JP5356113B2 - 建物の屋外パネル構造 - Google Patents

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Description

本発明は、建物において陸屋根(フラット屋根)やバルコニー床等に用いられる屋外パネル構造に関するものである。
この種の先行技術として、例えば、特許文献1における建物の屋外防水床構造では、ALC床材上に防水パネルが敷設されるとともに、隣接する防水パネルの目地部分には帯状防水シートが設けられ、防水パネルを構成する断熱材がALC床材と接着剤を介して貼着されている。
また、防水パネルの目地部分に設けられる防水シートを防水パネルの表面に溶着により接合する技術が一般に知られている。
特開平11−229488号公報
しかしながら、上記のとおり防水シートを防水パネルの表面に溶着により接合する場合、晴天時の強い日差し等によりパネル温度が上昇すると、溶着剤が揮発することに起因して、防水パネルに重ねて設けられる断熱材等が溶解又は変形してしまうという問題が生じる。本発明者の見識によれば、溶着剤の組成として一般に含まれるテトラヒドロフランの沸点が約65℃であることから、パネル温度が高温になると溶剤蒸気(気化により生じる気化溶剤)が発生しやすくなり、その溶剤蒸気が広範囲に拡散することで断熱材等の溶解や変形が生じると考えられる。
なお、防水パネルの目地部分には、屋根等の施工時においてクラフトテープからなる目地テープが貼着されることがあるが、これは液状の溶着剤が目地部分に流れ込まないようにするための簡易処置であり、施工後において温度上昇等により溶剤蒸気が発生すると、やはり断熱材等の溶解や変形が生じてしまう。例えば、熱等より目地テープが剥がれることで、溶剤蒸気が断熱材側に侵入することも考えられる。また、溶剤蒸気が目地テープを通過して断熱材側に侵入することも考えられる。
本発明は、隣り合う防水パネル間の目地部分に防水シートが溶着される建物の屋外パネル構造において、溶剤蒸気が発生してもそれに起因する断熱材等の溶解や変形といった不具合の発生を抑制できるようにすることを主たる目的とするものである。
以下、上記課題を解決するのに有効な手段等につき、必要に応じて作用、効果等を示しつつ説明する。
第1の発明は、同一平面状に配置される複数の防水パネルと、隣り合う防水パネル間の目地部分を覆って配置される防水シートとを備え、前記防水パネルの表面に溶着により前記防水シートが接合される建物の屋外パネル構造であり、前記防水パネル及び前記防水シートの溶着部と前記複数の防水パネルにおいて前記溶着部の反対側に設けられる下層部材との間を遮断する位置に、耐溶剤性を有する耐溶剤性シートが貼り付けられていることを特徴とする。
上記構成によれば、防水パネル及び防水シートの溶着部と、複数の防水パネルにおいて前記溶着部の反対側(すなわち、防水パネルの表裏両面のうち防水シートが溶着されていない方のパネル面側)の下層部材との間が、耐溶剤性シートにより遮断されるため、パネル温度の上昇等により溶着剤が揮発して溶剤蒸気が発生しても、その溶剤蒸気が溶着部とは反対側に入り込むことを抑制できる。これにより、防水パネルに重ねて設けられる下層部材としての断熱材や下地材の溶解や変形を抑制できる。なお、耐溶剤性シートとしては例えばアルミシートが用いられるとよい。
第2の発明では、前記防水パネルの溶着側パネル面には、そのパネル面端部に前記耐溶剤性シートが貼り付けられ、その耐溶剤性シートよりもパネル内方側(すなわちパネル中心側)を前記溶着部としてかつ前記耐溶剤性シートを覆うようにして前記防水シートが溶着されている。
上記構成によれば、防水パネルの溶着側パネル面(防水パネルの表裏両面のうち防水シートが溶着されるパネル面)には、耐溶剤性シートの貼り付け領域が確保され、さらにその耐溶剤性シートを完全に覆った状態で防水シートが配設されている。これにより、防水パネルと防水シートとの間に耐溶剤性シートを好適に配置できる。また、耐溶剤性シートを外部に露出することなく防水シートの内側に収めることができる。
