JP6325371B2 - イミド基含有樹脂およびイミド基含有樹脂組成物 - Google Patents

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本発明は、アルカリ水溶液に可溶なイミド基含有樹脂およびイミド基含有樹脂組成物に関する。
画像形成用の感光性樹脂組成物は、写真法(フォトリソグラフィー)の原理を応用することによって微細加工が可能な上に、物性に優れた硬化物を与えて画像を形成できることから、電子部品関係の各種レジスト材料や印刷版等の用途に多用されている。近年では、環境対策の点から希薄な弱アルカリ水溶液で現像できるアルカリ現像型が主流になっている。
ネガ型の画像形成用感光性樹脂組成物を、写真法(フォトリソグラフィー)の工程に用いる場合には、先ず基板上に樹脂組成物を塗布し、続いて加熱乾燥を行って塗膜(硬化物)を形成させた後、この塗膜にパターン形成用フィルムを装着し、露光して、現像するという一連の工程が採用されている。このような工程において、加熱乾燥後の塗膜に粘着性が残存していると、剥離後のパターン形成用フィルムに一部のレジストが付着して正確なパターンの再現ができなくなったり、あるいはパターン形成用フィルムが剥離できない、といった問題があった。
このため、光感度も重要ではあるが、塗膜形成後のタックフリー性も画像形成用の感光性樹脂組成物の重要な要求特性であった。また、光硬化後の塗膜には、現像性に加えて、耐熱性や、耐水性、耐湿性等の長期信頼性に関わる特性が求められる。
上記各特性をある程度満足するものとして、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸を反応させて得られるビニルエステル(エポキシアクリレート)に酸無水物を反応させてカルボキシル基を導入したカルボキシル基含有ビニルエステルが知られている。このカルボキシル基含有ビニルエステルは、タックフリー性、光感度、現像性といった相反する特性をバランス良く満足している上に、硬化物に求められる耐熱性や耐水性等の重要特性も比較的良好であるが、さらに高いレベルでの向上、両立が求められている。
この目的に沿ったものとして、例えば、分子中に2個のカルボキシル基を有する(メタ)アクリレート化合物と分子中に2個のエポキシ基を有するエポキシ化合物を反応させて得られる不飽和基含有ポリカルボン酸樹脂を含有する樹脂組成物は、現像性、耐熱性、可撓性等の重要特性が良好であることが知られている(特許文献1参照)。しかしながら、技術の進歩に伴って、さらにハイレベルな特性が求められており、例えば、微細なパターン形成に適合し得る高度な寸法安定性や、より高い温度条件での処理に耐えることが要求されるようになっている。
その他、上述した化合物以外に、耐熱性の良好な硬化型樹脂として、ポリアミドイミド樹脂が開示されている(特許文献2参照)。この文献には、耐熱衝撃性、耐熱性、耐加水分解性等の諸特性向上の記載があるが、使用溶媒の環境への負担の点など、各種分野への適用において改善の余地があった。
また、現像時に使用するアルカリ現像液についても、水酸化カリウムや水酸化ナトリウムといった強アルカリ水溶液を用いなければならない場合、露光硬化部分も剥離してしまうことがあり、高精度に現像するためには非常に綿密な現像条件を設定して制御しなければならない。また、安全性や廃液処理の点で問題があることから、弱アルカリ水溶液で現像可能なものが求められていた。
特開2001−48945号公報 特開昭58−174441号公報
したがって、本発明の目的は、取扱い性が良く、良好なアルカリ現像性、優れた耐熱性を発現するイミド基含有樹脂およびイミド基含有樹脂組成物を提供することである。
本発明者らは、鋭意検討の結果、特定のイミド基含有樹脂が優れた耐熱性を有しつつアルカリ現像性を発現することを見出した。
すなわち、本発明の目的は、下記(1)〜()により達成される。
(1)カルボン酸無水物構造を有する化合物(a)と1分子中に2個のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物(b)を必須成分とする混合物を反応させて得られるイミド基含有樹脂であって、各成分が以下の関係(i)および(ii)を満たすイミド基含有樹脂。
(i)イソシアネート化合物(b)とカルボン酸無水物構造を有する化合物(a)のモル比((b)/(a))が0.55〜0.75である。
(ii)カルボン酸無水物構造を有する化合物(a)は、トリカルボン酸の無水物(a1)を必須成分として含み、さらにテトラカルボン酸の無水物(a2)を含んでも良く、テトラカルボン酸の無水物(a2)とトリカルボン酸の無水物(a1)のモル比((a2)/(a1))が0〜0.3である。
(2)上記イソシアネート化合物(b)が脂環式構造を有するものである(1)に記載のイミド基含有樹脂。
(3)上記(1)または(2)に記載のイミド基含有樹脂と、有機溶剤とを含んでなるイミド基含有樹脂組成物。
(4)上記有機溶剤が窒素原子および硫黄原子のいずれも含まない極性溶剤を含んでなる(3)に記載のイミド基含有樹脂組成物。
