明 細 書
活性エネルギー線硬化型組成物
技術分野
[0001] 本発明は、活性エネルギー線硬化型組成物に関し、本発明の組成物はインキ、塗 料及びレジスト等のパターン形成用組成物の種々の用途に使用可能であり、特にァ ルカリ現像性に優れるため、パターン形成用組成物として好ましく使用でき、これら技 術分野に属する。
背景技術
[0002] 従来、液晶パネル製造で使用されるカラーフィルタ一としては、染色法、印刷法、電 着法及び顔料分散法等の方法で、ガラス基板上に赤、緑、青等の画素を形成したも のが用いられている。
[0003] 従来のカラーフィルターのうち、染色法によるカラーフィルタ一は、ゼラチンやポリビ -ルアルコール等に感光剤として重クロム酸塩を混合した感光性榭脂を用いて画像 を形成した後、染色して製造されている。この染色法による場合、多色の画像を同一 基板上に形成するためには、防染工程が必須であり、工程が複雑になるという問題 点がある。又、染料を使用するため、耐光性に劣る上に、感光剤として用いる重クロ ム酸は公害防止の観点力 使用が望ましくな 、と 、う問題もある。
印刷法によるカラーフィルタ一は、スクリーン印刷又はフレキソ印刷等の方法で、熱 硬化インキ又は光硬化インキをガラス基板に転写させて製造される。印刷法であれ ば、画像形成、染色が不要であるため、工程が簡略であるが、反面、高精細な画像 が得られず、インクの平滑性の点にお ヽても問題がある。
電着法によるカラーフィルタ一は、顔料又は染料を含んだ浴に電極を設けたガラス 基板を浸し、電気泳動により色相を付着させて製造されている。電着法によるカラー フィルタ一は、平滑性に優れるが、予め、ガラス基板に電極を設ける必要があるため 、複雑なパターンを形成させるのが困難であると 、う問題がある。
[0004] 一方、顔料分散法によるカラーフィルタ一は、光硬化性化合物に顔料を分散させた 着色レジストにより画像を形成することにより製造されている。顔料分散法は、高耐熱
性のカラーフィルターを製造することができ、又、染色が不要である上に、高精度の 画像を形成することができるという利点がある。
[0005] このため、現在、顔料分散法は、カラーフィルター製造技術の主流となっている力 顔料分散法では、多量の顔料を含む着色レジストにより画像形成を行った際、基板 に顔料が残り易い (残渣の付着)という問題を有するものであった。カラーフィルター の製造では、赤、緑、青の色画素を順次形成していくため、残渣の付着は、カラーフ ィルターの色再現性及び塗膜の平滑性等を劣化させる原因となる。
[0006] このような残渣の付着を防ぐために、従来は、現像時間の制御、現像液濃度の調節 及びブラシ等による除去等と!/、つた方法が行われて 、た。
[0007] 又、上記以外の方法としては、有機カルボン酸を着色レジストに添加する方法 (特 許文献 1、 2)、バインダー榭脂の酸価を高くすることにより溶解性を向上させる方法、 又は、分子量が 800以下の有機カルボン酸無水物を着色レジストに添加する方法( 特許文献 3)も提案されて!ヽる。
[0008] 特許文献 1 :特開平 4 369653号公報
特許文献 2:特開平 5 - 343631号公報
特許文献 3:特開平 8 - 292316号公報
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0009] しかしながら、前記した現像時間の制御、現像液濃度の調節及びブラシ等による除 去では、残渣の付着の発生を完全に除去することができず、そのうえ、作業性の低下 、コストアップ及び現像液の廃液処理等の問題も有するものであった。
又、有機カルボン酸を添加する方法やバインダー榭脂の酸価を高くする方法、酸 無水物を添加する方法では、バインダー榭脂の配合割合を減らした場合には、残渣 の付着の発生を完全に防止することはできな力つた。
[0010] 本発明の目的は、活性エネルギー線硬化型パターン形成用組成物として使用した 場合、露光感度が高く現像性が良好で、精密で正確なパターンを形成することがで き、且つ硬化後において、塗膜強度、耐熱性及び耐薬品性等の諸物性に優れる活 性エネルギー線硬化型組成物又はパターン形成方法を提供することである。さら〖こ
は、液晶パネル製造におけるカラーフィルター製造に使用した場合、前記した性能 に加え、カラーフィルターの画素を形成した場合の着色層の残渣を減らすことができ る活性エネルギー線硬化型着色組成物又はパターン形成方法を提供することにある
[0011] 以下、本発明を詳細に説明する。尚、本明細書中において、(メタ)アクリルとはァク リル及び Z又はメタクリルを意味し、(メタ)アタリレートとはアタリレート及び Z又はメタ する。
課題を解決するための手段
[0012] 本発明は、 3個以上の (メタ)アタリロイル基とヒドロキシル基を有する化合物に酸無 水物を付加した化合物(a)〔以下「(a)成分」という〕と、酸無水物又は Z及び酸無水 物の加水分解物 (b)〔以下「 (b)成分」と 、う〕を必須成分として含有する組成物であ つて、(a)成分 100質量部に対して、(b)成分を 0. 1〜20質量部の割合で含有する 活性エネルギー線硬化型組成物に関する。
以下、(a)成分、(b)成分及びその他の成分について説明する。
[0013] 1. (a)成分
(a)成分は、 3個以上の (メタ)アタリロイル基とヒドロキシル基を有する化合物〔以下「 ヒドロキシ多官能 (メタ)アタリレート」 t 、う〕に酸無水物を付加したィ匕合物である。 ヒドロキシ多官能 (メタ)アタリレートとしては、具体的には、ジトリメチロールプロパン トリ(メタ)アタリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アタリレート及びジペンタエリスリト 一ルペンタ (メタ)アタリレート等が挙げられる。
[0014] 本発明におけるヒドロキシ多官能 (メタ)アタリレートとしては、製造工程で副生するヒ ドロキシル基を有しな 、4個以上の (メタ)アタリロイル基を有する化合物を含んで、て も良い。例えば、ペンタエリスリトールテトラ (メタ)アタリレート及びジペンタエリスリトー ルへキサ (メタ)アタリレート等が挙げられる。これらは通常、ペンタエリスリトールテトラ
(メタ)アタリレート中にはペンタエリスリトールトリ(メタ)アタリレートが含まれ、ジペンタ エリスリトールへキサ(メタ)アタリレート中にはジペンタエリスリトールペンタ (メタ)アタリ レートが含まれる。
これらヒドロキシル基を有しな 、4個以上の(メタ)アタリロイル基を有する化合物は、 ヒドロキシ多官能 (メタ)アタリレート成分中に、 20〜80質量%の割合で含まれて 、て も良い。
[0015] ヒドロキシ多官能アタリレートの製造方法としては、酸性触媒の存在下に、(メタ)ァク リル酸とアルコールとを加熱 ·攪拌する方法等が挙げられる。酸性触媒としては、硫酸 、パラトルエンスルホン酸及びメタンスルホン酸等が挙げられる。又、反応温度は、使 用する化合物及び目的に応じて適宜設定すればよいが、好ましくは 70°C〜140°C である。この反応温度が 70°C未満の場合は反応が遅くなり、一方、反応温度が 140 °Cを超える場合は、反応系が不安定になって、不純物が生成したり、ゲルィ匕をする場 合がある。
[0016] 当該反応に際しては、エステル化反応で生成する水との溶解度が低い有機溶媒を 使用し、水を共沸させながら脱水を促進することが好ましい。好ましい有機溶媒として は、例えばトルエン、ベンゼン及びキシレン等の芳香族炭化水素、へキサン及びへ ブタン等の脂肪族炭化水素、並びにメチルェチルケトン及びシクロへキサノン等のケ トン等が挙げられる。又、有機溶媒は、反応後に減圧で留去してもよいが、臭気の問 題がない溶媒を使用した場合には、組成物の粘度調整のために留去することなくそ のまま使用してもよい。
