JP6070849B2 - センサ異常判定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、パワー素子の温度と、このパワー素子を冷却する冷却水の温度との差に基づいて、パワー素子の温度を検出する温度センサの異常を判定するセンサ異常判定装置に関する発明である。
従来、パワー素子の温度に基づいて、このパワー素子を冷却する冷却水の温度を推定する。そして、推定冷却水温と、冷却水温センサを用いて実際に検出した実冷却水温との偏差を求め、この偏差が所定の異常判定閾値以上であれば、冷却水温センサに異常があると判定するセンサ異常判定装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
なお、このセンサ異常判定装置では、推定冷却水温が上限値以上の場合には、冷却水温センサの異常判定を実行しない。
特開2009-284597号公報
ところで、従来のセンサ異常判定装置では、推定冷却水温と実冷却水温との偏差のみに着眼しており、冷却水温センサの異常判定の基準となる異常判定閾値は一定値であった。すなわち、推定冷却水温が実冷却水温よりも高い場合の偏差に対する異常判定閾値と、推定冷却水温が実冷却水温よりも低い場合の偏差に対する異常判定閾値は、同じ値に設定されていた。
ここで、パワー素子に電流が流れると、このパワー素子の温度が上昇する。そのため、パワー素子温度に基づいて推定する推定冷却水温の温度も上昇し、この推定冷却水温と実冷却水温との偏差が大きくなることが分かっている。そのため、異常判定閾値は、誤判断を防止するため、パワー素子に最大電流が流れているときに生じる温度偏差よりも大きい値にしなければならなかった。
これにより、推定冷却水温と実冷却水温の偏差がある程度大きくならなければ、冷却水温センサが異常を判定できない、という問題があった。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、パワー素子の温度と、パワー素子を冷却する冷却水温度とのずれが小さい場合であっても、パワー素子温度を検出する温度センサの異常を判定できるセンサ異常判定装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明のセンサ異常判定装置は、パワー素子と、前記パワー素子を冷却する冷却水が循環する冷却水回路と、前記パワー素子の温度を検出する温度センサと、前記冷却水回路を循環する冷却水の温度を検出する水温センサと、を備える半導体モジュールに適用され、異常判定部と、判定温度設定部と、を備えている。
前記異常判定部は、前記温度センサの検出温度と前記水温センサの検出水温の差が、予め設定した判定温度差よりも大きいときに、前記温度センサが異常であると判定する。
前記判定温度設定部は、前記温度センサの検出温度が前記水温センサの検出水温よりも低いときの判定温度差を、前記温度センサの検出温度が前記水温センサの検出水温よりも高いときの判定温度差よりも、低い値に設定する。
本発明のセンサ異常判定装置では、異常判定部により、温度センサの検出温度と水温センサの検出水温の差が所定の判定温度差よりも大きいときに、温度センサの異常が判定される。ここで、異常判定の基準となる判定温度差は、温度センサの検出温度が水温センサの検出水温よりも低いときには、温度センサの検出温度が水温センサの検出水温よりも高いときよりも低い値に設定される。
すなわち、温度センサの検出温度が水温センサの検出温度よりも低いときには、パワー素子に流れる電流によるパワー素子の温度上昇は抑えられていると考えられる。一方、温度センサの検出温度が水温センサの検出温度よりも高いときには、パワー素子に比較的大きな電流が流れ、パワー素子の温度は上昇していると考えられる。また、パワー素子の温度上昇が抑制されているときには、温度センサの検出温度と水温センサの検出温度との差が小さくなる。
そこで、パワー素子に流れる電流が小さくてパワー素子の温度上昇が抑えられていると考えられるときの判定温度差を、パワー素子温度が上昇していると考えられるときの判定温度差よりも低い値に設定することで、温度センサの検出温度と水温センサの検出水温の差が小さくても温度センサの異常を判定することができる。
実施例1のセンサ異常判定装置を搭載したモータユニットを示す全体システム図である。 実施例1のセンサ異常判定装置において実行される温度センサ異常判定処理の流れを示すフローチャートである。 実施例1のセンサ異常判定装置における異常判定領域と正常判定領域を示す概念図である。
以下、本発明のセンサ異常判定装置を実施するための形態を、図面に示す実施例1に基づいて説明する。
(実施例1)
まず、実施例1のセンサ異常判定装置における構成を「モータユニット全体システム構成」、「温度センサ異常判定処理構成」に分けて説明する。
[モータユニット全体システム構成]
図1は、実施例1のセンサ異常判定装置を搭載したモータユニットを示す全体システム図である。以下、図1に基づき、実施例1のセンサ異常判定装置を備えたモータユニットの全体システム構成を説明する。