(5)画像形成用の感光性樹脂組成物に用いる、上記(1)若しくは(2)に記載のイミド基含有樹脂または上記(3)若しくは(4)に記載のイミド基含有樹脂組成物。
)上記(1)、(2)、及び(5)の何れか1つに記載のイミド基含有樹脂、または上記(3)から(5)の何れか1つに記載のイミド基含有樹脂組成物から得られた硬化物。
本発明のイミド基含有樹脂組成物は、取扱い性、アルカリ現像性が良好で、得られる硬化物は耐熱性に優れるものであった。
本発明のイミド基含有樹脂は、カルボン酸無水物構造を有する化合物(a)と1分子中に2個のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物(b)を必須成分とする混合物を特定モル比で反応させて得られることを特徴とするものである。
カルボン酸無水物構造を有する化合物(a)は1種又は2種以上の化合物が含まれていても良く、1分子中に1個以上のカルボキシル基およびカルボン酸無水物構造を有する化合物を含むことが好ましい。1分子中に1個以上のカルボキシル基およびカルボン酸無水物構造を有する化合物(a)としては特に限定されないが、1分子中に1個〜5個のカルボキシル基およびカルボン酸無水物構造を有することが好ましく、中でもトリカルボン酸の無水物(a1)が好ましい。
トリカルボン酸の無水物(a1)としては、例えば、無水トリメリット酸、ナフタレン−1,2,4−トリカルボン酸無水物、シクロヘキサン−1,2,4−トリカルボン酸無水物等が挙げられ、これらは1種または2種以上を用いることができる。
また、テトラカルボン酸の無水物(a2)を含んでもよく、テトラカルボン酸の無水物(a2)としては、例えば、ピロメリット酸二無水物、ベンゾフェノン−3,4,3’,4’−テトラカルボン酸二無水物、ジフェニルエーテル−3,4,3’,4’−テトラカルボン酸二無水物、ベンゼン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、ビフェニル−3,4,3’,4’−テトラカルボン酸二無水物、ビフェニル−2,3,2’,3’−テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン−2,3,6,7−テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン−1,2,4,5−テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン−1,8,4,5−テトラカルボン酸二無水物、デカヒドロナフタレン−1,8,4,5−テトラカルボン酸二無水物、4,8−ジメチル−1,2,3,5,6,7−ヘキサヒドロナフタレン−1,2,5,6−テトラカルボン酸二無水物、フェナントレン−1,2,9,10−テトラカルボン酸二無水物、ベリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,3−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物等が挙げられる。
特に、取扱い性、アルカリ現像性の点から、トリカルボン酸の無水物(a1)単独が好ましく、テトラカルボン酸の無水物(a2)とトリカルボン酸の無水物(a1)とを併用して使用する場合(モル比((a2)/(a1))が0を超える場合)には、モル比((a2)/(a1))として0.3以下が好ましい。より好ましくは0.25以下、さらに好ましくは0.2以下である。
1分子中に2個のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物(b)としては、分子内に2個のイソシアネート基を有する化合物が使用可能であり、たとえばo−トリレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−キシレンジイソシアネート、m−キシレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3'−ジメチルジフェニル−4,4'−ジイソシアネート、3,3'−ジエチルジフェニル−4,4'−ジイソシアネート、m−キシレンジイソシアネート、p−キシレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート類、またイソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4'−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、水添キシレンジイソシアネート、ノルボヌレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族、脂環族のイソシアネートなどが挙げられる。これらは1種または2種以上を用いることができる。
これらの中でも、得られたイミド基含有樹脂の溶媒への溶解性やアルカリ現像性の点から、脂環式構造を有する化合物であることがさらに好ましく、中でもイソホロンジイソシアネートが好ましい。
