JP2009249387A - アルカリ可溶ラジカル硬化性樹脂および樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】現像性、硬化性等の基本特性に優れ、未硬化塗膜物性(タックフリー性、現像性)と硬化塗膜物性(耐水性、熱的特性)を両立させた感光性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】
ラジカル重合性単量体(A)とカルボキシル基と反応し得る官能基を1分子中に2個以上有する化合物(B)とを反応させて得られる樹脂であって、前記ラジカル重合性単量体(A)が1分子中に2個以上のカルボキシル基と2個以上のエチレン性不飽和結合を有し、前記カルボキシル基と反応し得る官能基がカルボキシル基との反応でアミド結合を形成し得る官能基であることを特徴とするアルカリ可溶ラジカル硬化性樹脂である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、アルカリ水溶液に可溶でラジカル硬化可能な樹脂組成物に関する。
画像形成用の感光性樹脂組成物は、写真法(フォトリソグラフィー)の原理を応用することによって微細加工が可能な上に、物性に優れた硬化物を与えて画像を形成できることから、電子部品関係の各種レジスト材料や印刷版等の用途に多用されている。近年では、環境対策の点から希薄な弱アルカリ水溶液で現像できるアルカリ現像型が主流になっている。
ネガ型の画像形成用感光性樹脂組成物を、写真法(フォトリソグラフィー)の工程に用いる場合には、先ず基板上に樹脂組成物を塗布し、続いて加熱乾燥を行って塗膜を形成させた後、この塗膜にパターン形成用フィルムを装着し、露光して、現像するという一連の工程が採用されている。このような工程において、加熱乾燥後の塗膜に粘着性が残存していると、剥離後のパターン形成用フィルムに一部のレジストが付着して正確なパターンの再現ができなくなったり、あるいはパターン形成用フィルムが剥離できない、といった問題があった。
このため、光感度も重要ではあるが、塗膜形成後のタックフリー性も画像形成用の感光性樹脂組成物の重要な要求特性であった。また、光硬化後の塗膜には、現像性に加えて、耐熱性や、耐水性、耐湿性等の長期信頼性に関わる特性が求められる。
上記各特性をある程度満足するものとして、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸を反応させて得られるビニルエステル(エポキシアクリレート)に酸無水物を反応させてカルボキシル基を導入したカルボキシル基含有ビニルエステルが知られている。このカルボキシル基含有ビニルエステルは、タックフリー性、光感度、現像性といった相反する特性をバランス良く満足している上に、硬化物に求められる耐熱性や耐水性等の重要特性も比較的良好であるが、さらに高いレベルでの向上、両立が求められている。
この目的に沿ったものとして、例えば、分子中に2個のカルボキシル基を有する(メタ)アクリレート化合物と分子中に2個のエポキシ基を有するエポキシ化合物を反応させて得られる不飽和基含有ポリカルボン酸樹脂を含有する樹脂組成物は、現像性、耐熱性、可撓性等の重要特性が良好であることが知られている(特許文献1参照)。しかしながら、合成時や保存時の安定性について改良の余地があった。
また、カルボキシル基を有する(メタ)アクリレートとオキサゾリン化合物との反応により得られる化合物も知られているが、感光性樹脂組成物中、カルボキシル基を有さない硬化成分としての使用(特許文献2参照)や、アルカリ現像を必要としない光硬化性用途(特許文献3参照)、他のアルカリ可溶性樹脂と組み合わせたポジ型感光性樹脂組成物(特許文献4)、熱硬化による成形品(特許文献5参照)といった開示で、当該化合物はアルカリ水溶液への溶解性が乏しく、ネガ型画像形成用感光性樹脂としては使用できないものであった。
特開2001−48945号公報 特開平2−268171号公報 特開平5−287037号公報 特開2006−267145号公報 特開2007−254505号公報
上記従来技術を考慮して、本発明では、貯蔵安定性が良好で、現像性、硬化性等の基本特性に優れ、未硬化塗膜のタックフリー性と硬化塗膜の耐熱性、耐水性にも優れたアルカリ可溶ラジカル硬化性樹脂を提供することを課題としている。
上記課題を解決した本発明のアルカリ可溶ラジカル硬化性樹脂は、ラジカル重合性単量体(A)とカルボキシル基と反応し得る官能基を1分子中に2個以上有する化合物(B)とを反応させて得られる樹脂であって、前記ラジカル重合性単量体(A)が1分子中に2個以上のカルボキシル基と2個以上のエチレン性不飽和結合を有し、前記カルボキシル基と反応し得る官能基がカルボキシル基との反応でアミド結合を形成し得る官能基であることを特徴とする。
