JP5355276B2 - 面発光レーザ - Google Patents
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Description
二次元アレイ化した場合、出射されるマルチビームにより並列処理が可能となるため、高密度化及び高速化を意図して、様々な産業上の応用が期待されている。例えば、電子写真プリンタの露光光源として面発光レーザアレイを用いると、マルチビームによる印字工程の並列処理により、印刷速度の高速化が可能となる。このような電子写真における印刷工程においては、感光ドラムを露光するために必要な光量だけでなく、感光ドラム上に安定かつ微小なレーザスポットの形成が必要となる。
したがって、レーザ特性としては、必要な光量を満たす高出力動作と、単峰性ビーム形状での単一横モード動作という量と質の両方がレーザビームに要求される。
これにより、光閉じ込め係数が増大し、出力の増大が見込まれる。
しかしながら、このPGS構造では原理的にp−i−n接合においてi層が厚くなってしまう。
さらに、正孔の移動度が電子に比べ小さいことも由来して、i層内縦方向に電子と正孔の分布が生じてしまい、期待した程にはその効果が得られていなかった。このようなことから、特許文献1のようにpn接合を面内方向に形成することで周期利得構造のように複数の活性層が存在する場合であっても各々の活性層に、等しいキャリア注入が可能となる手法が提案されている。
また、電流狭窄構造を形成し、必要な領域に絞って電流を注入することで、高効率、高出力を得ることができる面発光レーザが実現されている。
この方法では、Al組成の高い、例えばAl組成98%のAlGaAs層を多層膜反射鏡内に設ける。
そして、それを高温水蒸気雰囲気中で選択酸化することで、例えば10um以下の開口径を持つ電流狭窄構造を形成し、必要な領域のみに効率的に電流を注入するようにされる。
面内方向のキャリア分布に着目すると、電流狭窄構造の開口端部において電流がより集中し、開口部および活性層では凹型の電流密度になり易い。
ここで、単峰性ビーム、すなわち凸型の光分布形状が必要とされる場合には、その凹型電流密度分布と凸型光分布との結合効率が悪い。
そのため、単峰性ビームを実現する0次光モードへの利得(電流の寄与)は実効的に低く、光出力が制限されてしまうという課題があった。
本発明の面発光レーザは、
面発光レーザであって、
第1の半導体多層膜反射鏡と、
前記第1の半導体多層膜反射鏡と対向して配置された第2の半導体多層膜反射鏡と、
前記第1の半導体多層膜反射鏡と前記第2の半導体多層膜反射鏡との間に設けられ、少なくとも第1の活性層と第2の活性層とを有する利得領域と、
前記第1の活性層および前記第2の活性層に注入される電流を狭窄する電流狭窄層と、
前記第1の活性層と前記第2の活性層との間に設けられ、p型またはn型にドーピングされている半導体層からなるスペーサ層と、を有し、
前記第1の活性層は、前記第2の活性層よりも小さい体積を備え、
前記電流狭窄層に対して前記第2の活性層よりも近い位置に配置されていることを特徴とする。
本発明者らは、複数の活性層を備えたものにおいて、高効率、高出力化を達成するため、鋭意検討した結果、電流の狭窄によって生じる活性層の面内方向の電流密度分布の違いに応じた、異なる活性層構造とすることで、これらが達成可能となることを見出した。
その際、つぎのような計算を行った。
電流狭窄構造をもち、さらに利得領域として複数の活性層を併せ持つ面発光レーザにおいて、それぞれの活性層における面内方向電流密度分布の算出を行った。計算のための構造として、図2に示すような面発光レーザを用いた。
図2(a)には、pn接合も兼ねる半導体多層膜反射鏡104、118内に二つの多重量子井戸構造108、204を含み、また、図2(b)には、それらが共振器内の光強度分布の腹122に配置される、いわゆる周期利得構造のものが示されている。
酸化狭窄層116はp型半導体層による多層膜反射鏡内118に配置され、そこで電流狭窄され活性層に電流が注入される。
酸化狭窄層に近い第1の活性層204における電流密度の面内分布を図3(a)に、酸化狭窄層から遠い第2の活性層108における電流密度の面内分布を図3(b)に示す。
ここで、縦軸は電流密度(A/cm2)を、横軸は酸化狭窄径中心からの距離を示す。
この結果から、複数の活性層が存在する場合、電流狭窄層に近い第1の活性層204では、電流狭窄開口端部周辺(中心から2〜3umあたり)に電流が集中する影響が依然として残り、凹型の電流密度分布になっている。