カルボン酸無水物構造を有する化合物(a)と、1分子中に2個のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物(b)を必須成分とする混合物の反応においては、カルボン酸無水物構造を有する化合物(a)1モルに対し、イソシアネート化合物(b)を0.75モル以下とする。より好ましくは0.72モル以下、さらに好ましくは0.7モル以下である。これら以下で使用することで、イミド基含有樹脂の分子量、酸価を適度な範囲に制御できるため、溶媒への溶解性やアルカリ現像性がより良好となる。また、カルボン酸無水物構造を有する化合物(a)1モルに対し、イソシアネート化合物(b)を0.55モル以上とする。好ましくは0.6モル以上である。これら以上で使用することで残存するカルボン酸無水物構造を有する化合物(a)が低減できるため、未硬化塗膜のタックフリー性が向上する。
なお、上記各成分が、関係(i)イソシアネート化合物(b)とカルボン酸無水物構造を有する化合物(a)のモル比((b)/(a))が0.5〜0.75であること、及び
(ii)カルボン酸無水物構造を有する化合物(a)は、トリカルボン酸の無水物(a1)を必須成分として含み、さらにテトラカルボン酸の無水物(a2)を含んでも良く、テトラカルボン酸の無水物(a2)とトリカルボン酸の無水物(a1)のモル比((a2)/(a1))が0〜0.3であることを満たすイミド基含有樹脂は取扱い性が良く、良好なアルカリ現像性、優れた耐熱性を発現するが、カルボン酸無水物構造を有する化合物(a)が、テトラカルボン酸の無水物(a2)を含まない場合(モル比((a2)/(a1))が0)は、有機溶剤の選択の幅が広がり取り扱い性が向上する傾向にある。
なお、範囲を表す「A〜B」は「A以上B以下」を意味する。
イミド基含有樹脂の好ましい製造方法としては、後述する有機溶剤中で、カルボン酸無水物構造を有する化合物(a)と、1分子中に2個のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物(b)とを、温度50〜250℃で、好ましくは130〜180℃で、1〜30時間反応させればよい。
本発明のイミド基含有樹脂の酸価は、30mgKOH/g以上、200mgKOH/g以下が好ましい。より好ましくは40mgKOH/g以上、190mgKOH/g以下、さらに好ましくは50mgKOH/g以上、180mgKOH/g以下である。この範囲とすることで、硬化前のアルカリ現像性、硬化物特性をよりバランス良く向上させることができる。
本発明においては、上記で得られたイミド基含有樹脂とカルボキシル基と反応し得る官能基を1分子中に2個以上有する化合物とを反応させて、高分子量化イミド基含有樹脂とすることもできる。
詳しくは、1分子中に1個以上のカルボキシル基およびカルボン酸無水物構造を有する化合物(a)と1分子中に2個のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物(b)と反応させ、さらにカルボキシル基と反応し得る官能基を1分子中に2個以上有する化合物とを反応させる。
カルボキシル基と反応し得る官能基を有する化合物としては、エポキシ化合物、オキサゾリン化合物、オキセタン化合物等が挙げられる。具体的には、エポキシ化合物としてはノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレート等が、オキサゾリン化合物としては1,3−フェニレンビスオキサゾリン等が挙げられる。これらの中でも、得られるイミド基含有樹脂の特性、保存安定性の点から、脂環式エポキシ樹脂が好ましい。
また、カルボキシル基を有するイミド基含有樹脂とカルボキシル基と反応し得る官能基を1分子中に2個以上有する化合物との反応は、イミド基含有樹脂が有するカルボキシル基1モルに対し、カルボキシル基と反応し得る官能基を0.9モル以下とすることが好ましい。より好ましくは0.8モル以下、さらに好ましくは0.7モル以下である。これら以下で使用することで、得られる高分子量化イミド基含有樹脂の分子量、酸価を適度な範囲に制御できるため、より良好なアルカリ現像性となる。また、イミド基含有樹脂が有するカルボキシル基1モルに対し、カルボキシル基と反応し得る官能基を0.1モル以上とすることが好ましい。より好ましくは0.15モル以上、さらに好ましくは0.2モル以上である。これら以上で使用することで低分子量で残存するイミド基含有樹脂が低減できるため、未硬化塗膜のタックフリー性が向上する。
ここでも、後述する有機溶剤中で、必要によりトリエチルアミン等の三級アミン、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩、2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール化合物、トリフェニルホスフィンやテトラフェニルホスホニウムブロマイド等のリン化合物、金属の有機酸塩または無機酸塩(塩化リチウム等)あるいはキレート化合物等の反応触媒を添加して反応させることができる。
ここでの反応温度は50〜150℃が好ましい。より好ましい反応温度上限は130℃、さらに好ましくは120℃で、この温度以下で反応させることで、副反応に起因するゲル化懸念をより低減できる。また、より好ましい反応温度下限は55℃、さらに好ましくは60℃である。この温度以上とすることで、速やかに反応が進行する。
