JP5364808B2 - リソグラフィ装置及びデバイス製造方法 - Google Patents

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Description

[0001] 本発明は、リソグラフィ装置及びデバイス製造方法に関し、特に、露光のためにデバイスを位置決めする方法及び装置に関する。
[0002] リソグラフィ装置は、所望のパターンを基板に、通常は基板のターゲット部分に適用する機械である。リソグラフィ装置は例えば、集積回路(IC)の製造に使用可能である。このような場合、代替的にマスク又はレチクルとも呼ばれるパターニングデバイスを使用して、ICの個々の層上に形成すべき回路パターンを生成することができる。このパターンを、基板(例えばシリコンウェーハ)上のターゲット部分(例えば1つ又は幾つかのダイの一部を含む)に転写することができる。パターンの転写は通常、基板に設けた放射感応性材料(レジスト)の層への結像により行われる。一般的に、1枚の基板は、順次パターンが与えられる隣接したターゲット部分のネットワークを含んでいる。従来のリソグラフィ装置は、パターン全体をターゲット部分に1回で露光することによって各ターゲット部分が照射される、いわゆるステッパと、基板を所与の方向(「スキャン」方向)と平行あるいは逆平行に同期的にスキャンしながら、パターンを所与の方向(「スキャン」方向)に放射ビームでスキャンすることにより、各ターゲット部分が照射される、いわゆるスキャナとを含む。パターンを基板にインプリントすることによっても、パターニングデバイスから基板へとパターンを転写することが可能である。
[0003] 投影システムの最終要素と基板の間の空間を充填するように、リソグラフィ投影装置内の基板を水などの比較的高い屈折率を有する液体に液浸することが提案されている。ある実施形態では、液体は例えば蒸留水でよいが、別の液体を使用することもできる。本発明の実施形態は、液体について説明されている。しかし別の流体、特に湿潤流体、非圧縮性流体及び/又は屈折率が空気より高い、望ましくは屈折率が水より高い流体が適切なこともある。気体を除く流体が特に望ましい。そのポイントは、露光放射は液体中の方が波長が短いので、結像するフィーチャの小型化を可能にすることである。(液体の効果は、システムの有効開口数(NA)を大きくでき、焦点深さも大きくすることと見なすこともできる。)固体粒子(例えば石英)が懸濁している水、又はナノ粒子の懸濁(例えば最大10nmの最大寸法の粒子)がある液体などの、他の液浸液も提案されている。懸濁粒子は、これが懸濁している液体と同様の屈折率又は同じ屈折率を有しても、有していなくてもよい。適切になり得る他の液体は、例えば芳香族などの炭化水素、フルオロハイドロカーボン、及び/又は水溶液である。
[0004] 基板又は基板及び基板テーブルを液体の浴槽に浸すこと(例えば米国特許US4,509,852号参照)は、スキャン露光中に加速すべき大きい塊の液体があることでもある。これには、追加のモータ又はさらに強力なモータが必要であり、液体中の乱流が望ましくない予測不能な効果を引き起こすことがある。
[0005] 液浸装置では、液浸流体が流体ハンドリングシステム、構造又は装置によってハンドリングされる。ある実施形態では、流体ハンドリングシステムは液浸流体を供給でき、したがって、流体供給システムであってもよい。ある実施形態では、流体ハンドリングシステムは、液浸流体を少なくとも部分的に閉じ込めることができ、したがって、流体閉じ込めシステムであってもよい。ある実施形態では、流体ハンドリングシステムは液浸流体へのバリアを形成でき、したがって、流体閉じ込め構造のようなバリア部材であってもよい。ある実施形態では、流体ハンドリングシステムは、例えば液浸流体のフロー及び/又は位置を制御する際に助けになるように、ガスのフローを生成又は使用することができる。ガスのフローは、液浸流体を閉じ込める封止を形成でき、したがって、流体ハンドリング構造を封止部材と呼んでもよい。このような封止部材は、流体閉じ込め構造であってもよい。ある実施形態では、液浸液が液浸流体として使用される。その場合、流体ハンドリングシステムは、液体ハンドリングシステムであってもよい。上記の説明に関し、本節で流体に関連して定義されたフィーチャは、液体に関連して定義されたフィーチャを含むものと理解してよい。
[0006] 提案されている構成の1つは、液体供給システムが液体閉じ込めシステムを使用して、基板の局所領域に、及び投影システムの最終要素と基板の間にのみ液体を提供する(基板は通常、投影システムの最終要素より大きい表面積を有する)。これを配置構成するために提案されている1つの方法が、PCT特許出願公開WO99/49504号に開示されている。図2及び図3に図示されているように、液体が少なくとも1つの入口INによって基板上に、好ましくは最終要素に対する基板の動作方向に沿って供給され、投影システムの下を通過した後に少なくとも1つの出口OUTによって除去される。つまり、基板が−X方向にて要素の下でスキャンされると、液体が要素の+X側にて供給され、−X側にて取り上げられる。図2は、液体が入口INを介して供給され、低圧源に接続された出口OUTによって要素の他方側で取り上げられる構成を概略的に示したものである。図2の図では、液体が最終要素に対する基板の動作方向に沿って供給されるが、こうである必要はない。最終要素の周囲に配置された入口及び出口の様々な方向及び数が可能である。一例が図3に図示され、ここでは各側に4組の入口と出口が、最終要素の周囲の規則的パターンで設けられる。
[0007] 局所液体供給システムがある液浸リソグラフィのさらなる解決法が、図4に図示されている。液体が、投影システムPLのいずれかの側にある2つの溝入口INによって供給され、入口INの半径方向外側に配置された複数の別個の出口OUTによって除去される。入口IN及びOUTは、投影される投影ビームが通る穴が中心にある板に配置することができる。液体は、投影システムPLの一方側にある1つの溝入口INによって供給され、投影システムPLの他方側にある複数の別個の出口OUTによって除去されて、投影システムPLと基板Wの間に液体の薄膜の流れを引き起こす。どの組み合わせの入口INと出口OUTを使用するかの選択は、基板Wの動作方向によって決定することができる(他の組み合わせの入口IN及び出口OUTは動作しない)。
[0008] 提案されている別の構成は、図5に示すように、投影システムの最終要素と基板テーブルとの間の空間の境界の少なくとも一部に沿って延在するバリア部材を備えた流体供給システム12を提供することである。バリア部材は、投影システムに対してXY平面で実質的に静止しているが、Z方向(光軸方向)には相対的に多少動くことができる。バリア部材と基板表面との間に封止が形成される。ある実施形態では、封止は、ガスシール16などの非接触封止である。ガスシールを備えたこのようなシステムが米国特許出願公開US2004/0207824号、欧州特許出願公開EP1429188号及び米国特許出願公開US2004/0211920号に開示されている。
[0009] 欧州特許出願公開EP1420300号及び米国特許出願公開US2004/0136494号では、ツイン又はデュアルステージ液浸リソグラフィ装置の概念が開示されている。このような装置は、基板を支持する2つのテーブル又はステージを備える。第1の位置にあるテーブルで、液浸液がない状態でレベリング測定を実行し、液浸液が存在する第2の位置にあるテーブルで、露光を実行する。あるいは、装置は露光位置と測定位置との間で移動可能な1つのテーブルのみを有する。
[0010] PCT特許出願公開WO2005/064405号は、液浸液が閉じ込められない「オールウェット」構成を開示している。このようなシステムでは、基板の上面全体が液体で覆われる。これは、基板の上面全体が実質的に同じ状態に曝露しているので有利なことがある。これは、基板の温度制御及び処理にとって利点を有する。WO2005/064405号では、液体供給システムが、投影システムの最終要素と基板の間のギャップに液体を供給する。その液体は、基板の残りの部分の上に漏れることができる。基板テーブルの縁部にあるバリアは、液体が逃げるのを防止し、したがって制御された方法で基板テーブルの上面からこれを除去することができる。このようなシステムは、基板の温度制御及び処理を改良するが、それでも液浸液の蒸発が生じることがある。その問題の軽減に役立つ1つの方法が、米国特許出願公開US2006/0119809号に記載されている。すべての位置で基板を覆い、液浸液を自身と基板及び/又は基板を保持する基板テーブルの上面との間に延在させるように配置された部材が提供される。
[0011] 液浸リソグラフィ分野の1つの問題は、液浸液内の泡の発生である。パターン付ビームの経路が泡を含む液浸液の領域又は容積を通過すると、基板上に投影されるパターン画像の品質に有害な影響を及ぼすことがある。例えば、結像されたパターンは、その結果生じる欠陥を含むことがある。液浸液、特に液浸空間内の泡の存在は回避しなければならない。
[0012] 液体閉じ込め構造に対向する表面に形成された凹部があってもよい。例えば、凹部は、基板テーブル内又は基板と基板テーブルとの間、あるいは基板テーブルと基板テーブル内又はそれに隣接して配置されるセンサ、交換ブリッジ、閉鎖ディスク又は測定ステージとの間にあってもよい。凹部は、排水溝として機能する溝であってもよい。凹部は、液体閉じ込め構造に対向する表面から余分な液浸液を除去するように構成されてもよい。凹部は、基板テーブルが液体閉じ込め構造又は放射システムに対して移動する時にガスを閉じ込めることができる。凹部は、液浸空間から液体を逃す(凹部内に)ことができ、その結果、液浸空間内の液面は全体に低下する。液浸液面の低下は、液浸空間内に泡が含まれる原因になり得る。凹部領域内の流体の振る舞いによって泡及び/又は液滴が形成されることがある。液滴によって液浸空間内に泡が形成されることがある。液滴は、それが付着する表面、例えば、基板又は基板テーブルの表面に熱負荷を加えることがある。したがって、泡又は液滴によって、例えばリソグラフィ結像性能が低下することがある。
[0013] 例えば、ビームが通過する液浸液内に泡が形成されるリスクを低減することが望ましい。オブジェクトのねじれなどの変形のリスクが十分な圧力をオブジェクトの縁部に掛けずにオブジェクトを取り囲むギャップへの/からの液浸液(例えば、水)又はガス(例えば、空気)の移動を低減することが望ましい。
[0014] したがって、液浸リソグラフィ装置内の基板と基板テーブルとの間のギャップを低減する方法であって、
基板の物理特性を測定すること、
基板の縁部と液浸リソグラフィ装置内の基板を支持する基板テーブルの表面の縁部との間に画定されたギャップを、測定された基板の物理特性に基づいて低減すること、
を含む方法が提供される。
[0015] 液浸リソグラフィ装置内の基板と基板テーブルとの間のギャップを低減する方法であって、
基板の縁部と液浸リソグラフィ装置内の基板を支持する基板テーブルの表面の縁部との間に画定されたギャップを測定すること、
測定に基づいてギャップを低減すること、
を含む方法が提供される。
[0016] プリアライナ上に基板をロードすること、
基板の物理特性をプリアライナで測定すること、
プリアライナからの基板を基板テーブル上にロードすること、
測定された物理特性に基づいて基板の縁部と基板テーブルの表面の縁部との間のギャップを低減すること、
基板をパターン付放射で露光すること、