実施例1におけるセンサ異常判定装置は、図1に示すモータユニット1に搭載されている。すなわち、このモータユニット1は、ハイブリッド車両や電気自動車等の電動車両(不図示)の走行駆動源として搭載されるものである。
このモータユニット1は、モータ2と、インバータ(半導体モジュール)3と、冷却システム4と、を有している。
前記モータ2は、ロータに永久磁石を埋設しステータにステータコイルが巻き付けられた同期型モータである。このモータ2は、冷却システム4の後述する冷却水41が流れるモータ用ウォータジャケット2aを有している。
前記インバータ3は、パワー素子3aを有しており、図示しないモータコントローラからの制御指令に基づいてモータ2に印加する三相交流電力を作り出し、このモータ2を制御する。前記パワー素子3aは、例えば三相交流電力を出力するインバータの主スイッチとして主要な役割を担うIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)モジュール等である。このパワー素子3aは、冷却水41が流れるパワー素子用ウォータジャケット3bを有している。
また、このインバータ3には、パワー素子3aの温度を検出する温度センサ51と、パワー素子用ウォータジャケット3bを流れる冷却水41の温度を検出する水温センサ52と、パワー素子3aに流れる電流を検出する電流センサ53と、が設けられている。
前記冷却システム4は、モータ2及びインバータ3のパワー素子3aを冷却する冷却水41が循環する冷却水循環路(冷却水回路)42と、ウォータポンプ43と、放熱器44と、を有している。
前記冷却水41は、不凍液(LLC;クーラント)である。
前記冷却水循環路42は、冷却水41が流れる流路であり、冷却水41の流れに沿って、ウォータポンプ43→モータ用ウォータジャケット2a→パワー素子用ウォータジャケット3b→放熱器44→ウォータポンプ43の順に接続している。
前記ウォータポンプ43は、冷却水循環路42を流れる冷却水41に圧力をかけ、冷却水41を冷却水循環路42内で強制的に循環させる電動ポンプである。
前記放熱器44は、冷却水循環路42の途中位置に設けられ、冷却水41を外気と熱交換させることでウォータポンプ43に吸い込まれる冷却水41を冷却する。
すなわち、この冷却システム4では、ウォータポンプ43によって送り出された冷却水41は、まずモータ用ウォータジャケット2aにおいて、モータ2と熱交換を行い、このモータ2を冷却する。その後、インバータ3のパワー素子3aに設けられたパワー素子用ウォータジャケット3bに流れこむ。そして、パワー素子用ウォータジャケット3bにおいて、パワー素子3aと熱交換を行い、このパワー素子3aを冷却する。そして、放熱器44に流れ込んで空冷され、再びウォータポンプ43に吸い込まれた後、送り出される。
さらに、このモータユニット1には、制御器(センサ異常判定装置)5が設けられている。この制御器5には、温度センサ51、水温センサ52、電流センサ53からの各種検出信号が入力される。そして、この制御器5は、後述する温度センサ異常判定処理を実行し、温度センサ51の異常判定を行うものであり、異常判定部5aと、判定温度設定部5bと、を有している。
前記異常判定部5aは、温度センサ51の検出温度と水温センサ52の検出水温の差が、予め設定した判定温度差よりも大きいときに、この温度センサ51が異常であると判定する演算回路である。
また、この異常判定部5aでは、パワー素子3aに流れる電流が予め設定した第1電流判定値Imth1以上のときには、温度センサ51の異常判定を行わない。一方、パワー素子3aに流れる電流が予め設定した第2電流判定値Imth2以下の状態を所定時間継続したとき、車両停止状態のとき、冷却水循環路42を冷却水41が循環してから所定時間経過したとき、のすべての条件を満たしたら、温度センサ51の異常判定を行う。
前記判定温度設定部5bは、異常判定部5aにて用いる判定温度差を設定する演算回路である。この判定温度設定部5bでは、温度センサ51の検出温度が水温センサ52の検出水温よりも低いときの判定温度差を、温度センサ51の検出温度が水温センサ52の検出水温よりも高いときの判定温度差よりも、低い値に設定する。
[温度センサ異常判定処理構成]
図2は、実施例1の制御器にて実行される温度センサ異常判定処理の流れを示すフローチャートである。以下、図2に基づき、実施例1の温度センサ異常判定処理構成について説明する。
ステップS1では、高モータ電流判定時間Tth1を設定し、ステップS2へ進む。
ここで、「高モータ電流判定時間」とは、モータ2に印加される電流(モータ電流値)、つまりインバータ3のパワー素子3aに流れる電流が大きいか否かを判定する際の判定基準となる時間である。なお、パワー素子3aに流れる電流は、予め設定した第1電流判定値Imth1よりも大きければ「高い」と判定される。そして、この「高モータ電流判定時間」は、例えばモータ電流のノイズ成分等を考慮した判定マージン時間に設定する。
ステップS2では、ステップS1での高モータ電流判定時間Tth1の設定に続き、低モータ電流判定時間Tth2を設定し、ステップS3へ進む。