本発明では、イミド基含有樹脂や高分子量化イミド基含有樹脂が有するカルボキシル基に対して、カルボキシル基と反応し得る官能基を有するラジカル重合性モノマーを反応させて、ラジカル重合性不飽和結合を含有するイミド基含有樹脂とすることもできる。
カルボキシル基と反応し得る官能基としては、イソシアネート基、ビニルエーテル基、エポキシ基、オキサゾリン基、アジリジン基、オキセタニル基等が挙げられ、ラジカル重合性モノマーの具体例としては、イソシアネートエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチル、グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、N−(メタ)アクリロイルアジリジン等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を用いることができる。
本発明のイミド基含有樹脂組成物の溶媒として用いる有機溶剤としては、環境への負担軽減の点から、窒素原子および硫黄原子のいずれも含まない極性溶剤を主成分(好ましくは全有機溶剤中90質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上、特に好ましくは99質量%以上100質量%以下)として含むことが好ましい。このような汎用溶媒を使用することで、電気電子産業等の各種分野での適用が容易となる。
本発明における有機溶剤としては、環境面、カルボン酸無水物やイソシアネート基と反応しない、有機溶剤を含むイミド基含有樹脂組成物の取扱い性、保存安定性の点から、例えば水酸基を有さないエーテル系、エステル系、ケトン系等の溶剤が挙げられ、特にエーテル系溶剤が好ましい。
エーテル系溶剤としては、公知のものが使用可能であるが、例えばエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル等のエチレングリコールジアルキルエーテル類;ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジブチルエーテル等のポリエチレングリコールジアルキルエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のポリエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテル等のプロピレングリコールジアルキルエーテル類;ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジブチルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールジエチルエーテル、トリプロピレングリコールジブチルエーテル等のポリプロピレングリコールジアルキルエーテル類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、トリプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、トリプロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のポリプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;等が挙げられる。
有機溶剤の使用量は、本発明のイミド基含有樹脂100質量部に対し、900質量部以下、より好ましくは500質量部以下である。好ましい下限値としては、イミド基含有樹脂100質量部に対し、30質量部以上、より好ましくは60質量部以上である。上記数値範囲に制御することで、組成物の取り扱い性や保存安定性、さらには塗布作業時の効率が向上する。
本発明においては、イミド基含有樹脂と有機溶剤とを含んでなる樹脂組成物を塗布、乾燥して使用することもできるが、さらに反応性希釈剤を含有する組成物としてもよい。このような組成物とすることで、熱や光反応を経て架橋構造を有する塗膜(硬化物)が得られることとなり、より優れた特性となる。
反応性希釈剤としては、ラジカル重合性樹脂とラジカル重合性モノマーとが挙げられる。
ラジカル重合性樹脂としては、不飽和ポリエステル、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート等が使用できる。
ラジカル重合性モノマーとしては、単官能モノマー(ラジカル重合性二重結合が1個)と多官能モノマー(ラジカル重合性二重結合が2個以上)のいずれも使用可能である。ラジカル重合性モノマーは重合に関与するため、得られる硬化物の特性を改善する上に、各種反応時の溶媒としても使用でき、さらには、樹脂組成物の粘度を調整することもできる。ラジカル重合性樹脂及び/又はラジカル重合性モノマーを使用する場合の好ましい使用量は、本発明のイミド基含有樹脂100質量部に対し、300質量部以下、より好ましくは100質量部以下である。好ましい下限値としては、イミド基含有樹脂100質量部に対し、5質量部以上、より好ましくは10質量部以上である。