第3の発明では、隣り合う防水パネルに跨って前記耐溶剤性シートが貼り付けられている。これにより、隣り合う防水パネル間の目地部分において、下層部材側への溶剤蒸気の通過を確実に抑制できる。
第4の発明では、第3の発明において、前記耐溶剤性シートは、防水性を有するものであるとしている。例えば、雨天時などにおいては、建物の施工現場で防水パネル及び防水シートの設置作業は行われるが、溶着作業は行われない場合があると考えられる。この点、隣り合う防水パネルに跨って耐溶剤性シートが貼り付けられ、かつその耐溶剤性シートが防水性を有していれば、防水パネルに対する防水シートの溶着が完了していなくても(溶着作業前であっても)屋外パネルに防水機能を持たせることができる。
第5の発明は、前記防水パネルがネジ等の固定部材により前記下層部材に固定される屋外パネル構造であり、前記防水パネルには前記固定部材を取り付ける孔部が形成され、その孔部を塞ぐようにして前記耐溶剤性シートが貼り付けられている。これにより、固定部材を取り付ける孔部においても溶剤蒸気の通過を抑制できる。
第6の発明では、隣り合う防水パネルは端部同士が重なり合って配置され、前記耐溶剤性シートが、前記隣り合う防水パネルの重なり部に挟まれて設けられている。この場合、防水パネルの重なり部の隙間での溶剤蒸気の通過を抑制できる。
なお、防水パネルの重なり部分において、下側(下層部材側)となる一方の防水パネルがネジ等の固定部材で固定され、その固定部材の上(例えばネジ頭部の上)に他方の防水パネルが重ね合わされる構成であるとよい。これにより、固定部材の抜け落ち等を防止できる。
第7の発明は、目地部分のシート溶着部において、一方の防水パネルとの溶着部である第1溶着部は施工現場への搬入前にあらかじめ溶着され、他方の防水パネルとの溶着部である第2溶着部は施工現場で溶着される屋外パネル構造に関する。そして、前記施工現場で溶着作業が行われる防水パネルの表面には、前記第2溶着部よりもパネル端部側の位置に前記耐溶剤性シートが貼り付けられている。
要するに、防水パネルと防水シートとの溶着箇所では、その溶着作業が行われた後、所定日数が経過するまでは溶剤蒸気が発生しやすいが、所定日数が経過すると溶剤蒸気が発生しにくくなる。そのため、上記のとおり施工現場への搬入前にあらかじめ溶着が行われる第1溶着部と、施工現場で溶着が行われる第2溶着部とがある場合(すなわち、第1,第2溶着部で溶着作業の時期がそれぞれ異なる場合)、前者の第1溶着部では溶剤蒸気が発生しにくいが、後者の第2溶着部では溶剤蒸気が発生しやすくなっていることがあると考えられる。したがって、少なくとも第2溶着部側で耐溶剤性シートが設置されることで、溶剤蒸気の拡散を好適に抑制できる。この場合、第1溶着部側には耐溶剤性シートの設置が不要であり、この第1溶着部側での耐溶剤性シートの設置を無くすことで、構成の簡素化や、材料コストの低減、シート貼り付け作業の簡略化等を図ることができる。
第8の発明では、前記耐溶剤性シートは、防水パネル側及び防水シート側の両面が貼り付け面となっている。この場合、耐溶剤性シートの両面を貼り付け面とすることで、耐溶剤性シートが、隣り合う防水パネルに跨っていなくても、換言すれば第2溶着部側だけに設けられていても、目地部分への溶剤蒸気の侵入を確実に抑制できる。
屋根パネルの断面構造を示す断面図。 屋根パネルの斜視図。 建物施工現場における屋根パネルの施工手順を説明するための図。 他の実施形態における屋根パネルの断面構造を示す図。 他の実施形態における屋根パネルの断面構造を示す図。 他の実施形態における屋根パネルの断面構造を示す図。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態では、陸屋根式建物の屋根下地材の上に設けられる屋根パネルについて本発明の屋外パネル構造を具体化している。図1は、屋根パネルの断面構造を示す断面図であり、図2は、屋根パネルの斜視図である。