上記アルカリ可溶ラジカル硬化性樹脂の酸価が20〜150mgKOH/gであること、上記ラジカル重合性単量体(A)がヒドロキシル基含有単量体(a1)と1分子中に2個以上の酸無水物基を有する多塩基酸無水物(a2)との反応物であること、100℃以下の反応温度で得ること、上記カルボキシル基と反応し得る官能基がオキサゾリン基であることの要件の少なくとも一つを満足させることが好ましい。また、本発明には、上記アルカリ可溶ラジカル硬化性樹脂と光重合開始剤とを含む感光性樹脂組成物やその硬化物、あるいは上記アルカリ可溶ラジカル硬化性樹脂を硬化させた硬化物も含まれる。
尚、本発明における単量体とは、重合体(ポリマー)の構成成分となり得る化合物(モノマー)のことを示す。
本発明のアルカリ可溶ラジカル硬化性樹脂は、ラジカル重合性単量体(A)とカルボキシル基と反応し得る官能基を1分子中に2個以上有する化合物(B)とを反応させて得られる樹脂であって、前記ラジカル重合性単量体(A)が1分子中に2個以上のカルボキシル基と2個以上のエチレン性不飽和結合を有し、前記カルボキシル基と反応し得る官能基がカルボキシル基との反応でアミド結合を形成し得る官能基である。このことによって、貯蔵安定性が良好で、現像性、硬化性等の基本特性に優れ、未硬化塗膜のタックフリー性と硬化塗膜の耐熱性、耐水性にも優れることを見い出した。
従って、本発明の感光性樹脂組成物は、アルカリ現像可能な画像形成用感光性樹脂組成物として、例えば、エッチングレジスト、無電解メッキレジスト、ビルドアップ法プリント配線板の絶縁層、印刷製版、さらには、カラーフィルターの保護膜、カラーフィルター、ブラックマトリックス、フォトスペーサー等の液晶表示板製造用等の各種の用途に好適に使用できる。
本発明のアルカリ可溶ラジカル硬化性樹脂は、ラジカル重合性単量体(A)とカルボキシル基と反応し得る官能基を1分子中に2個以上有する化合物(B)とを反応させて得られる樹脂であって、前記ラジカル重合性単量体(A)が1分子中に2個以上のカルボキシル基と2個以上のエチレン性不飽和結合を有し、前記カルボキシル基と反応し得る官能基がカルボキシル基との反応でアミド結合を形成し得る官能基である。すなわち、2個以上のカルボキシル基の一部とカルボキシル基と反応し得る官能基とを反応させることで、分子量を増大させつつもカルボキシル基を残存させることで、アルカリ可溶性のラジカル硬化性樹脂を得るものである。その結果、硬化前のタックフリー性、アルカリ現像性をバランス良く向上させることができた。
本発明のアルカリ可溶ラジカル硬化性樹脂を得るために用いられるラジカル重合性単量体(A)は、1分子中に2個以上のカルボキシル基と2個以上のエチレン性不飽和結合を有するものである。このようなラジカル重合性単量体(A)は、ヒドロキシル基含有単量体(a1)と1分子中に2個以上の酸無水物基を有する多塩基酸無水物(a2)との反応により得られる。
ヒドロキシル基含有単量体(a1)としては、1個以上のヒドロキシル基と1個以上のエチレン性不飽和結合を有するラジカル重合性単量体、例えば、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシアルキルビニルエーテル等であり、アルキルとしては、好ましくはアルキル炭素数1〜16、より好ましくは1〜8のものが挙げられる。具体的には2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールモノ(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル等が挙げられる。また、アリルアルコール等の不飽和アルコール類、p−ヒドロキシスチレン等の芳香環を有するヒドロキシル化合物等使用可能であり、これらの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
この中でも、多塩基酸無水物(a2)との反応性が良好であることから、1級のアルコール性水酸基を有するものが好ましく、特に好ましいものは2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートである。
また、上記ヒドロキシル基含有単量体にアルキレンオキサイドを付加した化合物、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートのポリカプロラクトン変性物である「プラクセルF」シリーズ(ダイセル化学工業社製)、1,18−オクタデカンジカルボン酸や1,16−(6−エチルヘキサデカン)ジカルボン酸等の長鎖二塩基酸とグリシジルメタクリレート等のエポキシ基含有単量体との反応物等の長鎖アルコール類は、硬化塗膜に可撓性を付与することができるので、このような性質が塗膜に求められる場合は特に好適に用いられる。