ラジカル重合性モノマーの具体例としては、N−フェニルマレイミド、N−(2−メチルフェニル)マレイミド、N−(4−メチルフェニル)マレイミド、N−(2,6−ジエチルフェニル)マレイミド、N−(2−クロロフェニル)マレイミド、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−イソプロピルマレイミド、N−ラウリルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルメチルマレイミド、N−(2,4,6−トリブロモフェニル)マレイミド、N−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]マレイミド、N−オクタデセニルマレイミド、N−ドデセニルマレイミド、N−(2−メトキシフェニル)マレイミド、N−(2,4,6−トリクロロフェニル)マレイミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)マレイミド、N−(1−ヒドロキシフェニル)マレイミド等のN−置換マレイミド基含有単量体;スチレン、α−メチルスチレン、α−クロロスチレン、ビニルトルエン、p−ヒドロキシスチレン、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、ジアリルベンゼンホスホネート等の芳香族ビニル系単量体;酢酸ビニル、アジピン酸ビニル等のビニルエステルモノマー;(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、ペンタエリスリトールモノ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンモノ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールモノ(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、(ジ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリス[2−(メタ)アクリロイルオキシエチル]トリアジン、デンドリチックアクリレート等の(メタ)アクリル系単量体;n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、n−ヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル等の(ヒドロキシ)アルキルビニル(チオ)エーテル;(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(イソプロペノキシエトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(イソプロペノキシエトキシエトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(イソプロペノキシエトキシエトキシエトキシエトキシ)エチル等のラジカル重合性二重結合を有するビニル(チオ)エーテル;無水マレイン酸等の酸無水物基含有単量体あるいはこれをアルコール類、アミン類、水等により酸無水物基を開環変性した単量体;N−ビニルピロリドン、N−ビニルオキサゾリドン等のN−ビニル系単量体;アリルアルコール、トリアリルシアヌレート等、ラジカル重合可能な二重結合を1個以上有する化合物が挙げられる。
これらは、用途や要求特性に応じて適宜選択され、1種または2種以上を混合して用いることができる。
本発明のイミド基含有樹脂組成物と反応性希釈剤とを含んでなる組成物は、ベンゾイルパーオキサイドやクメンハイドロパーオキサイド等の公知の熱重合開始剤を使用することにより熱重合も可能であるが、光重合開始剤を配合した感光性樹脂組成物とすることで、光によるラジカル重合が可能となる。
光重合開始剤としては公知のものが使用でき、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル等のベンゾインとそのアルキルエーテル類;アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、4−(1−t−ブチルジオキシ−1−メチルエチル)アセトフェノン等のアセトフェノン類;2−メチルアントラキノン、2−アミルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン等のアントラキノン類;2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン等のチオキサントン類;アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタール等のケタール類;ベンゾフェノン、4−(1−t−ブチルジオキシ−1−メチルエチル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラキス(t−ブチルジオキシカルボニル)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン類;2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパン−1−オンや2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1;アシルホスフィンオキサイド類およびキサントン類等が挙げられる。