[0017] 前記反応におけるアルコールとして、具体的には、ジトリメチロールプロパン、ペン タエリスリトール及びジペンタエリスリトール等のポリオール、並びにこれらポリオール のアルキレンオキサイド付加物等が挙げられる。上記アルキレンオキサイドとしては、 エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド等が挙げられる。
[0018] 又、得られる (メタ)アクリル酸エステルの重合を防止する目的で、反応液に重合防 止剤を添加することができる。このような重合防止剤としては、例えば、ハイドロキノン 、ハイドロキノンモノメチルエーテル、 2, 6 ジターシャリーブチルー p タレゾール及 びフエノチアジン等が挙げられる。
[0019] (a)成分は、前記ヒドロキシ多官能 (メタ)アタリレートと酸無水物の反応によって合 成される。
酸無水物としては、無水コハク酸、無水 1 ドデセニルコハク酸、無水マレイン酸、
無水グルタル酸、無水ィタコン酸、無水フタル酸、へキサヒドロ無水フタル酸、メチル へキサヒドロ無水フタル酸、テトラメチレン無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、 メチルテトラヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、メチルエンド メチレンテトラヒドロ無水フタル酸、無水テトラクロロフタル酸、無水テトラブロモフタル 酸及び無水トリメリット酸等の同一分子内に 1個の酸無水物基を有する化合物、並び に無水ピロメリット酸、無水フタル酸-量体、ジフエ二ルエーテルテトラカルボン酸二 無水物、ジフエ-ルスルホンテトラカルボン酸二無水物、ベンゾフエノンテトラカルボ ン酸ニ無水物及び 1, 2, 3, 4 ブタンテトラカルボン酸二無水物、ジフエ-ルエーテ ルテトラカルボン酸無水物及び無水トリメリット酸 ·エチレングリコールエステル(巿販 品としては、例えば、新日本理化 (株)製、商品名リカシッド TMEG— 100がある)等 の同一分子内に 2個の酸無水物基を有する化合物が挙げられる。
これらの中でも、同一分子内に 1個の酸無水物基を有する化合物が好ましい。
[0020] (a)成分の製造方法としては、常法に従えば良い。
例えば、ヒドロキシ多官能 (メタ)アタリレートと酸無水物とを、触媒の存在下、 60〜1 10°Cで 1〜20時間反応させる方法等が挙げられる。
この場合の触媒としては、 N, N ジメチルベンジルァミン、トリエチルァミン、トリブ チルァミン、トリエチレンジァミン、ベンジルトリメチルアンモ -ゥムクロライド、ベンジル トリェチルアンモ -ゥムブロマイド、テトラメチルアンモ -ゥムブロマイド、セチルトリメチ ルアンモ -ゥムブロマイド及び酸化亜鉛等が挙げられる。
[0021] (a)成分の組成物中の割合は、 目的及び用途に応じて適宜選択すれば良いが、好 ましくは組成物中に 10〜80質量%である。
[0022] 2. (b)成分
(b)成分は、酸無水物又は Z及び酸無水物の加水分解物である。
(b)成分における酸無水物としては、前記 (a)成分の原料として挙げた酸無水物と 同様の化合物が挙げられる。酸無水物の加水分解物としては、酸無水物が加水分 解により開環したジカルボン酸が挙げられる。
(b)成分における酸無水物は、(a)成分の合成時に使用した酸無水物を同一の化 合物でもよぐ異なる化合物でもよい。
又、(b)成分としては、(a)成分を合成した際の未反応酸無水物や反応中に未反応 酸無水物が加水分解を起したィヒ合物をそのまま使用してもよぐ又新たに別途配合 してちよい。
[0023] (b)成分の割合は、(a)成分 100質量部に対して、 0. 1〜20質量部であり、好まし くは 0. 1〜10質量部である。(b)成分の割合が 0. 1質量部に満たない場合には現 像性が不足し、残渣の付着が増加する。又、 20質量部を超えると、顔料分散性の低 下や分散液の安定性が低下してしまう。
[0024] ここで、(a)の含有量は、高速液体クロマトグラフ分析にて、逆相シリカカラムを用い 、且つ水 Zメタノール系の溶離液を用いて測定して得られた面積を、検量線を使用し て補整して得られたものが好ましい。この場合の測定条件としては、以下を挙げるが できる。
[0025] [高速液体クロマトグラフ分析条件]
•装置:東ソー (株)製 SC— 8010
•カラム:東ソー (株)製 ODS— 100z、
逆相(ODS)カラム(内径 4. 6mm、長さ 250mm)。粒径 5 mの逆相(ODS)シリ 力粒子を充填。
'組成物 lOOmgを溶媒 10mlに溶解した溶液 5 1を、前記カラムに供給。
•分析温度: 40°C
•溶離液: 0. 015%リン酸水:メタノール(容量比) = 45 : 55 (Initial)→30: 70 (3
Omin)→ 0 : 100 (45- 50min)
•溶離液の流速: 1. Oml/min
'検出波長: UV 210nm
[0026] 次に、(b)の含有量は、イオンクロマトグラフ分析にて、陰イオン交換カラムを用い、 且つ炭酸系溶離液を用いて測定して得られた面積を、検量線を使用して補正して得 られたものが好ましい。この場合の測定条件としては、以下を挙げるができる。
[0027] [イオンクロマトグラフ分析測定条件]
•装置: DIONEX (株)製 DIONEX DX— 300
•分離カラム: DIONEX (株)製 IonPacAS4A— SC (エチレンビュルベンゼン—ジビ
-ルベンゼン系ポリマーを基材とし、 4級アルカノールァミンをイオン交換基とする陰 イオン交換カラム)
•ガードカラム: DIONEX (株)製 IonPacAG4A— SC (エチレンビュルベンゼン—ジ ビュルベンゼン系ポリマーを基材とし、 4級アルカノールァミンをイオン交換基とする 陰イオン交換カラム)
•溶離液: 1. 8mM-Na CO /1. 7mM—NaHCO
2 3 3
•流量: 1. 5ml/ mm
'サプレッサー: ASRS— ULTRA— II (リサイクルモード、電流値 50mA) •検出器:電気伝導度
•試料注入量: 50 /z L
•手順:試料を 10倍量のトルエンで希釈後、試料の 5倍量の水をカ卩ぇ 10分間振とうし
、静置後、下層 (水層)を分取し測定サンプルとした。
[0028] 尚、(b)成分が酸無水物である場合、イオンクロマトグラフ分析中に一部加水分解す るものもある力 酸無水物及び酸無水物の加水分解物の合計量として把握されれば
、本発明においては問題ない。
[0029] 3.その他の成分
本発明の組成物は、必要に応じてその他の成分を配合することができる。 具体的には、光重合開始剤、有機溶剤、不飽和基含有化合物、アルカリ可溶性榭 脂、顔料、染料、消泡剤、レべリング剤、無機フィラー及び有機フイラ一等を配合する こともできる。又、必要に応じて、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤及び重合禁 止剤等を少量添加してもよ ヽ。
以下、光重合開始剤、有機溶剤、不飽和基含有化合物及びアルカリ可溶性榭脂 について詳細に説明する。
[0030] 3 - 1. 光重合開始剤
本発明の組成物は、活性エネルギー線の照射により硬化するものである力 この場 合の活性エネルギー線としては、電子線、可視光線及び紫外線等が挙げられる。こ れらの中でも、特別な装置を必要とせず、簡便であるため、可視光線又は紫外線が 好ましい。
可視光線又は紫外線硬化型組成物とする場合、組成物に光重合開始剤を配合す る。尚、電子線硬化型組成物とする場合は、光重合開始剤を必ずしも配合する必要 はない。