1分子中に2個以上の酸無水物基を有する多塩基酸無水物(a2)としては、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、ブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物等の脂肪族あるいは芳香族四塩基酸二無水物、無水マレイン酸を(共)重合して得られる酸無水物基含有ポリマー等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を使用することができる。この中でも、入手が容易で、硬化物物性が良好な点から、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物が好ましい。
ヒドロキシル基含有単量体(a1)と多塩基酸無水物(a2)との反応は、ヒドロキシル基含有単量体(a1)が有するヒドロキシル基1モルに対し、多塩基酸無水物(a2)が有する酸無水物基を0.8〜1.2モルとするのが好ましい。より好ましくは0.9〜1.1モルであり、この範囲とすることで、未反応のヒドロキシル基や酸無水物基が低減できるため、保存安定性や硬化物物性がより向上する。
本発明では、1分子中に2個以上の酸無水物基を有する多塩基酸無水物(a2)以外に二塩基酸無水物を併用しても良い。このような二塩基酸無水物としては、無水フタル酸、無水コハク酸、オクテニル無水コハク酸、ペンタドデセニル無水コハク酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、3,6−エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、テトラブロモ無水フタル酸、トリメリット酸等が挙げられる。
二塩基酸無水物の割合は、1分子中に2個以上の酸無水物基を有する多塩基酸無水物(a2)と二塩基酸無水物とを合わせた多塩基酸無水物全体100モル%に対して40モル%以下、好ましくは30モル%以下、さらに好ましく20モル%以下の使用量とすることで、次工程の反応(本発明のアルカリ可溶ラジカル硬化性樹脂を得る反応)後、タックフリー性やアルカリ現像性を十分維持するための分子量や酸価とすることができる。
ヒドロキシル基含有単量体(a1)と多塩基酸無水物(a2)との反応は、後述するラジカル重合性モノマーや溶媒等の希釈剤の存在下あるいは非存在下で、ハイドロキノンや酸素等の重合禁止剤、およびトリエチルアミン等の三級アミン、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩、2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール化合物、トリフェニルホスフィンやテトラフェニルホスホニウムブロマイド等のリン化合物、金属の有機酸塩または無機酸塩(塩化リチウム等)あるいはキレート化合物等の反応触媒の共存下、50〜150℃、好ましくは60〜120℃で反応させればよい。
本発明のアルカリ可溶ラジカル硬化性樹脂は、このようにして得られたラジカル重合性単量体(A)とカルボキシル基と反応し得る官能基を1分子中に2個以上有する化合物(B)との反応により得られる。
カルボキシル基と反応してアミド結合を形成し得る官能基としては、オキサゾリン基、イソシアネート基が挙げられる。
これらの官能基を1分子中に2個以上有する化合物(B)として、官能基としてオキサゾリン基を有する化合物としては、2,2'−ビス(2−オキサゾリン)、2,2'−ビス(4−メチル−2−オキサゾリン)、1,3−ビス(2−オキサゾリン−2−イル)ベンゼン、1,4−ビス(2−オキサゾリン−2−イル)ベンゼン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリンを(共)重合して得られるオキサゾリン基含有ポリマー等が挙げられる。
官能基としてイソシアネート基を有する化合物としては、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、(メタ)アクリロイルオキシイソシアネートを(共)重合して得られるイソシアネート基含有ポリマー等が挙げられる。
これらの中でも、反応の進み易さからオキサゾリン基を有する化合物が好ましく、入手が容易である点で、1,3−ビス(2−オキサゾリン−2−イル)ベンゼンが最も好ましい。
本発明のアルカリ可溶ラジカル硬化性樹脂の酸価は、20mgKOH/g以上、150mgKOH/g以下が好ましい。より好ましくは30mgKOH/g以上、120mgKOH/g以下、さらに好ましくは40mgKOH/g以上、100mgKOH/g以下である。この範囲とすることで、硬化前のアルカリ現像性、硬化物の耐水性をよりバランス良く向上させることができる。