ここで、「低モータ電流判定時間」とは、モータ2に印加される電流(モータ電流値)、つまりインバータ3のパワー素子3aに流れる電流が小さいか否かを判定する際の判定基準となる時間である。なお、パワー素子3aに流れる電流は、予め設定した第2電流判定値Imth2よりも小さければ、「低い」と判定される。そして、この「低モータ電流判定時間」は、例えばモータ電流のノイズ成分等を考慮した判定マージン時間に、パワー素子3aの熱時定数を加味して設定する。
ステップS3では、ステップS2での低モータ電流判定時間Tth2の設定に続き、高モータ電流時のパワー素子3aの上昇温度を設定し、ステップS4へ進む。
ここで、パワー素子3aは電流が流れると発熱するが、流れる電流が高いほど温度が上昇する。つまり、高いと判定されるモータ電流値(第1電流判定値Imth1)が流れているときには、パワー素子3aの温度は上昇するため、このステップS3では、第1電流判定値Imth1が流れたことで上昇するパワー素子温度を設定する。なお、この上昇温度は、予めモータ電流に対するパワー素子3aの上昇温度を計算又は実測してマップ化しておき、このマップに基づいて設定する。
ステップS4では、ステップS3での上昇温度の設定に続き、第1判定温度差を演算し、ステップS5へ進む。
ここで、「第1判定温度差」とは、パワー素子3aの温度(温度センサ51によって検出された検出温度)が、冷却水41の温度(水温センサ52によって検出された検出水温)よりも高いときに、温度センサ51の異常を判定する際の基準になる値である。この「第1判定温度差」は、下記式(1)に基づいて求められる。
第1判定温度差 = 検出誤差 + 上昇温度 + 判定マージン …(1)
なお、式(1)における「上昇温度」は、ステップS3にて求めた値である。
ステップS5では、ステップS4での第1判定温度差の演算に続き、第2判定温度差を演算し、ステップS6へ進む。
ここで、「第2判定温度差」とは、パワー素子3aの温度(温度センサ51によって検出された検出温度)が、冷却水41の温度(水温センサ52によって検出された検出水温)よりも低いときに、温度センサ51の異常を判定する際の基準になる値である。この「第2判定温度差」は、下記式(2)に基づいて求められる。
第2判定温度差 = 検出誤差 + 判定マージン …(2)
ステップS6では、ステップS5での第2判定温度差の演算に続き、パワー素子3aを冷却する冷却水41が冷却水循環路42内で循環を開始してから、予め設定した所定の循環必要時間を経過したか否かを判断する。YES(循環必要時間経過)の場合には、ステップS7へ進む。NO(循環必要時間未経過)の場合には、冷却水41が十分に循環していないとしてステップS11へ進む。
ここで「循環必要時間」は、冷却水循環路42内で循環する冷却水41の温度分布が均等になるために必要と考えられる時間であり、任意の値に設定できる。
ステップS7では、ステップS6での循環必要時間経過との判断に続き、モータユニット1が搭載された車両が停車状態であるか否かを判断する。YES(停車中)の場合には、ステップS8へ進む。NO(走行中)の場合には、モータ2から走行に必要なモータトルクが出力されているとしてステップS11へ進む。
ここで、車両の停車判断は、図示しない車速センサによって検出された車両速度が、停車と判断できる程度の所定値(=ゼロ)よりも小さいときに行われる。
ステップS8では、ステップS7での車両停車中との判断に続き、モータ電流値であるインバータ3のパワー素子3aに流れている電流を検出し、ステップS9へ進む。このパワー素子3aに流れている電流は、電流センサ53によって検出される。
ステップS9では、ステップS8での電流の検出に続き、このステップS8で検出したモータ電流値(パワー素子3aに流れている電流)が大きいか否かを判断する。YES(モータ電流大きい)の場合は、モータ電流が大きくてパワー素子3aの温度が高いとしてステップS11に進む。NO(モータ電流大きくない)の場合は、ステップS10へ進む。
ここで、モータ電流が大きい場合とは、パワー素子3aに流れている電流が予め設定した第1電流判定値Imth1を上回った状態を、ステップS1にて設定した高モータ電流判定時間Tth1の間継続した場合である。
なお、高モータ電流判定時間Tth1は、電流ノイズの影響でモータ電流が大きいと誤判定することを避けるために設定した時間である。一般的には、このように設定した高モータ電流判定時間Tth1に対して、パワー素子3aの熱時定数は十分に大きく、問題はない。しかしながら、高モータ電流判定時間Tth1が経過した後のパワー素子3aの温度上昇を無視できない場合には、その温度上昇分を考慮してパワー素子3aの上昇温度を算出する。具体的には、ステップS3において、マップから求めるのではなく、下記式(3)から算する。
上昇温度 = マップ検出温度(マップに基づいて求めた上昇温度)
+ モータ電流最大の状態で高モータ電流判定時間経過したときのパワー素子3aの上昇温度 …(3)
ステップS10では、ステップS9でのモータ電流が大きくないとの判断に続き、ステップS8で検出したモータ電流値(パワー素子3aに流れている電流)が小さいか否かを判断する。YES(モータ電流小さい)の場合は、ステップS12へ進む。NO(モータ電流小さくない)の場合は、モータ電流が小さくなく、パワー素子3aの温度がある程度高いことが予想されるとしてステップS11に進む。