[0031] 光重合開始剤〔以下「(c)成分」と 、う〕としては、例えば、ビイミダゾール系化合物、 ベンゾイン系化合物、ァセトフヱノン系化合物、ベンゾフヱノン系化合物、 OC ジケト ン系化合物、多核キノン系化合物、キサントン系化合物、チォキサントン系化合物、ト リアジン系化合物及びケタール系等を挙げることができる。
[0032] ビイミダゾール系化合物の具体例としては、 2, 2' ビス(2 クロ口フエニル) -4, 4,, 5, 5,ーテトラキス(4 エトキシカルボ-ルフエ-ル) 1, 2,ービイミダゾール、 2, 2,一ビス(2 ブロモフエ-ル) 4, 4,, 5, 5,ーテトラキス(4 エトキシカルボ- ルフエ-ル)— 1, 2,—ビイミダゾール、 2, 2,—ビス(2 クロ口フエ-ル)— 4, 4,, 5 , 5,一テトラフエ-ル一 1, 2,一ビイミダゾール、 2, 2,一ビス(2, 4 ジクロロフエ-ル )—4, 4,, 5, 5,—テトラフエ-ル— 1, 2,—ビイミダゾール、 2, 2,—ビス(2, 4, 6— トリクロ口フエ-ル)— 4, 4,, 5, 5,—テトラフエ-ル— 1, 2,—ビイミダゾール、 2, 2, —ビス(2 ブロモフエ-ル)一 4, 4,, 5, 5,一テトラフエ-ル一 1, 2,一ビイミダゾー ル、 2, 2,一ビス(2, 4 ジブロモフエ二ル)一 4, 4,, 5, 5,一テトラフエ二ルー 1, 2, —ビイミダゾール及び 2, 2,—ビス(2, 4, 6 トリブロモフエ-ル)— 4, 4,, 5, 5,— テトラフエ二ルー 1, 2'—ビイミダゾール等を挙げることができる。
[0033] (c)成分としてビイミダゾール系化合物を用いる場合、水素供与体を併用することが 、更に感度を改良することができる点で好ましい。ここでいう「水素供与体」とは、露光 によりビイミダゾール系化合物から発生したラジカルに対して、水素原子を供与する ことができる化合物を意味する。
水素供与体としては、メルカブタン系水素供与体及びアミン系水素供与体等が好ま しい。
[0034] メルカブタン系水素供与体は、ベンゼン環又は複素環を母核とし、該母核に直接 結合したメルカプト基を 1個以上、好ましくは 1〜3個、さらに好ましくは 1〜2個有する 化合物からなる。メルカプタン系水素供与体の具体例としては、 2—メルカプトべンゾ チアゾール、 2—メルカプトべンゾォキサゾール、 2—メルカプトべンゾイミダゾール、 2
, 5 ジメルカプト 1, 3, 4ーチアジアゾール及び 2 メルカプト 2, 5 ジメチルァ ミノピリジン等を挙げることができる。これらのメルカプタン系水素供与体のうち、 2—メ ルカプトべンゾチアゾール及び 2—メルカプトべンゾォキサゾールが好ましぐ特に、 2 メルカプトべンゾチアゾールが好まし!/、。
[0035] アミン系水素供与体は、ベンゼン環又は複素環を母核とし、該母核に直接結合した アミノ基を 1個以上、好ましくは 1〜3個、さらに好ましくは 1〜2個有する化合物からな る。アミン系水素供与体の具体例としては、 4、 4' ビス(ジメチルァミノ)ベンゾフエノ ン、 4、 4,一ビス(ジェチルァミノ)ベンゾフエノン、 4—ジェチルアミノアセトフエノン、 4 ージメチルァミノプロピオフエノン、ェチルー 4ージメチルァミノべンゾエート、 4ージメ チルァミノ安息香酸及び 4—ジメチルァミノべンゾ-トリル等を挙げることができる。
[0036] 水素供与体は、単独で又は 2種以上を混合して使用することができる力 1種以上 のメルカプタン系水素供与体と 1種以上のアミン系水素供与体とを組み合わせて使 用することが、形成されたスぺーサ一又は画素が現像時に基板から脱落し難ぐスぺ ーサ一又は画素の強度及び感度も高い点で好ましい。又、メルカプト基とアミノ基とを 同時に有する水素供与体も好適に使用できる。
[0037] ベンゾイン系化合物の具体例としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベ ンゾインェチルエーテル、ベンゾイン i—プロピルエーテル、ベンゾイン i ブチルエー テル及び 2 -ベンゾィル安息香酸メチル等を挙げることができる。
[0038] ァセトフエノン系化合物の具体例としては、 2, 2 ジメトキシァセトフエノン、 2, 2— ジェトキシァセトフェノン、 2, 2—ジメトキシー 2—フエニルァセトフエノン、 2—ヒドロキ シ— 2—メチル—1—フエ-ルプロパン— 1—オン、 1— (4— i—プロピルフエ-ル) 2 ヒドロキシ一 2 メチルプロパン一 1一オン、 1一 (4ーメチルチオフエ-ル)一 2— メチル 2 モルフォリノプロパン一 1—オン、 1—〔4— (2 ヒドロキシエトキシ)フエ- ル〕 2—メチル 2—ヒドロキシプロパン一 1—オン、 1— (4—モルフォリノフエ-ル) — 2—ベンジル 2—ジメチルアミノブタン一 1―オン、 1―ヒドロキシシクロへキシル フエ-ルケトン及び 2, 2—ジメトキシ— 1, 2—ジフエ-ルェタン— 1—オン等を挙げ ることがでさる。
[0039] ベンゾフエノン系化合物の具体例としては、ベンジルジメチルケトン、ベンゾフエノン
、 4, 4,一ビス(ジメチルベンゾフエノン)及び 4, 4 '—ビス(ジェチルベンゾフエノン) 等を挙げることができる。
[0040] aージケトン系化合物の具体例としては、ジァセチル、ジベンゾィル、メチルベンゾ ィルホルメート等を挙げることができる。
[0041] 多核キノン系化合物の具体例としては、アントラキノン、 2 ェチルアントラキノン、 2 t ブチルアントラキノン及び 1 , 4 ナフトキノン等を挙げることができる。
[0042] キサントン系化合物の具体例として力 キサントン、チォキサントン、 2 クロロチォ キサントン等を挙げることができる。
[0043] トリアジン系化合物の具体例としては、 1, 3, 5 トリス(トリクロロメチル) s トリア ジン、 1, 3 ビス(トリクロロメチル) 5— (2, 一クロ口フエ-ル)一 s トリァジン、 1, 3 —ビス(トリクロロメチル) 5— (4, 一クロ口フエ-ル)一 s トリァジン、 1, 3 ビス(トリ クロロメチル) 5— (2, 一メトキシフエ-ル)一 s トリァジン、 1, 3 ビス(トリクロロメ チル) 5— (4,一メトキシフエ-ル) s トリァジン、 2—メチルー 4, 6 ビス(トリクロ ロメチル) s トリァジン、 2— (4'—メトキシフエ-ル) 4, 6—ビス(トリクロロメチル) —s トリァジン、 2— (4—ェトキシスチリル) 4, 6—ビス(トリクロロメチル) s トリ ァジン及び 2— (4— n—ブトキシフエ-ル)—4, 6 ビス(トリクロロメチル) s トリア ジン等を挙げることができる。
[0044] これらのうちでも、 1 ヒドロキシシクロへキシルフエ-ルケトン及び 1一(4—メチルチ ォフエ-ル)ー2—メチルー 2—モルフォリノプロパンー1 オンは、少量でも活性エネ ルギ一線の照射による重合反応を開始し促進するので、発明にお 、て好ましく用い られる。
(c)成分は、単独で又は 2種以上を併用して使用することができる。
[0045] (c)成分の配合割合としては、組成物中の光重合開始剤以外の固形分 100質量部 に対して、 0. 5〜20質量部が好ましい。 0. 5質量部未満では光硬化性が不十分と なることがあり、一方 20質量部を超えると、アルカリ現像の際に露光部分が壊れやす くなることがある。さらに、(c)成分の割合としては 2〜10質量%力 精度の高いバタ ーンを得ることができる点でより好まし 、。
[0046] 3— 2.有機溶剤
本発明において、組成物の塗工性を改良等の目的のために、有機溶剤を配合する ことができる。