また、本発明では、ラジカル重合性単量体(A)とカルボキシル基と反応し得る官能基を1分子中に2個以上有する化合物(B)との反応は、ラジカル重合性単量体(A)が有するカルボキシル基1モルに対し、カルボキシル基と反応し得る官能基を0.9モル以下とすることが好ましい。より好ましくは0.8モル以下、さらに好ましくは0.7モル以下である。これら以下で使用することで、適度な分子量、酸価となるため、より良好なアルカリ現像性となる。また、ラジカル重合性単量体(A)が有するカルボキシル基1モルに対し、カルボキシル基と反応し得る官能基を0.2モル以上とすることが好ましい。より好ましくは0.3モル以上、さらに好ましくは0.4モル以上である。これら以上で使用することで低分子量で残存するラジカル重合性単量体(A)が低減できるため、未硬化塗膜のタックフリー性が向上する。
ここでも、後述するラジカル重合性モノマーや溶媒等の希釈剤の存在下あるいは非存在下で、ハイドロキノンや酸素等の重合禁止剤の共存下で反応させればよい。反応触媒としては、前記したヒドロキシル基含有単量体(a1)と多塩基酸無水物(a2)との反応において用いた触媒がここでも使用可能であり、適宜追加しても良い。
ここでの反応温度は50〜150℃が好ましい。より好ましい反応温度上限は100℃、さらに好ましくは90℃で、この温度以下で反応させることで、副反応に起因するゲル化懸念や着色をより低減できる。また、より好ましい反応温度下限は55℃、さらに好ましくは60℃である。この温度以上とすることで、速やかに反応が進行する。
本発明のアルカリ可溶ラジカル硬化性樹脂は、カルボキシル基に対してエポキシ基を反応させずに得られることから、エポキシ基の開環時に生成するヒドロキシル基を有さない構造となる。従って、合成中や保存中において、ヒドロキシル基が関与するエステル交換に起因すると考えられる副反応、粘度上昇、ゲル化を引き起こすことが抑制される。
また、本発明のアルカリ可溶ラジカル硬化性樹脂はアミド結合を有しており、その強い水素結合に起因する分子間相互作用により、硬化物の耐熱性、耐水性が向上している。
本発明のアルカリ可溶ラジカル硬化性樹脂は、ベンゾイルパーオキサイドやクメンハイドロパーオキサイド等の公知の熱重合開始剤を使用することにより熱重合も可能であるが、光重合開始剤を配合した感光性樹脂組成物とすることで、光によるラジカル重合が可能となる。
光重合開始剤としては公知のものが使用でき、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル等のベンゾインとそのアルキルエーテル類;アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、4−(1−t−ブチルジオキシ−1−メチルエチル)アセトフェノン等のアセトフェノン類;2−メチルアントラキノン、2−アミルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン等のアントラキノン類;2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン等のチオキサントン類;アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタール等のケタール類;ベンゾフェノン、4−(1−t−ブチルジオキシ−1−メチルエチル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラキス(t−ブチルジオキシカルボニル)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン類;2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパン−1−オンや2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1;アシルホスフィンオキサイド類およびキサントン類等が挙げられる。
これらの光重合開始剤は1種または2種以上の混合物として使用され、アルカリ可溶ラジカル硬化性樹脂と後述するラジカル重合性化合物の合計100質量部に対し、0.5〜30質量部含まれていることが好ましい。光重合開始剤の量が0.5質量部より少ない場合には、光照射時間を増やさなければならなかったり、光照射を行っても重合が起こりにくかったりするため、適切な表面硬度が得られなくなる。尚、光重合開始剤を30質量部を越えて配合しても、多量に使用するメリットは少ない。
本発明の感光性樹脂組成物には、ラジカル重合性化合物が含まれていてもよい。ラジカル重合性化合物としては、ラジカル重合性樹脂とラジカル重合性モノマーとがある。