を含むデバイス製造方法が提供される。
[0017] 本発明の一態様によれば、
基板を基板テーブルの表面の縁部によって画定された空間内にロードするステップであって、ギャップが基板テーブルの表面の縁部と基板の縁部との間に画定されたこと、
基板テーブル内の基板の物理特性とギャップのサイズを測定すること、
測定された基板の物理特性と測定されたギャップのサイズとに基づいてギャップ低減機構を用いて基板の縁部と基板テーブルの表面の縁部との間のギャップを低減すること、
基板をパターン付放射で露光すること、
を含むデバイス製造方法が提供される。
[0018] 基板の物理特性を測定する測定機構を含むプリアライナと、
基板テーブルの表面の縁部によって画定された空間内に基板を支持する基板テーブルと、
測定された基板の物理特性に関する情報に基づいて基板の縁部と基板テーブルの表面の縁部との間に画定されたギャップを低減するギャップ低減機構と、
を備えるリソグラフィ投影装置が提供される。
[0019] 基板テーブルの表面の縁部と基板の縁部との間にギャップを画定するために基板テーブルの表面の縁部によって画定された空間内に基板を支持する基板テーブルと、
基板の物理特性とギャップのサイズを測定する測定機構と、
測定機構による測定に基づいて基板の縁部と基板テーブルの縁部との間のギャップを低減するギャップ低減機構と、
を備えるリソグラフィ投影装置が提供される。
[0020] 上記のリソグラフィ投影装置を備えるリソグラフィツールが提供される。
[0021] 液浸リソグラフィ又はメトロロジー装置内の平面基板の縁部の三次元プロファイリング方法であって、基板平面内及び基板平面に垂直の方向の基板の物理特性を測定することを含む方法がさらに提供される。
[0022] メトロロジーツール用の装置又はリソグラフィ投影装置であって、縁部の三次元プロファイルを決定するために平面基板の縁部の物理特性を測定する測定機構を含むプリアライナを備える装置が提供される。
[0023] メトロロジーツール用の装置又はリソグラフィ投影装置であって、
基板テーブルの表面の縁部と基板の縁部との間にギャップを画定するために基板テーブルの表面の縁部によって画定された空間内に基板を支持する基板テーブルと、
基板の物理特性とギャップのサイズを測定する測定機構であって、縁部の三次元プロファイルを決定するために基板の縁部の物理特性を測定する測定機構とを含む装置がさらに提供される。
[0024] 添付の概略図を参照しながら、本発明の実施形態を以下に説明するが、これは単なる例示としてのものにすぎない。図面において、対応する参照符号はその対応する部材を示す。
[0025]本発明の実施形態によるリソグラフィ装置を示した図である。 [0026]リソグラフィ投影装置で使用される液体供給システムを示す図である。 [0026]リソグラフィ投影装置で使用される液体供給システムを示す図である。 [0027]リソグラフィ投影装置で使用される別の液体供給システムを示す図である。 [0028]リソグラフィ投影装置で使用される別の液体供給システムを示す図である。 [0029]本発明のある実施形態による流体ハンドリングシステムの略断面図である。 [0030]本発明のある実施形態による基板テーブルの平面図である。 [0031]本発明のある実施形態による液浸システムを示す図である。 [0032]あるタイプの泡形成工程の側面概略図である。 [0033]基板と基板テーブルとの間のギャップ内のリングの例を示す図である。 [0033]基板と基板テーブルとの間のギャップ内のリングの例を示す図である。 [0034]本発明のある実施形態による方法の流れ図である。 [0035]本発明のある実施形態による方法の流れ図である。 [0036]本発明のある実施形態によるリングの閉鎖構成の実施形態を示す図である。 [0036]本発明のある実施形態によるリングの閉鎖構成の実施形態を示す図である。 [0036]本発明のある実施形態によるリングの閉鎖構成の実施形態を示す図である。 [0037]本発明のある実施形態によるリングの実施形態を示す図である。 [0037]本発明のある実施形態によるリングの実施形態を示す図である。 [0037]本発明のある実施形態によるリングの実施形態を示す図である。 [0037]本発明のある実施形態によるリングの実施形態を示す図である。
[0038] 図1は、本発明の一実施形態によるリソグラフィ装置を概略的に示したものである。この装置は、
[0039] − 放射ビームB(例えばUV放射又はDUV放射)を調節するように構成された照明システム(イルミネータ)ILと、
[0040] − パターニングデバイス(例えばマスク)MAを支持するように構成され、特定のパラメータに従ってパターニングデバイスを正確に位置決めするように構成された第1のポジショナPMに接続された支持構造(例えばマスクテーブル)MTと、
[0041] − 基板(例えばレジストコートウェーハ)Wを保持するように構成され、特定のパラメータに従って基板を正確に位置決めするように構成された第2のポジショナPWに接続された基板テーブル(例えばウェーハテーブル又は基板テーブル)WTと、
[0042] − パターニングデバイスMAによって放射ビームBに与えられたパターンを基板Wのターゲット部分C(例えば1つ又は複数のダイを含む)に投影するように構成された投影システム(例えば屈折投影レンズシステム)PSとを含む。
[0043] 照明システムは、放射の誘導、整形、又は制御を行うための、屈折、反射、磁気、電磁気、静電気型等の光学コンポーネント、又はその任意の組み合わせなどの種々のタイプの光学コンポーネントを含んでいてもよい。
[0044] 支持構造MTはパターニングデバイスを保持する。支持構造MTは、パターニングデバイスの方向、リソグラフィ装置の設計等の条件、例えばパターニングデバイスが真空環境で保持されているか否かに応じた方法でパターニングデバイスを保持する。この支持構造MTは、パターニングデバイスを保持するために、機械的、真空、静電気等のクランプ技術を使用することができる。支持構造MTは、例えばフレーム又はテーブルでよく、必要に応じて固定式又は可動式でよい。支持構造MTは、パターニングデバイスが例えば投影システムなどに対して確実に所望の位置にくるようにできる。本明細書において「レチクル」又は「マスク」という用語を使用した場合、その用語は、より一般的な用語である「パターニングデバイス」と同義と見なすことができる。
[0045] 本明細書において使用する「パターニングデバイス」という用語は、基板のターゲット部分にパターンを生成するように、放射ビームの断面にパターンを与えるために使用し得る任意のデバイスを指すものとして広義に解釈されるべきである。ここで、放射ビームに与えられるパターンは、例えばパターンが位相シフトフィーチャ又はいわゆるアシストフィーチャを含む場合、基板のターゲット部分における所望のパターンに正確には対応しないことがある点に留意されたい。一般的に、放射ビームに与えられるパターンは、集積回路などのターゲット部分に生成されるデバイスの特定の機能層に相当する。
[0046] パターニングデバイスは透過性又は反射性でよい。パターニングデバイスの例には、マスク、プログラマブルミラーアレイ、及びプログラマブルLCDパネルがある。マスクはリソグラフィにおいて周知のものであり、これには、バイナリマスク、レベンソン型(alternating)位相シフトマスク、ハーフトーン型(attenuated)位相シフトマスクのようなマスクタイプ、さらには様々なハイブリッドマスクタイプも含まれる。プログラマブルミラーアレイの一例として、小さなミラーのマトリクス配列を使用し、そのミラーは各々、入射する放射ビームを異なる方向に反射するよう個々に傾斜することができる。傾斜したミラーは、ミラーマトリクスによって反射する放射ビームにパターンを与える。
[0047] 本明細書において使用する「投影システム」という用語は、例えば使用する露光放射、又は液浸液の使用や真空の使用などの他の要因に合わせて適宜、例えば屈折光学システム、反射光学システム、反射屈折光学システム、磁気光学システム、電磁気光学システム及び静電気光学システム、又はその任意の組合せを含む任意のタイプの投影システムを網羅するものとして広義に解釈されるべきである。本明細書において「投影レンズ」という用語を使用した場合、これはさらに一般的な「投影システム」という用語と同義と見なすことができる。
[0048] 本明細書で示すように、本装置は透過タイプである(例えば透過マスクを使用する)。あるいは、装置は反射タイプでもよい(例えば上記で言及したようなタイプのプログラマブルミラーアレイを使用する、又は反射マスクを使用する)。
[0049] リソグラフィ装置は2つ(デュアルステージ)又はそれ以上の基板テーブル(及び/又は2つ以上のパターニングデバイステーブル)を有するタイプでよい。このような「マルチステージ」機械においては、追加のテーブルを並行して使用するか、1つ又は複数の他のテーブルを露光に使用している間に1つ又は複数のテーブルで予備工程を実行することができる。
[0050] 図1を参照すると、イルミネータILは放射源SOから放射ビームを受ける。放射源とリソグラフィ装置とは、例えば放射源がエキシマレーザである場合に、別々の構成要素であってもよい。このような場合、放射源はリソグラフィ装置の一部を形成すると見なされず、放射ビームは、例えば適切な誘導ミラー及び/又はビームエクスパンダなどを備えるビームデリバリシステムBDの助けにより、放射源SOからイルミネータILへと渡される。他の事例では、例えば放射源が水銀ランプの場合は、放射源がリソグラフィ装置の一体部分であってもよい。放射源SO及びイルミネータILは、必要に応じてビームデリバリシステムBDとともに放射システムと呼ぶことができる。
[0051] イルミネータILは、放射ビームの角度強度分布を調節するアジャスタADを備えていてもよい。通常、少なくともイルミネータの瞳面における強度分布の外側及び/又は内側半径範囲(一般にそれぞれ、σ-outer及びσ-innerと呼ばれる)を調節することができる。また、イルミネータILは、インテグレータIN及びコンデンサCOなどの他の種々のコンポーネントを備えていてもよい。また、イルミネータを用いて放射ビームを調整し、その断面にわたって所望の均一性と強度分布とが得られるようにしてもよい。放射源SOと同様に、イルミネータILは、リソグラフィ装置の一部を形成すると考えられる場合もあるし、考えられない場合もある。例えば、イルミネータILは、リソグラフィ装置の一体化部分であってもよく、リソグラフィ装置からは別の構成要素であってもよい。後者の場合、リソグラフィ装置は、イルミネータILをそれに搭載できるように構成することができる。オプションとして、イルミネータILは、着脱可能で、別に提供することができる(例えば、リソグラフィ装置の製造業者又は別の供給業者によって)。