屋根パネル10は、図示しない屋根下地材(屋根小梁等の屋根フレーム)上に設置される野地板11と、その野地板11の上に設置される断熱材12と、さらにその上に設置される不燃鋼板13とを備えている。野地板11は、例えば合板やALC(軽量コンクリート)等により構成され、断熱材12は、例えば発泡性の樹脂(例えばポリスチレンフォーム)により構成されている。また、不燃鋼板13は、耐水材で被覆された金属板により構成されており、具体的には、ポリ塩化ビニル等の樹脂を金属板に塗布して形成された塩化ビニル被覆鋼板(塩ビ鋼板)により構成されている。不燃鋼板13は塩ビ層を上側にして設置されている。本実施形態では、野地板11と断熱材12とが下層部材に相当し、不燃鋼板13が防水パネルに相当する。
不燃鋼板13は、矩形平板状をなし、断熱材12の全体を覆うようにして同一平面状に複数枚敷設されている。不燃鋼板13の端部には、その端縁方向に沿って所定間隔で座ぐり付きのネジ取付孔13aが形成されており、このネジ取付孔13aの形成位置にて固定部材としてのタッピングネジ14により不燃鋼板13が野地板11に固定されている(図2参照)。不燃鋼板13では、対向する2辺のうち一方側にのみネジ取付孔13aが形成され、同ネジ取付孔13aにてネジ固定が行われるようになっている。
なお、固定部材として、釘など他の部材を用いることもできる。また、タッピングネジ14等の固定部材を用いず、接着により不燃鋼板13を断熱材に貼り合わせる構成を採用することも可能である。
不燃鋼板13の上面が屋根パネル10の外表面(屋根面)であり、この屋根面の防水性を確保すべく、隣り合う不燃鋼板13間の目地部分には帯状の防水シート15が設置されている。防水シート15は、軟質塩化ビニル系シートにより構成されている。ここで、隣り合う2つの不燃鋼板13は所定の隙間Cを隔てて配置され、防水シート15は、その両方の不燃鋼板13に重なった状態でパネル表面に溶着により接合されている。溶着には、組成としてテトラヒドロフランを含む溶着剤が用いられ、シート長辺部(長手方向の両縁部付近)にて防水シート15が不燃鋼板13に溶着されている。なお、各不燃鋼板13が所定の隙間Cを隔てて配置されることで、熱膨張による不燃鋼板13の変形を吸収できるようになっている。
不燃鋼板13の上側パネル面には、パネル端部から所定寸法だけ空けた部分(後述する目地テープ17の貼り付け領域を除く部分)に防水シート15が溶着されている。この防水シート15の溶着部分がシート溶着部Y1,Y2である。ネジ取付部分との位置関係について言えば、ネジ取付孔13aよりもパネル内方側(パネル中心側)がシート溶着部Y1になっている。シート溶着部Y1,Y2のうち、一方のシート溶着部Y1は施工現場への搬入前にあらかじめ溶着される第1溶着部、他方のシート溶着部Y2は施工現場で溶着される第2溶着部となっている。
また、溶着剤として用いられるテトラヒドロフランは沸点が約65℃であることから、晴天時に強い日差しが屋根面に照射されると、屋根パネル10の温度が上昇し、揮発により溶剤蒸気が発生する。そして、この溶剤蒸気により断熱材12の溶解(浸食)や変形が生じることが懸念される。特に近年における地球温暖化の傾向を考えると、こうした溶剤蒸気の発生及びそれに伴う不具合の発生が大いに懸念される。そこで本実施形態では、隣り合う不燃鋼板13間の目地部分に耐溶剤性シートからなる目地テープ17を貼り付け、その目地テープ17により、不燃鋼板13及び防水シート15の溶着部(シート溶着部Y1,Y2)と断熱材12との間を遮断する構成としている。