ラジカル重合性樹脂としては、不飽和ポリエステル、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート等が使用できる。
ラジカル重合性モノマーとしては、単官能モノマー(ラジカル重合性二重結合が1個)と多官能モノマー(ラジカル重合性二重結合が2個以上)のいずれも使用可能である。ラジカル重合性モノマーは光重合に関与するため、得られる硬化物の特性を改善する上に、各種反応時の溶媒としても使用でき、さらには、感光性樹脂組成物の粘度を調整することもできる。ラジカル重合性モノマーを使用する場合の好ましい使用量は、本発明のアルカリ可溶ラジカル硬化性樹脂100質量部に対し、300質量部以下(より好ましくは100質量部以下)である。
ラジカル重合性モノマーの具体例としては、N−フェニルマレイミド、N−(2−メチルフェニル)マレイミド、N−(4−メチルフェニル)マレイミド、N−(2,6−ジエチルフェニル)マレイミド、N−(2−クロロフェニル)マレイミド、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−イソプロピルマレイミド、N−ラウリルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルメチルマレイミド、N−(2,4,6−トリブロモフェニル)マレイミド、N−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]マレイミド、N−オクタデセニルマレイミド、N−ドデセニルマレイミド、N−(2−メトキシフェニル)マレイミド、N−(2,4,6−トリクロロフェニル)マレイミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)マレイミド、N−(1−ヒドロキシフェニル)マレイミド等のN−置換マレイミド基含有単量体;スチレン、α−メチルスチレン、α−クロロスチレン、ビニルトルエン、p−ヒドロキシスチレン、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、ジアリルベンゼンホスホネート等の芳香族ビニル系単量体;酢酸ビニル、アジピン酸ビニル等のビニルエステルモノマー;(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、ペンタエリスリトールモノ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンモノ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールモノ(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、(ジ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリス[2−(メタ)アクリロイルオキシエチル]トリアジン、デンドリチックアクリレート等の(メタ)アクリル系単量体;n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、n−ヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル等の(ヒドロキシ)アルキルビニル(チオ)エーテル;(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(イソプロペノキシエトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(イソプロペノキシエトキシエトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(イソプロペノキシエトキシエトキシエトキシエトキシ)エチル等のラジカル重合性二重結合を有するビニル(チオ)エーテル;無水マレイン酸等の酸無水物基含有単量体あるいはこれをアルコール類、アミン類、水等により酸無水物基を開環変性した単量体;N−ビニルピロリドン、N−ビニルオキサゾリドン等のN−ビニル系単量体;アリルアルコール、トリアリルシアヌレート等、ラジカル重合可能な二重結合を1個以上有する化合物が挙げられる。
これらは、感光性樹脂組成物の用途や要求特性に応じて適宜選択され、1種または2種以上を混合して用いることができる。
本発明の組成物を基材に塗布する際の作業性等の観点から、組成物中に溶媒を配合してもよい。溶媒としては、反応を阻害したり、原料各成分を変質させるおそれの無い溶媒であれば特に限定されず、例えば、特開2005−141011号公報(0024)段に記載の炭化水素類、エステル類、エーテル類、アミド類、スルホキシド類などの各種溶媒が挙げられ、これらの1種または2種以上を混合して用いることができる。