ここで、モータ電流が小さい場合とは、パワー素子3aに流れている電流が予め設定した第2電流判定値Imth2を下回った状態を、ステップS2にて設定した低モータ電流判定時間Tth2の間継続した場合である。
ステップS11では、ステップS6での循環必要時間未経過との判断、又は、ステップS7での車両走行中との判断、又は、ステップS9でのモータ電流が大きいとの判断、又は、ステップS10でのモータ電流が小さくないとの判断に続き、温度センサ51の異常判定を実行せず、エンドへ進む。
すなわち、冷却水41の循環開始から所定の循環必要時間が経過していなければ、冷却水循環路42内において、冷却水温度分布が均等ではなく、ばらつき(むら)が残っていると考えられる。そのため、水温センサ52によって検出される冷却水温度に、冷却水温度分布のばらつき(むら)の影響が反映されてしまい、温度センサ51の異常判定を誤判定することが考えられる。
また、車両が走行中では、モータ2から必要なモータトルクを出力させるため、インバータ3のパワー素子3aに比較的大きな電流が流れると考えられる。また、例え車両走行中でなくても、パワー素子3aに流れる電流がある程度大きければ、パワー素子温度が上昇し、冷却水41との温度差が大きくなってしまう。そのため、温度センサ51の異常判定を誤判定することが考えられる。
このように、温度センサ51の異常判定において、誤判定すると思われる状況においては、このステップS11へと進んで温度センサ51の異常判定を実行しない。
ステップS12では、ステップS10でのモータ電流が小さいとの判断に続き、温度センサ51によってパワー素子3aの温度を検出すると共に、水温センサ52によってパワー素子用ウォータジャケット3bを流れる冷却水41の温度を検出し、ステップS13へ進む。
ステップS13では、ステップS12でのパワー素子温度及び冷却水温度の検出に続き、このステップS12にて検出したパワー素子3aの温度と、冷却水41の温度との差(以下、温度差ΔTという)を演算し、ステップS14へ進む。この温度差ΔTは、下記式(4)に基づき求める。
温度差ΔT = パワー素子3aの温度 − 冷却水41の温度 …(4)
ステップS14では、ステップS13での温度差ΔTの演算に続き、このステップS13にて演算した温度差ΔTがステップS4にて設定した第1判定温度差以下であって、この温度差ΔT≦第1判定温度差の状態が予め設定した第1判定時間の間継続したか否かを判断する。YES(温度差ΔT≦第1判定温度差、且つ、判定時間≧第1判定時間)の場合には、ステップS15へ進む。NO(温度差ΔT>第1判定温度差、又は、判定時間<第1判定時間)の場合は、ステップS16へ進む。
なお、「第1判定時間」は、パワー素子3aの温度と冷却水41の温度のノイズの影響を回避できる時間であり、任意の値に設定できる。
ステップS15では、ステップS14での温度差ΔT≦第1判定温度差、且つ、判定時間≧第1判定時間との判断に続き、ステップS13にて演算した温度差ΔTがステップS5にて設定した第2判定温度差以上であって、この温度差ΔT≧第2判定温度差の状態が予め設定した第2判定時間の間継続したか否かを判断する。YES(温度差ΔT≧第2判定温度差、且つ、判定時間≧第2判定時間)の場合には、ステップS17へ進む。NO(温度差ΔT<第2判定温度差、又は、判定時間<第2判定時間)の場合は、ステップS16へ進む。なお、「第2判定時間」は、パワー素子3aの温度と冷却水41の温度のノイズの影響を回避できる時間であり、任意の値に設定できる。
ステップS16では、ステップS14での温度差ΔT>第1判定温度差、又は、判定時間<第1判定時間との判断、又は、ステップS15での温度差ΔT<第2判定温度差、又は、判定時間<第2判定時間との判断に続き、温度差ΔTが大きいとして、温度センサ51に異常が発生していると判定し、エンドへ進む。
ステップS17では、ステップS15での温度差ΔT≧第2判定温度差、且つ、判定時間≧第2判定時間との判断に続き、温度差ΔTが所定範囲(第2判定温度差以上、第1判定温度差以下)内に収まっているとして、温度センサ51に異常が発生していないと判定し、エンドへ進む。
次に、作用を説明する。
まず、「比較例のセンサ異常判定装置における課題」を説明し、続いて、実施例1のセンサ異常判定装置における「異常判定作用」を説明する。
[比較例のセンサ異常判定装置における課題]
電気自動車の走行駆動となるモータコントロールユニットでは、モータに適切な電流を流すことで必要なモータトルクが発生するように制御する。ここで、モータに適切な電流を流すためには、電源とモータの間にパワー素子を有すインバータを配置し、モータに印可する電流が目標値となるようにパワー素子3aをパルス駆動している。
一般に、パワー素子の発熱量はパワー素子の電流に応じて増加する。またパワー素子には発熱限界があり、この発熱限界を超えない適切な温度になるように温度管理する必要がある。このため、温度センサを用いてパワー素子の温度を検出し、検出された温度に応じてパワー素子の電流を制限しなければ、パワー素子の温度が発熱限界を超えて破損するおそれがあった。
