JP3079893B2 - ベランダの防水パネル構造及びベランダ床の防水方法 - Google Patents

ベランダの防水パネル構造及びベランダ床の防水方法

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JP3079893B2 JP06110002A JP11000294A JP3079893B2 JP 3079893 B2 JP3079893 B2 JP 3079893B2 JP 06110002 A JP06110002 A JP 06110002A JP 11000294 A JP11000294 A JP 11000294A JP 3079893 B2 JP3079893 B2 JP 3079893B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、住宅のベランダの床防
水をなすベランダの防水パネル構造及びベランダ床の防
水方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ユニット住宅のベランダの床には防水パ
ネル等を用いた防水構造が用いられている。以下、従来
のベランダの防水パネル構造について、図13及び図1
4を用いて説明する。
【0003】図13に示されるように、ベランダの床フ
レーム100の上端面には、複数枚のベランダ床パネル
102が順次敷き詰められている。図14に示されるよ
うに、各ベランダ床パネル102は、その幅方向両端部
にてタッピングビス104により床フレーム100の床
梁106の両側部に固着されたアングル状のブラケット
108に固定されている。また、各ベランダ床パネル1
02の幅方向両端部には段差が形成されており、これに
より二枚のベランダ床パネル102が隣接配置されると
段差同士が突き合わされて断面矩形の溝110が形成さ
れる。
【0004】上述したベランダ床パネル102の表面に
は、その表面形状に合致する形状、即ち幅方向両端部が
Z字形に屈曲されたシート防水パネル112が被嵌さ
れ、この状態でタッピングビス114(図13参照)に
よってベランダ床パネル102に固定される。なお、タ
ッピングビス114の頭部にはパッチ116が溶着さ
れ、これによりタッピングビス114の頭部周囲がシー
ルされる。
【0005】シート防水パネル112が被嵌されて固定
された状態では、シート防水パネル112の幅方向端部
がベランダ床パネル102の幅方向端部上に当接してい
るが、溝110の形状自体はそのまま残される。これ
は、シート防水パネル112の熱膨張等を考慮したため
である。そして、この溝110内に、弾性材料で形成さ
れた中空長尺状の目地材118が装着されて溶着され
る。なお、目地材118とシート防水パネル112との
間に生じる隙間にはシーリング材120が注入され、こ
れにより両者の間がシールされる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の防水パネル構造による場合、シート防水パネル11
2の熱膨張等を考慮しつつ防水構造を成立させるため、
各種部材を特殊形状に成形する必要があり、生産性が低
下する。つまり、溝110を確保すべくベランダ床パネ
ル102の幅方向両端部に段差を形成する必要があると
共に、これに対応してシート防水パネル112も同様形
状に成形しなければならない。
【0007】また、隣接するシート防水パネル112の
端末の位置調整をする必要があると共に施工現場におけ
るシール作業が多いので、作業者の負担が増加すると共
に作業に高い習熟度が要求される。
【0008】本発明は上記事実を考慮し、生産性並びに
施工現場における作業性を向上させることができるベラ
ンダの防水パネル構造及びベランダ床の防水方法を得る
ことが目的である。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明
は、住宅のベランダの床防水をなすベランダの防水パネ
ル構造であって、所定の隙間を開けて隣接して配置され
かつ各々平板状に形成された複数の防水パネルと、帯び
状に形成されると共に前記隙間に沿って配置された防水
シートと、を有し、さらに、前記防水シートの幅方向の
一方の端部を隣り合う一方の防水パネルのベランダ床へ
の取付部となるパネル端部の近傍でかつパネル内方側に
予め溶着すると共に、当該防水シートの幅方向の他方の
端部を隣り合う他方の防水パネルのパネル端部に予め溶
着することにより、複数の防水パネルを相互に連結し