有機溶剤〔以下「 (d)成分」と 、う〕は、組成物の各成分と反応しな!、ものであればよ い。塗工性に優れ、且つ、得られる塗膜の乾燥速度が適度なことから、 80〜200°C の沸点を有する有機溶剤が好ましぐ中でも、 100〜170°Cの沸点を有する有機溶 剤がより好ましい。
具体的には、例えば、トルエン及びキシレン等の芳香族化合物;酢酸プチル、酢酸 ベンジル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及びエトキシェチルプ 口ピオネート等の脂肪酸エステル;ェチルセ口ソルブ及びプチルセ口ソルブ等のセロ ソルブ;プロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルキレングリコールエーテル; エタノール、エチレングリコール及びジエチレングリコール等のアルコール;ジェチレ ングリコールジメチルエーテル等のエーテル;メチルイソブチルケトン及びシクロへキ サノン等のケトン; N, N—ジメチルホルムアミド等のホルムアミド; γ—ブチ口ラタタム 及び Ν—メチルー 2—ピロリドン等のラタタム;並びに γ —ブチロラタトン等のラタトン 等が挙げられる。
(d)成分は、単独又は 2種以上を併用して使用することができる。
(d)成分の配合割合としては、組成物の固形分濃度が 10〜50質量%となる割合が 好ましい。
3-3.不飽禾 D某含有化合物
本発明の組成物には、必要に応じて、(a)成分以外の不飽和基含有化合物〔以下 「 (e)成分」と!、う〕を配合することができる。
(e)成分としては、例えば、フエノキシェチル (メタ)アタリレート、カルビトール (メタ) アタリレート、 N—ビ-ルカプロラタトン、アタリロイルモルホリン、グリシジル (メタ)アタリ レート、 2—ヒドロキシェチル (メタ)アタリレート、 2—ヒドロキシプロピル (メタ)アタリレ ート、 1, 4—ブタンジオールモノ(メタ)アタリレート、 1, 6—へキサンジオールジ (メタ) アタリレート、ノナンジオールジアタリレート、ポリエチレングリコールジ (メタ)アタリレー ト、 2—ヒドロキシ一 3—フエ-ルォキシプロピル(メタ)アタリレート、トリブロモフエ-ル( メタ)アタリレート、 2, 2—ビス(4— (メタ)アタリロイルォキシエトキシフエ-ル)一プロ
パン、 2, 2 ビス(4— (メタ)アタリロイルォキシジエトキシフエ-ル)一プロパン、 2, 2 —ビス(4— (メタ)アタリロイルォキシトリエトキシフエ-ル)—プロパン、エチレングリコ ールジ(メタ)アタリレート、トリブロモフエ-ルォキシェチル (メタ)アタリレート、トリメチ ロールプロパントリ(メタ)アタリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アタリレート、ビ スフエノール A型エポキシ榭脂のジ (メタ)アタリレート、各種ポリウレタンポリ(メタ)ァク リレート及びポリエステルポリ(メタ)アタリレート等が挙げられる。
(e)成分の好ま 、配合割合は、組成物中に 0〜50質量%の範囲である。
[0048] 3—4.アルカリ可溶性榭脂
本発明におけるアルカリ可溶性榭脂〔以下「 (f )成分」と 、う〕としては、 (f)成分に対 してバインダーとして作用し、現像処理工程において用いられる現像液、特に好まし くはアルカリ現像液に対して可溶性を有するものであれば、特に限定されるものでは ない。
(f)成分としては、付加重合体、ポリエステル、エポキシ榭脂及びポリエーテル等が 挙げられ、エチレン性不飽和単量体を重合体して得られる付加重合体が好ま 、。
(f)成分としては、カルボキシル基を有するアルカリ可溶性榭脂が好ましぐ特に、 1 個以上のカルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体(以下「カルボキシル基 含有不飽和単量体」と 、う)とこれと共重合可能なエチレン性不飽和単量体 (以下「共 重合性不飽和単量体」 t 、う)との共重合体 (以下「カルボキシル基含有共重合体」と いう)が好ましい。
[0049] カルボキシル基含有不飽和単量体の例としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、 a クロルアクリル酸及びけ 、皮酸等の不飽和モノカルボン酸類;マレイン酸、無水マ レイン酸、フマル酸、ィタコン酸、無水ィタコン酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸及び メサコン酸等の不飽和ジカルボン酸又はその無水物類; 3価以上の不飽和多価カル ボン酸又はその無水物類;コハク酸モノ(2—(メタ)アタリロイ口キシェチル)及びフタ ル酸モノ(2—(メタ)アタリロイ口キシェチル)等の 2価以上の多価カルボン酸のモノ〔( メタ)アタリロイロキシアルキル〕エステル類;並びに ω—カルボキシポリ力プロラタトン モノ (メタ)アタリレート等の両末端にカルボキシ基と水酸基とを有するポリマーのモノ( メタ)アタリレート類等を挙げることができる。これらのカルボキシル基含有不飽和単量
体のうち、 ω カルボキシポリ力プロラタトンモノアタリレート及びフタル酸モノ(2—ァ クリロイ口キシェチル)は、それぞれァロニックス Μ— 5300及び Μ— 5400〔東亞合成 (株)〕の商品名で市販されて 、る。
カルボキシル基含有不飽和単量体は、単独で又は 2種以上を混合して使用するこ とがでさる。
[0050] 又、共重合性不飽和単量体としては、カルボキシル基含有不飽和単量体と共重合 するものであれば良ぐ芳香族ビニル化合物、不飽和カルボン酸エステル類、不飽 和イミド類及び末端にモノ (メタ)アタリロイル基を有するマクロモノマー類等が好まし い。
[0051] 芳香族ビュル化合物としては、スチレン、 α—メチルスチレン、 ο ビュルトルエン、 m ビュルトルエン、 p ビュルトルエン、 p クロルスチレン、 o—メトキシスチレン、 m ーメトキシスチレン、 p—メトキシスチレン、 2 ビニルベンジルメチルエーテル、 3 ビ -ノレべンジノレメチノレエーテノレ、 4 ビ-ノレべンジノレメチノレエーテノレ、 2 ビ-ノレベン ジルグリシジルエーテル、 3—ビュルベンジルグリシジルエーテル及び 4 ビュルべ ンジルグリシジルエーテル等が挙げられる。
[0052] 不飽和カルボン酸エステル類としては、メチル (メタ)アタリレート、ェチル (メタ)ァク リレート、 n—プロピル (メタ)アタリレート、イソプロピル (メタ)アタリレート、 n—ブチル( メタ)アタリレート、イソブチル (メタ)アタリレート、 sec ブチル (メタ)アタリレート、 t- ブチル (メタ)アタリレート、 2—ヒドロキシェチル (メタ)アタリレート、 2—ヒドロキシプロ ピル (メタ)アタリレート、 3 ヒドロキシプロピル (メタ)アタリレート、 2 ヒドロキシブチル (メタ)アタリレート、 3—ヒドロキシブチル (メタ)アタリレート、 4—ヒドロキシブチル (メタ) アタリレート、ァリル (メタ)アタリレート、ベンジル (メタ)アタリレート、シクロへキシル (メ タ)アタリレート、フエ-ル (メタ)アタリレート、 2—メトキシェチル (メタ)アタリレート、 2— フエノキシェチル(メタ)アタリレート、メトキシジエチレンダルコール(メタ)アタリレート、 メトキシトリエチレンダルコール (メタ)アタリレート、メトキシプロピレンダルコール (メタ) アタリレート、メトキシジプロピレンダルコール (メタ)アタリレート、イソボル-ル (メタ)ァ タリレート、トリシクロ [ 5. 2. 1. 02、6]デカン一 8—ィル (メタ)アタリレート、 2 ヒドロキ シ一 3—フエノキシプロピル (メタ)アタリレート及びグリセロールモノ(メタ)アタリレート
等が挙げられる。