ところで温度センサに異常が発生した場合には、異常があることを検知して必要な電流制限をしなければ、やはりパワー素子が破損するおそれがある。ここで、温度センサの異常としては、センサ出力が0Vになる場合や、電源電圧相当になる場合があり、センサ出力がある範囲を超えた場合に異常発生と判断するのが一般的である。しかしながら,センサ出力が中間値で固着したり、センサ出力が所定範囲オフセットしたり、温度に対するセンサ出力のゲインが基準と異なるような異常の場合では、上記の方法では異常を検知することができなかった。
このため、一つのパワー素子に対して複数の温度センサを装備し、それぞれの温度センサからのセンサ出力が異なる場合に異常発生と判定する方法が考えられる。しかしながら、この方法では、一つのパワー素子に対して温度センサを少なくとも2個装備する必要があり、センサ装備スペースやコスト増加の課題が発生してしまう。
[異常判定作用]
図3は、実施例1のセンサ異常判定装置における異常判定領域と正常判定領域を示す概念図である。以下、図3に基づき、実施例1の異常判定作用を説明する。
実施例1において、温度センサ51の異常判定を実行するには、図2にフローチャートで示す温度センサ異常判定処理を実行する。すなわち、図2において、ステップS1→ステップS2→ステップS3へと進み、「高モータ電流判定時間Tth1」、「低モータ電流判定時間Tth2」、「高モータ電流時のパワー素子3aの上昇温度」をそれぞれ設定する。そして、これらの値を設定したら、ステップS4→ステップS5へと進み、「第1判定温度差」、「第2判定温度差」を演算する。
ここで、「第1判定温度差」は、パワー素子温度が冷却水温度よりも高いときに、温度センサ51の異常を判定する際の基準になる値である。
上述のように、パワー素子の発熱量はパワー素子に流れる電流に応じて増加するので、電流が流れるほどパワー素子温度は上昇する。このとき、パワー素子3aは、冷却水41と熱交換することで冷却されるため、パワー素子3aの温度と冷却水41の温度は基本的にほぼ等しい、もしくは冷却水温度の方が高くなる。しかし、パワー素子3aに流れる電流が高い場合では、冷却水41による冷却がパワー素子3aの温度上昇に追いつかず、パワー素子3aの温度の方が冷却水温度よりも高くなることがある。
すなわち、パワー素子温度が冷却水温度よりも高いときの基準である「第1判定温度差」は、パワー素子3aに高い電流が流れていて、パワー素子温度が上昇していると考えられる状況において、温度センサ51の異常判定を行う際の基準になる温度である。
そのため、この「第1判定温度差」は、図3に示すように、検出誤差と判定マージンに加え、高いと判定されるモータ電流値(第1電流判定値Imth1)が流れているときに上昇するであろうパワー素子温度(上昇温度)を加算して求める。
これにより、パワー素子3aの温度上昇が冷却水41による冷却性能を上回り、パワー素子3aの温度が最大発熱温度となっても、第1判定温度差には、この上昇温度が加味されているので、温度センサ51の異常判定を適切に行うことができる。
一方、「第2判定温度差」は、パワー素子温度が冷却水温度よりも低いときに、温度センサ51の異常を判定する際の基準になる値である。
ここで、パワー素子温度が冷却水温度よりも低い場合とは、冷却水41による冷却が十分に行われ、パワー素子3aの温度上昇が抑制されている場合である。そのため、パワー素子温度と冷却水温度とが大きく乖離することはないと考えられる場合となる。
すなわち、パワー素子温度が冷却水温度よりも低いときの基準である「第2判定温度差」は、冷却水41による冷却が十分機能していて、パワー素子温度と冷却水温度とが大きく乖離することはないと考えられる状況において、温度センサ51の異常判定を行う際の基準になる値である。
そのため、この「第2判定温度差」は、図3に示すように、検出誤差と判定マージンのみを加算して求める。
これにより、パワー素子温度と冷却水温度が大きく乖離していなくても、つまり、温度センサ51の出力と水温センサ52の出力とが大きくずれていなくても、温度センサ51の異常を判定することができる。
さらに、第1判定温度差及び第2判定温度差を演算したら、図2に示すフローチャートにおいて、ステップS6へと進み、冷却水41の循環開始から所定の循環必要時間が経過したか否かを判断する。そして、循環必要時間が経過していなければステップS11へと進み、温度センサ51の異常判定を行わない。
そのため、冷却水循環路42内における冷却水41の温度分布が均一になるのを待ってから温度センサ51の異常判定を行うことができ、冷却水41の温度分布に生じたばらつきによって生じる誤判定を防止することができる。
また、循環必要時間が経過し、冷却水41の温度分布が均一になったと判断できれば、ステップS7へと進み、モータユニット1を搭載した車両が停車しているか否かを判断する。そして、走行中(停車中でない)であればステップS11へと進み、温度センサ51の異常の有無を判定しない。