た、ことを特徴としている。
【0010】請求項2記載の本発明に係るベランダ床の
防水方法は、所定の隙間を開けて隣接して配置されかつ
各々平板状に形成された3枚の防水パネルを、帯び状に
形成されると共に前記隙間に沿って配置された2枚の防
水シートによって相互に連結することにより防水パネル
セットを構成し、前記2枚の防水シートをヒンジとして
両側の防水パネルを中央の防水パネル側に予め折り畳ん
でおき、次に、当該折り畳まれた状態の防水パネルセッ
トをベランダ床上に載置させ、その後、当該防水パネル
セットを展開させながら防水施工作業を行う、ことを特
としている。
【0011】
【作用】請求項1記載の本発明によれば、所定の隙間を
開けて隣接して配置されかつ各々平板状に形成された複
数の防水パネルと、帯び状に形成されると共に前記隙間
に沿って配置された防水シートと、を有している。そし
て、防水シートの幅方向の一方の端部が隣り合う一方の
防水パネルのベランダ床への取付部となるパネル端部の
近傍でかつパネル内方側に予め溶着されると共に、当該
防水シートの幅方向の他方の端部が隣り合う他方の防水
パネルのパネル端部に予め溶着されることにより、複数
の防水パネルが防水シートによって相互に連結されてセ
ット化される。 上記のセット化された防水パネル及び防
水シートを使って、施工現場では以下の要領で作業が行
われる。まず、防水パネルにおけるパネル端部にて、
防水パネルがベランダ床に取り付けられる。なお、ベ
ランダ床への取付部となる前記パネル端部は防水シート
が予め溶着される部位ではないので、即ち防水シートの
非溶着部であるので、前記取付に際しての作業は円滑に
行われる。次いで、前記防水パネルに隣接して配置され
た別の防水パネルも同様にしてベランダ床への取付作業
が行われる。これにより、隣接する防水パネル間の隙間
がシールされる。同時に、防水シートの幅方向の他方の
端部が隣接する防水パネルのパネル端部を覆う位置にて
溶着されることにより、防水パネルのベランダ床への取
付に用いられた例えばタッピングビス等の固定部材の頭
部も覆われることになる。
【0012】上記により、本発明によれば、ベランダ床
の幅方向端部の形状を特殊形状に成形して溝を設ける必
要もなく、これに伴い防水パネルも平板状の部材で構成
することが可能となる。すなわち、防水パネルの熱膨張
等に対する考慮もなされた上で防水パネル、ベランダ床
の平板性(平面性)が確保される。従って、ベランダの
床の防水構造を成立させるのに必要となる各種部材の生
産性が向上される。
【0013】さらに、本発明によれば、隣接する防水パ
ネルのパネル端部の位置調整をする必要がなくなるこ
と、更に施工現場における作業も防水パネルの固定作業
のみとなること、加えて従来用いられていたパッチや目
地材等が不要になることに伴い必要作業も減ることか
ら、作業者の負担が低減されると共に作業に習熟度が要
求されることもなくなる。従って、施工現場における作
業性が向上される。
【0014】請求項2記載の本発明に係るベランダ床の
防水方法は、防水パネルセットを使用して実施される。
この防水パネルセットは、所定の隙間を開けて隣接して
配置されかつ各々平板状に形成された3枚の防水パネル
を、帯び状に形成されると共に前記隙間に沿って配置さ
れた2枚の防水シートによって相互に連結することによ
り構成されており、予め、2枚の防水シートをヒンジと
して両側の防水パネルを中央の防水パネル側に折り畳ん
でおくことにより、運搬し易い形になる。 次に、当該折
り畳まれた状態の防水パネルセットがベランダ床上に載
置される。その後、当該防水パネルセットを展開させな
がら防水施工作業が行われる。 上記の如く、本発明で
は、防水シートをヒンジとして両側の防水パネルを中央
の防水パネル側に折り畳むことが可能な防水パネルセッ
トを使用するため、運搬性及び保管性が向上される。
【0015】
【実施例】以下、図1〜図12を用いて、本発明の実施
例について説明する。
【0016】まず、図1〜図3を用いて本発明に係るベ
ランダの防水パネル構造の基本構成を説明し、その後、
実際の適用例について説明する。
【0017】図1には、請求項1記載の本発明の着想の
基底にある実施例が示されている。後述するベランダの
床フレーム24の上端面には、ベランダ床としての複数
枚の耐火野地板(床板)10が順次敷き詰められてい
る。各耐火野地板10は矩形平板状とされており、配置
状態では互いに対向する端面が密着している。