[0052] 放射ビームBは、支持構造(例えばマスクテーブル)MT上に保持されたパターニングデバイス(例えばマスク)MAに入射し、パターニングデバイスによってパターンが与えられる。放射ビームBはパターニングデバイスMAを通り抜けて、投影システムPSを通過し、これは、基板Wのターゲット部分C上にビームを集束する。第2のポジショナPW及び位置センサIF(例えば干渉計デバイス、リニアエンコーダ又は容量センサ)の助けにより、基板テーブルWTを、例えば放射ビームBの経路において様々なターゲット部分Cに位置決めするように正確に移動できる。同様に、第1のポジショナPM及び別の位置センサ(図1には明示されていない)を使用して、例えばマスクライブラリから機械的に検索した後に、又はスキャン中に、放射ビームBの経路に対してパターニングデバイスMAを正確に位置決めすることができる。一般的に、支持構造MTの移動は、第1のポジショナPMの部分を形成するロングストロークモジュール(粗動位置決め)及びショートストロークモジュール(微動位置決め)の助けにより実現できる。同様に、基板テーブルWTの移動は、第2のポジショナPWの部分を形成するロングストロークモジュール及びショートストロークモジュールを用いて実現できる。ステッパの場合(スキャナとは対照的に)、支持構造MTをショートストロークアクチュエータのみに接続するか、又は固定してもよい。パターニングデバイスMA及び基板Wは、パターニングデバイスアラインメントマークM1、M2及び基板アラインメントマークP1、P2を使用して位置合わせすることができる。図示のような基板アラインメントマークは、専用のターゲット部分を占有するが、ターゲット部分の間の空間に配置してもよい(スクライブレーンアラインメントマークとして知られる)。同様に、パターニングデバイスMA上に複数のダイを設ける状況では、パターニングデバイスアラインメントマークをダイ間に配置してもよい。
[0053] 図示のリソグラフィ装置は以下のモードのうち少なくとも1つにて使用可能である。
[0054] 1.ステップモードにおいては、支持構造MT及び基板テーブルWTは、基本的に静止状態に維持される一方、放射ビームに与えられたパターン全体が1回でターゲット部分Cに投影される(すなわち単一静的露光)。次に、別のターゲット部分Cを露光できるように、基板テーブルWTがX方向及び/又はY方向に移動される。ステップモードでは、露光フィールドの最大サイズによって、単一静的露光で像が形成されるターゲット部分Cのサイズが制限される。
[0055] 2.スキャンモードにおいては、支持構造MT及び基板テーブルWTは同期的にスキャンされる一方、放射ビームに与えられたパターンがターゲット部分Cに投影される(すなわち単一動的露光)。支持構造MTに対する基板テーブルWTの速度及び方向は、投影システムPSの拡大(縮小)及び像反転特性によって求めることができる。スキャンモードでは、露光フィールドの最大サイズによって、単一動的露光におけるターゲット部分の(非スキャン方向における)幅が制限され、スキャン動作の長さによってターゲット部分の(スキャン方向における)高さが決まる。
[0056] 3.別のモードでは、支持構造MTはプログラマブルパターニングデバイスを保持して基本的に静止状態に維持され、基板テーブルWTを移動又はスキャンさせながら、放射ビームに与えられたパターンをターゲット部分Cに投影する。このモードでは、一般にパルス状放射源を使用して、基板テーブルWTを移動させる毎に、又はスキャン中に連続する放射パルスの間で、プログラマブルパターニングデバイスを必要に応じて更新する。この動作モードは、以上で言及したようなタイプのプログラマブルミラーアレイなどのプログラマブルパターニングデバイスを使用するマスクレスリソグラフィに容易に利用できる。
[0057] 上述した使用モードの組合せ及び/又は変形、又は全く異なる使用モードも利用できる。
[0058] 投影システムPSの最終要素と基板との間に液体を提供する構成は、少なくとも2つの一般的なカテゴリーに分類される。これらは、1)基板Wの実質的に全部と任意選択として基板テーブルWTの一部が液体内に、例えば、浴槽内又は液体膜の下に浸漬される浴槽タイプ(又は浸漬)構成と、2)液体が基板の局所領域にのみ提供される液体供給システムを使用するいわゆる局所液浸システムである。後者のカテゴリーでは、液体によって充填される空間は平面視で基板の上面より小さい。基板を覆う空間内の液体の量は、基板がその空間の下を移動する間、投影システムに対して実質的に静止している。
[0059] 本発明のある実施形態が指向している別の構成は、液体が閉じ込められないオールウェット解決策である。この構成では、実質的に基板上面全体及び基板テーブルの全部又は一部が液浸液に覆われる。少なくとも基板を覆う液体の深さは浅い。液体は、基板上の液体の薄膜などの膜であってもよい。図2〜図5の液体供給デバイスのいずれもこのようなシステムで使用することができる。しかし、液体供給デバイス内には封止フィーチャが存在しないか、活性化されていないか、通常のものより効率が落ちるか、その他の点で液体を局所領域にのみ封止する効果がない。図2〜図5には、4つの異なるタイプの局所液体供給システムが示されている。図2〜図4に開示された液体供給システムについては上記の通りである。
[0060] 図5は、投影システムの最終要素と基板テーブルWT又は基板Wとの間の空間の境界の少なくとも一部に沿って延在するバリア部材又は流体閉じ込め構造12を備えた局所液体供給システム又は流体ハンドリング構造を概略的に示す。(なお、以下の説明で、基板Wの表面という表現は、明示的に断りのない限り、追加的に又は代替的に、基板テーブルの表面も指すことに留意されたい。)流体閉じ込め構造12は、投影システムに対してXY平面で実質的に静止しているが、Z方向(光軸方向)には相対的に多少動くことができる。ある実施形態では、液体閉じ込め構造と基板Wの表面との間には封止が形成され、封止はガスシール又は流体封止などの非接触封止でよい。
[0061] 流体閉じ込め構造12は、投影システムPSの最終要素と基板Wとの間の空間11内に少なくとも部分的に液体を封じ込める。液体が基板Wの表面と投影システムPSの最終要素との間の空間内に閉じ込められるように、基板Wへの非接触封止16を投影システムの画像フィールドの周囲に形成できる。空間は、投影システムPSの最終要素の下に位置しそれを取り囲む流体閉じ込め構造12によって少なくとも部分的に形成される。液体は、投影システムの下の空間、さらに液体入口13によって流体閉じ込め構造12内に流し込まれる。液体は、液体出口13によって除去できる。流体閉じ込め構造12は、投影システムの最終要素から上に少し突き出すことができる。液体のバッファが提供されるように、液面は最終要素より上に上昇する。ある実施形態では、流体閉じ込め構造12は、上端で投影システム又はその最終要素の形状にぴったりと一致する例えば円形の内周を有する。底部で、内周は、画像フィールドの形状、例えば矩形にぴったりと一致するが、これはそうでなくてもよい。
[0062] 液体は、使用時に流体閉じ込め構造12の底と基板Wの表面との間に形成されるガスシール16によって空間11内に封じ込められる。ガスシールは、ガス、例えば、空気又は合成空気によって形成されるが、ある実施形態では、N又はその他の不活性ガスによって形成される。ガスシール内のガスは、入口15を介して流体閉じ込め構造12と基板Wとの間のギャップに加圧下で提供される。ガスは、出口14を介して取り出される。液体を内側に閉じ込める高速のガスのフロー16が存在するように、ガス入口15上の過圧、出口14上の真空レベル及びギャップの幾何構造が配置されている。流体閉じ込め構造12と基板Wとの間の液体上のガスの力で、液体は空間11内に封じ込められる。入口/出口は、空間11を取り囲む環状の溝であってもよい。環状の溝は、連続的又は不連続的である。ガスのフロー16は、液体を空間11内に封じ込める効果がある。このようなシステムが米国特許出願公開US2004−0207824号に開示されている。
[0063] 本発明のある実施形態は、液浸装置で使用される任意のタイプの流体ハンドリングシステムに適用することができる。図5の例は、液体が任意の一時点で基板Wの上面の局所領域にのみ提供されるいわゆる局所領域構成である。例えば、米国特許出願公開US2006−0038968号に開示された単相抽出器(2相モードで動作するか否かを問わず)を使用する流体ハンドリングシステムを含むその他の構成も可能である。ある実施形態では、単相抽出器は、単一液相の液体抽出を可能にするためにガスから液体を分離するための多孔質の材料で覆われた入口を含んでもよい。多孔質の材料の下流側にあるチャンバは、わずかに圧力がかかった状態に保たれ、液体で満たされている。チャンバ内の加圧は、多孔質の材料の穴に形成されたメニスカスによって周囲ガスがチャンバ内に引き込まれない程度の大きさである。しかし、多孔質の表面が液体に接触すると、フローを制限するメニスカスは存在せず、液体はチャンバ内に自由に流入できる。多孔質の材料は、例えば5〜50μmの範囲の直径の多数の小さい孔を有する。ある実施形態では、多孔質の材料は、少なくともわずかに親液性(例えば、親水性)であり、すなわち、水などの液浸液に対して90°未満の接触角を有する。ある実施形態では、液体ハンドリングシステムは多孔質の材料で覆われた出口などの開口を有してもよい。
[0064] 可能な別の構成は、2相流体を取り出して動作する、気体抵抗原理とも呼ばれる構成である。いわゆる気体抵抗原理は、例えば、2008年5月8日出願の米国特許出願公開US2008−0212046号及び米国特許出願公開US61/071,621号に記載されている。そのシステムでは、抽出孔が望ましくは角を有する形状に配置されている。角はステップ及びスキャン方向に位置合わせされてもよい。これによって、2つの出口がスキャン方向に垂直に位置合わせされていた場合と比較して、ステップ又はスキャン方向の所与の速度について流体ハンドリング構造の表面の2つの開口の間のメニスカスにかかる力が低減する。
[0065] 本発明のある実施形態は、オールウェット液浸装置で使用される流体ハンドリング構造に適用することができる。オールウェット実施形態では、例えば、投影システムの最終要素と基板との間に液体を閉じ込める閉じ込め構造から液体が漏出できるようにすることで、流体は、基板テーブルの上面の実質的に全部を覆うことができる。オールウェット実施形態の流体ハンドリング構造の一例は、2008年9月2日出願の米国特許出願US61/136,380号に記載されている。
[0066] 図6は、流体ハンドリングシステム12の概略断面図を示す。流体ハンドリングシステム12は、液浸液を投影システムPSと基板Wとの間の液浸空間11内に少なくとも部分的に閉じ込める。流体ハンドリングシステム12は、液体を液浸空間11に提供できる。しかし、図を見やすくするために、液浸空間11に液体を供給する、及び/又は液浸空間11から液体を除去する開口(例えば、入口及び/又は出口)は図示していない。開口は、例えば、本明細書に記載する単一相抽出器、多孔質のプレート、気体抵抗及びオールウェット実施形態に関連して説明する任意の好適なタイプ及び構成であってもよい。流体ハンドリングシステム12が液浸液を局所領域に閉じ込めるためのタイプである場合、1つ又は複数の封止フィーチャ20が流体閉じ込め構造12の下面22にあってもよい。封止フィーチャ20は、ガスシール、ガスナイフ、液体抽出、及び/又はメニスカスピニングフィーチャなどの任意のタイプであってよい。メニスカスピニングフィーチャは液体メニスカスを固定するように構成されたポイントを有してもよい。下面22は、使用時に基板及び/又は基板テーブルWTに対向する。下面22は、基板テーブルWT及び/又は基板Wの上面に実質的に並行であってもよい。封止フィーチャ20は、例えば、オールウェット実施形態で存在しないか、効率が落ちるか、又は活性化されていなくてもよい。