一方、酸化狭窄層から遠い第2の活性層108では、端部に電流集中する影響が十分薄れ、凸型の電流密度分布になることがわかった。
図4において、縦軸は規格化した光強度であり、横軸は図3と同じく酸化狭窄径中心からの距離を示す。
例として、0次モードでのシングルモード動作を得ようとすると、0次光モード分布と電流密度分布の形状が似通っている、つまり結合効率が高いものが望まれる。
上記の計算結果を考慮すると、酸化狭窄層から遠い第2の活性層108の電流密度分布(図3(b))は、0次光モード(図4(b))との結合が高くなる。
一方、酸化狭窄層に近い第1の活性層204の電流密度分布(図3(a))では、0次光モードとの結合が低く、ここでは望ましくない1次光モード(図4(a))との結合が高くなってしまう。
すなわち、より凸型の電流密度分布を持つ、酸化狭窄層から遠い第2の活性層からのモード利得への寄与を、酸化狭窄層に近い第1の活性層に比べて、相対的に大きくする。例えば、酸化狭窄層から遠い第2の活性層の井戸数を、酸化狭窄層に近い第1の活性層の井戸数より多くすれば良い。
また、これとは逆に、例えば、1次モードでのシングルモード出力を大きくするためには、つぎのように構成すれば良いことが分かる。
すなわち、1次光モードとの結合係数の高い凹型の電流密度分布をもつ酸化狭窄層に近い活性層の井戸数を、それより遠い活性層の井戸数よりも多い井戸数とすれば良い。
これらにより、電流狭窄構造と複数の活性層を持つ面発光レーザにおいて、その電流狭窄によって生じる電流密度分布に応じた複数の異なる活性層構造により、所望の特性を有する面発光レーザを見出した。
この構造では、出射(縦)方向の光分布と活性層との結合効率、いわゆる光閉じ込め係数を極力高めてレーザ特性(主に光出力)の向上が図られるだけである。したがって、このような同じ構造の活性層が配置されている従来例のものでは、0次モードでのシングルモード出力を大きくしたり、1次モードでのシングルモード出力を大きくするというように、所望の特性を得るための制御ができない。これに対して、本発明では、電流狭窄によって生じる電流密度分布に応じた複数の異なる活性層構造とすることにより、酸化狭窄構造によって生じる面内方向の電流密度分布、すなわち面内方向の実効的な活性領域と光分布を考慮した最適な構造とすることができる。
[実施例1]
実施例1では、図1を用いて0次光モードでのシングルモード動作を得る面発光レーザの構造について説明する。
図1(a)に、680nmで発振する赤色面発光レーザに適用した具体的な構造を示す。
n−GaAs基板102上に下部半導体多層膜反射鏡(第2の半導体多層膜反射鏡)としてn−AlAs/AlGaAs多層膜反射鏡104が存在する。
その上に、n−AlGaInPスペーサ層106、GaInP/AlGaInP四重量子井戸108(第2の活性層)が存在する。
そして、その上にp−AlGaInP中間スペーサ層110、GaInP/AlGaInP一重量子井戸112(第1の活性層)、p−AlGaInPスペーサ層114が存在する。
さらに、その上に上部半導体多層膜反射鏡(第1の半導体多層膜反射鏡)としてp−AlGaAs/AlGaAs多層膜反射鏡118が存在し、その一部はAlGaAs酸化狭窄層116となっている。
最後はp−GaAsコンタクト層120で終端される。この図では簡単のため、素子動作のために必要な電極や、層間絶縁膜を記載していないが、実際には形成する必要がある。
また、良好な電気伝導性を得るために、AlAsとAlGaAsのヘテロ界面での障壁の影響を極力減らすため、10〜20nm厚の組成傾斜層を用いてもよい。
n型電導性を得るために、Si、Ge、Seなどがドーパントとして用いられ、その不純物濃度は5×1017〜5×1018cm-2になるように制御される。
ここでは、多層膜反射鏡の熱抵抗を小さくすることを優先して低屈折率層にAlAsを用いたが、酸化狭窄の際に酸化されやすいという問題もある。
このため、この多層膜反射鏡の上部、すなわち活性層に近い領域の数ペアをAlAsではなく、より酸化されにくいAl0.9Ga0.1Asを用いてもよい。
p型電導性を得るために、C、Zn、Mgなどがドーパントとして用いられる。その不純物濃度は、5×1017〜5×1018cm-2になるように制御される。
AlGaAs酸化狭窄層116は、Al組成が98%、層厚30nmである。水蒸気雰囲気中で400℃に昇温することでメサ側壁の酸化層端面から選択酸化を行い、AlGaAsをAlOなどの酸化物に変性させて絶縁層にさせる。