[0053] 不飽和イミド類としては、マレイミド、 N—フエ-ルマレイミド及び N シクロへキシル マレイミド等が挙げられる。
[0054] 末端にモノ (メタ)アタリロイル基を有するマクロモノマー類としては、ポリスチレン、ポ リメチル (メタ)アタリレート、ポリ— n—ブチル (メタ)アタリレート及びポリシロキサン等 の重合体分子鎖を有するもの等を挙げることができる。
[0055] 共重合性不飽和単量体としては、前記以外にも、 2- (3, 4, 5, 6—テトラヒドロフタ ルイミド)ェチル (メタ)アタリレート、 2- (2, 3 ジメチルマレイミド)ェチル (メタ)アタリ レート等のイミド (メタ)アタリレート類; 2—アミノエチル (メタ)アタリレート、 2—ジメチル アミノエチル (メタ)アタリレート、 2—ァミノプロピル (メタ)アタリレート、 2—ジメチルアミ ノプロピルアタリレート、 3—ァミノプロピル (メタ)アタリレート及び 3—ジメチルアミノプ 口ピル (メタ)アタリレート等の不飽和カルボン酸ァミノアルキルエステル類;グリシジル (メタ)アタリレート等の不飽和カルボン酸グリシジルエステル類;インデン及び 1—メチ ルインデン等のインデン類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル及び安息 香酸ビュル等のカルボン酸ビュルエステル類;ビュルメチルエーテル、ビュルェチル エーテル及びァリルグリシジルエーテル等の不飽和エーテル類;(メタ)アタリ口-トリ ル、 (X クロ口アクリロニトリル及びシアン化ビ-リデン等のシアン化ビュル化合物;( メタ)アクリルアミド、 a—クロ口アクリルアミド及び N— 2—ヒドロキシェチル (メタ)アタリ ルアミド等の不飽和アミド類;並びに 1, 3 ブタジエン、イソプレン及びクロ口プレン等 の脂肪族共役ジェン類等が挙げられる。
これらの共重合性不飽和単量体は、単独で又は 2種以上を混合して使用すること ができる。
[0056] カルボキシル基含有共重合体としては、(メタ)アクリル酸を必須成分とし、場合によ り、コハク酸モノ(2— (メタ)アタリロイロキシェチル)、 ω—カルボキシポリ力プロラクト ンモノ (メタ)アタリレートの群力も選ばれる少なくとも 1種の化合物をさらに含有する力 ルポキシル基含有不飽和単量体成分と、スチレン、メチル (メタ)アタリレート、 2—ヒド ロキシェチル (メタ)アタリレート、ァリル (メタ)アタリレート、ベンジル (メタ)アタリレート 、グリセロールモノ(メタ)アタリレート、 Ν フエ-ルマレイミド、ポリスチレンマクロモノ
マー及びポリメチルメタタリレートマクロモノマーの群から選ばれる少なくとも 1種との 共重合体 (以下「カルボキシル基含有共重合体(ひ)」という。)が好ま U、。
[0057] カルボキシル基含有共重合体( a )の具体例としては、 (メタ)アクリル酸 Zメチル (メ タ)アタリレート共重合体、(メタ)アクリル酸 Zベンジル (メタ)アタリレート共重合体、( メタ)アクリル酸 Z2—ヒドロキシェチル (メタ)アタリレート Zベンジル (メタ)アタリレート 共重合体、 (メタ)アクリル酸 Zグリシジル (メタ)アタリレート共重合体、 (メタ)アクリル 酸 Zグリシジル (メタ)アタリレート Zスチレン共重合体、(メタ)アクリル酸 Zメチル (メタ
)アタリレート Zポリスチレンマクロモノマー共重合体、 (メタ)アクリル酸 Zメチル (メタ) アタリレート Zポリメチルメタタリレートマクロモノマー共重合体、(メタ)アクリル酸 Zベ ンジル (メタ)アタリレート Zポリスチレンマクロモノマー共重合体、(メタ)アクリル酸 Z ベンジル (メタ)アタリレート Zポリメチルメタタリレートマクロモノマー共重合体、(メタ) アクリル酸 Z2—ヒドロキシェチル (メタ)アタリレート zベンジル (メタ)アタリレート Zポ リスチレンマクロモノマー共重合体、(メタ)アクリル酸 Z2—ヒドロキシェチル (メタ)ァ タリレート Zベンジル (メタ)アタリレート Zポリメチルメタタリレートマクロモノマー共重 合体、メタクリル酸 Zスチレン Zベンジル (メタ)アタリレート ZN—フエ-ルマレイミド 共重合体、(メタ)アクリル酸 Zコハク酸モノ〔2— (メタ)アタリロイ口キシェチル〕 Zスチ レン Zベンジル(メタ)アタリレート ZN—フエ-ルマレイミド共重合体、(メタ)アクリル
レート ZN—フエ-ルマレイミド共重合体、(メタ)アクリル酸 zスチレン Zベンジル (メ タ)アタリレート/グリセロールモノ(メタ)アタリレート/ N—フエ-ルマレイミド共重合 体、 (メタ)アクリル酸 Z ω—カルボキシポリカク口ラタトンモノ (メタ)アタリレート Ζスチ レン Ζベンジル(メタ)アタリレート Ζグリセロールモノ(メタ)アタリレート ΖΝ—フエ-ル マレイミド共重合体等を挙げることができる。
[0058] カルボキシル基含有共重合体におけるカルボキシル基含有不飽和単量体の共重 合割合は、通常 5〜50質量%であり、好ましくは 10〜40質量%である。この場合、 前記共重合割合が 5質量%未満では、得られる組成物のアルカリ現像液に対する溶 解性が低下する傾向があり、一方 50質量%を超えると、アルカリ現像液に対する溶 解性が過大となり、アルカリ現像液により現像する際に、スぺーサ一層や画素の基板
力もの脱落ゃスぺーサー表面の膜荒れを来たしやすくなる傾向がある。
[0059] 本発明における (f)成分としては、エチレン性不飽和基を側鎖に有するアルカリ可 溶性榭脂が、得られる硬化膜の架橋密度が向上し、塗膜強度、耐熱性及び耐薬品 性が向上すると!/、う点で優れたものとなるため好ま 、。
エチレン性不飽和基を側鎖に有するアルカリ可溶性榭脂としては、カルボキシル基 を有するアルカリ可溶性榭脂が好ましい。当該榭脂としては、前記したカルボキシル 基含有共重合体に、エポキシ基を有する不飽和化合物(以下「エポキシ系不飽和ィ匕 合物」と ヽぅ)を付加したもの等が挙げられる。
エポキシ系不飽和化合物としては、グリシジル (メタ)アタリレート及びシクロへキセン オキサイド含有 (メタ)アタリレート等のエポキシ基含有 (メタ)アタリレート等が挙げられ る。
付加反応の方法としては、常法に従えば良ぐ有機溶媒中又は無溶剤で、カルボ キシル基含有共重合体にエポキシ系不飽和化合物を付加することにより製造するこ とができる。付加反応の条件としては、各反応に応じて反応温度、反応時間及び触 媒を適宜選択すれば良い。
[0060] (f)成分の重量平均分子量(以下「Mw」と!、う。)は、通常、 3, 000〜300, 000、 好ましくは 5, 000〜100, 000である。又、数平均分子量(以下「Mn」という。)は、通 常、 3, 000〜60, 000、好まし <は 5, 000〜25, 000である。
尚、本発明において Mw及び Mnは、ゲルパーミエーシヨンクロマトグラフィー(GPC 、溶出溶媒:テトラヒドロフラン)で測定した分子量をポリスチレン換算した値を意味す る。
本発明においては、このような特定の Mw及び Mnを有する(e)成分を使用すること によって、現像性に優れた感光性榭脂組成物が得られ、それにより、シャープなバタ ーンエッジを有するパターンを形成することができるとともに、現像時に未露光部の 基板上及び遮光層上に残渣、地汚れ、膜残り等が発生し難くなる。又、(e)成分の M wと Mnの比(MwZMn)は、通常、 1〜5、好ましくは 1〜4である。
(f)成分は、単独で又は 2種以上を併用して使用することができる。
[0061] (a)成分、又は (e)成分を配合する場合は (a)成分及び (e)成分〔以下これらをまと