目地テープ17は、不燃鋼板13間の隙間Cの幅寸法よりも大きい幅寸法を有し、隣り合う不燃鋼板13の各端部にそれぞれ重なった状態で貼り付けられている。そして、その目地テープ17を上方から完全に覆うようにして防水シート15が溶着されている。目地テープ17は、耐溶剤性に加え防水性を有するものであり、例えばアルミ合金製のアルミテープよりなる。その他、目地テープ17として、耐溶剤性を有する樹脂系のテープ部材を用いることも可能である。また、目地テープ17は、隣り合う不燃鋼板13に跨って、かつネジ取付孔13aを塞ぐようにして貼り付けられている。
目地テープ17は、防水性を有する両面テープにより不燃鋼板13の表面に貼り付けられている。ただし、両面テープは、シート溶着作業の後、溶着剤の熔解作用が生じなくなるまでの期間で防水効果が保たれるものであればよい。なお、溶着剤は、溶着作業の後、数日程度で熔解作用が生じなくなるものである。
上記構成の屋根パネル10によれば、複数の不燃鋼板13の目地部分に沿って帯状の防水シート15が溶着されているため、同屋根パネル10に好適なる防水性能を持たせることができる。また、隣り合う不燃鋼板13間の目地部分に耐溶剤性シートからなる目地テープ17が貼り付けられているため、シート溶着部Y1,Y2にて溶剤蒸気が発生しても、その溶剤蒸気が断熱材12側に侵入することを抑制できる。これにより、断熱材12の溶解や変形を抑制できる。
次に、建物の施工現場における屋根パネル10の施工手順について図3を用いて説明する。
まずは建物の屋根下地材(屋根小梁等)上に野地板11と断熱材12とが設置された状態で、断熱材12の上に複数の不燃鋼板13が横並びで敷設される。このとき、図3(a)に示すように、不燃鋼板13の一辺部(周囲四辺のうち一辺部)には、一部が不燃鋼板13からはみ出した状態で、すなわち未溶着の余剰部分を有した状態で防水シート15があらかじめ溶着されている。この不燃鋼板13に対する防水シート15の溶着は、施工現場への運搬前に工場で実施され、不燃鋼板13の一辺部に防水シート15が溶着された状態で、施工現場に搬入されるものとなっている。
そして、防水シート15が既に溶着されているパネル端部と、防水シート15が溶着されていないパネル端部とが近接対向するようにして、複数の不燃鋼板13が断熱材12の上に敷設される(図3(b))。このとき、タッピングネジ14による不燃鋼板13の固定が行われる。
その後、図3(c)に示すように、隣り合う不燃鋼板13に跨って、かつネジ取付孔13aを塞ぐようにして目地テープ17が両面テープにより貼り付けられる。
ここで、例えば雨天時においては、野地板11の設置から目地テープ17の貼り付けまでは作業が行われるが、防水シート15の溶着作業(未溶着部分の溶着作業)は行われない場合があると考えられる(雨天時には溶着作業が実施できない)。この場合、防水シート15の溶着が完了していないことから、不燃鋼板13の目地部分から下部構造への水の浸入が懸念される。この点、本実施形態では目地テープ17が防水性を有しているため、溶着作業が未完であっても屋根パネル10に一次防水機能を持たせることができる。
目地テープ17の貼り付け後には、図3(d)に示すように、防水シート15のはみ出し部分(未溶着の余剰部分)を、溶着相手側の不燃鋼板13に溶着する。このとき、不燃鋼板13の表面に溶着剤を塗布して溶着作業を実施する。以上一連の作業により、図1,図2に示す屋根パネル10の施工が完了する。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果が得られる。
建物の屋根パネル構造において、隣り合う不燃鋼板13間の目地部分に耐溶剤性シートからなる目地テープ17が貼り付けられているため、シート溶着部Y1,Y2で発生する溶剤蒸気が断熱材12側に侵入することを抑制できる。これにより、断熱材12の溶解や変形を抑制できる。