すなわち、車両走行中は、モータ2から走行に必要なモータトルクを出力させるために、モータ電流であるパワー素子3aに流れる電流が大きくなる。そのため、パワー素子温度が上昇し、冷却水温度に対して大きく乖離してしまうことが考えられる。このときには、温度センサ51の異常の有無を判定しないため、誤判定を防止することができる。
一方、車両停車中は、モータ2からモータトルクを出力する必要がないため、モータ電流であるパワー素子3aに流れる電流が小さくなり、パワー素子3aの温度上昇を抑制される。これにより、パワー素子温度が冷却水温度よりも低くなり、パワー素子温度と冷却水温度が大きく乖離していなくても、温度センサ51の異常を判定することができる。また、走行する車両には、必ず停車状態が生じるため、センサ異常の判定頻度機会を十分に確保することができ、異常検知性と判定頻度の両立を図ることができる。
そして、車両停車中であればステップS8→ステップS9へと進み、パワー素子3aに流れている電流が大きいか否かを判断する。そして、パワー素子3aに流れている電流が大きければステップS11へと進み、温度センサ51の異常判定を行わない。
そのため、パワー素子3aに流れる電流が大きくて、パワー素子温度と冷却水温度が大きく乖離しなければ温度センサ51の異常判定をできない場合には、異常判定の実行が控えられ、誤判定の発生を防止することができる。
また、パワー素子3aに流れている電流が大きくなければ、ステップS10へと進み、パワー素子3aに流れている電流が小さいか否かを判断する。そして、パワー素子3aに流れている電流が小さくなければ、すなわちパワー素子3aに流れている電流が、低モータ電流判定時間Tth2の間、継続して第2電流判定値Imth2を下回らなければステップS11へと進み、温度センサ51の異常判定を行わない。
ここで、例えばパワー素子3aに大きな電流が流れてしまうと、パワー素子3aは温度上昇してしまい、パワー素子温度と冷却水温度とが大きく乖離しなければセンサ異常を判定することができない。しかしながら、その後、パワー素子3aに流れている電流が、低モータ電流判定時間Tth2の間、継続して第2電流判定値Imth2を下回れば、パワー素子3aの温度上昇が抑制された状態が一定時間(低モータ電流判定時間Tth2)継続することとなり、パワー素子3aの温度が低下する。つまり、パワー素子温度が冷却水温度よりも低くなり、パワー素子温度と冷却水温度が大きく乖離していなくても、温度センサ51の異常を判定することができる。
一方、モータ電流が小さいと判断されれば、ステップS12→ステップS13→ステップS14へと進んで、温度差ΔTと第1判定温度差とが比較される。そして、温度差ΔTが第1判定温度差を上回れば、ステップS16へと進んで、温度センサ51に異常が発生していると判断する。
このとき、第1判定時間を設定しているので、パワー素子温度と冷却水温度のノイズの影響を回避することができる。
また、温度差ΔTが第1判定温度差以下であり、ステップS14においてYESと判断されれば、ステップS15へと進み、温度差ΔTが第2判定温度差と比較される。そして、温度差ΔTが第2判定温度差を下回れば、ステップS16へと進んで、温度センサ51に異常が発生していると判断する。また、温度差ΔTが第2判定温度差以上であれば、ステップS17へと進み、温度センサ51に異常が発生していないと判断する。
このとき、第2判定時間を設定しているので、パワー素子温度と冷却水温度のノイズの影響を回避することができる。
以上説明したように、この実施例1では、温度センサ51の検出温度が水温センサ52の検出水温よりも低いときの判定温度差(第2判定温度差)を、温度センサ51の検出温度が水温センサ52の検出水温よりも高いときの判定温度差(第1判定温度差)よりも、低い値に設定している。
つまり、パワー素子温度が冷却水温度よりも高いときには、第1判定温度差にパワー素子3aの温度上昇分を加算するが、このパワー素子3aの温度上昇分は、パワー素子温度が冷却水温度よりも低いときの第2判定温度差には含めない。
これは、パワー素子3aの発熱は、パワー素子温度が冷却水温度よりも高い場合のみ考慮すればよいためで、これにより、パワー素子温度よりも冷却水温度が高い場合の判定温度差(第2判定温度差)を比較的小さい値に設定することができ、異常検知性能を向上することができる。
一方、第1判定温度差にはパワー素子3aの温度上昇分を加算したことで、パワー素子3aに流れる電流に起因するパワー素子温度の上昇分が原因で、冷却水温度とパワー素子温度との差が大きくなったとしても、温度センサ51に異常が発生したと誤判定することを防止できる。
なお、図2に示すステップS3で上昇温度を設定する際に、パワー素子3aに流れている電流は、適用するシステムの最大電流未満とすることができる。これは、第1判定温度差に検知誤差や判定マージンを含めているからである。
また、第1判定温度差に含める上昇温度分を、「車両停車時の温度上昇分」とすれば、加算する上昇温度の値が小さくなり、温度センサ出力のずれが小さい異常であっても検出することができて、異常検知性能を向上することができる。一方、第1判定温度差に含める上昇温度分を、「最大電流印加時の温度上昇分」とすると、診断頻度を高めることができる。