【0018】この敷き詰められた耐火野地板10上に、
防水パネルセット12が配設される。防水パネルセット
12は、防水パネルとしての矩形平板状の不燃鋼板14
と、この不燃鋼板14に溶着される防水シートとしての
帯び状のシート状部材16と、によって構成されてい
る。不燃鋼板14の一方の幅方向端部14Aには、その
端縁長手方向に沿って所定間隔でカウンタシンク(ビス
取付用孔及び座ぐり)18が形成されている。このカウ
ンタシンク18の形成位置にて、タッピングビス20に
より不燃鋼板14が耐火野地板10に固定されている
(図2参照)。
【0019】上記のシート状部材16は、その一方の
(幅方向)端部16Aのみが不燃鋼板14の幅方向端部
14Aの内側に予め溶着されている。従って、シート状
部材16の一方の端部16A以外の部分は、不燃鋼板1
4に対して未溶着となっている。この未溶着とされた部
分、具体的にはシート状部材16の他方の端部16B
が、施工現場において図2図示の如く隣接してかつ所定
の隙間21(なお、この隙間21を設けるのは熱膨張に
よる不燃鋼板14の変形を吸収するためである)を開け
て配置される不燃鋼板14の幅方向端部14Bに溶着さ
れている。このため、シート状部材16の幅方向寸法P
は、不燃鋼板14が隣接してかつ所定の隙間21を開け
て配置された場合に、隣接配置される側(相手側)の不
燃鋼板14の幅方向端部14Bを覆うに十分な長さとな
るように裁断されている。また、シート状部材16の他
方の端部16Bが隣接してかつ所定の隙間を開けて配置
される不燃鋼板14の幅方向端部14Bに溶着された状
態では、タッピングビス20の頭部がシート状部材16
の幅方向中間部によって覆われている。
【0020】一方、図3には、請求項1記載の本発明の
一実施例に係る防水パネルセット22が示されている。
この図に示されるように、この防水パネルセット22で
は、3枚の不燃鋼板14(A)、14(B)、14
(C)が用いられている。なお、3枚としたのは、例え
ば6モデュール(P)のベランダに適用することを考慮
して6P分の防水パネルセットを製造した場合、重量が
40kgとなり作業者が持ち運べないからである。これ
に対し、3P分の防水パネルセット(図3のもの)であ
れば、作業者が持ち運び得る25kgとなる。ちなみ
に、2P分の防水パネルセットの場合の重量は13kg
である。
【0021】各不燃鋼板14(A)、14(B)、14
(C)の長手方向寸法Lは共に同一寸法とされている
が、その幅方向寸法Wはそれぞれ異なる。具体的には、
中央に配置された不燃鋼板14(B)の幅方向寸法W2
が最も長く、次いで最外側に配置される不燃鋼板14
(A)の幅方向寸法W1、これと反対側に配置される不
燃鋼板14(C)の幅方向寸法W3の順に短くされてい
る。しかし、これに限らず、中央に配置された不燃鋼板
14(B)の幅方向寸法W2を最も長くした上で、両側
の不燃鋼板14(A)、14(C)の幅方向寸法W1、
W3を同一寸法に設定しても差し支えない。
【0022】さらにこの実施例では、隣接してかつ所定
の隙間21を開けて配置される不燃鋼板14(A)、1
4(B)、及び、不燃鋼板14(B)、14(C)が、
前述したシート状部材16(a)、16(b)によって
相互に連結されている。すなわち、シート状部材16
(a)、16(b)の未溶着部分であった各他方の端部
16Bを隣接してかつ所定の隙間21を開けて配置され
る相手側の不燃鋼板14(B)、14(C)に予め溶着
することにより相互に連結されている。従って、この実
施例では、製品段階で既に3枚の不燃鋼板14(A)、
14(B)、14(C)がシート状部材16(a)、1
6(b)によって連結されてセット化されている。
【0023】なお、最外側に配置される不燃鋼板14
(A)の幅方向端部14Bについては前述したカウンタ
シンク18のみが所定間隔で形成されている。また、最
内側に配置される不燃鋼板14(C)の幅方向端部14
Aについては図1に示される構造同様にシート状部材1
6(c)の一方の端部16Aのみが溶着され他方の端部
16Bは未溶着となっている。
【0024】次に、図4〜図8を用いて、実際の適用例
について説明する。図4には、ベランダの床フレーム2
4上に前述した図3に示されるタイプの防水パネルセッ
ト22が2セット配設された状態が平面図にて示されて
いる。なお、この図においては、ベランダ周縁部に配設
される腰壁等については図示を省略している。
【0025】この図において左側に配設された防水パネ
