JP3559615B2 - カーボンブラック、樹脂組成物およびブラックマトリックス - Google Patents
カーボンブラック、樹脂組成物およびブラックマトリックス Download PDFInfo
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は感光性、遮光性、分散安定性に優れ、高精細なブラックマトリックスの形成に適したカーボンブラック、該カーボンブラックを用いて得られるブラックマトリックス用樹脂組成物および該樹脂組成物を用いて得られるブラックマトリックスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
カラー液晶表示装置等に用いられるカラーフィルターは少なくとも2種類以上の色相に着色された微細な画素間に光を遮断する目的でブラックマトリックスが形成されている。このようなブラックマトリックスは通常ガラス基板上に微細なパターンからなる金属薄膜で形成されることが多く、その具体例としては、Cr、Ni、Al等の膜があり成膜方法としては、蒸着法、スパッタ法、真空成膜が一般的である。
【0003】
ブラックマトリックスは上記の金属薄膜をフォトリソグラフィー法により形成される。具体的には、金属薄膜上にフォトレジストを塗布、乾燥した後フォトマスクを介し紫外線を照射しレジストパターンを形成後、エッチング、レジスト剥離の工程を経て製造する。しかしながら、上記のように製造されたブラックマトリックスはその工程の煩雑さから製造コストが高いという問題点を持っている。
【0004】
更に、透過型のディスプレイにこの金属薄膜を用いたカラーフィルターを搭載した場合、金属薄膜表面の反射率が高いため強い外光がフィルターに当たった際に、反射光が強く表示品質を著しく低下させるという問題点を持っている。
【0005】
上記のような金属薄膜を用いたブラックマトリックスの問題点を改善すべく、エチレン性不飽和二重結合を有する光重合性化合物を用い、光重合により画素形成をする色素内添フォトリソグラフィーによるブラックマトリックスの形成方法が報告されている。
【0006】
この場合、内添する黒色着色剤としては、カーボンブラックやその他の有機顔料の混合物を用いるが、充分な遮光性を得るためにはカーボンブラックを使用する必要がある。例えば特開平4−63870においては光重合性化合物にカーボンブラックと有機顔料とを分散し、これを用いてブラックマトリックスを形成する方法が提案されている。しかしながらこの組成物は、カーボンブラックの均一で安定な分散状態を得ることが困難であること、およびカーボンブラックのラジカル捕捉により光重合を阻害し、充分な画素形成が困難であるという問題点があった。
【0007】
また、特開平6−67421においてはカーボンブラックのラジカル捕捉による重合阻害を抑止する目的で、カーボンブラック表面の官能基に対して反応性を有する高分子化合物によりグラフト化されたカーボンブラックを黒色着色剤として用いる方法が開示されている。しかしながらこの方法では、グラフト化カーボンブラック自体に光重合性がほとんどあるいは全く存在しないため、光重合特性を充分に持つブラックマトリックス用樹脂組成物を得るにはグラフト化カーボンブラック量に対し多量の感光性樹脂を配合しなければならなかったり、高分子量のポリマーをグラフト化させているためグラフト化カーボンブラック中のカーボンブラック量に上限が生じるため、薄いマトリックス層で充分な遮光性を得るのは困難であった。またその硬化塗膜も耐熱性、耐薬品性において充分なものが得られなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らはこのような現状を鑑み、感光性、遮光性、分散安定性に優れ、高精細なブラックマトリックスを得るべく研究を重ねた結果、本発明に達した。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、第1の要旨として、カーボンブラック(I)を、1分子中にエポキシ基とエチレン性不飽和二重結合をそれぞれ1個以上有する不飽和エポキシエステル樹脂(II)で処理してなるカーボンブラック(A)、第2の要旨として、この処理してなるカーボンブラック(A)、感光性樹脂(B)および光重合開始剤(C)を含有してなる樹脂組成物、第3の要旨として、カーボンブラック(A)が、カーボンブラック(I)を1分子中にエポキシ基とエチレン性不飽和二重結合をそれぞれ1個以上有する不飽和エポキシエステル樹脂(II)で処理した後に酸無水物を反応させて得られるカーボンブラックである樹脂組成物、第4の要旨として、感光性樹脂(B)がカルボキシル基含有樹脂である樹脂組成物、第5の要旨として、これらの樹脂組成物を用いて得られるブラックマトリックスを提供するものである.
