JP5361371B2 - 感光性樹脂組成物 - Google Patents
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Description
本発明の感光性樹脂組成物を得るために用いられる感光性樹脂(A)は、1分子中に1個以上のラジカル重合性不飽和結合と1個以上のカルボキシル基を有する酸価20〜140mgKOH/gの感光性樹脂である。より好ましくは酸価30〜120mgKOH/g、さらに好ましくは40〜100mgKOH/gである。
1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂を出発原料として、これに不飽和一塩基酸と多塩基酸無水物を反応させることによって得られるものであれば良く、酸変性エポキシアクリレートの出発原料となるエポキシ樹脂としては、特に限定されず、1分子中に2個以上のエポキシ基を有する公知のエポキシ樹脂であればいずれも用いることができ、ビスフェノール型エポキシ樹脂;ビフェニル型エポキシ樹脂;脂環式エポキシ樹脂;テトラグリシジルアミノジフェニルメタン等の多官能性グリシジルアミン樹脂;テトラフェニルグリシジルエーテルエタン等の多官能性グリシジルエーテル樹脂;フェノールノボラック型エポキシ樹脂やクレゾールノボラック型エポキシ樹脂;フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、ナフトール等のフェノール化合物と、フェノール性ヒドロキシル基を有する芳香族アルデヒドとの縮合反応により得られるポリフェノール化合物と、エピクロルヒドリンとの反応物;フェノール化合物とジビニルベンゼンやジシクロペンタジエン等のジオレフィン化合物との付加反応により得られるポリフェノール化合物と、エピクロルヒドリンとの反応物;4−ビニルシクロヘキセン−1−オキサイドの開環重合物を過酸でエポキシ化したもの;トリグリシジルイソシアヌレート等の複素環を有するエポキシ樹脂;フェノールアラルキル型エポキシ樹脂;等が挙げられる。また、これらの各エポキシ樹脂の2分子以上を、多塩基酸、ポリフェノール化合物、多官能アミノ化合物あるいは多価チオール等の鎖延長剤との反応によって結合して鎖延長したものも使用できる。また、グリシジル(メタ)アクリレートのようなグリシジル基を有する単量体の単独重合体や共重合体であっても良い。これらは、1種または2種以上を用いることができる。
次に変性共重合体について説明する。
変性共重合体を得る方法としては、(a)エポキシ基含有エチレン性不飽和化合物を単量体成分として他の単量体との重合により得られる共重合体に、(メタ)アクリル酸等の不飽和一塩基酸を付加させた後、エポキシ基が開環して生成したヒドロキシル基に対して多塩基酸無水物を反応させる方法、(b)(メタ)アクリル酸等の不飽和一塩基酸を単量体成分として他の単量体との重合により得られる共重合体に、エポキシ基含有エチレン性不飽和化合物を反応させる方法、(c)2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシル基を有するエチレン性不飽和化合物を単量体成分として他の単量体との重合により得られるヒドロキシル基含有共重合体のヒドロキシル基に対して多塩基酸無水物を反応させてカルボキシル基を導入し、さらにそのカルボキシル基に対してエポキシ基含有エチレン性不飽和化合物を反応させる方法等、公知の手法が挙げられる。
本発明の感光性樹脂組成物は、1分子中に1個以上のアミド基と1個以上のヒドロキシル基を有する化合物(B)を配合することにより、分子中のアミド基による硬化部分の基板への密着性と、アミド基とヒドロキシル基の親水性による未硬化部分のアルカリ現像性とを両立し得る。
本発明の光重合開始剤(C)としては公知のものが使用でき、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル等のベンゾインとそのアルキルエーテル類;アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、4−(1−t−ブチルジオキシ−1−メチルエチル)アセトフェノン等のアセトフェノン類;2−メチルアントラキノン、2−アミルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン等のアントラキノン類;2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン等のチオキサントン類;アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタール等のケタール類;ベンゾフェノン、4−(1−t−ブチルジオキシ−1−メチルエチル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラキス(t−ブチルジオキシカルボニル)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン類;2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパン−1−オンや2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1;アシルホスフィンオキサイド類およびキサントン類等が挙げられる。
本発明の感光性樹脂組成物は、着色剤(D)として染顔料を用いる。耐熱性、耐光性の観点から、有機または無機の顔料が好ましく、具体的には、カラーインデックスCI(The Society of Dyers and Colourists 出版)でピグメント(pigment)に分類されている有機化合物等の有機顔料;金属酸化物または複合酸化物等の無機顔料;等が挙げられる。これらの着色剤(D)は、1種または2種以上混合して使用しても良い。