ルセット22は図3図示のそれと同一のものであるが、
右側に配設された防水パネルセット22は前述したシー
ト状部材16(c)が設けられていない点で相違する。
以下、図4において左側に配設された防水パネルセット
22の各部位の断面図を参照しながら更に説明を加え
る。
【0026】図5には、図4のA−A線に沿った断面構
造が示されている。この図に示されるように、ベランダ
の側部側では、床フレーム24における断面L字形の床
大梁26に支持された耐火野地板10に、タッピングビ
ス20で不燃鋼板14(A)の幅方向端部14Bが固定
されているのみとなっている。従って、この部位にはシ
ート状部材16が存在しないが、別物品(図示省略)が
設けられて水切りがなされることで防水される。
【0027】図6には、図4のB−B線に沿った断面構
造が示されている。この図に示されるように、この部位
では、床フレーム24における断面矩形の床梁28に支
持された耐火野地板10に、タッピングビス20で不燃
鋼板14(B)の幅方向端部14Bが固定されている。
さらに、不燃鋼板14(A)の幅方向端部14Aと不燃
鋼板14(B)の幅方向端部14Bとはシート状部材1
6(a)によって連結されているので、この部位のタッ
ピングビス20の頭部はシート状部材16(a)によっ
て覆われている。
【0028】図7には、図4のC−C線に沿った断面構
造が示されている。この図に示されるように、この部位
では、前記床梁28に支持された耐火野地板10に、タ
ッピングビス20で不燃鋼板14(B)の幅方向端部1
4Aが固定されている。また、前記同様に、不燃鋼板1
4(B)の幅方向端部14Aと不燃鋼板14(C)の幅
方向端部14Bとはシート状部材16(b)によって連
結されているので、この部位のタッピングビス20の頭
部はシート状部材16(b)によって覆われている。
【0029】図8には、図4のD−D線に沿った断面構
造が示されている。この図に示されるように、この部位
では、前記床梁28に支持された耐火野地板10に、タ
ッピングビス20で不燃鋼板14(C)の幅方向端部1
4A及びこれに隣接配置された他方の防水パネルセット
22の不燃鋼板14(A)の幅方向端部14Bの双方が
固定されている。また、この部位においては、シート状
部材16の他方の端部16Bが隣接配置される不燃鋼板
14(A)の幅方向端部14Bに施工現場において溶着
されている。このため、この部位においても、タッピン
グビス20の頭部はシート状部材16(c)によって覆
われている。
【0030】なお、他方の防水パネルセット22におい
て前記A−A線に相当する部位はA−A線断面を左右対
称にした形であり、又残る部位については同一断面線記
号を付してその説明を省略する。
【0031】以下に、本実施例の作用を説明する。上述
した防水パネルセット22(又は防水パネルセット1
2)は、3枚の不燃鋼板14(A)、14(B)、14
(C)が2枚のシート状部材16(a)、16(b)に
よって連結される構成であるため、図9に示される如
く、各シート状部材16(a)、16(b)をヒンジと
して、両側の不燃鋼板14(A)、14(C)を中央の
不燃鋼板14(B)側に折り畳むことができる。この
際、前述した如く、不燃鋼板14(A)、14(B)、
14(C)の幅方向寸法W1、W2、W3の寸法取りが
W3<W1<W2とされていれば、折り畳みやすい。
【0032】ベランダの耐火野地板10への防水パネル
セット22の設置に際しては、図10に示されるよう
に、折り畳まれた3枚の不燃鋼板14(A)、14
(B)、14(C)の上に更に合板30を載せ、この状
態でバンド32で固定する。その後、図示しない吸引式
運搬具(エアーバランサ)によって防水パネルセット2
2を吸着して、ベランダの耐火野地板10上に載置させ
る。
【0033】次に、防水施工作業が行われる。具体的に
は、図4において耐火野地板10の右側にはシート状部
材16(c)が設けられていない防水パネルセット22
が載置され、左側にはシート状部材16(c)が溶着さ
れた防水パネルセット22が載置される。次いで、バン
ド32等を外した後、各防水パネルセット22を展開さ
せながら、外側から中央側(D−D線側)へとタッピン
グビス20で順次不燃鋼板14を耐火野地板10に固定
していく。このとき、各防水パネルセット22における
不燃鋼板14の幅方向端部間には所定の隙間21が確保
されるので、熱膨張による不燃鋼板14の変形が吸収さ
れる。また、タッピングビス20の頭部はシート状部材