[0067] 流体ハンドリングシステム12内には、少なくとも1つの開口30が存在する。開口30は、使用時に基板テーブルWT又は基板Wの方へ流体のフローを誘導するように構成されている。開口30は、矢印35の方向に液体を提供するために使用される。開口30は、液体のフローを基板テーブル及び/又は基板の上面に実質的に垂直に誘導するように構成され流体ハンドリング構造の表面に配置されてもよい。開口は、基板テーブルWT及び/又は基板Wの上面に実質的に並行な表面22内に画定されてもよい。
[0068] 流体ハンドリングシステム12が基板テーブルWTと基板Wの縁部との間のギャップ40(又はG)の上を通過する(例えば、ギャップ40、Gが流体ハンドリングシステム12の下で移動し、及び/又は流体ハンドリングシステム12がギャップ40、Gの上を移動する)時に泡が形成されることがある。出口30からの流体を方向35に提供することは、流体ハンドリングシステム12がギャップ40(又はG)の上を通過する時の泡の形成の防止に有益である。
[0069] いくつかの理由から泡は液浸液内に存在し得る。例えば、泡は、液浸空間が液体で充填された時に液浸空間内に残ったガス(すなわち、液体が液浸空間内にすでにあったガスの残りを押しのけた時に残ったガス)によって形成されることがある。
[0070] 別の例では、汚染物又は微粒子などの微細なフィーチャによって、基板が液体閉じ込め構造を通過するのにかかる時間内(すなわち、単一のスキャン動作内)に液浸空間の充填を阻止することがある。その結果、ガスが液浸空間内に閉じ込められる場合がある。液体と閉じ込められたガスの容積との間に形成されるメニスカスの表面張力によって閉じ込められたガスの容積は、液浸液内で泡の形状に引かれる。浮力が液浸空間を画定する表面にガスの泡を保持する表面表力を超えると、泡は投影された放射の容積内に浮遊することがある。代替的に又は追加的に、液浸空間内の表面のギャップ又は穴の存在(特にギャップが適当なサイズの場合)は、液浸空間が液体で充填されていてもガスの泡を保持するトラップとして作用することがある。このようなギャップ又は穴は、例えば、基板テーブルの表面、基板の縁部の周囲に存在してもよい。ギャップ又は穴は、代替的に又は追加的に、基板テーブル上の別のオブジェクトの周囲にあってもよい。ギャップ又は穴は、代替的に又は追加的に、基板テーブルと交換ブリッジ(基板を基板テーブルの間で交換する)、閉鎖ディスク、リソグラフィ装置又はメトロロジー装置の別の部分など、又はリソグラフィ工程ツールの別の部分(例えば、露光現像の前後に複数回基板を支持するためのベークプレート又は別の構造)などの別の構造との間にあってもよい。
[0071] 粗い表面も毛細管現象によって微細なスケールではあるが液浸空間の充填を阻止することがある。液浸液は粗い表面の突起に接触するが、必ずしも表面の輪郭全体を濡らさない。表面の粗さの程度は、表面張力によって引き起こされる力に比例する。したがって、ガスの泡をこのような表面上に容易に、例えば、粗い表面の突起の近くに閉じ込めることができる。粗い表面上を通過する液体の容積の「有効接触角」(例えば、液体の塊が表面に対して前進する時の有効動的接触角)は、液体の容積が滑らかな表面上を通過する時に比べて変化が大きい。したがって、ガスは、接触角が低減する場所、すなわち、粗い表面上の突起の遠位部が、突起の近位部の前に前進する液体容積の「フロント」に接触する場所に閉じ込められる傾向がある。こうして、ある容積のガスが突起の近位部の上流側で閉じ込められることがある。
[0072] 温度又はエネルギー又はその他の要因の変化によって泡が自発的に形成されることがある。代替的に又は追加的に、システムの圧力が例えば温度の低下と共に低下すると、ガス(例えば、空気)がシステム内に吸入されることがある。レジスト、上塗り、又は基板表面で使用されるその他の化学物質が液浸液又は放射あるいはその両方に反応して(例えば、泡を形成し)、エネルギー状態を変化させこれが温度変化として検出される場合がある。それによってガスの泡が化学的に生成される。
[0073] ガスが液体によって押しのけられない例を図5〜図8に示す。基板Wと基板テーブルWTとの間には、ギャップが液体閉じ込め構造12の下を通過する際に液体11で充填されるギャップG(又は40)が存在してもよい。ガスナイフなどの流体のフロー源15、20又は30が、流体のフロー、例えば、ガスフローを基板及び基板テーブルと同一平面であってもよい表面の方へ誘導する。流体のフロー源から発生する流体のフロー、例えば、流体のフロー35は、液体閉じ込め構造12の液体の経路をあける役割を果たす。
液体は、液滴D又は液体膜の形態でよい。以下の説明で液滴とは液体膜を含む。代替的に又は追加的に、流体源は、液体閉じ込め構造の開口から液体を供給して液体閉じ込め構造の下面とそれに対向する表面、すなわち、基板W又は基板テーブルWTとの間に液体を供給できる。
[0074] 液体が充填されたギャップGが流体のフロー源15、20又は30、例えばガスナイフの下を通過すると、図8に示すように、液滴Dは、ギャップGから噴き出すことがある。液滴Dは、基板W及び/又は基板テーブルWTの表面に付着する。液滴Dが付着する表面と液滴Dの液体との相対接触角に応じて(又は、言い換えれば、液滴Dが付着する表面W、WTの親液性の(例えば、親水性の)又は疎液性の(例えば、疎水性の)性質に応じて)、液滴Dの表面は、表面W、WTとのより大きい又は小さい接触角を形成する。
[0075] 図9は、前進する液体フロントFを示す。前進する液体フロントFは、液体閉じ込め構造12の下面と基板W及び/又は基板テーブルWTの表面との間に形成されたメニスカスを表す。(本明細書の以下の部分で、特に断りのない限り、基板Wは代替的に又は追加的に、基板テーブルWTを指すことを理解された)。図9は、いくつかの要因に応じて普通は曲線を有するフロントFが直線で示されているため、概略図を示す。図では、メニスカスがその間に形成される表面の近くのメニスカスの具体的な振る舞いを考慮せずに一般のメニスカス角を示す。また、フロントは、基板Wの表面とある角度をなすが、これは、基板Wが液体のフロントに対して横方向に移動しているためである(矢印は基板Wと基板Wを支持する基板テーブルWTの移動方向を示す)。図9は、液体フロントFと液滴Dとの相対位置を示す。液体フロントFと液滴Dは接触し衝突することがある。衝突の結果、ガスが泡Bとして液浸液11内に含まれる。泡の形成は、関連するしきい値を超えるか、又は下回って泡Bの形成を引き起こす1つ又は複数のパラメータの結果である。好適なパラメータは、フロントFと液滴Dの合流するメニスカス間の相対角度、フロントFと液滴Dの表面の間の相対速度、及び/又は液滴DのフロントFとの衝突によって引き起こされる力である。液浸液11内に侵入した泡Bは液浸空間内を移動することができる。泡は、液浸液内を移動することで液浸空間内を移動することができる、すなわち、浮遊できる。又は泡は、液浸空間を画定する表面、例えば、液体閉じ込め構造12、投影システムPL、基板W又は基板テーブルWT上に位置していてもよく、又は液浸空間と表面の組合せ内に位置してもよい。泡が液浸空間内を移動する際に、パターン付ビームの経路に侵入して投影パターンの欠陥を引き起こすことがある。
[0076] このような泡は、液体閉じ込め構造12の下を通過する凹部によって形成されることがある。上記のように、このような凹部は、基板テーブルWTと基板Wとのギャップとして画定できる。凹部は、センサ(例えば、図7に示す伝送画像センサTIS)の表面のギャップ、又は例えば、異なる基板を液体閉じ込め構造の下に配置しながら液浸液を液浸空間12内に閉じ込める(例えば、封止する)ための閉鎖部材(閉鎖プレートなどの)上又はその周辺部のギャップであってもよい。この異なる基板の配置は、基板交換と呼ばれ、基板支持構造は交換ブリッジと呼ばれる。泡は、次に表面から離れ、液浸液内を浮遊することがある。泡は、投影システムの最終光学要素まで浮上することがある。したがって、泡は、投影画像の品質に影響することがある。
[0077] 液浸液内の泡の形成は、第1に泡の形成を防止することで対処できる。これは、表面の数を低減し、空間が液体で充填された時にガスの泡が閉じ込められる各表面の領域のサイズを低減することで実行することができる。
[0078] これは、基板テーブルのギャップの数を低減し、さらには、すべてのギャップを除去することで達成できる。ギャップは、上記のように、基板テーブルWT内に画定された穴などの凹部に入り込むオブジェクトの間に存在する。
[0079] 液浸液は、ギャップが流体のフロー源、例えば、ガスナイフ15の下を通過した後にギャップから逃れるか又は抽出できる。基板は、実質的に(ほとんど)乾燥していることが望ましく、完全に乾燥していることがより望ましい。例えば、基板Wに接触していた液浸液は、基板Wからの熱エネルギーを吸収することがある。基板Wの温度は、少なくとも液滴Dに接触している領域では低減する。基板(特に基板Wの周辺部(例えば、周縁))の一部分の温度を低減すると基板の表面全体で温度勾配が形成される。このような温度勾配によって基板の拡張又は収縮が引き起こされる。基板Wの様々に拡張又は収縮した表面部分によって基板の望ましくない変形が引き起こされることがある。これは、オーバレイエラーの一因になる。
[0080] 残留液体によって引き起こされる基板上の泡又は冷却効果を回避するためにギャップをできるだけ小さく作成するという原則の適用が、米国特許出願公開US2006/0119818号及び欧州特許出願公開EP1713113号に記載されている。ウィンドウを備えるカバーでセンサを覆う考えがPCT特許出願公開第WO2005/010611号に記載されている。
[0081] "hollow toroidal inflatable and deflatable bladder positioned within the groove [around the substrate]"(参考翻訳:「溝[基板の周囲]内に配置された中空トロイド状の膨脹収縮式ブラダ」)を記載する別の出願が米国特許出願公開US7,230,681号で提案されている。基板の周囲のトロイド状のブラダを膨らませる場合の問題は最大サイズに達する(溝を充填するには十分でないこともある)か基板の外縁部に接触するまでブラダが膨らむということである。基板の外縁部にかかる膨らんだバッグの圧力は基板の縁部が反るほど大きいこともある。反り(すなわち、変形)によって、基板の縁部付近にパターン付放射ビームを投影する時に焦点の問題を引き起こすことがある。
[0082] 米国特許出願公開US2007−0188731号には、"an O-ring assembly having a deformable O-ring attached to movable support sections arranged in a generally circular configuration so as to surround the wafer"(参考翻訳:「ウェーハを取り囲むようにほぼ円形の構成に配置された可動支持部に取り付けられた変形可能なOリングを有するOリングアセンブリ」)が記載されている。この文献のOリングは、1つ又は複数の可動支持部を用いて操作される。さらに、Oリングの内縁部は、"effectively extend the outer surface of the wafer"「ウェーハの外表面を有効に延在させる」ために、基板(又はウェーハ)の外縁部と"engage"「係合する」ように構成されている。上記のように、基板の縁部に圧力を掛けることの潜在的な問題には十分に対処しているわけではない。この文献は各部が対になり、対が互いに独立して動くように偶数の可動支持部を有することを提案する。こうして、ウェーハは、断面に対して中心に配置され、それ故変形のリスクを最小限に抑えている。しかし、基板が変形を避けるために可動部に対して中心に配置されると、メトロロジー又は露光装置の残りの部分と潜在的にもはや位置合わせされず、アライメント又はパターン付放射は、基板の正確な部分に誘導されない可能性がある。
