に応じて前記過熱度を補正する請求項1に記載の沸騰式冷却装置。
- 前記冷媒の流量を所定値以上増加させても前記過熱度が所定値以上である場合には、前記半導体素子の動作を制限する制限手段を備える請求項1又は2に記載の沸騰式冷却装置。
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