選択酸化されずに残った開口部が6um径になるように酸化距離を時間で制御する。酸化されない開口部はAlGaAsのままで電気伝導性が残るため、電流狭窄が可能になる。
この層の開口部においてもp型電導性を得るために、AlGaAs酸化狭窄層はC、Zn、Mgなどを5×1017〜5×1018cm-2にドーピングする。必要に応じて組成傾斜層を設けてもよい。
p側スペーサ層114には、Al0.35Ga0.15In0.5P層を用いる。可能な限り電子のオーバーフローを低減するために、バンドギャップが最大になるAl0.5In0.5Pを用いてもよい。
ドーパントはMg、Znなどを用いて、不純物濃度が7×1017〜2×1018cm-2になるようにする。
n側スペーサ層106はAl0.35Ga0.15In0.5Pを用いる。ドーパントはSi、Seなどを用いて、その不純物濃度が1×1017〜1×1018cm-2になるようにする。
中間スペーサ層110は、ここではp型導電性をもつようにMg、Znなどを1×1017〜1×1018cm-2になるようにドープする。
Mgはメモリー効果の影響により、この中間スペーサ層上に形成する活性層への意図しないドーピングに繋がる可能性もあり、必要に応じてアンドープであってもよい。
低抵抗なp側コンタクトを得るために、最表面層はC、Znなどを1×1019〜1×1020cm-2までドーピングしたp−GaAsコンタクト層120を20nm設ける。
二つの活性層として、GaInP/Al0.25Ga0.25In0.5P一重量子井戸112とGaInP/Al0.25Ga0.25In0.5P四重量子井戸108が設けられる。
どちらの活性層も発光ピークは共振波長の680nmよりも短い660nmに設定される。
すなわち、この例では、GaInP井戸層のIn組成と井戸幅は同じに設定される。このように発光ピーク波長を共振波長より短くしてデチューニング量を設けることで、温度特性のより優れた素子が形成できる。
そのために、例えば、第1の活性層体積を第2の活性層体積に比べ減らせばよい。
そうすれば、縦方向の結合効率(光閉じ込め係数)が変化し、具体的には、第1の活性層の光閉じ込め係数、すなわちモード利得が低下する。
一方、第2の活性層の光閉じ込め係数、すなわちモード利得が増大し、結果、0次光モード発振がより得られ易い状況となる。
ここでは、酸化狭窄層に近い活性層に光閉じ込め係数が小さくなる一重量子井戸112を、酸化狭窄層から遠い活性層に光閉じ込め係数が大きくなる四重量子井戸108を用いる。図1(b)に活性層周辺の詳細図を示す。
この図は伝導帯のエネルギー準位を示しており、右方向が高エネルギー側を示す。縦方向は各々の層の位置を示し、下側が基板側であり、図1(a)と対応する向きになっている。
そして、酸化狭窄層に近い活性層(図1では112に相当)の井戸数を4個(サンプル1:図2の従来例の場合)、2個(サンプル2)、1個(サンプル3)と変化させる。
その場合の面内電流密度分布における酸化狭窄開口部中心の値(左側:黒棒)と、端部(中心から3um、右側:白棒)の値を、図5(a)、(b)に示す。
図5(a)は酸化狭窄層に近い第1の活性層の電流密度であり、図5(b)は酸化狭窄層から遠い第2の活性層の電流密度である。
この図からわかるように、井戸数を変化させることで各活性層への電流配分を制御させることができ、所望の面内電流密度をもつ活性層への電流注入量を増大させることができる。
この図6は、図5(a)(b)のふたつの活性層における電流密度分布の合計から算出できるモード利得(光閉じ込め係数を考慮)の開口部中心の値と端部の値の比である。
この比が大きいほど、0次光モードでのシングルモード発振には好ましい。
この図6からも、酸化狭窄層に近い第一の活性層の井戸数を、酸化狭窄層から遠い第二の活性層にくらべ相対的に減らすことで、その比は増大し、すなわち、より凸型の面内方向モード利得分布を達成し、0次光モードのシングルモード発振が得られ易くなることがわかる。
上記例だけでなく、例えば、酸化狭窄層に近い活性層の井戸数を1〜3にし、酸化狭窄層から遠い活性層の井戸数を3〜5などにして遠い活性層の光閉じ込め係数を相対的に大きくすることが重要である。
このように井戸数に意図的に差を設けることで、より好ましい面内電流密度分布を持つ活性層からの利得の寄与を大きくして所望の光モードでの光出力の増大を達成することが可能となる。
ところで、光閉じ込め係数を変えるには、実効的な活性層体積を変えるようにすればよい。