本発明の組成物には、さらに必要に応じて、タルク、クレー、硫酸バリウム等の充填材、着色用顔料、消泡剤、カップリング剤、レベリング剤、増感剤、離型剤、滑剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、重合抑制剤、増粘剤等の公知の添加剤を添加してもよい。また、各種強化繊維を補強用繊維として用い、繊維強化複合材料とすることができる。
本発明の感光性樹脂組成物を画像形成用として使用する場合には、通常、基材に公知の方法で塗布・乾燥し、露光して硬化塗膜を得た後、未露光部分をアルカリ水溶液に溶解させてアルカリ現像を行う。
現像に使用可能なアルカリの具体例としては、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属化合物;水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属化合物;アンモニア;モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノプロピルアミン、ジメチルプロピルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ポリエチレンイミン等の水溶性有機アミン類が挙げられ、これらの1種または2種以上を使用することができる。
本発明の感光性樹脂組成物は、液状のものを直接基材に塗布する方法以外にも、予めポリエチレンテレフタレート等のフィルムに塗布して乾燥させたドライフィルムの形態で使用することもできる。この場合、ドライフィルムを基材に積層し、露光前または露光後にフィルムを剥離すればよい。
また、印刷製版分野で最近多用されているCTP(Computer To Plate)システム、すなわち、露光時にパターン形成用フィルムを使用せず、デジタル化されたデータによってレーザー光を直接塗膜上に走査・露光して描画する方法を採用することができる。
以下、実施例によって本発明をさらに詳述するが、下記実施例は本発明を制限するものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施をすることは全て本発明の技術的範囲に包含される。尚、以下の説明では特に断らない限り、「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」を表す。
合成例1(実施例1)
攪拌装置、温度計、還流冷却器、ガス導入管を備えた容器に、2−ヒドロキシエチルメタクリレート131.4部(ヒドロキシル基1.01モル)、ピロメリット酸二無水物109.1部(酸無水物基1モル)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート162.1部、トリフェニルホスフィン0.3部、メチルハイドロキノン0.6部を仕込み、80℃で5時間反応させ、反応物の酸価が140になったことを確認した。
次いで、1,3−ビス(2−オキサゾリン−2−イル)ベンゼン60.5部(オキサゾリン基0.56モル)を加えて、80℃で5時間反応させて、酸価84mgKOH/gのアルカリ可溶ラジカル硬化性樹脂A−1を65%含むジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液を得た。
合成例2(実施例2)
攪拌装置、温度計、還流冷却器、ガス導入管を備えた容器に、2−ヒドロキシエチルメタクリレート131.4部(ヒドロキシル基1.01モル)、ピロメリット酸二無水物109.1部(酸無水物基1モル)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート162.1部、トリフェニルホスフィン0.3部、メチルハイドロキノン0.6部を仕込み、80℃で5時間反応させ、反応物の酸価が140になったことを確認した。
次いで、1,3−ビス(2−オキサゾリン−2−イル)ベンゼン60.5部(オキサゾリン基0.56モル)を加えて、110℃で3時間反応させて、酸価83mgKOH/gのアルカリ可溶ラジカル硬化性樹脂A−2を65%含むジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液を得た。
合成例3(実施例3)
攪拌装置、温度計、還流冷却器、ガス導入管を備えた容器に、2−ヒドロキシエチルメタクリレート131.4部(ヒドロキシル基1.01モル)、ピロメリット酸二無水物109.1部(酸無水物基1モル)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート164.4部、トリフェニルホスフィン0.3部、メチルハイドロキノン0.6部を仕込み、80℃で5時間反応させ、反応物の酸価が139になったことを確認した。