[0083] 図7は、基板テーブルWTの一部の平面図である。基板テーブルWT内又は基板テーブルWTの表面に画定された凹部内にオブジェクトを配置することができる。このようなオブジェクトは、基板W、センサTIS、洗浄ステーション(図示せず)、閉鎖ディスク(図示せず)、及び/又は上記オブジェクトの少なくとも1つのオブジェクトのカバープレートである。各オブジェクトは、一般に関連する凹部又はへこみ内に収容される。凹部は、それが関連付けられたオブジェクトに合わせて形成されている。凹部は、縁部Eを有してもよい。基板Wは、例えば、基板テーブルWT内の基板ホルダ(図示せず)によって支持されてもよい。各オブジェクトと関連する凹部の縁部との間にギャップGがあるのは、オブジェクトを可動式にするためである。オブジェクトは、関連する凹部から容易に除去できることが望ましい。オブジェクトは、除去した後に交換することができる。基板テーブル内又は上のオブジェクトを容易に除去及び/又は交換するための一定の許容誤差がある。ある実施形態では、標準許容誤差は、300μm程度である。泡の形成を低減するために、ギャップを標準許容誤差の数分の1に低減しなければならない。ギャップを低減する1つの方法は、オブジェクトを収容する領域のサイズを低減するステップを含む。しかし、許容誤差を低減することでギャップを低減するだけでは、オブジェクトの寿命の間にオブジェクト(例えば、基板)の断面寸法(例えば、直径)の変更ができない。オブジェクトの寸法は、例えば、処理によって寿命の間に変化、例えば、縮小又は拡張することができる。例えば、基板の寸法は、その寿命の間に、縁部ビードの除去などの処理ステップが適用されて、基板の少なくとも一部を変更、例えば、除去する際に変更することができる。基板の寸法が最大である、例えば、最初に使用する時に泡形成のリスクを冒して許容誤差の低減は最良の低減を達成できる。連続的な処理の後で、基板の寸法は低減し、有効許容誤差は処理ステップと共に増大し、泡形成のリスクが増大する。
[0084] ギャップを閉鎖するために、オブジェクトの縁部との直接の接触を含む解決策は、結果的に熱伝達、例えば、オブジェクトからの熱エネルギーの除去である。この熱伝達の結果、オブジェクトは、変形、例えば、屈曲するか又は反る。オブジェクトの縁部の接触によって、縁部に圧縮力が掛かる。圧縮力によってオブジェクトは変形することがある。追加的に又は代替的に、変形は、縁部への圧力によるオブジェクトの完全平坦化からの偏りであってもよい。これは、例えば、オブジェクトの照明に関する焦点問題を引き起こすことがある。
[0085] 本発明のある実施形態は、図10〜図20に示すようなギャップGの効果を低減するシステムを使用する。以下の説明で、基板Wに関連付けられたギャップは(またそれに関連する基板W)は、明示的に断りのない限り、より一般的に、使用時に、基板テーブル上で支持されるオブジェクトに関連付けられたギャップ(及びそれに関連するオブジェクト自体)を指す。
[0086] ある実施形態では、基板テーブルの表面内の縁部によって画定された空間内のオブジェクトの移動に影響するコントローラ及びアクチュエータであってもよいギャップ低減機構が使用される。代替的に又は追加的に、ギャップ低減機構は、ギャップを充填する縁部材を含んでもよく、ギャップ内の所定位置に配置され、コントローラと、ギャップに関する、及び/又はオブジェクトのサイズ及び形状に関する情報を用いて操作される。
[0087] 本発明のある実施形態の望ましいフィーチャは、プリアライナ又はプリアライメントシステム(「ウェーハハンドラ」としても周知である)WH内での基板の測定である。測定は、基板が基板テーブルWT上に位置決めされる前に実行することができる。基板Wの測定は、基板の平均断面寸法(例えば、直径)、基板の縁部から基板の固定された中心までの平均距離(例えば、半径)、基板の周辺範囲でのこのような寸法又は距離の変化、又はデフォルトもしくはモデル基板に対する基板縁部の位置の測定値、又は基板の形状のうちの1つ以上の測定を含んでもよい。基板Wの測定の目的は、少なくとも向上した精度で基板の縁部の場所を決定することである。これによって、基板を基板テーブルWT上に位置決めすることができる。基板の縁部の位置決めは、基板Wの縁部が基板テーブルと基板との間にギャップGを画定する際に用いる基板テーブルWTの縁部に対して実行することができる。代替的に又は追加的に、基板の中心から基板の縁部までの距離の変化を決定するために、基板Wの形状を測定してもよい。基板テーブルに対する基板の正確な位置決めのために、基板が基板テーブル上に位置決めされる前に、ギャップGで基板テーブルの縁部を測定してもよい。
[0088] 基板は、基板ホルダによって基板テーブル上に支持できる。基板ホルダは、基板テーブル内に画定されたへこみであってもよい。基板ホルダは、基板を所定位置に保持する1つ又は複数の真空出口、又は基板テーブル上又は内に基板を所定位置に保持(支持)できる任意のフィーチャを備えた基板形状の表面であってもよい。基板ホルダは、一般に、例えば上記のメトロロジー又は露光ツールとのアライメントの際の基板の位置決めなどを可能にする基板周辺の溝又はギャップGを有する。
[0089] 図10及び図11は、基板テーブルWTの表面のへこみに基板Wを封じ込める基板テーブルWTを示す。基板Wを取り囲む基板テーブルWTのへこみの部分は、ギャップGと呼ばれる。他の場所に記載する方法に従ってこのギャップG内に泡が形成される。このギャップをできるだけ小さくするために、ギャップGを最小限にする方法で基板Wを位置決めしてもよく、又は下記のように縁部材BRを使用してもよい。ギャップの最小化は、メトロロジーデバイス又は露光デバイスが同時に配置された基板テーブルの位置で起こることがある。デバイスの相対位置に応じて、へこみ内の様々な場所でギャップが最小限になるように、基板を移動させることができる。代替的に又は追加的に、縁部材BRをギャップG内に挿入してもよい。縁部材の様々な実施形態について以下に説明する。
[0090] また、図10及び図11は、基板テーブルWT内に組み込めるタイプのセンサの一例を示す。センサ80が基板Wの縁部を測定することができるように、センサ80を基板テーブルWTのギャップG内、又は基板テーブルWTのへこみ内の別の場所に位置決めすることができる。次に、基板縁部の測定値を基板W又は縁部材BRの動きを制御するコントローラへ供給することができる。
[0091] 図12を参照しながら、基板テーブルWT内にセンサを有する形態の変形形態について説明する。より詳細には、ある実施形態では、センサ80は、必ずしも基板テーブル内にはなく、プリアライナ(PA:pre-aligner)WH内にある(ただし、センサは基板テーブル内にあってもよい)。プリアライナWHは、基板Wが物理特性、例えば、その直径が測定される場所である。結果として得られる物理測定値(例えば、直径又は直径の範囲(基板が完全な円でない場合))は、基板テーブルWTに関連付けられた、又はその内部のギャップ低減システムへ送信される。ギャップ低減システムについては以下に説明する。測定後の基板は、基板テーブルWT上にロードされる。
[0092] ギャップ低減システムは、基板テーブルの縁部を形成する縁部材をギャップGに有してもよい。縁部材は、泡抽出システム(BES:Bubble Extraction system)リングとして周知のリングの形状であってもよい。縁部材は、基板が実質的に円形の場合には、基板Wの周辺部、すなわち、周縁の周りに導入することができる。縁部材は、基板テーブルの表面と基板の縁部との間のギャップをできるだけ低減するような方法で操作することができる。縁部材は、所定位置にクランプすることができる。基板Wは、アライメント又はオーバレイなどの特性について測定することができる。基板W及び基板テーブルWTを所定位置に(露光位置まで)移動させて投影システムPSによって露光することができる。
[0093] 図12は、様々なソフトウェア関連の動作及びハードウェア動作を示す。図12でソフトウェア関連の動作は点線の矢印で示されている。図12でハードウェア動作は実線の矢印で示されている。ソフトウェアに従って動作するコントローラは、コントローラによって動作するセンサが基板の縁部を測定することを可能にする。測定データを用いて、コントローラは、直径などの基板の縁部の特性のパラメータを計算する。コントローラは、基板テーブルを制御するコントローラへパラメータデータを送信する。基板テーブルを制御するコントローラは、縁部材の位置決め及び操作を開始して、別に説明するように最も効率的にギャップGを充填する。すなわち、基板の変形を実質的に防止しながら、泡の形成を防止するのに十分助けになるようにギャップを充填する。
[0094] 基板の縁部をプリアライナ内で測定するいくつかの方法がある。基板の縁部を測定する1つの方法は、基板を取り囲む一連のセンサ(又はセンサアレイ)あるいは可動センサをプリアライナ内に有する方法である。このセンサ又は一連のセンサは、センサの周知の位置から基板の縁部までの距離を測定することができる。こうして、基板の縁部の相対位置が測定される。
[0095] 代替的に又は追加的に、検出器は、基板の上面から反射した放射を検出することができる。このような検出器は、基板の中心からの任意の方向の距離の大きさを測定することができる。同様に、基板の形状を決定することができる。代替的に又は追加的に、写真又は、他のセンサ又は検出器構成から基板の物理特性情報を決定することができる。
[0096] 基板縁部のプロファイルを入手することができる。このプロファイルは、基板の平面内の基板の縁部のプロファイルを入手するx及びy座標にあってもよい。任意選択と
して、3次元の基板のプロファイルを得るためにz座量を入手してもよい。z軸で基板の
縁部の変位値を得ることは、基板と基板が支持される基板テーブルとの間に段差が導入さ
れるため、重要である。段差は、泡の含有の原因になる。したがって、x軸及びy軸だけ
でなくz軸での縁部のプロファイルの検出は有用である。
[0097] アライメントの目的で基板W上にあってもよいへこみ、マーカ又は切欠きは、基板の縁部を測定するためのマーカとして使用することができる。基板の直径(例えば)を知ることは、基板周囲のギャップを低減するのに有用である。しかし、基板のこのような寸法の経時的な変化を知ることはさらに有用である。変化の測定を可能にするために、マーカは有用である。このマーカは、上記のへこみ、マーカ又は切欠きであってもよい。マーカは、基板に対して、例えば、基板W上で一定の(例えば、所定の)位置を有してもよい。
[0098] 上記のように、センサ80をプリアライナWHで使用するか、基板テーブルWT内のへこみ内で使用するか、又は縁部材上で使用することで基板の縁部の測定が行われる。別に説明した測定値(例えば、半径、半径の変化、形状又はプロファイル)のいずれもこれらのうちの任意の位置で測定することができる。