目地テープ17は隣り合う不燃鋼板13の各端部に貼り付けられ、その目地テープ17を上方から完全に覆うようにして防水シート15が溶着されている。この場合、不燃鋼板13の上面側には目地テープ17の貼り付け領域が確保されている。これにより、不燃鋼板13と防水シート15との間に目地テープ17を好適に配置できる。また、目地テープ17を外部に露出することなく防水シート15の内側に収めることができる。
目地テープ17は、隣り合う不燃鋼板13に跨って、かつネジ取付孔13aを塞ぐようにして貼り付けられているため、不燃鋼板13の目地部分やネジ取付孔13aにおける溶剤蒸気の通過を確実に抑制できる。したがって、断熱材12の溶解や変形を抑制する上で一層好適な構成を実現できる。
目地テープ17は、耐溶剤性に加え防水性を有するものであるため、雨天時などにおいて、不燃鋼板13等の設置作業は行われるが防水シート15の溶着作業は行われない場合であっても、すなわち防水シート15が未溶着のままであっても、屋根パネル10に一次防水機能を持たせることができる。
隣り合う不燃鋼板13と防水シート15との溶着部Y1,Y2において、一方のシート溶着部Y1は施工現場への搬入前にあらかじめ溶着され、他方のシート溶着部Y2は施工現場で溶着されるものであるため、各防水シート15は2カ所で溶着されるところ、施工現場での溶着作業はそのうち1カ所のみでよくなる。これにより、施工現場での溶着作業の簡素化を図ることができる。
防水性を有する両面テープにより目地テープ17を不燃鋼板13に貼り付ける構成としたため、防水シート15の溶着前における断熱材12側への水や溶着剤(液剤)の浸入を抑制できる。また、この両面テープは、シート溶着作業の後、少なくとも溶着剤の熔解作用が生じなくなるまでの期間で防水効果が保たれるものであり、溶着作業後の数日間において、所望とする断熱材12の保護効果を持続できる。
[他の実施形態]
本発明は上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施されてもよい。
・上記実施形態では、図1に示すように、隣り合う不燃鋼板13に跨るようにして目地テープ17を貼り付ける構成としたが、これを図4のように変更してもよい。図4では、施工現場への搬入前にあらかじめ溶着されるシート溶着部Y1と、施工現場で溶着されるシート溶着部Y2とのうち、後者のシート溶着部Y2側にのみ、耐溶剤性シートとしての目地テープ21が貼り付けられている。より具体的には、図4の右側の不燃鋼板13において、シート溶着部Y2よりも端部側の位置に、隙間Cにかかることなく目地テープ21が貼り付けられている。目地テープ21は、その上下両面(不燃鋼板13側及び防水シート15側の両面)が貼り付け面となっており、その上下両面でそれぞれ両面テープにより貼り付けられている。
上記構成であっても、溶剤蒸気が断熱材12側に侵入することを抑制でき、断熱材12の溶解や変形を抑制できる。本構成では、2つのシート溶着部Y1,Y2のうち一方側にのみ目地テープ21を設けた構成にもかかわらず所望の効果が得られるものとなっている。これは以下の理由による。
不燃鋼板13と防水シート15との溶着箇所では、その溶着作業が行われた後、所定日数が経過するまでは溶剤蒸気が発生しやすいが、所定日数が経過すると溶剤蒸気が発生しにくくなる。そのため、現場搬入前にあらかじめ溶着が行われるシート溶着部Y1では、屋根施工時点で既に溶剤蒸気が発生しにくくなっているのに対し、施工現場で溶着が行われるシート溶着部Y2では、屋根施工後に溶剤蒸気が発生しやすくなることが想定される。この場合、シート溶着部Y2側で目地テープ21が設置されることで、溶剤蒸気の拡散を好適に抑制できる。シート溶着部Y1側での目地テープ21の設置を無くすことで、構成の簡素化や、材料コストの低減、シート貼り付け作業の簡略化等を図ることができる。