本発明において使用されるカーボンブラック(I)はアセチレンブラック、チャネルブラック、ファーネスブラック等の一般のカーボンブラックである。
【0010】
本発明における1分子中にエポキシ基とエチレン性不飽和二重結合をそれぞれ1個以上有する不飽和エポキシエステル樹脂(II)とは、1分子中にエポキシ基を2個以上有するエポキシ樹脂と不飽和一塩基酸とを1分子中にエポキシ基が1個以上残存するような割合で不飽和一塩基酸中のカルボキシル基と該エポキシ樹脂中のエポキシ基とを反応させることにより得られるものを称し、ここにおいて使用されるエポキシ樹脂としては、1分子中にエポキシ基を2個以上有するエポキシ樹脂であれば特に限定はなく、例えばノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン等のような多官能性グリシジルアミン樹脂、テトラフェニルグリシジルエーテルエタン等のような多官能性グリシジルエーテル樹脂、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール等のフェノール類やナフトール類とフェノール性水酸基を有する芳香族アルデヒドとの縮合反応により得られる多価フェノール化合物とエピクロルヒドリンとの反応物、フェノール類とジビニルベンゼンやジシクロペンタジエン等のジオレフィン化合物との付加により得られる多価フェノール化合物とエピクロルヒドリンとの反応物、4−ビニルシクロヘキセン−1−オキサイドの開環重合物を過酸によりエポキシ化したもの等が挙げられ、またこれらの各エポキシ樹脂と多塩基酸、多価フェノール、多官能アミノ化合物あるいは多価チオールとの反応により鎖延長したものも含まれる。
【0011】
一方、不飽和一塩基酸としてはアクリル酸、メタアクリル酸、1個のカルボキシル基と2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0012】
本発明においては該エポキシ樹脂と不飽和一塩基酸とを、該エポキシ樹脂中のエポキシ基の1化学当量に対し、不飽和一塩基酸中のカルボキシル基を0.05〜0.95化学当量で反応を行うことにより樹脂1分子中にエポキシ基が1個以上残存した不飽和エポキシエステル樹脂(II)が得られる。
【0013】
本発明における1分子中にエポキシ基を2個以上有するエポキシ樹脂と不飽和一塩基酸との反応についてはすでに公知であり、エステル化触媒として例えばトリエチルアミン等の三級アミン、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩、2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール化合物、トリフェニルフォスフィン等のリン化合物、金属の有機酸塩、金属の無機塩、金属のキレート化物等を用い、後述の希釈剤の存在下あるいは非存在下で、ハイドロキノンや酸素等の重合禁止剤の存在下80〜130℃で行うことにより、不飽和エポキシエステル樹脂(II)が得られる。
【0014】
ここで本発明におけるエステル化触媒の使用量は、用いた該エポキシ樹脂と不飽和一塩基酸との和に対して、通常、0.001〜10重量%、好ましくは0.005〜5重量%である。使用量が0.001%に満たない場合は該エポキシ樹脂と不飽和一塩基酸との反応が充分に進行せず、10重量%を越える場合は、得られた樹脂を用いて構成した樹脂組成物の安定性が低下する。
【0015】
本発明においては、上記で得られた不飽和エポキシエステル樹脂(II)に変えて、上記の不飽和エポキシエステル樹脂(II)中のヒドロキシル基と酸無水物とを反応させて得られるカルボキシル基含有不飽和エポキシエステル樹脂も用いることができ、これによりアルカリ水溶液での現像を可能ならしめる。
【0016】
酸無水物としては無水フタル酸、無水コハク酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、3,6−エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、テトラブロモ無水フタル酸、トリメリット酸等の二塩基酸無水物、脂肪族あるいは芳香族四カルボン酸二無水物等の四塩基酸二無水物等が挙げられ、これらの1種または2種以上を使用することができる。
【0017】
酸無水物の使用量は、不飽和エポキシエステル樹脂中のヒドロキシル基1化学当量あたり、0.1〜1.1化学当量が適しており、反応条件は希釈剤の存在下あるいは非存在下でハイドロキノンや酸素等の重合禁止剤の存在下50〜130℃で反応させることができる。この時、必要により他の金属の無機塩、例えばリチウム、ジルコニウム、カリウム、ナトリウム、錫、亜鉛、鉛等の金属の塩化物塩、臭化物塩等あるいはそれらの水和物をさらに追加して使用することも可能である。
【0018】
上記の不飽和エポキシエステル樹脂(II)は合成時に希釈剤として溶媒を1種または2種以上混合して使用してもよい。
【0019】