このように、上昇温度の値を調整することで、異常検知性能と診断頻度の重みを任意に設定することができる。
また、実施例1のセンサ異常判定処理をハイブリッド車両において実行する場合を考えると、異常判定を可能とするモータ電流(パワー素子3aに流れる電流)は、例えばモータアイドル中の電流とすることが考えられる。ハイブリッド車両では、車両停車状態は必ず存在するため、モータアイドル状態において必ずセンサ異常判定を実行でき、なおかつ、このときの判定温度差(第2判定温度差)が小さい値に設定されるため、異常検知性能を向上することができる。なお、この場合には、パワー素子3aに流れる電流を高いと判定する際の基準である第1電流判定値Imth1を、モータアイドル時にパワー素子3aに流れる電流とすればよい。
次に、効果を説明する。
実施例1のセンサ異常判定装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
(1) パワー素子3aと、前記パワー素子3aを冷却する冷却水41が循環する冷却水回路(冷却水循環路)42と、前記パワー素子3aの温度を検出する温度センサ51と、前記冷却水回路42を循環する冷却水41の温度を検出する水温センサ52と、を備える半導体モジュール(インバータ)3に適用され、
前記温度センサ51の検出温度と前記水温センサ52の検出水温の差(温度差)ΔTが、予め設定した判定温度差よりも大きいときに、前記温度センサ51が異常であると判定する異常判定部5aと、
前記温度センサ51の検出温度が前記水温センサ52の検出水温よりも低いときの判定温度差(第2判定温度差)を、前記温度センサ51の検出温度が前記水温センサ52の検出水温よりも高いときの判定温度差(第1判定温度差)よりも、低い値に設定する判定温度設定部5bと、
を備える構成とした。
これにより、パワー素子3aの温度と、パワー素子3aを冷却する冷却水41の温度とのずれが小さい場合であっても、パワー素子温度を検出する温度センサの異常を判定できる。
(2) 前記半導体モジュール(インバータ)3は、前記パワー素子3aに流れる電流を検出する電流センサ53を備え、
前記異常判定部5aは、前記パワー素子3aに流れる電流が予め設定した第1電流判定値Imth1以上のときには、前記温度センサ51の異常判定を実行しない構成とした。
これにより、上記(1)の効果に加え、パワー素子3aに流れる電流が大きく、パワー素子温度と冷却水温度が大きく乖離しなければ温度センサ51の異常判定をできない場合に、異常判定の実行を控えることで、誤判定の発生を防止することができる。
(3) 前記異常判定部5aは、前記パワー素子3aに流れる電流が予め設定した第2電流判定値Imth2以下の状態を所定時間(低モータ電流判定時間Tth2)継続したら、前記温度センサ51の異常判定を実行する構成とした。
これにより、上記(1)又は(2)の効果に加え、例えパワー素子温度が上昇していても、パワー素子3aの温度が低下するまで待ってセンサ異常判定を行うことができ、パワー素子温度と冷却水温度が大きく乖離していなくても、温度センサ51の異常を判定することができる。
(4) 前記半導体モジュール(インバータ)3は、車両の走行駆動源として前記車両に搭載されるモータ2の制御回路であり、
前記異常判定部5aは、前記車両が停車状態のときに、前記温度センサ51の異常判定を実行する構成とした。
これにより、上記(1)から(3)のいずれかの効果に加え、車両走行中は、モータ2から走行に必要なモータトルクを出力させるためにパワー素子3aに流れる電流が大きくなり、パワー素子温度が上昇し、冷却水温度に対して大きく乖離してしまう。このときには、温度センサ51の異常の有無を判定しないため、誤判定を防止することができる。
(5) 前記異常判定部5aは、前記パワー素子3aを冷却する冷却水41の循環が開始してから所定時間(循環必要時間)が経過したときに、前記温度センサ51の異常判定を実行する構成とした。
これにより、上記(1)から(4)のいずれかの効果に加え、冷却水循環路42内における冷却水41の温度分布が均一になるのを待ってから温度センサ51の異常判定を行うことができ、冷却水41の温度分布に生じたばらつきによって生じる誤判定を防止することができる。
以上、本発明のセンサ異常判定装置を実施例1に基づき説明してきたが、具体的な構成については、この実施例に限られるものではなく、請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
実施例1では、水温センサ52は、パワー素子3aが有するパワー素子用ウォータジャケット3bを流れる冷却水41の温度を検出する例を示したが、これに限らない。水温センサ52は、冷却システム4において、パワー素子3aを冷却する冷却水41の温度を検出すればよいので、例えば、放熱器44に流れ込む直前の冷却水温度や、ウォータポンプ43から吐出された直後の冷却水温度を検出するものであってもよい。