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂「YDCN−704」(東都化成製、エポキシ当量207.1)207.1部に、アクリル酸73部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート186部、トリフェニルホスフィン0.8部、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル0.03部を加えて均一溶液とし、120℃で15時間反応させ、反応物の酸価が7.2mgKOH/gになったことを確認した。次に、この溶液に、テトラヒドロ無水フタル酸66部を加え、100℃で5時間反応させた。酸価81mg/KOHの感光性樹脂(酸変性エポキシアクリレートタイプ)を65%含むプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液1を得た。
合成例1で用いたものと同じクレゾールノボラック型エポキシ樹脂「YDCN−704」207.1部に、アクリル酸73部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート178部、トリフェニルホスフィン0.8部、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル0.03部を加えて均一溶液とし、120℃で15時間反応させ、反応物の酸価が7.3mgKOH/gになったことを確認した。次に、この溶液に、無水コハク酸51部を加え、100℃で5時間反応させた。酸価98mg/KOHの感光性樹脂(酸変性エポキシアクリレートタイプ)を65%含むプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液2を得た。
撹拌装置、温度計、還流冷却器、ガス導入管および滴下ロートを備えた容器に、溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを260部仕込み、容器内を窒素ガス置換した後、撹拌しながら内温が110℃になるまで加熱した。別途、滴下ロートを2つ用意し、その1つに、N−フェニルマレイミド113.1部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート141.6部、スチレン45.3部および溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを200部混合して得た溶液を仕込んだ。また、他の1つに、重合開始剤として2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)[V−59;和光純薬工業社製]6部および溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを60部混合して得た溶液を仕込んだ。
合成例1で用いたものと同じクレゾールノボラック型エポキシ樹脂「YDCN−704」207.1部に、アクリル酸73部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート202部、トリフェニルホスフィン0.8部、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル0.03部を加えて均一溶液とし、120℃で15時間反応させ、反応物の酸価が6.9mgKOH/gになったことを確認した。次に、この溶液に、無水コハク酸95部を加え、100℃で5時間反応させた。酸価152mg/KOHの感光性樹脂(酸変性エポキシアクリレートタイプ)を65%含むプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液4を得た。
合成例1〜4で得た樹脂溶液を用いて、表1に示す配合の感光性樹脂組成物を調製した。以下の方法による評価を行い、結果を表1に併記した。
各感光性樹脂組成物をガラス基板上にスピンコートし(乾燥膜厚約5μ)、80℃で5分間予備乾燥させた。その後、30℃の1%炭酸ナトリウム水溶液中に30秒浸漬し、塗膜の残存度合いを下記基準により評価した。
○:完全に現像されている。
×:付着物が残る。
前記現像性評価と同様にして得た乾燥塗膜に対し、紫外線露光装置を用いて200mJ/cm2の紫外線を照射した。その後、30℃の1%炭酸ナトリウム水溶液中に60秒浸漬、水洗した。風乾後、光硬化性を下記基準により評価した。
○:塗膜に剥がれなし。
×:塗膜に剥がれあり。
前記現像性評価と同様にして得た乾燥塗膜に対し、パターンマスクを介して紫外線露光装置を用いて200mJ/cm2の紫外線を照射した。その後、30℃の1%炭酸ナトリウム水溶液中に60秒浸漬し未硬化の樹脂を溶解させた後、水洗した。風乾後に230℃で1時間ポストベークし、パターン形状観察により密着性を下記基準で評価した。
○:パターンに欠損なし。
×:パターンに欠損あり。
Claims (5)
- 1分子中に1個以上のラジカル重合性不飽和結合と1個以上のカルボキシル基を有する酸価20〜140mgKOH/gの感光性樹脂(A)、
2−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミド、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミド、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシピバリル(メタ)アクリルアミド、5−ヒドロキシペンチル(メタ)アクリルアミド、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリルアミドからなる群より選ばれる1分子中に1個以上のアミド基と1個以上のヒドロキシル基と1個以上のラジカル重合性不飽和結合を有する化合物(B)、光重合開始剤(C)とを含むことを特徴とする感光性樹脂組成物。 - 前記化合物(B)は感光性樹脂(A)100質量部に対し、3〜40質量部の範囲である請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記感光性樹脂(A)が酸変性エポキシアクリレートである請求項1または2に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記感光性樹脂(A)が変性共重合体である請求項1または2に記載の感光性樹脂組成物。
- さらに着色剤(D)を含むものである請求項1〜4のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
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