溶媒としては、例えばトルエン、キシレン等の炭化水素類;セロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類;カルビトール、ブチルカルビトール等のカルビトール類;酢酸セロソルブ、酢酸カルビトール等のエステル類;メチルエチルケトン等のケトン類;ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類;ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。
【0020】
本発明においてのカーボンブラック(A)とは、カーボンブラック(I)を不飽和エポキシエステル樹脂(II)で加熱混合により処理したものであり、調製方法としては、50〜250℃、より好ましくは100〜200℃の温度条件下にて加熱混合することが望ましい。この処理温度条件が250℃を越えると、該不飽和エポキシエステル樹脂(II)が変質するおそれが高く、一方50℃未満であると、カーボンブラック(I)表面の充分な処理が施せないおそれがある。
【0021】
カーボンブラック(A)を得る際のカーボンブラック(I)と該不飽和エポキシエステル樹脂(II)との配合比率は、カーボンブラック(I)100重量部に対し、該不飽和エポキシエステル樹脂(II)が5〜500重量部であることが好ましい。該不飽和エポキシエステル樹脂(II)がカーボンブラック(I)100重量部に対して5重量部未満であるとカーボンブラック(I)表面の充分な処理が施せない場合があり、これからなるブラックマトリックス用樹脂組成物の光硬化性低下および組成物中におけるカーボンブラックの分散性不足が発生する場合がある。一方、500重量部を越えるものであると、得られたブラックマトリックスの遮光性が損なわれる場合があり好ましくない。
【0022】
上記のカーボンブラック(A)を得る際には、該不飽和エポキシエステル樹脂(II)合成の際に使用が許される前記溶媒を用いて希釈してもよい。
【0023】
また本発明においては、アルカリ水溶液での現像を可能ならしめる手法として、カーボンブラック(I)を該不飽和エポキシエステル樹脂(II)で上記の方法で処理してカーボンブラック(A)を得た後に,さらに前記の酸無水物を反応させて得たカーボンブラックを用いることが挙げられる。この場合、カーボンブラック(I)100重量部に対して該不飽和エポキシエステル樹脂(II)と酸無水物との和を5〜500重量部程度で用いることが好ましく、かつ、酸無水物の使用量、反応条件についてはカルボキシル基含有不飽和エポキシエステル樹脂と同様に行うことができる。
【0024】
本発明において使用される感光性樹脂(B)としては、例えばジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、β−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル)−メチル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の希釈性モノマーや、ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、多官能グリシジルアミン樹脂、多官能グリシジルエーテル樹脂等の1分子中にエポキシ基を2個以上有するエポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸等の不飽和一塩基酸とを反応して得られるエポキシ(メタ)アクリレート、さらには感光性ポリアミドや感光性ポリイミド前駆体等が挙げられる。
【0025】
本発明においては感光性樹脂(B)として、分子中にカルボキシル基を導入して水溶性を付与したものも用いることができ、この手法によってもアルカリ水溶液での現像を可能ならしめる。このような感光性樹脂(B)としては、ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、多官能グリシジルアミン樹脂、多官能グリシジルエーテル樹脂等1分子中にエポキシ基を2個以上有するエポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸等の不飽和一塩基酸とを反応する際に生成するヒドロキシル基と前記の酸無水物とを反応させて得られるカルボキシル基含有エポキシ(メタ)アクリレート;無水マレイン酸と共重合可能なエチレン、プロピレン、イソブチレン、スチレン、ビニルフェノール、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、アクリルアミド等のモノマーとの共重合体の無水マレイン酸部にヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等のアルコール性のヒドロキシル基を持つ(メタ)アクリレートを反応させハーフエステル化した化合物、あるいはトリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレートやペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等水酸基含有(メタ)アクリレートと酸無水物とのハーフエステル化物等が挙げられる。