[0099] プリアライナ内にある縁部センサの代わりに(又はそれに加えて)、基板を検出するのは縁部材内のセンサであってもよい。縁部材は、いくつかの場所にセンサを有してもよい。それらの位置は、固定されてもよい。位置は、ギャップの周辺部の周囲であってもよい。したがって、縁部材のコントローラは、縁部材のサイズの測定と調整の両方を実行することができる。代替的に又は追加的に、センサを基板テーブル内に配置して位置決めした基板を測定することができる。センサは、ギャップの外縁部(すなわち、図10及び図11に示すように、基板テーブル内の内縁部又は基板保持空間)にあってもよく、基板テーブル内又は上のどこかにあってもよい。ある実施形態によれば、センサは、別のスタンドアロンデバイス内に位置してもよい。
[00100] 基板それ自体の測定に加えて、又はその代わりに、基板Wを取り囲むギャップGを測定するセンサを使用してもよい。図13は、図12の流れ図と同様であるがギャップの検知が基板テーブル内で実行される流れ図を示す。ギャップが直接測定される実施形態では、望ましくは最小化されるのはそのギャップであるため、これは基板テーブル内で実行される。図13では、プリアライナWH内で基板の直径を測定しこの情報を用いて基板テーブルWTでギャップGを制御する代わりに、ギャップGが基板テーブルWT内で直接測定される。ハードウェア動作の残りは、図12の実施形態と同じである。例えば、ギャップGの幅を測定することで、コントローラが測定値に従って縁部材BRを直接位置決めするか又は操作するために解釈する測定値が得られる。例えば、特定の幅のギャップが測定された場合、縁部材BRを同じ幅又はわずかに小さい幅にプリセットしてもよい(基板が縁部材BRによって接触されない場合)。基板の縁部の代わりに(又はそれと共に)ギャップを測定する利点は、基板テーブルの縁部と基板の縁部との距離を予想するステップは、この距離が直接計算できるため、省略できるという点である。
[00101] ギャップを直接測定すること、並びに基板を測定することに適用される利点は、ギャップのサイズの変化をその変化が発生するたびに測定することができる(例えば、基板の処理中に)という点である。基板の形状又はサイズの変化がリソグラフィ露光装置外で起こることがある。それ故、処理後の露光のために基板がリソグラフィ装置内に再度導入されると、形状又はサイズのこれらの変化を調整する調整可能縁部材を有することが有用である。縁部材を制御するコントローラへの直接の供給又は入力を調整することができる。ギャップの幅が変化するにつれて、縁部材の幅も変化する。これは、ギャップの測定と縁部材の幅又は位置の変化との間のいくつかのステップ又は計算によってリアルタイムに実行することができる。
[00102] 別に説明したように、測定ステップは、様々な方法で実行することができる。測定ステップは、ギャップGの大きさを決定するステップである。この同じステップで、縁部材が次にとる形状及びサイズ又は基板テーブルWT内のへこみ内に基板Wを移動させる必要の程度が決定される。測定ステップは、基板の縁部の測定ステップを含んでもよい。代替的に又は追加的に、測定ステップは、ギャップG自体のパラメータの測定ステップを含んでもよい。これら2つの測定ステップの差は、ギャップGを直接測定する時に、ギャップの位置決め(例えば、モデル又はデフォルトポイントに対する)が直接考慮されるという点である。ギャップを直接測定する時には、縁部材BRの任意の許容誤差及び位置精度も考慮される。
[00103] ギャップG自体の測定ステップは、縁部材のセンサを用いて実行することができる。測定は、例えば、容量性であり、三角測量を使用し、干渉計を使用し、ガスゲージを使用してもよい。ある実施形態では、レベルセンサが使用することができる。レベルセンサを使用する方法の1つは、いくつかの位置(例えば、6〜8つの位置)でギャップGを測定する方法である。次に、測定値を用いて基板の位置が較正される。レベルセンサの動作は、様々な角度で反射面(例えば、基板上の)に光信号を送信して反射した光信号をセンサで捕捉するというものである。基板の表面の角度及び粗さそれにより測定することができる。
[00104] 基板Wの縁部が計測されるある実施形態では、マーカなどの基板上のフィーチャに対して基板Wの縁部がプリアライナWH内で測定することができる。次に、この同じマーカを基板テーブル上で用いて基板テーブル及び基板の縁部での測定値に対する基板の相対位置が決定される。こうして、基板に関する情報を用いてギャップを能動的に低減することができる。
[00105] 次に、縁部材と基板の縁部との間のギャップを低減するために縁部材を位置決めするか、又は操作するいくつかの方法がある。平均値だけでなく基板の周辺部全体にわたる基板の縁部の位置に関するデータを得ることが望ましい。これは、縁部材BRが基板Wの周辺部全体にわたって正確に配置されていることによる。この理由は、縁部材が基板Wの縁部に接触したり、又は圧入して合焦又はアライメントエラーを発生させることを防止する助けとなることである。また、基板の縁部周辺のギャップの幅の変化を防止するために、縁部材を基板の縁部付近に正確に位置決めすることも有用である。これは、変形可能なリングを縁部材として使用することで達成できる。
[00106] 変形可能なリングについて少なくとも2つの実施形態が考えられる。第1の実施形態は、単一の部分からなるリングを有し、第2の実施形態は、複数の部分からなるリングを有する。ある実施形態によれば、リングは、全体として活性化される。ある実施形態によれば、リングの1つ又は複数の部分が別々に活性化される。この場合、リングは一体であるが変形可能なリングでよく、又はいくつかの独立した部分から構成されてもよい。こうして、リングの様々な部分が基板の変化する形状に適合できる。縁部材は、複数の独立した可動部から構成されてもよい。あるいは、別に説明したように、縁部材は、偏心可動リングを含んでもよい。製造の容易さに関しては、周辺部に開口を備えた変形可能なリングが最も製造しやすい。このタイプの縁部材については別に説明する。本明細書で使用するリングは、円形形状でなければならないと考えるべきではない。リングは、円形形状であってもよいが、その代わりに、リングは、多角形形状、楕円形状などを有してもよい。
[00107] 一般に縁部材は基板Wの縁部に接触しないことが望ましいが、ある実施形態では、縁部材は基板Wの縁部に接触してもよい。縁部材が基板Wの縁部に接触する場合、基板と縁部材との間のギャップは、有効にゼロに低減する。実質的にゼロのギャップGを有するということは、ギャップG内に泡が形成できないということを意味する。泡がギャップ内に形成されるリスクが基板の変形のリスクよりも深刻であるケースでは、縁部材を基板Wの縁部に接触させることが望ましい。他方、ギャップGを可能な限り最小限にしながら基板の縁部に接触させないことが一般に望ましい。これは、泡の潜在的な形成と基板Wの潜在的な変形との間の平衡をとるためである。
[00108] 縁部材の様々な可能な実施形態を図10、図11及び図14〜図20に示す。
[00109] 図10に示すように、例えば、BESリングBRの形状の縁部材が基板Wの周辺部の周囲に導入される。この縁部材BRは、周辺部(例えば、周縁)に開口70を有する。この開口は、縁部材BRがギャップG内に正確に嵌合するように開口70の範囲内で開放又は閉鎖できる。したがって、縁部材BRは、望ましくは変形可能である。縁部材BRは、その断面寸法(例えば、直径)が基板の露光/現像中に基板の断面寸法(例えば、直径)の変化に基づいて能動的に調整することができるように能動的に変形可能であってもよい。縁部材BR内の開口70のサイズは、開口70がゼロ分離まで閉鎖された時に、縁部材の断面寸法が特定のギャップGに正確に一致するように選択することができる。これは事前に測定することができる。基板Wと縁部材BRとの間のギャップは、縁部材BRが基板Wに接触しないように完全に封鎖されていないことが望ましい。その結果、基板の縁部に掛かる圧力に関する本明細書に記載する問題の1つ以上を回避する助けになる。それでも、基板Wと縁部材BRとの間のギャップは、泡と液体の抽出によって引き起こされる潜在的な問題の1つ以上を低減するのに十分なほど小さくなければならない。
[00110] 縁部材BRがギャップ内の所定位置にあってその断面寸法が減少(又は増大)して望ましくは基板に接触することなくギャップを可能な限り充填する時に、液体閉じ込めシステムは、基板及び基板テーブル上を通過できる。この状況で、液浸空間は、流体(例えば、液体)で充填され、ギャップGは、基板Wと縁部材BRとの間のギャップG内に液体がほとんど又は全く染み込まない程度まで縮小するのが望ましい。基板の縁部と縁部材BRとの間に残った任意のギャップGは、液体閉じ込め構造内の液体の表面張力がギャップ上のメニスカスを維持し、液体を液浸空間内に保持しギャップに侵入させない程度に小さいことが望ましい。メニスカスの強度の結果として、流体の泡は、望ましくは縁部材BRで実質的に充填されたギャップGから放出することは不可能である。それ故、泡の形成の可能性は低下する。
[00111] 縁部材BRの断面寸法は、いくつかの方法のいずれかを用いて操作又は調整することができる。例えば、縁部材支持システムを基板テーブルWT内に組み込むことができる。縁部材支持システムは、プリアライナから断面寸法情報を受け取ることができる。次に、縁部材支持システムは、縁部材BRのいくつかの部分の各々について位置をプログラミングすることができる。基板Wが基板テーブルWT上にロードされると、縁部材BRの各部分は、基板Wと縁部材BRとの間のギャップを正確に低減するプログラミングされた位置に配置される。
[00112] 別の縁部材とそれに関連付けられた操作方法を図14、図15及び図16の各々に示す。これらの図の各々に示す実施形態は、図10及び図11のような望ましくは圧縮性縁部材BRを含む。しかし、これらの実施形態では、開口70は、単に開いたままではない。これは、泡が形成される穴又は凹部がシステム内に導入されるからである。ある実施形態では、縁部材BRがギャップG内の位置に配置され、縁部材BRの開口70は完全には閉鎖されていないケースを扱っている。例えば、図14は、開口70の代わりに可撓性材料50を示す。可撓性材料50のサイズの範囲は、縁部材の位置決め後に開口70をどの程度開くかに応じて利用可能である。
[00113] 図15は、縁部材BRの圧縮に応じて挿入できる縁部材52の別の部分を示す。さらに、わずかに異なるサイズの基板Wに縁部材BRを使用する場合、開口70を塞ぐために様々な縁部材の部分52が利用可能である。液浸液体閉じ込めシステム12が開口70の上を通過する時、縁部材の部分52はそうでなければ穴であるはずの箇所に(開口70内に)泡が形成されるのを防止する助けになる。
[00114] 図16は、縁部材の端部が重なり54を有するある実施形態を示す。こうして、開口のこの部位には余分なギャップは導入されない。縁部材BRは、重なり54を有するリングの両端が圧縮されて縁部材の周辺部周りの幅の変化を防止するように変形可能である。これによって、縁部材BRが重ならない基板テーブルWTの凹部内にギャップが形成されることが防止される。さらに、ギャップ、凹部又は穴が実質的に閉塞している場合、泡が形成される空間はほとんど又は全くない。
[00115] 図17、図18、図19及び図20は、縁部材の別の実施形態を示す。図17は、セグメント化された縁部材BRを示す。各セグメントは、セグメント間のギャップが低減し、又はセグメントが互いに重なり合うように互いに対して移動することができる。基板が測定されると、基板は基板テーブルWTの凹部上又は内に配置される。測定されたパラメータに関する情報が、縁部材BRのコントローラに入力される。コントローラは、各セグメントと基板縁部の隣接する部分との間のギャップを最小限にするために各セグメントをどこに配置するかを計算する。基板が所定位置に置かれると、縁部材BRの各セグメントは、計算された位置へ個々に移動する。この実施形態は、不均一な周辺部を備えた(例えば、完全な円ではない)基板のケースで有用である。これは、セグメントが他の部分よりも中心から縁部の距離が小さい基板の部分で基板の中心の方へ移動することができるためである。