これらの光重合開始剤は1種または2種以上の混合物として使用され、本発明のイミド基含有樹脂組成物と反応性希釈剤とを含んでなる組成物100質量部に対し、0.5〜30質量部含まれていることが好ましい。さらに0.5〜20質量部含まれていることが好ましい。光重合開始剤の量が0.5質量部より少ない場合には、光照射時間を増やさなければならなかったり、光照射を行っても重合が起こりにくかったりするため、適切な表面硬度が得られなくなる。なお、光重合開始剤を30質量部を越えて配合しても、多量に使用するメリットは少なく効率が低下する。
本発明のイミド基含有樹脂組成物には、さらに必要に応じて、タルク、クレー、硫酸バリウム等の充填材、着色用顔料、消泡剤、カップリング剤、レベリング剤、増感剤、離型剤、滑剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、重合抑制剤、増粘剤等の公知の添加剤を添加してもよい。また、各種強化繊維を補強用繊維として用い、繊維強化複合材料とすることができる。
本発明のイミド基含有樹脂組成物を画像形成用として使用する場合には、通常、基材に公知の方法で塗布・乾燥し、露光して硬化塗膜を得た後、未露光部分をアルカリ水溶液に溶解させてアルカリ現像を行う。
現像に使用可能なアルカリの具体例としては、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属化合物;水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属化合物;アンモニア;モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノプロピルアミン、ジメチルプロピルアミン、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、テトラエチルアンモニウムハイドロオキサイド、テトラブチルアンモニウムハイドロオキサイド、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ポリエチレンイミン等の水溶性有機アミン類が挙げられ、これらの1種または2種以上を使用することができる。
本発明のイミド基含有樹脂組成物は、液状のものを直接基材に塗布する方法以外にも、予めポリエチレンテレフタレート等のフィルムに塗布して乾燥させたドライフィルムの形態で使用することもできる。この場合、ドライフィルムを基材に積層し、露光前または露光後にフィルムを剥離すればよい。
また、印刷製版分野で最近多用されているCTP(Computer To Plate)システム、すなわち、露光時にパターン形成用フィルムを使用せず、デジタル化されたデータによってレーザー光を直接塗膜上に走査・露光して描画する方法を採用することができる。
以下、実施例によって本発明をさらに詳述するが、下記実施例は本発明を制限するものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施することは全て本発明の技術的範囲に包含される。なお、下記実施例において、物性の評価は次のようにして行なった。
1.化学構造;FT−IR(サーモサイエンティック社製、NEXUS670)を用いて分析した。
2.酸価;各溶液約0.3gを精秤し、アセトン90g/水10g混合溶媒に溶解し、0.1規定のKOH水溶液を滴定液として用いて、自動滴定装置(平沼産業社製)により酸価を測定した。
3.重量平均分子量(Mw);ポリスチレンを標準物質とし、テトラヒドロフランを溶離液としてHLC−8220GPC(東ソー社製)によるGPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)法にて重量平均分子量(Mw)を測定した。
4.溶剤溶解性;合成終了後の反応容器の内壁を目視で観察し、不溶物生成の有無を評価した。
5.アルカリ溶解性;各溶液にジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートを添加して固形分20%に調整した。スピンコートにて銅板上に塗布し、80℃で30分乾燥させた後に室温まで冷却し、30℃の1%炭酸ナトリウム水溶液に浸漬して塗膜の溶解性により評価した。
6.耐熱分解性;各溶液を、アルミカップに0.3g程度入れて精秤し、アセトン約2mlを加え、よく混合した後、200℃の熱風乾燥機に入れた。30分加熱した後の質量を測定し、200℃加熱後の質量を初期質量で割って熱処理後残存率X(%)を求めた。また、各溶液をアルミカップに取り、上記と同様にして、120℃の熱風乾燥機で1時間加熱(この条件ではほとんど熱分解しない)した後の質量から、固形分Y(%)を求めた。固形分Y(%)を100とした熱処理後残存率X(%)の相対値で評価した。このXの値が大きいほど、耐熱分解性が高いことになる。