16(a)、16(b)によって順次覆われていくの
で、防水性が確保される。なおこの際、シート状部材1
6の幅方向中間部が仮に若干浮き上がったとしても、図
4紙面上で上下方向及び左右方向のシール性には影響を
与えない。その後、未溶着となっているシート状部材1
6(c)の他方の端部16Bが、隣接する不燃鋼板14
(A)の幅方向端部14Bに溶着される。これにより、
D−D線断面部位におけるタッピングビス20の頭部も
シート状部材(c)によって覆われるので、双方の防水
パネルセット22の継ぎ目となる部位の防水性が確保さ
れる。そして、最終仕上げ段階で、一対の防水パネルセ
ット22の周縁部に防水シール用の別部品が配設される
ことにより作業が終了する。
【0034】このように本実施例では、図1図示の構成
にあってはシート状部材16の他方の端部16Bの溶着
と同時に、図3図示の構成にあっては不燃鋼板14の耐
火野地板10への取付と同時に、シート状部材16によ
ってタッピングビス20の頭部が覆われる構成にしたの
で、不燃鋼板14の熱膨張対策も講じられかつ防水構造
を成立させるために耐火野地板10や不燃鋼板14を特
殊形状にする必要がなくなる。つまり、平板状の部材を
そのまま用いることができ、不燃鋼板14、耐火野地板
10の平板性(平面性)が確保される。従って、防水構
造を成立させるのに必要となる部材の生産性を向上させ
ることができる。
【0035】また、本実施例によれば、隣接する不燃鋼
板14の幅方向端部同士等の位置調整をする必要がなく
なること、更に施工現場における作業もタッピングビス
20による不燃鋼板14の固定作業とシート状部材16
の他方の端部16Bの溶着作業のみとなること、加えて
従来用いられていたパッチや目地材等が不要になること
に伴い防水施工の必要作業数が減ることから、作業者の
負担がかなり低減される。同時に、作業に習熟度が要求
されることもなくなる。これらのことから、施工現場に
おける作業性が向上される。
【0036】殊に、図3図示の実施例によれば、複数の
不燃鋼板14をシート状部材16によって相互に連結
し、複数の不燃鋼板14を予めセット化していることか
ら、隣接する防水パネルセット22の継ぎ目部分(D−
D線)を除いて、シート状部材16の他方の端部16B
の溶着作業を廃止することができる。従って、より一
層、施工現場における作業性を向上させることができ
る。
【0037】さらに、図3図示の実施例によれば、複数
の不燃鋼板14をシート状部材16によって相互に連結
したので、シート状部材16をヒンジとして用いること
ができ、これにより折り畳み可能となる。このため、運
搬性、保管性を向上させることができる。
【0038】なお、上述した図4図示の適用例では3枚
の不燃鋼板14をシート状部材16で連結して成る防水
パネルセット22を2セット用いる例を示したが、住宅
仕様によっては図11、図12に示される適用例が採用
される。
【0039】例えば、図11に示される適用例では、2
枚の不燃鋼板14を1枚のシート状部材16で連結して
成る防水パネルセット34が2セット用いられている。
なお、各部位の断面構造は図4に示される適用例の各断
面構造と同一であるので、対応する断面線記号を適宜付
すことによりその説明を省略する。
【0040】また、図12に示される適用例では、前述
した防水パネルセット22と図11の適用例で用いた防
水パネルセット34とが各1セットづつ用いられてい
る。つまり、住宅仕様に応じて防水パネルセット12、
22、34を任意に組み合わせることができる。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように請求項1記載の本発
明に係るベランダの防水パネル構造は、所定の隙間を開
けて隣接して配置されかつ各々平板状に形成された複数
の防水パネルと、帯び状に形成されると共に前記隙間に
沿って配置された防水シートと、を有し、さらに、前記
防水シートの幅方向の一方の端部を隣り合う一方の防水
パネルのベランダ床への取付部となるパネル端部の近傍
でかつパネル内方側に予め溶着すると共に、当該防水シ
ートの幅方向の他方の端部を隣り合う他方の防水パネル
のパネル端部に予め溶着することにより、複数の防水パ
ネルを相互に連結したので、生産性並びに施工現場にお
ける作業性を向上させることができるという優れた効果
を有する。
【0042】さらに、隣接して配置される防水パネルを
所定の間隔を開けて配置しこの状態で取り付けるという
単純な構成で、防水パネルの熱膨張による変形を吸収す