次いで、1,3−ビス(2−オキサゾリン−2−イル)ベンゼン64.9部(オキサゾリン基0.6モル)を加えて、80℃で5時間反応させて、酸価75mgKOH/gのアルカリ可溶ラジカル硬化性樹脂A−3を65%含むジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液を得た。
合成例4(実施例4)
攪拌装置、温度計、還流冷却器、ガス導入管を備えた容器に、2−ヒドロキシエチルメタクリレート131.4部(ヒドロキシル基1.01モル)、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物179.1部(酸無水物基1モル)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート199.8部、トリフェニルホスフィン0.4部、メチルハイドロキノン0.7部を仕込み、120℃で3時間反応させ、反応物の酸価が110になったことを確認した。
次いで、1,3−ビス(2−オキサゾリン−2−イル)ベンゼン60.5部(オキサゾリン基0.56モル)を加えて、80℃で5時間反応させて、酸価67mgKOH/gのアルカリ可溶ラジカル硬化性樹脂A−4を65%含むジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液を得た。
合成例5(比較例1)
攪拌装置、温度計、還流冷却器、ガス導入管を備えた容器に、2−ヒドロキシエチルメタクリレート131.4部(ヒドロキシル基1.01モル)、ピロメリット酸二無水物109.1部(酸無水物基1モル)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート182.3部、トリフェニルホスフィン0.3部、メチルハイドロキノン0.7部を仕込み、80℃で5時間反応させ、反応物の酸価が133になったことを確認した。
次いで、フェニレン型エポキシ樹脂(商品名「YDC−1312」;東都化成製;エポキシ当量175.1)98.1部(エポキシ基0.56モル)を加えて、90℃で12時間反応させて、反応物の酸価が62となったところで反応を打ち切った。酸価95mgKOH/gの比較用ラジカル硬化性樹脂B−1を65%含むジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液を得た。
合成例6(比較例2)
攪拌装置、温度計、還流冷却器、ガス導入管を備えた容器に、2−ヒドロキシエチルメタクリレート131.4部(ヒドロキシル基1.01モル)、ピロメリット酸二無水物109.1部(酸無水物基1モル)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート182.3部、トリフェニルホスフィン0.3部、メチルハイドロキノン0.7部を仕込み、80℃で5時間反応させ、反応物の酸価が133になったことを確認した。
次いで、合成例4で用いたものと同じフェニレン型エポキシ樹脂、YDC−1312を98.1部(エポキシ基0.56モル)加えて110℃で反応させた。5時間後、反応物の酸価が58となったところでゲル化した。このことから、エポキシ樹脂と反応させた場合は安定性に乏しいことが判明した。
[アルカリ可溶ラジカル重合性樹脂としての評価]
〈保存安定性〉
合成例1〜5で得た樹脂溶液について保存安定性を評価して、結果を表1に示した。尚、保存安定性は、20mlスクリュー管瓶に各樹脂溶液を10gずつ入れて80℃オーブン中に保管し、ゲル化するまでの日数で評価した。
[感光性樹脂組成物としての評価]
合成例1〜5で得た各アルカリ可溶ラジカル硬化性樹脂溶液100部と、多官能モノマーとして、「ARONIX(登録商標)M−315」(東亞合成社製;トリスヒドロキシエチルイソシアヌレート トリアクリレート)10部、光重合開始剤として、「イルガキュアー(登録商標)907」(チバ・ジャパン社製;2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロペン−1−オン)5部を混合し、感光性樹脂組成物を得た。下記の各種特性評価を行い、評価結果を表1に示す。
〈タックフリー性〉
各樹脂組成物を、脱脂洗浄した厚さ1.6mmの銅張積層板上に20〜30μmの厚さに塗布し、熱風循環式乾燥炉中において80℃で30分間乾燥させ、塗膜を得た。この塗膜のタックフリー性を指触により下記基準で評価した。
○:全くタックが認められない
△:わずかにタックが認められる
×:顕著にタックが認められる。
〈現像性〉