合成例1
攪拌装置、温度計、還流冷却器、ガス導入管を備えた容器に、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート2177g、無水トリメリット酸576g(3mol)、ピロメリット酸二無水物55g(0.25mol)、およびイソホロンジイソシアネート500g(2.25mol)を加え、170℃まで昇温し、この温度で12時間反応させた。系内は褐色クリア液体となった。本発明のイミド基含有樹脂A−1を30%含むジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート溶液を得た。赤外スペクトル測定の結果、イソシアネート基の特性吸収である2260cm-1が完全に消滅し、1710cm-1にイミド基の吸収が確認された。酸価125mgKOH/g(固形分換算)、ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)1200であった。
合成例2
合成例1と同様の装置を用い、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート1988g、無水トリメリット酸528g(2.75mol)、ピロメリット酸二無水物55g(0.25mol)、およびイソホロンジイソシアネート445g(2mol)を加え、170℃まで昇温し、この温度で11時間反応させた。系内は褐色クリア液体となった。本発明のイミド基含有樹脂A−2を30%含むジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート溶液を得た。赤外スペクトル測定の結果、イソシアネート基の特性吸収である2260cm-1が完全に消滅し、1710cm-1にイミド基の吸収が確認された。酸価133mgKOH/g(固形分換算)、ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)1200であった。
合成例3
合成例1と同様の装置を用い、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート1972g、無水トリメリット酸576g(3mol)、およびイソホロンジイソシアネート445g(2mol)を加え、170℃まで昇温し、この温度で11時間反応させた。系内は褐色クリア液体となった。本発明のイミド基含有樹脂A−3を30%含むジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート溶液を得た。赤外スペクトル測定の結果、イソシアネート基の特性吸収である2260cm-1が完全に消滅し、1710cm-1にイミド基の吸収が確認された。酸価138mgKOH/g(固形分換算)、ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)900であった。
合成例4
合成例1と同様の装置を用い、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート2070g、無水トリメリット酸528g(2.75mol)、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物90g(0.25mol)、およびイソホロンジイソシアネート445g(2mol)を加え、170℃まで昇温し、この温度で9時間反応させた。系内は褐色クリア液体となった。本発明のイミド基含有樹脂A−4を30%含むジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート溶液を得た。赤外スペクトル測定の結果、イソシアネート基の特性吸収である2260cm-1が完全に消滅し、1710cm-1にイミド基の吸収が確認された。酸価137mgKOH/g(固形分換算)、ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)900であった。
比較合成例1
合成例1と同様の装置を用い、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート1748g、無水トリメリット酸480g(2.5mol)、およびイソホロンジイソシアネート445g(2mol)を加え、170℃まで昇温し、この温度で11時間反応させた。系内は褐色クリア液体となった。比較用イミド基含有樹脂B−1を30%含むジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート溶液を得た。赤外スペクトル測定の結果、イソシアネート基の特性吸収である2260cm-1が完全に消滅し、1710cm-1にイミド基の吸収が確認された。酸価114mgKOH/g(固形分換算)、ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)1200であった。