目地テープ21は、不燃鋼板13側及び防水シート15側の両面が貼り付け面となっているため、目地テープ21が隣り合う不燃鋼板13に跨っていなくても、換言すればシート溶着部Y2側だけに設けられていても、目地部分への溶剤蒸気の侵入を確実に抑制できる。
・隣り合う不燃鋼板13を端部同士が重なり合うように配置するとともに、耐溶剤性シートとしての目地テープを、隣り合う不燃鋼板13の重なり部に設ける構成としてもよい。具体的には、図5(a)では、隣り合う不燃鋼板13の端部同士が重なり合って重なり部Kが形成されている。この場合、一方の不燃鋼板13がタッピングネジ14で固定されるとともに、他方の不燃鋼板13が、その端部をタッピングネジ14の頭部上に重ねて配置されている。そして、不燃鋼板13の重なり部Kにおいて2つの不燃鋼板13に跨った状態で耐溶剤性シートとしての目地テープ22が設けられている。
また、図5(b)では、図5(a)との相違点として、不燃鋼板13の重なり部Kにおいて2つの不燃鋼板13に挟まれた状態で耐溶剤性シートとしての目地テープ23が設けられている。
図5(a)、(b)の各構成によれば、不燃鋼板13の重なり部Kにおいて溶剤蒸気の通過を抑制できる。なお、不燃鋼板13の重なり部Kにおいて、下側(断熱材12側)の不燃鋼板13を固定するタッピングネジ14の上に別の不燃鋼板13が重ね合わされる構成となっている。これにより、タッピングネジ14の抜け落ち等を防止できる。
・屋根パネルの断面構造について他の構成例を図6を用いて説明する。図6(a)、(b)では、所定の隙間を隔てて隣り合う不燃鋼板13において、一方の不燃鋼板13側では上側、他方の不燃鋼板13側では下側になるようにして、耐溶剤性シートとしての目地テープ24,25が設けられている。図6(a),(b)の違いは、ネジ固定される方の不燃鋼板13において、断熱材12とは反対側(不燃鋼板13の上側)に目地テープを貼り付けるか、断熱材12と同じ側(不燃鋼板13の下側)に目地テープを貼り付けるかである。
また、図6(c)では、隣り合う不燃鋼板13の下側(すなわち断熱材12側)に、耐溶剤性シートとしての目地テープ26が設けられている。さらに図6(d)では、隣り合う不燃鋼板13の下側(すなわち断熱材12側)に、耐溶剤性シートとしての絶縁シート27が設けられている。絶縁シート27は、不燃鋼板13のほぼ全面にわたって設けられる。いずれにしても要は、耐溶剤性シートが、シート溶着部とその溶着部の反対側の断熱材12との間を遮断する位置に設けられていればよい。
・防水パネルとしての不燃鋼板13の下側(裏側)に下層部材として断熱材が設けられる構成を変更してもよく、例えば下層部材として、気密性を有する気密シートを設けたりしてもよい。この場合、上記構成の適用により気密シートの溶解等を抑制することができる。
・防水シートは帯状であるものに限られず、防水パネルとしての不燃鋼板13のほぼ全面に重ねて設けられるものであってもよい。この場合にもやはり、シート溶着部と下層部材としての断熱材等との間を遮断する位置に耐溶剤性シートが貼り付けられている構成であればよい。
・上記実施形態では、組成としてテトラヒドロフランを含む溶着剤が用いられる構成を説明したが、これ以外の溶着剤を用いることも可能である。この場合、塩ビ系材料を溶着するのであればテトラヒドロフランを含む溶着剤を用い、アクリル系材料を溶着するのであれば、メチレン系の溶着剤を用いるとよい。
・耐溶剤性シート(目地テープ)には、防水パネル(不燃鋼板)に対する位置を固定する位置固定手段が設けられていてもよい。例えば、耐溶剤性シートにおいて防水パネルに当接する当接面側に凸部(又は段差部)を形成しておき、その凸部を隣り合う防水パネル間の隙間に係合させるとよい。これにより、耐溶剤性シートの位置固定が確実になる。
また、隣り合う各防水パネルに、パネル端部(目地部分)に向けて傾斜する傾斜面を設け、その傾斜面に合う形状で耐溶剤性シートを構成してもよい。この場合、パネル端部に近づくほど、各防水パネルが肉薄となり、その反面、耐溶剤性シートのシート厚が厚くなるものであるとよい。