タックフリー性評価のときと同様に乾燥塗膜を形成した。次いで1%炭酸ナトリウム水溶液を使用して30℃で60秒間および90秒間現像を行い、残存する樹脂塗膜の存在を下記基準で目視で評価した。
○:現像性良好(銅面上に付着物が全くない)
△:現像性やや不良(銅面上に付着物が若干残る)
×:現像性不良(銅面上に付着物が著しく残る、あるいは全く現像されない)。
〈光硬化性〉
タックフリー性評価のときと同様に乾燥塗膜を形成し、1kWの超高圧水銀灯を用いて500mJ/cm2 の光量を照射し、塗膜を硬化させた。次いで1%炭酸ナトリウム水溶液を使用して30℃で120秒間現像を行い、塗膜の残存度合いにより光硬化性を下記基準で目視で評価した。尚、前記現像性評価で×(現像性不良)であったものについては、評価しなかった。
○:塗膜に影響なし(光硬化性良好)
×:塗膜に剥がれあり(光硬化性不良)。
〈耐煮沸性〉
タックフリー性評価のときと同様に乾燥塗膜を形成し、1kWの超高圧水銀灯を用いて500mJ/cm2 の光量を照射し、塗膜を硬化させた。次いで、高温条件として150℃で30分間加熱した後、さらに、煮沸しているイオン交換水中に30秒間浸漬した。浸漬後の塗膜の状態を下記基準で目視で評価した。
○:塗膜の外観に異常なし
×:塗膜の一部に膨潤、剥離あり。
〈熱的性質〉
各樹脂組成物を、ポリエチレンテレフタレートフィルムに乾燥後の膜厚が約100μmになるように塗布した後、80℃で30分間乾燥させ、塗膜を得た。次いで、紫外線露光装置を用いて2J/cmの露光を行った後、さらに、160℃で1時間加熱した。室温まで冷却した後、ポリエチレンテレフタレートフィルムから硬化塗膜を剥離して試験片を得た。この試験片を用い、熱分析装置TMAを用いて引っ張りモードにて、ガラス転移温度および60〜160℃での線膨張率を測定した。
Figure 2009249387
合成例1、3に示すように、カルボキシル基とオキサゾリン基とは速やかに反応した。また、表1に示すように、得られた樹脂溶液は保存安定性が良好で、感光性樹脂組成物として用いた場合、未硬化塗膜としてタックフリー性、現像性、硬化性に優れ、硬化後の耐水性、耐熱性も良好であった。反応温度を上げた合成例2、4では、現像性は僅かに劣るものの、その他の特性については同様に良好であった。
一方、オキサゾリン化合物に換えてエポキシ化合物を用いた場合、合成例5に示すようにオキサゾリンに比べて反応が遅い上、表1に示すように保存中の安定性に乏しく、現像性や硬化塗膜物性も劣っていた。また、合成例6のように、反応速度を上げるべく反応温度を上げるとゲル化したことから、合成時の安定性にも劣ることが判った。
以上のように、本発明の感光性樹脂組成物は、タックフリー性を有し、現像性、光硬化性にも優れている。また、硬化塗膜については優れた耐水性を有し、低線膨張率であることが確認できた。従って、本発明の感光性樹脂組成物は、アルカリ現像可能な画像形成用感光性樹脂組成物として、例えば、エッチングレジスト、無電解メッキレジスト、ビルドアップ法プリント配線板の絶縁層、印刷製版、液晶表示板製造用等の各種の用途に好適に使用できる。

Claims (8)

  1. ラジカル重合性単量体(A)とカルボキシル基と反応し得る官能基を1分子中に2個以上有する化合物(B)とを反応させて得られる樹脂であって、前記ラジカル重合性単量体(A)が1分子中に2個以上のカルボキシル基と2個以上のエチレン性不飽和結合を有し、前記カルボキシル基と反応し得る官能基がカルボキシル基との反応でアミド結合を形成し得る官能基であることを特徴とするアルカリ可溶ラジカル硬化性樹脂。
  2. 酸価が20〜150mgKOH/gである請求項1に記載のアルカリ可溶ラジカル硬化性樹脂。
  3. 上記ラジカル重合性単量体(A)がヒドロキシル基含有単量体(a1)と1分子中に2個以上の酸無水物基を有する多塩基酸無水物(a2)との反応物である請求項1または2のいずれかに記載のアルカリ可溶ラジカル硬化性樹脂。
  4. 100℃以下の反応温度で得ることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のアルカリ可溶ラジカル硬化性樹脂。
  5. 上記カルボキシル基と反応し得る官能基がオキサゾリン基である請求項1〜4のいずれかに記載のアルカリ可溶ラジカル硬化性樹脂。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のアルカリ可溶ラジカル硬化性樹脂と光重合開始剤を含むことを特徴とする感光性樹脂組成物。
  7. 請求項6に記載の感光性樹脂組成物を硬化させて得られた硬化物。
  8. 請求項1〜5のいずれかに記載のアルカリ可溶ラジカル硬化性樹脂を硬化させて得られた硬化物。
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