比較合成例2
合成例1と同様の装置を用い、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート1397g、無水トリメリット酸288g(1.5mol)、ピロメリット酸二無水物109g(0.5mol)、およびイソホロンジイソシアネート333g(1.5mol)を加え、170℃まで昇温し、この温度で13時間反応させた。系内は褐色クリア液体となったが、不溶付着物の生成が認められた。比較用イミド基含有樹脂B−2を30%含むジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート溶液を得た。赤外スペクトル測定の結果、イソシアネート基の特性吸収である2260cm-1が完全に消滅し、1710cm-1にイミド基の吸収が確認された。酸価103mgKOH/g(固形分換算)、ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)2000であった。
比較合成例3
合成例1と同様の装置を用い、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート2033g、無水トリメリット酸384g(2mol)、ピロメリット酸二無水物218g(1mol)、およびイソホロンジイソシアネート445g(2mol)を加え、170℃まで昇温し、この温度で13時間反応させた。系内は褐色クリア液体となったが、不溶付着物の生成が認められた。比較用イミド基含有樹脂B−3を30%含むジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート溶液を得た。赤外スペクトル測定の結果、イソシアネート基の特性吸収である2260cm-1が完全に消滅し、1710cm-1にイミド基の吸収が確認された。酸価149mgKOH/g(固形分換算)、ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)2000であった。
合成例で得た本発明のイミド基含有樹脂A−1〜A−4、比較合成例で得た比較用イミド基含有樹脂B−1〜B−3を用いて、アルカリ溶解性、耐熱分解性を評価した。不溶付着物生成有無と合わせて、結果を表1に示す。
Figure 0006325371
a1:トリカルボン酸の無水物のモル数(mol)
a2:テトラカルボン酸の無水物のモル数(mol)
a:a1+a2(mol)
b:イソシアネート化合物のモル数(mol)

本発明のイミド基含有樹脂A−1〜A−4は溶剤溶解性、アルカリ溶解性、耐熱分解性、いずれも良好であった。微細加工に必須となるアルカリ可溶性を有していることから、感光性樹脂組成物の成分として活用できる。
比較用イミド基含有樹脂B−1〜B−3については、溶剤溶解性、アルカリ溶解性が劣る結果となった。
また、上記実施例で調整した組成およびモル比について、本明細書中に記載された好ましい範囲内において有利な効果を奏することが確認できた。
本発明のイミド基含有樹脂およびイミド基含有樹脂組成物は、取扱い性、アルカリ現像性、耐熱性に優れるものである。従って、アルカリ現像可能な画像形成用の感光性樹脂組成物の構成成分として、例えば、印刷製版、カラーフィルターの保護膜、カラーフィルター、ブラックマトリックス等の液晶表示板製造用等の各種の用途に好適に使用できる。

Claims (6)

  1. カルボン酸無水物構造を有する化合物(a)と1分子中に2個のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物(b)を必須成分とする混合物を反応させて得られるイミド基含有樹脂であって、各成分が以下の関係(i)および(ii)を満たすイミド基含有樹脂。
    (i)イソシアネート化合物(b)とカルボン酸無水物構造を有する化合物(a)のモル比((b)/(a))が0.55〜0.75である。
    (ii)カルボン酸無水物構造を有する化合物(a)は、トリカルボン酸の無水物(a1)を必須成分として含み、さらにテトラカルボン酸の無水物(a2)を含んでも良く、テトラカルボン酸の無水物(a2)とトリカルボン酸の無水物(a1)のモル比((a2)/(a1))が0〜0.3である。
  2. 前記イソシアネート化合物(b)が脂環式構造を有するものである請求項1に記載のイミド基含有樹脂。
  3. 請求項1または請求項2に記載のイミド基含有樹脂と、有機溶剤とを含んでなるイミド基含有樹脂組成物。
  4. 前記有機溶剤が窒素原子および硫黄原子のいずれも含まない極性溶剤を含んでなる請求項3に記載のイミド基含有樹脂組成物。
  5. 画像形成用の感光性樹脂組成物に用いる、請求項1若しくは2に記載のイミド基含有樹脂または請求項3若しくは4に記載のイミド基含有樹脂組成物。
  6. 請求項1、2、及び5の何れか1項に記載のイミド基含有樹脂、または請求項3〜5の何れか1項に記載のイミド基含有樹脂組成物から得られた硬化物。
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