ることができるという優れた効果も得られる。
【0043】さらに、防水シートの幅方向の一方の端部
及び他方の端部のいずれもが隣接して配置された防水パ
ネルにそれぞれ予め溶着されているため、より一層、施
工現場における作業性を向上させることができるという
優れた効果も得られる。 また、請求項2記載の本発明に
係るベランダ床の防水方法は、所定の隙間を開けて隣接
して配置されかつ各々平板状に形成された3枚の防水パ
ネルを、帯び状に形成されると共に前記隙間に沿って配
置された2枚の防水シートによって相互に連結すること
により防水パネルセットを構成し、前記2枚の防水シー
トをヒンジとして両側の防水パネルを中央の防水パネル
側に予め折り畳んでおき、次に、当該折り畳まれた状態
の防水パネルセットをベランダ床上に載置させ、その
後、当該防水パネルセットを展開させながら防水施工作
業を行うものであるため、運搬性及び保管性を向上させ
ることができるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1に係る本発明の着想の基底にある実施
例を示す斜視図である。
【図2】図1の防水パネルセットの取付状態を示す斜視
図である。
【図3】請求項1に対応する一実施例に係る防水パネル
セットを示す斜視図である。
【図4】図3の防水パネルセットを用いた実際の適用例
を示す平面図である。
【図5】図4のA−A線断面図である。
【図6】図4のB−B線断面図である。
【図7】図4のC−C線断面図である。
【図8】図4のD−D線断面図である。
【図9】図3の防水パネルセットが折り畳み可能である
ことを説明する説明図である。
【図10】図9の防水パネルセットが完全に折り畳まれ
た状態を示す斜視図である。
【図11】別の実際の適用例を示す図4に対応する平面
図である。
【図12】更に別の実際の適用例を示す平面図である。
【図13】従来の防水パネル構造を示す斜視図である。
【図14】図13に示される防水パネル構造の要部断面
図である。
【符号の説明】
10 耐火野地板(ベランダ床) 14 不燃鋼板(防水パネル)14A 幅方向端部(一方の端部) 14B 幅方向端部(他方の端部) 16 シート状部材(防水シート) 20 タッピングビス 21 隙間 22 防水パネルセット 34 防水パネルセット
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−140354(JP,A) 特開 昭57−176151(JP,A) 特開 昭62−50551(JP,A) 特開 平3−144033(JP,A) 特開 平3−103562(JP,A) 特開 平1−310049(JP,A) 実開 平2−134201(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E04B 1/00 501

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 住宅のベランダの床防水をなすベランダ
    の防水パネル構造であって、所定の隙間を開けて隣接して配置されかつ各々平板状に
    形成された複数の防水パネルと、 帯び状に形成されると共に前記隙間に沿って配置された
    防水シートと、 を有し、 さらに、前記防水シートの幅方向の一方の端部を隣り合
    う一方の防水パネルのベランダ床への取付部となるパネ
    ル端部の近傍でかつパネル内方側に予め溶着すると共
    に、当該防水シートの幅方向の他方の端部を隣り合う他
    方の防水パネルのパネル端部に予め溶着することによ
    り、複数の防水パネルを相互に連結した、 ことを特徴とするベランダの防水パネル構造。
  2. 【請求項2】 所定の隙間を開けて隣接して配置されか
    つ各々平板状に形成された3枚の防水パネルを、帯び状
    に形成されると共に前記隙間に沿って配置された2枚の
    防水シートによって相互に連結することにより防水パネ
    ルセットを構成し、 前記2枚の防水シートをヒンジとして両側の防水パネル
    を中央の防水パネル側に予め折り畳んでおき、 次に、当該折り畳まれた状態の防水パネルセットをベラ
    ンダ床上に載置させ、 その後、当該防水パネルセットを展開させながら防水施
    工作業を行う、 ことを特徴とするベランダ床の防水方法。
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