ここで、水温センサ52を設けた位置とパワー素子3aの温度センサ51との間の冷却水循環路42が長かったり、冷却水流量が少なかったりする場合には、パワー素子3aに接した冷却水41が水温センサ52に接するまでの時間、又は、水温センサ52に接した冷却水41がパワー素子3aに接するまでの時間が長くなってしまう。このとき、冷却水41の温度が冷却水循環路42内で均一であれば問題ないが、冷却水41の温度分布にばらつき(むら)がある場合には、その温度分布のばらつきが、温度センサ51と水温センサ52の検出温度差に加算されてしまう。このため、温度センサ51に異常がないにも拘らず異常が発生していると誤判定することがあった。そのようなときには、冷却水41の各センサへの到着時間を加味して、双方のセンサの温度差ΔTを演算することで、誤判定を回避することができる。
具体的には、図2に示すフローチャートのステップS13において温度差ΔTを演算する際に、温度センサ51と水温センサ52の間の冷却水容量と冷却水流量から、センサ間を冷却水41が移動する時間を求める。そして、この時間分の過去の温度情報を記憶しておき、過去の温度との温度差を求めてもよい。
すなわち、冷却水循環路42の内部をパワー素子3a→水温センサ52の順に冷却水41が移動する時間がn秒であれば、ΔT=n秒前のパワー素子温度 − 現在の冷却水温度、となる。
また、実施例1では、車両停車中に限って温度センサ51の異常判定を行っているが、診断機会を増大するために、定常走行中にパワー素子3aに流れる電流から、このパワー素子3aの上昇温度を求めてもよい。この場合、異常判定の基準となる判定温度差は大きくなるが、診断機会を増大することができる。この場合では、パワー素子3aに流れる電流が大きいと判断する際の基準となる第1電流判定値Imth1を、定常走行中にパワー素子3aに流れる電流とすればよい。
さらに、モータアイドル時の異常判定と、定常走行時の異常判定との両方の異常判定制御を実装してもよい。この場合、異常判定の基準となる判定温度差が比較的小さくなるモータアイドル時では、小さな異常(センサ出力のずれが小さい異常)を検知できる。一方、出現頻度の高い定常走行時でも異常判定が実行可能となることで、異常判定頻度の増大を図ることができる。この結果、異常検知性能と診断頻度の増大の両立を図ることができる。
なお、この場合では、それぞれの第1電流判定値Imth1に対応した第2電流判定値Imth2を設定することもできる。さらに、パワー素子電流とパワー素子上昇温度との関係を、例えばマップ化することで、パワー素子3aに流れる電流に応じてパワー素子3aの上昇温度を適宜求めてもよい。
関連出願の相互参照
本出願は、2013年8月28日に日本国特許庁に出願された特願2013−176708に基づいて優先権を主張し、その全ての開示は完全に本明細書で参照により組み込まれる。

Claims (5)

  1. パワー素子と、前記パワー素子を冷却する冷却水が循環する冷却水回路と、前記パワー素子の温度を検出する温度センサと、前記冷却水回路を循環する冷却水の温度を検出する水温センサと、を備える半導体モジュールに適用され、
    前記温度センサの検出温度と前記水温センサの検出水温の差が、予め設定した判定温度差よりも大きいときに、前記温度センサが異常であると判定する異常判定部と、
    前記温度センサの検出温度が前記水温センサの検出水温よりも低いときの判定温度差を、前記温度センサの検出温度が前記水温センサの検出水温よりも高いときの判定温度差よりも、低い値に設定する判定温度設定部と、
    を備えることを特徴とするセンサ異常判定装置。
  2. 請求項1に記載されたセンサ異常判定装置において、
    前記半導体モジュールは、前記パワー素子に流れる電流を検出する電流センサを備え、
    前記異常判定部は、前記パワー素子に流れる電流が予め設定した第1電流判定値以上のときには、前記温度センサの異常判定を実行しない
    ことを特徴とするセンサ異常判定装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載されたセンサ異常判定装置において、
    前記異常判定部は、前記パワー素子に流れる電流が予め設定した第2電流判定値以下の状態を所定時間継続したら、前記温度センサの異常判定を実行する
    ことを特徴とするセンサ異常判定装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載されたセンサ異常判定装置において、
    前記半導体モジュールは、車両の走行駆動源として前記車両に搭載されるモータの制御回路であり、
    前記異常判定部は、前記車両が停車状態のときに、前記温度センサの異常判定を実行する
    ことを特徴とするセンサ異常判定装置。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載されたセンサ異常判定装置において、
    前記異常判定部は、前記パワー素子を冷却する冷却水の循環が開始してから所定時間が経過したときに、前記温度センサの異常判定を実行する
    ことを特徴とするセンサ異常判定装置。
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