ここでは量子井戸活性層を用いているため、井戸数を変えたが、その他の方法として、井戸幅、バリア幅を変えて、実効的な活性層体積を変えても良い。
つまり、0次光モードでのシングルモード動作が目的であれば、第1の活性層と比較して、酸化狭窄層から遠い第2の活性層の井戸幅を広くする、あるいはバリア幅を狭くするようにしてもよい。
具体的には、中間スペーサ層に意図的にドーピングを行う。
上記サンプル3の場合で、中間スペーサ層にp型(サンプル4:図1に示す第1の実施例の場合)あるいはn型(サンプル5)にドーピングした場合も図5および図6に示す。
ドーピング量は各々MgとSiが5×1017cm-3である。
これらの図が示すように、この例では、中間スペーサ層をp型ドーピングすることで、より凸型のモード利得分布にすることができ、あるいはn型ドーピングすることでより凹型のモード利得分布にすることができる。
これは、もともとpn接合間にあるi層中に、新たにp層やn層を設けると、新たに設けたそのドーピング層と、それと逆の極性のドーピングが行われていた層の間に優先的にpn接合が形成される。
そして、その間に存在する活性層への電流注入をより強調させることができるため、と考えられる。
以上のように、中間スペーサ層に適切なドーピングを施すことで、さらに面内方向のモード利得分布を望ましい形状に制御することも可能になる。
実施例2では、図7を用いて、1次モードでのシングルモード動作を得るための面発光レーザの構造について説明する。
図7(a)、(b)に680nmで発振する赤色面発光レーザに適用した具体的な構造を示す。
ここでは、実施例1における図1(a)、(b)との差異を中心に説明する。実施例1では0次モードにおけるシングルモード動作が目的であったが、本実施例では1次光モードのシングルモード動作を得るためであり、実施例1とは反対の方針となる。
すなわち、図7(b)に示すように、酸化狭窄層に近い活性層をGaInP/AlGaInP四重量子井戸606((第1の活性層))とし、酸化狭窄層に遠い活性層を一重量子井戸602(第2の活性層)とする。
これにより、1次光モードとの結合係数の高い凹型の電流密度分布をもつ酸化狭窄層に近い活性層の井戸数を増やすことで、光閉じ込め係数を積極的に増大させている。
ここでは、井戸数について変化させた例であるが、各々の活性層の構造を変える考え方は、実施例1に示した場合と同じであり、所望の面内電流密度分布をもつ活性層からの寄与をより大きくするような構造を用いるようにすることが重要である。
3実施例では、図8を用い、0次光モードのシングルモード動作を得つつ、さらに、全駆動電流領域において高効率な面発光レーザの構造について説明する。一般に、電流が注入されて素子温度が上昇すると、共振波長と発光ピーク波長が長波長側にシフトする。
このとき、共振波長は0.05nm/℃程度であるのに対し、発光ピーク波長は0.3nm/℃程度とより大きくシフトする。ゆえに、素子温度や環境温度が上昇すると、両者の波長が相対的にずれ、もはや発光ピーク波長と共振波長が一致しなくなる。
その結果、利得の低下を引き起こし、発振特性が劣化する。ゆえに、通常は発光ピーク波長を共振波長より前もって10〜20nm程度短波長側にシフトさせておく(デチューニング)。
これにより、高い環境温度や高電流注入時の温度上昇による発光ピーク波長のシフトに対応している。
しかしながら、これは一方で環境温度が低い時や、電流注入が少ない時にはしきい値が上昇し、効率が低下することを意味する。
本発明によれば、より広い駆動電流領域においてより高効率な素子が実現可能となる。
ここでは、図1(a)、(b)との差異を説明する。
図8(b)に示すように、酸化狭窄層に近い第1の活性層をGaInP/Al0.25Ga0.25In0.5P一重量子井戸706とし、酸化狭窄層から遠い第2の活性層をGaInP/Al0.25Ga0.25In0.5P四重量子井戸702とする。
ここで、井戸層であるGaInPのIn組成を調整する。
これにより、GaInP/Al0.25Ga0.25In0.5P一重量子井戸706の発光ピーク波長を675nmに、GaInP/Al0.25Ga0.25In0.5P四重量子井戸702の発光ピーク波長を655nmにする。
具体的には、一重量子井戸706(第1の活性層)の675nmを実現するために、In組成を多めにしてバンドギャップを狭めている。
また、四重量子井戸702(第2の活性層)の655nmを達成するために、In組成を少なめにしてバンドギャップを広げている。