【0026】
これらの化合物は単独または混合して使用しても良く、光重合開始剤を除いた樹脂組成物中カーボンブラックの含有量が10重量%以上を保つような割合で使用するのが好ましい。
【0027】
本発明で使用される光重合開始剤(C)は公知のものを使用でき、具体的にはベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル等のベンゾインとそのアルキルエーテル類;アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン等のアセトフェノン類;2−メチルアントラキノン、2−アミルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン等のアントラキノン類;2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン等のチオキサントン類;アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタール等のケタール類;ベンゾフェノン等のベンゾフェノン類;2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパン−1−オンや2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1;アシルホスフィンオキサイド類およびキサントン類等が挙げられる。
【0028】
これらの光重合開始剤は1種または2種以上の混合物として使用され、樹脂組成物中に0.5〜30重量部含まれていることが好ましい。
【0029】
上記のような樹脂組成物は場合によって黒色着色剤としてその他の有機顔料の添加も可能である。その際、有機顔料は樹脂組成物による硬化膜の遮光性を損なわない範囲で使用することが望ましい。
【0030】
また、本発明のブラックマトリックス用樹脂組成物を使用するに当たっては、基材に対する塗布性を良くするために、不飽和エポキシエステル樹脂(II)合成の際に使用が許される前記溶媒を用いて希釈してもよい。溶媒の使用量は、カーボンブラック(A)、感光性樹脂(B)、光重合開始剤(C)からなる固形分100重量部に対し、5〜1000重量部を配合することが好ましい。
【0031】
本発明の樹脂組成物は上記のカーボンブラック(A)、感光性樹脂(B)、光重合開始剤(C)、また必要によりその他の有機顔料、有機溶剤、分散剤、消泡剤、さらには樹脂組成物中のカルボキシル基と反応性を有するエポキシ樹脂や硬化触媒等と共にサンドミル、三本ロール等の分散機で分散混合することによって得られる。
【0032】
本発明の樹脂組成物をスピンコーター等により、ガラス板等の基材に塗布し、溶剤を乾燥することによって平滑な塗膜を得、この塗膜に目的とする画素を形成するために、ネガフォトマスクを通して紫外線照射を行う。次に現像液へ浸漬あるいはシャワー中にさらし、未硬化部分を溶解させ現像する。次いで高温ポストベーク処理で完全硬化させることにより、目的とする画素(ブラックマトリックス)を得ることができる。
【0033】
【実施例】
以下、実施例により本発明を説明するが、これらは単なる例示であり、本発明はこれに限定されるものではない。なお、実施例中の部及び%は重量基準である。
【0034】
(実施例1)
攪拌羽根、還流コンデンサを備えたセパラブルフラスコに、フェノールノボラック型エポキシ樹脂YDPN−638P(東都化成製、エポキシ当量180)100部、アクリル酸32部、塩化第二クロム6水和物0.13部及びメチルハイドロキノン0.11部を仕込み、110℃で2時間反応させ反応物の酸価が0になったことを確認した。次にこの得られたエポキシアクリレート樹脂30部と、カーボンブラックMA−100R(三菱化成工業(株)製)30部とをラボプラストミル(東洋精機(株)製)を用いて140℃、100rpmの条件下で混練した後、冷却、粉砕して処理カーボンブラック(A−1)を得た。
【0035】
(実施例2)
実施例1で得た処理カーボンブラック(A−1)30部にテトラヒドロ無水フタル酸4.8部及び無水塩化リチウム0.01部を加え100℃で3時間反応させた後、冷却、粉砕して処理カーボンブラック(A−2)を得た。
【0036】
(実施例3)
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂YDCN−703(東都化成製、エポキシ当量200)30部、アクリル酸8.64部、エチルカルビトールアセテート309.12部、塩化第二クロム6水和物0.04部及びメチルハイドロキノン0.03部を仕込み、110℃で3時間反応させ反応物の酸価が0になったことを確認した。引き続き、実施例1において用いたカーボンブラック38.64部を仕込み、3mm径ステンレス製ビーズ8000部を加え、140℃で30分攪拌して、処理カーボンブラックを20%含むエチルカルビトールアセテートとの混合物(A−3)を得た。