めて (メタ)アタリレート成分と 、う〕と (f)成分の割合としては、(メタ)アタリレート成分及 び (f)成分の合計量を基準として、(f)成分 10〜90質量%が好ましぐより好ましくは 30〜80質量%である。 (f)成分の割合が 90質量%を超えると架橋密度が低下する ため塗膜強度、耐熱性、耐薬品性が低下する傾向がある。
(メタ)アタリレート成分及び (f)成分の合計量の組成物中の割合としては、組成物 中に 10〜50質量%が好ましい。この割合が 10質量%に満たないとプリベータ後の 膜厚が薄くなり過ぎてしまい、一方 50質量%を超えると、組成物の粘度が高くなり過 ぎ塗工性が不良になったり、プリベータ後の膜厚が厚くなり過ぎてしまう。
[0062] 4.用涂
本発明の組成物は、種々の用途に使用可能である。例えば、レジスト等のパターン 形成用組成物、インキ及び塗料等のコーティング材等が挙げられる。
本発明の組成物としては、これらの中でも、アルカリ現像性に優れるためパターン 形成パターン形成用組成物として好ましく使用することができる。
本発明の組成物は、露光感度が高く現像性に非常に優れ、精密で正確なパターン を形成することができるため、パターン形成用組成物として好ましく使用することがで きる。
本発明の組成物をパターン形成用組成物として使用する場合には、(a)、 (b)、 (c) (d)及び (f)成分力もなる組成物が好ま 、。
当該組成物を使用するパターン形成方法としては、常法に従えば良ぐ組成物を基 板に塗布し'乾燥させて塗膜を形成した後、この上から特定のパターン形状を有する マスクを介して活性エネルギー線を照射して硬化させ、未硬化部分を現像液により現 像する方法等が挙げられる。
基板としては、ガラス及びプラスチック等が挙げられる。現像液としては、アルカリ系 の現像液が好ましぐ具体例としては後記に示す通りである。
[0063] パターン形成用組成物としては、エッチングレジスト及びソルダーレジスト等のレジ スト、液晶パネル製造における、柱状スぺーサ一、カラーフィルターにおける画素や ブラックマトリックス等を形成のための着色組成物、及びカラーフィルター保護膜等が 挙げられる。
[0064] 本発明の組成物は、これらの用途の中でも、液晶パネル製造における、画素やブラ ックマトリックス等を形成するための着色組成物として好ましく使用できる。
[0065] 4- 1.着色組成物
本発明の組成物を着色組成物として使用する場合には、さらに顔料及び顔料分散 剤を配合する。以下、これらの成分について説明する。
[0066] 顔料は特に限定されず、種々の有機又は無機顔料を用いることができる。
有機顔料の具体例としては、カラーインデックス(C丄; The Society of Dyers and Co lourists社発行)においてビグメント(Pigment)に分類されている化合物、すなわち、下 記のようなカラーインデックス (C.I.)番号が付されて 、るものを挙げることができる。 C. I.ピグメントイエロー 1、 C丄ピグメントイエロー 3、 C丄ピグメントイエロー 12、 C丄ピグメン トイエロー 13、 C丄ピグメントイエロー 83、 C丄ピグメントイエロー 138、 C丄ピグメントイ エロー 139、 C丄ピグメントイエロー 150、 C丄ピグメントイエロー 180、 C丄ピグメントイ エロー 185等のイェロー系ピグメント; C丄ピグメントレッド 1、 C丄ピグメントレッド 2、 C丄 ビグメントレッド 3、 C丄ピグメントレッド 177、 C丄ピグメントレッド 254等のレッド系ピグメ ント;及び、 C丄ピグメントブルー 15、 C丄ピグメントブルー 15 : 3、 C丄ピグメントブルー 1 5 :4、 C丄ピグメントブルー 15 : 6等のブルー系ピグメント; C丄ピグメントグリーン 7、 C.I. ビグメントグリーン 36等のグリーン系ピグメント; C丄ピグメントバイオレット 23、 C丄ピグ メントバイオレット 23 : 19等。
又、従来分散困難であった臭素化率の高いフタロシアニン、例えば、モナストラル グリーン 6YC、 9YC (アビシァ株式会社製)の高輝度 G顔料、中心金属が銅以外の金 属、例えば、 Mg、 Al、 Si、 Ti、 V、 Mn、 Fe、 Co、 Ni、 Zn、 Ge、 Sn等の異種金属フタロシア ン顔料力 なる高色純度 G顔料を用いることができる。
[0067] 又、前記無機顔料の具体例としては、酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、 亜鉛華、硫酸鉛、黄色鉛、亜鉛黄、べんがら (赤色酸ィ匕鉄 (111) )、カドミウム赤、群青 、酸ィ匕クロム緑、コバルト緑、アンバー、チタンブラック、合成鉄黒、カーボンブラック 等を挙げることができる。本発明において顔料は、単独で又は 2種以上を混合して使 用することができる。
[0068] 顔料分散液は、これらの顔料のなかでも液晶表示装置用カラーフィルターに汎用さ
れている各種の顔料に対して優れた分散性を付与することができ、具体的には、 C.I. ビグメントイエロー 150、 C丄ピグメングリーン 36、 C丄ピグメントグリーン 7、 C丄ピグメン トイエロー 138 C丄ピグメントイエロー 83、 CIピグメントブノレ一 15 : 6、 C丄ピグメントバ ィォレット 23、 C丄ピグメントレッド 177、 C丄ピグメントレッド 254及び、 C丄ピグメントイ エロー 139、臭素化率の高い上記フタロシアニン顔料、上記異種金属フタロシアニン 顔料からなる群から選ばれる少なくとも一種を含有する顔料分散液を調製する場合 に好適に用いることができる。
[0069] 顔料分散剤は特に限定されず、種々の顔料分散剤を用いることができる。
使用可能な顔料分散剤として具体例には、ノナノアミド、デカンアミド、ドデカンアミ ド、 Ν-ドデシルへキサアミド、 Ν-ォクタデシルプロピオアミド、 Ν, Ν-ジメチルドデカン アミド及び Ν, Ν-ジへキシルァセトアミド等のアミド化合物、ジェチルァミン、ジへプチ ルァミン、ジブチルへキサデシルァミン、 Ν, Ν, Ν', Ν'-テトラメチルメタンァミン、トリエ チルァミン、トリブチルァミン及びトリオクチルァミン等のアミン化合物、モノエタノール ァミン、ジエタノールァミン、トリエタノールァミン、 Ν, Ν, Ν', Ν'- (テトラヒドロキシェチ ル)- 1, 2-ジアミノエタン、 Ν, Ν, Ν'-トリ(ヒドロキシェチル) -1, 2-ジアミノエタン、 Ν, Ν , Ν', Ν'-テトラ(ヒドロキシェチルポリオキシエチレン)- 1, 2-ジアミノエタン、 1, 4-ビス (2-ヒドロキシェチル)ピぺラジン及び 1- (2-ヒドロキシェチル)ピぺラジン等のヒドロキ シ基を有するアミン等を例示することができ、その他に-ペコタミド、イソ-ペコタミド、 ニコチン酸アミド等の化合物を挙げることができる。
[0070] さらに、ポリアクリル酸エステル等の不飽和カルボン酸エステルの(共)重合体類;ポ リアクリル酸等の不飽和カルボン酸エステルの(共)重合体の(部分)アミン塩、(部分 )アンモニゥム塩ゃ (部分)アルキルアミン塩類;水酸基含有ポリアクリル酸エステル等 の水酸基含有不飽和カルボン酸エステルの(共)重合体やそれらの変性物;ポリウレ タン類;不飽和ポリアミド類;ポリシロキサン類;長鎖ポリアミノアミドリン酸塩類;ポリ(低 級アルキレンィミン)と遊離カルボキシル基含有ポリエステルとの反応により得られる アミドゃそれらの塩類を挙げることができる。
[0071] 又、分散剤の市販品として、シゲノックス- 105 (商品名、ノ、ッコ—ルケミカル社製)、 Disperbyk-101,同- 130、同- 140、同- 170、同- 171、同- 182、同- 2001〔以上、ビック