[00116] 図18は、有効な偏心可動縁部材EBRである縁部材を示す。圧縮されるか断面寸法を変える代わりに、縁部材BRは、基板Wに対して偏心移動する。偏心移動は、基板の縁部上を通過するメトロロジーデバイス、露光デバイス又はその他のデバイス(例えば、ガスナイフなどの流体フローデバイス)の位置に依存する。デバイスがその上を通過する基板の縁部の部分に隣接する縁部材EBRを有することは、そうでなければ液浸液内の泡に影響されるデバイス及び流体閉じ込めシステムを保護する助けになる。縁部材EBRと基板Wとの間のギャップは、デバイスがそのポイントで活性化されている位置で最も小さく、したがって、デバイスが通過するポイントの下には最小限のギャップがある。これによって、縁部材は、デバイスのプログラミングされた又は検出された動きに従って基板の周辺部の周囲を移動することができる(アクチュエータ又はコントローラによって制御される同様のデバイスによって)。デバイスが活性化されている位置の下に縮小したギャップを有することでその位置での泡の尤度が最小限にされる助けになる。デバイスが泡を発生させた場合、又は泡によって悪影響を受けた場合、その位置での低減した泡の尤度は有利である。
[00117] 図19は、縁部材の円弧状の単一の可動セグメントBRSを示す。このセグメントは、基板と基板テーブルの縁部との間のギャップにある、又はその付近の任意のメトロロジー、露光又はその他のデバイスの検知された位置及び/又は基板と基板テーブルの縁部との間のギャップ又はその付近に達する任意のメトロロジー、露光又はその他のデバイスの一定の(例えば、所定の)タイミングにさらに従って、基板の周辺部の周囲を例えば位置BRS2まで移動することができる。基板テーブルの上のデバイスの位置に従って、基板Wへ向かってセグメントBRSに接近でき、及び/又は基板の上のデバイスの位置に従って、基板WからセグメントBRSに接近できる。セグメントBRSと基板Wとの間のギャップは、デバイスがそのポイントで活性化されている位置で最も小さく、したがって、デバイスが通過する位置に最小限のギャップがある。これによって、セグメントは、デバイスのプログラミングされた又は検知された動きに従って基板の周辺部の周囲を移動することができる(アクチュエータ又はコントローラによって制御される同様のデバイスによって)。デバイスが活性化されている位置の下に縮小したギャップを有することでその位置での泡の尤度が最小限にされる助けになる。デバイスが泡を発生させた場合、又は泡によって悪影響を受けた場合、その位置での低減した泡の尤度は有利である。
[00118] 図20は、基板が挿入又は除去されて基板Wの外縁部に接近するために制御された形で所定位置に圧縮される時に基板の経路から延伸されるか繰り出される「歪性」("strainable")縁部材BRSを示す。代替的に又は追加的に、縁部材を圧縮するために力を加えることができる。図20のボックスには、断面A−A’が示されている。最上部の例BRSAは、基板Wから延伸されるか、又は基板W内の方へ圧縮される縁部材を示す。最下部の例BRSBは、基板から又は基板の方へ有効に繰り出される縁部材を示す。基板が測定されると、基板は基板テーブルWTの凹部上又は内に配置される。測定されたパラメータに関する情報が縁部材BRSのコントローラに入力される。コントローラは、縁部材と基板の縁部のそれに隣接する部分との間のギャップを低減するために、縁部材をどの分量だけ巻き上げるか又は繰り出すか(あるいは延伸するか圧縮するか)を計算する。基板が所定位置に置かれると、縁部材BRSは計算された(又は検出された)位置まで繰り出されるか圧縮される(例えば、基板を凹部内に配置するために直径を大きくしなければならなかったため、直径は小さくなる)。この実施形態の利点は、基板テーブルWTの縁部に最も近い縁部材BRSBの外縁部は固定され、縁部材の断面寸法の最小化工程で誤って動くリスクがないため、ギャップGの全体を容易に充填できるという点である。
[00119] 当業者であれば、本明細書の開示を考察し、特許請求の範囲内に収まる基板の外縁部の測定値に基づいて縁部材を操作する別の方法を考案できるであろう。
[00120] 本明細書では、IC製造におけるリソグラフィ装置の使用について特に言及してきたが、本明細書に記載するリソグラフィ装置は、集積光システム、磁気ドメインメモリの案内及び検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッドなどの製造を含むその他の用途を有することができることを理解されたい。当業者であれば明らかなように、このような別の用途においては、本明細書で使用する「ウェーハ」又は「ダイ」という用語はいずれも、それぞれ、より一般的な「基板」又は「ターゲット部分」という用語と同義であると考えてよい。本明細書に記載する基板は、露光の前又は後に、例えば、トラック(通常、基板にレジスト層を塗布し、露光したレジストを現像するツール)、メトロロジーツール、及び/又はインスペクションツール内で処理されてもよい。本明細書中の開示内容を、適宜、上記の基板処理ツール及び他の基板処理ツールに適用することができる。さらに、基板は、例えば、多層ICを作成するために、複数回処理できるので、本明細書で使用する基板という用語は、すでに多重処理層を含む基板を指すこともできる。
[00121] 本明細書で使用する「放射」及び「ビーム」という用語は、紫外線(UV)放射(例えば、365、248、193、157、若しくは126nm、又はこれら辺りの波長を有する)を含むすべてのタイプの電磁放射を包含する。「レンズ」という用語は、文脈によっては、屈折及び反射光学コンポーネントを含むさまざまなタイプの光学コンポーネントのいずれか1つ又は組合せを意味することができる。
[00122] 以上、本発明の特定の実施形態について説明してきたが、上記以外の方法で本発明を実施することも可能であることが理解されよう。例えば、本発明の実施形態は、上記に開示された方法を記述する機械読み取り式命令の1つ又は複数のシーケンスを含むコンピュータプログラム、又はそのようなコンピュータプログラムを内部に格納したデータ記憶媒体(例えば、半導体メモリ、磁気又は光ディスク)の形式をとってもよい。さらに、機械読み取り式命令は、複数のコンピュータプログラム内に実施することができる。複数のコンピュータプログラムは、1つ又は複数の異なるメモリ及び/又はデータ記憶媒体に格納することができる。
[00123] 1つ又は複数のコンピュータプログラムがリソグラフィ装置の少なくとも1つのコンポーネント内にある1つ又は複数のコンピュータプロセッサによって読み出される時に、本明細書に記載するコントローラは、各々又は組み合わせて動作可能である。コントローラは、各々又は組み合わせて信号を受信し、処理し、送信するのに適した任意の構成を有してもよい。1つ又は複数のプロセッサは、コントローラの少なくとも1つと通信するように構成されている。例えば、各コントローラは、上記方法のための機械読み取り式命令を含むコンピュータプログラムを実行する1つ又は複数のプロセッサを含んでもよい。コントローラは、このようなコンピュータプログラムを格納するデータ記憶媒体及び/又はこのような媒体を収容するハードウェアを含んでもよい。したがって、1つ又は複数のコントローラは、1つ又は複数のコンピュータプログラムの機械読み取り式命令に従って動作できる。
[00124] 本発明の1つ又は複数の実施形態は、任意の液浸リソグラフィ装置、特に、これに限定はされないが、液浸液が浴槽の形態で提供されるか、基板の局所表面領域にのみ提供されるか、又は閉じ込められていないかに関わらず、上記タイプの液浸リソグラフィ装置に適用することができる。非閉じ込め構成では、液浸液は基板及び/又は基板テーブルの表面上を流れることができ、したがって、基板テーブル及び/又は基板の覆われていない表面の実質的に全部が濡れている。このような非閉じ込めシステムでは、液体供給システムは液浸流体を閉じ込めなくてもよく、又は液浸液の閉じ込めの一部を提供するが液浸液の実質的に完全な閉じ込めは完了しなくてもよい。
[00125] 本明細書に記載する液体供給システムは、幅広く解釈すべきである。ある実施形態では、液体供給システムは、投影システムと基板及び/又は基板テーブルとの間の空間に液体を提供する機構又は構造の組合せであってもよい。液体供給システムは、1つ又は複数の構造と、1つ又は複数の液体開口を含む1つ又は複数の流体開口と、1つ又は複数のガス開口又は2相フロー用の1つ又は複数の開口との組合せを含んでもよい。開口は、各々、液浸空間への入口(又は流体ハンドリング構造からの出口)あるいは液浸空間からの出口(又は流体ハンドリング構造への入口)であってもよい。ある実施形態では、空間の表面は基板及び/又は基板テーブルの一部であってもよく、又は空間の表面は基板及び/又は基板テーブルの表面を覆っていてもよく、又は空間は基板及び/又は基板テーブルを覆っていてもよい。流体供給システムは、任意選択として、液体の位置、量、質、形状、流量又はその他の任意のフィーチャを制御する1つ又は複数の要素をさらに含んでもよい。
[00126] 「リソグラフィツール」又は「リソグラフィセル」という用語で、基板を露光する(基板上にパターン付放射を投影することで)露光又はリソグラフィ投影装置だけでなく、基板(上のレジスト)の加焼成及び/又は現像のためのデバイスなどのその他のプリ露光及びポスト露光デバイスも提供される。
[00127] ある実施形態では、液浸リソグラフィ装置内の基板と基板テーブルとの間のギャップを低減する方法が提供される。この方法は、測定と低減を含む。測定では、基板の物理特性が測定される。低減では、基板の縁部と基板テーブルの表面の縁部との間に画定されたギャップが低減される。基板テーブルは、液浸リソグラフィ装置内の基板を支持する。ギャップは、測定された基板の物理特性に基づいて低減される。
[00128] この方法は、基板をプリアライナ上にロードすることを含んでもよい。この方法は、プリアライナ内で基板の物理特性を測定することを含んでもよい。この方法は、測定された基板の物理特性を基板テーブルに関連付けられたギャップ低減機構へ送信することを含んでもよい。この方法は、基板を基板テーブルの表面の内縁部によって画定された空間内にロードすることを含んでもよい。この方法は、ギャップ低減機構を用いて、測定された基板の物理特性に基づいて基板の縁部と基板テーブルの表面の縁部との間のギャップを低減することを含んでもよい。基板の物理特性の測定は、基板の断面寸法を決定するために基板の外縁部を検出することを含んでもよい。基板の物理特性の測定は、一定の位置に対する基板の外縁部の位置を検出することを含んでもよい。ある実施形態では、一定の位置は基板上のマーカである。
[00129] 基板の物理特性の測定は、基板の形状を測定することを含んでもよい。基板の物理特性の測定は、基板の中心から基板の縁部までの距離の範囲を測定することを含んでもよい。
[00130] ある実施形態では、液浸リソグラフィ装置内の基板と基板テーブルとの間のギャップを低減する方法が提供される。この方法は、測定と低減を含む。測定では、基板の縁部と基板テーブルの表面の縁部との間に画定されたギャップが測定される。基板テーブルは、液浸リソグラフィ装置内の基板を支持する。低減では、測定に基づいてギャップが低減される。