共振波長は680nmであるから、一重量子井戸706ではデチューニング量は5nmであり、四重量子井戸では25nmになる。また、中間スペーサ層はここではアンドープにしてある。
この状況では発光ピーク波長の波長シフトが少ないために、発光ピーク波長が675nmである一重量子井戸706からの発光が共振波長である680nmとより一致し、その寄与が支配的になる。
この場合、電流密度分布は凹型ではあるものの、しきい値直後の低電流注入領域では、1次光モードにおける回折損がもともと0次光モードにおける回折損より大きいために、凹型であってもシングルモード動作が実現される。
このような場合では、もともと655nmに発光ピークをもつ四重量子井戸702からの発光が共振波長とより一致し始め、その寄与が大きくなる。
この活性層では面内方向電流密度は凸型の分布を持つため、電流注入量が増えた場合であっても引き続き0次モードでのシングルモード動作が可能となる。
しかも、高電流注入領域の温度上昇により整合するデチューニング量を設けているため、効率の低下が少ない。
このように幅広い電流注入量に応じた各々の温度上昇に整合した複数のデチューニング量を持つ活性層構造を設けることで、全電流領域で効率の高い面発光レーザが得られる。
具体的には、少ないデチューニング量として0〜10nm、大きいデチューニング量として20〜30nmが有効である。
本実施例では、波長を変える方法としてIn組成を変化させたが、井戸幅を変えて波長を制御してもよい。
この場合、光閉じ込め係数もその井戸幅によって変化するため、井戸数の調整も含めて所望の値になるように調整すればよい。
すなわち、上述したように電流狭窄層に近い活性層と遠い活性層の面内方向電流密度分布の違いを積極的に利用して所望の素子特性の向上に繋がるように活性層構造を変えるようにすればよい。
また、上記例ではAlGaInP活性層を用いた赤色面発光レーザについて説明したが、本発明の考え方は、波長や半導体層の材料に依存せず適用できるものである。
例えば、より長波長側で発光するInGaAsP、InGaAs、AlGaAs、さらにより短波長側で発光するZnCdSe、InGaN、AlGaNといった活性層をもつ面発光レーザにも適用できる。
また、上記例では単素子の場合のみを説明したが、それら単素子を比較的容易に二次元アレイ化することに面発光レーザの利点があり、応用上大きな効果を発する。
したがって、本発明を用いた素子により二次元アレイ化を行い、多チャンネル化する等により、さらに有効な利用を図ることができる。
104:n−AlAs/AlGaAs多層膜反射鏡
106:n−AlGaInPスペーサ層
108:GaInP/AlGaInP四重量子井戸
110:p−AlGaInP中間スペーサ層
112:GaInP/AlGaInP一重量子井戸
114:p−AlInPスペーサ層
116:AlGaAs酸化狭窄層
118:p−AlGaAs/AlGaAs多層膜反射鏡
120:p−GaAsコンタクト層
122:共振器内光強度分布の腹
Claims (5)
- 面発光レーザであって、
第1の半導体多層膜反射鏡と、
前記第1の半導体多層膜反射鏡と対向して配置された第2の半導体多層膜反射鏡と、
前記第1の半導体多層膜反射鏡と前記第2の半導体多層膜反射鏡との間に設けられ、少なくとも第1の活性層と第2の活性層とを有する利得領域と、
前記第1の活性層および前記第2の活性層に注入される電流を狭窄する電流狭窄層と、
前記第1の活性層と前記第2の活性層との間に設けられ、p型またはn型にドーピングされている半導体層からなるスペーサ層と、を有し、
前記第1の活性層は、前記第2の活性層よりも小さい体積を備え、
前記電流狭窄層に対して前記第2の活性層よりも近い位置に配置されていることを特徴とする面発光レーザ。 - 前記第1の活性層は、前記第2の活性層よりも少ない井戸数を備えることを特徴とする請求項1に記載の面発光レーザ。
- 前記第1の活性層は、前記第2の活性層よりも狭い井戸幅を備えることを特徴とする請求項1に記載の面発光レーザ。
- 前記第1の活性層は、前記第2の活性層よりも広いバリア幅を備えることを特徴とする請求項1に記載の面発光レーザ。
- 前記半導体層が、AlGaInPからなり、前記第1の活性層は、前記第2の活性層よりも多いIn組成を備えることを特徴とする請求項1に記載の面発光レーザ。
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