ケミ一'ジャパン(株)製〕、 EFKA- 49、同- 4010、同- 9009 (以上、 EFKA CHEMICALS 社製)、ソルスパース 12000、同 13240、同 13940、同 17000、同 20000、同 24000GRゝ、 同 24000SC、同 27000、同 28000、同 33500〔以上、ゼネカ(株)製〕、 PB821、同 822〔以 上、味の素 (株)製〕等を挙げることができる。
[0072] 顔料分散剤は、顔料 100質量部に対して通常は 10〜90質量部、好ましくは 20〜 80質量部の割合で使用する。
[0073] 着色組成物には、さらに必要に応じて、紫外線遮断剤、紫外線吸収剤、表面調整 剤(レべリング剤)及びその他の成分を配合しても良 、。
[0074] 着色組成物は、(メタ)アタリレート成分、顔料、顔料分散剤及び必要に応じてその 他の成分を、(d)成分に直接混合し、公知の分散機を用いて分散させることによって 製造しても良いが、顔料分散が不十分となることがあるため、予め顔料分散液を調製 する方法が好ましい。
[0075] この方法によれば、顔料分散性に優れた感光性着色組成物を容易に得ることがで きる。この方法では、特に (f)成分を配合する場合において、顔料、顔料分散剤及び 必要に応じて一部の (f )成分を分散するための溶剤 (以下「分散溶剤」 t ヽぅ)に混合 、分散させることにより、顔料分散液を予め調製する。一方、これとは別に (メタ)アタリ レート成分及び必要に応じて (f)成分や他の成分を、希釈するための溶剤(以下「希 釈溶剤」という)に混合し溶解又は分散させることにより、クリアレジスト液を調製する。 そして、得られた顔料分散液とクリアレジスト液を混合し、必要に応じて分散処理を行 うことによって、顔料分散性に優れた着色組成物が容易に得られる。この方法によれ ば、分散溶剤及び希釈溶剤を別々に選択できるので、溶剤選択の幅も広がる。
[0076] 顔料分散液を予備調製しない場合には、有機溶剤に先ず、顔料、顔料分散剤、及 び必要に応じてアルカリ可溶性榭脂を投入し充分に混合、攪拌して顔料を分散させ た後、カルボキシル基含有多官能アタリレート等の残りの成分を追加して混合するこ とにより、顔料の分散工程においてその他の配合成分により顔料分散性が阻害され ずに済むだけでなぐ安定性にも優れる。
[0077] このようにして得られた着色組成物を支持体に塗布して塗膜を形成し、乾燥させた 後、当該塗膜に光線を所定のパターン状に照射することにより塗膜の一部を選択的
に硬化させた後、アルカリ液で現像後、ポストベータを行い、更に熱硬化することによ り、所定パターンの着色塗膜が得られる。
[0078] 使用する光は紫外線や可視光線が好ましぐ高圧水銀灯やメタルハライドランプ等 力 得られる 240ηπ!〜 41 Onmの波長光を使用する。硬化に必要な照射エネルギー は、通常、 10〜500miZcm2程度である。露光工程においては、塗膜の表面にレー ザ一光を照射するか、又は、マスクを介して光線を照射することによって、塗膜の所 定位置を選択的に露光、硬化させることができる。
現像液としては、アルカリィ匕合物の水溶液が使用できる。アルカリ性ィ匕合物としては 、例えば、水酸ィ匕カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、ケ ィ酸ナトリウム、アンモニア、テトラメチルアンモ-ゥムヒドロキシド等が挙げられる。又 、現像速度促進のために、現像液に、メタノール、エタノール、イソプロパノール及び ベンジルアルコール等の水溶性有機溶剤や、各種界面活性剤を適当量添加しても よい。
現像方法は、液盛り法、デイツビング法及びスプレー法等のいずれでもよい。現像 後、パターン部分を 0. 5〜1. 5分間水で洗浄し、圧縮空気等で風乾させて着色バタ ーンを得る。
[0079] 又、熱硬化は、通常、真空乾燥機、オーブン、ホットプレート、或!、はその他の熱を 与えられる装置を用いて 50〜200°Cで乾燥し、その後 120〜250°C程度の温度で 加熱して硬化させる。
[0080] 塗膜中の硬化した部分は、上記本発明に係る光硬化反応及び熱硬化反応により 形成された架橋結合のネットワークによって形成されたマトリックス中に、顔料が均一 に分散された構造を有して ヽる。
[0081] この着色組成物は硬化性に優れ、架橋密度が上がって内部まで均一に良く固まる ため、現像時に逆テーパーになり難ぐ順テーパー状でエッジがシャープで且つ表 面平滑性が良好なパターンが形成される。
[0082] 又、本発明の着色組成物は、硬化時に内部まで良く固まった架橋密度に高いマトリ ックス中内に不純物が閉じ込められて液晶層に溶出し難 、ため、電気信頼性が高 ヽ 着色硬化膜が得られる。特に、この着色組成物を用いて液晶パネルの着色層を作製
する場合には、表示部の電圧を安定して保持することが可能であり、電気信頼性が 高い。
[0083] 又、上記着色組成物は、高濃度の顔料を微細且つ均一に分散させることができ、 着色性が高いため、薄くても着色濃度が大きい着色パターンを形成することができ、 色再現域が広い。
[0084] 着色組成物は、種々の着色塗膜を形成するのに利用できる力 特にカラーフィルタ 一の細部を構成する着色層、すなわち、画素やブラックマトリックスを形成するのに適 している。
発明の効果
[0085] 本発明の組成物は、アルカリ現像性に優れる (a)成分及び (b)成分を必須とするた め、活性エネルギー線硬化型パターン形成用組成物として使用した場合、露光感度 が高く現像性が良好で、精密で正確なパターンを形成することができ、且つ硬化後 において、塗膜強度、耐熱性及び耐薬品性等の諸物性に優れるものとなる。
又、本発明の組成物は、(f)成分の配合割合を減らしてもアルカリ現像性が低下し ないため、相対的に架橋性成分である(a)成分を含む多官能 (メタ)アタリレートや顔 料の割合を多く配合することができるため、着色層を形成するのにも適する。
発明を実施するための最良の形態
[0086] 本発明は、前記 (a)成分と (b)成分を必須成分として含有する組成物であって、 (a) 成分 100質量部に対して、(b)成分を 0. 1〜20質量部の割合で含有する活性エネ ルギ一線硬化型組成物に関する。
(a)成分としては、ジペンタエリスリトールペンタアタリレートの酸無水物付加物が好 ましい。
本発明の組成物としては、さらに光重合開始剤を含有するものが好ましぐ又有機 溶剤を含有するものが好まし 、。
本発明の組成物はインキ、塗料及びレジスト等のパターン形成用組成物の種々の 用途に使用可能であり、特にアルカリ現像性に優れるため、パターン形成用組成物と して好ましく使用でさる。
ノターン形成用組成物としては、さらにアルカリ可溶性榭脂を含むものが好ましい。
さらに、パターン形成用組成物の中でも、着色組成物として好ましく使用することが できる。
又、本発明は前記組成物を基板に塗布して塗膜を形成した後、この上から特定の ノ ターン形状を有するマスクを介して活性エネルギー線を照射して硬化させ、未硬 化部分を現像液により現像するパターン形成方法に関する。
実施例
[0087] 以下、実施例及び比較例を挙げ、本発明をより具体的に説明する。
尚、以下において、「部」とは質量部を意味し、「%」とは特に断りのない限り質量% を意味する。
[0088] 〇製造例 l〔(a-l)の製造〕
攪拌装置、温度計、水冷コンデンサーを備えた 500ミリリットルガラス製フラスコに、 プロピレングリコール モノメチルエーテル モノアセテート〔クラレ(株)製:商品名 PG MAC,以下「PGMAC」という〕 110g、ジペンタエリスリトールペンタ及びへキサァク リレートを 30: 70 (質量比)で含むアタリレート混合物、水酸基価 36mgKOH/g〕 250 gを入れ、無水コハク酸 16g、メトキノン 0. 13gを入れ、 85°Cに昇温した。その中に触 媒のトリエチルァミン 1. 3gを投入後、 3時間反応を行なった。反応は空気 Z窒素の 混合雰囲気下で行い、酸価 34mgKOHZgの化合物(以下「abl」という)を得た。 得られた化合物を、(a)成分を下記の条件で高速液体クロマトグラフィにより分析し 、(b)成分下記の条件でイオンクロマトグラフィにより分析したところ、全アクリル酸エス テル 100部中、(a)成分は 30部であり、(b)成分は 0. 2部であった。