・上記実施形態では、建物の屋根に適用した屋外パネル構造について説明したが、屋根以外への適用も可能である。例えば、バルコニー床への適用が可能である。バルコニー床の場合、一般に掃出窓等における窓ガラスに隣り合わせで設けられることから、その窓ガラスからの日射の照り返しにより床面の温度上昇が顕著になると考えられる。特に近年では、窓ガラスとして高遮熱ガラス(Low−E複層ガラス等)が用いられることがあり、この高遮熱ガラスを用いることでバルコニー床面の温度上昇が一層生じやすいものとなる。この点、バルコニー床構造として本発明を適用することにより、バルコニー床面の温度上昇が生じたとしても、溶剤蒸気の発生による断熱材等の溶解や変形といった不具合の発生を抑制することができる。
その他、水平面に対して傾けて設けられる屋外パネル構造や、鉛直方向に設けられる屋外パネル構造(壁パネル構造)にも適用可能である。
10…屋根パネル、11…野地板(下層部材)、12…断熱材(下層部材)、13…不燃鋼板(防水パネル)、13a…ネジ取付孔(孔部)、14…タッピングネジ(固定部材)、15…防水シート、17,21〜26…目地テープ(耐溶剤性シート)、27…絶縁シート(耐溶剤性シート)、C…隙間、K…重なり部、Y1,Y2…シート溶着部。

Claims (7)

  1. 同一平面状に配置される複数の防水パネルと、隣り合う防水パネル間の目地部分を覆って配置される防水シートとを備え、前記防水パネルの表面に溶着により前記防水シートが接合される建物の屋外パネル構造であり、
    前記防水パネル及び前記防水シートの溶着部と前記複数の防水パネルにおいて前記溶着部の反対側に設けられる下層部材との間を遮断する位置に、耐溶剤性を有する耐溶剤性シートが貼り付けられており、
    隣り合う防水パネルは端部同士が重なり合って配置され、前記耐溶剤性シートが、前記隣り合う防水パネルの重なり部に挟まれて設けられていることを特徴とする建物の屋外パネル構造。
  2. 前記防水パネルの溶着側パネル面には、そのパネル面端部に前記耐溶剤性シートが貼り付けられ、その耐溶剤性シートよりもパネル内方側を前記溶着部としてかつ前記耐溶剤性シートを覆うようにして前記防水シートが溶着されている請求項1に記載の建物の屋外パネル構造。
  3. 隣り合う防水パネルに跨って前記耐溶剤性シートが貼り付けられている請求項1又は2に記載の建物の屋外パネル構造。
  4. 前記耐溶剤性シートは、防水性を有するものである請求項1乃至のいずれか1項に記載の建物の屋外パネル構造。
  5. 前記防水パネルがネジ等の固定部材により前記下層部材に固定される屋外パネル構造であり、
    前記防水パネルには前記固定部材を取り付ける孔部が形成され、その孔部を塞ぐようにして前記耐溶剤性シートが貼り付けられている請求項1乃至4のいずれか一項に記載の建物の屋外パネル構造。
  6. 前記目地部分のシート溶着部において、一方の防水パネルとの溶着部である第1溶着部は施工現場への搬入前にあらかじめ溶着され、他方の防水パネルとの溶着部である第2溶着部は施工現場で溶着される屋外パネル構造であり、
    前記施工現場で溶着作業が行われる防水パネルの表面には、前記第2溶着部よりもパネル端部側の位置に前記耐溶剤性シートが貼り付けられている請求項1乃至のいずれか一項に記載の建物の屋外パネル構造。
  7. 前記耐溶剤性シートは、防水パネル側及び防水シート側の両面が貼り付け面となっている請求項に記載の建物の屋外パネル構造。
JP2009129662A 2009-05-28 2009-05-28 建物の屋外パネル構造 Active JP5356113B2 (ja)

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