[00131] この方法は、ロードと実行と低減を含む。ロードでは、基板は、基板テーブルの表面の内縁部によって画定された空間内にロードされてもよい。実行では、測定が実行されてもよい。低減では、ギャップ低減機構を用いて測定に基づいて基板の縁部と基板テーブルの表面の縁部との間のギャップが低減される。
[00132] ギャップの低減は、基板の縁部と基板テーブルの表面の縁部との間のギャップが最小限になるように基板テーブルの表面の縁部に対して基板を位置決めすることを含んでもよい。基板と基板テーブルとの間のギャップの低減は、ギャップ内に縁部材を位置決めすることを含んでもよい。この方法は、縁部材が操作されると、縁部材を所定位置にクランプすることを含んでもよい。縁部材の位置決めは、その内部断面寸法を基板の断面寸法と実質的に同じサイズに低減することを含んでもよい。縁部材は、圧縮可能であってもよい。縁部材の位置決めは、縁部材の断面寸法が低減されるような形で縁部材を圧縮することを含んでもよい。
[00133] 縁部材は、複数の円弧状のセグメントを含んでもよく、縁部材の位置決めは、互いに向けて複数の円弧状のセグメントを移動させて、縁部材の中心と縁部材の縁部との距離を低減することを含んでもよい。縁部材は、実質的に堅固なリングを含んでもよい。縁部材の位置決めは、縁部材の一部分と基板の一部分との間のギャップが経時的に変化するように、縁部材を基板と同じ平面内で偏心して移動させることを含んでもよい。縁部材は、円弧状のセグメントを含んでもよい。縁部材の位置決めは、セグメントが隣接して位置する基板縁部の断面が経時的に変化するように、セグメントを基板の周辺部の周囲で移動させることを含んでもよい。縁部材は、2つの端部がリング内の開口を画定する不完全なリングを含んでもよい。開口は、縁部材が圧縮されて縁部材の断面寸法が減少するにつれて長さが低減するように構成されてもよい。縁部材のセグメントは、開口を生成するために取り外し可能であってもよい。
[00134] 縁部材の一部分は、圧縮可能な材料で構成されてもよい。縁部材の位置決めは、この部分を周囲から圧縮して、それ故、縁部材の断面寸法を低減することを含んでもよい。縁部材は、不完全なリング形状を含んでもよい。不完全なリング形状は、周辺部に2つの端部を有してもよい。端部は、縁部材が圧縮されて縁部材の断面寸法が低減されるにつれて重なるように構成されてもよい。端部は、縁部材が圧縮されて縁部材の断面寸法が低減されるにつれて合わさるように構成されてもよい。
[00135] ある実施形態では、デバイス製造方法が提供される。この方法は、ロードと測定とロードと低減と露光を含む。ロードでは、基板はプリアライナ上にロードされてもよい。測定では、基板の物理特性がプリアライナで測定される。ロードでは、プリアライナからの基板が基板テーブル上にロードされる。低減では、測定された物理特性に基づいて基板の縁部と基板テーブルの表面の縁部との間のギャップが低減される。露光では、基板がパターン付放射で露光される。
[00136] 少なくとも基板の露光中に、ギャップは液浸液の下を移動する。液浸液は、投影システムと、液体閉じ込め構造と、基板及び基板テーブルと同一平面の表面との間に画定された空間内に閉じ込められる。表面は、基板テーブル又は基板の表面を含む。この方法は、測定された基板の物理特性を基板を支持するように構成された基板テーブルへ送信することを含んでもよい。
[00137] ある実施形態では、デバイス製造方法が提供される。この方法は、ロードと測定と低減と露光を含む。ロードでは、基板は、基板テーブルの表面の縁部によって画定された空間内にロードされる。ギャップが、基板テーブルの表面の縁部と基板の縁部との間に画定される。測定では、基板テーブル内の基板の物理特性が測定される。ギャップのサイズが測定される。低減では、ギャップ低減機構を用いて、基板の縁部と基板テーブルの表面の縁部との間のギャップが低減される。ギャップ低減機構は、測定された基板の物理特性と、測定されたギャップのサイズとに基づく。露光では、基板がパターン付放射で露光される。
[00138] プリアライナは、測定された基板の物理特性に関する情報をギャップ低減機構へ送信するように構成されてもよい。ギャップ低減機構は、基板の縁部と基板テーブルの表面の縁部との間のギャップが最小限になるように、ギャップを低減するように構成されてもよい。
[00139] ある実施形態では、プリアライナと、基板テーブルと、ギャップ低減機構とを備えるリソグラフィ投影装置が提供される。プリアライナは、基板の物理特性を測定するように構成された測定機構を含む。基板テーブルは、基板テーブルの表面の縁部によって画定された空間内に基板を支持するように構成される。ギャップ低減機構は、測定された基板の物理特性に関する情報に基づいて、基板の縁部と基板テーブルの表面の縁部との間に画定されたギャップを低減するように構成される。
[00140] リソグラフィ投影装置は、パターン付放射ビームを基板のターゲット部分に誘導するように構成された投影システムを含んでもよい。リソグラフィ装置は、投影システムと基板及び基板テーブルと同一平面の表面との間に画定された空間に液浸液を供給し、少なくとも部分的に閉じ込めるように構成された液体閉じ込め構造を含んでもよい。表面は、基板テーブル又は基板の表面を含んでもよい。液体閉じ込め構造及び/又は基板テーブルは、ギャップと液体閉じ込め構造との間に相対的な変位があるように、他方に対して移動するように構成されてもよい。
[00141] 基板テーブルと、測定機構と、ギャップ低減機構とを備えるリソグラフィ投影装置が提供される。基板テーブルは、基板テーブルの表面の縁部と基板の縁部との間にギャップを画定するために基板テーブルの表面の縁部によって画定された空間内に基板を支持するように構成される。測定機構は、基板の物理特性とギャップのサイズを測定するように構成される。ギャップ低減機構は、測定機構による測定に基づいて、基板の縁部と基板テーブルの縁部との間のギャップを低減するように構成される。
[00142] 測定機構は、本明細書に記載する測定を実行するように構成されてもよい。ギャップ低減機構は、本明細書に記載する方法を実行するように構成されてもよい。
[00143] ある実施形態では、本明細書に記載するリソグラフィ投影装置を備えるリソグラフィツールが提供される。
[00144] ある実施形態では、液浸リソグラフィ又はメトロロジー装置内の平面基板の縁部の三次元プロファイリング方法が提供される。この方法は、基板平面内及び基板平面に垂直の方向の基板の物理特性を測定するステップを含む。
[00145] ある実施形態では、メトロロジーツール用の装置又はリソグラフィ投影装置が提供される。この装置は、測定機構を含むプリアライナを備える。測定機構は、縁部の三次元プロファイルを決定するために、平面基板の縁部の物理特性を測定するように構成される。
[00146] プリアライナは、基板平面内の物理特性を測定するように構成されてもよい。プリアライナは、基板平面に垂直の方向の物理特性を測定するように構成されてもよい。
[00147] ある実施形態では、メトロロジーツール用の装置又はリソグラフィ投影装置が提供される。この装置は、基板テーブルと機構とを備える。基板テーブルは、基板テーブルの表面の縁部と基板の縁部との間にギャップを画定するために、基板テーブルの表面の縁部によって画定された空間内に基板を支持するように構成される。測定機構は、基板の物理特性とギャップのサイズを測定するように構成される。測定機構は、縁部の三次元プロファイルを決定するために、基板の縁部の物理特性を測定するように構成される。
[00148] 上記の説明は例示的であり、限定的ではない。それ故、添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、記載されたような本発明を変更できることが当業者には明白である。

Claims (9)

  1. 液浸リソグラフィ装置内の基板と基板テーブルとの間のギャップを低減する方法であって、
    前記基板の物理特性を測定すること、
    前記基板の縁部と前記液浸リソグラフィ装置内の前記基板を支持する基板テーブルの表面の縁部との間に画定されたギャップを、前記基板の前記測定された物理特性に基づいて低減すること、
    を含み、
    前記ギャップの前記低減は、前記ギャップ内に縁部材を位置決めすることを含み、
    前記物理特性の前記測定は、前記基板の前記縁部のプロファイルを入手することを含み、
    前記プロファイルは、前記基板の平面に対する及び前記基板の平面に垂直な方向における前記基板の前記縁部の変位値を表し、
    前記縁部材は、前記プロファイルの制御下で調整される、方法。
  2. 前記縁部材は、複数の円弧状のセグメントを含み、
    前記縁部材の前記位置決めは、互いに向けて前記複数の円弧状のセグメントを移動させて、前記縁部材の中心と前記縁部材の縁部との距離を低減することを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記縁部材は、実質的に堅固なリングを含み、
    前記縁部材の前記位置決めは、前記縁部材の一部分と前記基板の一部分との間のギャップが経時的に変化するように、前記縁部材を前記基板と同じ平面内で偏心して移動させることを含む、請求項1に記載の方法。
  4. 前記縁部材は、円弧状のセグメントを含み。
    前記縁部材の前記位置決めは、前記円弧状のセグメントが隣接して位置する前記基板の前記縁部の断面が経時的に変化するように、前記円弧状のセグメントを前記基板の周辺部周りを移動させることを含む、請求項1に記載の方法。
  5. 前記縁部材は、2つの端部がリング内の開口を画定する不完全なリングを含み、
    前記開口は、前記縁部材が圧縮されて前記縁部材の断面寸法が減少するにつれて長さが低減するように構成される、請求項1に記載の方法。
  6. 前記縁部材のセグメントは、開口を生成するために取り外し可能である、請求項5に記載の方法。
  7. 前記縁部材の一部分は、圧縮可能な材料で構成され、
    前記縁部材の前記位置決めは、前記部分を周囲から圧縮して、それ故前記縁部材の断面寸法を低減することを含む、請求項1に記載の方法。
  8. 前記縁部材は、周辺部に2つの端部を有する不完全なリング形状を含み、
    前記2つの端部は、前記縁部材が圧縮されて前記縁部材の断面寸法が低減されるにつれて重なるように構成される、請求項1に記載の方法。
  9. 板を支持する基板テーブルと、
    前記基板の物理特性を測定する測定機構と、
    前記基板の前記測定された物理特性に基づいて前記基板テーブルによって支持された前記基板の縁部と前記基板テーブルの縁部との間のギャップを低減するギャップ低減機構と、
    を備え
    前記ギャップ低減機構は、前記ギャップ内に縁部材を位置決めする手段により前記ギャップを低減し、
    前記物理特性は、前記基板の前記縁部のプロファイルを含み、
    前記プロファイルは、前記基板の平面に対する及び前記基板の平面に垂直な方向の前記基板の前記縁部の変位値を表し、
    前記ギャップ低減機構は、前記縁部材を前記プロファイルの制御下で調整する、液浸リソグラフィ装置。
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