[0089] 參高速液体クロマトグラフ測定条件
'装置 :東ソ一 (株)製 SC— 8010
'カラム:東ソー (株)製 ODS - ΙΟΟζ
逆相(ODS)カラム(内径 4. 6mm、長さ 250mm)。粒子径が 5 mの ODSシリカを 充填。
•分析温度: 40°C
'溶離液: 0. 015%リン酸水:メタノール(容量比) =45 : 55 (Initial)→30: 70 (30mi n)→0 : 100 (45- 50min)
•溶離液の流速: 1. OmL/min
•検出器: UV 210nm
[0090] 參イオンクロマトグラフ分析測定条件]
•装置: DIONEX (株)製 DIONEX DX— 300
•分離カラム: DIONEX (株)製 IonPacAS4A - SC
•ガードカラム: DIONEX (株)製 IonPacAG4A— SC
•溶離液: 1. 8mM-Na CO /1. 7mM—NaHCO
2 3 3
•流量: 1. 5ml/ mm
'サプレッサー: ASRS— ULTRA— II (リサイクルモード、電流値 50mA) •検出器:電気伝導度
•試料注入量: 50 /z L
•手順:試料を 10倍量のトルエンで希釈後、試料の 5倍量の水をカ卩ぇ 10分間振とうし 、静置後、下層 (水層)を分取し測定サンプルとした。
[0091] 〇製造例 2
原料の無水コハク酸の仕込み量を 20gとしたこと以外はすべて製造例 1に従い、合 成を行 ヽ、酸価 50mgKOHZgの化合物(以下「ab2」 t\、う)を得た。
得られたィ匕合物を製造例 1と同様に分析したところ、全アクリル酸エステル 100部中 、(a)成分は 30部であり、(b)成分は 1. 5部であった。
[0092] 〇製造例 3
原料の無水コハク酸の仕込み量を 13gとしたこと、及び反応時間を 8時間としたこと 以外はすべて製造例 1に従い、合成を行い、酸価 28mgKOHZgの化合物(以下「a b3」という)を得た。
得られたィ匕合物を製造例 1と同様に分析したところ、全アクリル酸エステル 100部中 、(a)成分は 25部であり、(b)成分は 0. 015部あった。
[0093] 〇製造例 4〔(f)成分の製造〕
攪拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート及び窒素導入管を備えたセパラブルフラ スコに、ベンジルメタタリレートを 52%、アクリル酸を 23%、 PGMACをモノマー合計 量に対して 2倍量、 2, 2'—ァゾビス(2—メチルブチ口-トリル)をモノマーの合計量
に対して 5%添加し、均一に溶解させた。その後、窒素気流下で、 85°Cで 2時間攪拌 し、さらに 100°Cで 1時間反応させた。さらに得られた溶液にグリシジルメタタリレート を 25%、トリェチルアミンをグリシジルメタタリレートに対して 10%、ハイド口キノンをグ リシジルメタタリレートに対して 1%、及び、仕込んだモノマーとグリシジルメタタリレート を合わせた重量が 35%となるように DMDGを添カ卩し、 100°Cで 5時間攪拌し、目的と する共重合体溶液(固形分濃度 31. 5%)を得た。
得られた(f)成分(以下「; fl」という)の Mwは 21, 200で、酸価は 84mgKOHZg、 水酸基価は 96mgKOHZgであった。
[0094] 〇実施例 1〜 3、比較例 1〜 2
下記表 1に示す割合となる様に (a)〜 (c)成分及び (e)成分、顔料及び顔料分散剤 を、常法に従い混合し、着色組成物を調整した。
得られた組成物を使用して、実施例 1〜3、比較例 1〜2と同様の方法に従い現像 性を評価した。残渣については下記の方法に従い評価した。それらの結果を表 1に 示す。
[0095] <現像性>
10cm画のクロムマスクガラス基板上に、表 1及び 2に記載の組成物をスピンコータ 一により塗布し、この塗布膜を 80°Cの送風乾燥機で 10分間乾燥させ、乾燥膜厚 2 mの塗布膜を形成した。得られた塗膜を 0. 5wt%炭酸ナトリウム水溶液でスプレー 現像して、完全に溶解するまでの時間を測定した。
[0096] <残渣>
現像性評価後の基板表面を、エタノールを含ませた綿棒で 10回拭き取り、綿棒の 着色の有無を調べ、下記基準で評価した。
·〇:綿棒が全く着色しない。
• Δ:綿棒がかすかに着色する。
•X :綿棒が着色する。
[0097] [表 1]
実施例 比較例
1 2 3 1 2
(a) ab1 30
及び ab2 30
(b) ab3 30 30 組 -402 30 成 無水コハク酸 0. 5
物 Cc) Irg907 10 10 10 10 10
(d) PGMAC 238 238 238 238 238 その他 19 19 19 19 19
(f) 20 20 20 20 20
PB 35 35 35 35 3
DIS 15 15 15 15 15 合計 367 36フ 367. 5 367 367 固形分澳度(%) 30 30 30 30 30 現像時闐(秒) 2Θ 27 27 45 >90 価 残漆 O O O Δ X
[0098] 表 1における組成物の欄の数字は、部を意味し、 abl〜ab3、及び flは固形分の割 合として示した。
尚、表 1における略号は、以下を意味する。
• Irg907: 2—メチル— 1— [4— (メチルチオ)フエ-ル]— 2—モルフォリノプロパン— 1—オン、チバスペシャルティケミカルズ社製ィルガキュア 907
•M— 402:ジペンタエリスリトールペンタアタリレート Zジペンタエリスリトールへキサ アタリレート混合物(比率:約 30Z70)東亞合成 (株)製ァロニックス M— 402 •PB:顔料、 C. I.ビグメントブルー 15 :6
•DIS:顔料分散剤、 Disperbyk— 2001、固形分 46% (主溶剤:メトキシプロピルァ セテート、メトキシプロパノール、ブチノレセロソノレブ)
[0099] 表 1の糸且成物に含まれる(a)及び (b)成分について、以下の表 2にまとめた。
[0100] [表 2]
実施例 比較例
1 2 3 1 2 配合成分 ab 1 ab2 ab3 + ab3 - 402 無水: mク酸
(a) 9 9 7.5 7.5 0
(b) 0.06 0.45 0.0045 0.0045 0
0.5
(b)割合 0.667 5.00 6.73 0.06
その他 20.94 20.55 22.4955 22.4955 30 表 2の棚の数字は、部を意味する。
※「( 割合」:(a)成分 1 00部に対する(b)成分の割合を意味する。
[0101] 実施例 1〜3の組成物は、現像性が非常に優れ、基板上の残渣が全くな力つた。
これに対して、(b)成分の割合が 0. 1部でに満たない比較例 1は、現像性、残渣と もにやや劣る結果であった。又、市販の多官能 (メタ)アタリレートを使用し、(b)成分 を含まない比較例 2では、現像性、残渣ともにも不十分であった。
産業上の利用可能性
[0102] 本発明の組成物は、インキ、塗料及びレジスト等の種々の用途に使用可能であり、 レジスト等のパターン形成用組成物として好ましく使用できる。
さらに、本発明の組成物は、液晶パネル製造におけるカラーフィルターの画素ゃブ ラックマトリックス等を形成するための着色組成物として好ましく使用できる。