【0037】
(比較例1)
実施例1において用いたフェノールノボラック型エポキシ樹脂100部、アクリル酸41部、塩化第二クロム6水和物0.14部及びメチルハイドロキノン0.12部を仕込み、110℃で2時間反応させ反応物の酸価が5.5になったことを確認した。次にこの得られた実質的にエポキシ基を含有しないエポキシアクリレート樹脂30部と、実施例1において用いたカーボンブラック30部とをラボプラストミルを用いて140℃、100rpmの条件下で混練した後、冷却、粉砕して比較用カーボンブラック(C−1)を得た。
【0038】
(比較例2)
比較例1で得た比較用カーボンブラック(C−1)30部にテトラヒドロ無水フタル酸4.8部及び無水塩化リチウム0.01部を加え100℃で3時間反応させた後、冷却、粉砕して比較用カーボンブラック(C−2)を得た。
【0039】
(比較例3)
実施例1において用いたフェノールノボラック型エポキシ樹脂30部と、実施例1において用いたカーボンブラック30部とをラボプラストミルを用いて140℃、100rpmの条件下で混練した後、冷却、粉砕して比較用カーボンブラック(C−3)を得た。
【0040】
(比較例4)
ポリビニルアルコール0.2部を溶解した脱イオン水400部中へ、予め調製したスチレン196部およびグリシジルメタクリレート4部からなる重合性単量体混合物にベンゾイルパーオキサイド16部を溶解した混合物を仕込み、均一な懸濁液とした。次いで窒素ガスを吹き込みながら80℃まで昇温し、この温度で5時間重合反応を行った後冷却して重合体懸濁液を得た。この重合体懸濁液を濾過、洗浄した後乾燥して反応性基としてエポキシ基を有する重合体を得た。この重合体の分子量はGPC測定によりMn=6000であった。この重合体30部と、実施例1において用いたカーボンブラック30部とをラボプラストミルを用いて140℃、100rpmの条件下で混練した後、冷却、粉砕して比較用カーボンブラック(C−4)を得た。
【0041】
(実施例4〜9及び比較例5〜8)
得られた各カーボンブラックを用いて、表1に示す配合の樹脂組成物を調製して、以下の方法による評価を行った。結果を表2に示す。
【0042】
〈分散安定性〉
各樹脂組成物をφ18mmのパイレックス性試験管に入れて保持し、室温、6カ月間放置し、分散安定性を比較した。
【0043】
〈現像性〉
各樹脂組成物をガラス基板に乾燥膜厚が1μmになるようにスピンコーターで塗布し、塗布膜を100℃で10秒間乾燥した。得られた乾燥塗膜を塩化メチレンあるいは1%Na2CO3水溶液を使用して60秒間現像を行い、残存する樹脂を目視で評価した。
【0044】
〈光硬化性〉
各樹脂組成物をガラス基板に乾燥膜厚が1μmになるようにスピンコーターで塗布し、塗布膜を100℃で10秒間乾燥した。得られた皮膜に10μmのライン/スペースのフォトマスクを用い、超高圧水銀灯で100mJ露光した後、塩化メチレンあるいは1%Na2CO3水溶液に浸漬し、パターン形成の様子を観察した。
【0045】
〈硬化膜の遮光性〉
各樹脂組成物をガラス基板に乾燥膜厚が1μmになるようにスピンコーターで塗布し、塗布膜を100℃で10秒間乾燥した。得られた皮膜にフォトマスクを用いずに、超高圧水銀灯で100mJ露光して硬化皮膜を得、吸光度測定を行った。
【0046】
〈硬化膜の耐熱性〉
前記の吸光度測定に用いた試料を250℃で1時間保持し、外観変化を目視観察により評価した。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】
【発明の効果】
以上のように、本発明の手法によれば感光性、分散安定性に優れた、黒色光硬化性樹脂組成物が得られ、これを用いることにより遮光性、解像性に優れたブラックマトリックスを形成することができる。
Claims (5)
- カーボンブラック(I)を、1分子中にエポキシ基とエチレン性不飽和二重結合を有する不飽和エポキシエステル樹脂(II)で処理してなるカーボンブラック。
- 請求項1記載の処理してなるカーボンブラック(A)、感光性樹脂(B)および光重合開始剤(C)を含有してなる樹脂組成物。
- カーボンブラック(A)が、カーボンブラック(I)を、1分子中にエポキシ基とエチレン性不飽和二重結合を有する不飽和エポキシエステル樹脂(II)で処理した後に酸無水物を反応させて得られるカーボンブラックである請求項2記載の樹脂組成物。
- 感光性樹脂(B)がカルボキシル基含有樹脂である請求項2または3記載の樹脂組成物。
- 請求項2〜4のいずれかに記載の樹脂組成物を用いて得られるブラックマトリックス。
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JPH093356A (ja) | 1997-01-07 |
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